JP2003198719A - 短距離無線通信用ヘッドセット、これを用いたコミュニケーションシステム、および短距離無線通信における音響処理方法 - Google Patents
短距離無線通信用ヘッドセット、これを用いたコミュニケーションシステム、および短距離無線通信における音響処理方法Info
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Abstract
線通信系を介して伝達される受信音と、外部からの直接
音の比率を選択的に制御する。 【解決手段】 短距離無線通信用ヘッドセットは、短距
離無線通信により信号を送受信する送受信機と、外部か
ら伝播する直接音を検知する外部音マイクと、送受信機
で受信された受信信号と外部音マイクで検知された直接
音を入力として受信信号と直接音との比率を選択的に制
御する音声処理部と、音声処理部により比率制御された
音声を出力するスピーカとを備える。
Description
ヘッドセットの音響処理技術に関し、特に、複数種類の
音声の中から、必要な音声を選択的に調節制御すること
によって、コミュニケーションの円滑化を実現するヘッ
ドセットコミュニケーションシステムに関する。
る短距離ワイヤレス通信システムが開発され、室内やオ
フィス内で、PC、プリンタ、携帯電話、デジタルカメ
ラなどの機器間を、コードを使用せずに接続、制御する
ことが可能になってきた。
ムの適用を促進すべく、音声入力機能付きのヘッドセッ
トを用いることが発案されている。音声入力機能付きヘ
ッドセットを中心とした短距離無線通信システムでは、
10m程度と、目視可能な距離範囲でのコミュニケーシ
ョンや、機器の制御を前提としている。このため、無線
通信を介して送受信する音声に加え、相手と直接会話す
る音声、近隣の第三者の音声、騒音なども、直接音とし
てユーザの耳に届いてしまう。そこで、状況に応じて不
必要な音を排除し、必要とされる音だけを取り出してユ
ーザの耳元へ出力できる技術が必要となってくる。
イズコントロールや、長距離電話回線用のエコーキャン
セラ技術が知られている。アクティブノイズコントロー
ルは、音の種類は選択せずに、到来するすべての音を消
そうとするものである。長距離電話回線用のエコーキャ
ンセラ技術はエコーを消そうとするものである。これら
の技術は、いずれも短距離無線通信用ヘッドセットのた
めに開発されたものではなく、そのままの形では適用す
ることが難しい。
れるフィードバック型アクティブノイズキャンセラを示
す。ヘッドホンマウントにマイクロホン101が収めら
れている。制御器105で、マイクロホンの信号に、あ
るフィルタ係数をかけてヘッドホンスピーカに送り、外
部音と干渉させてキャンセルする。このとき、常にマイ
クロホンで採られる音が最小になるように、フィルタ係
数を調整する。制御対象点の信号をフィードバックさせ
て、出力を制御するフィードバック制御になっている。
フィードバック型ではノイズ低減量に限界があるが、比
較的構成が簡単なため、音響用などのヘッドセットのア
クティブノイズキャンセラとしてはよく用いられる。
的な手法の一例を示す。図10の例では、人の声と、雑
音源となるスピーカ113から流れる音の混ざった信号
の中から、人の声のみを抽出する。
れの例も、短距離無線通信用のシステムとして開発され
たものではなく、無線通信系で伝達された音と、直接採
取された外部音とを比較し、状況に応じて選択的にいず
れか一方を補強あるいは低減する方法は、これまで提案
されていなかった。
ドセットを利用して想定されるあらゆる状況において、
外部の直接音と、通信系を介して伝達される音の比率を
選択的に変えて、音声コミュニケーションや音声コマン
ドを円滑にすることができるヘッドセットと、これを用
いたコミュニケーションシステムを提供することを目的
とする。
や美術館のツアーなど集合を対象とするコミュニケーシ
ョン、複数人の間で行われるランダムコミュニケーショ
ン、1対1の対話式コミュニケーション、これらのコミ
ュニケーション内容の記録、単独で行われるディクテー
ション、ブルートゥースなどの短距離ワイヤレス通信機
能を搭載した機器への音声コマンド制御などにおいて、
本発明の短距離無線通信用のヘッドセットシステムは、
有用となる。
に、本発明の第1の側面では、短距離無線通信用ヘッド
セットは、短距離無線通信により信号を送受信する送受
信機と、外部から伝播する直接音を検知する外部音マイ
クと、送受信機で受信された受信信号と外部音マイクで
検知された直接音を入力として受信信号と直接音との比
率を選択的に制御する音声処理部と、音声処理部により
比率制御された音声を出力するスピーカとを備える。
ジタル信号に変換するA/D変換器と、送受信機の受信
信号とA/D変換された直接音のいずれか一方をリファ
レンス信号として適応処理する適応処理部と、リファレ
ンス信号と他方の信号とを相関させることによって所望
の成分を取り出す相関処理部とを有する。
により、送受信機の受信信号を強調して出力する第1モ
ードと、直接音を強調して出力する第2モードとを有
し、短距離無線通信用ヘッドセットは、第1モードと第
2モードとを切り替えるモード切り替えスイッチをさら
に備える。
着したユーザは、状況に応じて所望のモードを選択し、
必要な内容をクリアな音で聞くことができる。
コミュニケーションシステムは、短距離無線通信用の第
1ヘッドセットと、第1ヘッドセットに送話する短距離
無線通信用の第2ヘッドセットと、第2ヘッドセットの
送話内容に音声処理を施し、処理後の信号を前記第1の
ヘッドセットに供給する音声処理装置とを含む。第1ヘ
ッドセットは、受信機と、外部からの直接音を検知する
外部音検知マイクと、検知された直接音を第1の周波数
で音声処理装置に発信する発信器とを有する。第2ヘッ
ドセットは、送話内容を第2の周波数で音声処理装置に
無線送信する送信機を有する。音声処理装置は、第1ヘ
ッドセットからの直接音と、第2ヘッドセットからの送
話内容とを受信し、直接音と送話内容の音声比率を選択
的に調整し、比率調整された信号を第3の周波数で第1
ヘッドセットに送信する。
話者(第2ヘッドセット)と受信者(第1ヘッドセッ
ト)の間に音声処理装置が介在し、音声処理を施した信
号を受信者側の第1ヘッドセットに供給するので、受信
者は騒音のないクリアな音声で、送話内容を聞くことが
できる。
ことができ、ヘッドセットの小型化を図ることができ
る。
用ヘッドセットは、ユーザの音声コマンドを集音する話
者用マイクと、周囲の外部音を採取する外部音検知マイ
クと、音声コマンドと外部音とを入力とし、音声コマン
ドに外部音を相関させて音声コマンドと相関する成分だ
けを取り出す音声処理部と、音声処理部の出力を短距離
無線通信によって遠隔の機器に送信する送信部とを備え
る。
に対して音の混合のないクリアな音声コマンドを送信す
ることができるので、誤動作を防止できる。
信における音響処理方法を提供する。この方法では、短
距離無線通信により伝達される信号を受信する。一方
で、外部から音波として伝播する直接音を採取する。受
信信号と、直接音とのいずれか一方をリファレンス信号
としてディジタル信号適応処理を施し、リファレンス信
号に他方の信号を相関させ、必要な成分を抽出して混合
比率を制御する。そして比率制御された信号を音声とし
て出力する。
受信信号と、直接音との割合を適宜調整することがで
き、状況に応じた音質で出力することが可能になる。
信を利用したヘッドセットコミュニケーションシステム
における音響処理方法を提供する。この方法は、第1の
ヘッドセットが検知した外部からの直接音を、無線通信
を介して第1の受信信号として受信する。一方で、第2
のヘッドセットが前記第1のヘッドセットに送信する送
話内容を、無線通信系を介して第2の受信信号として受
信する。第1の受信信号と第2の受信信号のいずれか一
方をリファレンス信号として適応処理し、他方の信号を
リファレンス信号に相関させて必要な成分を抽出し、混
合比率を制御する。そして、比率制御された信号を、無
線通信を介して前記第1のヘッドセットに送信する。
第1ヘッドセットへ送話される内容が、状況に応じて比
率制御された鮮明な音として、第1ヘッドセットへ供給
されることになる。
細な説明でより明確になる。
の第1実施形態に係る短距離無線通信用ヘッドセット
(以降、単に「ヘッドセット」とする)10の概略図で
ある。短距離無線通信機能を有するヘッドセット10
は、外部から音波として伝播する直接音を採取する外部
音検知マイク13と、無線通信系を介して音声を送受信
する送受信機11と、外部音検知マイク13で採取され
た直接音と送受信機11で無線受信された音声を入力と
して直接音と受信信号との比率を制御する音声処理部1
5と、音声処理部15によって比率制御された音声を出
力するスピーカ17とを備える。
装着者(ユーザ)の声を集音する話者用マイク19をさ
らに有してもよい。話者用マイク19は、送受信機11
を介して周辺機器に音声コマンドを発する場合や、第2
のヘッドセット(不図示)に対して無線通信する場合に
用いられる。
に接続されるモード切り替えスイッチ16を有する。ユ
ーザは、モード切り替えスイッチ16を操作することに
よって、音声処理部15の処理において、外部からの直
接音の割合を支配的にするか、無線通信系を介して受信
された音声を支配的にするかを、状況に応じて決定する
ことができる。このようなモード切り替えスイッチ16
は、音声処理部15からコードで接続されてユーザの手
元で操作できるボタンとしてもよい。
ータの流れを示す。外部音検知マイク13で検知された
直接音と、ヘッドセットの送受信機11で無線受信され
た音声との双方が音声処理部15へ入力される。音声処
理部15は、直接音と、無線受信された音声との比率を
変化させて、ヘッドホンスピーカ17に出力する。比率
の変化の例として、たとえば以下の例がある。
聞きたい場合、外部からの直接音を選択的に除去する。
たとえば、直接音のうち、無線通信系を介して受信され
た音と相関のある成分だけを残して、相関のない部分を
すべて消去する。これにより、無線通信系の音が補強さ
れ、通信内容が聞きやすくなる。
線通信系で受信された音を選択的に除去する。たとえ
ば、直接音と相関のない部分をすべて排除し、相関のあ
る成分だけを取り出す。これにより、ヘッドセット10
をつけたままの状態でも、外部からの直接音が強調され
て聞きやすくなる。特に、比較的近い位置でヘッドセッ
ト10を介して対話式に無線コミュニケーションする場
合、同じ内容の直接音と受信音が混在して、かえって聞
きにくくなることがあるが、このようなときに、直接音
を支配的に聞くことができる。
たい場合、外部からの直接音をすべて遮断する。直接音
に騒音が多く含まれ、受信音が聞き取りにくくなった場
合などに、この制御を行なう。
と、受信側のヘッドセット10との位置関係により、無
線通信系を介して受信される音の音量を替える。この場
合は、無線通信系で、音声データの送受信のほかに、位
置情報の送受信が必要になる。
して、たとえば、DSP適応処理と相関演算を実行する
適応フィルタを用いることができる。
なわち、外部からの直接音と無線通信系で受信される音
との比率制御の動作の一例を説明する図である。
信機11で受信された音声が単独の音声であり、外部か
ら入ってくる直接音に複数の音が混ざっているときに、
直接音を聞き取りたい場合を考える。図示の便宜上、ヘ
ッドセット10の話者用マイク19、スイッチ16は省
略してある。
で受信された信号をリファレンス信号としてDSP適応
処理を施すDSP適応処理部24と、DSP適応処理さ
れた受信信号を、外部音検知マイク13で採取された外
部からの直接音と相関させる相関処理部25とで構成さ
れる。相関処理部25は、要求されたモードで相関を行
い、必要な成分だけを出力する。DSP適応処理部24
と相関処理部25で、適応フィルタを構成する。
ッチ16を操作して、所望のモード(たとえば直接音モ
ード)を選択する。音声処理部15は、選択されたモー
ドに応じ、単独音としての無線通信系からの受信音を、
リファレンス信号としてDSP適応処理し、相関処理部
25へ供給する。一方、外部音検知マイク13で採取さ
れた直接音は、A/D変換され、同じく相関処理部25
へ供給される。相関処理部25は、選択されたモードに
したがって、直接音のうち、無線通信系から得たリファ
レンス信号と相関のある成分を除去し、相関のない成分
だけを出力する。これにより、無線通信系の音と相関す
る部分が取り除かれて、よりクリアになった外部の直接
音が、イヤホンスピーカ17に送られる。
会場などでヘッドセットを介して会話中に、アナウンス
があった場合などに選択される。
通信系を介して受信された音声が単一で、直接音に複数
の音が含まれるときに、送受信機11で受信された音声
に集中したい場合の処理を示す。
のモード(通信系モード)を選択する。送受信機11で
受信された単独音からなる音声信号が、リファレンス信
号としてDSP適応処理され、相関処理部25に送られ
る。一方、外部音検知マイク13で採取された音も、A
/D変換されて相関処理部25に送られる。相関処理部
は、今度は、直接音のうち、無線通信系で受信された音
と相関のない成分を除去して、相関のある成分だけを残
して出力する。スピーカ17からは、無線通信系で受信
された音が強化された状態で出力される。
た第1のユーザと、第2のヘッドセット20を装着した
第2のユーザが、対話する場合の処理を示す。
ユーザには、無線通信系を介して送受信機11で受信さ
れる第2のユーザの音声と、音波として空気中を伝播す
る直接音とが届く。外部音マイク13で採取される直接
音には、第2ユーザの声以外にも複数音声が混入し、ノ
イズとして聞こえる。第1のユーザは、外部の直接音を
弱めて、無線通信系から伝達される第2のユーザの声を
クリアに聞くために、通信系モードを選択する。説明の
単純化のために、送受信系の伝達関数は1とし、直接音
としては、音響伝達関数Gがかかったものが外部音マイ
ク13に採取されるものとする。
ーザによる通信系モードの選択に応じて、受信音をリフ
ァレンス信号とする。このとき、音声処理部15のDS
P適応処理部24に、空間の音響伝達関数Gに相当する
ものが同定される。音響伝達関数Gに基づいてDSP処
理されたリファレンス信号と、ディジタル変換処理され
た直接音は、相関処理部25で相関され、リファレンス
信号と相関する成分だけがスピーカ17に出力される。
処理部24にも供給される。DSP適応処理部24は、
前回の処理結果よりも誤差が小さくなるように、今回入
力される無線通信系の受信信号を処理する。
波よりも伝達速度の速い無線通信系の受信信号に対し
て、自動的な遅延処理がなされたと同様の効果が生じ
る。
ス信号と、外部音マイク13で採取される直接音とを同
期的に相関させ、直接音の中から、第2ユーザの音声だ
けを除去することが可能になる。
部音マイク13で採取される直接音が単一の音であり、
無線通信系を介して送受信機11で受信される音声に複
数の音が含まれる場合の処理を示す。
りも、無線通信系を介して伝達される内容に集中したい
場合の処理例を示す。ヘッドセットのユーザは、スイッ
チ16を操作して所望のモード(通信系モード)を選択
する。音声処理部15(図1参照)は、ユーザによるモ
ード選択に応じて、処理を開始する。外部音マイク13
で採取された単独の直接音は、A/D変換処理されて、
リファレンス信号としてDSP適応処理され、相関処理
部25に供給される。一方、無線通信系を介して送受信
機11で受信された音声も相関処理部25に送られる。
相関処理部25は、送受信機11で受信された複数の音
声のうち、外部音マイク13で採取された直接音と相関
のある成分を除去し、相関のない成分だけをスピーカ1
7に出力する。これにより、無線通信系を介して受信さ
れた音声が、直接音に妨げられることなく、スピーカ1
7からクリアに聞こえることになる。
声よりも、外部音マイク13で採取された単一の直接音
をはっきりと聞きたい場合の処理である。ヘッドセット
のユーザは、スイッチ16を操作して所望のモード(直
接音モード)を選択する。音声処理部15は、ユーザの
モード選択に応じて、直接音をリファレンス信号として
DSP適応処理する。DSP適応処理された直接音は相
関処理部25に供給される。一方、無線通信系を介して
受信された音声も相関処理部25に送られる。相関処理
部25は、無線通信系を介して受信された音声のうち、
直接音と相関のない部分をすべて除去し、相関のある部
分だけをスピーカに出力する。したがって、ユーザの耳
には、直接音が強化されて鮮明に聞こえる。
た第1のユーザと、第2のヘッドセット20を装着した
第2のユーザが、直接音をリファレンス信号とする図5
の状況でコミュニケーションする場合のDSP適応処理
を示す。
ファレンス信号にしようとすると、DSP適応処理部2
4に空気の音響伝達関数Gの逆数(1/G)に相当する
ものが同定されるようにシステムは動作すべきである。
しかし、1/Gは非最小位相系でインパルスレスポンス
では時間の負の領域に係数が現れる形になり、実現不可
能である。
介して受信された信号と相関処理部25の間に遅延回路
26を挿入する。すなわち、音声処理部15は、無線通
信系を介して伝達される信号に遅延を与える遅延回路2
6と、外部からの直接音をリファレンス信号とし、この
リファレンス信号に遅延された受信信号を相関させて必
要な成分を取り出す適応フィルタ(24、25)とを含
んで構成される。
される信号の伝達速度は、空気中の音波(直接音)の伝
播速度よりも速い。通信系を介して伝播される信号に十
分な遅延を与えながらシステムを動作させると、適応フ
ィルタに同定されるインパルスレスポンスは、挿入した
遅延と同じ分だけずれてくるので、時間の負の領域に係
数が現れることは解消される。
ァレンス信号とした場合であっても、無線通信系から受
信された信号と、直接音との比率を適切に調整すること
が可能になり、状況に応じた音声制御が実現される。
況に応じて、ユーザの選択により、無線通信系からの受
信信号と、外部からの直接音との比率を調整制御するこ
とが可能になる。
ムでは、無線通信系の受信音と、外部からの直接音のい
ずれをリファレンス信号とする場合でも、適切な遅延処
理がなされ、効果的に両者の相関をとることができる。
たとえば、会議やパーティ会場への適用、雑踏の中での
会話、工場などの見学コースの説明などに最適である。
施形態に係るヘッドセットシステムの図である。第2実
施形態では、第1実施形態で各ヘッドセット内に内蔵さ
せた音声処理部15を、外部の独立した装置として用い
る。したがって、無線通信により伝達される話者の音声
と、外部から採取される直接音との比率制御は、ヘッド
セットの外で行われる。
セットシステムは、第1ヘッドセット40と、第2ヘッ
ドセット50と、外部の音声処理装置30を含む。音声
処理装置30は、たとえば通信範囲内にある通信センタ
ーのサーバに組み込まれてもよいし、モバイル端末(P
C、携帯電話、PDAなど)に組み込まれてもよい。
音を採取する外部音マイク13と、外部音マイク13で
採取した直接音をA/D変換して音声処理装置30に無
線送信する発信器44と、送受信機11とを有する。発
信器44は、ディジタル変換された外部の直接音を、第
1の周波数で音声処理装置30に発信する。
9と、送受信機21を有する。送受信機21は、第2ヘ
ッドセット50の装着者の送話内容を、第2の周波数で
音声処理装置30に送信する。
0から無線送信される音声を受信する第1受信部32a
と、第1ヘッドセット40の発信器44から無線送信さ
れる直接音を受信する第2受信部32bを有する。DS
P適応処理部34は、第1受信部32aと第2受信部3
2bのいずれか一方の受信信号をリファレンス信号とし
てDSP適応処理を施し、DSP適応処理後の信号を相
関処理部35へ供給する。相関処理部35は、DSP適
応処理されたリファレンス信号と、他方の受信信号とを
相関させて、所望の成分だけを出力する。送信部36
は、相関処理部の出力を、第3の周波数で第1ヘッドセ
ット40に無線送信する。
信機能は、第2ヘッドセットの送信周波数は受信せず
に、音声処理装置30からの無線信号を受信するように
構成される。
第1ヘッドセット40を受信側、第2ヘッドセットを送
話側として、必要な機能のみを図示しているが、各ヘッ
ドセットが同じ構成であってもよい。その場合は、第1
および第2のヘッドセットの双方が、外部音マイク1
3、直接音発信器44、話者用マイク29を有する。
では、第2ヘッドセット50から無線送信された音声を
リファレンス信号としている。第1ヘッドセット40の
外部音マイク13で採取された直接音は、音声処理装置
30によって、リファレンス信号との相関がとられ、相
関する成分だけが取り出される。結果として、話者側か
ら無線送話された音声内容が強調されて、送信部36か
ら第1のヘッドセット40に送られることになる。もち
ろん、状況に応じて、相関のある成分を除去し、相関の
ない成分だけを出力することによって、直接音が明瞭に
聞こえるようにして、第1のヘッドセット40に送信し
てもよい。
ドセット40、50にモード選択スイッチ(図1参照)
を設け、スイッチの出力を音声処理装置30へ無線送信
することで、ユーザが選択できる構成とすることができ
る。
るサーバあるいはPC側に、モード切り替えスイッチを
設けてもよい。講義、講演、ゲームショー、小劇場での
エンターテイメントなどでは、あらかじめ決められたシ
ナリオに沿って進められる場合がほとんどである。この
場合は、モード切り替えスイッチを、音声処理装置が組
み込まれる通信センターのサーバやPCに設け、オペレ
ータが手動でモード切り替え操作を行ってもよい。ま
た、あらかじめプログラムにしたがって自動的にモード
が切り替わる構成としてもよい。
のPDAやモバイル端末に組み込み、ユーザが状況に応
じて必要な音声成分を選択的に抽出する構成としてもよ
い。
を用いたヘッドセットシステムでは、音声処理機能をヘ
ッドセットの外部に設けるため、ヘッドセット自体の構
成が簡単になり、小型化を図ることができる。
形態では、直接音も視聴者に聞こえたほうがよい場合
の、音声の選択的な比率制御を説明した。しかし、状況
によっては、無線通信系の音声のみが重要であり、外部
から入る直接音を一切遮断したほうがよい場合もあり得
る。この場合、外部音検知マイクまたは音声処理部へ、
直接音が入力されないようにモード切り替えを行なう。
に、ヘッドセットのイヤホン18に開放・密閉制御器3
7を設けることで実現される。開放・密閉制御器37
は、たとえば外部音検知マイクの外側に設けられた物理
的な扉であり、その開閉でにより外部からの直接音を遮
断する。あるいは、解放・密閉制御器37は、音声処理
部の入力部に位置して、音に対して物理的な扉と等価で
ある電気的な遮断回路として実現することができる。
の適応フィルタからの出力を、そのままヘッドホンスピ
ーカに送っていたが、適応フィルタの出力に、さらに直
接音または無線通信系からの音を混合してスピーカから
発音してもよい。
ッドセットを図示しながら説明したが、片耳型のヘッド
セットとしてもよい。特に、第2実施形態の場合、音声
処理装置を外部に設けるので、小型化が容易であり、耳
栓タイプのヘッドセットも可能である。
信機をヘッドセットバンドに設置してあるが、外部音マ
イクとともにイヤホン内に内蔵してもよい。
いて、第3のヘッドセットを使用する場合は、音声信号
とは別に、ヘッドセットの相対的な位置情報を無線通信
で伝達することが考えられる。位置情報から送受信間の
距離を計算し、求めた距離に応じて、キャンセリングの
対象を変える、あるいはキャンセリング量を制御するこ
とが可能になる。
て、無線通信系を介して送受信される音声に、特別のI
D信号を添付して送信してもよい。この場合、音声処理
部は、非常時IDを検出する手段をさらに有する。非常
時IDが検出された場合、相関処理部は、無線通信系を
介して受信された信号に対してキャンセリング処理を行
なわない構成とする。これにより、非常時の通信を確実
にすることができる。
ある場合のヘッドセットの動作を説明したが、単一のユ
ーザがヘッドセットを装着して、周囲の機器に音声デー
タやコマンドを発する場合にも、本発明は適用される。
たとえば、テレビや音楽で周囲が騒がしいときに、ヘッ
ドセットでエアコンや洗濯機を音声操作する場合や、他
の装置の運転音がうるさい環境で、必要な装置を音声コ
マンドでオン・オフ操作する場合に、あるいはディクテ
ーションを行う場合に本発明は好適である。
トの話者用マイク29で集音された装着者(ユーザ)の
音声コマンドは、まずA/D変換器41でディジタル音
声信号に変換される。音声認識部43は、マイク29で
検出された音声を音声認識して、その結果を出力する。
音声認識結果は、認識結果伝送手段45を介して、短距
離無線通信機能を有する送信機(不図示)に送られる。
送信機から他の機器へ認識結果が通信される。
す。A/D変換器41から出力されるディジタル音声信
号は、音響分析部51に入力される。音響分析部51
は、入力された音声を特徴パラメータに変換する。音響
分析部は一定時間ごとに入力音声を特徴パラメータに変
換する。したがって、その出力は特徴パラメータの時系
列(特徴パラメータ系列)となる。
パラメータ系列をモデル照合部53に出力する。
を構成する各単語の音声モデルを作成するために必要な
単語の読み情報と、各単語が認識されたときに認識結果
として出力されるコマンドIDが記憶されている。
記憶部55に記憶された認識語彙にしたがって、各単語
の音声モデルと、各単語が認識結果となったときに認識
結果として照合部から出力される単語IDをあらかじめ
記憶しておく。
憶部57に記憶しておいた認識対象とする単語の各音声
モデルと、上記入力音声の特徴パラメータ系列との類似
度、あるいは距離を求め、類似度が最大(あるいは距離
が最小の音声モデルと対応付けられた単語IDを認識結
果として出力する。
は、そのまま音声認識部の出力となり、認識結果伝送手
段45に入力される。認識結果伝送手段45は、無線通
信モジュールに含まれる送信機能を用いて、他の機器に
単語IDを送信する。
に入力される前に、音声処理部で処理されてもよい。こ
の場合、A/D変換されたユーザの音声がリファレンス
信号とされる。このリファレンス信号に、外部音マイク
で採取された直接音を相関させ、相関のない成分をすべ
て除去する。相関処理部の出力は、ユーザの音声データ
を強調し、鮮明にした信号となって、音声認識部43に
送られる。
やキーボード操作が不要であり、ユーザの行動を妨げる
ことなく、リアルタイムで他機器に音声データや音声コ
マンドを送ることが可能になる。ユーザはハンドフリー
の状態で正確な遠隔操作を行うことができ、作業効率が
上がる。
すことによって、ノイズの混ざらないクリアな音声デー
タや音声コマンドが送信されるので、装置の誤動作を防
止することができる。
ーザは、周囲の状況に応じて、無線通信系を介して伝達
される音声と、外部からの直接音との音響比率を、選択
的に制御できる。
り、精神的なストレスを生じさせない円滑な音声コミュ
ニケーションを達成することができる。
るいは低減した状態でヘッドホンスピーカから出力され
るので、ヘッドセットを装着したユーザ同士が、無線通
信系を介して小声で会話することが可能になる。派生的
な効果として、周囲の騒音を増長させる事態を事前に防
止できる。
の普及を図ることにより、新しい形の音声コミュニケー
ション文化を創造することができる。
ヘッドセットの概略図である。
示す図である。
して受信された音声をリファレンス信号とする場合の、
音声処理を示す図である。
システムにおいて、無線通信系を介して受信された音声
をリファレンス信号とする場合の、音声処理を示す図で
ある。
音をリファレンス信号とする場合の、音声処理を示す図
である。
システムにおいて、外部からの直接音をリファレンス信
号とする場合の、音声処理を示す図である。
ヘッドセットシステムの概略構成図である。
ドセットの概略構成図である。
れた音声の認識処理を示す概略図である。
ある。
である。
ト 11 送受信機 13 外部音検知マイク 15 音声処理部 16 モード切り替えスイッチ 17 スピーカ 18 イヤホン 19、29 話者用マイク 24、34 DSP適応処理部 25、35 相関処理部 26 遅延回路 30 音声処理装置 32a 送信側受信部(第1の受信部) 32b 直接音受信部(第2の受信部) 36 音声処理送信部 37 解放・密閉制御器 41 A/D変換器 43 音声認識部 44 ヘッドセット発信器 45 認識結果伝送手段 51 音響分析部 53 モデル照合部 55 認識語彙記憶部 57 音声モデル作成・記憶部
Claims (15)
- 【請求項1】 短距離無線通信により信号を送受信する
送受信機と、 外部から伝播する直接音を検知する外部音マイクと、 前記送受信機で受信された受信信号と、前記外部音マイ
クで検知された直接音を入力とし、前記受信信号と前記
直接音との比率を選択的に制御する音声処理部と、 前記音声処理部により比率制御された音声を出力するス
ピーカとを備えることを特徴とする短距離無線通信用ヘ
ッドセット。 - 【請求項2】 前記音声処理部は前記直接音をディジタ
ル信号に変換するA/D変換器と、 前記送受信機の受信信号と、前記A/D変換された直接
音のいずれか一方をリファレンス信号として適応処理す
る適応処理部と、 前記リファレンス信号と、他方の信号とを相関させるこ
とによって所望の成分を取り出す相関処理部とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の短距離無線通信用ヘ
ッドセット。 - 【請求項3】 前記音声処理部は、前記相関により、送
受信機の受信信号を強調して前記スピーカへ出力するこ
とを特徴とする請求項2に記載の短距離無線通信用ヘッ
ドセット。 - 【請求項4】 前記音声処理部は、前記相関により、前
記直接音を強調して前記スピーカへ出力することを特徴
とする請求項2に記載の短距離無線通信用ヘッドセッ
ト。 - 【請求項5】 前記音声処理部は、前記送受信機の受信
信号をリファレンス信号とし、前記相関処理部は、前記
リファレンス信号に前記直接音を相関させて必要な成分
を取り出し、相関結果を前記適応処理部へ送ることを特
徴とする請求項2に記載の短距離無線通信用ヘッドセッ
ト。 - 【請求項6】 前記音声処理部は、前記送受信機の受信
信号に遅延を与える遅延回路をさらに有し、 前記直接音をリファレンス信号とし、このリファレンス
信号に遅延された受信信号を相関させて必要な成分を取
り出し、相関結果を前記適応処理部へ送ることを特徴と
する請求項2に記載の短距離無線通信用ヘッドセット。 - 【請求項7】 前記音声処理部は、前記相関により、送
受信機の受信信号を強調して出力する第1モードと、前
記直接音を強調して出力する第2モードとを有し、 前記第1および第2モードを切り替えるモード切り替え
スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項2に記
載の短距離無線通信用ヘッドセット。 - 【請求項8】 必要に応じて外部から伝播する前記直接
音を遮断する開閉・密閉制御器をさらに有することを特
徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の短距離無線通
信用ヘッドセット。 - 【請求項9】 前記音声処理部は、前記送受信機の受信
信号に非常時ID信号が添付されているかどうかを検出
する手段をさらに有し、前記非常時ID信号が検出され
た場合に、前記受信信号を減衰させないことを特徴とす
る請求項1〜8のいずれかに記載の短距離無線用ヘッド
セット。 - 【請求項10】 短距離無線通信用の第1ヘッドセット
と、 前記第1ヘッドセットに送話する短距離無線通信用の第
2ヘッドセットと、 前記第2ヘッドセットの送話内容に音声処理を施し、処
理後の信号を前記第1のヘッドセットに供給する音声処
理装置とを含み、 前記第1ヘッドセットは、受信機と、外部からの直接音
を検知する外部音検知マイクと、前記検知された直接音
を第1の周波数で前記音声処理装置に発信する発信器と
を有し、 前記第2ヘッドセットは、送話内容を第2の周波数で前
記音声処理装置に無線送信する送信機を有し、 前記音声処理装置は、前記第1ヘッドセットからの直接
音と、第2ヘッドセットからの送話内容とを受信し、前
記直接音と送話内容の音声比率を選択的に調整し、比率
調整された信号を第3の周波数で前記第1ヘッドセット
に送信することを特徴とするヘッドセットコミュニケー
ションシステム。 - 【請求項11】 前記音声処置装置は、 前記第1ヘッドセットからの直接音を無線受信する第1
受信部と、 前記第2ヘッドセットからの送話内容を無線受信する第
2受信部と、 前記直接音と送話内容のいずれか一方をリファレンス信
号として適応処理する適応処理部と、 前記リファレンス信号と他方の受信信号とを相関させ、
必要な成分だけを取り出して出力する相関処理部と、 前記相関処理部の出力を前記第3の周波数で無線送信す
る送信部とを有することを特徴とする請求項10に記載
のヘッドセットコミュニケーションシステム。 - 【請求項12】 ユーザの音声コマンドを集音する話者
用マイクと、 周囲の外部音を採取する外部音検知マイクと、 前記音声コマンドと外部音とを入力とし、前記音声コマ
ンドに前記外部音を相関させて、音声コマンドと相関す
る成分だけを取り出す音声処理部と、 前記音声処理部の出力を、短距離無線通信によって遠隔
の機器に送信する送信部とを備えることを特徴とする短
距離無線通信用ヘッドセット。 - 【請求項13】 周囲の機器に対して無線送信可能な送
信部と、 ユーザの音声を集音する話者用マイクと、 前記集音した音声を認識する音声認識手段と、 前記音声認識手段による認識結果を前記送信部に供給す
る認識結果伝送手段とを備え、前記認識結果を前記送信
部から無線通信することを特徴とする無線通信用ヘッド
セット。 - 【請求項14】 短距離無線通信により伝達される信号
を受信し、 外部から音波として伝播する直接音を採取し、 前記受信信号と、直接音とのいずれか一方をリファレン
ス信号としてディジタル信号適応処理を施し、 前記リファレンス信号に他方の信号を相関させ、必要な
成分を抽出して混合比率を制御し、 前記比率制御された信号を音声として出力することを特
徴とする短距離無線通信における音響処理方法。 - 【請求項15】 第1のヘッドセットが検知した外部か
らの直接音を、無線通信を介して第1の受信信号として
受信し、 第2のヘッドセットが前記第1のヘッドセットに送信す
る送話内容を、無線通信系を介して第2の受信信号とし
て受信し、 前記第1の受信信号と第2の受信信号のいずれか一方を
リファレンス信号として適応処理し、 前記リファレンス信号に他方の信号を相関させ、必要な
成分を抽出して混合比率を制御し、 前記比率制御された信号を、無線通信を介して前記第1
のヘッドセットに送信することを特徴とする短距離無線
通信用ヘッドセットシステムにおける音響処理方法。
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