JP2003200486A - 深絞り形状加飾シートの製造方法 - Google Patents

深絞り形状加飾シートの製造方法

Info

Publication number
JP2003200486A
JP2003200486A JP2001400277A JP2001400277A JP2003200486A JP 2003200486 A JP2003200486 A JP 2003200486A JP 2001400277 A JP2001400277 A JP 2001400277A JP 2001400277 A JP2001400277 A JP 2001400277A JP 2003200486 A JP2003200486 A JP 2003200486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
decorative sheet
temperature
deep
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001400277A
Other languages
English (en)
Inventor
Fujio Mori
富士男 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP2001400277A priority Critical patent/JP2003200486A/ja
Publication of JP2003200486A publication Critical patent/JP2003200486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性・耐湿性・ガスバリア性が良好な容器
等やスイッチパネル等に用いる加飾シートを提供する。 【解決手段】 二軸延伸プラスチックシートからなる基
体シート上に加飾層が形成された加飾シートを、一対の
成形型間に供給し、型閉めし、流動性のある媒体でもっ
て一方の成形型から1.5×10〜5×10Paの
圧力を加飾シートに加えることにより、他方の成形型の
キャビティ面に加飾シートを沿わせて深絞り形状に変形
させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、二軸延伸プラスチッ
クシートを深絞り形状に容易に変形させることができる
深絞り形状加飾シートの製造方法に関するものであり、
深絞り形状の各種容器や各種スイッチパネルの表面部材
などに適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、深絞り形状用のプラスチックシー
トは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる未延伸
または低延伸のシートやポリカーボネート樹脂からなる
未延伸または低延伸のシートなどを用いて、真空成形に
より形成されるのが一般的である。ここでいう深絞り形
状とは、三次元形状に変形させる前の加飾シートの面積
を100とした場合に、三次元形状に変形した後の加飾
シートの表面積が130以上になるような形状をいう。
なお、二軸延伸プラスチックシートを深絞り形状に真空
成形できないのは、延伸処理によってシートの引張強度
が増し、引き伸ばすのに多大な力を必要とするようにな
り、真空成型のような圧力(1×10Pa以下)で
は、力不足であるためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、未延伸または
低延伸のポリエチレンテレフタレート樹脂からなるシー
トで作製した場合は、次のような課題がある。 (1) 耐熱性・耐湿性・ガスバリア性が劣るため、電
子レンジで加熱したり、熱湯などを注いだりするような
用途の容器等や炊飯器のようなスイッチパネル等に使用
できない。 (2)経時的に結晶化が進行して脆くなるため、容器の
内容物が溶出したり、打点寿命の信頼性が劣る(スイッ
チ入力が悪くなる)場合がある。
【0004】一方、未延伸または低延伸のポリカーボネ
ート樹脂からなるシートで作製した場合は、次のような
課題がある。 (1)加熱すると、ビスフェノールAなどの環境ホルモ
ンが溶出するため、電子レンジで加熱したり、熱湯を注
いだりするような用途の容器等には好ましくない。 (2) 耐薬品性が劣る。 (3)エンジニアプラスチックであるため コストが高
い。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために次のように構成した。つまり、この発
明の深絞り形状加飾シートの製造方法は、二軸延伸プラ
スチックシートからなる基体シート上に加飾層が形成さ
れた加飾シートを、一対の成形型間に供給し、型閉め
し、流動性のある媒体でもって一方の成形型から1.5
×10〜5×10Paの圧力を加飾シートに加える
ことにより、他方の成形型のキャビティ面に加飾シート
を沿わせて深絞り形状に変形させることを特徴とするも
のである。または、この発明の深絞り形状加飾シートの
製造方法は、二軸延伸プラスチックシートからなる基体
シート上に加飾層が形成された加飾シートを、一対の成
形型間に供給し、加飾シートの表面をその加飾シートの
熱変質温度以上、熱分解温度以下の温度に加熱した後、
型閉めし、流動性のある媒体でもって一方の成形型から
1.5×10〜5×10Paの圧力を加飾シートに
加えることにより、他方の成形型のキャビティ面に加飾
シートを沿わせて深絞り形状に変形させることを特徴す
るものである。この発明においては、流動性のある媒体
の温度を、加飾シートの熱変質温度以上、熱分解温度以
下に設定して加飾シートに圧力を加えるようにしてもよ
い。また、この発明においては、一方の成形型から3〜
5×10Paの圧力を加飾シートに加えるようにして
もよい。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の深絞り形状加飾シート
の製造方法は、図面を参考として実施例により説明す
る。
【0007】まず、二軸延伸プラスチックシートからな
る基体シート6上に加飾層7が形成された加飾シート8
を、一対の成形型間に供給する(図1参照)。
【0008】二軸延伸とは、シートを融点以下の温度で
分子を面配向させる操作をいう。なお、面配向とは、縦
方向、横方向にシートを引き伸ばし、線状高分子を一定
方向に並ばせることであり、縦・横の強度差が少ない状
態とすることをいう。具体的には、Tダイ法またはカレ
ンダー法を用いて作製したシートを、まず縦方向に延伸
し、次いで幅出し機を用いて横方向に延伸する方法や、
幅出し機の操作条件を調節して、縦方向・横方向を同時
に延伸する方法、インフレーション法でつくったチュー
ブ状シートの内部に空気を送って、さらに膨らませる方
法などがある。また、延伸の程度は、使用する材質・用
途によって適宜設定すればよいが、後述する耐熱性があ
り強靭で腰が強く、耐薬品性、ガスバリア性に富む特性
を得るためには、概して縦方向・横方向とも延伸度を1
30%以上にするのが好ましい。二軸延伸プラスチック
シートの材質としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化
ビニリデン樹脂、ポリ乳酸樹脂から選ばれたものが好ま
しい。二軸延伸プラスチックシートの厚みとしては、5
〜500μmのものがある。特に好ましいのは、25〜
300μmのものである。その理由は、次のとおりであ
る。5μm未満だと薄過ぎて剛性が足らず、変形後の型
の形状が保たれにくくなり、500μmを超えるとぶ厚
過ぎて変形させる際の圧力がそれだけ多大になるからで
ある。
【0009】加飾層は、通常は印刷層として形成するこ
とができる。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアク
リル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセター
ル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエ
ステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダーと
し、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する
着色インキを用いることができる。印刷層の形成方法と
しては、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリー
ン印刷法などの通常の印刷法などを用いることができ
る。特に、多色刷りや階調表現を行うには、オフセット
印刷法やグラビア印刷法が適している。また、単色の場
合には、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコ
ート法などのコート法を採用することができる。印刷層
は、表現したい図柄に応じて、全面的に設ける場合や部
分的に設ける場合もある。印刷層の乾燥膜厚は、0.5
μm〜30μmとするのが一般的である。加飾層は、金
属薄膜層からなるもの、あるいは印刷層と金属薄膜層と
の組み合わせからなるものがある。金属薄膜層は、図柄
層として金属光沢を表現するためのものであり、真空蒸
着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、
鍍金法などで形成することができる。この場合、表現し
たい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、
金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チ
タニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金又は化合
物を使用する。部分的に金属薄膜層を形成する場合の一
例としては、金属薄膜層を必要としない部分に溶剤可溶
性樹脂層を形成した後、その上に全面的に金属薄膜を形
成し、溶剤洗浄を行って溶剤可溶性樹脂層と共に不要な
金属薄膜を除去する方法がある。この場合に用いられる
溶剤としては、水又は水溶液がある。また、別の一例と
しては、全面的に金属薄膜を形成し、次に金属薄膜を残
しておきたい部分にレジスト層を形成し、酸又はアルカ
リでエッチングを行い、レジスト層を除去する方法があ
る。なお、金属薄膜層を設ける際に、他の層と金属薄膜
層との密着性を向上させるために、前アンカー層や後ア
ンカー層を設けることができる。前アンカー層および後
アンカー層の材質としては、2液性硬化ウレタン樹脂、
熱硬化ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロースエス
テル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩素含有ビニル系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系共
重合体樹脂樹脂などを使用することができる。前アンカ
ー層および後アンカー層の形成方法としては、グラビア
コート法、ロールコート法、コンマコート法などのコー
ト法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などの印刷
法がある。金属薄膜層の膜厚は、0.05μm〜0.1
μmとするのが一般的である。必要により、接着層を形
成することができる。接着層は、被加飾物面に上記の各
層を接着するものである。接着層は、接着させたい部分
に形成する。すなわち、接着させたい部分が全面的な
ら、図柄層上に接着層を全面的に形成する。また、接着
層させたい部分が部分的なら、図柄層上に接着層を部分
的に形成する。接着層としては、被加飾物の素材に適し
た感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえ
ば、被加飾物の材質がポリアクリル系樹脂の場合はポリ
アクリル系樹脂を用いることができる。また、被加飾物
の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹
脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹
脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用することができる。
さらに、被加飾物の材質がポリプロピレン樹脂の場合
は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂
が使用可能である。接着層としてシート状のものを使用
することができる。この場合は、加飾層に粘着剤で接着
層を貼付けることができる。接着層の形成方法として
は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート
法などのコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷
法などの印刷法がある。接着層の乾燥膜厚は、0.5μ
m〜30μmとするのが一般的である。加飾層の構成
は、上記した態様に限定されるものではなく、たとえ
ば、図柄層の材質として被転写物との接着層性に優れた
ものを使用する場合には、接着層を省略することができ
る。
【0010】成形型としては、圧空孔1を有する上型2
と、真空吸引孔3が形成されたキャビティ4を有する下
型5とからなるものがある(図1〜図3参照)。下型の
キャビティの縁には、二軸延伸プラスチックシートを固
定するためのクランプ手段を形成することができる(図
1〜図3参照)。成形型としては、圧空成形法に用いる
型や、液圧成形法に用いる型などがある。なお、この成
形型は横型であっても、縦型であってもよい。
【0011】次に、一対の成形型を型閉めし(図2参
照)、流動性のある媒体でもって一方の成形型から1.
5×10〜5×10Paの圧力を加飾シートに加え
ることにより、他方の成形型のキャビティ面に沿わせて
深絞り形状に変形させる(図3参照)。流動性のある媒
体としては、空気、窒素、アルゴンなどの気体のほか、
水やアルコール、フロンなどの液体がある。流動性のあ
る媒体の圧力は、加圧装置から成形型に至るまでの配管
に圧力計を取り付けることで測定することができる。下
限を1.5×10Paとしたのは、次の理由による。
1.5×10Pa未満では、二軸延伸プラスチックシ
ートは深絞り形状に変形できないからである。また、5
×10Paより大きいと、加飾シートが成形型に強く
密着してしまい、成形型から加飾シートを取り出すのに
手間がかかることと、それだけの圧力を加えることので
きる装置にしようとすると超高出力の圧縮空気ポンプが
必要になるため生産性に適さないからである。加圧する
時間は0.1〜20秒がある。特に好ましくは0.5〜
5秒である。
【0012】なお、一対の成形型を型閉めする前に、加
飾シートの表面をその加飾シートの熱変質温度以上、熱
分解温度以下の温度に加熱することができる。その場合
は、熱可塑性プラスチックシートの場合、熱を加えるこ
とで可塑化するため、伸び特性が良好になる傾向があ
り、変形させやすくなるのである。加熱の仕方として
は、セラミックヒーターや遠赤外線ヒーターなどによる
加熱がある。なお、加飾シートの表面の温度は、放射温
度計やサーモグラフィーで測定することができる。
【0013】また、流動性のある媒体の温度を、加飾シ
ートの熱変質温度以上、熱分解温度以下に設定して加飾
シートに圧力を加えることもできる。その場合のメリッ
トは、前述のように変形させやすくなることと、前述の
方法では加熱してからヒーターが後退し、圧力を加える
間に加飾シートの表面の温度が低下するが、前記温度に
設定しておくと加飾シートの表面の温度の低下がないこ
とである。流動性のある媒体を加熱するには、セラミッ
クヒーターや遠赤外線ヒーターなどの方法がある。な
お、流動性のある媒体の温度は、流動性のある媒体の加
圧装置から成形型に至るまでの配管に温度計を取り付け
ることで測定することができる。「熱変質温度」とは、
JIS K7127−1989の測定方法に基づいて引
張試験を実施したときのヤング率が25℃の環境温度下
でのヤング率の80%となる温度のことをいう。ここ
で、従来からある熱変形温度(ビカット軟化温度)やガ
ラス転移温度(二次転移点)などの汎用のパラメーター
を使用せず、熱変質温度と命名した特有のパラメーター
を導入したのは以下の理由による。すなわち、従来の熱
変形温度を使用する場合の不具合としては、1kgの一
定荷重による針入れ試験において1mm侵入した場合の
温度と定義しているため、対象となるシートの厚みが2
mm以上必要になり、この発明に用いる二軸延伸シート
のような比較的薄番手(6〜300μm)のシートでは
何層〜何十層も重ねなくてはならなくなり、手間がかか
るだけでなく、データの信頼性に問題があるためであ
る。また、従来のガラス転移温度を使用する場合の不具
合としては、相転移状態や測定の仕方によって値にバラ
ツキが出る場合があることと、ガラス転移温度に幅があ
るもの(アクリル樹脂など)、ガラス転移温度を複数有
するもの(ポリプロピレン樹脂など)があるため、適切
でないと判断したためである。その点、この発明で導入
した熱変質温度は、薄番手の加飾シートであっても適用
が可能であり、また汎用の恒温層付き引張り試験機があ
れば、容易に測定でき、明確に数値を特定できる長所が
ある。なお、「恒温層付き引張り試験機」とは、市販の
恒温器を小型化したものを、引張り試験機のシート取付
け位置につけて、シートの温度を常温だけでなく、所定
の温度でも測定できるようにしたものである。
【0014】なお、二軸延伸プラスチックシートにアク
リル系樹脂のインキを印刷した加飾シートにつき、深絞
り形状の体をなし、かつ、生産性が良好となるためのシ
ートの表面温度(T(℃))とシートにかける圧力との
関係を下記の表より算出した。使用した二軸延伸プラス
チックシートとしては、ポリエステル樹脂製のものを使
用した。流動性のある媒体として空気を用いた。その結
果、加飾シートの表面をその加飾シートの熱変質温度以
上、熱分解温度以下の温度に加熱した後、型閉めし、流
動性のある媒体でもって、加飾シートに1.5〜5×1
Paの圧力をかけて成形する場合が好ましく、さら
には、加飾シートに3〜5×10Paの圧力をかけて
成形する場合が最も好ましいことがわかった。他の材質
(例えば、ポリ乳酸樹脂やポリオレフィン樹脂)につい
ても、ほぼ同等の結果が得られた。
【0015】
【表1】
【0016】
【実施例】<実施例1>次のようにして、炊飯器用スイ
ッチパネルに用いられる深絞り形状加飾シートを製造し
た。まず、透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
樹脂からなる188μm厚の基体シートの片面に、アク
リル樹脂のバインダーに着色顔料が添加されたインキ
で、3色の組み合わせで加飾層を形成し、その上にアク
リル系樹脂からなる透明な1μm厚の粘着層を形成した
後、離型処理した25μm厚の二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂からなる透明なシートを貼り合せ、加
飾シートを作製した。この加飾シートの熱変質温度は1
60℃、熱分解温度は380℃であった。成形型は、図
4のような深絞り形状に加飾シートを変形させること
ができるものであった。つまり、断面略コ状に立体成形
され、半球状のスイッチボタン部10が形成されている
深絞り形状である。この成形型の雄型には圧縮空気を供
給する圧空孔が形成されている。この成形型の雄型と加
飾シートの間には、セラミックパネルヒータからなる予
熱ヒータが加飾シートとの間隔を50mmとして設置さ
れており、該予熱ヒータの表面温度を350℃に設定し
て、20秒間、加飾シートを非接触で輻射加熱した。加
飾シートの表面の温度は20秒加熱した時点で180℃
となっていた。そして、輻射加熱開始20秒後に、予熱
ヒータを待機位置に後退させるとともに、圧空孔から4
×10Pa(40気圧)の圧縮空気を供給して、加飾
シートを雌型のキャビティ面に沿わせ、深絞り形状への
変形を完了した。この後、深絞り形状に変形させた加飾
シートの25μm厚の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂からなる透明なシートを剥離し、粘着層を介し
て別に成形していた炊飯器パネルの筐体に貼り合せるこ
とによって、スイッチボタン部10を有する深絞り形状
の炊飯器スイッチパネルが得られた。この炊飯器スイッ
チパネルは、 耐熱性・耐湿性・ガスバリア性が良好で
あった。
【0017】<実施例2>次のようにして、生分解性シ
ートからなる食品容器に用いられる深絞り形状加飾シー
トを製造した。まず、透明な二軸延伸ポリ乳酸樹脂から
なる100μm厚の基体シートの片面に、アクリル樹脂
のバインダーに着色顔料が添加されたインキで、4色の
組み合わせで加飾層を形成し、その上にアクリル系樹脂
からなる透明な1μm厚の粘着層を形成した後、透明な
二軸延伸ポリ乳酸樹脂からなる100μm厚のシートを
貼り合せた加飾シートを作製した。この加飾シートの熱
変質温度は130℃、熱分解温度は360℃であった。
成形型は、図5 のような深絞り形状に加飾シートを変
形させることができるものであった。この成形型の雄型
には圧縮空気を供給する圧空孔が形成されている。圧縮
空気を供給する装置には加熱装置が取り付けられてお
り、加熱装置から圧空孔に至る配管には温度計が設置さ
れており、150℃の温度に保持されていた。圧空孔か
ら加熱されていた4×10Pa(40気圧)の圧縮空
気を供給して、加飾シートを雌型のキャビティ面に沿わ
せ、深絞り形状への成形を完了し、食品容器を得た。こ
の食品容器は、電子レンジで加熱したり、熱湯などを注
ぐような用途に用いても、耐熱性・耐湿性・ガスバリア
性が良好であった。
【0018】
【発明の効果】この発明の深絞り形状加飾シートは、二
軸延伸プラスチックシートからなる加飾シートを使用す
るため、次の効果を奏する。 (1) 耐熱性・耐湿性・ガスバリア性が良好であり、
電子レンジで加熱したり、熱湯を注いだりするような用
途の容器等や炊飯器のようなスイッチパネル等に使用で
きる。 (2)経時的に結晶化が進行することがないため、脆く
ならず、容器の内容物が溶出したり、打点寿命の信頼性
が劣ることがなくなる。 (3)加熱しても、ビスフェノールAなどの環境ホルモ
ンが溶出することがないため、電子レンジで加熱した
り、熱湯を注いだりするような用途の容器等にも使用で
きる。 (4) 耐薬品性が良好となる。 (5)汎用の二軸延伸プラスチックシートを使用できる
ため コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の深絞り形状加飾シートの製造方法の
一工程を示す断面図である。
【図2】この発明の深絞り形状加飾シートの製造方法の
一工程を示す断面図である。
【図3】この発明の深絞り形状加飾シートの製造方法の
一工程を示す断面図である。
【図4】この発明の製造方法によって得られた深絞り形
状加飾シートの一例を示す断面図である。
【図5】この発明の製造方法によって得られた深絞り形
状加飾シートの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧空孔 2 上型 3 真空吸引孔 4 キャビティ 5 下型 6 基体シート 7 加飾層 8 加飾シート 9 クランプ手段 10 スイッチボタン部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸プラスチックシートからなる基
    体シート上に加飾層が形成された加飾シートを、一対の
    成形型間に供給し、型閉めし、流動性のある媒体でもっ
    て一方の成形型から1.5×10〜5×10Paの
    圧力を加飾シートに加えることにより、他方の成形型の
    キャビティ面に加飾シートを沿わせて深絞り形状に変形
    させることを特徴とする深絞り形状加飾シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】二軸延伸プラスチックシートからなる基体
    シート上に加飾層が形成された加飾シートを、一対の成
    形型間に供給し、加飾シートの表面をその加飾シートの
    熱変質温度以上、熱分解温度以下の温度に加熱した後、
    型閉めし、流動性のある媒体でもって一方の成形型から
    1.5×10〜5×10Paの圧力を加飾シートに
    加えることにより、他方の成形型のキャビティ面に加飾
    シートを沿わせて深絞り形状に変形させることを特徴す
    る深絞り形状加飾シートの製造方法。
  3. 【請求項3】流動性のある媒体の温度を、加飾シートの
    熱変質温度以上、熱分解温度以下に設定して加飾シート
    に圧力を加える請求項1に記載の深絞り形状加飾シート
    の製造方法。
  4. 【請求項4】一方の成形型から3〜5×10Paの圧
    力を加飾シートに加える請求項2または3に記載の深絞
    り形状加飾シートの製造方法。
JP2001400277A 2001-12-28 2001-12-28 深絞り形状加飾シートの製造方法 Pending JP2003200486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400277A JP2003200486A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 深絞り形状加飾シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001400277A JP2003200486A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 深絞り形状加飾シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003200486A true JP2003200486A (ja) 2003-07-15

Family

ID=27639829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001400277A Pending JP2003200486A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 深絞り形状加飾シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003200486A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009043539A2 (de) * 2007-09-28 2009-04-09 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur herstellung eines tiefgezogenen folienteils aus thermoplastischem kunststoff
CN101279487B (zh) * 2007-04-05 2010-11-10 康准电子科技(昆山)有限公司 模具
CN102529078A (zh) * 2010-11-15 2012-07-04 日本国际兴业株式会社 被覆成形体及被覆固化成形体的制备方法、装置及系统
CN104669596A (zh) * 2015-03-10 2015-06-03 哈尔滨理工大学 用于锂离子电池包装膜的气压成形模具和气压成形方法
US11135760B2 (en) 2013-08-20 2021-10-05 Sabic Global Technologies B.V. Process for forming articles from extruded polymer sheet

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101279487B (zh) * 2007-04-05 2010-11-10 康准电子科技(昆山)有限公司 模具
WO2009043539A2 (de) * 2007-09-28 2009-04-09 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur herstellung eines tiefgezogenen folienteils aus thermoplastischem kunststoff
WO2009043539A3 (de) * 2007-09-28 2009-11-12 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur herstellung eines tiefgezogenen folienteils aus thermoplastischem kunststoff
US8168110B2 (en) 2007-09-28 2012-05-01 Bayer Materialscience Ag Method for producing a deep-drawn film part from a thermoplastic material
RU2491166C2 (ru) * 2007-09-28 2013-08-27 Байер Матириальсайенс Аг Способ изготовления детали из пленки из термопластичной пластмассы методом глубокой вытяжки
RU2491166C9 (ru) * 2007-09-28 2014-01-27 Байер Матириальсайенс Аг Способ изготовления детали из пленки из термопластичной пластмассы методом глубокой вытяжки
KR101497174B1 (ko) 2007-09-28 2015-02-27 바이엘 머티리얼사이언스 아게 열가소성 물질로부터 딥-드로잉된 필름 부품을 제조하는 방법
RU2641934C2 (ru) * 2007-09-28 2018-01-23 Байер Матириальсайенс Аг Способ изготовления детали из пленки из термопластичной пластмассы методом глубокой вытяжки
CN102529078A (zh) * 2010-11-15 2012-07-04 日本国际兴业株式会社 被覆成形体及被覆固化成形体的制备方法、装置及系统
US11135760B2 (en) 2013-08-20 2021-10-05 Sabic Global Technologies B.V. Process for forming articles from extruded polymer sheet
CN104669596A (zh) * 2015-03-10 2015-06-03 哈尔滨理工大学 用于锂离子电池包装膜的气压成形模具和气压成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101496536B1 (ko) 가식 시트, 가식 수지 성형품 및 그 제조 방법
CN101516597A (zh) 经压花装饰的注射成型制品及其制造方法
JP2016203434A (ja) 加飾シート
JP2016198900A (ja) 加飾方法、加飾シート、成形シートおよびその製造方法
JP2003200486A (ja) 深絞り形状加飾シートの製造方法
JP2011079273A (ja) 加飾フィルムの製造方法、および加飾成形体の製造方法
JP2000084977A (ja) 射出成形同時加飾用転写シート、及びそれを用いた加飾成形品
JP4477204B2 (ja) 成形同時加飾成形品の製造方法および加飾シート
JPH0966539A (ja) アクリルインサート成形品の製造方法とアクリルインサート成形品製造用シート
JP3663304B2 (ja) 成形同時絵付シートと成形同時絵付成形品の製造方法
JP2725735B2 (ja) 射出成形同時絵付け方法及びそれに用いる絵付けフィルム
JP4690614B2 (ja) 加飾シートと凹凸加飾シートの製造方法、凹凸加飾成形品の製造方法
JP2006240033A (ja) 加飾シートおよび成形同時加飾成形品の製造方法
JP3090911B2 (ja) 成形同時加飾シートと成形同時加飾成形品の製造方法
JP2000043094A (ja) 射出成形同時絵付用転写シート、及び射出成形同時絵付方法
WO2016152252A1 (ja) 艶消金属調加飾シートとその製造方法
JP2007070518A (ja) 成形シート用接着剤及び成形品加飾用成形シート
JPH10329496A (ja) クロム光沢調のハーフ蒸着フィルム
JP2006240156A (ja) 光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法
JP6469039B2 (ja) 加飾方法、加飾シート、成形シートおよびその製造方法
JP5578774B2 (ja) ヘアライン意匠を有する転写シートと転写成形品の製造方法
JP2001277286A (ja) フィルム付成形品の製造方法、金型
JP3162430B2 (ja) 加飾成形品の製造法
JP2000043087A (ja) 射出成形同時絵付用シート、射出成形同時絵付方法、及び成形品
JP6563793B2 (ja) 加飾シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041118

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060904

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060912

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070313

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070724