JP2003200065A - 無洗米の製造方法 - Google Patents

無洗米の製造方法

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JP2003200065A
JP2003200065A JP2001399899A JP2001399899A JP2003200065A JP 2003200065 A JP2003200065 A JP 2003200065A JP 2001399899 A JP2001399899 A JP 2001399899A JP 2001399899 A JP2001399899 A JP 2001399899A JP 2003200065 A JP2003200065 A JP 2003200065A
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grain
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Masahiro Iwashita
正弘 岩下
Ryozo Imanishi
良造 今西
Masahiko Nomura
昌彦 野村
Tadahiro Kuroda
忠宏 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水を用いない乾式の研米処理を行うことで糠
を除去するようにしながら、炊飯のために米粒を水に浸
漬したときの水の濁度を低下させることが可能となる無
洗米の製造方法を提供する。 【解決手段】 精米処理済みの米粒の表面に残留する糠
を機械的除去力を作用させて除去する前除去処理を行
い、前除去処理が行われた米粒に紫外線を照射する紫外
線照射処理を行い、その紫外線照射処理が行われた米粒
にオゾンを作用させて脱臭するオゾン処理を行い、次に
米粒の表面部の不要物を機械的除去力を作用させて除去
する後除去処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無洗米の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】無洗米は、炊飯前における米粒の水研ぎ
作業を不要にするものであるが、このような無洗米を製
造する方法として、従来より、玄米を精米処理した後の
米粒に対して水による洗浄作用によって米粒の表面に残
っている糠を除去するようにして、その後、水分を除去
すべく乾燥させる乾燥処理を行う方法が知られている。
【0003】このように水により洗浄する方法において
は、水を使用することによって糠を除去するので、無洗
米としての重要な評価基準である、炊飯のために無洗米
が収納された容器内に水を注いだときの水の濁度を、例
えば、30〜60ppm程度の低いものに抑えることが
可能となるのであるが、水を使用するために、水洗後の
乾燥処理を行うための乾燥用の設備や、排水用の設備等
が必要となって、製造設備全体が複雑な構成となってコ
スト高を招く不利な面があった。又、水を使用するので
無洗米の製造を行った後に、それに使用した製造設備が
除去された糠などが装置内面に付着するおそれがあるか
ら、そのような付着物を除去するために洗浄作業が必要
となり、又、水を使用することから米粒に水分が吸収さ
れているので米粒に対する衛生管理が必要であるなど煩
わしい作業が必要となる不利もあった。
【0004】そこで、このような水を用いた製造方法に
代わる別の方法として、ブラシ等による機械的除去力を
作用させて糠を除去する乾式の研米装置を用いて無洗米
を製造する方法がある。例えば、特開2000−354
773号公報に示されるように、玄米を精米処理した後
の米粒を原料米として、糠排出用の多孔部及び研削用部
材を夫々備える構成の略円筒状の筒体と、その筒体の内
部にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転するととも
に、外周部に糠取り用のブラシを備えた回転体とを備え
て、前記筒体と前記回転体との間で米粒を移送させなが
ら、精米処理で除去できなかった米粒の表面に残留する
糊扮層(糠層)を除去するようにした研米装置が構成さ
れ、このような構成の研米装置を3台直列状態で配備し
て、これらの3台の研米装置を夫々通過させて無洗米を
得るようにした方法があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
製造方法であれば、水を用いて無洗米を製造する方法に
比べて、水洗後の乾燥処理を行うための乾燥用の設備や
排水用の設備等が不要であり、製造設備全体が簡単な構
成となって安価に構成できるとともに、設備の洗浄作業
や米粒に対する衛生管理についての手間が少なくて済む
という利点がある。
【0006】しかしながら、上記したような従来の製造
方法により得られた無洗米は、炊飯のために水に浸漬し
たときの水の濁度が、例えば、80〜90ppm程度と
高くなってしまう不利がある。これは、次のような理由
によると考えられる。つまり、上記したような方法によ
れば、ブラシや研削用部材により機械的除去力を作用さ
せて、精米処理では充分に除去することができない糊扮
層を除去するようにしたものであるが、上記したような
機械的除去力を米粒の表面に作用させるので、糊扮層の
細胞膜が破れることになり、又、糊扮層だけでなくその
下層側の胚乳の細胞膜も破れることになる。このような
状態の米粒を炊飯のために水に浸漬したときには、図2
4に示すように、糊扮層の糠nkや胚乳の細胞膜sbが
破れた箇所から細胞内の澱粉質dpが水分中に溶けて流
れ出して、そのような糠や澱粉質等によって水が濁った
状態になり、水の濁度が高くなると考えられる。
【0007】そこで、上記したような乾燥用の設備や排
水用の設備等が不要であり、製造設備全体が簡単な構成
となって安価な製造設備で対応することが可能となる乾
式の研米処理を行うものでありながら、炊飯のために米
粒を水に浸漬したときにおける水の濁度を低下させるこ
とが可能となる無洗米の製造方法が望まれていた。
【0008】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、水を用いない乾式の研米処理を行
うことで糠を除去するようにしながら、炊飯のために米
粒を水に浸漬したときの水の濁度を低下させることが可
能となる無洗米の製造方法を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の無洗米
の製造方法は、原料米に紫外線を照射する紫外線照射処
理を行ったのち、原料米の表面部の不要物を機械的除去
力を作用させて除去する除去処理を行うことを特徴とす
る。
【0010】本出願人は、鋭意研究を行った結果、無洗
米の製造過程において米粒に紫外線を照射することで、
無洗米としての米粒を炊飯のために水に浸漬したときに
おける水の濁度を低下させることが可能となることを見
出した。説明を加えると、本出願人は、精米処理された
後に上記従来技術に記載したような乾式の研米処理を行
う製造設備を用いて研米処理された後の米粒を対象とし
て、そのような米粒に紫外線を照射することによって得
られた無洗米について、水に浸漬したときにおける水の
濁度を計測したところ、製造設備を用いて研米処理され
た後の米粒に比べて濁度が低下することを見出した。
【0011】その理由について考察すると、米粒の表層
部分において次のような変化が起こっていると推定され
る。すなわち、精米処理された後に上記従来技術に記載
したような乾式の研米処理を行う製造設備を用いて研米
処理された後の米粒に紫外線が照射されることによっ
て、図18に示すように、米粒の表層部分に存在するタ
ンパク質の粒tpが破れてそれに含まれる油脂成分が、
澱粉質dpを含む胚乳の細胞の内部や糊扮層の細胞の内
部に広く滲んで広がっていく。又、このような油脂成分
が紫外線の作用によって酸化して遊離脂肪酸とグリセリ
ンとに分解され、遊離脂肪酸は澱粉質(糊扮層の糠nk
及び胚乳の澱粉質dp)を硬化させてミセル硬度を高く
させる働きがあり、グリセリンは米粒の表面部分に油膜
を形成する働きがあると考えられる。又、紫外線は米粒
の表面だけでなく穀粒内部にまで入り込むので、上記し
たような澱粉質を硬化させる作用は、図19に示すよう
に、複数段階の細胞の層にまでわたって行われていると
推定される。その結果、従来技術の欄で説明したよう
に、機械的除去力を米粒の表面に作用させることで、糊
扮層やその下層側の胚乳の細胞膜が破れていても、米粒
の表面部分が油膜で覆われることによって、水に浸漬さ
せたときに、糠や澱粉質が溶出する量が少なくなり、水
の濁度を低下させることができるのである。
【0012】このような紫外線による澱粉質を硬化させ
ることや油膜を形成する作用については、原料米として
玄米を用いたり、玄米を精米した後の米粒を対象とする
場合であっても同様に発揮するものと考えられる。
【0013】ところで、上記したような紫外線を照射し
た場合であっても、米粒の表面部分には、タンパク質粒
が削り取られて上記したように紫外線を照射することに
よる硬化作用が発揮されない箇所や油膜が形成されない
箇所が存在することがあるが、このような箇所が存在す
ると、そこに残っている糠や硬化していない澱粉質が水
に溶出することで濁度を低下させることになるから、こ
のような表面部の不要物を除去する必要がある。
【0014】そこで、無洗米の製造方法として、原料米
に紫外線を照射する紫外線照射処理を行ったのち、原料
米の表面部の不要物を機械的除去力を作用させて除去す
る除去処理を行うようにした。つまり、精米処理した後
に、更に、乾式の研米処理を行う製造設備を用いて研米
処理された後の米粒を対象とする場合には、例えば、上
記したような紫外線を照射することによる硬化作用が発
揮されない箇所や油膜が形成されない箇所を、前記不要
物として、機械的除去力を作用させて除去するのであ
る。尚、前記原料米としては、玄米を精米した後に上記
したような乾式の研米装置を用いて糠の除去処理を行っ
た後の米粒だけでなく、玄米を精米した後の米粒を用い
たり、又は、玄米をそのまま用いるようにしてもよい。
【0015】前記機械的除去力を作用させて不要物を除
去する方法としては、例えば、従来技術で用いられてい
るような、ブラシによる米粒表面の糠の掻き取り作用や
研削用部材による研削作用等により不要物を除去するい
わゆる乾式の研米処理の方法等があるが、このような構
成に限定されるものではなく、要するに、水を使用せず
に、機械的除去力を作用させる方法であればよい。
【0016】前記除去処理を行うことによって、米粒の
表面部の不要物が除去されることになるが、上述したよ
うに、紫外線による澱粉質を硬化させる作用は複数段階
の細胞の層にまでわたって行われているので、除去処理
が行われた後の米粒の表面には前記硬化された部分だけ
が残ることになり、水に浸漬しても糠や澱粉質が溶出す
るおそれが少なく濁度を低減させることができるのであ
る。
【0017】因みに、濁度を低減させる効果について、
本出願人の実験結果による具体的な実験データに基づい
て説明を加えると、精米処理された後に上記従来技術に
記載したような乾式の研米処理を行う製造設備を用いて
研米処理された後の米粒をそのまま水に浸漬させたとき
の濁度のデータが例えば105ppmの米粒について、
紫外線照射処理を約4分間実行した後に濁度を計測した
ところ、約85ppmの濁度が計測された。又、このよ
うな紫外線照射処理を実行した後の米粒に対して、前記
除去処理を行った後に濁度を計測すると、約72ppm
の濁度が計測された。この実験結果から、上記したよう
な紫外線照射並びにその後に行う除去処理による濁度の
低減効果が明らかである。
【0018】前記原料米として、玄米を精米した後の米
粒を対象とする場合には、紫外線照射処理を行った後に
おいても、米粒の表面部には無洗米としては不要となる
糊扮層(糠)が残っているので、前記除去処理によっ
て、このような糊扮層を除去することになる。前記原料
米として、玄米を対象とする場合には、紫外線照射処理
を行った後においても、米粒の表面部には無洗米として
は不要となる種被や糊扮層等の糠層及び胚芽等が残って
いるので、前記除去処理によって、このような糠層や胚
芽を除去することになる。
【0019】このように、原料米に対して紫外線を照射
する紫外線照射処理を行い、このような紫外線の照射に
より、炊飯のために水に浸漬したときにおける水の濁度
を低下させることを可能にしながら、原料米の表面部に
残っている不要物を機械的除去力を作用させて除去する
除去処理を行うことによって、水を用いることなく、表
面部に不要物が残らず、且つ、炊飯時における水の濁度
が低下する無洗米を得ることが可能となる。
【0020】従って、水を用いない乾式の研米処理を行
うことで糠を除去するものでありながら、炊飯のために
米粒を水に浸漬したときにおける水の濁度を低下させる
ことが可能となる無洗米の製造方法を提供できるに至っ
た。
【0021】請求項2に記載の無洗米の製造方法は、原
料米に紫外線を照射する紫外線照射処理を行い、その紫
外線照射処理が行われた原料米にオゾンを作用させて脱
臭するオゾン処理を行い、次に原料米の表面部の不要物
を機械的除去力を作用させて除去する除去処理を行うこ
とを特徴とする。
【0022】米粒に紫外線を照射することで濁度を低減
させる点、紫外線照射処理の後に行われる除去処理つま
り前記後除去処理により濁度を低減させる点、及び、原
料米として玄米を用いたり、玄米を精米した後の米粒を
対象とする場合であっても同様に作用を発揮する点につ
いては、請求項1について説明したような内容と同様の
内容であるから説明は省略する。
【0023】紫外線照射処理が行われた原料米にオゾン
を作用させて脱臭するオゾン処理を行うのは、次のよう
な理由による。上述したように、米粒に紫外線を照射す
ることによってグリセリンが発生するが、このグリセリ
ンはカルボニル化合物に変化することにより、食味を低
下させるおそれがある臭いを発生することになる。そこ
で、紫外線照射処理が行われた原料米にオゾンを作用さ
せてこのような臭いの元となる物質を酸化分解させるこ
とで脱臭するのである。しかし、このとき、オゾンが作
用することによってカルボニル化合物により発生する臭
いは脱臭されるが、米粒の表層部分にてオゾンの影響に
よるオゾン臭を生じさせる部分が生じる。
【0024】そこで、無洗米の製造方法として、原料米
に紫外線を照射する紫外線照射処理を行い、その紫外線
照射処理が行われた原料米にオゾンを作用させて脱臭す
るオゾン処理を行い、次に原料米の表面部の不要物を機
械的除去力を作用させて除去する除去処理を行うように
した。前記原料米としては、玄米を精米した後に上記し
たような乾式の研米装置を用いて糠の除去処理を行った
後の米粒だけでなく、玄米を精米した後の米粒を用いた
り、又は、玄米をそのまま用いるようにしてもよい。
【0025】前記機械的除去力を作用させて不要物を除
去する方法としては、例えば、従来技術で用いられてい
るような、ブラシによる米粒の表面の糠を掻き取り作用
や研削用部材による研削作用等により不要物を除去する
いわゆる乾式の研米処理の方法等があるが、このような
構成に限定されるものではなく、要するに、水を使用せ
ずに機械的除去力を作用させて不要物を除去する方法で
あればよい。
【0026】前記原料米として、玄米を精米処理した
後、更に、乾式の研米処理を行うことで前記糊扮層等を
除去させた後の米粒を対象とする場合には、紫外線照射
処理を行った後に更に糠の除去処理を行う必要はない
が、上記したようなカルボニル化合物が存在する表層部
分、特に、表面に近いオゾン臭を生じさせる部分は無洗
米には不要であるから、このようなオゾン臭を生じさせ
る部分を前記不要物として除去することになる。この場
合の米粒表面の断面図を図20に示している。つまり、
請求項1において説明したように、紫外線による澱粉質
を硬化させる作用は複数段階の細胞の層にまでわたって
行われているので、除去処理によってオゾン臭を生じさ
せる部分ozが除去された後であっても、米粒の表面に
は硬化した部分kbが残ることになる。
【0027】前記原料米として、玄米を精米した後の米
粒を対象とする場合には、紫外線照射処理を行った後に
おいても、米粒の表面部には無洗米としては不要となる
糊扮層(糠)が残っているので、前記不要物として、上
記したような前記カルボニル化合物が存在する表層部分
のうち特に表面に近いオゾン臭を生じさせる部分と共
に、このような糊扮層も合わせて除去することになる。
前記原料米として、玄米を対象とする場合には、紫外線
照射処理を行った後においても、米粒の表面部には無洗
米としては不要となる種被や糊扮層等の糠層及び胚芽等
が残っているので、前記不要物として、上記したような
前記カルボニル化合物が存在する表層部分のうち特に表
面に近いオゾン臭を生じさせる部分と共に、このような
糠層や胚芽も合わせて除去することになる。因みに、本
出願人の実験によれば、オゾン処理の前後で、夫々、濁
度を計測したがほとんど濁度の変化は見られなかった。
【0028】このように前記除去処理を行うことによっ
て、米粒の表面部の上記したような不要物が除去される
ことになるが、紫外線による澱粉質を硬化させる作用は
複数段階の細胞の層にまでわたって行われているので、
除去処理が行われた後の米粒の表面には前記硬化された
部分だけが残ることになり、水に浸漬しても糠や澱粉質
が溶出するおそれが少なく濁度を低減させることができ
るのである。
【0029】このように、原料米に対して紫外線を照射
する紫外線照射処理を行い、このような紫外線の照射に
より、炊飯のために水に浸漬したときにおける水の濁度
を低下させることを可能にしながら、紫外線を照射する
ことに起因して発生する臭いをオゾン処理によって脱臭
し、且つ、オゾン臭を生じさせる部分やその他の原料米
の表面部に残っている不要物を、機械的除去力を作用さ
せて除去する除去処理を行うことによって、水を用いる
ことなく、表面部に不要物が残らず、且つ、臭いの発生
も抑制されて、炊飯時における水の濁度が低下する無洗
米を得ることが可能となる。
【0030】従って、水を用いない乾式の研米処理を行
うことで糠を除去するものでありながら、炊飯のために
米粒を水に浸漬したときにおける水の濁度を低下させる
ことが可能となる無洗米の製造方法を提供できるに至っ
た。
【0031】請求項3に記載の無洗米の製造方法は、原
料米の表面部の不要物を機械的除去力を作用させて除去
する除去処理を行ったのち、原料米に紫外線を照射する
紫外線照射処理を行うことを特徴とする。
【0032】原料米に紫外線を照射することで、炊飯の
ために米粒を水に浸漬したときにおける水の濁度を低下
させる点、並びに、原料米として玄米を用いたり、玄米
を精米した後の米粒を対象とする場合であっても同様に
作用を発揮する点については、請求項1について説明し
たような内容と同様の内容であるから説明は省略する。
【0033】そして、無洗米の製造方法として、原料米
の表面部の不要物を機械的除去力を作用させて除去する
除去処理を行ったのち、原料米に紫外線を照射する紫外
線照射処理を行うようにした。前記原料米としては、玄
米を精米した後の米粒を用いたり、玄米を用いることが
できる。
【0034】前記除去処理にて前記機械的除去力を作用
させて不要物を除去する方法としては、例えば、従来技
術で用いられているような、ブラシによる米粒の表面の
糠を掻き取り作用や研削用部材による研削機能等により
不要物を除去するいわゆる乾式の研米処理の方法等があ
るが、このような構成に限定されるものではなく、要す
るに、水を使用せずに、機械的除去力を作用させる方法
であればよい。
【0035】前記原料米として、玄米を精米した後の米
粒を対象とする場合には、精米した後に米粒表面に残っ
ている糊扮層を前記不要物として、上述したような乾式
の研米処理の方法等により機械的除去力を作用させて、
その不要物を除去する除去処理を行ったのち、原料米に
紫外線を照射する紫外線照射処理を行うのである。つま
り、前記除去処理によって米粒表面に残っている糊扮層
を除去した状態で、米粒の表面部分における澱粉質が硬
化し、且つ、表面部分が油膜で覆われる状態として、無
洗米として炊飯のために水に浸漬したときにおいても、
澱粉質が水に溶出する量が少なくなり水の濁度を低下さ
せることが可能な無洗米となる。
【0036】前記原料米として、玄米を対象とする場合
には、米粒の表面部には無洗米としては不要となる種被
や糊扮層等の糠層及び胚芽が残っているので、このよう
な糠層や胚芽を前記不要物として機械的除去力を作用さ
せて除去したのち、原料米に紫外線を照射する紫外線照
射処理を行うのである。この場合にも同様に、米粒表面
に付着する残留糠を除去した状態で、米粒の表面部分に
おける澱粉質が硬化し、且つ、表面部分が油膜で覆われ
る状態として、無洗米として炊飯のために水に浸漬した
ときにおいても、澱粉質が水に溶出する量が少なくなり
水の濁度を低下させることが可能な無洗米となる。
【0037】このように、原料米の表面部に残っている
無洗米としては不要である不要物を機械的除去力を作用
させて除去する除去処理を行った後に、紫外線を照射す
ることにより、炊飯のために水に浸漬したときにおける
水の濁度を低下させることを可能として、水を用いるこ
となく、表面部に不要物が残らず、且つ、炊飯時におけ
る水の濁度が低下する無洗米を得ることが可能となる。
【0038】従って、水を用いない乾式の研米処理を行
うことで糠を除去するものでありながら、炊飯のために
米粒を水に浸漬したときにおける水の濁度を低下させる
ことが可能となる無洗米の製造方法を提供できるに至っ
た。
【0039】請求項4に記載の無洗米の製造方法は、精
米処理済みの米粒の表面に残留する糠を機械的除去力を
作用させて除去する前除去処理を行い、前除去処理が行
われた米粒に紫外線を照射する紫外線照射処理を行い、
その紫外線照射処理が行われた米粒にオゾンを作用させ
て脱臭するオゾン処理を行い、次に米粒の表面部の不要
物を機械的除去力を作用させて除去する後除去処理を行
うことを特徴とする。
【0040】米粒に紫外線を照射することで濁度を低減
させる点、並びに、紫外線照射処理の後に行われる除去
処理つまり前記後除去処理により濁度を低減させる点に
ついては、請求項1について説明したような内容と同様
の内容であるから説明は省略する。
【0041】そして、無洗米の製造方法として、精米処
理済みの米粒の表面に残留する糠を機械的除去力を作用
させて除去する前除去処理を行い、前除去処理が行われ
た米粒に紫外線を照射する紫外線照射処理を行い、その
紫外線照射処理が行われた米粒にオゾンを作用させて脱
臭するオゾン処理を行い、次に米粒の表面部の不要物を
機械的除去力を作用させて除去する後除去処理を行うよ
うにした。
【0042】前記前除去処理にて、機械的除去力を作用
させて精米処理済みの米粒の表面に残留する糠すなわち
前記糊扮層を除去する方法としては、例えば、従来技術
で用いられているような、ブラシによる米粒の表面の糠
を掻き取り作用や研削用部材による研削機能等により不
要物を除去するいわゆる乾式の研米処理の方法等がある
が、このような構成に限定されるものではなく、要する
に、水を使用せずに、機械的除去力を作用させる方法で
あればよい。
【0043】そして、前除去処理にて残留する糠が除去
されたのち、紫外線を照射する紫外線照射処理を行うの
である。つまり、糠が除去された状態で、米粒の表面部
分における澱粉質が硬化し、且つ、表面部分が油膜で覆
われる状態として、無洗米として炊飯のために水に浸漬
したときにおいても、澱粉質が水に溶出する量が少なく
なり水の濁度を低下させることが可能な無洗米となる。
【0044】紫外線照射処理が行われた原料米にオゾン
を作用させて脱臭するオゾン処理を行うのは、次のよう
な理由による。上述したように、米粒に紫外線を照射す
ることによってグリセリンが発生するが、このグリセリ
ンはカルボニル化合物に変化することにより、僅かに鳥
皮の臭いのような臭いを発生することになる。そこで、
紫外線照射処理が行われた原料米にオゾンを作用させて
このような臭いの元となる物質を酸化分解させることで
脱臭するのである。又、このとき、オゾンが作用するこ
とによってカルボニル化合物により発生する臭いは脱臭
されるが、米粒の表層部分にてオゾンの影響によるオゾ
ン臭を生じさせる部分が生じる。
【0045】そこで、紫外線照射処理を行った後に後除
去処理を行うようにしている。この後除去処理は、前除
去処理と同様に、水を使用せずに機械的除去力を作用さ
せる方法で、上記したようなカルボニル化合物が存在す
る表層部分、特に、表面に近いオゾン臭を生じさせる部
分を、前記不要物として除去するのである。又、米粒の
表面部分には、前除去処理によってタンパク質粒が削り
取られており上記したように紫外線を照射することによ
る硬化作用が発揮されない箇所や油膜が形成されない箇
所が存在することがあるが、このような箇所も前記オゾ
ン臭を生じさせる部分と合わせて除去されることにな
る。
【0046】前記後除去処理を行うことによって、米粒
の表面部の上記したような不要物が除去されることにな
るが、請求項1において説明したように、紫外線による
澱粉質を硬化させる作用は複数段階の細胞の層にまでわ
たって行われているので、除去処理が行われた後の米粒
の表面には前記硬化された部分だけが残ることになり、
図20に示すように、澱粉質が硬化した部分kbの層は
オゾン臭を生じさせる部分ozよりも厚く、この硬化し
た部分kbは後除去処理を実行した後も残っているので
濁度を低下させる状態は維持されることになる。
【0047】このように、前除去処理により米粒の表面
に残留する糠を除去し、紫外線の照射により炊飯時にお
ける水の濁度を低下させることを可能にしながら、紫外
線を照射することに起因して発生する臭いをオゾン処理
によって脱臭し、且つ、後除去処理を行うことによっ
て、オゾン臭を生じさせる部分又はその他の原料米の表
面部に残っている不要物を除去することにより、水を用
いることなく、表面部に糠が残らず、且つ、臭いの発生
も抑制されて、炊飯時における水の濁度が低下する無洗
米を得ることが可能となる。
【0048】従って、水を用いない乾式の研米処理を行
うことで糠を除去するものでありながら、炊飯のために
米粒を水に浸漬したときにおける水の濁度を低下させる
ことが可能となる無洗米の製造方法を提供できるに至っ
た。
【0049】請求項5に記載の無洗米の製造方法は、請
求項4において、前記前除去処理が、ほぼ全周にわたり
糠排出用の多孔部を備える構成、又は、糠排出用の多孔
部及び研削用部材を夫々備える構成の略円筒状の筒体
と、その筒体の内部にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周り
で回転するとともに、外周部に糠取り用のブラシを備え
た回転体とを備えて構成される糠除去装置を用いて、前
記筒体と前記回転体との間で前記米粒を移送させなが
ら、米粒の表面に残留する糠を除去する処理であること
を特徴とする。
【0050】すなわち、筒体と回転体との間で米粒を移
送させると、回転体が回転することで、その回転体の外
周部に設けられた糠取り用のブラシにて、米粒の表面に
残留している糠を擦り取るのであるが、筒体としてほぼ
全周にわたり糠排出用の多孔部を備える構成であれば、
擦り取られた糠を前記多孔部から効率よく外部に排出さ
せることができ、糠排出用の多孔部及び研削用部材を夫
々備える筒体であれば、ブラシによる擦り取り作用に加
えて研削用部材による研削作用によって米粒表面の糠が
削り取られるので、効率よく糠の除去を行うことがで
き、請求項4を実施するのに好適な方法となる。
【0051】請求項6に記載の無洗米の製造方法は、請
求項4又は5において、前記後除去処理が、不要物排出
用の多孔部を備えた略円筒状の筒体と、その筒体の内部
にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転するととも
に、外周部に不要物削り取り用のブラシあるいは研削用
部材を備えた回転体とを備えて構成される不要物除去装
置を用いて、前記筒体と前記回転体との間で前記米粒を
移送させながら、米粒の表面部の不要物を除去する処理
であることを特徴とする。
【0052】すなわち、筒体と回転体との間で米粒を移
送させると、回転体が回転することで、その回転体の外
周部に設けられた不要物削り取り用のブラシあるいは研
削用部材にて、米粒表面に近いオゾン臭を生じさせる部
分を不要物として削り取るのであるが、筒体として不要
物排出用の多孔部を備えた構成であるから、削り取られ
た不要物を多孔部から効率よく外部に排出させることが
でき、効率よく不要物の除去を行うことができ、請求項
4又は5を実施するのに好適な方法となる。
【0053】請求項7に記載の無洗米の製造方法は、請
求項4において、前記前除去処理が、ほぼ全周にわたり
糠排出用の多孔部を備える構成、又は、糠排出用の多孔
部及び研削用部材を夫々備える構成で、軸芯を上下方向
に向けて配置される略円筒状の筒体と、その筒体の内部
にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転するととも
に、外周部に糠取り用のブラシを備えた回転体とを備え
て構成される糠除去装置を用いて、前記筒体と前記回転
体との間で前記米粒を移送させながら、米粒の表面に残
留する糠を除去する処理であり、前記後除去処理が、不
要物排出用の多孔部を備える構成で、軸芯を水平又はほ
ぼ水平方向に向けて配置される略円筒状の筒体と、その
筒体の内部にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転す
るとともに、外周部に不要物削り取り用のブラシあるい
は研削用部材を備えた回転体とを備えて構成される不要
物除去装置を用いて、前記筒体と前記回転体との間で前
記米粒を移送させながら、米粒の表面部の不要物を除去
する処理であることを特徴とする。
【0054】すなわち、前除去処理では、軸芯を上下方
向に向けて配置される筒体と、その筒体の内部にて筒体
の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転する回転体との間で、
米粒を移送させながら、回転体が回転することで、その
回転体の外周部に設けられた糠取り用のブラシにて、米
粒の表面に残留している糠を擦り取るのであるが、筒体
としてほぼ全周にわたり糠排出用の多孔部を備える構成
であれば、擦り取られた糠を前記多孔部から効率よく外
部に排出させることができ、糠排出用の多孔部及び研削
用部材を夫々備える筒体であれば、ブラシによる擦り取
り作用に加えて研削用部材による研削作用によって米粒
表面の糠が削り取られるので、効率よく糠の除去を行う
ことができる。しかも、米粒は、上下方向に沿って移送
されるので、米粒に対しては上方側に位置する米粒の重
量も加わるので、米粒同士が擦れ合って摩擦を起こす粒
々摩擦によって、更に効率よく表面の糠を除去する機能
を発揮することができる。
【0055】又、後除去処理では、軸芯を水平又はほぼ
水平方向に向けて配置される筒体と、その筒体の内部に
て筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転する回転体との
間で、米粒を移送させながら、回転体が回転すること
で、その回転体の外周部に設けられた不要物削り取り用
のブラシあるいは研削用部材にて、米粒表面に近いオゾ
ン臭を生じさせる部分を不要物として削り取り、筒体に
設けられた多孔部を通して削り取られた不要物が外部に
排出される。このとき、米粒は水平又はほぼ水平方向に
向けて移送されるので、米粒の重量が加わることがない
ので、米粒同士の摩擦による米粒の無用な温度上昇がな
く、米粒の破砕やクラックによる不良粒の発生を抑制で
き、請求項4を実施するのに好適な方法となる。
【0056】請求項8に記載の無洗米の製造方法は、請
求項1〜7のいずれかにおいて、前記紫外線照射処理に
おいて使用される紫外線が、185ナノメーター〜36
5ナノメーターの波長を有するものであることを特徴と
する。
【0057】上述したように、本出願人は、鋭意研究を
行った結果、無洗米の製造過程において米粒に紫外線を
照射することで、無洗米としての米粒を炊飯のために水
に浸漬したときにおける水の濁度を低下させることが可
能となることを見出したのであるが、本出願人は、所定
の波長域を有する紫外線のうち、185ナノメーター〜
365ナノメーターの波長を有する紫外線が、水の濁度
を低下させることに有効であることを実験により見出し
た。
【0058】具体的に実験データに基づいて説明を加え
ると、185ナノメーターの波長の紫外線を約2分間米
粒に照射した場合には紫外線を照射しない場合に比べて
約40ppmの濁度低下が見られた。又、253.7ナ
ノメーターの波長の紫外線を約4分間米粒に照射した場
合には紫外線を照射しない場合に比べて約40ppmの
濁度低下が見られた。そして、365ナノメーターの波
長の紫外線を約30分間米粒に照射した場合には紫外線
を照射しない場合に比べて約5ppmの濁度低下が見ら
れた。
【0059】このように各波長によりバラツキはあるも
のの、185ナノメーター〜365ナノメーターの波長
を有する紫外線を照射することが、無洗米としての米粒
を炊飯のために水に浸漬したときにおける水の濁度を低
下させる効果を有効に発揮できるものであり、請求項1
〜7のいずれかの実施するのに好適な方法となる。
【0060】請求項9に記載の無洗米の製造方法は、請
求項1〜8のいずれかにおいて、前記紫外線照射処理に
おいて使用される紫外線が、253.7ナノメーターの
波長を有するものであることを特徴とする。
【0061】請求項8の欄で説明したような185ナノ
メーター〜365ナノメーターの領域での各種の波長の
紫外線にて、水の濁度を低下させる効果を発揮できるも
のであるが、本出願人は、そのうち、特に253.7ナ
ノメーターの波長の紫外線が、他の波長のものに比べて
比較的短い照射時間で水の濁度を低下させる効果を有効
に発揮できることを実験により見出した。図面を参照し
ながら説明を加えると、図11に、253.7ナノメー
ターのピーク波長を有する紫外線ランプ、及び、365
ナノメーターのピーク波長を有する紫外線ランプを用い
て、米粒に照射したときの照射時間と濁度の低下量の関
係を示すデータを示している。この図から明らかなよう
に、253.7ナノメーターのピーク波長を有する紫外
線ランプを用いて米粒に照射したときは、濁度低減の顕
著な効果があることが分る。又、上記波長以外の185
ナノメーターのピーク波長を有する紫外線ランプを用い
て米粒に照射したときにおいても、253.7ナノメー
ターの場合とほぼ同様な濁度低下効果を奏するが、この
場合には大きな照射エネルギーを必要とするので米粒の
割れ等が発生することがある。その結果、無洗米を製造
する場合には、253.7ナノメーターの波長を有する
紫外線が最適である。従って、253.7ナノメーター
の波長を有する紫外線を用いることによって、請求項1
〜7のいずれかの実施するのに好適な方法となる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明に係る無洗米の製造方法について説明する。
【0063】〔第1実施形態〕本発明における無洗米の
製造方法の第1実施形態は、図1に示すように、玄米が
図示しない精米機によって精米処理された後の精米処理
済みの米粒の表面に残留する糠を機械的除去力を作用さ
せて除去する前除去処理を行い、前除去処理が行われた
米粒に紫外線を照射する紫外線照射処理を行い、その紫
外線照射処理が行われた米粒にオゾンを作用させて脱臭
するオゾン処理を行い、次に米粒の表面部の不要物を機
械的除去力を作用させて除去する後除去処理を行うもの
である。
【0064】前記前除去処理について説明する。この前
除去処理は、ほぼ全周にわたり糠排出用の多孔部を備え
る構成、又は、糠排出用の多孔部及び研削用部材を夫々
備える構成で、軸芯を上下方向に向けて配置される略円
筒状の筒体と、その筒体の内部にて筒体の軸芯方向に沿
う軸芯周りで回転するとともに、外周部に糠取り用のブ
ラシを備えた回転体とを備えて構成される糠除去装置を
用いて、前記筒体と前記回転体との間で前記米粒を移送
させながら、米粒の表面に残留する糠を除去する処理で
ある。
【0065】前記糠除去装置NJは、図2に示すよう
に、ほぼ同じような構成の3つの研米装置KSを横方向
に並列配備しており、米粒をそれら3つの研米装置KS
に順次通過させて、精米処理済みの米粒の表面に残留す
る糠を除去するようにしている。1番目に研米処理する
研米装置KSと、それ以外の2台の研米装置KSとは、
研米部の構成が異なるが他の構成については同じであ
る。先ず、1番目に研米処理する研米装置KSについて
構成を説明し、それ以外の2台の研米装置KSについて
は異なる部分だけについて説明する。
【0066】1番目に研米処理する研米装置KSは、図
3に示すように、略円筒形状の基枠4により全体を支持
する構造となっており、処理すべき穀粒が供給される供
給部A、その供給部Aにより下部の穀粒受入口1から供
給された穀粒を研米室40を通して上部の穀粒排出口2
へ移送しながら後述するようにブラシ42により穀粒表
面に付着する糠を擦り取るブラシ式の研米部B、研米室
40を移動して排出口から排出される穀粒に対して抵抗
を与える抵抗付与部E、研米部Bで研米された穀粒を排
出する排出部D、研米室40にて穀粒から分離された糠
の吸引及び穀粒冷却のため空気を通風する通風部F等を
備えている。
【0067】前記供給部Aは、穀粒受入口1に連通接続
した穀粒供給路15と、その穀粒供給路15内に回転自
在に支持して設けた横送りスクリュー16と、その横送
りスクリュー16を回転駆動する供給用電動モータM1
と、穀粒供給路15に連通接続したホッパ17と、その
ホッパ17の排出口に介装したシャッタ18とを備えて
構成され、供給用電動モータM1は所定の一定の回転数
で回転させ、シャッタ18の開度調整により、穀粒受入
口1への穀粒の供給量を調整する構成となっている。排
出部Dは、研米室の上部に位置する排出室形成用の円筒
状ケーシング部19の内部に排出室20を形成し、その
円筒状ケーシング19に排出されてくる穀粒を外部へ排
出するための排出シュート21を連通接続させている。
【0068】前記研米部Bは、基枠4の研米部形成用の
円筒状部4aの内部にその円筒状部4aとほぼ同軸状に
上下方向に連結した多角形状の研米用の多孔状筒体5を
搬送スクリューの外筒体6に連なる状態で配設し、多孔
状筒体5の内部に、駆動回転自在に設けられてその外周
部にブラシ42を備えたブラシ回転体としての研米ロー
ルRが設けられ、この多孔状筒体5と研米ロールRとの
間の通路にて移送経路としての研米室40が形成され、
多孔状筒体5の外側に糠回収室7が形成されている。多
孔状筒体5の上端部に連結したフランジ付円筒体3の上
部開口を穀粒排出口2とし、搬送スクリューの下端側に
穀粒受入口1としている。フランジ付円筒体3のフラン
ジ部と基枠4の円筒状部4aとの嵌合部には、糠回収室
7から外部に対して開口する通気孔22を形成し、円筒
状部4aの下端側には糠回収室7に連通する状態で糠排
出シュート部4bを設けてある。
【0069】図4に示すように、前記研米ロールRは、
その外周部にブラシ42を設けたブラシベース44の4
個を、筒状回転体41の周方向に等間隔で分散した状態
で、且つ、夫々が前記周方向に反転可能な状態で、ボル
ト43にて着脱自在に設けてある。つまり、ブラシ42
を、筒状回転体41の軸芯方向視において、筒状回転体
41の周方向に部分的に設けてある。そして、研米ロー
ルRが図4の白抜き矢符に示す如く回転すると、その外
周部に設けたブラシ42の先端が穀粒の表面に押し付け
られて、そのブラッシング作用によって糠が擦り取られ
て、研米が行われるように構成してある。筒状回転体4
1の内部には通気路Hが形成され、後述するように、空
気が通気路Hから通気孔41a及び凹部44hを通じ
て、通気孔44fから径方向外方側に向けて通風する構
成となっている。
【0070】前記筒状回転体41の下方側には、それと
同一軸芯で一体回転自在に、搬送スクリュー、及び、筒
状軸部が連設されており、それらが、一対の軸受け9を
用いて、基枠4の軸支用円筒状部4cに上下方向の軸芯
周りで回転自在に支持され、前記筒状回転体41、搬送
スクリュー11、筒状軸部8の夫々が互いに連通する状
態で連結して、研米用電動モータM2にてそれらを一体
的に回転駆動するように構成してある。前記筒状軸部8
には、筒内部から外周部に対して開口する通気孔8aを
多数形成している。
【0071】前記多孔状筒体5は、研米に伴って穀粒か
ら除去された糠を糠回収室7に排出するための糠排出孔
13aを多数穿設してなる多孔部TBを備えるととも
に、多孔状筒体の軸芯方向及び周方向の一部に穀粒の表
面に対して研削機能を発揮する合計6個の砥石部材60
を備える構成となっている。つまり、図4に示すよう
に、前記多孔部TBと前記各砥石部材60とを周方向に
交互に配置して構成され、その多孔部TB及び砥石部材
60は軸芯方向のほぼ全域にわたる状態で形成され、前
記多孔部TBは、図9に示すように、多数の糠排出孔1
3aが、前記螺旋状に移動する穀粒の移動方向Qに沿う
方向に長い長孔状となる、いわゆる順目式の多孔部とし
て構成している。
【0072】次に、2番目、3番目に処理する2台の研
米装置KSにおける研米部Bの構成について説明する。
図7に示すように、この研米部Bにおける多孔状筒体5
は研米に伴って穀粒から剥離した糠を糠回収室7に排出
するための糠排出孔13aを多数穿設してなる多孔部T
Bが、その軸芯方向並びに周方向の略全範囲にわたって
形成され、且つ、多角形状筒体の半割り形状となるよう
に屈曲形成した左右一対の板材5Aを、それらの端縁同
士を合わせ状態で、その外周部を枠体51にて保持する
構成としている。つまり、前記枠体51は、内周縁が多
角形状の一対の環状部材51A,51Bが軸芯方向両側
部に設けられ、これらの環状部材51A,51B同士を
複数の連結具51C,51Dで連結して構成され、それ
らの連結具51C,51Dのうちの180度位相を異な
らせた位置に設けられる2つのもの51Dが、断面形状
がコの字形の板体にて構成されている。そして、この枠
体51の内部側に前記各板材5Aを多角形状の筒を形成
するように挿入させて、それらの端縁部が前記コの字形
の連結部51Dにはまり込んだ状態で、このコの字形の
連結部51Dの内部に、角柱状の取付部材50がはめ込
まれて、ボルト52とナット53で締め付けることで、
前記各板材5Aを挟み込み固定するように構成されてい
る。その周方向の一部には、軸芯方向のほぼ全長にわた
る状態で一対の鉄製部材50が径方向に対向する位置に
設けられている。
【0073】そして、多孔状筒体5において多孔部TB
を構成する多数の糠排出孔13aは、図8に示すよう
に、長孔形状に設けられており、多孔状筒体5と研米ロ
ールとの間の通路(研米室)内を螺旋状に移動する穀粒
の移動方向Qに対して、その長手方向が交差する方向と
なるように、いわゆる逆目式に形成されている。
【0074】次に、糠除去装置NJによる前除去処理に
ついて説明を加える。上記したような構成の夫々の研米
装置において、供給部Aから供給された穀粒は、抵抗付
与部Eにより移送に抵抗が付与された状態で、搬送スク
リュー11によって研米ロールRと多孔状筒体5との間
の研米用通路に沿って移送されながら、研米ロールRの
外周部に設けたブラシ42の先端が穀粒の表面に押し付
けられて、そのブラッシング作用によって糠が擦り取ら
れて糠除去処理が行われることになる。又、1番目の研
米装置では、多数の長孔状の糠排出孔13aが順目式に
形成されているから、局所的に圧力が上昇することな
く、圧力分布を均一化させた状態で研米室のほぼ全域に
おいて移送の抵抗が付与されることになり、ブラシによ
る糠除去作用が有効に行われることになる。2番目およ
び3番目の研米装置では、多数の長孔状の糠排出孔13
aが逆目式に形成されているから、穀粒の移動に対して
その移動に抵抗を与えるべく作用することになるので、
抵抗付与部Eによる排出抵抗を大きくさせなくても、前
記糠排出孔13aによる作用によって移送抵抗が付与さ
れて螺旋状に移動する穀粒に対する移動抵抗が大きくな
り、このように移動に抵抗が付与されて穀粒の移動が停
止保持されやすい状態でブラシによる糠除去機能を充分
に発揮しやすいものにできる。しかも、上記糠除去装置
NJにおいては、米粒は、上下方向に沿って移送される
ので、米粒に対しては上方側に位置する米粒の重量も加
わるので、米粒同士が擦れ合って摩擦を起こす粒々摩擦
によって表面の糠を除去する機能を発揮することができ
る。
【0075】そして、吸引装置116及び圧送ファン3
1を作動させると、吸引装置116及び圧送ファン31
の協働により、図2中において実線矢符にて示すよう
に、圧送ファン31から圧送された空気は、給気路3
0、空気溜まり部33、通気孔8a、通気路H、通気孔
41a、44fを順次通流して、ブラシ42に対してそ
の植毛方向に噴出し、更に、研米室40、糠排出孔13
aが形成されている多孔部TB、糠回収室7、糠排出シ
ュート部4bを順次通流して、吸引装置116の吐き出
し口から外部に排出され、それと並行して、研米室3に
て搗精処理に伴って米粒から分離された糠及びブラシ4
2が磨耗して分離された残滓等も排出される。
【0076】次に、前除去処理が行われた米粒に対して
紫外線を照射する紫外線照射処理を実行する。図10に
本出願人が実験で用いた紫外線照射装置SSの構成を示
している。つまり、外部の光を遮光するように囲まれた
容器70内に底面に1層状態となるように前除去処理が
行われた米粒群kを並べて、それらの米粒群kから少し
(約20mm)上方に離間させた位置に、横方向に紫外
線ランプ71を所定間隔(約60mm)をあけた状態で
並列配備して米粒群に紫外線を照射するのである。尚、
容器70の内側の面にはアルミ箔72を貼付してあり、
紫外線が反射して米粒の外周全域に照射される構成とし
ている。又、容器70の上部側はアルミニウム板73で
塞ぐようにしている。
【0077】本出願人は、紫外線照射の条件を各種のも
のに変更させて、米粒を水に浸漬したときにおける水の
濁度を計測する実験を行ったが、その計測結果を図面に
基づいて説明する。図11には、253.7ナノメータ
ー(以下、nmと略す)のピーク波長を有する1灯あた
り20Wの紫外線ランプを4灯用いて照射した場合と、
365nmのピーク波長を有する1灯あたり20Wの紫
外線ランプを8灯用いて照射した場合の夫々の照射時間
と濁度低減効果との関係を示している。このように25
3.7nmのピーク波長を有する紫外線ランプで照射し
た場合には濁度が大きく低下した。それに比べて365
nmのピーク波長を有する紫外線ランプで照射した場合
には濁度の低下が少ない。
【0078】又、図12には、照射時間、光源の照射エ
ネルギーと濁度低減効果との関係を示している。照射条
件としては、185nm、254nmのピーク波長を
有する紫外線ランプで照射エネルギー40mW/cm2
で照射した場合、253.7nmのピーク波長を有す
る紫外線ランプで照射エネルギー約3mW/cm2 で照
射した場合、254nm〜赤外域の波長域を有する紫
外線ランプで照射エネルギー約185mW/cm2 で照
射した場合がある。図から分るように、254nm〜赤
外域の波長域を有する紫外線ランプで照射エネルギー約
185mW/cm2 で照射した場合が、最も濁度低減効
果が高いが、本出願人の実験によれば、米粒に割れが多
く発生する等、米粒へのダメージが大きいという不具合
があった。又、185nm、254nmのピーク波長を
有する紫外線ランプで照射した場合においても、同様に
米粒へのダメージが大きいという不具合があった。しか
し、253.7nmのピーク波長を有する紫外線ランプ
で照射した場合には、このような不具合が発生しなかっ
た。そして、これらの実験結果から分るように、25
3.7nmのピーク波長を有する紫外線ランプで約15
分間照射することによって、米粒を水に浸漬したときに
おける水の濁度が約60ppmであり、無洗米としてほ
ぼ満足できる結果が得られた。
【0079】しかし、このように米粒に紫外線を照射し
たところ、米粒から異臭が発生することが判明した。こ
れは、米粒に紫外線を照射することによって発生するグ
リセリンがカルボニル化合物に変化することにより異臭
を発生すると考えられる。そこで、このような異臭を取
り除くために、紫外線照射処理が行われた米粒にオゾン
を作用させて脱臭するオゾン処理を行うようにしてい
る。
【0080】図13に、オゾン処理を実行するためのオ
ゾン処理装置OSを示している。このオゾン処理装置O
Sは、ホッパー74に供給された米粒を、電動モータ7
5により水平軸芯周りで駆動回転する攪拌スクリュー7
6によって、水平方向に移送させる横送り部77が設け
られ、横送りの終端部には米粒を流下させて外部に排出
する排出部78が設けられている。ホッパー74の下端
部から横送り部77の始端部に米粒を流下案内させる案
内通路79の途中部の横側壁にオゾン供給口80が形成
され、このオゾン供給口80から案内通路79を移動す
る米粒に対して少量のオゾンガスを噴出させて米粒の表
面に作用させるようにしている。又、攪拌スクリュー7
6の軸部76aは中空状に形成され、軸端から噴風供給
される空気が軸芯方向に沿って並ぶ状態で多数形成され
た噴風口81から横送り部77の内部に吹き出すよう構
成され、横送り部77の送り方向の中央部には、横送り
作用によって発生する糠等の塵埃を外部に排出させるた
めの多孔状筒体82が攪拌スクリュー76の外周部に沿
って設けられ、排出された塵埃等は外周側の回収室83
を通り、排気口84から排出されるようになっている。
このように噴風口81から横送り部77の内部に空気が
吹き出されることにより、オゾンガスが希釈並びに拡散
され、横送りされる米粒に効率よくオゾンが作用するこ
とになる。尚、図中、85は、米粒の流動に抵抗を付与
する重り式の抵抗板である。尚、前記多孔状筒体82の
多孔部は、図9に示す糠除去装置NJの多孔部と同様
に、多数の排出孔が螺旋状に移動する穀粒の移動方向Q
に沿う方向に長い長孔状に形成される、いわゆる順目式
の多孔部として構成されている。
【0081】前記紫外線照射処理が行われた米粒を、こ
のような構成のオゾン処理装置OSのホッパー74に供
給して横送り搬送しながらオゾンを作用させて、カルボ
ニル化合物による異臭を抑制すべく脱臭するオゾン処理
が行われることになる。
【0082】このようにオゾン処理を実行することで、
カルボニル化合物による異臭の発生は抑制されるもの
の、オゾンを使用することで米粒の表面部分にオゾン臭
を生じさせる部分が残るので、このオゾン臭を生じさせ
る部分を、後除去処理によって削り取るようにしてい
る。
【0083】次に、後除去処理について説明する。この
後除去処理は、不要物排出用の多孔部を備える構成で、
軸芯を水平又はほぼ水平方向に向けて配置される略円筒
状の筒体と、その筒体の内部にて筒体の軸芯方向に沿う
軸芯周りで回転するとともに、外周部に不要物削り取り
用のブラシを備えた回転体とを備えて構成される不要物
除去装置を用いて、前記筒体と前記回転体との間で前記
米粒を移送させながら、米粒の表面部の不要物を除去す
る処理である。
【0084】前記不要物除去装置FJは、図14に示す
ように、オゾン処理が行われた米粒を受入れるホッパー
86、ホッパー86に供給された米粒を水平又はほぼ水
平方向に移送しながら後述するように不要物削り取り用
のブラシにより米粒の表面部の不要物を除去するブラシ
式の除去処理部87、米粒を排出する排出部88等を備
えて構成され、又、通風によって除去した不要物を外部
に通気排出させる構成となっている。
【0085】前記除去処理部87は、回転軸芯および米
粒の送り方向が水平又はほぼ水平方向になっている違い
はあるが、糠除去装置NJにおける研米部Bとほぼ同様
な構成をしている。つまり、ホッパー86に供給された
米粒を水平又はほぼ水平方向、つまり、図の右方向に向
けて移送させる横送りコンベア89が設けられ、この横
送りコンベア89の外筒部89aに連なる状態で略円筒
状の多孔状筒体90が設けられるとともに、多孔状筒体
90の内部に、外周部にブラシ91を備えた回転体92
が設けられ、この多孔状筒体90と回転体92との間の
通路にて米粒の移送経路が形成されている。横送りコン
ベア89の搬送用スクリュー89bと回転体92とは同
一軸芯上に連なる状態で連結され、電動モータ93によ
って一体的に回転駆動される構成となっている。多孔状
筒体90の外側には不要物回収室94が形成されてい
る。そして、横送りコンベア89の外筒部89aの上部
側箇所に穀粒受入口95が形成され、多孔状筒体90の
米粒送り方向下手側の排出部88には、米粒に対して移
送の抵抗を与える分銅式の抵抗板96が設けられてい
る。
【0086】前記回転体92は、図15に示すように、
糠除去装置NJにおける研米部Bの研米ロールと同じよ
うに、外周部にブラシ91を設けたブラシベース97の
4個を回転体92の周方向に等間隔で分散した状態で設
けてある。つまり、ブラシ91を、回転体92の軸芯方
向視において、回転体92の周方向に部分的に設けてあ
る。そして、この回転体92が回転することにより、そ
の外周部に設けたブラシ91の先端が穀粒の表面に押し
付けられて米粒の表面部分が削り取られる構成としてい
る。
【0087】前記多孔状筒体90は、図9にて示すよう
な糠除去装置NJにおける1番目の研米装置に備えられ
た多孔状筒体と同じように、削り取られた不要物を不要
物回収室94に排出するための排出孔を多数穿設してな
る多孔部を備えており、その多孔部は、多数の糠排出孔
が螺旋状に移動する米粒の移動方向Qに沿う方向に長い
長孔状となる、いわゆる順目式の多孔部として構成して
いる。
【0088】一体回転する搬送用スクリュー89bの軸
部と回転体92は、円筒状に形成され、その内部に通気
路99が形成され、外部から供給される空気が、通気路
99を通り、多孔状筒体90の配設箇所に対応させて軸
芯方向に沿って並ぶ状態で多数形成された噴風口100
から移送経路に吹き出すよう構成され、削り取られた不
要物が不要物回収室94を通して、図示しない吸引装置
によって吸引されて外部に排出される構成となってい
る。この後除去処理においては、米粒を水平またはほぼ
水平方向に移送させるので、米粒の重量が加わることが
なく、米粒同士の摩擦による米粒の温度上昇がなく、米
粒の破砕やクラックによる不良粒の発生を抑制できるの
である。
【0089】そして、このような後除去処理を実行する
ことにより、米粒の表面部におけるオゾン臭を生じさせ
る部分ozを削り取るとともに、米粒の表面部分に紫外
線によって硬化されずに残っている箇所が存在すれば、
そのような箇所も合わせて、前記不要物として除去する
ことになる。図20に示すように、これらを削り取った
後にも、紫外線照射にて硬化した部分kbは残ってお
り、濁度低減効果は発揮し得る状態となっている。そし
て、このようにして得られた無洗米は、図示しない袋詰
め装置を用いて包装袋の内部に密封状態で封入されるこ
とになる。
【0090】以上説明したような製造方法によれば、水
を利用することなく、例えば、ブラシによる掻き取り作
用や研削用部材による研削機能等により残留糠を除去す
る、いわゆる乾式の研米処理を行うものでありながら、
炊飯時における水の濁度が低下するとともに臭いの発生
が抑制された無洗米を得ることができる。
【0091】〔第2実施形態〕以下、本発明の第2実施
形態について説明する。この実施形態における無洗米の
製造方法は、図21に示すように、原料米に紫外線を照
射する紫外線照射処理を行い、その紫外線照射処理が行
われた原料米にオゾンを作用させて脱臭するオゾン処理
を行い、次に原料米の表面部の不要物を機械的除去力を
作用させて除去する除去処理を行う方法である。前記紫
外線照射処理及び前記オゾン処理は、第1実施形態の紫
外線照射処理及び前記オゾン処理の方法と同じであり、
前記除去処理は、第1実施形態の後除去処理と同様に、
米粒の表面部に存在する不要物を機械的除去力を作用さ
せて除去するものである。
【0092】この場合、前記原料米としては、玄米を精
米した後に上記第1実施形態の糠除去装置のような乾式
の研米装置を用いて糠の除去処理を行った後の米粒だけ
でなく、玄米を精米した後の米粒を用いたり、又は、玄
米をそのまま用いるようにしてもよい。
【0093】前記原料米として、玄米を精米処理した
後、更に、乾式の研米処理を行うことで糠を除去させた
後の米粒を対象とする場合には、上記第1実施形態の場
合と同様に、前記除去処理によって、表面に近いオゾン
臭を生じさせる部分を前記不要物として除去することに
なる。又、前記原料米として、玄米を精米した後の米粒
を対象とする場合には、紫外線照射処理を行った後にお
いても、米粒の表面部には無洗米としては不要となる糊
扮層が残っているので、前記除去処理によって、前記不
要物として、上記したようなオゾン臭を生じさせる部分
と共に、このような糊扮層も合わせて除去することにな
る。そして、前記原料米として、玄米を対象とする場合
には、紫外線照射処理を行った後においても、米粒の表
面部には無洗米としては不要となる種被や糊扮層等の糠
層及び胚芽等が残っているので、前記除去処理によっ
て、前記不要物として、上記したようなオゾン臭を生じ
させる部分と共に、このような糠層や胚芽も合わせて除
去することになる。
【0094】〔第3実施形態〕以下、本発明の第3実施
形態について説明する。この実施形態の無洗米の製造方
法は、図22に示すように、原料米に紫外線を照射する
紫外線照射処理を行ったのち、原料米の表面部の不要物
を機械的除去力を作用させて除去する除去処理を行う方
法である。前記紫外線照射処理は、第1実施形態の紫外
線照射処理の方法と同じであり、前記除去処理は、第1
実施形態の前除去処理や後除去処理の方法と同様に、米
粒の表面部に存在する不要物を機械的除去力を作用させ
て除去するものである。
【0095】この場合、前記原料米としては、玄米を精
米した後に上記第1実施形態の糠除去装置のような乾式
の研米装置を用いて糠の除去処理を行った後の米粒だけ
でなく、玄米を精米した後の米粒を用いたり、又は、玄
米をそのまま用いるようにしてもよい。
【0096】上記第1実施形態や第2実施形態では、前
記紫外線照射処理が行われた米粒にオゾンを作用させて
脱臭するオゾン処理を行うようにしたが、紫外線の照射
の方法を変更することにより、このような脱臭処理を行
う必要がない場合も考えられるが、その場合にはこのよ
うなオゾン処理を行う必要はなく、図22に示すよう
に、紫外線照射処理と除去処理とを行うことで無洗米を
製造することができるのである。
【0097】前記除去処理について説明すると、乾式の
研米処理を行う製造設備を用いて糠の除去処理が行われ
た後の米粒を対象とする場合には、例えば、紫外線を照
射することによる硬化作用が発揮されない箇所や油膜が
形成されない箇所を、前記不要物として、機械的除去力
を作用させて除去する。前記原料米として、玄米を精米
した後の米粒を対象とする場合には、紫外線照射処理を
行った後においても、米粒の表面部には無洗米としては
不要となる糊扮層(糠)が残っているので、前記除去処
理によって、このような糊扮層を除去することになる。
前記原料米として、玄米を対象とする場合には、紫外線
照射処理を行った後においても、米粒の表面部には無洗
米としては不要となる種被や糊扮層等の糠層及び胚芽等
が残っているので、前記除去処理によって、このような
糠層や胚芽を除去することになる。
【0098】〔第4実施形態〕以下、本発明の第4実施
形態について説明する。この実施形態の無洗米の製造方
法は、図23に示すように、原料米の表面部の不要物を
機械的除去力を作用させて除去する除去処理を行ったの
ち、原料米に紫外線を照射する紫外線照射処理を行う方
法である。前記除去処理は、第1実施形態の前除去処理
や後除去処理の方法と同様に、米粒の表面部に存在する
不要物を機械的除去力を作用させて除去するものであ
り、前記紫外線照射処理は、第1実施形態の紫外線照射
処理の方法と同じである。
【0099】この場合、前記原料米としては、玄米を精
米した後の米粒を用いたり、玄米をそのまま用いること
ができる。前記除去処理について説明すると、前記原料
米として、玄米を精米した後の米粒を対象とする場合に
は、精米した後に米粒表面に残っている糊扮層を前記不
要物として、上述したような乾式の研米処理の方法等に
より機械的除去力を作用させて、その不要物を除去する
除去処理を行うことになる。又、前記原料米として、玄
米を対象とする場合には、米粒の表面部には無洗米とし
ては不要となる種被や糊扮層等の糠層及び胚芽が残って
いるので、このような糠層や胚芽を前記不要物として、
上述したような乾式の研米処理の方法等により機械的除
去力を作用させて、その不要物を除去する除去処理を行
うことになる。
【0100】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記す
る。
【0101】(1)上記実施形態では、前除去処理を行
う糠除去装置NJとして、第1番目に研米処理する1台
の研米装置と、第2番目及び第3番目に研米処理する2
台の研米装置とが、多孔状筒体5の構成が異なる構成と
したが、3台の研米装置がすべて同じ構成となるように
してもよい。その場合、全ての装置を、1番目の研米装
置と同じ構成としてもよく、2番目の研米装置と同じ構
成としてもよい。又、それらを任意の組み合わせで実施
してもよい。
【0102】(2)上記実施形態では、前除去処理を行
う糠除去装置NJとして、研米装置を3台直列接続させ
て構成する場合を例示したが、2台あるいは4台以上、
直列接続する構成でもよく、あるいは、研米装置を1台
だけで構成してもよい。その場合、全ての装置を、1番
目の研米装置と同じ構成としてもよく、2番目の研米装
置と同じ構成としてもよい。又、それらを任意の組み合
わせで実施してもよい。又、前記多孔状筒体がその筒軸
芯が上下方向に沿うように設けられ、前記ブラシ回転体
が上下軸芯周りで回転駆動される構成としたが、このよ
うな構成に限らず、前記多孔状筒体がその筒軸芯が水平
方向に沿うように設けて、その内部で前記ブラシ回転体
が水平軸芯周りで回転駆動される、所謂、横型の研米装
置にて実施してもよい。
【0103】(3)上記実施形態では、後除去処理を行
う不要物除去装置として、前記不要物削り取り用のブラ
シ91を回転体92の周方向に等間隔で分散した状態
で、その軸芯方向視において回転体92の周方向に部分
的に設ける構成を例示したが、このような構成に代え
て、図16に示すように、回転体92の周方向のほぼ全
幅にわたってブラシ91aが設けられる構成としてもよ
く、又、図17に示すように、ブラシに代えて、研削用
部材としての砥石部材101を周方向に等間隔で分散し
た状態で設ける構成としてもよく、要するに、米粒表面
のオゾン臭が発生する表面部分を削り取る機能を発揮す
るものであればよい。
【0104】(4)上記実施形態では、253.7nm
のピーク波長を有する紫外線ランプで照射することによ
って米粒を水に浸漬したときにおける濁度が約60pp
mであり、無洗米としてほぼ満足できる結果が得られた
が、紫外線の波長としては、このような253.7nm
の波長の紫外線に限らず、185ナノメーター〜365
ナノメーターの波長を有するものであれば水の濁度を低
減できる効果があるので、このような波長領域内の紫外
線を紫外線照射処理に使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】無洗米の製造方法を示す工程図
【図2】糠除去装置を示す全体側面図
【図3】糠除去装置における研米装置の縦断正面図
【図4】研米部の横断平面図
【図5】ブラシベースの側面図
【図6】研米部の要部の横断平面図
【図7】糠排出孔と米粒移送方向との関係を示す図
【図8】糠排出孔と米粒移送方向との関係を示す図
【図9】研米部の要部の横断平面図
【図10】紫外線照射装置の構成を示す図
【図11】紫外線照射時間とピーク波長および濁度低減
効果の関係を示す図
【図12】紫外線照射時間と光源及び濁度低減効果の関
係を示す図
【図13】オゾン処理装置の縦断側面図
【図14】不要物除去装置の縦断側面図
【図15】不要物除去装置のブラシを備えた回転体を示
す図
【図16】別実施形態の不要物除去装置のブラシを備え
た回転体を示す図
【図17】別実施形態の不要物除去装置の研削用部材を
備えた回転体を示す図
【図18】米粒表面の変化を示す作用説明図
【図19】米粒表面の変化を示す作用説明図
【図20】米粒表面の変化を示す作用説明図
【図21】第2実施形態の無洗米の製造方法を示す工程
【図22】第3実施形態の無洗米の製造方法を示す工程
【図23】第4実施形態の無洗米の製造方法を示す工程
【図24】従来の米粒表面の状態を示す図
【符号の説明】
5、90 筒体 41、92 回転体 42、91 ブラシ NJ 糠除去装置 FJ 不要物除去装置 TB 多孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 昌彦 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 黒田 忠宏 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 4B023 LC07 LE02 LP02 LP13 LP20 LT54 4D043 AA03 AA04 DA06 DK02 DK06 KA09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料米に紫外線を照射する紫外線照射処
    理を行ったのち、原料米の表面部の不要物を機械的除去
    力を作用させて除去する除去処理を行う無洗米の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 原料米に紫外線を照射する紫外線照射処
    理を行い、その紫外線照射処理が行われた原料米にオゾ
    ンを作用させて脱臭するオゾン処理を行い、次に原料米
    の表面部の不要物を機械的除去力を作用させて除去する
    除去処理を行う無洗米の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料米の表面部の不要物を機械的除去力
    を作用させて除去する除去処理を行ったのち、原料米に
    紫外線を照射する紫外線照射処理を行う無洗米の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 精米処理済みの米粒の表面に残留する糠
    を機械的除去力を作用させて除去する前除去処理を行
    い、前除去処理が行われた米粒に紫外線を照射する紫外
    線照射処理を行い、その紫外線照射処理が行われた米粒
    にオゾンを作用させて脱臭するオゾン処理を行い、次に
    米粒の表面部の不要物を機械的除去力を作用させて除去
    する後除去処理を行う無洗米の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記前除去処理が、 ほぼ全周にわたり糠排出用の多孔部を備える構成、又
    は、糠排出用の多孔部及び研削用部材を夫々備える構成
    の略円筒状の筒体と、その筒体の内部にて筒体の軸芯方
    向に沿う軸芯周りで回転するとともに、外周部に糠取り
    用のブラシを備えた回転体とを備えて構成される糠除去
    装置を用いて、 前記筒体と前記回転体との間で前記米粒を移送させなが
    ら、米粒の表面に残留する糠を除去する処理である請求
    項4記載の無洗米の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記後除去処理が、 不要物排出用の多孔部を備えた略円筒状の筒体と、その
    筒体の内部にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転す
    るとともに、外周部に不要物削り取り用のブラシあるい
    は研削用部材を備えた回転体とを備えて構成される不要
    物除去装置を用いて、 前記筒体と前記回転体との間で前記米粒を移送させなが
    ら、米粒の表面部の不要物を除去する処理である請求項
    4又は5記載の無洗米の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記前除去処理が、ほぼ全周にわたり糠
    排出用の多孔部を備える構成、又は、糠排出用の多孔部
    及び研削用部材を夫々備える構成で、軸芯を上下方向に
    向けて配置される略円筒状の筒体と、その筒体の内部に
    て筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転するとともに、
    外周部に糠取り用のブラシを備えた回転体とを備えて構
    成される糠除去装置を用いて、 前記筒体と前記回転体との間で前記米粒を移送させなが
    ら、米粒の表面に残留する糠を除去する処理であり、 前記後除去処理が、 不要物排出用の多孔部を備える構成で、軸芯を水平又は
    ほぼ水平方向に向けて配置される略円筒状の筒体と、そ
    の筒体の内部にて筒体の軸芯方向に沿う軸芯周りで回転
    するとともに、外周部に不要物削り取り用のブラシある
    いは研削用部材を備えた回転体とを備えて構成される不
    要物除去装置を用いて、 前記筒体と前記回転体との間で前記米粒を移送させなが
    ら、米粒の表面部の不要物を除去する処理である請求項
    4記載の無洗米の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記紫外線照射処理において使用される
    紫外線が、185ナノメーター〜365ナノメーターの
    波長を有するものである請求項1〜7のうちのいずれか
    1項に記載の無洗米の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記紫外線照射処理において使用される
    紫外線が、253.7ナノメーターの波長を有するもの
    である請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の無洗
    米の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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