JP2003201658A - 吸音材 - Google Patents
吸音材Info
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Abstract
を主繊維として使用することで吸音性能を高め、かつ製
作コストを引き下げた吸音材を提供する。 【解決手段】 繊維屑類等の成分Aと、天然繊維、合成
繊維から選択された1種、あるいは複数種の繊維からな
る成分Bと、熱可塑性樹脂(繊維状物、パウダー)、あ
るいは熱硬化性樹脂からなる樹脂バインダの成分Cとを
解繊・混合したものから基材Mを製作し、コールドプレ
ス成形、あるいはホットプレス成形、またはモールド成
形により吸音性能に優れた吸音材を成形する。
Description
パネルやフロアパネルに装着されるインシュレータダッ
シュ、フロアカーペット等に好適な吸音材に係り、特
に、紡績工程で発生する繊維屑等の繊維屑を有効利用す
ることで、廉価に製作できるとともに、吸音性能に優
れ、しかもリサイクルに適した吸音材に関する。
を確保するために、各種防音材が設置されている。例え
ば、図20に示すように、エンジンルームEと車室Rと
を区画するダッシュパネル1aの室内側には、インシュ
レータダッシュ1が装着されているとともに、車室R内
のフロアパネル2aの室内面にフロアカーペット2が敷
設されている。
パネル1aのエンジンルーム側に取り付けられるダッシ
ュフロントインシュレータ3やフードパネル4aの室内
側に取り付けられるフードインシュレータ4等が設置さ
れ、エンジンルームE内の音圧低下を図るとともに、ル
ーフパネル5aの室内面には、ルーフトリム5が装着さ
れている。尚、図示はしないが、トランクルームやラゲ
ージルーム内にはトランクトリム、ラゲージトリム、ホ
イールハウストリム等の防音性を有する内装材が設置さ
れている。
あるいはトランクルーム、ラゲージルーム内には各種防
音材が設置されているが、その代表的なものとして、ダ
ッシュパネル1aの室内面に装着されるインシュレータ
ダッシュ1の構成について図21を基に説明する。この
インシュレータダッシュ1としては、吸音・遮音性能を
有する吸音材6の表面側に遮音材7を一体化した2層構
造のものが従来から知られている。
ートや再生塩ビシート等、重量の嵩むシート材料が使用
されている。一方、吸音材6の素材としては、ポリエチ
レンテレフタレート(以下、PETという)等のポリエ
ステル繊維やその他の合成繊維をベースとして、低融点
の熱融着性繊維や熱可塑性樹脂パウダー等の樹脂バイン
ダを添加して、ニードリング加工や熱風をかけながらプ
レス加工を行なうことにより基材を作製し、この基材を
加熱軟化処理後、コールドプレス成形することによりダ
ッシュパネル1aの形状に合わせて吸音材6を成形して
いる。
品のぼろや屑のもつれを解きほぐしたもの)を主繊維と
し、これにバインダを添加して成形性を付与したフエル
トを使用することもあり、このフエルトは、同様に加熱
軟化処理後、所要形状にコールドプレス成形することに
より吸音材6を成形している。
泡成形により得られるウレタン発泡成形体を吸音材6と
して使用する場合もある。
インシュレータダッシュ1の吸音材6では、吸音性を高
めるためには、吸音材6の厚みを厚肉にするか、あるい
は目付量を多く設定するようにしているが、目付量を増
大させると製品のコストアップに繋がり、また、目付量
を一定のまま製品厚みを厚肉にした場合低密度となるた
め、ホコリが発生し易く、作業環境の悪化を招くという
不具合があった。また、成形性も悪化して、高展開率部
分で裂け易くなるという問題点があった。
は、吸音性を高めるために細径繊維の配合量を増やす
と、これもまたコストアップに繋がるとともに、これら
の繊維は基材を固める機能がないため、基材の剛性が損
なわれるという問題点が指摘されている。
維が太いため、吸音性能の低下や製品の重量化を招くと
いう不具合があった。また、ウレタン発泡成形体を使用
した場合、コストダウンは期待できるものの、焼却の
際、窒素酸化物が発生し、またリサイクル面でも不利で
あるという問題点があった。
れたもので、インシュレータダッシュやフロアカーペッ
ト、フードインシュレータ等、広範囲に適用できる吸音
材であって、コストが廉価にもかかわらず、優れた吸音
性能が期待でき、リサイクルにも好適な吸音材を提供す
ることを目的としている。
に、この出願の請求項1記載の発明は、製糸、紡績工程
で発生した繊維屑と、該繊維屑とセルロース系解繊物・
粉砕物とを結合させるバインダを素材として成形された
成形体からなることを特徴とする。
は、例えばインシュレータダッシュ、フロアカーペッ
ト、フードインシュレータ、ダッシュフロントインシュ
レータ、ルーフトリム、トランクトリム等、多岐に亘っ
ている。
しては、スカーティング工程で取り除かれた綿。選毛工
程、梳毛工程、そ毛工程、そ綿工程で取り除かれた綿。
コーマ工程で取り除かれたコーマ繊維屑、ノイル綿。紡
糸、紡績工程で生じた屑繊維。紡糸、紡績における検査
で規格外品とされた繊維。等の使用が可能である。
は、熱可塑性樹脂タイプと熱硬化性樹脂タイプのものが
あり、熱可塑性樹脂タイプのものでは、低融点ポリエチ
レンテレフタレート(PET)に代表される低融点ポリ
エステル樹脂繊維等の熱融着性繊維や、ポリエチレン
(以下、PEという)樹脂等の樹脂パウダー、あるいは
反応性接着剤(例えば、ウレタン系樹脂接着剤)等の使
用が可能である。また、熱硬化性樹脂タイプでは、フェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂が使用できる。
塑性樹脂タイプをバインダとして使用した際は、繊維類
と熱可塑性樹脂バインダ(繊維状でもパウダー状でも良
い)から原反マットを作製し、熱風加熱等により加熱軟
化させた後、所要形状にコールドプレス成形することに
より吸音材が得られる。
内に充填し、成形型の表面に開けた孔から高温の水蒸気
や熱風を吹き込んで、成形型の型面に沿って吸音材を成
形するようにしても良い。
合の成形工法としては、繊維類と熱硬化性樹脂バインダ
を散布した後、ホットプレス成形用金型で熱圧成形して
も良く、あるいは、成形型内に充填して成形しても良
い。
ば、製糸、紡績工程で製品を得るために取り除かれた繊
維屑を使用するため、繊維屑が細繊維でしかも安価であ
ることから、吸音性能と低コストを両立させることがで
きる。
成形体の平均面密度が300〜3000g/m2 の範囲
内にあることを特徴とする。
0g/m2 の範囲内に設定した理由としては、平均面密
度が300g/m2 未満であると、吸音・遮音効果を得
るための嵩高感のあるフエルト状とすることが困難であ
り、吸音・遮音効果が低下するためである。
えた場合には、基材の通気抵抗が著しく高くなり、基材
製造時の熱風加熱が困難となり、また、プレス中に型内
に冷風を吹き込むことも困難となり、成形タクトが著し
く延長するという欠点がある。
えた場合には、所定厚みに成形した場合の硬さが増し、
吸音・遮音性能が悪化する傾向にある。
ば、成形体の平均面密度を上記範囲内に設定することに
より、所望の吸音・遮音効果が得られるとともに、基材
製造時における熱風加熱処理やプレス中に型内に冷風を
吹き込む処理を円滑に行なえる。
成形体の素材となる繊維屑、バインダの質量比が、繊維
屑/バインダ=30〜90:10〜70であることを特
徴とする。
満であれば、コストダウン効果が小さく、配合する繊維
の種類が増えて調合に手間がかかるため、添加の意味が
なくなる。一方、繊維屑の割合が90%を上回ると、バ
インダ繊維よりも繊維屑が圧倒的に多くなり、まとまり
が低下し、ホコリ発生や強度低下を引き起こす。
設定する理由としては、10%未満ではバインダが足り
ず、繊維屑をまとめきれないため、ホコリ発生や強度低
下を引き起こすためである。一方、70%を超えた場合
には、バインダが高価であるため、コストダウン効果が
出なくなり、成形品の板厚を確保することが困難とな
り、また、成形品が硬くなりすぎるので吸音・遮音の面
で不利となる。
ば、繊維屑、バインダの質量比を上記範囲内に設定する
ことにより、成形体の良好な強度を維持しながらホコリ
の発生を有効に抑えた状態で廉価な吸音材を実現でき
る。
成形体の素材となる繊維屑、バインダに他繊維を添加
し、各素材の質量比が、繊維屑/バインダ/他繊維=5
〜80:5〜80:5〜70である。
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)等のポリエステル、ポリアミド
(PA)、ビニロンなどの合成繊維、竹,麻,綿,ケナ
フ,バナナ,ジュート,椰子等の植物を原料とした繊維
状解繊物、あるいは羊毛,絹,獣毛に代表される動物由
来繊維等の天然繊維、衣類や繊維製品を解繊することで
得られた反毛繊維、各種廃棄物の粉砕品あるいは解繊品
等の使用が可能である。
定する理由としては、5%未満であると、配合する繊維
の種類が増えて調合に手間がかかるため、添加の意味が
なくなる。逆に70%を越えた場合には、繊維屑及びバ
インダの添加量が減少することにより、コスト増大、吸
音・遮音性能低下、強度低下、ホコリ発生を招くためで
ある。
ば、低コストで高い吸音・遮音性能等の要求項目を維持
したまま、他繊維添加による多様な性状付与が可能にな
る。
屑として、綿の種子から得られる繊維のうち、繊維長2
〜60mm、繊維径6〜30μmである落綿類を使用し
たことを特徴とする。
は、繊維長が2mm未満であると、基材の強度低下、ホ
コリ発生を引き起こし易いためであり、一方、繊維長が
60mmを越えた場合には、繊維の絡みが過剰となるこ
とから、解繊・混綿が難しくなり、基材制動が困難とな
るばかりか、成形品の板厚を確保することが難しくなる
ためである。
繊維径が6μm未満であると、繊維の本数が増え、繊維
の密度が高くなり、基材の通気抵抗が異常に高くなり、
基材製造時の熱風加熱や成形時に熱風加熱・空冷が困難
となる。一方、繊維径が30μmを越えた場合には、吸
音・遮音性能が低下する。
ば、繊維屑のうち、繊維長、繊維径を上記範囲に設定す
ることにより、吸音・遮音性能等、強度が高くなり、ホ
コリの発生が少ない基材、製品を提供できる。
ンダとして、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、酢酸ビニル系あるいはポリオ
レフィン系のいずれか1種以上の素材であって、平均粒
径0.1〜1mmの範囲にある熱可塑性樹脂パウダーを
使用したことを特徴とする。
mmの範囲に設定した理由としては、平均粒径が0.1
mm未満であると、基材製造時の熱風加熱時、及び成形
前の熱風加熱時にバインダ粒子が吹き飛んでしまい、バ
インダの機能を果たさないためであり、平均粒径が1m
mを越えた場合には、単位重量あたりの粒の数が少なく
なるため、バインダとしての効果が出にくくなるためで
ある。
ば、バインダとしてパウダーを採用することで、高度な
混綿設備、不織布製造設備を使用することなく基材の製
造が可能になる。例えば、簡易的な解繊機と混合機さえ
あれば水蒸気加熱工法を使用することにより、基材の製
造が可能となる。
ンダとして、繊維径1.9〜290μm、繊維長2〜8
0mm、融点90〜170℃の熱可塑性樹脂繊維を使用
したことを特徴とする。
るとともに、繊維径を1.9〜290μmの範囲に設定
する理由としては、繊維径が1.9μm未満であると、
繊維の本数が増える。従って、繊維径を細くしすぎると
繊維の密度が高くなり、基材の通気抵抗が異常に高くな
り、基材製造時の熱風加熱や成形時の熱風加熱・空冷が
困難となるためである。また、繊維径が290μmを越
えた場合には、吸音・遮音性能が悪化するとともに、単
位重量あたりの本数が減るためバインダの効果が発揮し
づらくなるためである。
80mmの範囲に設定する理由としては、繊維長が2m
m未満であると、繊維屑をまとめきれず、基材の強度低
下、ホコリ発生を引き起こすためである。一方、繊維長
が80mmを越えた場合には、繊維の絡みが過剰となる
ため、解繊・混綿が難しくなり、基材製造が困難となる
ばかりか、成形品の板厚を確保することが難しくなるた
めである。
由としては、融点が90℃未満であると、実用上発生す
る車内の高温に耐えられず、変形してしまうためであ
る。従って、これより高い融点のバインダを採用するの
が好ましい。一方、融点が170℃を越えた場合には、
基材製造時、及び成形時の加熱で高い温度まで加熱しな
ければならず、加熱に時間が余計にかかるため、量産上
不利になるためである。
ば、バインダとして上記範囲の繊維を採用することで、
理想的な強度を備え、しかも、吸音・遮音性能の優れた
吸音材を実現できる。また、バインダが繊維であるた
め、繊維屑と絡まり易く、ホコリが発生しにくく成形性
も高くなる。
ンダとして、繊維径1.9〜290μm、繊維長2〜8
0mm、鞘部の融点90〜170℃である熱可塑性樹脂
芯鞘構造繊維を使用したことを特徴とする。
芯鞘構造の繊維径を1.9〜290μm、繊維長を2〜
80mm、鞘部の融点90〜170℃の範囲内に設定す
る理由は、熱可塑性樹脂繊維と同様である。
ば、バインダとして上記範囲の芯鞘繊維を採用すること
で、強度が高く、吸音・遮音性能の優れた吸音材を実現
できる。また、バインダが繊維であるため、繊維屑と絡
まり、ホコリが発生しにくく成形性も高くなる。
て、高温に加熱しても鞘部が溶けるだけで芯部は繊維の
まま残るという性質があるため、成形品の繊維本数を多
くすることが可能である。このことは、吸音・遮音性の
面で有利である。また、成形の温度範囲が高い側に広く
なるので成形温度のバラツキに対しある程度寛容にな
り、量産性を高めることができる。
ンダとして、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アリル樹
脂、飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂
のいずれか1種以上の熱硬化性樹脂を使用したことを特
徴とする。
ば、熱硬化性樹脂をバインダとして採用することで、ホ
コリを高度に封じ込めることが可能である。更に、成形
前の加熱が不要であるため、短時間での成形が可能とな
る。
繊維として、繊維径1.9〜290μm、繊維長2〜8
0mmであるポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、ビニロ
ンのいずれか1種以上を使用したことを特徴とする。
μm、繊維長を2〜80mmの範囲に限定する理由とし
ては、繊維径が1.9μm未満であると、繊維の密度が
高くなりすぎ、基材の通気抵抗が異常に高くなるためで
ある。すなわち、基材製造時の熱風加熱や成形時の熱風
加熱・空冷を困難にするため、加熱工法上の限界がある
ため、1.9μmを下限値とする。一方、繊維径が29
0μmを越えた場合には、吸音・遮音性能が悪化する。
また、繊維径が太くなるほど単位重量あたりの本数が減
り、バインダの効果が出にくくなるため上限値を290
μmとする。
しては、繊維長が2mm未満であると、基材の強度低
下、ホコリ発生を引き起こし易い。逆に繊維長が80m
mを越えた場合には繊維の絡みが過剰となるため、解繊
・混綿が難しくなり、基材製造が困難となるばかりか、
成形品の板厚を確保することは難しくなる。
リエステル、ポリアミド、ビニロン等の繊維は、いずれ
も安価かつ指定繊維径・長さで安定して供給される繊維
であり、繊維屑との混綿や基材化も容易にできる。
るため、これらの繊維を添加することで多様な性状を付
与できる。
ば、繊維屑、バインダだけでは付与できない性状が他繊
維の添加で可能となる。更に、上記範囲の他繊維を採用
することで、強度、ホコリの出にくさ、吸音・遮音性、
量産性、低コストといった必要性能を損なうことなく多
様な性状を付与できる。
形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。
車用インシュレータダッシュに適用した一実施形態を示
すもので、図1はインシュレータダッシュの構成を示す
断面図、図2は同インシュレータダッシュの製造工程を
示すチャート図、図3は同インシュレータダッシュに使
用する吸音材における基材の製造工程を示すチャート
図、図4は同基材の製造工程を示す概要図、図5はイン
シュレータダッシュの製造工程を示す概要図、図6はイ
ンシュレータダッシュの成形に使用するプレス成形用金
型に真空吸引力、あるいは圧空力を作用させるタイミン
グを示すチャート図である。
発生防止構造を示す説明図、図8は本発明に係る吸音材
の遮音性強化構造を示す各パターンの説明図、図9乃至
図17は本発明に係る吸音材の成形工程の別実施形態を
それぞれ示すチャート図並びに工程説明図、図18,図
19は本発明に係る吸音材の積層構造を採用した変形例
を示す各断面図である。
音材をインシュレータダッシュに適用した一実施形態に
ついて説明する。
ッシュ10は、エンジンルームEと車室Rとを区画する
ダッシュパネル11の車室側に装着されており、吸音材
20の表面に再生ゴム、再生塩ビシート等、比較的面密
度の高い遮音材21が積層一体化された2層構造体から
構成されている。そして、エンジンルームEからダッシ
ュパネル11を通じて車室内側に伝播する騒音を吸音材
20の良好な吸音性能により減衰している。
を得るために取り除かれた繊維屑を基本的に使用するも
ので、例えば、製糸、紡績工程で発生した繊維屑として
は、スカーティング工程で取り除かれた綿。選毛工程、
梳毛工程、そ毛工程、そ綿工程で取り除かれた綿。コー
マ工程で取り除かれたコーマ繊維屑、ノイル綿。紡糸、
紡績工程で生じた屑繊維。紡糸、紡績における検査で規
格外品とされた繊維のような屑繊維を使用する。上記繊
維屑は、繊維長2〜60mm、繊維径6〜30μmであ
ることが好ましい。
は、熱可塑性樹脂の融着繊維(単繊維でも芯鞘構造でも
良い)や、熱可塑性樹脂パウダー、あるいは熱硬化性樹
脂等を適宜使用可能である。
は、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、酢酸ビニル系、あるいは、ポリエチレ
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィ
ン系樹脂から適宜選択して良い。
脂は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アリル樹脂、飽
和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂等から
適宜選択して良い。
維としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の
ポリエステル、ポリアミド(PA)、ビニロンなどの合
成繊維、竹,麻,綿,ケナフ,バナナ,ジュート,椰子
等の植物を原料とした繊維状解繊物、あるいは羊毛,
絹,獣毛に代表される動物由来繊維等の天然繊維、衣類
や繊維製品を解繊することで得られた反毛繊維、各種廃
棄物の粉砕品あるいは解繊品等の使用が可能である。
尚、本発明と従来例との配合を対比して表1に示す。
ように、繊維屑等をベースとした主繊維を使用すること
で、表2に示すように、吸音性能とコスト面で有利であ
る。
高価であり、逆に、コスト的に有利な反毛繊維は繊維が
太いため吸音性能に劣る傾向にあるものの、本発明のよ
うに繊維屑等を使用すれば、細繊維で吸音性能が優れ、
しかも、安価であるため、吸音性能と低コストの両立が
可能となる。
3000g/m2 の範囲内にあることが望ましい。
000g/m2 の範囲内に設定した理由としては、平均
面密度が300g/m2 未満であると、吸音・遮音効果
を得るための嵩高感のあるフエルト状とすることが困難
であり、吸音・遮音効果が低下するためである。
えた場合には、基材の通気抵抗が著しく高くなり、基材
製造時の熱風加熱が困難となり、また、プレス中に型内
に冷風を吹き込むことも困難となり、成形タクトが著し
く延長するという欠点がある。
えた場合には、所定厚みに成形した場合の硬さが増し、
吸音・遮音性能が悪化する傾向にある。
〜3000g/m2 の範囲に設定することにより、所望
の吸音・遮音効果が得られるとともに、基材製造時にお
ける熱風加熱処理やプレス中に型内に冷風を吹き込む処
理を円滑に行なえる。
4,図5の工程説明図を基に、上記インシュレータダッ
シュ10の製造工程について説明する。
を得るために取り除かれた繊維屑類を指し、成分Bは、
繊維屑類に添加される合成繊維や天然繊維等の他繊維を
指し、成分Cは、樹脂バインダ(融着繊維でもパウダー
状でも良い)を指す。
ダとして、かつ遮音材21としてゴムシートを使用した
場合の製造工程について説明すると、まず、成分A,成
分B,成分Cを図4に示すように、解繊機30に供給
し、この解繊機30で解繊・混合された綿類をホッパー
31に供給した後、コンベア32上にマット状に押し出
す。
駆動させることにより材料を供給し、熱風加熱しながら
ベルト34により加圧を施し、吸引装置35で吸引し
て、室温まで冷却した後、カット刃36により定寸カッ
トし、基材Mが作製される。
トSに赤外加熱を施した後、両者をコールドプレス成形
により所要形状に成形し、トリムピアスカット処理を施
した後、アッシーして、自動車用インシュレータダッシ
ュ10の成形が完了する。このとき、コールドプレス成
形前に基材Mの熱風加熱処理後、必要に応じ、パウダー
散布すれば、遮音材21との接着性を高めることができ
る。
形工程は、図5に示すように、赤外加熱炉40で表皮シ
ートSを所定温度に加熱軟化させるとともに、熱風加熱
炉41で基材Mの加熱を行ない、加熱軟化処理した基材
Mにパウダー42を散布し、それぞれ表皮シートSと基
材Mの周縁を必要に応じてクランプ装置43,44によ
り保持した状態でコールドプレス成形用上下型45,4
6により所要形状にプレス成形を施し、外周カットピア
ス加工を施せば、図1に示す自動車用インシュレータダ
ッシュ10の成形が完了する。
縮化するために、コールドプレス成形用上型45及びコ
ールドプレス成形用下型46にそれぞれ真空吸引力及び
圧空力を作用させることも可能である。
イミングは自由に選択できる。このタイムチャート図を
図6(a)〜(d)に示す。図6(a)に示すものは、
上型45からの真空吸引と下型46からの圧空の開始時
期と停止時期を同期させるように制御する。よって、上
型45に作用させる真空吸引力により、製品の板厚を確
保するとともに、下型46からエアを供給することによ
り、冷却時間を速めることができる。
下型46で真空吸引力を作用させて、その後、同時に上
型45から真空吸引し、下型46から圧空力を作用させ
るようにすれば、このはじめの下型46からの真空吸引
力により、遮音材21を吸音材20に対する接着強度を
高めることができる。
から真空吸引力を作用させ、下型46から圧空を作用さ
せることで、製品の板厚を確保して、冷却時間を短縮化
するとともに、製品の脱型性を高めるために、上型45
の上昇時に上型45から圧空を作用させて、脱型性を高
めるか、あるいは下型46に真空吸引力を作用させて、
製品を下型46に吸着させるようにしても良く、再度真
空吸着した後、下型46から圧空させて、脱型させるの
が好ましい。
イミングに合わせて上型45に真空吸引力を引き続き続
行させて、下型46からも圧空力を作用させた状態で製
品を上型45に吸着保持した状態で型開きを行ない、そ
の後、上型45から圧空力を作用させて脱型させるよう
にしても良い。
45,46に真空吸引力、圧空力を自由に作用させて、
成形時間の短縮化や製品の脱型を円滑に行なうようにす
ることができる。
の成分に廃材の粉砕品を添加すると、基材Mや成形後の
製品からほこりが発生し易いという欠点があったため、
その対策パターン例を示すもので、図7(a)に示すよ
うに、基材Mの少なくとも片面に不織布50(10〜3
00g/m2 )を積層する。
ー、ホットメルト、ニードルパンチ等が使用でき、接着
せずに重ね合わせ、あるいは仮止めのみとして、成形時
の高温で基材Mと不織布50とを融着一体化するように
しても良い。
少なくとも片面にフィルム51を積層しても良く、フィ
ルム51の接着方法は、熱融着、パウダー融着、ホット
メルト融着等が使用でき、接着せずに重ね合わせ、ある
いは仮止めのみとして、基材Mの成形時における高温で
熱融着するようにしても良い。
表面に、不織布50とフィルム51を積層した積層体を
積層しても良い。この不織布50は、フィルム51が破
けるのを防止するもので、不織布50の面密度は10〜
300g/m2 程度であり、フィルム51の接着方法
は、図7(b)と同様である。
ぞれに異なる処理を施すこともできる。
構造を示すもので、図8(a)に示すように、高密度な
表面層52として使用し、ベース53と積層する。この
高密度な表面層52は、バインダ成分を配合を多くした
高密度に設定され、バインダの替わりに樹脂含侵で高密
度としても良い。
内面となる面に非通気層54を基材Mに積層一体化して
も良く、この非通気層54としては、合成樹脂シート、
塩ビシート、発泡樹脂シート、ゴムシート、金属シート
等、厚みは10μm以上である。更に、図8(c)に示
すように、バインダ成分の配合を少なく、低密度とした
パネル側表面層55とベース53とを積層しても良い。
尚、図7に示す各種の積層構造においても、ホコリ防止
構造の他に遮音性を高める機能も備えている。
変形例の製造工程について説明する。
態と同様であり、ただ、通気性表皮を積層一体化する点
で異なる。この場合、通気性表皮は、基材Mと重ね合わ
せて熱風加熱により一体加熱することができる。次い
で、図10は、通気性表皮を積層する際、基材Mの製造
時に前もって一体化する方法である。
樹脂バインダを使用するが、基材M状態を経由せず、直
接表皮を積層して製品を得る場合であり、図12に示す
ように、成形用上下型60,61の型内に成分A,成分
B,成分Cの解繊・混合物を充填して、型締め後、水蒸
気または熱風を吹き込んで、内部のバインダを溶融させ
て、直接成形し、このとき、通気性表皮に赤外加熱を施
し、成形用上下型60,61間にセットすることもでき
る。
を結合させるバインダとして熱硬化性樹脂バインダを使
用した製造工程のチャート図であり、図13に示す製造
工程を繊維屑等の成分Aと合成繊維や天然繊維等の補強
成分Bと、熱硬化性樹脂バインダを混合したもので基材
を製造し、必要に応じてパウダーを散布した後、表皮層
と重ね合わせ、ホットプレス成形用金型により所要形状
に成形し、トリムピアスカット処理後、アッシー工程を
経て製品を成形できる。
時に前もって表皮層を重ね合わせ一体化することもで
き、図15に示すように、基材状態を経由せず表皮層を
積層することもできる。
ラインに混綿工程を追加して吸音材を製造する工程チャ
ート図であり、繊維屑類である成分Aと補強繊維である
成分Bと、熱可塑性樹脂バインダである成分Cとを計量
した後、混合解繊し、図17に示すように、解繊・混合
繊維を型70内に充填し、加圧板71により所定圧に加
圧した状態で高温の水蒸気または熱風を吹き込み、型7
0からブロックBを取り出し、一定厚みにスライス加工
を施すことにより、また外周カットを施して、基材Mを
製造する。
も考えられる。例えば、基材Mの少なくとも片面に水、
溶液で処理を行なう。このときの処理のタイミングは基
材M製造の熱風処理の直前や成形工程における熱風加熱
の直前に行なえば、乾燥工程が不要となる。
が考えられる。
化合物 (植物抽出物) 例)澱粉、アミロペクチン、ペクチン、アラビアガム 例)ローカストビーンガム、グァーガム 例)砂糖、ブドウ糖などの糖類 (動物性蛋白) 例)ゼラチン、カゼイン (セルロース系) 例)カルボオキシメチルセルロース 例)メチルセルロース他セルロースに化学的に修飾した
もの (その他) ・タッキファイヤー(粘着付与材樹脂) ・ロジン(松脂)化合物 ・アミロース、ペクチン酸、キシラン、アルギン酸繊
維、蛋白質系繊維
毛のり、塗布ロール、浸漬等が使用でき、基材Mが化学
構造に親水基をもつ成分を含む場合には、水や水溶液を
用いれば、基材M表面に水素結合が結合されてホコリ成
分が固定される。
搬送速度と同期しないロールで基材M表面を擦れば、薬
剤処理の効果を高められる。
ルト類で処理を行なうようにしても良く、ウエブ状(く
もの巣状)、あるいは網目状ホットメルトで表面を覆
い、通気度を下げることでホコリ発生を抑制する。目付
10〜150g/m2 のものを用いる。
材M表面を流動してつぶれたパウダーで覆い、ホコリ発
生を抑制する。上記ホットメルト、パウダーは低融点の
ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、酢酸ビニル系やポリオレフィン系であり、
融点100〜170℃のものが推奨される。あるいは、
液状ホットメルトを糸状に、基材表面にランダムあるい
は網目状に塗布してホコリを抑制する。
薬剤を綿にスプレーする。綿全体の処理となるので、基
材の表面から内部まで全体が処理対象となるので、ホコ
リ抑制の効果が高い。スプレー処理で、繊維にホコリ成
分を吸着させた状態となるので、基材の製造工程でのホ
コリ発生も抑制できる。繊維やホコリ成分の化学構造が
親水基を含む場合、薬剤が水系であれば、ホコリ成分が
繊維に水素結合により強固に吸着される。処理薬剤は上
述したものと同様のものを使用する。
ついて説明する。
表面層57が積層される場合には、吸音層56は繊維屑
類/繊維径6〜30μm、PET/290μm以下、P
ETバインダ=5〜80:0〜70:5〜70、総厚み
5〜60mm、密度0.005〜0.6g/cm3 。ま
た、表面層57としては、290μm以下のPET/2
90μm以下のPETバインダ=0〜95:5〜10
0、12〜300g/m 2 の面密度である。
径1.9〜290μm(好ましくは60〜150μ
m)、繊維長さ2〜80mm(好ましくは30〜74m
m)、バインダ(繊維の場合)では、繊維径1.9〜2
90μm(好ましくは20〜150μm)、繊維長さ2
〜80mm(好ましくは30〜74mm)、素材として
は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステ
ル、ポリアミド(PA)、ビニロン等からなる合成繊
維。融点は、90〜170℃の範囲のものが良い。
芯鞘構造、例えば、芯がPP、外側がPEとなる構造
や、芯がPP、外側がPETとなる構造をもつ繊維を使
用しても良い。
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリアミ
ド(PA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(E
VA)等からなる樹脂パウダー、単一素材からなるパウ
ダーに限らず、ブレンドポリマーからなるパウダーを使
用するか、異なる素材からなるパウダーをブレンドして
も良い。尚、パウダーの平均粒径0.1〜1mmの範囲
のものが良い。
ー状バインダを併用することも可能である。
面層57との組成配合を各種変えたもので、表3に示す
ように両側の表面層57を高バインダ配合とし、サンド
イッチ構造とすることで、製品の剛性アップを図ること
ができる。
7のバインダを減らして嵩高な柔軟不織布とし、表面層
57自体にも吸音性を付与し、かつ吸音層56をmas
s.表面層57をバネとして遮音性アップを図る配合
で、吸音層56が車体パネルにソフトタッチとなるた
め、遮音性能がより強化される。
配合量を高め、吸音性アップを図る配合で、基材Mのバ
ネ定数低減で遮音性アップも期待できる。
め、基材の強度アップを図る配合で、表7では吸音層5
6のバインダ量を極限まで減らし、低バネとすることで
遮音性アップを図る。
め、天井等、高い耐熱変形性を要求される部品に対応で
きる配合で、バインダに結晶性の熱融着性繊維を使用す
れば、耐熱変形性改善に役立つ。
し、基材M物性の多様化を図る配合で、竹繊維等の硬い
繊維を用いれば、基材M及び製品の剛性強度をアップで
きる。
維を添加し、基材M物性の多様化を図る配合であって、
竹繊維等の硬い繊維を用いれば、サンドイッチ構造によ
る剛性アップの効果が高い。
目付を極限まで減らし、吸音層56の目付を高めること
で吸音性を向上させることができる。
布を高バインダ配合、パネル側の低バインダ配合とし、
3層それぞれの個別の役割をもたせることができる。
m、PET/20μm、バインダ=10:90、面密度
150g/m2 で、バインダ量を多くして硬い高密度層
とし、遮音材を不要とする。
m、PET/20μm、バインダ=95:5、面密度2
50g/m2 で、バインダ量を少なくしてフワフワ状と
し、パネルにソフトタッチとすると良い。
は、吸音材の主繊維としてPET繊維や反毛繊維を使用
せず、製糸、紡績工程で製品を得るために取り除かれた
屑繊維を使用するため、再生繊維を廉価に使用すること
ができ、吸音性能を高めることができるとともに、コス
ト面でも合成繊維をベースとした場合の1/4程度に低
減させることができ、吸音性能に優れるとともに、コス
トを大幅に低減できるという効果を有する。
すもので、自動車用インシュレータダッシュの構成を示
す断面図である。
製造工程を示すチャート図である。
の製造工程を示すチャート図である。
を製造する製造工程を示す説明図である。
ート図である。
生防止構造を示す説明図である。
化構造を示す説明図である。
示すチャート図である。
を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
を示すチャート図である。
る。
を示す断面図である。
を示す断面図である。
る。
成を示す断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 製糸、紡績工程で発生した繊維屑と該繊
維屑を結合させるバインダとを素材として成形された成
形体からなることを特徴とする吸音材。 - 【請求項2】 前記成形体の平均面密度が300〜30
00g/m2 の範囲内にあることを特徴とする請求項1
に記載の吸音材。 - 【請求項3】 前記成形体の素材となる繊維屑とバイン
ダの質量比が、繊維屑/バインダ=30〜90:10〜
70であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸
音材。 - 【請求項4】 前記成形体の素材となる繊維屑とバイン
ダに他繊維を添加し、各素材の質量比が、繊維屑/バイ
ンダ/他繊維=5〜80:5〜70:5〜70であるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。 - 【請求項5】 繊維屑として、綿の種子から得られる繊
維のうち、繊維長2〜60mm、繊維径6〜30μmで
ある落綿類を使用した請求項1乃至4のいずれかに記載
の吸音材。 - 【請求項6】 バインダとして、ポリエステル、ポリア
ミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸ビニ
ル系あるいはポリオレフィン系のいずれか1種以上の素
材であって、平均粒径0.1〜1mmの範囲にある熱可
塑性樹脂パウダーを使用したことを特徴とする請求項1
乃至5のいずれかに記載の吸音材。 - 【請求項7】 バインダとして、繊維径1.9〜290
μm、繊維長2〜80mm、融点90〜170℃の熱可
塑性樹脂繊維を使用したことを特徴とする請求項1乃至
5のいずれかに記載の吸音材。 - 【請求項8】 バインダとして、繊維径1.9〜290
μm、繊維長2〜80mm、鞘部の融点90〜170℃
である熱可塑性樹脂芯鞘構造繊維を使用したことを特徴
とする請求項1乃至5のいずれかに記載の吸音材。 - 【請求項9】 バインダとして、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、アリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ユリア
樹脂、エポキシ樹脂のいずれか1種以上の熱硬化性樹脂
を使用したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
に記載の吸音材。 - 【請求項10】 他繊維として、繊維径1.9〜290
μm、繊維長2〜80mmであるポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリア
ミド(PA)ビニロンのいずれか1種以上を使用した請
求項4乃至9のいずれかに記載の吸音材。
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