JP2003198319A - 窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体およびそれを用いた薄膜圧電共振子 - Google Patents

窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体およびそれを用いた薄膜圧電共振子

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JP2003198319A
JP2003198319A JP2001394388A JP2001394388A JP2003198319A JP 2003198319 A JP2003198319 A JP 2003198319A JP 2001394388 A JP2001394388 A JP 2001394388A JP 2001394388 A JP2001394388 A JP 2001394388A JP 2003198319 A JP2003198319 A JP 2003198319A
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哲夫 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気機械結合係数が大きく、音響的品質係数
(Q値)、帯域幅、周波数温度特性に優れた薄膜圧電共
振子を提供する。 【解決手段】 基板12のビアホール20に面する位置
にて絶縁体層13を介して下部電極15、c軸配向Al
N圧電体薄膜16および上部電極17がこの順に積層さ
れた圧電積層構造体14を備える。下部電極15はモリ
ブデン及びタングステンなどの体心立方構造を有する第
1の金属層とイリジウム、白金及び金などの面心立方構
造を有する第2の金属層との積層を含む2以上の金属層
から構成されており、第1の金属層の厚さが下部電極1
5の厚さの0.5倍以上である。第1の金属層の(11
0)回折ピークのロッキング・カーブ半値幅(FWH
M)が4.5°未満であり、AlN圧電体薄膜16の
(0002)回折ピークのロッキング・カーブ半値幅
(FWHM)が3.3°未満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機等に
利用される薄膜共振器、薄膜VCO(電圧制御発振
器)、薄膜フィルター、送受信分波器や各種センサーな
ど、広範な分野に応用される薄膜圧電共振子及び該薄膜
圧電共振子の圧電体薄膜として有用な窒化アルミニウム
薄膜を用いた積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電現象を応用した素子は広範な分野で
用いられている。携帯機器の小型化と省力化が進む中
で、RF用およびIF用フィルターとして弾性表面波
(Surface Acoustic Wave:SA
W)素子の使用が拡大している。SAWフィルターは設
計および生産技術の向上によりユーザーの厳しい要求仕
様に対応してきたが、利用周波数の高周波数化と共に特
性向上の限界に近づき、電極形成の微細化と安定した出
力確保の両面で大きな技術革新が必要となってきてい
る。一方、圧電体薄膜の厚み振動を利用した薄膜バルク
波共振子(Thin Film Bulk Acous
tic Resonator:以下FBARと略称)、
積層型薄膜バルク波共振器およびフィルター(Stac
ked ThinFilm Bulk Wave Ac
oustic Resonatorsand Filt
ers:以下SBARと略称)は、基板に設けられた薄
い支持膜の上に、主として圧電体より成る薄膜と、これ
を駆動する電極を形成したものであり、ギガヘルツ帯で
の基本共振が可能である。FBARまたはSBARでフ
ィルターを構成すれば、著しく小型化でき、かつ低損失
・広帯域動作が可能な上に、半導体集積回路と一体化す
ることができるので、将来の超小型携帯機器への応用が
期待されている。
【0003】弾性表面波を利用した共振器、フィルター
等に応用されるSAWフィルターは、以下のようにして
製造される。シリコンなどの半導体単結晶基板や、シリ
コンウエハー上に多結晶ダイヤモンドを形成してなる硬
質基板などの上に、種々の薄膜形成方法によって圧電体
薄膜を形成する。次に、微細加工、パターニングによ
り、該圧電体薄膜の表面に弾性表面波を励振させるため
の櫛形の電極や反射器を形成する。最後に、1素子単位
に分離することによりSAWフィルターを得る。
【0004】また、弾性波を利用した共振器、フィルタ
ー等に応用されるFBAR、SBARなどの薄膜圧電素
子は、以下のようにして製造される。シリコンなどの半
導体単結晶基板や、シリコンウエハー上に多結晶ダイヤ
モンドを形成してなる基板や、エリンバーなどの恒弾性
金属からなる基板の上に、種々の薄膜形成方法によっ
て、誘電体薄膜、導電体薄膜、またはこれらの積層膜か
らなる下地膜を形成する。この下地膜上に圧電体薄膜を
形成し、さらに必要に応じた構成の上部構造を形成す
る。各層の形成後に、または全層を形成した後に、各々
の膜に物理的処理または化学的処理を施すことにより、
微細加工、パターニングを行う。異方性エッチングによ
り基板から圧電体薄膜の振動部の下に位置する部分を除
去した浮き構造を作製した後、最後に1素子単位に分離
することにより薄膜圧電素子を得る。
【0005】例えば、特開昭60−142607号公報
に記載された薄膜圧電素子は、基板上に下地膜、下部電
極、圧電体薄膜、上部電極を形成した後に、基板裏面か
ら振動部となる部分の下にある基板部分を除去して、ビ
アホールを形成することにより製造されている。
【0006】薄膜圧電素子用の圧電材料としては、窒化
アルミニウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カ
ドミウム(CdS)、チタン酸鉛[PT](PbTiO
3 )、チタン酸ジルコン酸鉛[PZT](Pb(Zr,
Ti)O3 )などが用いられている。特にAlNは、弾
性波の伝播速度が速く、高周波帯域で動作する薄膜共振
器や薄膜フィルター用の圧電材料として適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまで、AlN薄膜
をFBARまたはSBARに適用するために、種々の検
討が行われてきた。しかしながら、未だ、ギガヘルツ帯
域で十分な性能を発揮する薄膜共振器及び薄膜フィルタ
ーは得られておらず、AlN薄膜の音響的品質係数(Q
値)、周波数温度係数および挿入損失の改善が望まれて
いる。音響的品質係数(Q値)、広帯域動作、周波数温
度特性の全てに優れ、高性能な共振特性を示す薄膜圧電
素子は提案されていない。電気機械結合係数は共振器や
フィルターを構成する上での上記の様な性能を左右する
重要なパラメーターであり、使用する圧電体薄膜の膜品
質に大きく依存する。
【0008】そこで、本発明は、弾性波の伝播速度が速
いというAlN薄膜の特長を活かしつつ、電気機械結合
係数が大きく、従って音響的品質係数(Q値)、帯域
幅、周波数温度特性に優れ、従来に比べて著しく高特
性、高性能なFBARまたはSBARを実現できる薄膜
圧電共振子を提供することを目的とする。また、本発明
は、このような薄膜圧電共振子を実現するために好適で
あって窒化アルミニウム薄膜を含んでなる積層体を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、AlN薄
膜の配向性と結晶性が下地膜を構成する金属電極膜の配
向性および結晶性に著しく依存することを見出した。ま
た、本発明者らは、AlN薄膜を圧電体薄膜としてSi
基板上に構成したFBARまたはSBARの共振特性
が、下部電極となる金属薄膜の材質、弾性率、配向性、
結晶性などの性状とAlN薄膜自体の配向性、結晶性、
圧電性などの性状との両方に大きく依存することを見出
した。即ち、高弾性かつ高配向性の金属薄膜より成る下
部電極と高配向性、高結晶性のc軸配向窒化アルミニウ
ム薄膜との組み合わせを最適化して、両者の膜質を制
御、向上させることにより、薄膜圧電共振子の電気機械
結合係数及び音響的品質係数(Q値)が大きくなり、薄
膜圧電共振子や薄膜圧電フィルターとしての性能が著し
く向上することを見出した。即ち、下部電極を体心立方
構造の第1の金属層と面心立方構造の第2の金属層との
積層を含む2以上の金属層から構成し、その上にAlN
より成る圧電体薄膜を形成することにより、該AlN薄
膜の配向性および結晶性が改善され、この様にして得ら
れる積層体を用いてFBARまたはSBARを構成する
ことにより、電気機械結合係数が大きく、Q値、帯域
幅、周波数温度特性に優れた高性能なFBARまたはS
BARを実現できることを見出して、本発明を完成させ
た。
【0010】即ち、本発明によれば、以上の様な目的を
達成するものとして、金属電極と該金属電極の上に少な
くとも一部が形成されたc軸配向を示す窒化アルミニウ
ム薄膜との積層体であって、前記金属電極が体心立方構
造を有する第1の金属層と面心立方構造を有する第2の
金属層との積層を含む2以上の金属層から構成されてお
り、前記第1の金属層の厚さが前記金属電極の厚さの
0.5倍以上であることを特徴とする窒化アルミニウム
薄膜−金属電極積層体、が提供される。
【0011】本発明の一態様においては、前記第1の金
属層は、モリブデン、タングステン、モリブデンを主成
分とする合金、およびタングステンを主成分とする合金
のうちから選ばれる金属で構成されている。本発明の一
態様においては、前記第2の金属層は、イリジウム、白
金、金、アルミニウム、銀、イリジウムを主成分とする
合金、白金を主成分とする合金、金を主成分とする合
金、アルミニウムを主成分とする合金、および銀を主成
分とする合金のうちから選ばれる金属で構成されてい
る。本発明の一態様においては、前記窒化アルミニウム
薄膜は前記第1の金属層と接して形成されている。
【0012】本発明の一態様においては、前記窒化アル
ミニウム薄膜と前記第1の金属層との間に、前記金属電
極の厚さの0.1倍以下の厚さの金属層または化合物層
からなる界面層が形成されている。本発明の一態様にお
いては、前記界面層は、アルミニウム、シリコン、アル
ミニウムを主成分とする合金または化合物、およびシリ
コンを主成分とする合金または化合物から選ばれる金属
または化合物で構成されている。
【0013】本発明の一態様においては、前記第2の金
属層の前記第1の金属層に面する側とは反対の側の面
に、密着金属層が形成されている。本発明の一態様にお
いては、前記密着金属層は、マグネシウム、チタン、バ
ナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタ
ル、クロム、ニッケル、マグネシウムを主成分とする合
金、チタンを主成分とする合金、バナジウムを主成分と
する合金、ジルコニウムを主成分とする合金、ハフニウ
ムを主成分とする合金、ニオブを主成分とする合金、タ
ンタルを主成分とする合金、クロムを主成分とする合
金、およびニッケルを主成分とする合金から選ばれる金
属で構成されている。
【0014】本発明の一態様においては、前記窒化アル
ミニウム薄膜の(0002)回折ピークのロッキング・
カーブ半値幅(FWHM)が3.3°未満である。本発
明の一態様においては、前記第1の金属層の(110)
回折ピークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)が
4.5°未満である。
【0015】また、本発明によれば、以上の様な目的を
達成するものとして、圧電体薄膜が複数の電極の間に挟
み込まれ、前記圧電体薄膜がその周囲の支持により中心
部にて橋架けされてなる構造を有する薄膜圧電共振子に
おいて、前記圧電体薄膜と前記電極のうちの1つが以上
の様な窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体で構成さ
れていることを特徴とする薄膜圧電共振子、が提供され
る。
【0016】また、本発明によれば、以上の様な目的を
達成するものとして、振動空間を有する半導体あるいは
絶縁体からなる基板と、該基板の前記振動空間に面する
位置にて下部電極、圧電体薄膜および上部電極がこの順
に積層された積層構造体とを備えている薄膜圧電共振子
において、前記圧電体薄膜と前記下部電極とが以上の様
な窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体で構成されて
いることを特徴とする薄膜圧電共振子、が提供される。
【0017】本発明の一態様においては、前記上部電極
は互いに隔離して配置された2つの電極部からなる。
【0018】また、本発明によれば、以上の様な目的を
達成するものとして、振動空間を有する半導体あるいは
絶縁体からなる基板と、該基板の前記振動空間に面する
位置にて下部電極、第1の圧電体薄膜、内部電極、第2
の圧電体膜および上部電極がこの順に積層された積層構
造体とを備えている薄膜圧電共振子において、前記第1
の圧電体薄膜と前記下部電極とが以上の様な窒化アルミ
ニウム薄膜−金属電極積層体で構成されていることを特
徴とする薄膜圧電共振子、が提供される。
【0019】以上の本発明の一態様においては、前記振
動空間に面する位置にて前記積層構造体には少なくとも
一層の酸化シリコンおよび/または窒化シリコンを主成
分とする絶縁層が付されている。
【0020】以上の本発明の一態様においては、前記上
部電極や前記内部電極は、モリブデン、タングステン、
ニオブ、アルミニウム、モリブデンを主成分とする合
金、タングステンを主成分とする合金、ニオブを主成分
とする合金、およびアルミニウムを主成分とする合金の
うちから選ばれる金属を含んで構成されている。
【0021】以上の本発明の一態様においては、前記上
部電極や前記内部電極は、モリブデン、タングステン、
ニオブ、モリブデンを主成分とする合金、タングステン
を主成分とする合金、ニオブを主成分とする合金、イリ
ジウム、白金、金、銀、イリジウムを主成分とする合
金、白金を主成分とする合金、金を主成分とする合金、
銀を主成分とする合金、マグネシウム、アルミニウム、
チタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、タン
タル、クロム、ニッケル、マグネシウムを主成分とする
合金、アルミニウムを主成分とする合金、チタンを主成
分とする合金、バナジウムを主成分とする合金、ジルコ
ニウムを主成分とする合金、ハフニウムを主成分とする
合金、タンタルを主成分とする合金、クロムを主成分と
する合金、およびニッケルを主成分とする合金から選ば
れる金属からなる金属層の2種類以上の積層を含んで構
成されている。
【0022】本発明では、体心立方構造の第1の金属層
と面心立方構造の第2の金属層との積層を含む2層以上
の金属薄膜から構成された金属電極上にAlN薄膜を形
成することにより窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層
体を作製する。典型的には、金属電極は所定の形状にパ
ターニングされるので、AlN薄膜の一部はシリコン基
板またはシリコン基板上に形成された酸化シリコンおよ
び/または窒化シリコンを主成分とする絶縁層上に形成
される。金属電極の弾性率を高めるためには、体心立方
構造の高弾性率の第1の金属層の厚さは金属電極を構成
する2層以上の金属薄膜全体の厚さの0.5倍以上にす
る必要がある。
【0023】面心立方構造の金属においては、(11
1)面の原子密度は(100)面、(110)面などの
他の方位の結晶面の原子密度よりも高いので、(11
1)面が表面エネルギーの小さな熱力学的に安定な結晶
面として存在する。このため、面心立方構造の金属にお
いては、(111)配向の高結晶性の薄膜が得られるの
で、結晶の配向性評価の指標となる(111)回折ピー
クのロッキング・カーブは急峻なピークとなり、その半
値幅(FWHM)は小さな値となる。このような高配向
性、高結晶性の金属薄膜と接して形成された窒化アルミ
ニウムは、やはり高配向性、高結晶性の薄膜として成長
し易いので、ロッキング・カーブ半値幅(FWHM)の
小さな良質の窒化アルミニウム薄膜が得られる。しかし
ながら、面心立方構造の金属は、イリジウムおよびイリ
ジウムを主成分とする合金を除けば、弾性率が小さいと
いう難点がある。また、イリジウムおよびイリジウムを
主成分とする合金には、高価で、微細加工が難しいとい
う問題がある。
【0024】これに対して、体心立方構造の金属におい
ては、(110)面の原子密度は(100)面、(11
1)面などの他の方位の結晶面の原子密度よりも若干高
い程度であり、必ずしも(110)面が安定に成長でき
るわけではない。このため、通常の薄膜形成手段では、
(110)配向の高結晶性の薄膜を得ることは難しく、
結晶の配向性評価の指標となる(110)回折ピークの
ロッキング・カーブが広がり、その半値幅(FWHM)
は大きな値となる。
【0025】本発明においては、高配向性、高結晶性の
薄膜が容易に得られる面心立方構造の第2の金属の薄膜
の上に、体心立方構造の第1の金属の薄膜を形成するこ
とによって、(110)配向で高配向性、高結晶性の体
心立方構造の第1の金属の薄膜を容易に得ることができ
る。面心立方構造の第2の金属としては、イリジウム、
白金、金、アルミニウム、銀、イリジウムを主成分とす
る合金、白金を主成分とする合金、金を主成分とする合
金、アルミニウムを主成分とする合金、および銀を主成
分とする合金のうちから選ばれる金属を採用することが
好ましい。体心立方構造の第1の金属としては、モリブ
デン、タングステン、モリブデンを主成分とする合金、
タングステンを主成分とする合金などの弾性率が2×1
11N/m2 以上の高弾性金属を使用することが好まし
い。これらの高弾性金属は、薄膜圧電共振子用の電極材
質として望ましい特性を有している。例えば、モリブデ
ンの熱弾性損失はアルミニウムの約1/56より小さ
く、この点で、モリブデンは特に好適な電極材料であ
る。以上のようにして作製された前記の第1の金属層の
(110)回折ピークのロッキング・カーブ半値幅(F
WHM)は4.5°未満、好ましくは3.5°以下であ
る。このような、(110)配向で高配向性、高結晶性
の体心立方構造の金属薄膜と接して窒化アルミニウム薄
膜を形成することにより、(0002)回折ピークのロ
ッキング・カーブ半値幅(FWHM)が3.3°未満、
好ましくは2.5°以下となる高配向性、高結晶性の窒
化アルミニウム薄膜を容易に成長させることができ、F
BAR、SBARなどの用途に適した高特性の窒化アル
ミニウム薄膜−金属電極積層体を得ることができる。
【0026】また、本発明においては、窒化アルミニウ
ム薄膜と体心立方構造の第1の金属層との間に、金属電
極を構成する2層以上の金属薄膜全体の厚さの0.1倍
以下の厚さの別の金属層または化合物層からなる界面層
を形成させていても、前記と同様の高配向性、高結晶性
の窒化アルミニウム薄膜を容易に成長させることがで
き、FBAR、SBARなどの用途に適した高特性の窒
化アルミニウム薄膜−金属電極積層体を得ることができ
る。窒化アルミニウム薄膜と体心立方構造の第1の金属
層との間に形成される界面層となる金属層または化合物
層は、アルミニウム、シリコン、アルミニウムを主成分
とする合金または化合物、およびシリコンを主成分とす
る合金または化合物から選ばれる金属または化合物で構
成されていることが好ましい。
【0027】本発明の窒化アルミニウム薄膜−金属電極
積層体は、典型的には、半導体あるいは絶縁体から成る
基板の上に形成される。このため、基板と金属電極との
密着性が重要となる。両者の密着度を改善するために、
面心立方構造の第2の金属層と基板との間に密着金属層
を介在させることが望ましい。密着金属層に使用する金
属としては、マグネシウム、チタン、バナジウム、ジル
コニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、ニ
ッケル、マグネシウムを主成分とする合金、チタンを主
成分とする合金、バナジウムを主成分とする合金、ジル
コニウムを主成分とする合金、ハフニウムを主成分とす
る合金、ニオブを主成分とする合金、タンタルを主成分
とする合金、クロムを主成分とする合金、およびニッケ
ルを主成分とする合金から選ばれる金属を採用すること
が好ましい。
【0028】本発明で提案した体心立方構造の金属層と
面心立方構造の金属層との積層というような、結晶構造
の異なる2種類以上の金属層を積層した多層金属薄膜電
極の上に窒化アルミニウムを成長させることによって、
窒化アルミニウム薄膜の配向性、結晶性などの膜質を改
善しようとする試みは、これまで全く行われていない。
また、このような多層金属薄膜と窒化アルミニウム薄膜
との組み合わせにより、圧電体薄膜の品質を向上させ
て、共振器、フィルターなどの薄膜圧電素子としての性
能を改善しようという試みも、これまで全く行われてい
ない。
【0029】本発明によれば、2.0〜3.0GHzの
範囲における共振周波数と反共振周波数の測定値から求
めた電気機械結合係数kt 2が4.5%以上たとえば4.
5〜6.5%である高性能な薄膜圧電共振子が得られ
る。
【0030】また、本発明の薄膜圧電共振子において
は、下部電極が、体心立方構造で(110)回折ピーク
のロッキング・カーブ半値値(FWHM)が4.5°未
満となる第1の金属層と面心立方構造の第2の金属層と
の積層を含む2以上の金属層から構成されていると共
に、窒化アルミニウム(AlN)薄膜がc軸配向を示
し、(0002)面の回折ピークのロッキング・カーブ
半値幅(FWHM)が3.3°未満である場合に、薄膜
圧電共振子の性能が一層向上する。
【0031】また、本発明の薄膜圧電共振子において
は、下部電極、圧電体薄膜および上部電極がこの順に積
層された積層構造体、または下部電極、第1の圧電体薄
膜、内部電極、第2の圧電体膜および上部電極がこの順
に積層された積層構造体に、振動空間に面する位置にて
少なくとも一層の酸化シリコン(SiO2 )および/ま
たは窒化シリコン(SiNx )を主成分とする絶縁層を
形成することにより、薄膜圧電共振子の周波数温度係数
などの特性を更に改善することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0033】図1は本発明による薄膜圧電共振子の実施
形態を示す模式的平面図であり、図2はそのX−X断面
図である。これらの図において、薄膜圧電共振子11は
基板12、該基板12の上面上に形成された絶縁体層1
3および該絶縁体層13の上面上に形成された圧電積層
構造体14を有する。圧電積層構造体14は、絶縁体層
13の上面上に形成された下部電極15、該下部電極1
5の一部を覆うようにして絶縁体層13の上面上に形成
された圧電体薄膜16および該圧電体薄膜16の上面上
に形成された上部電極17からなる。基板12には、空
隙を形成するビアホール20が形成されている。絶縁体
層13の一部はビアホール20に向けて露出している。
この絶縁体層13の露出部分、およびこれに対応する圧
電積層構造体14の部分が振動部(振動ダイヤフラム)
21を構成する。また、下部電極15および上部電極1
7は、振動部21に対応する領域内に形成された主体部
15a,17aと、該主体部15a,17aと外部回路
との接続のための端子部15b,17bを有する。端子
部15b,17bは振動部21に対応する領域外に位置
する。
【0034】基板12としては、Si(100)単結晶
などの単結晶、またはSi単結晶などの基材の表面にシ
リコン、ダイヤモンドその他の多結晶膜を形成したもの
を用いることができる。基板12としては、その他の半
導体さらには絶縁体を用いることも可能である。基板1
2のビアホール20の形成方法としては、基板下面側か
らの異方性エッチング法が例示される。なお、基板12
に形成される空隙は、ビアホール20によるものには限
定されず、振動部21の振動を許容するものであればよ
く、該振動部21に対応する基板上面領域に形成した凹
部であってもよい。
【0035】絶縁体層13としては、例えば酸化シリコ
ン(SiO2 )を主成分とする誘電体膜、窒化シリコン
(SiNx )を主成分とする誘電体膜、および酸化シリ
コンを主成分とする誘電体膜と窒化シリコンを主成分と
する誘電体膜との積層膜を用いることができる。この絶
縁体層13の材質について、主成分とは、層中の含有量
が50当量%以上である成分を指す(他の層の材質につ
いても同様)。誘電体膜は単層からなるものであっても
よいし、密着性を高めるための層などを付加した複数層
からなるものであってもよい。絶縁体層13の厚さは、
例えば2.0μm未満、好ましくは0.5μm以下であ
る。絶縁体層13の形成方法としては、シリコンから成
る基板12の表面の熱酸化法やCVD法が例示される。
また、本発明においては、エッチングにより、振動部2
1に対応する領域の絶縁体層13を総て除去して、下部
電極15がビアホール20に向けて露出した構造を採用
することもできる。このように、振動部21に対応する
領域の絶縁体層13を総て除去することにより、共振周
波数の温度特性は若干悪化するものの、音響的品質係数
(Q値)が向上するという利点がある。
【0036】下部電極15は、体心立方構造を有する第
1の金属層と、面心立方構造を有する第2の金属層と、
更に必要に応じて第2の金属層と基板12との間に形成
される密着金属層とを積層することにより構成されてお
り、その厚さは例えば50〜300nmである。圧電体
薄膜16はAlNから成り、その厚さは例えば0.5〜
3.0μmである。上部電極17は、例えば、モリブデ
ン、タングステン、ニオブ、アルミニウム、モリブデン
を主成分とする合金、タングステンを主成分とする合
金、ニオブを主成分とする合金、およびアルミニウムを
主成分とする合金のうちから選ばれる金属を含んで構成
されている。あるいは、上部電極17は、例えば、モリ
ブデン、タングステン、ニオブ、モリブデンを主成分と
する合金、タングステンを主成分とする合金、ニオブを
主成分とする合金、イリジウム、白金、金、銀、イリジ
ウムを主成分とする合金、白金を主成分とする合金、金
を主成分とする合金、銀を主成分とする合金、マグネシ
ウム、アルミニウム、チタン、バナジウム、ジルコニウ
ム、ハフニウム、タンタル、クロム、ニッケル、マグネ
シウムを主成分とする合金、アルミニウムを主成分とす
る合金、チタンを主成分とする合金、バナジウムを主成
分とする合金、ジルコニウムを主成分とする合金、ハフ
ニウムを主成分とする合金、タンタルを主成分とする合
金、クロムを主成分とする合金、およびニッケルを主成
分とする合金から選ばれる金属からなる金属層の2種類
以上の積層を含んで構成されている。上部電極17の厚
さは例えば50〜300nmである。
【0037】一般に圧電材料の圧電特性は、結晶の分極
の大きさ、分極軸の配列などに依存する。本発明で用い
る圧電薄膜においても、その圧電性は薄膜を構成する結
晶のドメイン構造、配向性、結晶性などの結晶性状に依
存すると考えられる。本明細書において単一配向膜と
は、基板表面と平行に目的とする結晶面が揃っている結
晶化膜のことを意味する。例えば、(0001)単一配
向膜は、膜面と平行に(0001)面が成長している膜
を意味する。具体的には、ディフラクトメーター法によ
るX線回折測定を行った場合に、AlN結晶に起因した
目的とする回折面以外の反射ピークがほとんど検出でき
ないものを意味する。例えば、(000L)単一配向
膜、即ち、c軸単一配向膜は、θ−2θ回転のX線回折
測定で(000L)面以外の反射強度が(000L)面
反射の最大ピーク強度の5%未満、好ましくは2%未
満、さらに好ましくは検出限界以下のものである。な
お、(000L)面は、(0001)系列の面、即ち、
(0001)面、(0002)面、(0004)面など
の等価な面を総称する表示である。
【0038】本発明者らは、図1及び図2に示す構成の
FBARにおいて、その共振特性が、電極を構成する多
層金属薄膜の材質、弾性率、配向性、結晶性などの性状
とAlN薄膜の配向性、結晶性などの性状との両方にど
のように依存するのかについて検討した。図示されてい
るFBARでは、下部電極15は、必要に応じて基板1
2と接して形成される密着金属層、面心立方構造の第2
の金属層および体心立方構造の第1の金属層をこの順に
積層することにより構成されたものである。
【0039】下部電極15として、スパッター法または
蒸着法により、密着金属層、面心立方構造の第2の金属
層、および体心立方構造の第1の金属層を順に形成した
後、ドライエッチングによりこれらの金属層を所定の形
状にパターン化した。AlN薄膜16は、下部電極15
を形成した基板12の上面に反応性スパッター法により
膜形成した後、フォトリソグラフィー技術を用いて、ビ
アホール20上の部分を除く領域の一部分をエッチング
除去することにより、所定の形状に加工した。この際、
AlN薄膜16と体心立方構造の第1の金属層との間
に、下部電極15を構成する2以上の金属層全体の厚さ
の0.1倍以下の厚さの別の金属層または化合物層を形
成しても、本発明の目的は達成される。上部電極17
は、ビアホール20上に残ったAlN薄膜16の上に形
成した。上部電極17は矩形に近い形状とした。
【0040】本発明者らは、高配向性の薄膜が容易に得
られる面心立方構造の金属の薄膜と弾性率が2×1011
N/m2 以上の高弾性金属の薄膜とを積層することによ
り、高弾性金属に由来する特定の回折ピークのロッキン
グ・カーブ半値幅(FWHM)が4.5°未満である高
配向性かつ高弾性の積層金属薄膜を形成し、この積層金
属薄膜上に窒化アルミニウム薄膜を成長させることで、
(0002)回折ピークのロッキング・カーブ半値幅
(FWHM)が3.3°未満である高配向性、高結晶性
のc軸配向窒化アルミニウム薄膜を作製できることを見
出した。
【0041】下部電極15に使用される体心立方構造
(空間群Im-3m)の第1の金属層として好適な材料は、
モリブデン、タングステン、モリブデンを主成分とする
合金、およびタングステンを主成分とする合金などであ
り、これらの材料は、(110)配向を示し、膜面と平
行に(110)面が成長している。これらの材料は熱弾
性損失が低いという特性を有する。モリブデン(Mo)
を主成分とする合金としては、99.38%Mo−0.
5%Ti−0.07%Zr−0.05%Cという組成を
有するTZM合金、95%Mo−5%Re合金、90%
Mo−10%W合金などがある。タンスグテン(W)を
主成分とする合金としては、95%W−5%Re合金、
90%W−10%Mo合金、W−Cu−Ni合金などが
ある。
【0042】下部電極15に使用される面心立方構造
(空間群Fm-3m)の第2の金属層として好適な材料は、
イリジウム、白金、金、アルミニウム、銀、イリジウム
を主成分とする合金、白金を主成分とする合金、金を主
成分とする合金、アルミニウムを主成分とする合金、銀
を主成分とする合金などであり、これらの材料は(11
1)配向を示し、膜面と平行に(111)面が成長して
いる。イリジウム(Ir)を主成分とする合金としては
Ir−Pt合金などがある。白金(Pt)を主成分とす
る合金としてはPtとRh、Ir、Ru、Pd、Au、
Ni、Wから選ばれる金属との合金などがある。金(A
u)を主成分とする合金としてはAuとPd、Pt、F
e、Ni、Cu、Agから選ばれる金属との合金などが
ある。アルミニウム(Al)を主成分とする合金として
は、Alに少量のSi、Cuを添加または固溶させたA
l−Si−Cu系合金、Al−Si系合金、Alに少量
のMo、Wを固溶させた合金、Al−Cu−Mg−Mn
系合金、Al−Cu−Mg−Ni系合金、Al−Mg系
合金、Al−Zn−Mg系合金などがある。銀(Ag)
を主成分とする合金としては、AgとZn、Al、A
u、Sn、Cuから選ばれる金属との合金などがある。
【0043】AlN薄膜16と体心立方構造の第1の金
属層との間に形成される別の金属または化合物の層(界
面層)として使用される好適な材料は、アルミニウム、
シリコン、アルミニウムを主成分とする合金または化合
物、およびシリコンを主成分とする合金または化合物な
どである。アルミニウム(Al)を主成分とする合金と
しては、前記のAl−Si−Cu系合金、Al−Si系
合金、Al−Mo−W系合金、Al−Cu−Mg−Mn
系合金、Al−Cu−Mg−Ni系合金、Al−Mg系
合金、Al−Zn−Mg系合金などがある。アルミニウ
ム(Al)を主成分とする化合物としては、AlOx
y などがある。シリコン(Si)を主成分とする化合物
としてはSi34 、SiNx 、SiOxy 、SiO
2 などがある。
【0044】基板12と面心立方構造の第2の金属層と
の間に形成される密着金属層として使用される好適な材
料は、マグネシウム、チタン、バナジウム、ジルコニウ
ム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、ニッケ
ル、マグネシウムを主成分とする合金、チタンを主成分
とする合金、バナジウムを主成分とする合金、ジルコニ
ウムを主成分とする合金、ハフニウムを主成分とする合
金、ニオブを主成分とする合金、タンタルを主成分とす
る合金、クロムを主成分とする合金、およびニッケルを
主成分とする合金などである。マグネシウム(Mg)を
主成分とする合金としてはMg−Al−Zn−Mn合
金、Mg−Zn−Zr合金、Mg−希土類元素系合金な
どがある。チタン(Ti)を主成分とする合金としては
TiとAl、Mo、V、Cr、Mn、Feから選ばれる
金属との合金などがある。ニオブ(Nb)を主成分とす
る合金としてはNb−Si−Ti−Fe合金などがあ
る。タンタル(Ta)を主成分とする合金としてはTa
とCr、Fe、Co、Ni、W、Ptから選ばれる金属
との合金などがある。クロム(Cr)を主成分とする合
金としてはCrとFe、Co、Ni、Moから選ばれる
金属との合金などがある。ニッケル(Ni)を主成分と
する合金としてはNiとAl、Si、Cr、Mn、F
e、Cu、Moから選ばれる金属との合金などがある。
【0045】上部電極17に使用される金属として好適
な材料は、モリブデン、タングステン、ニオブ、アルミ
ニウム、モリブデンを主成分とする合金、タングステン
を主成分とする合金、ニオブを主成分とする合金、およ
びアルミニウムを主成分とする合金などである。また、
上部電極17として、モリブデン、タングステン、ニオ
ブ、モリブデンを主成分とする合金、タングステンを主
成分とする合金、ニオブを主成分とする合金、イリジウ
ム、白金、金、銀、イリジウムを主成分とする合金、白
金を主成分とする合金、金を主成分とする合金、銀を主
成分とする合金、マグネシウム、アルミニウム、チタ
ン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタ
ル、クロム、ニッケル、マグネシウムを主成分とする合
金、アルミニウムを主成分とする合金、チタンを主成分
とする合金、バナジウムを主成分とする合金、ジルコニ
ウムを主成分とする合金、ハフニウムを主成分とする合
金、タンタルを主成分とする合金、クロムを主成分とす
る合金、およびニッケルを主成分とする合金から選ばれ
る金属からなる層を2層以上積層してなる積層金属薄膜
から構成されたものを使用することで、特性を安定化さ
せることができる。
【0046】体心立方構造の第1の金属層と面心立方構
造の第2の金属層との積層を含む2層以上の積層金属薄
膜上に形成されたc軸配向の窒化アルミニウム薄膜のX
線回折により測定した(0002)回折ピークのロッキ
ング・カーブ半値幅(FWHM)は3.3°未満であ
る。ロッキング・カーブ半値幅(FWHM)が3.3°
以上であると、電気機械結合係数kt 2と音響的品質係数
(Q値)が低下し、共振特性が悪化するので好ましくな
い。さらに、ロッキング・カーブ半値幅(FWHM)が
過度に大きくなると、下部電極端子部15bと下部電極
端子部17bとの間に電流リークが発生しやすくなる傾
向にある。
【0047】なお、図1及び図2に示す構成の薄膜圧電
共振子では、圧電体薄膜の上下の電極に電界を印加して
厚み方向に分極処理することでバルク波を励振させてい
る。この為、下部電極を端子電極とすべく、下部電極の
一部を露出させる必要がある。この構成は共振器として
しか利用できず、フィルターにするには、2個以上の素
子を組合わせる必要がある。
【0048】図3は本発明による薄膜圧電共振子の別の
実施形態を示す模式的平面図であり、図4はそのX−X
断面図である。これらの図においては、上記図1および
図2におけると同様の機能を有する部材には同一の符号
が付されている。
【0049】本実施形態では、下部電極15は矩形に近
い形状をなしており、上部電極17は、第1の電極部1
7Aと第2の電極部17Bとから成る。これら電極部1
7A,17Bはそれぞれ主体部17Aa,17Baと端
子部17Ab,17Bbとを有する。主体部17Aa,
17Baは振動部21に対応する領域内に位置してお
り、端子部17Ab,17Bbは振動部21に対応する
領域以外の領域に位置している。
【0050】本実施形態では、上部電極17のうちの一
方(例えば第2の電極部17B)と下部電極15との間
に入力電圧を印加し、上部電極17のうちの他方(例え
ば第1の電極部17A)と下部電極15との間の電圧を
出力電圧として取り出すことができるので、これ自体を
フィルターとして使用することができる。このような構
成のフィルターを通過帯域フィルターの構成要素として
使用することにより、素子内配線が不要となるので該配
線に起因する損失がなく、阻止帯域の減衰特性が良好と
なり、フィルターとしての周波数応答性が向上する。
【0051】図5は本発明による薄膜圧電共振子のさら
に別の実施形態を示す模式的平面図であり、図6はその
X−X断面図である。これらの図においては、上記図1
〜図4におけると同様の機能を有する部材には同一の符
号が付されている。
【0052】本実施形態は、図1および図2に記載の実
施形態の圧電積層構造体を2つ積層したものに相当する
圧電積層構造体を有する積層薄膜バルク音響共振子(S
tacked Thin Film Bulk Aco
ustic Resonators)である。即ち、絶
縁体層13上に下部電極15、第1の圧電体薄膜16−
1、内部電極17’、第2の圧電体薄膜16−2および
上部電極18がこの順に積層形成されている。内部電極
17’は、第1の圧電体薄膜16−1に対する上部電極
としての機能と第2の圧電体薄膜16−2に対する下部
電極としての機能を有する。
【0053】本実施形態では、下部電極15と内部電極
17’との間に入力電圧を印加し、該内部電極17’と
上部電極18との間の電圧を出力電圧として取り出すこ
とができるので、これ自体を多極型フィルターとして使
用することができる。このような構成の多極型フィルタ
ーを通過帯域フィルターの構成要素として使用すること
により、素子内配線が不要となるので該配線に起因する
損失がなく、阻止帯域の減衰特性が良好となり、フィル
ターとしての周波数応答性が向上する。
【0054】以上のような薄膜圧電共振子において、マ
イクロ波プローバーを使用して測定したインピーダンス
特性における共振周波数fr および反共振周波数fa
電気機械結合係数kt 2との間には、以下の関係 kt 2=φr /Tan(φr ) φr =(π/2)(fr /fa ) がある。
【0055】簡単のため、電気機械結合係数kt 2とし
て、次式 kt 2=4.8(fa −fr )/(fa +fr ) から算出したものを用いることができ、本明細書では、
電気機械結合係数kt 2の数値は、この式を用いて算出し
たものを採用している。
【0056】図1及び図2、図3及び図4、並びに図5
及び図6のそれぞれに示した構成のFBARまたはSB
ARにおいて、2.0〜3.0GHzの範囲における共
振周波数と反共振周波数の測定値から求めた電気機械結
合係数kt 2は4.5%以上たとえば4.5〜6.5%で
あるのが好ましい。電気機械結合係数kt 2が4.5%未
満になると、作製したFBARの帯域幅が小さくなり、
高周波域で使用する薄膜圧電共振子として実用に供する
ことが難しくなる傾向にある。
【0057】
【実施例】以下、実施例および比較例を示し、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0058】[実施例1]本実施例では、以下のように
して、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧電共振
子を作製した。
【0059】即ち、熱酸化法により、厚さ350μmの
(100)Si基板12の上下両面に厚さ1.1μmの
SiO2 層を形成した後、上面側のSiO2 層のみをエ
ッチングして、上面のSiO2 層の厚さを調整し、Si
2 から成り表3に記載の厚さ値を有する絶縁体層13
を形成した。この絶縁体層13の上面に、DCマグネト
ロン・スパッター法により、厚さ60nmのAu金属層
(第2の金属層)および厚さ150nmのMo金属層
(第1の金属層)をこの順番に形成し、フォトリソグラ
フィーによりパターン化して、Mo/Au下部電極15
を形成した。下部電極15の主体部15aは、平面寸法
150×170μmの矩形に近い形状とした。Au金属
層が(111)配向膜、即ち単一配向膜であり、Mo金
属層が(110)配向膜、即ち単一配向膜であること
は、X線回折測定により確認した。このMo/Au下部
電極15を形成した基板12上に、純度5Nの金属Al
をターゲットとして、反応性RFマグネトロン・スパッ
ター法により、表2に記載の条件で、AlN薄膜を形成
した。熱燐酸を使用した湿式エッチングにより、AlN
薄膜を所定の形状にパターン化して、AlN圧電体薄膜
16を形成した。
【0060】その後、DCマグネトロン・スパッター法
とリフトオフ法を使用して、厚さ190nmで主体部1
7aの平面寸法130×150μmの矩形に近い形状の
Al上部電極17を形成した。上部電極17の主体部1
7aは、下部電極主体部15aに対応する位置に配置し
た。次に、以上のようにして得られた構造体の下部電極
15と上部電極17と圧電体薄膜16との形成されてい
る側をプロテクトワックスで被覆し、Si基板12の下
面に形成された厚さ1.1μmのSiO2 層をパターニ
ングして形成したマスクを用いて、振動部21に対応す
るSi基板12の部分を加熱したKOH水溶液でエッチ
ング除去して、空隙となるビアホール20を形成した。
【0061】上記の工程によって製造されたAlN薄膜
−金属電極積層体について、XPS分光法により得られ
たAlN薄膜(圧電体薄膜)の組成分析を行うと共に、
表面構造評価用多機能X線回折装置を使用して、ディフ
ラクトメーター法による格子定数測定と(0002)回
折ピークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)測定
を行った。AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を
表2に示す。
【0062】また、カスケード・マイクロテック製マイ
クロ波プローバーとネットワークアナライザーを使用し
て、上記の薄膜圧電共振子(FBAR)の電極端子15
b,17b間のインピーダンス特性を測定すると共に、
共振周波数fr および反共振周波数fa の測定値から、
電気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求め
た。得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、
電気機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3
に示す。
【0063】[実施例2]本実施例では、以下のように
して、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧電共振
子を作製した。
【0064】即ち、実施例1と同様の操作により、Si
2 から成る絶縁体層13を形成した。この絶縁体層1
3の上面に、DCマグネトロン・スパッター法により表
1に記載の厚さのTi金属層(密着金属層)、Pt金属
層(第2の金属層)及びMo金属層(第1の金属層)を
この順番に形成し、フォトリソグラフィーによりパター
ン化して、Mo/Pt/Ti下部電極15を形成した。
下部電極15の主体部15aは、平面寸法150×17
0μmの矩形に近い形状とした。Pt金属層が(11
1)単一配向膜であり、Mo金属層が(110)単一配
向膜であることは、X線回折測定により確認した。この
Mo/Pt/Ti下部電極15を形成した基板12上
に、実施例1と同様の操作により、圧電体薄膜16を形
成した。その後、DCマグネトロンスパッター法とリフ
トオフ法を使用して、主体部17aの平面寸法130×
150μmの矩形に近い形状のMo/Pt/Ti上部電
極17を形成した。Ti金属層は密着金属層として使用
され、Pt金属層は面心立方構造の第4の金属層として
使用され、Mo金属層は体心立方構造の第3の金属層と
して使用され、これらの厚さは表1に記載された通りと
した。上部電極17の主体部17aは、下部電極主体部
15aに対応する位置に配置した。次に、実施例1と同
様の操作により、空隙となるビアホール20を形成し
た。
【0065】上記の工程によって製造されたAlN薄膜
−金属電極積層体について、XPS分光法により得られ
たAlN薄膜(圧電体薄膜)の組成分析を行うと共に、
表面構造評価用多機能X線回折装置を使用して、ディフ
ラクトメーター法による格子定数測定と(0002)回
折ピークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)測定
を行った。AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を
表2に示す。
【0066】また、カスケード・マイクロテック製マイ
クロ波プローバーとネットワークアナライザーを使用し
て、上記の薄膜圧電共振子(FBAR)の電極端子15
b,17b間のインピーダンス特性を測定すると共に、
共振周波数fr および反共振周波数fa の測定値から、
電気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求め
た。得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、
電気機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3
に示す。
【0067】[実施例3]本実施例では、以下のように
して、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧電共振
子を作製した。
【0068】即ち、実施例1と同様の操作により、Si
2 から成る絶縁体層13を形成した。この絶縁体層1
3の上面に、DCマグネトロン・スパッター法により表
1に記載の厚さのTi金属層(密着金属層)、Au金属
層(第2の金属層)及びMo金属層(第1の金属層)を
この順番に形成し、フォトリソグラフィーによりパター
ン化して、Mo/Au/Ti下部電極15を形成した。
下部電極15の主体部15aは、平面寸法150×17
0μmの矩形に近い形状とした。Au金属層が(11
1)単一配向膜であり、Mo金属層が(110)単一配
向膜であることは、X線回折測定により確認した。この
Mo/Au/Ti下部電極15を形成した基板12上
に、実施例1と同様の操作により、圧電体薄膜16を形
成した。その後、DCマグネトロンスパッター法とリフ
トオフ法を使用して、主体部17aの平面寸法130×
150μmの矩形に近い形状で厚さ195nmのMo上
部電極17を形成した。上部電極17の主体部17a
は、下部電極主体部15aに対応する位置に配置した。
次に、実施例1と同様の操作により、空隙となるビアホ
ール20を形成した。さらに、ドライエッチングによ
り、振動部21に対応する領域の絶縁体層13をもエッ
チング除去して、下部電極15の下面を露出させた。
【0069】上記の工程によって製造されたAlN薄膜
−金属電極積層体について、実施例1と同様にして、A
lN薄膜(圧電体薄膜)の組成分析、ディフラクトメー
ター法による格子定数測定、および(0002)回折ピ
ークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)測定を行
った。AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2
に示す。
【0070】また、実施例1と同様にして、上記薄膜圧
電共振子(FBAR)の電極端子15b,17b間のイ
ンピーダンス特性を測定すると共に、共振周波数fr
よび反共振周波数fa の測定値から、電気機械結合係数
t 2および音響的品質係数Qを求めた。得られた薄膜圧
電共振子の厚み振動の基本周波数、電気機械結合係数k
t 2、および音響的品質係数Qを表3に示す。
【0071】[実施例4,5]本実施例では、以下のよ
うにして、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧電
共振子を作製した。
【0072】即ち、低圧CVD法により、厚さ300μ
mの(100)Si基板12の上下両面に表3に記載し
た厚さのSiNx 層を形成し、SiNx から成る絶縁体
層13を形成した。この絶縁体層13の上面に、DCマ
グネトロン・スパッター法により表1に記載の厚さのT
i金属層(密着金属層)、Au金属層(第2の金属層)
及びMo金属層(第1の金属層)をこの順番に形成し、
フォトリソグラフィーによりパターン化してMo/Au
/Ti下部電極15を形成した。下部電極15の主体部
15aは、平面寸法150×170μmの矩形に近い形
状とした。Au金属層が(111)単一配向膜であり、
Mo金属層が(110)単一配向膜であることは、X線
回折測定により確認した。このMo/Au/Ti下部電
極15を形成した基板12上に、表1に記載の厚さのS
iNx 層(界面層)またはAl層(界面層)を形成した
後、実施例1と同様の操作により圧電体薄膜16を形成
して、下部電極15とAlN薄膜(圧電体薄膜)16と
の界面に、SiNx 層またはAl層が介在するような構
成とした。
【0073】その後、DCマグネトロン・スパッター法
とリフトオフ法を使用して、主体部17aの平面寸法1
30×150μmの矩形に近い形状のMo/Au/Ni
上部電極17[実施例4]または厚さ195nmのMo
上部電極17[実施例5]を形成した。実施例4におい
て、Ti金属層は密着金属層として使用され、Pt金属
層は第4の金属層として使用され、Mo金属層は第3の
金属層として使用され、これらの厚さは表1に記載され
た通りとした。上部電極17の主体部17aは、下部電
極主体部15aに対応する位置に配置した。次に、実施
例1と同様の操作により、空隙となるビアホール20を
形成した。
【0074】上記の工程によって製造されたAlN薄膜
−金属電極積層体について、実施例1と同様にして、A
lN薄膜(圧電体薄膜)の組成分析、ディフラクトメー
ター法による格子定数測定、および(0002)回折ピ
ークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)測定を行
った。AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2
に示す。
【0075】また、実施例1と同様にして、上記薄膜圧
電共振子(FBAR)の電極端子15b,17b間のイ
ンピーダンス特性を測定すると共に、共振周波数fr
よび反共振周波数fa の測定値から、電気機械結合係数
t 2および音響的品質係数Qを求めた。得られた薄膜圧
電共振子の厚み振動の基本周波数、電気機械結合係数k
t 2、および音響的品質係数Qを表3に示す。
【0076】[実施例6,7]本実施例では、以下のよ
うにして、図3及び図4に示されている構造の薄膜圧電
共振子を作製した。
【0077】即ち、実施例4と同様の操作により、Si
x から成る絶縁体層13を形成した。この絶縁体層1
3の上面に、DCマグネトロン・スパッター法により表
1に記載の材質と厚さとを有する密着金属層、第2の金
属層及び第1の金属層をこの順番に形成し、フォトリソ
グラフィーによりパターン化して、Mo(TZM合金)
/Au/V下部電極15[実施例6]またはMo−Re
合金/Au/Crより成る下部電極15[実施例7]を
形成した。下部電極15の主体部15aは、振動部21
に対応する部分を含むように延びている平面寸法120
×280μmの矩形に近い形状とした。Au金属層が
(111)単一配向膜であり、Mo(TZM合金)金属
層またはMo−Re合金金属層が(110)単一配向膜
であることは、X線回折測定により確認した。このMo
(TZM合金)/Au/V下部電極15またはMo−R
e合金/Au/Cr下部電極15を形成した基板12上
に、実施例1と同様の操作により圧電体薄膜16を形成
した。
【0078】その後、DCマグネトロン・スパッター法
とリフトオフ法を使用して、平面寸法65×85μmの
矩形に近い形状の主体部17Aa,17Baが間隔20
μmをおいて配置されたMo(TZM合金)/Au上部
電極17[実施例6]またはMo−Re合金/Au/T
i上部電極17[実施例7]を形成した。実施例6にお
いて、Au金属層は第4の金属層として使用され、Mo
(TZM合金)金属層は第3の金属層として使用され、
これらの厚さは表1に記載された通りとした。また、実
施例7において、Ti金属層は密着金属層として使用さ
れ、Au金属層は第4の金属層として使用され、Mo−
Re合金金属層は第3の金属層として使用され、これら
の厚さは表1に記載された通りとした。上部電極17の
主体部17Aa,17Baは、それぞれ下部電極15に
対応する位置に配置した。次に、実施例1と同様の操作
により、空隙となるビアホール20を形成した。
【0079】上記の工程によって製造されたAlN薄膜
−金属電極積層体について、実施例1と同様にして、A
lN薄膜(圧電体薄膜)の組成分析、ディフラクトメー
ター法による格子定数測定、および(0002)回折ピ
ークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)測定を行
った。AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2
に示す。
【0080】また、カスケード・マイクロテック製マイ
クロ波プローバーを使用して、上記薄膜圧電共振子の下
部電極15の端子部(図3及び図4で左側の露出部分)
を接地電極に接続し、上部電極17Aの端子部17Ab
から信号を入力し、上部電極17Bの端子部17Bbか
ら出力信号を取り出して、ネットワークアナライザーで
信号強度・波形などを解析した。個々の共振子の共振周
波数fr および反共振周波数fa の測定値から、電気機
械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。得ら
れた圧電薄膜共振子の厚み振動の基本周波数、電気機械
結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示す。
【0081】[実施例8]本実施例では、以下のように
して、図3及び図4に示されている構造の薄膜圧電共振
子を作製した。
【0082】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質及び厚さが表1〜
表3に示されているようにされたこと以外は、実施例6
と同様の工程を実行した。ここで、絶縁体層13として
は、熱酸化法により形成されたSiO2 層を用いた。
【0083】実施例6と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0084】また、実施例6と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0085】[実施例9,10]本実施例では、以下の
ようにして、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧
電共振子を作製した。
【0086】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質及び厚さが表1〜
表3に示されているようにされたこと以外は、実施例2
と同様の工程を実行した。
【0087】実施例2と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0088】また、実施例2と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0089】[実施例11,12]本実施例では、以下
のようにして、図1及び図2に示されている構造の薄膜
圧電共振子を作製した。
【0090】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質、厚さが表1〜表
3に示されているようにされたこと以外は、実施例4と
同様の工程を実行した。
【0091】実施例4と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0092】また、実施例4と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0093】[実施例13]本実施例では、以下のよう
にして、図3及び図4に示されている構造の薄膜圧電共
振子を作製した。
【0094】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質、厚さが表1〜表
3に示されているようにされ、空隙となるビアホール2
0形成後に、ドライエッチングにより、振動部21に対
応する領域の絶縁体層13をもエッチング除去して、下
部電極15の下面を露出させたこと以外は、実施例8と
同様の工程を実行した。
【0095】実施例8と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0096】また、実施例8と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0097】[実施例14]本実施例では、以下のよう
にして、図3及び図4に示されている構造の薄膜圧電共
振子を作製した。
【0098】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質、厚さが表1〜表
3に示されているようにされたこと以外は、実施例8と
同様の工程を実行した。
【0099】実施例8と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0100】また、実施例8と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた圧電薄膜共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0101】[比較例1,2]本比較例では、以下のよ
うにして、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧電
共振子を作製した。
【0102】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質、厚さが表1〜表
3に示されているようにされたこと以外は、実施例1と
同様の工程を実行した。
【0103】上記の工程によって製造されたAlN薄膜
−金属電極積層体について、実施例1と同様にして、A
lN薄膜(圧電体薄膜)の組成分析、ディフラクトメー
ター法による格子定数測定、および(0002)回折ピ
ークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)測定を行
った。AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2
に示す。XPS分光法により測定したAlN薄膜の酸素
含有量は、表2に示す通りであった。実施例1〜14と
同様の操作で分析評価を行ったのであるが、AlN薄膜
の品質が悪い為に、XPS分析までに膜が酸化されて、
酸素含有量が増加した可能性もある。
【0104】また、実施例1と同様にして、上記薄膜圧
電共振子(FBAR)の電極端子15b,17b間のイ
ンピーダンス特性を測定すると共に、共振周波数fr
よび反共振周波数fa の測定値から、電気機械結合係数
t 2および音響的品質係数Qを求めた。得られた薄膜圧
電共振子の厚み振動の基本周波数、電気機械結合係数k
t 2、および音響的品質係数Qを表3に示す。
【0105】[比較例3]本比較例では、以下のように
して、図3及び図4に示されている構造の薄膜圧電共振
子を作製した。
【0106】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質、厚さが表1〜表
3に示されているようにされたこと以外は、実施例8と
同様の工程を実行した。
【0107】実施例8と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0108】また、実施例8と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0109】[比較例4]本比較例では、以下のように
して、図1及び図2に示されている構造の薄膜圧電共振
子を作製した。
【0110】即ち、絶縁体層13、下部電極15、上部
電極17および圧電体薄膜16の材質、厚さが表1〜表
3に示されているようにされたこと以外は、実施例1と
同様の工程を実行した。
【0111】実施例1と同様にして、得られたAlN薄
膜(圧電体薄膜)の組成分析とX線回折測定を行った。
AlN薄膜の組成および結晶性の評価結果を表2に示
す。
【0112】また、実施例1と同様にして測定した、共
振周波数fr および反共振周波数f a の測定値から、電
気機械結合係数kt 2および音響的品質係数Qを求めた。
得られた薄膜圧電共振子の厚み振動の基本周波数、電気
機械結合係数kt 2、および音響的品質係数Qを表3に示
す。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化アル
ミニウム薄膜−金属電極積層体では、高配向性の薄膜が
容易に得られる面心立方構造の金属の薄膜と高弾性の体
心立方構造の金属の薄膜とを積層することにより、高配
向性かつ高弾性の積層金属電極膜を形成し、この積層金
属電極膜上に窒化アルミニウム薄膜を成長させているの
で、(0002)回折ピークのロッキング・カーブが急
峻なピークで半値幅(FWHM)が小さく、従って高配
向性、高結晶性のc軸配向の窒化アルミニウム薄膜が得
られる。
【0117】また、本発明の薄膜圧電共振子は、以上の
ような窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体により高
弾性かつ高配向性の金属薄膜より成る一方の金属電極と
高配向性、高結晶性のc軸配向窒化アルミニウム圧電薄
膜との組合せを構成し、その上に他方の金属電極を形成
することにより、電気機械結合係数、音響的品質係数
(Q値)などの性能が著しく向上する。その結果、従来
に無い高特性のFBARまたはSBARを作製でき、こ
れを用いて、高周波域で損失が少なく、利得、帯域特性
の良好な圧電薄膜フィルター、薄膜VCO、送受信分波
器などの薄膜圧電素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜圧電共振子の実施形態を示す
模式的平面図である。
【図2】図1のX−X断面図である。
【図3】本発明による薄膜圧電共振子の実施形態を示す
模式的平面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】本発明による薄膜圧電共振子の実施形態を示す
模式的平面図である。
【図6】図5のX−X断面図である。
【符号の説明】
11 薄膜圧電共振子 12 単結晶または多結晶からなる基板 13 下地絶縁膜 14 圧電積層構造体 15 下部電極 15a 下部電極主体部 15b 下部電極端子部 16 圧電体薄膜 16−1 第1の圧電体薄膜 16−2 第2の圧電体薄膜 17 上部電極 17’ 内部電極 17a 上部電極主体部 17b 上部電極端子部 17A 上部電極の第1電極部 17Aa 第1電極部の主体部 17Ab 第1電極部の端子部 17B 上部電極の第2電極部 17Ba 第2電極部の主体部 17Bb 第2電極部の端子部 18 上部電極 20 エッチングによって基板に形成したビアホール 21 振動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 智仙 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 5J108 AA07 EE03 FF03 FF05 KK01 KK02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属電極と該金属電極の上に少なくとも
    一部が形成されたc軸配向を示す窒化アルミニウム薄膜
    との積層体であって、前記金属電極が体心立方構造を有
    する第1の金属層と面心立方構造を有する第2の金属層
    との積層を含む2以上の金属層から構成されており、前
    記第1の金属層の厚さが前記金属電極の厚さの0.5倍
    以上であることを特徴とする窒化アルミニウム薄膜−金
    属電極積層体。
  2. 【請求項2】 前記第1の金属層は、モリブデン、タン
    グステン、モリブデンを主成分とする合金、およびタン
    グステンを主成分とする合金のうちから選ばれる金属で
    構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の窒
    化アルミニウム薄膜−金属電極積層体。
  3. 【請求項3】 前記第2の金属層は、イリジウム、白
    金、金、アルミニウム、銀、イリジウムを主成分とする
    合金、白金を主成分とする合金、金を主成分とする合
    金、アルミニウムを主成分とする合金、および銀を主成
    分とする合金のうちから選ばれる金属で構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の窒
    化アルミニウム薄膜−金属電極積層体。
  4. 【請求項4】 前記窒化アルミニウム薄膜は前記第1の
    金属層と接して形成されていることを特徴とする、請求
    項1〜3のいずれかに記載の窒化アルミニウム薄膜−金
    属電極積層体。
  5. 【請求項5】 前記窒化アルミニウム薄膜と前記第1の
    金属層との間に、前記金属電極の厚さの0.1倍以下の
    厚さの金属層または化合物層からなる界面層が形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体。
  6. 【請求項6】 前記界面層は、アルミニウム、シリコ
    ン、アルミニウムを主成分とする合金または化合物、お
    よびシリコンを主成分とする合金または化合物から選ば
    れる金属または化合物で構成されていることを特徴とす
    る、請求項5に記載の窒化アルミニウム薄膜−金属電極
    積層体。
  7. 【請求項7】 前記第2の金属層の前記第1の金属層に
    面する側とは反対の側の面に、密着金属層が形成されて
    いることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載
    の窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体。
  8. 【請求項8】 前記密着金属層は、マグネシウム、チタ
    ン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、
    タンタル、クロム、ニッケル、マグネシウムを主成分と
    する合金、チタンを主成分とする合金、バナジウムを主
    成分とする合金、ジルコニウムを主成分とする合金、ハ
    フニウムを主成分とする合金、ニオブを主成分とする合
    金、タンタルを主成分とする合金、クロムを主成分とす
    る合金、およびニッケルを主成分とする合金から選ばれ
    る金属で構成されていることを特徴とする請求項7に記
    載の窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体。
  9. 【請求項9】 前記窒化アルミニウム薄膜の(000
    2)回折ピークのロッキング・カーブ半値幅(FWH
    M)が3.3°未満であることを特徴とする、請求項1
    〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウム薄膜−金属電
    極積層体。
  10. 【請求項10】 前記第1の金属層の(110)回折ピ
    ークのロッキング・カーブ半値幅(FWHM)が4.5
    °未満であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれ
    かに記載の窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体。
  11. 【請求項11】 圧電体薄膜が複数の電極の間に挟み込
    まれ、前記圧電体薄膜がその周囲の支持により中心部に
    て橋架けされてなる構造を有する薄膜圧電共振子におい
    て、前記圧電体薄膜と前記電極のうちの1つが請求項1
    〜10のいずれかに記載の窒化アルミニウム薄膜−金属
    電極積層体で構成されていることを特徴とする薄膜圧電
    共振子。
  12. 【請求項12】 振動空間を有する半導体あるいは絶縁
    体からなる基板と、該基板の前記振動空間に面する位置
    にて下部電極、圧電体薄膜および上部電極がこの順に積
    層された積層構造体とを備えている薄膜圧電共振子にお
    いて、前記圧電体薄膜と前記下部電極とが請求項1〜1
    0のいずれかに記載の窒化アルミニウム薄膜−金属電極
    積層体で構成されていることを特徴とする薄膜圧電共振
    子。
  13. 【請求項13】 前記上部電極は互いに隔離して配置さ
    れた2つの電極部からなることを特徴とする、請求項1
    2に記載の薄膜圧電共振子。
  14. 【請求項14】 前記振動空間に面する位置にて前記積
    層構造体には少なくとも一層の酸化シリコンおよび/ま
    たは窒化シリコンを主成分とする絶縁層が付されている
    ことを特徴とする、請求項12〜13のいずれかに記載
    の薄膜圧電共振子。
  15. 【請求項15】 前記上部電極は、モリブデン、タング
    ステン、ニオブ、アルミニウム、モリブデンを主成分と
    する合金、タングステンを主成分とする合金、ニオブを
    主成分とする合金、およびアルミニウムを主成分とする
    合金のうちから選ばれる金属を含んで構成されているこ
    とを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の
    薄膜圧電共振子。
  16. 【請求項16】 前記上部電極は、モリブデン、タング
    ステン、ニオブ、モリブデンを主成分とする合金、タン
    グステンを主成分とする合金、ニオブを主成分とする合
    金、イリジウム、白金、金、銀、イリジウムを主成分と
    する合金、白金を主成分とする合金、金を主成分とする
    合金、銀を主成分とする合金、マグネシウム、アルミニ
    ウム、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウ
    ム、タンタル、クロム、ニッケル、マグネシウムを主成
    分とする合金、アルミニウムを主成分とする合金、チタ
    ンを主成分とする合金、バナジウムを主成分とする合
    金、ジルコニウムを主成分とする合金、ハフニウムを主
    成分とする合金、タンタルを主成分とする合金、クロム
    を主成分とする合金、およびニッケルを主成分とする合
    金から選ばれる金属からなる金属層の2種類以上の積層
    を含んで構成されていることを特徴とする、請求項12
    〜14のいずれかに記載の薄膜圧電共振子。
  17. 【請求項17】 振動空間を有する半導体あるいは絶縁
    体からなる基板と、該基板の前記振動空間に面する位置
    にて下部電極、第1の圧電体薄膜、内部電極、第2の圧
    電体膜および上部電極がこの順に積層された積層構造体
    とを備えている薄膜圧電共振子において、前記第1の圧
    電体薄膜と前記下部電極とが請求項1〜10のいずれか
    に記載の窒化アルミニウム薄膜−金属電極積層体で構成
    されていることを特徴とする薄膜圧電共振子。
  18. 【請求項18】 前記振動空間に面する位置にて前記積
    層構造体には少なくとも一層の酸化シリコンおよび/ま
    たは窒化シリコンを主成分とする絶縁層が付されている
    ことを特徴とする、請求項17に記載の薄膜圧電共振
    子。
  19. 【請求項19】 前記上部電極及び前記内部電極のそれ
    ぞれは、モリブデン、タングステン、ニオブ、アルミニ
    ウム、モリブデンを主成分とする合金、タングステンを
    主成分とする合金、ニオブを主成分とする合金、および
    アルミニウムを主成分とする合金のうちから選ばれる金
    属を含んで構成されていることを特徴とする、請求項1
    7〜18のいずれかに記載の薄膜圧電共振子。
  20. 【請求項20】 前記上部電極及び前記内部電極のそれ
    ぞれは、モリブデン、タングステン、ニオブ、モリブデ
    ンを主成分とする合金、タングステンを主成分とする合
    金、ニオブを主成分とする合金、イリジウム、白金、
    金、銀、イリジウムを主成分とする合金、白金を主成分
    とする合金、金を主成分とする合金、銀を主成分とする
    合金、マグネシウム、アルミニウム、チタン、バナジウ
    ム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、クロム、ニ
    ッケル、マグネシウムを主成分とする合金、アルミニウ
    ムを主成分とする合金、チタンを主成分とする合金、バ
    ナジウムを主成分とする合金、ジルコニウムを主成分と
    する合金、ハフニウムを主成分とする合金、タンタルを
    主成分とする合金、クロムを主成分とする合金、および
    ニッケルを主成分とする合金から選ばれる金属からなる
    金属層の2種類以上の積層を含んで構成されていること
    を特徴とする、請求項17〜18のいずれかに記載の薄
    膜圧電共振子。
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