JP6185292B2 - 弾性波デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、弾性波デバイスに関し、例えば圧電膜を挟む下部電極及び上部電極を備える弾性波デバイスに関する。
携帯電話をはじめとする無線機器等のフィルタ及びデュプレクサに、バルク波(BAW:Bulk Acoustic Wave)を利用した圧電薄膜共振器が用いられている。圧電薄膜共振器は、下部電極と上部電極とが圧電膜を挟んで対向する構造をしている。下部電極と上部電極とが圧電膜を挟んで対向する領域が共振領域である。圧電薄膜共振器の圧電膜は、一般的に、弾性定数の温度係数が負である。したがって、圧電薄膜共振器の共振周波数は、温度上昇と共に低周波数側にシフトする。このように、圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスでは、共振周波数、反共振周波数、及び通過帯域等が温度により変化する。
周波数の温度変化を抑制するために、圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する絶縁膜を温度補償膜として用いる圧電薄膜共振器が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。温度補償膜を用いることによる電気機械結合係数の低下を抑制するために、温度補償膜の上下面に短絡させた導電膜を設けた圧電薄膜共振器、下部電極又は上部電極内に温度補償膜を埋め込んだ圧電薄膜共振器が提案されている(例えば、特許文献5〜7参照)。また、共振領域における電極の周辺部が中央部より薄い場合、共振特性が劣化することが知られている(例えば、特許文献8参照)。
特開昭58−137317号公報 特開2013−38471号公報 特開2013−34130号公報 特開2013−38658号公報 特開昭60−16010号公報 米国特許出願公開第2011/0266925号明細書 米国特許第6420820号明細書 特開2006−109472号公報
周波数の温度変化を抑制するために、圧電膜内に温度補償膜を設けた場合、電気機械結合係数が低下してしまう。下部電極又は上部電極内に温度補償膜を埋め込んだ場合、温度補償膜の上下面の電極同士を短絡させるため、共振領域における下部電極又は上部電極の周辺部が中央部より薄くなってしまい、特許文献8に記載されているように、共振特性が劣化してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、良好な共振特性を得ることを目的とする。
本発明は、基板上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜を挟んで対向した下部電極および上部電極と、前記下部電極と前記上部電極とが前記圧電膜を挟んで対向する共振領域内で前記下部電極の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する温度補償膜と、前記共振領域内で前記温度補償膜の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記温度補償膜よりも高い音響インピーダンスを有する付加膜と、を備え、前記共振領域において前記付加膜の下に空隙が設けられている、弾性波デバイスである。本発明によれば、良好な共振特性を得ることができる。
上記構成において、前記温度補償膜は絶縁膜からなり、前記付加膜は金属膜からなり、前記付加膜と前記下部電極は接していない構成とすることができる。
本発明は、基板上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜を挟んで対向した下部電極および上部電極と、前記下部電極と前記上部電極とが前記圧電膜を挟んで対向する共振領域内で前記上部電極の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する絶縁膜からなる温度補償膜と、前記共振領域内で前記温度補償膜の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記温度補償膜よりも高い音響インピーダンスを有する金属膜からなる付加膜と、を備え、前記付加膜と前記上部電極とは接していない、弾性波デバイスである。
上記構成において、前記下部電極および前記上部電極のうちの前記付加膜が設けられた側の電極の単位面積当たりの質量は、前記付加膜の単位面積当たりの質量よりも重い構成とすることができる。また、上記構成において、前記付加膜は、前記下部電極および前記上部電極と同じ材料を含む構成とすることができる。また、上記構成において、前記下部電極および前記上部電極のうちの前記付加膜が設けられた側の電極は、前記付加膜よりも厚い構成とすることができる。
上記構成において、前記付加膜は、絶縁材料からなる構成とすることができる。
上記構成において、前記温度補償膜および前記付加膜は、前記共振領域の全体を覆って設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記温度補償膜は、前記共振領域から前記圧電膜の下面を覆うように延在している構成とすることができる。
上記構成において、前記温度補償膜は、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸化ゲルマニウムを主成分とする絶縁膜である構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電膜は、窒化アルミニウムを主成分とする構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域において前記下部電極下に空隙が設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域において前記下部電極下に前記圧電膜を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜が設けられている構成とすることができる。
本発明によれば、良好な共振特性を得ることができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図1(b)は、図1(a)のA−A間の断面図、図1(c)は、共振領域を拡大した断面模式図である。 図2(a)から図2(d)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図(その1)である。 図3(a)から図3(c)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図(その2)である。 図4(a)及び図4(b)は、比較例1及び実施例1の圧電薄膜共振器の共振周波数及び反共振周波数の温度依存性を示す図である。 図5(a)は、共振周波数のQ値のシミュレーション結果、図5(b)は、反共振周波数のQ値のシミュレーション結果、図5(c)は、電気機械結合係数のシミュレーション結果である。 図6(a)は、共振周波数のQ値の測定結果、図6(b)は、反共振周波数のQ値の測定結果、図6(c)は、電気機械結合係数の測定結果である。 図7(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図7(b)は、図7(a)のA−A間の断面図、図7(c)は、共振領域を拡大した断面模式図である。 図8(a)から図8(d)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図(その1)である。 図9(a)から図9(c)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図(その2)である。 図10(a)は、共振周波数のQ値の測定結果、図10(b)は、反共振周波数のQ値の測定結果、図10(c)は、電気機械結合係数の測定結果である。 図11(a)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図11(b)は、図11(a)のA−A間の断面図、図11(c)は、共振領域を拡大した断面模式図である。 図12(a)から図12(d)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図(その1)である。 図13(a)から図13(d)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図(その2)である。 図14(a)は、実施例4に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図14(b)は、図14(a)のA−A間の断面図である。 図15(a)は、実施例5に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図15(b)は、図15(a)のA−A間の断面図である。 図16は、実施例6に係るラダー型フィルタを示す回路図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
実施例1は、フィルタ等の弾性波デバイスに用いられるFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)構造の圧電薄膜共振器について説明する。図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図1(b)は、図1(a)のA−A間の断面図、図1(c)は、共振領域を拡大した断面模式図である。図1(a)から図1(c)のように、例えばシリコン(Si)基板からなる基板10上に、基板10の上面との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成されるように付加膜12が設けられている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが低く、空隙30の中央ほど空隙30の高さが高くなるような形状の膨らみである。
付加膜12上に、温度補償膜14が設けられている。温度補償膜14上に、下部電極16が設けられている。付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16は、同一形状をしている。付加膜12は、温度補償膜14よりも高い音響インピーダンスを有する。付加膜12は、例えば基板10側からクロム(Cr)膜とルテニウム(Ru)膜とが積層された金属膜である。温度補償膜14は、後述する圧電膜18の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する。温度補償膜14は、例えばフッ素が添加された酸化シリコン(SiOF)膜である。下部電極16は、例えばRu膜である。付加膜12と下部電極16とは、その間に温度補償膜14が介在しており、互いに接していないため短絡していない。このように、付加膜12は、弾性波の励振に対して電気的に寄与する膜ではない。
下部電極16及び基板10上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)からなる圧電膜18が設けられている。下部電極16と対向する領域(共振領域32)を有するように、圧電膜18上に上部電極20が設けられている。共振領域32は、楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。上部電極20は、例えば圧電膜18側からRu膜とCr膜とが積層された金属膜である。
付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16の積層部には、犠牲層をエッチングするための導入路34が形成されている。犠牲層は、空隙30を形成するための層である。導入路34の先端付近は圧電膜18で覆われておらず、上記積層部は導入路34の先端に孔部36を有する。圧電膜18には、下部電極16と電気的に接続するための開口38が設けられている。開口38の底の下部電極16に、外部接続用の金(Au)等のバンプ用下地膜が設けられていてもよい。
基板10として、Si基板以外に、石英基板、ガラス基板、セラミック基板、又はガリウム砒素(GaAs)基板等を用いてもよい。下部電極16及び上部電極20としては、Ru及びCr以外にも、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、又はイリジウム(Ir)等の単層膜又はこれらの積層膜を用いてもよい。
圧電膜18は、AlN以外にも、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、又はチタン酸鉛(PbTiO)等を用いてもよい。また、圧電膜18は、AlNを主成分とし、共振特性の向上又は圧電性の向上のために他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素にスカンジウム(Sc)を用いることで、圧電膜18の圧電性を向上でき、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。
温度補償膜14の弾性定数は、温度特性の改善のために、圧電膜18の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数を有する。例えば、圧電膜18がAlNからなる場合、弾性定数の温度係数は負である。よって、温度補償膜14としては、弾性定数の温度係数が正である材料、例えばSiOF膜を用いる。SiOF以外にも、弾性定数の温度係数が正である材料を用いることができ、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又は酸化ゲルマニウム膜等の絶縁膜を用いてもよい。これらの膜は、化学量論的な組成でなくてもよい。また、温度補償膜14は、SiOF膜のように、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸化ゲルマニウムを主成分する絶縁膜とし、共振特性の向上又は温度特性の改善のため、他の元素を含んでもよい。例えば、温度補償膜14は、酸化シリコンを主成分とし、フッ素(F)、水素(H)、CH、CH、塩素(Cl)、炭素(C)、窒素(N)、リン(P)、及び硫黄(S)のうちの少なくとも1つ又は2つ以上の元素が添加されていてもよい。このように、温度補償膜14に他の元素が添加された酸化シリコン膜を用いることで、温度補償膜14の弾性定数の温度係数を大きくすることができ、温度補償膜14の膜厚を薄くすることができる。
付加膜12は、温度補償膜14よりも高い音響インピーダンスを有する。例えば、温度補償膜14がSiOF膜からなる場合、付加膜12としては、Ru膜、Cr膜、RuとCrの積層膜、窒化アルミニウム(AlN)膜、又は酸化アルミニウム(Al)膜等を用いることができる。このように、付加膜12は、下部電極16、上部電極20、又は圧電膜18に含まれる材料と同じ材料を選択してもよい。
図2(a)から図3(c)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図である。なお、図1(a)から図1(c)の圧電薄膜共振器の製造のためには、犠牲層を用いて空隙30を形成するが、以下の説明では、付加膜12、温度補償膜14、下部電極16、圧電膜18、及び上部電極20の形成方法について説明し、その他の説明は省略する。
図2(a)のように、基板10上に付加膜12を成膜する。付加膜12の成膜は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いることができる。図2(b)のように、付加膜12上に温度補償膜14を成膜する。温度補償膜14の成膜は、例えばスパッタリング法又はCVD法を用いることができる。図2(c)のように、温度補償膜14上に下部電極16を成膜する。下部電極16の成膜は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、又はCVD法を用いることができる。
図2(d)のように、付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16を、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、所望の形状に一体加工でパターニングする。このように、付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16を一体加工することで、製造工程を簡略化でき、それぞれは同じ形状となる。
図3(a)のように、下部電極16及び基板10上に圧電膜18を成膜する。圧電膜18の成膜は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法を用いることができる。図3(b)のように、圧電膜18上に上部電極20を成膜する。上部電極20の成膜は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法を用いることができる。その後、上部電極20を、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングする。これにより、下部電極16と上部電極20とが重なる共振領域32が形成される。
図3(c)のように、例えばフォトレジスト(不図示)をエッチング用マスクとして、圧電膜18をエッチングする。これにより、下部電極16と電気的に接続するための開口38が形成される。なお、フォトレジストの代わりに、上部電極20をエッチング用マスクに用いてもよい。圧電膜18のエッチングは、ウエットエッチング法又はドライエッチング法を用いることができる。圧電膜18がAlNからなる場合、圧電膜18のエッチングは、例えばリン酸を含む溶液をエッチング液として用いることができる。
実施例1の圧電薄膜共振器を作製し、周波数の温度依存性を測定した。作製した圧電薄膜共振器の付加膜12は、基板10側から膜厚100nmのCr膜と膜厚30nmのRu膜とが積層された金属膜とした。温度補償膜14は、膜厚135nmで、F濃度が9atm%のSiOF膜とした。下部電極16は、膜厚130nmのRu膜とした。圧電膜18は、膜厚1.2μmのAlN膜とした。上部電極20は、圧電膜18側から膜厚210nmのRu膜と膜厚40nmのCr膜とが積層された金属膜とした。また、比較のために、温度補償膜14を形成せず、その他の構成は実施例1と同じにした比較例1の圧電薄膜共振器も作製し、周波数の温度依存性を測定した。
図4(a)及び図4(b)は、比較例1及び実施例1の圧電薄膜共振器の共振周波数及び反共振周波数の温度依存性を示す図である。共振周波数frは、圧電薄膜共振器の反射特性S11を測定することにより求めた。反共振周波数faは、圧電薄膜共振器の通過特性S21を測定することにより求めた。図4(a)及び図4(b)は、圧電薄膜共振器のS11及びS21を−35℃から85℃まで20℃間隔で測定した結果である。
図4(a)のように、比較例1の圧電薄膜共振器の共振周波数frの温度係数は、−27.3ppm/℃であり、反共振周波数faの温度係数は、−32.1ppm/℃であった。一方、図4(b)のように実施例1の圧電薄膜共振器の共振周波数frの温度係数は、−11.6ppm/℃であり、反共振周波数faの温度係数は、−10.5ppm/℃であった。このように、実施例1は、比較例1に対して、温度係数が約20ppm/℃改善した結果が得られた。実施例1で周波数の温度係数が小さくなるのは、圧電膜18の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する温度補償膜14を設けているためである。このように、下部電極16の圧電膜18に対して反対側の面に温度補償膜14を設けることで、共振周波数及び反共振周波数の温度依存性を低減できる。
次に、実施例1の圧電薄膜共振器の共振周波数のQ値、反共振周波数のQ値、及び電気機械結合係数を測定したシミュレーションについて説明する。シミュレーションに用いた圧電薄膜共振器の各層の材料及び膜厚を表1に示す。また、比較のために、付加膜12を設けない比較例2の圧電薄膜共振器に対してもシミュレーションを行った。なお、シミュレーションを行ったサンプル1〜3は、同じ温度特性(共振周波数の温度係数が約−10ppm/℃)となるように、付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16の膜厚を調整した。また、上部電極20上に保護膜を設けた構成とした。
Figure 0006185292
図5(a)は、共振周波数のQ値のシミュレーション結果、図5(b)は、反共振周波数のQ値のシミュレーション結果、図5(c)は、電気機械結合係数のシミュレーション結果である。図5(a)及び図5(b)のように、付加膜12を設けたサンプル1及びサンプル2(実施例1)は、付加膜12を設けていないサンプル3(比較例2)に対して、共振周波数及び反共振周波数のQ値が良好な結果が得られた。このように、付加膜12を設けることで良好なQ値が得られた理由は以下のように考えられる。
即ち、付加膜12が設けられていない場合、弾性波エネルギーは、温度補償膜14と保護膜(不図示)との間に閉じ込められ、その強度は、温度補償膜14及び保護膜(不図示)に向かうに連れて弱くなる。したがって、温度補償膜14は、弾性波エネルギーが小さい部分に設けられることになり、温度特性を改善するためには、表1のように、温度補償膜14を厚くすることになる。一方、付加膜12が設けられている場合は、弾性波エネルギーは、付加膜12と保護膜(不図示)との間に閉じ込められる。よって、温度補償膜14は、付加膜12が設けられていない場合と比べて弾性波エネルギーがより大きい部分に設けられ、表1のように、温度特性を改善するための温度補償膜14の厚さを薄くすることができる。このように、付加膜12を設けることで、温度特性を改善するための温度補償膜14の厚さを薄くでき、その結果、サンプル1及びサンプル2(実施例1)は、共振周波数及び反共振周波数のQ値が改善したものと考えられる。また、上述したように、圧電膜内に温度補償膜を設けた場合、電気機械結合係数の低下が生じてしまうが、サンプル1及びサンプル2(実施例1)では、下部電極16の下側に温度補償膜14を設けているため、図5(c)のように、良好な電気機械結合係数が得られている。
また、図5(a)から図5(c)のように、付加膜12にRu膜を用いた場合(サンプル1)でも、AlN膜を用いた場合(サンプル2)でも、単位面積当たりの質量を同じにすることで、同等のQ値及び電気機械結合係数が得られた。
次に、実施例1の圧電薄膜共振器を作製し、共振周波数のQ値、反共振周波数のQ値、及び電気機械結合係数を測定した。作製した圧電薄膜共振器の各層の材料及び膜厚を表2に示す。なお、作製したサンプル4、5は、同じ温度特性(共振周波数の温度係数が約−10ppm/℃)となるように、付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16の膜厚を調整した。また、上部電極20上に保護膜を設けた。
Figure 0006185292
図6(a)は、共振周波数のQ値の測定結果、図6(b)は、反共振周波数のQ値の測定結果、図6(c)は、電気機械結合係数の測定結果である。図6(a)から図6(c)のように、サンプル4及びサンプル5(実施例1)は、共振周波数のQ値、反共振周波数のQ値、及び電気機械結合係数が良好な結果が得られた。また、サンプル5は、サンプル4に対して、反共振周波数のQ値が改善している。これは、サンプル4は、付加膜12にCr膜だけを用いているのに対し、サンプル5は、付加膜12にCrよりも音響インピーダンスの高いRu膜をさらに設け且つ下部電極16を薄くしている。これにより、サンプル5は、サンプル4と比べて、温度補償膜14が圧電膜18に近づくため、同じ温度特性を得るための温度補償膜14の膜厚を薄くでき、その結果、反共振周波数のQ値が改善したものと考えられる。このように、付加膜12に音響インピーダンスの高い膜を用い且つ下部電極16を薄くすることで、温度補償膜14を薄くでき、その結果、共振特性を改善することができる。
以上説明してきたように、実施例1によれば、下部電極16の圧電膜18に対して反対の面に、圧電膜18の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する温度補償膜14が設けられている。これにより、図4(a)及び図4(b)のように、周波数の温度依存性を低減できる。また、温度補償膜14の圧電膜18に対して反対の面に、温度補償膜14よりも高い音響インピーダンスを有する付加膜12が設けられている。これにより、図5(a)から図6(c)のように、良好な共振特性を得ることができる。
表1及び図5(a)から図5(c)のように、付加膜12は、金属からなる場合でも、絶縁材料からなる場合でも、良好な共振特性を得ることができる。付加膜12が金属からなる場合、下部電極16及び上部電極20と同じ材料を含む構成としてもよい。また、付加膜12が絶縁材料からなる場合、圧電膜18と同じ材料を含む構成としてもよい。
図1(a)から図1(c)のように、周波数の温度依存性を低減する観点から、温度補償膜14及び付加膜12は、共振領域32を覆って設けられていることが好ましい。例えば、温度補償膜14及び付加膜12は、共振領域32の全体を覆って設けられていることが好ましい。また、温度補償膜14及び付加膜12が共振領域32を覆って設けられていることで、共振領域32における膜の厚みを均一にすることができる。このため、特許文献8に記載されているような共振特性の劣化を抑制することができる。
実施例2は、付加膜12及び温度補償膜14が、上部電極20側に設けられた場合の例である。図7(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図7(b)は、図7(a)のA−A間の断面図、図7(c)は、共振領域を拡大した断面模式図である。図7(a)から図7(c)のように、上部電極20上に温度補償膜14が設けられ、温度補償膜14上に付加膜12が設けられている。上部電極20と付加膜12とは短絡してなく、付加膜12は、弾性波の励振に対して電気的に寄与しない。その他の構成は、実施例1の図1(a)から図1(c)と同じであり、説明を省略する。
図8(a)から図9(c)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図である。なお、実施例1と同様に、付加膜12、温度補償膜14、下部電極16、圧電膜18、及び上部電極20の形成について説明し、その他の説明は省略する。
図8(a)のように、基板10上に、下部電極16を成膜する。その後、下部電極16を、フォトリソグラフ技術及びエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングする。図8(b)のように、下部電極16及び基板10上に、圧電膜18を成膜する。図8(c)のように、圧電膜18上に、上部電極20を成膜する。図8(d)のように、上部電極20上に、温度補償膜14を成膜する。
図9(a)のように、温度補償膜14上に、付加膜12を成膜する。図9(b)のように、付加膜12、温度補償膜14、及び上部電極20を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて、所望の形状に一体加工でパターニングする。これにより、下部電極16と上部電極20とが重なる共振領域32が形成される。図9(c)のように、例えばフォトレジスト(不図示)をエッチング用マスクとして、圧電膜18をエッチングする。これにより、下部電極16と電気的に接続するための開口38が形成される。なお、付加膜12をエッチング用マスクに用いてもよい。
実施例2の圧電薄膜共振器を作製し、共振周波数のQ値、反共振周波数のQ値、及び電気機械結合係数を測定した。作製した圧電薄膜共振器の各層の材料及び膜厚を表3に示す。なお、作製したサンプル6、7は、同じ温度特性(共振周波数の温度係数が約−15ppm/℃)となるように、付加膜12、温度補償膜14、及び上部電極20の膜厚を調整した。また、付加膜12上に保護膜を設けた。
Figure 0006185292
図10(a)は、共振周波数のQ値の測定結果、図10(b)は、反共振周波数のQ値の測定結果、図10(c)は、電気機械結合係数の測定結果である。図10(a)から図10(c)のように、反共振周波数のQ値及び電気機械結合係数は、サンプル6、7共に同程度の良好な結果が得られているのに対し、共振周波数のQ値は、サンプル6では、サンプル7と比べて低下した結果となった。サンプル6のように、上部電極20を薄くして温度補償膜14を圧電膜18に近づけることで、サンプル7と同じ温度特性を得るための温度保障膜14を薄くできる。しかしながら、上部電極20が薄くなりすぎると、弾性波の励振において抵抗による電気的ロスが大きくなり、共振周波数のQ値が低下することが分かった。したがって、上部電極20と付加膜12とが同じ材料を含んでいる場合、共振特性を改善するには、上部電極20の厚さが付加膜12よりも厚いことが好ましいことが分かった。また、上部電極20の質量を1とした場合、付加膜12の質量比は、サンプル6では約11、サンプル7では約0.5であった。このことから、付加膜12が設けられている側の電極(ここでは、上部電極20)の単位面積当たりの質量を、付加膜12の単位面積当たりの質量よりも重くすることで、共振特性を改善できることが分かった。
実施例2のように、上部電極20の圧電膜18に対して反対の面に温度補償膜14が設けられ、温度補償膜14の圧電膜18に対して反対の面に付加膜12が設けられていてもよい。このように、下部電極16及び上部電極20の少なくとも一方の圧電膜18に対して反対の面に温度補償膜14が設けられ、温度補償膜14の圧電膜18に対して反対の面に付加膜12が設けられていればよい。
また、図10(a)から図10(c)の結果より、付加膜12が設けられた側の電極(上部電極20)の単位面積当たりの質量を、付加膜12の単位面積当たりの質量よりも重くすることが好ましい。これにより、より良好な共振特性を得ることができる。なお、実施例2では、付加膜12が、上部電極20と同じ材料を含む金属膜である場合を例に示したが、上部電極20と異なる金属材料からなる場合や絶縁材料からなる場合でも、この要件を満たすことで、より良好な共振特性を勿論得ることができる。また、付加膜12が上部電極20と同じ材料を含む場合には、上部電極20の厚さを付加膜12よりも厚くすることが、良好な共振特性を得る点で好ましいことが分かる。
実施例2でも、製造の簡略化のために、付加膜12、温度補償膜14、及び上部電極20は一体加工で形成されているため、これらは同じ形状をしている。つまり、付加膜12及び温度補償膜14は、実施例1と同様、共振領域32を覆って設けられている。
図11(a)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図11(b)は、図11(a)のA−A間の断面図、図11(c)は、共振領域を拡大した断面模式図である。図11(a)から図11(c)のように、下部電極16の下面に設けられた温度補償膜14が、共振領域32から圧電膜18の下面を覆うように延在している。例えば、温度補償膜14は、少なくとも圧電膜18の下面全体を覆うように延在している。その他の構成は、実施例1の図1(a)から図1(c)と同じであり、説明を省略する。なお、付加膜12は、下部電極16と同様な形状にパターニングされているが、温度補償膜14と同様に、圧電膜18の下面を覆うように延在していてもよい。
図12(a)から図13(d)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面模式図である。実施例1と同様に、付加膜12、温度補償膜14、下部電極16、圧電膜18、及び上部電極20の形成について説明し、その他の説明は省略する。
図12(a)のように、基板10上に、付加膜12を成膜する。図12(b)のように、付加膜12を、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングする。図12(c)のように、付加膜12及び基板10上に、温度補償膜14を成膜する。図12(d)のように、温度補償膜14上に、下部電極16を成膜する。
図13(a)のように、下部電極16を、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングする。図13(b)のように、下部電極16及び温度補償膜14上に、圧電膜18を成膜する。図13(c)のように、圧電膜18上に、上部電極20を成膜する。その後、上部電極20を、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングする。これにより、下部電極16と上部電極20とが重なる共振領域32が形成される。図13(d)のように、例えばフォトレジスト(不図示)をエッチング用マスクとして、圧電膜18をエッチングする。これにより、下部電極16と電気的に接続するための開口38が形成される。
実施例3によれば、温度補償膜14は、下部電極16の圧電膜18に対して反対側の面に設けられ、共振領域32から圧電膜18の下面を覆うように延在している。これにより、圧電膜18の下面が温度補償膜14で保護され、製造工程中又はデバイス完成後に圧電膜18が受けるダメージを抑制することができ、信頼性を向上させることができる。
実施例4は、空隙の構成を変えた例である。図14(a)は、実施例4に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図14(b)は、図14(a)のA−A間の断面図である。図14(a)及び図14(b)のように、基板10の上面に窪みが形成されている。付加膜12、温度補償膜14、及び下部電極16は、基板10上にほぼ平坦に形成されている。これにより、基板10の窪みが、空隙30として機能する。空隙30は、共振領域32に形成されている。その他の構成は、実施例1の図1(a)から図1(c)と同じであり、説明を省略する。なお、空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。
実施例5は、空隙の代わりに音響反射膜を設けた例である。図15(a)は、実施例5に係る圧電薄膜共振器を示す上面図、図15(b)は、図15(a)のA−A間の断面図である。図15(a)及び図15(b)のように、共振領域32の付加膜12の下面に音響反射膜42が設けられている。音響反射膜42は、圧電膜18を伝搬する弾性波を反射する膜であり、音響インピーダンスの低い膜40aと音響インピーダンスの高い膜40bとが交互に設けられている。音響インピーダンスの低い膜40aと高い膜40bの膜厚は、λ/4(λは弾性波の波長)程度である。音響インピーダンスの低い膜40aと高い膜40bの積層数は任意に設定できる。なお、付加膜12と温度補償膜14との膜厚は、λ/4よりも十分薄いため、音響反射膜としては機能してない。その他の構成は、実施例1の図1(a)から図1(c)と同じであり、説明を省略する。
このように、圧電薄膜共振器は、実施例1から実施例4のように、共振領域32における下部電極16下に空隙30が設けられたFBAR構造の場合でもよい。実施例5のように、共振領域32における下部電極16下に音響反射膜42が設けられたSMR(Solidly Mounted Resonator)構造の場合でもよい。また、実施例4及び実施例5では、実施例1のように、下部電極16の下面に温度補償膜14が設けられ、温度補償膜14の下面に付加膜12が設けられた場合を例に示したが、実施例2のように、上部電極20の上面に温度補償膜14が設けられ、温度補償膜14の上面に付加膜12が設けられた場合でもよい。また、実施例3のように、下部電極16の下面に設けられた温度補償膜14が、圧電膜18の下面を覆っていてもよい。
実施例6は、実施例1から実施例5の圧電薄膜共振器をフィルタに用いた例である。図16は、実施例6に係るラダー型フィルタを示す回路図である。図6のように、ラダー型フィルタは、1又は複数の直列共振器S1〜S3、及び、1又は複数の並列共振器P1〜P2を備えている。直列共振器S1〜S3は、入出力端子T1とT2との間に直列に接続されている。並列共振器P1〜P2は、入出力端子T1とT2との間に並列に接続されている。直列共振器S1〜S3及び並列共振器P1〜P2の少なくとも1つを、実施例1から実施例5に例示した圧電薄膜共振器とすることができる。
直列共振器と並列共振器との間に共振周波数差を設ける場合、例えば上部電極の膜厚を変えることで対応することができる。また、各共振器の共振周波数を個別に調整するための質量負荷膜を設けてもよい。さらに、直列共振器と並列共振器の共振周波数を同時に調整させるための周波数調整膜を、少なくとも共振領域を含む上部電極上に設けてもよい。周波数調整膜は、例えば絶縁層で形成することができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 付加膜
14 温度補償膜
16 下部電極
18 圧電膜
20 上部電極
30 空隙
32 共振領域
40a 音響インピーダンスの低い膜
40b 音響インピーダンスの高い膜
42 音響反射膜

Claims (13)

  1. 基板上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜を挟んで対向した下部電極および上部電極と、
    前記下部電極と前記上部電極とが前記圧電膜を挟んで対向する共振領域内で前記下部電極の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する温度補償膜と、
    前記共振領域内で前記温度補償膜の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記温度補償膜よりも高い音響インピーダンスを有する付加膜と、を備え、
    前記共振領域において前記付加膜の下に空隙が設けられている、弾性波デバイス。
  2. 前記温度補償膜は絶縁膜からなり、
    前記付加膜は金属膜からなり、
    前記付加膜と前記下部電極は接していない、請求項1記載の弾性波デバイス。
  3. 基板上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜を挟んで対向した下部電極および上部電極と、
    前記下部電極と前記上部電極とが前記圧電膜を挟んで対向する共振領域内で前記上部電極の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数の弾性定数を有する絶縁膜からなる温度補償膜と、
    前記共振領域内で前記温度補償膜の前記圧電膜に対して反対側の面に設けられ、前記温度補償膜よりも高い音響インピーダンスを有する金属膜からなる付加膜と、を備え、
    前記付加膜と前記上部電極とは接していない、弾性波デバイス。
  4. 前記共振領域において前記下部電極下に空隙が設けられている請求項記載の弾性波デバイス。
  5. 前記共振領域において前記下部電極下に前記圧電膜を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜が設けられている請求項記載の弾性波デバイス。
  6. 前記下部電極および前記上部電極のうちの前記付加膜が設けられた側の電極の単位面積当たりの質量は、前記付加膜の単位面積当たりの質量よりも重い請求項1から5のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  7. 前記付加膜は、前記下部電極および前記上部電極と同じ材料を含む請求項1から6のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  8. 前記下部電極および前記上部電極のうちの前記付加膜が設けられた側の電極は、前記付加膜よりも厚い請求項記載の弾性波デバイス。
  9. 前記付加膜は、絶縁材料からなる請求項記載の弾性波デバイス。
  10. 前記温度補償膜および前記付加膜は、前記共振領域の全体を覆って設けられている請求項1からのいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  11. 前記温度補償膜は、前記共振領域から前記圧電膜の下面を覆うように延在している請求項1または2記載の弾性波デバイス。
  12. 前記温度補償膜は、酸化シリコン、窒化シリコン、または酸化ゲルマニウムを主成分とする絶縁膜である請求項1から11のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
  13. 前記圧電膜は、窒化アルミニウムを主成分とする請求項1から12のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
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