JP2003201252A - 増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤 - Google Patents

増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾
患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤の提供。 【解決手段】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
その塩を含有してなる増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性
疾患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エリスロポエチン
受容体拮抗物質を含有する増殖性臓器疾患、慢性関節炎
症性疾患、ならびに肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治
療剤などに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、組織または臓器における癌および
増殖性病変等の増殖性臓器疾患に対する治療手段とし
て、外科的切除、放射線照射、抗癌剤投与、またはそれ
らを併用する方法が用いられている。しかし、癌の診断
技術の格段の進歩と比較すれば、癌そのものの生物学的
特徴についての基礎的で詳細な研究は遅れをとってい
る。そのため、抜本的治療手段は確立していないのが現
状である。
【0003】エリスロポエチンは、血球の増殖と分化に
関与し、他のサイトカインとは異なり血球では産生され
ず、腎臓または肝臓で産生され血液中に放出される。エ
リスロポエチンは赤血球前駆細胞のうち赤芽球バースト
形成細胞(BFU-E) と赤芽コロニー形成細胞(CFU-E) に作
用し、その分化と増殖を促進し、赤血球の産生を誘導し
ていると考えられている(Krantz S.B., Blood, Vol.7
7, pp419-434 (1991))。エリスロポエチンが前駆細胞
の細胞膜に存在するエリスロポエチン受容体と結合する
と、シグナルが細胞核内に伝達され、赤血球の分化、即
ちグロビンmRNAの細胞内集積、ヘモグロビンの産
生、赤血球の分化が起こるとされている(D'Andrea A.
D. et al., Cell, Vol.57, pp277-285 (1989))。しか
し、そのメカニズムの詳細についてはまだ解明されてお
らず、今後解決すべき点が多い。
【0004】エリスロポエチンが赤芽球に関する部位以
外の組織でその遺伝子を発現している部位として、着床
直後の胚体(Yasuda Y. et al., Develop. Growth Diff
er.,Vol.35, pp711-722 (1993))、ヒト、サル、および
マウスの脳(Marti H.H. etal., Eur.J.Neu.Sci., Vol.
8, pp666-676 (1996))およびマウス子宮内膜(Yasuda
Y. et al., J. Biol. Chem., Vol.273, pp25381-25387
(1998))が知られている。また、本発明者らは、エリス
ロポエチン受容体遺伝子が赤芽球系以外にマウス脱落膜
(Yasuda Y. et al., Develop. Growth Differ., Vol.3
5, pp711-722(1993))およびマウス子宮内膜血管内皮細
胞(Yasuda Y. et al., J. Biol. Chem., Vol.273, pp2
5381-25387 (1998)に発現していることを見出した。こ
れらの血球系以外の部位におけるエリスロポエチンある
いはエリスロポエチン受容体遺伝子の機能については、
明らかにされていないのが現状である。
【0005】脱落膜は、子宮内膜に胚が着床すると着床
部位の内膜が脱落膜変化を起こし、胚を取り囲む。脱落
膜にエリスロポエチン受容体遺伝子が発現し、エリスロ
ポエチンは発現していないことより、エリスロポエチン
受容体は脱落膜で産生され、血流中のエリスロポエチン
と結合してエリスロポエチンシグナルを伝達していると
考えられる。正常なヒト子宮内膜について検索したとこ
ろ、エリスロポエチン遺伝子の発現は現時点の技術では
認められるものと認められないものがあった。しかし、
エリスロポエチンおよびエリスロポエチン受容体の蛋白
質レベルでの発現は全例に認められた。従って、ヒト正
常子宮内膜では、脱落膜と同様にエリスロポエチンは血
液中から取り込まれる場合と極低濃度で自分泌している
場合もあり、子宮の正常生理機能に関与していることが
考えられる。一方、子宮頸部癌、体部癌、子宮筋腫、卵
巣癌、卵巣嚢腫にはエリスロポエチンmRNAが発現してい
ることをRT-PCRおよびサザンブロット法で認めた。ま
た、これらの癌組織内の血管内皮細胞にエリスロポエチ
ン受容体が発現していた。これらの組織検索で癌細胞に
エリスロポエチンおよびエリスロポエチン受容体蛋白
質、さらに増殖性核抗原が存在していることが明らかに
なった。従って、エリスロポエチンは癌細胞の増殖に係
わっていることが推測された。また、特定のドメインに
おいてエリスロポエチン受容体に結合する物質が慢性関
節リウマチの治療に利用され得るとの記載がある(WO
00/66632号公報)。
【0006】本発明者らはこれまでに、エリスロポエチ
ン抗体、エリスロポエチン受容体蛋白質などのエリスロ
ポエチン拮抗物質(エリスロポエチン拮抗物質とはエリ
スロポエチンに結合性を有する物質)が癌細胞増殖抑制
効果および介在毛細血管障害効果を有することを見出し
ている(特開平10-101574号公報、 British Journalof
Cancer, Vol.84, pp836-843 (2001))。
【0007】
【特許文献1】WO00/66632号公報
【特許文献2】特開平10-101574号公報
【非特許文献1】Krantz S.B., Blood, Vol.77, pp419-
434 (1991)
【非特許文献2】D'Andrea A.D. et al., Cell, Vol.5
7, pp277-285 (1989)
【非特許文献3】Yasuda Y. et al., Develop. Growth
Differ.,Vol.35, pp711-722 (1993)
【非特許文献4】Marti H.H. et al., Eur.J.Neu.Sci.,
Vol.8, pp666-676 (1996)
【非特許文献5】Yasuda Y. et al., J. Biol. Chem.,
Vol.273, pp25381-25387 (1998)
【非特許文献6】British Journal of Cancer, Vol.84,
pp836-843 (2001)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのエリ
スロポエチン拮抗物質はいずれも蛋白質であり、同様の
作用機序(エリスロポエチンシグナルの遮断)によって
癌細胞増殖抑制効果および癌組織内血管増殖効果を同時
に有するペプチドなどの低分子化合物は全く知られてい
ない。本発明は、ペプチドなどの低分子化合物を有効成
分として含有する、優れた増殖性臓器疾患、慢性関節炎
症性疾患、ならびに肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治
療剤などを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、エリスロポエ
チン受容体拮抗作用を有するペプチドなどの低分子化合
物が、予想外にも優れた癌細胞および介在血管増殖抑制
作用を有することを見出した。本発明者は、これらの知
見に基づいてさらに検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。
【0010】すなわち、本発明は、 〔1〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩を
含有してなる増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾患、肥
厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤; 〔2〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩が
低分子性エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩
である前記〔1〕記載の剤; 〔3〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩が
低分子ペプチド性エリスロポエチン受容体拮抗物質また
はその塩である前記〔1〕記載の剤; 〔4〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩が
エリスロポエチンミメティックペプチドまたはその塩で
ある前記〔1〕記載の剤; 〔5〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩が
エリスロポエチンミメティックペプチド9またはその塩
である前記〔1〕記載の剤; 〔6〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩が
配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドまたはそ
れらの塩である前記〔1〕記載の剤; 〔7〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩が
抗エリスロポエチン受容体抗体またはその塩である前記
〔1〕記載の剤; 〔8〕増殖性臓器疾患が癌または腫瘍である前記〔1〕
記載の剤;
〔9〕慢性関節炎症性疾患が関節リウマチ、リウマチ類
縁疾患、膠原病による関節炎、または腱鞘炎である、前
記〔1〕記載の剤; 〔10〕エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩
を含有してなる血管増殖抑制剤; 〔11〕哺乳動物に、エリスロポエチン受容体拮抗物質
またはその塩の有効量を投与することを特徴とする増殖
性臓器疾患、慢性関節炎症性疾患、肥厚性瘢痕またはケ
ロイドの予防・治療方法; 〔12〕哺乳動物に、エリスロポエチン受容体拮抗物質
またはその塩の有効量と他の抗癌剤またはその塩の有効
量とを組み合わせて投与することを特徴とする増殖性臓
器疾患の予防・治療方法; 〔13〕増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾患、肥厚性
瘢痕またはケロイド予防・治療剤を製造するためのエリ
スロポエチン受容体拮抗物質またはその塩の使用などに
関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の増殖性臓器疾患、慢性関
節炎症性疾患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤
(以下、「本発明の剤」と略記する)に用いられるエリ
スロポエチン受容体拮抗物質としては、ヒトエリスロポ
エチン受容体へのエリスロポエチンの結合を競合的また
は非競合的に阻害することによりエリスロポエチン受容
体からのシグナル伝達を遮断する物質、或いはヒトエリ
スロポエチン受容体へのエリスロポエチンの結合を阻害
することなくエリスロポエチン受容体からのシグナル伝
達を遮断する物質(例えば、JAK2キナーゼを阻害す
る物質など)であれば特に限定されない。例えば抗エリ
スロポエチン受容体抗体などが挙げられる。エリスロポ
エチン受容体拮抗物質としては、なかでも、分子量が約
200〜5000である低分子化合物が好ましく、とり
わけ、分子量が約300〜3000である低分子化合物
が好ましい。また、エリスロポエチン受容体拮抗物質は
ペプチド性でも非ペプチド性でもよいが、ペプチド性の
ものが好ましく、なかでも、低分子ペプチド性のものが
好ましい。
【0012】本発明で用いられる低分子ペプチドとして
は、例えば、少なくとも5個以上、好ましくは5〜30
個程度、特に好ましくは15〜25個程度のアミノ酸残
基からなるペプチドなどが挙げられる。本発明で用いら
れるエリスロポエチンミメティックペプチド(EMP)
としては、リガンドが受容体と結合する程度の強さでヒ
トエリスロポエチン受容体と結合することによりエリス
ロポエチン受容体からのシグナル伝達を遮断するペプチ
ド、或いはヒトエリスロポエチン受容体に結合すること
なくエリスロポエチン受容体からのシグナル伝達を遮断
するペプチド(例えば、JAK2キナーゼの阻害するペ
プチドなど)であれば特に限定されないが、例えばバイ
オケミストリー(Biochemistry)37,3699,19
98に記載されたエリスロポエチンミメティックペプチ
ド(EMP)が挙げられ、中でもEMP6、EMP7、
EMP9、EMP12、EMP22、EMP23、EM
P24、EMP25、EMP33、EMP39が好まし
く、そのなかでもEMP9が特に好ましい。より具体的
には、エリスロポエチン受容体拮抗物質としては、例え
ば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドなど
が用いられ、これらペプチドは哺乳動物(例えば、モル
モット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒ
ツジ、ウシ、サル、ヒトなど)の細胞[例えば、肝細
胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄
細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細
胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、横紋
筋細胞、平滑筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例えば、マ
クロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細
胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球な
ど)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細
胞、破骨細胞、乳腺細胞、もしくは間質細胞、またはこ
れらの細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン化細胞な
ど]もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組識[例
えば、脳、脳の各部位(例えば、嗅球、扁桃核、大脳基
底核、海馬、視床、視床下部、間脳大脳皮質、延髄、小
脳など)脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖
腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消
化管(例えば、大腸、小腸など)、血管、心臓、胸腺、
脾臓、舌下腺、耳下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、
胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋およびこれらの組織に存
在する結合組織など]または血球系の細胞もしくはその
培養細胞株などに由来するペプチド、合成ペプチド、組
換え型ペプチドの何れであってもよい。
【0013】配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドとは、配
列番号:1で表されるアミノ酸配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸
配列を有するペプチドなどが挙げられる。また、エリス
ロポエチン受容体拮抗物質としては、例えば、配列番
号:1で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、1から7個程度、より好ましくは1から
5個程度、さらに好ましくは1から3個)のアミノ酸が
欠失したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミ
ノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1から7個
程度、より好ましくは1から5個程度、さらに好ましく
は1から3個)のアミノ酸が付加または挿入されたアミ
ノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、1から7個程度、より
好ましくは1から5個程度、さらに好ましくは1から3
個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配
列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列を含有す
るペプチドなども用いられる。ここで用いられる他のア
ミノ酸は天然型または非天然型のいずれであってもよ
い。
【0014】エリスロポエチン受容体拮抗物質は、ペプ
チド表記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、
右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:
1で表されるアミノ酸配列を有する低分子ペプチドをは
じめとするエリスロポエチン受容体拮抗物質は、C末端
が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシ
レート(−COO)であるが、C末端がアミド(−C
ONH)またはエステル(−COOR)であってもよ
い。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−
ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペン
チル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル
基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12
アリール基、例えば、ベンジル、フェネチル、α−ナフ
チルメチルなどのC6−12アリール−C1−2アルキ
ル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイ
ルオキシメチルエステルなどが用いられる。エリスロポ
エチン受容体拮抗物質がC末端以外にカルボキシル基
(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボ
キシル基がアミド化またはエステル化されているものも
本発明の低分子ペプチドに含まれる。この場合のエステ
ルとしては、例えば、前記したC末端のエステルなどが
用いられる。さらに、エリスロポエチン受容体拮抗物質
には、分子内のアミノ酸の側鎖上にある、例えば、O
H、COOH、NH、SHなどが適当な保護基(例え
ば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基な
ど)で保護されているもの、糖鎖が結合したいわゆる糖
ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。エリスロ
ポエチン受容体拮抗物質の具体例としては、配列番号:
1で表されるアミノ酸配列からなるエリスロポエチンミ
メティックペプチド9(EMP9)が好ましく用いられ
る。
【0015】エリスロポエチン受容体拮抗物質の塩とし
ては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸など)との塩など
が用いられる。また、無機塩基(例えば、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウ
ムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムまたはアンモ
ニウムなど)との塩、有機塩基(例えば、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6
−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジア
ミン、リシン、アルギニン、ヒスチジンなど)との塩な
ども用いられる。
【0016】本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質またはその塩のプロドラッグとしては、
生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応に
よりエリスロポエチン受容体拮抗物質に変換する化合
物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こし
てエリスロポエチン受容体拮抗物質に変化する化合物、
胃酸等により加水分解等を起こしてエリスロポエチン受
容体拮抗物質に変化する化合物などが用いられる。具体
的には、本発明の剤に含有されるエリスロポエチン受容
体拮抗物質またはその塩のプロドラッグとしては、本発
明の剤に含有される低分子ペプチドのアミノ基がアシル
化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、本発
明の剤に含有される低分子ペプチドのアミノ基がエイコ
サノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル
化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン
−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラ
ニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル
化、tert−ブチル化された化合物等);本発明の剤に含
有される低分子ペプチドの水酸基がアシル化、アルキル
化、りん酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明
の剤に含有される低分子ペプチドの水酸基がアセチル
化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、
スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミ
ノメチルカルボニル化された化合物等);本発明の剤に
含有される低分子ペプチドのカルボキシ基がエステル
化、アミド化された化合物(例えば、本発明の剤に含有
される低分子ペプチドのカルボキシ基がエチルエステル
化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル
化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキ
シメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチル
エステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2
−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエ
ステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエス
テル化、メチルアミド化された化合物等);等が挙げら
れる。これらの化合物は自体公知の方法によって本発明
の剤に含有される低分子ペプチドから製造することがで
きる。また、本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質またはその塩のプロドラッグは、広川書
店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163
頁から198頁に記載されているような生理的条件でエ
リスロポエチン受容体拮抗物質に変化するものであって
もよい。
【0017】本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質またはその塩は、(1)前述した哺乳動
物の細胞または組織から自体公知の方法によっても製造
することもできるし、(2)ペプチド合成法に準じて製
造することもできるし、(3)本発明の剤に含有される
低分子ペプチドをコードするDNAを含有する形質転換
体を培養することによっても製造することができる。 〔哺乳動物の細胞または組織から製造する方法〕ヒトや
哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺
乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸など
で抽出を行い、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー
を組合せることにより単離精製することができる。
【0018】〔ペプチド合成法に準じて製造する方法〕
本発明の剤に含有されるエリスロポエチン受容体拮抗物
質またはその塩あるいはそのアミド体は、自体公知のペ
プチドの合成法に従って、あるいはエリスロポエチンを
適当なペプチダーゼで切断することによって製造するこ
とができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相
合成法、液相合成法のいずれによってもよい。すなわ
ち、本発明の剤に含有される低分子ペプチドを構成し得
る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的の低分子ペプチドを製造することができ
る。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、
以下のからに記載された方法が挙げられる。 M.BodanszkyおよびM.A.Ondett
i、ペプチド シンセシス(Peptide Synth
esis),Interscience Publis
hers,New York(1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチ
ド(The Peptide),Academic Pr
ess,New York(1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株)
(1975年) 矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座1、タンパ
ク質の化学IV、205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合
成 広川書店
【0019】より具体的には、本発明の剤に含有される
エリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩あるいは
そのアミド体の合成には、通常市販のペプチド合成用樹
脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例
えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベン
ズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジ
ルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒ
ドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチル
フェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド
樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニルヒドロキ
シメチル)フェノキシ樹脂、4−(2' ,4’−ジメト
キシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂
などを挙げることができる。このような樹脂を用い、α
−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、
目的とする低分子ペプチドの配列通りに、自体公知の各
種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に
樹脂から低分子ペプチドを切り出すと同時に各種保護基
を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結
合形成反応を実施し、目的の低分子ペプチドまたはそれ
らのアミド体を取得する。前記した保護アミノ酸の縮合
に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬
を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよ
い。カルボジイミド類としては、DCC、N,N' −ジ
イソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N' −(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどが用い
られる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤
(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ
酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無水物また
はHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとして
あらかじめ保護アミノ酸の活性化を行った後に樹脂に添
加することができる。
【0020】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうる
ことが知られている溶媒から適宜選択されうる。例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は、
ペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られてい
る範囲から適宜選択され、通常約−20℃から50℃の
範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体
は通常1.5から4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン
反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保
護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことによ
り十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても
十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセ
チルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化
することができる。
【0021】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、tert−ペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられ
る。カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ter
t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの直
鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラ
ルキルエステル化、(例えば、ベンジルエステル、4−
ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカル
ボニルヒドラジド化、tert−ブトキシカルボニルヒ
ドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護す
ることができる。セリンの水酸基は、例えば、エステル
化またはエーテル化によって保護することができる。こ
のエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基
などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイ
ル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。ま
た、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル
基、テトラヒドロピラニル基、tert−ブチル基など
である。チロシンのフェノール性水酸基の保護基として
は、例えば、Bzl、Cl−Bzl、2−ニトロベン
ジル、Br−Z、tert−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼ
ンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。原料
のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例え
ば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコ
ール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−
トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、
シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HO
NB、N−ヒドロキシスクシミド、HOBt)とのエス
テル]などが用いられる。原料のアミノ基の活性化され
たものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用い
られる。
【0022】保護基の除去(脱離)方法としては、例え
ば、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの
混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに
よる塩基処理、また、液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。前記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃から40℃の温度で行われるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2
−エタンジチオールなどのようなカチオン補足剤の添加
が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基
として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフ
ェノール処理により除去され、トリプトファンのインド
ール保護基として用いられるホルミル基は前記1,2−
エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存
在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム
溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても
除去される。原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。
【0023】目的とする低分子ペプチドのアミド体を得
る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシル末端
アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した
後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした
後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみ
を除いた部分ペプチドとC末端のカルボキシル基の保護
基のみを除去した部分ペプチドとを製造し、この両部分
ペプチドを前記したような混合溶媒中で縮合させる。縮
合反応の詳細については前記と同様である。縮合により
得られた保護ペプチドを精製した後、前記方法によりす
べての保護基を除去し、所望の粗低分子ペプチドを得る
ことができる。この粗低分子ペプチドは既知の各種精製
手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで
所望の低分子ペプチドのアミド体を得ることができる。
低分子ペプチドのエステル体を得るには、例えば、カル
ボキシル末端アミノ酸のα―カルボキシル基を所望のア
ルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、低分子
ペプチドのアミド体と同様にして、所望の低分子ペプチ
ドのエステル体を得ることができる。また、反応後は通
常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマト
グラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶などを組
合せて目的の低分子ペプチドを単離精製することができ
る。前記方法で得られる低分子ペプチドが遊離体である
場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することが
できるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によっ
て遊離体に変換することができる。より具体的には、本
発明の剤に含有されるエリスロポエチン受容体拮抗物質
またはその塩はバイオケミストリー(Biochemistry)3
7,3699,1998に記載された方法で製造され
る。
【0024】本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質またはその塩は抗エリスロポエチン受容
体抗体またはその塩であってもよい。このエリスロポエ
チン受容体またはその塩に対する抗体は、エリスロポエ
チン受容体またはその塩を認識し得る抗体であれば、ポ
リクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであって
もよい。エリスロポエチン受容体またはその塩(以下エ
リスロポエチン受容体等ともいう)に対する抗体は、エ
リスロポエチン受容体を抗原として用い、公知の抗体ま
たは抗血清の製造法に従って製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 エリスロポエチン受容体等は、哺乳動物に対して投与に
より抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6
週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられ
る哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モ
ルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げられる
が、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノク
ローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫さ
れた温血動物、例えば、マウスから抗体価の認められた
個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ
節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細
胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体
価の測定は、例えば、後記の標識化エリスロポエチン受
容体等と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標
識剤の活性を測定することにより行なうことができる。
融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタイ
ンの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、495頁(1975
年)〕に従い実施することができる。融合促進剤として
は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセン
ダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが
用いられる。骨髄腫細胞としては、例えば、NS-1、P3U
1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、P
EG(好ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度
の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃
で約1〜10分間インキュベートすることにより効率よく
細胞融合を実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブ
リドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できる
が、例えば、エリスロポエチン受容体等の抗原を直接あ
るいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレ
ート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性
物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞
融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グ
ロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加
え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方
法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着さ
せた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物
質や酵素などで標識したエリスロポエチン受容体等を加
え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法
などが挙げられる。モノクローナル抗体の選別は、公知
あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる
が、通常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、
チミジン)を添加した動物細胞用培地などで行なうこと
ができる。選別および育種用培地としては、ハイブリド
ーマが生育できるものならばどのような培地を用いても
良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児
血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清
を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブ
リドーマ培養用無血清培地(SFM-101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常
5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養
は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブ
リドーマ培養上清の抗体価は、前記の抗血清中の抗体価
の測定と同様にして測定できる。 (b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。 〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポリクローナル
抗体は、公知あるいはそれに準じる方法にしたがって製
造することができる。例えば、免疫抗原(エリスロポエ
チン受容体等の抗原)とキャリアー蛋白タンパク質との
複合体をつくり、前記のモノクローナル抗体の製造法と
同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物からエリス
ロポエチン受容体等に対する抗体含有物を採取して、抗
体の分離精製を行なうことにより製造できる。哺乳動物
を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白
タンパク質との複合体に関し、キャリアー蛋白タンパク
質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キ
ャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が
効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋
させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサ
イログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニ
ン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましく
は約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。ま
た、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮
合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカ
ルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、
ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用い
られる。縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が
可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投
与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全
フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバン
トを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回
ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。ポリクロ
ーナル抗体は、前記の方法で免疫された哺乳動物の血
液、腹水など、好ましくは血液から採取することができ
る。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、前記の
血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリク
ローナル抗体の分離精製は、前記のモノクローナル抗体
の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従っ
て行なうことができる。
【0025】本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質もしくはその塩またはそのプロドラッグ
は、腫瘍増殖抑制作用などを有しているので、本発明の
剤は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスタ
ー、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトな
ど)に対して、増殖性臓器疾患(例えば、原発性、転移
性または再発性の、乳癌、前立腺癌、膵癌、胃癌、肺
癌、大腸癌(結腸癌、直腸癌、肛門癌)、食道癌、十二
指腸癌、頭頚部癌(舌癌、咽頭癌、喉頭癌)、脳腫瘍、
神経鞘腫、非小細胞肺癌、肺小細胞癌、肝臓癌、腎臓
癌、胆管癌、子宮癌(子宮体癌、子宮頸癌)、卵巣癌、
膀胱癌、皮膚癌、血管腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、
甲状腺癌、骨腫瘍、血管腫、血管線維腫、網膜肉腫、陰
茎癌、小児固形癌、カポジ肉腫、AIDSに起因するカ
ポジ肉腫、上顎洞腫瘍、線維性組織球腫、平滑筋肉腫、
横紋筋肉腫、脂肪肉腫、子宮筋腫、骨芽細胞腫、骨肉
腫、軟骨肉腫、癌性の中皮腫瘍、白血病などの腫瘍な
ど)、関節リウマチ、リウマチ類縁疾患、膠原病による
関節炎、または腱鞘炎などの慢性関節炎症性疾患、肥厚
性瘢痕、ケロイド、肺線維症などの間質性増殖疾患など
の予防・治療剤として有用である。本発明の剤は、毒性
が低く、安全である。
【0026】本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質もしくはその塩またはそのプロドラッグ
は、毒性が低く、医薬製剤の製造法で一般的に用いられ
ている自体公知の手段に従って、そのままあるいは薬理
学的に許容される担体と混合して、例えば錠剤(糖衣
錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、
カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射
剤、坐剤、徐放剤等の医薬製剤として、経口的または非
経口的(例、局所、直腸、静脈、皮下、筋肉内、経鼻、
経膣、経口腔粘膜、経肺粘膜、点眼投与等)に安全に投
与することができる。本発明の剤の製造に用いられても
よい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材とし
て慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられ、例
えば固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤および崩
壊剤、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸
濁化剤、等張化剤、緩衝剤および無痛化剤等が挙げられ
る。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色
剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用
いることもできる。賦形剤としては、例えば乳糖、白
糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結
晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤
としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられ
る。結合剤としては、例えば結晶セルロース、白糖、D
−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム
等が挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、
L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。溶
剤としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレン
グリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、
オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、例え
ばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D
−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリ
スアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミ
ン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ
る。懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノー
ルアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプ
ロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベ
ンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、等の界面
活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等
の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤としては、例
えばブドウ糖、 D−ソルビトール、塩化ナトリウム、
グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。緩衝剤
としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸
塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤としては、例え
ばベンジルアルコール等が挙げられる。防腐剤として
は、例えばパラヒドロキシ安息香酸エステル類、クロロ
ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ル、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化
剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−ト
コフェロール等が挙げられる。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。投与に当たっては、
前記の注射用組成物を慣用の水性希釈剤中で溶解し、液
剤として用いることができる。水性希釈剤としてはぶど
う糖水溶液、生理食塩水、リンゲル液、栄養補給剤液な
どが含まれる。このようにして得られる製剤は安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトや非ヒト哺乳動物(例え
ば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウ
シ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。
【0027】注射剤にリン酸またはその塩が含まれる場
合、その注射剤中のリン酸ナトリウムあるいはリン酸カ
リウムの濃度は約0.1mMないし500mMであり、
約1mMないし100mMのときが好ましい。無菌製剤
にするには、製造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で
滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等が挙げられる
が、特に限定されない。
【0028】本発明の剤において、エリスロポエチン受
容体拮抗物質もしくはその塩またはそのプロドラッグの
含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常、製剤
全体に対して約0.1〜100重量%、好ましくは約1
0〜99.9重量%、さらに好ましくは約20〜90重
量%程度である。本発明の剤において、エリスロポエチ
ン受容体拮抗物質もしくはその塩またはそのプロドラッ
グ以外の成分の含有量は、製剤の形態によって相違する
が、通常、製剤全体に対して約10〜99.9重量%、
好ましくは約20〜90重量%程度である。本発明の剤
の投与量は、エリスロポエチン受容体拮抗物質もしくは
その塩またはそのプロドラッグの種類、投与ルート、症
状、患者の年令などによっても異なるが、例えば、増殖
性臓器疾患を治療する目的で静注など非経口的に投与す
る場合、1日当たり体重1kgあたりエリスロポエチン
受容体拮抗物質として約0.005〜50mg,好まし
くは約0.05〜10mg、さらに好ましくは約0.2
〜4mgを1〜3回に分割投与できる。
【0029】本発明の剤は、エリスロポエチン受容体拮
抗物質もしくはその塩またはそのプロドラッグ以外に、
適宜、他の医薬と適量配合して、または適量併用して使
用することもできる。このような併用薬としては、例え
ば、増殖性臓器疾患の治療に供することのできる種々の
抗癌剤が挙げられる。具体的には、免疫抑制作用の低い
医薬、例えば、内分泌療法薬(LH−RHアゴニストお
よびアンタゴニスト、性ホルモンアンタゴニスト、性ホ
ルモン合成阻害薬など)、癌に選択的なチロシンキナー
ゼなどの遺伝子産物(EGF受容体、HER2/erb
−2、HER3/erb−3、HER4/erb−4、
PDGF受容体、VEGF受容体など)を標的とした医
薬、化学療法剤、さらには癌ワクチン療法薬などが挙げ
られる。癌ワクチン療法薬としては、(1)腫瘍抗原ま
たはそれに類する腫瘍細胞由来のタンパク質、その断片
ペプチドまたはこれらを含む融合タンパク質、(2)こ
れらタンパク質またはペプチドをコードし、生体内で発
現しうるDNA断片やそれを含有するリポソーム、
(3)そのDNA断片を含むウイルスまたはプラスミド
などが挙げられる。癌ワクチン療法薬として用いること
のできる腫瘍細胞由来のタンパク質としては、例えば、
メラノーマ関連抗原(例、MAGE−1、MAGE−
3、MART−1、gp100、チロシンキナーゼな
ど)、前立腺特異抗原(PSA)、HER2タンパク
質、MUC−1ムチン、hCG、ガストリン、熱ショッ
クタンパク質、ヒトパピローマウイルスのE7タンパク
質、癌胎児性抗原(CEA)、変異Ras蛋白などが挙
げられる。このように本発明の剤は単剤として使用して
も優れた増殖性臓器疾患予防・治療作用を示すが、1ま
たは2種以上を組み合わせて用いてもよく、さらに他の
1または2以上の抗癌剤と併用(多剤併用)することに
よって、その効果をより一層増強させることができる。
その他、併用による利点として、互いの薬剤の使用量を
削減することが可能となり、これによって副作用が軽減
し、癌患者のクオリティー・オブ・ライフ:Quality of
Life(例えば、Performance Stasisや疼痛の軽減、浮
腫の抑制、食欲増進、体重増加など)を改善することに
も大きく貢献することが挙げられる。
【0030】本発明の剤に併用し得る併用薬を以下に具
体的に例示する。該「内分泌療法薬」としては、例え
ば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロー
ル、クロロトリアニセリン、酢酸メドロキシプロゲステ
ロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸
シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲ
ストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメ
ロキフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン
(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン
など)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクト
ン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト
(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン
など)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スル
ホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬
(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロ
ゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン
など)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミ
ド、ニルタミドなど)、5α-レダクターゼ阻害薬
(例、フィナステリド、エプリステリドなど)、副腎皮
質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロ
ン、ベタメタゾン、トリアムシノロンなど)、アンドロ
ゲン合成阻害薬(例、アビラテロンなど)、レチノイド
およびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾ
ールなど)などが挙げられる。
【0031】該「化学療法剤」としては、例えばアルキ
ル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤
などが挙げられる。「アルキル化剤」としては、例え
ば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマ
スタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォ
スファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、
トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニム
スチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジ
ン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウ
ム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチ
ン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、
カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプ
ラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバム
スチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレ
ドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミ
ド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタ
チンスチマラマー、カルボコン、アドゼレシン、システ
ムスチン、ビゼレシンなどが挙げられる。「代謝拮抗
剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカ
プトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサー
ト、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォス
ファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フ
ルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジ
ン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフールな
ど)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウム、タブ
ロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォ
リネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フ
ルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペ
ントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミ
トグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチンなどが挙げ
られる。「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチ
ノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシン
C、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブ
レオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシ
ン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピ
ラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチ
ン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリ
ン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロ
ン、塩酸イダルビシンなどが挙げられる。「植物由来抗
癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシ
ド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビ
ンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセ
ル、ビノレルビンなどが挙げられる。
【0032】該「免疫療法剤(BRM)」としては、例
えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レン
チナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロ
イキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロ
ニー刺激因子、リンホトキシン、BCGワクチン、コリ
ネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカラ
イドK、プロコダゾールなどが挙げられる。該「細胞増
殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」にお
ける、「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進す
る物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量
が20,000以下のペプチドで、受容体との結合によ
り低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的に
は、(1)EGF(epidermalgrowth factor)またはそ
れと実質的に同一の活性を有する物質〔例、EGF、ハ
レグリン(HER2リガンド)など〕、(2)インシュ
リンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質
〔例、インシュリン、IGF(insulin-like growthfact
or)−1、IGF−2など〕、(3)FGF(fibroblast
growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有
する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(ke
ratinocyte growth factor)、 FGF-10など〕、
(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stim
ulating factor)、IL−2(interleukin-2)、NG
F(nerve growth factor)、PDGF(platelet-derive
d growth factor)、TGFβ(transforming growth f
actorβ)、HGF(hepatocyte growth factor)、V
EGF(vascular endothelial growth factor)など〕
などが挙げられる。該「細胞増殖因子の受容体」として
は、前記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であれ
ばいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受
容体、ハレグリン受容体(HER2)、インシュリン受
容体−1、インシュリン受容体−2、 IGF受容体、F
GF受容体−1またはFGF受容体−2などが挙げられ
る。該「細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤」として
は、ハーセプチン(HER2レセプター抗体)などが挙
げられる。前記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、
アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリ
ン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウ
ム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、ト
ポテカンなど)、トポイソメラーゼII阻害薬(例え
ば、ソブゾキサンなど)、リアーゼ阻害薬、エンドセリ
ン拮抗薬(例、ABT−627など)、分化誘導剤
(例、レチノイド、ビタミンD類など)、血管新生阻害
薬、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシンなど)、イ
ンスリン抵抗性改善薬(例、塩酸ピオグリタゾン、(マ
レイン酸)ロシグリタゾン、GI−262570、JT
T−501、MCC−555、YM−440、KRP−
297、CS−011、FK−614、WO99/58
510に記載の化合物(例えば(E)−4−[4−(5
−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)
ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸など)な
ど)、アンジオテンシンII拮抗薬(例、ロサルタン、エ
プロサルタン、カンデサルタンシレキセチル、バルサル
タン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタ
ン、オルメサルタンおよびこれらの活性代謝物(カンデ
サルタンなど)など)、癌抗原、DNA、レクチン、糖
質、脂質なども用いることができる。また、これら併用
薬の塩としては、先に述べたエリスロポエチン受容体拮
抗物質の塩と同様のものが用いられる。
【0033】本発明の剤と併用薬との併用に際しては、
本発明の剤と併用薬の投与時期は限定されず、本発明の
剤と併用薬とを、投与対象に対し、同時に投与してもよ
いし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬の投与量
は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与
対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択
することができる。本発明の剤と併用薬の投与形態は、
特に限定されず、投与時に、本発明の剤と併用薬とが組
み合わされていればよい。このような投与形態として
は、例えば、(1)本発明の剤と併用薬とを同時に製剤
化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の剤と
併用薬とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一
投与経路での同時投与、(3)本発明の剤と併用薬とを
別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路で
の時間差をおいての投与、(4)本発明の剤と併用薬と
を別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経
路での同時投与、(5)本発明の剤と併用薬とを別々に
製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時
間差をおいての投与(例えば、本発明の剤→併用薬の順
序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げら
れる。以下、これらの投与形態をまとめて、本発明の併
用剤と略記する。
【0034】本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、
本発明の剤または(および)前記併用薬を自体公知の方
法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬
組成物とすることができる。本発明の併用剤の製造に用
いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、前
記した本発明の医薬組成物に使用されるものと同様のも
のを使用することができる。本発明の剤および併用薬と
を同時に製剤化して単剤として使用する場合、本発明の
併用剤におけるエリスロポエチン受容体拮抗物質もしく
はその塩またはそのプロドラッグの含有量は、製剤の形
態によって相違するが、通常、製剤全体に対して約0.
1〜100重量%、好ましくは約10〜99.9重量
%、さらに好ましくは約20〜90重量%程度である。
また、本発明の併用剤における併用薬の含有量は、製剤
の形態によって相違するが、通常、製剤全体に対して約
0.1〜100重量%、好ましくは約10〜99.9重
量%、さらに好ましくは約20〜90重量%程度であ
る。本発明の併用剤において、エリスロポエチン受容体
拮抗物質もしくはその塩またはそのプロドラッグおよび
併用薬以外の成分の含有量は、製剤の形態によって相違
するが、通常、製剤全体に対して約10〜99.9重量
%、好ましくは約20〜90重量%程度である。本発明
の併用剤におけるエリスロポエチン受容体拮抗物質もし
くはその塩またはそのプロドラッグと併用薬との配合比
は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択する
ことができる。本発明の併用剤の投与量は、エリスロポ
エチン受容体拮抗物質もしくはその塩またはそのプロド
ラッグおよび併用薬の種類、投与ルート、症状、患者の
年令などによっても異なるが、例えば、癌を治療する目
的で経口的に投与する場合、1日当たり体重1kgあた
りエリスロポエチン受容体拮抗物質もしくはその塩また
はそのプロドラッグおよび併用薬として約0.005〜
50mg,好ましくは約0.05〜10mg、さらに好
ましくは約0.2〜4mgを1〜3回に分割投与でき
る。
【0035】本発明の剤に含有されるエリスロポエチン
受容体拮抗物質および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化
する場合も同様の含有量でよい。本発明の剤に含有され
るエリスロポエチン受容体拮抗物質と併用薬をそれぞれ
別々に製剤化して併用投与するに際しては、本発明の剤
と併用薬を含有する医薬組成物とを同時期に投与しても
よいが、併用薬を含有する医薬組成物を先に投与した
後、本発明の剤を投与してもよいし、本発明の剤を先に
投与し、その後で併用薬を含有する医薬組成物を投与し
てもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与
する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例え
ば、併用薬を含有する医薬組成物を先に投与する場合、
併用薬を含有する医薬組成物を投与した後1分〜3日以
内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15
分〜1時間以内に本発明の剤を投与する方法が挙げられ
る。本発明の剤を先に投与する場合、本発明の剤を投与
した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以
内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬を含
有する医薬組成物を投与する方法が挙げられる。本発明
の剤は、単独でまたは前記のように併用薬と併用投与す
ることに併せて、非薬剤療法から成る群から選ばれる1
〜3種とを組み合わせることにより、より効果的に疾病
を予防・治療することができる。非薬剤療法としては、
例えば、手術、放射線療法、遺伝子療法、温熱療法、凍
結療法、レーザー灼熱療法などが挙げられ、これらを2
種以上組み合わせることもできる。例えば、本発明の剤
または前記の併用剤を手術等の前または後に、あるいは
これら2、3種を組み合わせた治療前または後に使用す
ることによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease-Fr
ee Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延
命などの効果が得られる。また、本発明の剤または前記
の併用剤による治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併
発に対する抗生物質(例えば、パンスポリンなどのβ−
ラクタム系、クラリスロマイシンなどのマクロライド系
など)の投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸
液、アミノ酸製剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛
緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不
振、下痢、白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度
低下、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱などのよう
な副作用を改善する薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性
を抑制するための薬剤の投与など〕を組み合わせること
もできる。前記の処置を施す前または施した後に、本発
明の剤または前記の併用剤を経口投与(徐放性を含
む)、静脈内投与(bolus、infusion、包接体を含
む)、皮下および筋注(bolus、infusion、徐放性を含
む)、経皮、腫瘍内および近位投与によって投与するの
が好ましい。手術等の前に本発明の剤または前記の併用
剤を投与する場合の時期としては、例えば、手術等の約
30分〜24時間前に1回投与することもできるし、あ
るいは手術等の約3ヶ月〜6ヶ月前に1〜3サイクルに
分けて投与することもできる。このように、手術等の前
に本発明の剤または前記の併用剤を投与することによ
り、例えば癌組織を縮小させることができるので、手術
等がしやすくなる。手術等の後に本発明の医薬組成物ま
たは本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、手
術等の約30分〜24時間後に、例えば数週間〜3ヶ月
単位で反復投与することができる。このように、手術等
の後に本発明の剤または前記の併用剤を投与することに
より、手術等の効果を高めることができる。
【0036】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical
Nomenclatureによる略号あるいは当該分野
における慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、
特に明示しなければL体を示すものとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 Gly :グリシン Ala :アラニン Leu :ロイシン Val :バリン Pro :プロリン Ser :セリン Cys :システイン Thr :トレオニン Tyr :チロシン His :ヒスチジン Trp :トリプトファン Gln :グルタミン Lys :リジン Phe :フェニルアラニン 本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。 〔配列番号:1〕EMP9のアミノ酸配列を示す。
【0037】
【実施例】以下に、実施例、参考例および試験例を挙げ
て本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに
限定されるものではない。 実施例11. EMP9の調製 公知の方法で合成されたEMP9を生理的食塩水に溶解
した。溶液には最終濃度0.25%となるようにエバンスブ
ルーを加え着色した。2. 異種移植 5週齢のヌードマウス(Balb/c Jcl-nu、日本クレア)
を購入し、1週間無菌飼育室で馴化飼育を行ったものを
使用した。悪性黒色腫細胞株(P39、Utsumi and Elkin
d、1993)の 5X106個を 0.1ml の培養液に浮遊させたも
のを肩甲骨間の皮下に注入した。腫瘍形成は2-3週間で
外表から認められ、その後、腫瘍の長径X短径X高さを
週に2回測定した。6X7X7mm の大きさになるまで観察
し、その後投与を開始した。投与後も同様に計測した。3. 投与方法 EMP9の 0.5 mg/ml の溶液を 0.1ml づつ1時間間隔
で4回腹腔内投与し、24時間後、48時間後に同様に 0.1
ml づつ4回投与し、最初の投与から7日後に腫瘍を摘
出した。4. 投与による腫瘍の変化の解析 摘出した腫瘍を Zamboni 固定液で固定あるいは液体窒
素で凍結した。Zamboni固定液で固定したものは数個の
組織塊に分け、それぞれの塊より集めて、複数個包埋し
て、その組織切片を作成した。PCNA抗体で増殖細胞
を、CD31抗体で血管内皮細胞を染色し、核染色とし
てヘマトキシリンを用いた。それぞれの切片標本を20
0倍率下で検鏡した。1区画(17.6 x 10-3 mm2)の面
積の20区画の細胞数(4,500個以上)を数えた。下式
より細胞増殖率を算出し、〔表1〕に表示した。また、
100区画内の血管数を数え、1区画(13.1 x 10-2 mm
2)内の平均数を算出し、〔表1〕に表示した。統計処
理は、細胞増殖率はChi-square test、血管数はStuden
t's t-test により行い、生理的食塩水投与群とEMP
9投与群の間には有意差が認められた(p<0.05)。 増殖率(%)=(増殖細胞数/生存細胞数)x100
【0038】
【表1】 〔表1〕の結果から、EMP9は優れた腫瘍増殖抑制お
よび新生血管増殖抑制の両作用を有することが分かる。
【0039】実施例2 (1)EMP9 10.0g (2)乳糖 60.0g (3)コーンスターチ 35.0g (4)ゼラチン 3.0g (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0g EMP9 10.0gと乳糖60.0gおよびコーンスタ
ーチ35.0gの混合物を10重量%ゼラチン水溶液3
0ml(ゼラチンとして3.0g)を用い、1mmメッシュ
の篩を通して顆粒化した後、40℃で乾燥し再び篩過し
た。得られた顆粒をステアリン酸マグネシウム2.0g
と混合し、圧縮した。得られた中心錠を、蔗糖、二酸化
チタン、タルクおよびアラビアゴムの水懸濁液による糖
衣でコーティングした。コーティングが施された錠剤を
ミツロウで艶出して1000錠のコート錠を得た。
【0040】実施例3 (1)EMP9 10.0g (2)乳糖 70.0g (3)コーンスターチ 50.0g (4)可溶性デンプン 7.0g (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0g EMP9 10.0gとステアリン酸マグネシウム3.
0gを可溶性デンプンの水溶液70ml(可溶性デンプン
として7.0g)で顆粒化した後、乾燥し、乳糖70.
0gおよびコーンスターチ50.0gと混合した。混合物
を圧縮して1000錠の錠剤を得た。
【0041】参考例1 (1)酢酸リュープロレリン 10.0mg (2)乳糖 70.0mg (3)コーンスターチ 50.0mg (4)可溶化デンプン 7.0mg (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg 酢酸リュープロレリン10.0mgとステアリン酸マグ
ネシウム3.0mgを可溶化デンプンの水溶液0.07
ml(可溶化デンプンとして7.0mg)で顆粒化後、
乾燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.
0mgを混合する。混合物を圧縮し錠剤を得る。
【0042】製剤例1 実施例1または2で得られた製剤と参考例1で得られた
製剤とを組み合わせる。
【0043】
【発明の効果】エリスロポエチン受容体拮抗物質または
そのプロドラッグは、優れた腫瘍増殖抑制作用および新
生血管増殖抑制作用を有しており、増殖性臓器疾患、慢
性関節炎症性疾患、肥厚性瘢痕またはケロイドの予防・
治療剤として有用であり、特に血管増殖を伴う固形腫瘍
に効果がある。
【0044】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Agent for preventing or treating proliferative organopathy, chroni c arthritic diseases, hypertrophic scar or keloid <130> 186614 <150> JP 2001-337588 <151> 2001-11-02 <160>1 <210>1 <211>20 <212>PRT <213>Human <300> <301>Dana L. Johnson et al <302>Identification of a 13 Amino Acid Peptide Mimetic of Erythropoietin and Description of Amino Acids Critical for the Mimetic Activity of EMP 1 <303>Biochemistry <304>37 <305>11 <306>3699-3710 <400>1 Gly Gly Thr Tyr Ser Cys His Phe Ala Pro Leu Thr Trp Val Cys Lys 1 5 10 15 Pro Gln Gly Gly 20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/02 A61P 19/02 19/02 29/00 101 29/00 101 35/00 35/00 43/00 105 43/00 105 A61K 37/02 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA17 BA44 CA53 CA59 MA13 MA16 MA31 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA56 MA57 MA58 MA59 MA60 MA63 MA66 NA14 ZA362 ZA962 ZB152 ZB212 ZB261 ZB262 ZC422 4C085 AA13 AA14 BB11 CC02 CC17 DD23 DD34 DD35 DD36 DD38 DD43 DD63 DD86 DD88 EE01 FF03 FF20 GG02 GG03 GG04 GG08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩を含有してなる増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性
    疾患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤。
  2. 【請求項2】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩が低分子性エリスロポエチン受容体拮抗物質また
    はその塩である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩が低分子ペプチド性エリスロポエチン受容体拮抗
    物質またはその塩である請求項1記載の剤。
  4. 【請求項4】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩がエリスロポエチンミメティックペプチドまたは
    その塩である請求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩がエリスロポエチンミメティックペプチド9また
    はその塩である請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩が配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一も
    しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチド
    またはそれらの塩である請求項1記載の剤。
  7. 【請求項7】 エリスロポエチン受容体拮抗物質または
    その塩が抗エリスロポエチン受容体抗体またはその塩で
    ある請求項1記載の剤。
  8. 【請求項8】 増殖性臓器疾患が癌または腫瘍である請
    求項1記載の剤。
  9. 【請求項9】 慢性関節炎症性疾患が関節リウマチ、リ
    ウマチ類縁疾患、膠原病による関節炎、または腱鞘炎で
    ある、請求項1記載の剤。
  10. 【請求項10】 エリスロポエチン受容体拮抗物質また
    はその塩を含有してなる血管増殖抑制剤。
  11. 【請求項11】 哺乳動物に、エリスロポエチン受容体
    拮抗物質またはその塩の有効量を投与することを特徴と
    する増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾患、肥厚性瘢痕
    またはケロイドの予防・治療方法。
  12. 【請求項12】 哺乳動物に、エリスロポエチン受容体
    拮抗物質またはその塩の有効量と他の抗癌剤またはその
    塩の有効量とを組み合わせて投与することを特徴とする
    増殖性臓器疾患の予防・治療方法。
  13. 【請求項13】 増殖性臓器疾患、慢性関節炎症性疾
    患、肥厚性瘢痕またはケロイド予防・治療剤を製造する
    ためのエリスロポエチン受容体拮抗物質またはその塩の
    使用。
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