JP2003198065A - 窒化物半導体レーザ素子および光記録再生装置 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子および光記録再生装置

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JP2003198065A JP2001393297A JP2001393297A JP2003198065A JP 2003198065 A JP2003198065 A JP 2003198065A JP 2001393297 A JP2001393297 A JP 2001393297A JP 2001393297 A JP2001393297 A JP 2001393297A JP 2003198065 A JP2003198065 A JP 2003198065A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然放出光の少ない窒化物半導体レーザ素子
を提供する。 【解決手段】 活性層で生成されるレーザ光の波長を含
む波長範囲の光を吸収する特性を有する光吸収部を、素
子内の電流路のうち活性層における光の共振方向に対し
て垂直な方向に狭窄している部分から僅かに離間するよ
うに設けて、活性層からあらゆる方向に出る自然放出光
の一部を光吸収部によって吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体より
成るレーザ素子に関し、特に、自然放出光を抑える構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代の光記録再生装置用の光源には、
高記録密度の実現のため、より集光径を小さくすること
が可能な短波長の光を発するものが用いられる。しか
し、コスト低減のために、光記録再生装置におけるレン
ズや記録媒体である光ディスク等に安価なプラスチック
系の材料を用いることが望ましく、一般にそのような材
料は吸収端が390nm程度であるため、光源が発する
光の波長を400nm前後とすることが求められる。こ
のような短波長光源には、窒化ガリウムに代表される窒
化物より成る半導体レーザ素子が適する。
【0003】窒化物半導体レーザ素子の代表的な構造は
特開平9−289358号に開示されており、図13に
示したようになっている。このレーザ素子は、基板側か
ら順に、N電極111、SiC基板101、AlNバッ
ファ層102、n−GaN層103、n−AlGaNク
ラッド層104、InGaN活性層105、p−AlG
aNクラッド層106、p−GaNコンタクト層10
7、Al23保護膜109、P電極110、SiO2
縁膜112を有する。InGaNより成る活性層105
を有するこのレーザ素子が発するレーザ光の波長は40
5nm程度である。なお、レーザ素子の上部には、素子
内を流れる電流の流路を活性層105における光の共振
方向に対して垂直な方向に狭窄するために、一般の長波
長のレーザ素子と同様に、リッジ構造(p−クラッド層
の凸部)が形成され、その傍らに絶縁性のSiO2膜1
12が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記レーザ素子におけ
る窒化物半導体層102〜107およびSiC基板10
1は、発振波長に対してほとんど透明であって、レーザ
発振時に発生する自然放出光の吸収が少ない。基板とし
てサファイアを使用することも一般的であり、また、窒
化物半導体の光ガイド層で活性層を上下から挟む構造と
することもあるが、これらも同様である。そのため、レ
ーザ素子の出射端面からレーザ光と共に出射する自然放
出光の割合が高い。本発明者が上記構造のレーザ素子を
作製して、一方の出射端面からの出力強度を測定したと
ころ、自然放出光成分の強度は0.5〜1mWであっ
た。
【0005】自然放出光は波長範囲(スペクトル幅)が
広いため雑音が大きい。このため、レーザ素子を例えば
10mW以下の低出力で動作させるときには、自然放出
光成分が相対的に多くなって、全体の雑音も大きくな
る。また、レーザ光の出力をステム等と共にパッケージ
ングされたモニター用PD(フォトダイオード)の検知
電流によって制御する場合、自然放出光成分の割合が大
きいと、出力の揺らぎが大きくなって制御が困難にな
る。レーザ素子の後方に直接設置される内部PDでは、
自然放出光を多く受光することになり、レーザ素子の前
方に集光光学系を介して設置される外部PDでは、相対
的に雑音が高くなるからである。さらに、ホログラムレ
ーザにおいては、レーザ素子の側面等から出射する自然
放出光が迷光となって、制御が困難になることもある。
【0006】リッジ構造を有する窒化物半導体レーザ素
子においては、リッジ構造の側方に設けられる絶縁膜の
屈折率は一般に窒化物半導体の屈折率よりも小さく、こ
のため、活性層からリッジ構造の側方に向かう自然放出
光は、絶縁膜と窒化物半導体層の界面で反射され易い。
例えば、屈折率の大きいGaNから屈折率の小さいSi
2に光が入射する場合、入射角が40゜程度以上にな
ると全反射する。こうして反射された自然放出光は活性
層側に戻ることになり、本来のレーザ光と共に出射端面
から出射し易い。
【0007】一方、現在光記録再生装置の光源として用
いられている比較的長波長のレーザ素子におけるGaA
s等の半導体は、発振波長に対して吸収があり、現在の
レーザ素子のレーザ発振時の自然放出光は、窒化物半導
体レーザ素子に比べて著しく少ない。上記のように自然
放出光の多い窒化物半導体レーザ素子を光記録再生装置
の光源としてそのまま用いると、光出力の微調節が難し
くなったり、低出力発振時の雑音特性が低下したりす
る。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、自然放出光の少ない窒化物半導体レーザ素
子を提供することを目的とする。また、そのようなレー
ザ素子を備えた高性能の光記録再生装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、窒化物半導体より成るレーザ素子であ
って、素子内の電流路のうちレーザ光を生成する活性層
に達する一方の部分が、活性層における光の共振方向に
対して垂直な方向に狭窄しているものにおいて、活性層
で生成されるレーザ光の波長を含む波長範囲の光を吸収
する特性を有し、電流路の狭窄した部分から僅かに離間
して活性層における光の共振方向に延びる光吸収部を備
えるようにする。
【0010】このレーザ素子では、活性層から全方位に
向かう自然放出光の一部は、光吸収部に入射して吸収さ
れる。しかも、光吸収部は電流路の狭窄した部分に近接
しており、したがって活性層のうち光を共振させてレー
ザ光とする部分に近いから、光吸収部に入射する自然放
出光は多く、レーザ素子の外部に出る自然放出光は少な
い。また、光吸収部はレーザ光の波長を含む波長範囲の
光を吸収するから、レーザ素子の外部に出る自然放出光
のうち、レーザ光と同じ波長のものは特に少ない。した
がって、レーザ光の利用に際して悪影響を及ぼし易い自
然放出光が大きく低減される。
【0011】上記のレーザ素子は、電流路の狭窄した部
分を形成するために、活性層における光の共振方向に延
びるリッジ構造と、リッジ構造の側方に位置してリッジ
構造に接する絶縁膜を備え、光吸収部が絶縁膜と活性層
との間に位置する構成とすることができる。リッジ構造
と絶縁膜によって電流路に狭窄した部分を形成すること
は確立された優れた手法であるが、前述のように、絶縁
膜と窒化物半導体層の屈折率の関係によっては、両者の
界面で反射される自然放出光が多くなり、反射された自
然放出光はレーザ光と共に出射端面から出射し易い。し
かし、光吸収部が絶縁膜と活性層との間に位置するこの
構成では、絶縁膜に達する前に自然放出光は吸収される
ことになり、絶縁膜で反射されてレーザ光と共に出射す
る自然放出光は少ない。
【0012】電流路の狭窄した部分を形成するために、
活性層における光の共振方向に延びるリッジ構造と、リ
ッジ構造の側方に位置してリッジ構造に接する絶縁膜を
備え、絶縁膜と活性層との間の層が溝を有し、光吸収部
が絶縁膜と活性層との間の層の溝を埋めている構成とす
ることもできる。この構成では、絶縁膜と活性層との間
の層の溝を深くすることにより、光吸収部を活性層に近
づけて、活性層に対する角度の小さい自然放出光も吸収
することが可能になる。
【0013】電流路の狭窄した部分を形成するために、
活性層における光の共振方向に延びるリッジ構造と、リ
ッジ構造の側方に位置してリッジ構造に接する絶縁膜を
備え、光吸収部が絶縁体より成り、絶縁膜の側方に位置
して絶縁膜に接している構成とすることもできる。この
構成では、リッジ構造の下端よりも深い部位を加工する
必要がなく、製造が容易である。光吸収部は、絶縁体で
あるから、電流路に狭窄した部分を形成するために兼用
することができ、リッジ構造の側方に位置する絶縁膜の
幅を狭くすることが可能である。したがって、光吸収部
が絶縁膜と活性層との間に位置する構成と同様に、光吸
収部によって多くの自然放出光を吸収することができ
る。
【0014】活性層で生成されるレーザ光の波長の光に
対する光吸収部の吸収係数κは0.1以上とするとよ
い。このようにすると、光吸収部をあまり厚くする必要
がなく、製造が容易になる。
【0015】電流路の狭窄した部分と光吸収部との離間
距離は0.3μm以上とするとよい。光吸収部が電流路
に近すぎるとレーザ発振の閾値電流が上昇するが、この
距離であれば閾値の上昇を低く抑えることができる。
【0016】本発明ではまた、光源からの光を光記録媒
体に導いて情報の記録と再生を行う光記録再生装置に、
上記のいずれかのレーザ素子を光源として備えるように
する。レーザ光が短波長であって微小なスポットを形成
することが可能であるから、記録密度が高い上、自然放
出光による雑音が少ないため、情報の記録と再生を正確
に行うことができ、レーザ光の強度の微調節も容易にな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の窒化物半導体レー
ザ素子および光記録再生装置の実施形態について、図面
を参照しながら説明する。第1の実施形態のレーザ素子
1の構成を図1の縦断面図に模式的に示す。レーザ素子
1は、N電極10、n−GaN基板11、n−GaN層
12、n−InGaNクラック防止層13、n−AlG
aNクラッド層14、n−GaNガイド層15、n−I
nGaN活性層16、p−AlGaNバリア層17、p
−GaNガイド層18、p−AlGaNクラッド層1
9、p−GaNコンタクト層20、絶縁膜21、吸収膜
22、およびP電極23より成る。
【0018】n−GaN層12からp−GaNコンタク
ト層20までの窒化物半導体の各層は、n−GaN基板
11の上面にこの順で積層されており、そのうちp−ク
ラッド層19の上部とp−コンタクト層20は、ストラ
イプ状のリッジ構造とされている。図1はこのリッジ構
造に対して垂直な断面を表している。絶縁膜21は、リ
ッジ構造の側面とリッジ構造の側方に位置するp−クラ
ッド層19の上面を覆うように設けられており、吸収膜
22は、p−クラッド層19と絶縁膜21の間に設けら
れている。N電極10は基板11の下面の略全体を覆う
ように、また、P電極23はリッジ構造の上面と側面の
全体とp−クラッド層19の上面の略全体を覆うように
設けられている。
【0019】電流はP電極23とN電極10の間を流れ
るが、リッジ構造と絶縁膜21によって電流路は規制さ
れ、電流路のうちリッジ構造から活性層16までの部分
は狭窄して、リッジ構造の下端の幅に略等しい幅とな
る。以下、電流路のうち狭窄したこの部分を電流狭窄領
域という。活性層16のうち電流狭窄領域の下方に位置
する部分がレーザ光の生成に関与する部分となる。活性
層16における光の共振方向は図1の紙面に対して垂直
であり、生成したレーザ光は図1の紙面に平行な両端面
から出射する。電流路が狭窄していることにより、生成
したレーザ光の幅が狭くなるとともに、活性層16を流
れる電流の密度が増大して、レーザ発振に必要な駆動電
力が少なくなる。
【0020】レーザ発振の際には共振せずに活性層16
からあらゆる方向に出る自然放出光も生じるが、レーザ
素子1では、その一部を吸収膜22によって吸収する。
吸収膜22はMoで作製されており、レーザ光の波長を
含む波長範囲に対して所定の吸収率を有する。また、M
oより成る吸収膜22はAlGaNより成るp−クラッ
ド層19よりも屈折率が大きい。吸収膜22の屈折率が
p−クラッド層19の屈折率よりも小さいと、両者の界
面での反射率が高くなり、入射角が大きければ全反射も
生じるが、このように吸収膜22の屈折率をp−クラッ
ド層19の屈折率と同等以上とすることで、そのような
反射を防止することができる。
【0021】リッジ構造の周辺部を拡大して図2に示
す。吸収膜22はリッジ構造の下端から僅かに離間して
いる。リッジ構造の下端の幅をW1、リッジ構造の両側
方に位置する2つの吸収膜22の間の幅をW2とする
と、吸収膜22とリッジ構造下端の離間距離Dは D=(W2−W1)/2 である。距離Dのこの領域では、絶縁膜21が直接p−
クラッド層19の上面に接している。なお、電流狭窄領
域の幅はリッジ構造の下端の幅に略等しいから、Dは吸
収膜22と電流狭窄領域の離間距離でもある。リッジ構
造の下端の幅すなわち電流狭窄領域の幅W1は、W1=
2.0μmである。
【0022】自然放出光をより多く吸収するためには、
離間距離Dは小さいほどよい。しかし、離間距離Dはレ
ーザの発振特性に関係し、例えば、距離Dを小さくしす
ぎると、発振モードに吸収膜22が影響して、内部吸収
αiが増大し、レーザ発振のための閾値電流が上昇す
る。そこで、レーザ素子1ではD=0.5μmとしてい
る。
【0023】レーザ素子1の製造方法について図1を参
照して説明する。なお、以下に述べるエピタキシャル成
長法とは、基板上に結晶膜を成長させる方法であって、
VPE(気相エピタキシャル)法、CVD(化学気相デ
ポジション)法、MOVPE(有機金属気相エピタキシ
ャル)法、MOCVD(有機金属化学気相デポジショ
ン)法、Halide−VPE(ハロゲン化学気相エピ
タキシャル)法、MBE(分子線エピタキシャル)法、
MOMBE(有機金属分子線エピタキシャル)法、GS
MBE(ガス原料分子線エピタキシャル)法、CBE
(化学ビームエピタキシャル)法を含む。
【0024】まず、GaN基板11とするGaNウェハ
を作製する。GaNウエハは、500μm程度の厚さの
GaN単結晶膜(ウェハ原板)に数μm間隔で10〜5
0nm程度の段差を設け、新たに4μm程度のGaN層
をエピタキシャル成長によって積層する。これは、単結
晶膜のもつ貫通転移等の履歴を取り除くためであり、段
差状のGaN単結晶膜の横方向の選択成長を利用したも
のである。得られたGaNウェハは欠陥密度の高い領域
と非常に低い領域が周期的に繰り返す構造となり、レー
ザ構造は欠陥密度の非常に低い領域の上に形成する。
【0025】次に、上記のGaNウェハ上に各窒化ガリ
ウム半導体層をエピタキシャル成長させる。まず、MO
CVD装置にウェハをセットし、V族原料のNH3とI
II族原料のTMGa(トリメチルガリウム)を用い
て、550℃の基板(ウェハ)温度で低温GaNバッフ
ァ層(不図示)を25nm成長させる。次いで、前記原
料にSiH4を加え、1075℃の基板温度でn−Ga
N層12(Si不純物濃度1×1018/cm3)を3μ
m成長させる。
【0026】続いて、III族原料としてTMIn(ト
リメチルインジウム)を追加し、基板温度を700〜8
00℃程度に下げて、n−In0.07Ga0.93Nクラック
防止層13を50nm成長させる。さらに、III族原
料のTMInをTMAl(トリメチルアルミニウム)に
替え、基板温度を再び1075℃に上げて、n−Al
0.1Ga0.9Nクラッド層14(Si不純物濃度1×10
18/cm3)を0.95μm成長させ、続いてn−Ga
Nガイド層15を0.1μm成長させる。
【0027】その後、基板温度を730℃に下げ、3周
期の厚さ4nmのIn0.15Ga0.85N井戸層と厚さ6n
mのIn0.05Ga0.95Nバリア層から成る多重量子井戸
構造の活性層16 を成長させる。層構成は、バリア層
/井戸層/バリア層/井戸層/バリア層/井戸層/バリ
ア層の順序である。なお、バリア層と井戸層の間、また
は井戸層とバリア層の間に、1秒以上180秒以下の成
長中断を行ってもよい。このようにすると、各層の平坦
性が向上し、発光半値幅が減少する。
【0028】次いで、基板温度を再度1050℃に上
げ、p−Al0.25Ga0.75Nバリア層17を18nm、
p−GaNガイド層18を0.1μm成長させる。さら
に、同じ基板温度で、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層
19を0.5μm、p−GaNコンタクト層20を0.
1μm成長させる。これらの層の成長に際しては、Cp
2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を用
いて、p型不純物としてMgを5×1019〜2×1020
/cm3の濃度で添加する。
【0029】こうして窒化物半導体を積層した後、p−
GaNコンタクト層20とp−AlGaNクラッド層1
9をドライエッチングして、リッジ構造を形成する。そ
の後、真空蒸着法によって、吸収膜22を100nm程
度の厚さで設け、さらに、絶縁膜21を設ける。吸収膜
22の材料としてはMoを、絶縁膜21の材料としては
SiO2を用いる。なお、吸収膜22はどのような方法
で設けてもよく、例えばスパッタ法を採用することもで
きる。また、絶縁膜21は、発振波長に対して吸収がほ
とんどなければよく、SiO2のほかに、TiO2、Al
23、Ta25、ZrO2、In23、Nd23、Sb2
3、CeO2、ZnS、Bi23等を用いることもでき
る。
【0030】絶縁膜21を設けた後、蒸着によりP電極
23を設ける。P電極23は、例えば、絶縁膜21側か
らPd/Mo/Auとする。絶縁膜21とP電極23の
間に、密着性を向上させるための膜を設けるようにして
もよい。
【0031】P電極23を設けた後、GaNウェハの下
面側を機械的加工またはエッチングにより一部除去し、
ウェハの厚さを80〜200μm程度とする。これは、
後に個々のレーザ素子1とするために分割する工程を容
易にするためである。特に、活性層16のレーザ光出射
端面を分割と同時に形成する場合には、80〜150μ
m程度に薄くしておくのが好ましい。一部除去後のウェ
ハの下面は、N電極10の密着性を高めるために平滑に
しておく。機械的加工を採用する場合、初めから研磨を
行ってもよいが、研削によりある程度の厚さとした後に
研磨を行うのが能率がよい。
【0032】その後、GaNウェハの下面に、N電極1
0を薄く設ける。N電極10は、例えば、基板11側か
らTi/Al/W/Pt/Auとする。このような薄い
金属膜を制御性よく設けるには真空蒸着法が適している
が、イオンプレーティング法、スパッタ法等の他の方法
を用いてもよい。N電極10を設けた後、500℃程度
の温度でアニーリングを行って、P電極23とN電極1
0を良好なオーミック電極とする。
【0033】アニーリングを行った後、GaNウェハを
分割して、個々のレーザ素子1とする。ウェハの分割
は、例えば、下面にダイヤモンドポイントでスクライブ
ラインを入れ、スクライブラインに沿って適宜力を加え
て破断することにより行う。スクライブラインの形成に
は、ワイヤソーまたは薄板ブレードを用いる方法、エキ
シマレーザ等のレーザ光の照射により加熱し、急冷して
レーザ光照射部位にクラックを生じさせるレーザスクラ
イビング法、高エネルギー密度のレーザ光を照射して、
照射部位を蒸発させるレーザアフレーション法を採用す
ることもできる。また、ワイヤソーまたは薄板ブレード
によって直接切断ことも可能である。
【0034】分割によって得られた個々のレーザ素子1
は、ダイボンディング法によってヒートシンク上にマウ
ントし、ワイヤボンディング法によってP電極23を電
源に接続することで、実用に供される形態となる。ヒー
トシンクへのマウントは、N電極10側を接合面とする
ジャンクアップで強固に行う。なお、ヒートシンクとは
ステム等のことである。
【0035】上記のようにして製造したレーザ素子1の
特性を調べたところ、雰囲気温度25℃において40m
Aで連続発振し、発振波長は405±5nmであった。
また、発振モードは基本モードであった。なお、共振器
長は500μm、出射端面の反射率は約20%である。
【0036】注入電流Iとレーザ光の出力Lとの関係を
図3に示す。図3において、実線で表したI−L曲線が
レーザ素子1のものである。レーザ発振時の自然放出光
は0.5mW以下であった。また、出力Lが2mWのと
きの雑音特性を測定したところ、RINmax<−125
dB/Hzであった。
【0037】比較のために吸収膜22のみを省いた構成
のレーザ素子を製造し、その特性を調べた。この比較例
のレーザ素子は、レーザ素子1と同様に、雰囲気温度2
5℃において40mAで連続発振したが、そのI−L曲
線は図3に破線で表したようになった。すなわち、レー
ザ発振時の自然放出光は1mW程度であり、レーザ素子
1の約2倍であった。また、出力Lが2mWのときの雑
音特性は、RINmax<−115dB/Hzであり、悪
化した。
【0038】吸収膜22とリッジ構造の下端との離間距
離Dが特性に及ぼす影響を調べるべく、離間距離Dの異
なるいくつかのレーザ素子1を製造した。距離D=0.
15μmとしたところ、雰囲気温度25℃において45
mAで連続発振し、閾値電流が上昇する結果となった。
レーザ発振時の自然放出光は0.5mW以下であり、出
力Lが2mWのときの雑音特性もRINmax<−125
dB/Hzであって、変化は見られなかった。閾値電流
の上昇は、離間距離Dを小さくしたことにより内部吸収
が増加したためと考えられる。また、距離D=2.0μ
mとしたところ、雰囲気温度25℃において40mAで
連続発振し、レーザ発振時の自然放出光は0.6mW以
下であった。
【0039】離間距離Dと自然放出光の強度の関係を図
4に示す。図4において、各点がレーザ素子1のもので
あり、実線で表した直線(1mW)は上述の比較例のレ
ーザ素子のものである。自然放出光の量は、離間距離D
が大きくなるほど増加する傾向にあるが、離間距離Dが
10μmであっても、吸収膜22がない構成の半分程度
にとどまる。
【0040】離間距離Dとレーザ発振に必要な閾値電流
との関係を図5に示す。測定は雰囲気温度25℃で行っ
た。離間距離Dが極端に小さくなると閾値電流は上昇す
るが、D≧0.3μmであれば閾値電流が抑えられるこ
とが判る。
【0041】以上の結果をまとめると、吸収膜22とリ
ッジ構造の下端との離間距離Dは、閾値電流の観点から D≧0.3μm を満たすことが好ましく、自然放出光の低減の観点か
ら、この範囲内で下限に近い方が好ましい。
【0042】レーザ素子1は、自然放出光が少ないか
ら、照射対象上の微小な範囲にレーザ光を収束させる装
置の光源として適している。ただし、自然放出光の出射
角度はレーザ光の出射角度と同じではないから、レーザ
素子1から照射対象までの光路長が非常に短いときに
は、レーザ光が形成するスポットの周囲に自然放出光が
集光されることになる。レーザ光と共に出射する自然放
出光のうち周辺部の光は、主として吸収膜22とリッジ
構造の間に位置する絶縁膜21で反射された光であり、
したがって、自然放出光が形成するパターンのサイズは
距離Dに依存する。
【0043】この点を考慮すると、吸収膜22とリッジ
構造の下端との離間距離Dは、 D≦10μm を満たすことが好ましい。距離Dがこの範囲の上限の1
0μmの場合、レーザ光のスポットの径が2μmで、レ
ーザ素子1から照射対象までの実質的な光路長が3cm
となるように光学系を設定するときでも、自然放出光の
集光パターンのサイズは3〜4μm程度に抑えられる。
したがって、離間距離Dが上記の範囲を満たせば、この
光学系を備える光ディスク装置において、光ディスクの
ピット外に結合する光は僅かになり、検出される信号の
強度が大きく変動するのを防止することができる。
【0044】吸収膜22の材質と厚さ、さらにはリッジ
構造の下端部の幅W1が特性に及ぼす影響を調べるべ
く、これらの異なるレーザ素子1を製造した。
【0045】その結果、吸収膜22の材料は、発振する
レーザ光の波長に対して吸収があれば、何でもよいこと
が判明した。ただし、吸収膜22の厚さを100nm程
度に抑えるためには、吸収膜22の材料の吸収係数κは κ≧0.1 を満たすことが望ましい。なお、吸収係数κは、複素数
で表される屈折率の虚数成分である。
【0046】このような材料としては、Moをはじめと
する金属、Si、Ge、GaAs等の半導体、SiO、
TiO2等の絶縁体、ポリアミド等が挙げられる。これ
らの材料は、高次モードの発振の抑制にも有効であり、
また、p−クラッド層19と同等以上の屈折率を有し、
p−クラッド層19との界面での反射を良好に抑えるこ
ともできる。κ<0.1では、吸収膜22を100nm
を超える厚さにしないと、レーザ発振時の自然放出光が
あまり減少せず、吸収膜22の形成に時間を要すること
になる。
【0047】リッジ構造の幅W1については、離間距離
DがD≧0.3μmを満たす限り、 0.5μm≦W1≦5μm を満たせば、自然放出光の量やレーザ発振の閾値電流に
影響しないことが判った。
【0048】自然放出光を低減させるレーザ素子1の構
造の特徴は、活性層16から上の吸収膜22を含む部分
にあり、活性層16よりも下の部分は、自然放出光の低
減には関与しない。したがって、基板10をサファイ
ア、SiC、Si等のGaN以外の材料で作製しても、
自然放出光を低減し得ることに何らかわりはない。ま
た、レーザ素子1では吸収膜22はp−クラッド層19
と絶縁膜21の間に位置しているが、吸収膜22をp−
ガイド層18とp−クラッド層19の間に設けるように
してもよい。さらに、吸収膜22とp−クラッド層19
の間、あるいは吸収膜22とp−ガイド層18の間に、
プロセス過程で発生する酸化膜等が介在していても、自
然放出光の低減に影響はない。
【0049】また、リッジ構造の近傍が平坦である必要
はなく、吸収膜22が存在し、その吸収膜22が電流狭
窄領域から離間していればよい。レーザ素子1の変形例
の1つを図6に示す。これは、p−クラッド層19およ
びp−コンタクト層20のうちリッジ構造の側方に位置
する部分全体をエッチングによって除去するのではな
く、p−クラッド層19に達する断面V字状の2本の溝
を設けて2本の溝の間の部分をリッジ構造としたもので
ある。吸収膜22は、p−コンタクト層20の上面のう
ち、リッジ構造以外の部分全体に設けられている。
【0050】第2の実施形態のレーザ素子2の構成を図
7の縦断面図に模式的に示す。レーザ素子2は、N電極
30、n−GaN基板31、n−GaN層32、n−I
nGaNクラック防止層33、n−AlGaNクラッド
層34、n−GaNガイド層35、n−InGaN活性
層36、p−AlGaNバリア層37、p−GaNガイ
ド層38、p−AlGaNクラッド層39、p−GaN
コンタクト層40、絶縁膜41、吸収膜42、およびP
電極43より成る。絶縁膜41の形状と吸収膜42の材
料を除き、レーザ素子2の各構成要素の材料や配置は第
1の実施形態のレーザ素子1と同様である。
【0051】絶縁膜41は、リッジ構造の側面を覆って
いるが、p−クラッド層39のうちのリッジ構造の側方
の部分の上に位置する部分は僅かであり、吸収膜42
が、絶縁膜41の側方に位置して絶縁膜41に接し、P
電極43にも接する形態となっている。また、吸収膜4
2は、n−Siで作製されており、絶縁体である。この
ような構成のレーザ素子2では、P電極43とp−クラ
ッド層39とを絶縁して電流狭窄領域を形成する構成の
一部を、吸収膜42が兼ねている。
【0052】吸収膜42とリッジ構造の下端との離間距
離Dを0.4μmとしたレーザ素子2について特性を調
べたところ、雰囲気温度25℃において41mAで連続
発振し、発振波長は405±5nmであった。また、発
振モードは基本モードであった。レーザ発振時の自然放
出光は0.5mW以下であり、出力を2mWとしたとき
の雑音特性は、RINmax<−125dB/Hzであっ
た。
【0053】さらに、第1の実施形態と同様に、離間距
離Dや吸収膜42の材料の異なる種々のレーザ素子2を
製造して、それらが特性に及ぼす影響を調べた。その結
果、レーザ素子1と同じく、離間距離Dが D≧0.3μm を満たし、発振波長に対する吸収膜42の吸収係数κが κ≧0.1 を満たせば、レーザ発振時の自然放出光は0.5mW以
下となり、出力が2mWのときの雑音特性も、RINma
x<−125dB/Hzとなることが判った。
【0054】レーザ素子2は、絶縁膜41を形成する際
にマスクを使用するだけで、レーザ素子1と同様に製造
することができる。絶縁膜41と吸収膜42の形成順序
を逆にして、前者を先に形成することも可能である。こ
のようにして製造したレーザ素子2の変形例を図8に示
す。
【0055】第3の実施形態のレーザ素子3の構成を図
9の縦断面図に模式的に示す。レーザ素子3は、N電極
50、n−GaN基板51、n−GaN層52、n−I
nGaNクラック防止層53、n−AlGaNクラッド
層54、n−GaNガイド層55、n−InGaN活性
層56、p−AlGaNバリア層57、p−GaNガイ
ド層58、p−AlGaNクラッド層59、p−GaN
コンタクト層60、絶縁膜61、吸収壁62、およびP
電極63より成る。吸収膜22に代えて吸収壁62を備
えたことを除き、レーザ素子3の各構成要素の材料や配
置は第1の実施形態のレーザ素子1と同様である。
【0056】p−クラッド層59およびp−ガイド層5
8には電流狭窄領域に沿って2本の溝が形成されてお
り、これらの溝を充填するように吸収壁62が設けられ
ている。溝は、20μmの幅を有し、p−クラッド層5
9の上面からp−ガイド層58の半ばまで達している。
吸収壁62は、TiO2で作製されており、絶縁体であ
る。
【0057】レーザ素子3はレーザ素子1とほぼ同様に
して製造することができる。すなわち、p−クラッド層
59を成長させた段階で、エッチングにより上記の溝を
形成し、吸収壁62を設ける際に、溝に対向する窓を有
するマスクを用いればよい。
【0058】吸収壁62とリッジ構造の下端との離間距
離Dを0.8μmとしたレーザ素子3について特性を調
べたところ、雰囲気温度25℃において40mAで連続
発振し、発振波長は405±5nmであった。また、発
振モードは基本モードであった。レーザ発振時の自然放
出光は0.5mW以下であり、出力を2mWとしたとき
の雑音特性は、RINmax<−125dB/Hzであっ
た。
【0059】さらに、第1の実施形態と同様にして、離
間距離Dや吸収壁62の材料の異なる種々のレーザ素子
3を製造して、それらが特性に及ぼす影響を調べた。そ
の結果、レーザ素子1と同じく、離間距離Dが D≧0.3μm を満たし、発振波長に対する吸収壁62の吸収係数κが κ≧0.1 を満たせば、レーザ発振時の自然放出光は0.5mW以
下となり、出力が2mWのときの雑音特性も、RINma
x<−125dB/Hzとなることが判った。
【0060】絶縁壁62が活性層56に近いため、レー
ザ素子3では、活性層56に対する角度の小さい自然放
出光を吸収することができる。絶縁壁62の下端の位置
(溝の深さ)に制限はなく、活性層56に達していても
よい。ただし、活性層56に達する絶縁壁62は必ず絶
縁体としなければならない。このような変形例を図10
に示す。この構成は、吸収壁62が活性層56を貫通し
てn−GaNガイド層55にまで達するようにしたもの
である。なお、活性層56に達しない場合は、吸収壁6
2を絶縁体とする必要はなく、n型半導体としてもよ
い。
【0061】吸収壁62の幅にも制限はなく、いくら幅
を広くしてもよい。このような変形例を図11に示す。
この構成では、吸収壁62がレーザ素子3の側面まで達
しており、p−クラッド層59はリッジ構造と電流狭窄
領域の周囲に存在するだけになっている。
【0062】なお、反射を防止するために、吸収壁62
の屈折率をこれに接する各層の屈折率と同程度以上にす
るのが望ましいことは前述のとおりであるが、吸収壁6
2の屈折率がリッジ構造と吸収壁62の間の垂直モード
屈折率以上であれば、その条件は満たされる。
【0063】第4の実施形態の光記録再生装置の概略構
成を図12に示す。光記録再生装置4は、半導体レーザ
素子71、コリメートレンズ72、ビームスプリッタ7
3、集光レンズ74、フォトダイオード75、および光
検出器76を備えている。レーザ素子71は、上述の各
実施形態の窒化物半導体レーザ素子1〜3のいずれかで
ある。フォトダイオード75はレーザ素子71の外部に
設けられており、ビームスプリッタ73で分けられたレ
ーザ光Lの一部を受光する。レーザ光Lの出力強度はフ
ォトダイオード75によって検出された強度に基づいて
調節される。なお、このように外部フォトダイオード7
5を設けることに代えて、強度検出用のフォトダイオー
ドをレーザ素子71の内部に設けるようにしてもよい。
【0064】情報の再生に際し、レーザ素子71が発す
るレーザ光Lは、コリメートレンズ72、ビームスプリ
ッタ73および集光レンズ74を順に経て、光ディスク
77の記録面のピット内に集光し、ピットに記された信
号を反映した反射光となる。この反射光は、再び集光レ
ンズ74を経てビームスプリッタ73により光検出器7
6に導かれ、光検出器76によって信号が再生される。
現状では、光ディスクの反射率や光検出器の検出効率が
低く、レーザ光Lの出力強度は、例えば、記録時には3
0mW、再生時には5mW程度であるが、今度の改善に
より、必要なレーザ光Lの強度は低下すると考えられ
る。
【0065】光源であるレーザ素子71として、吸収膜
22、42または吸収壁62を有する窒化物半導体レー
ザ素子1、2または3を備えている光記録再生装置4で
は、レーザ光Lが光ディスク77上に形成するスポット
の周囲に入射する自然放出光は少ない。このため、記録
に際しても再生に際しても誤りが生じ難い。また、自然
放出光によるノイズが少ないため、低出力で行う再生の
正確さが一層高くなり、しかも、フォトダイオード75
によって検出される強度が正確になって、レーザ光の出
力強度を精度よく調節することが可能である。
【0066】
【発明の効果】窒化物半導体より成るレーザ素子であっ
て、素子内の電流路のうちレーザ光を生成する活性層に
達する一方の部分が、活性層における光の共振方向に対
して垂直な方向に狭窄しているものにおいて、本発明の
ように、活性層で生成されるレーザ光の波長を含む波長
範囲の光を吸収する特性を有し、電流路の狭窄した部分
から僅かに離間して活性層における光の共振方向に延び
る光吸収部を備えるようにすると、自然放出光の一部を
光吸収部によって吸収することが可能であり、自然放出
光に起因する雑音、制御の難しさ等の不都合を軽減する
ことができる。
【0067】特に、電流路の狭窄した部分を形成するた
めに、活性層における光の共振方向に延びるリッジ構造
と、リッジ構造の側方に位置してリッジ構造に接する絶
縁膜を備える構成では、絶縁膜と窒化物半導体層の界面
で反射されてレーザ光と共に出射端面から出射する自然
放出光を減少させることができて、その構成の特長を生
かしながら、レーザ光と共に出射する自然放出光に起因
する不都合を確実に軽減することができる。
【0068】活性層で生成されるレーザ光の波長の光に
対する光吸収部の吸収係数κを0.1以上とすると、光
吸収部をあまり厚くする必要がなく、製造が容易であ
る。
【0069】電流路の狭窄した部分と光吸収部との離間
距離を0.3μm以上とすると、レーザ発振の閾値の上
昇を低く抑えることができて、駆動電力の増大が避けら
れ、素子の劣化も抑えられる。
【0070】本発明のレーザ素子を光源として備える光
記録再生装置では、レーザ光が短波長であって微小なス
ポットを形成することが可能であるから、記録密度が高
い上、自然放出光による雑音が少ないため、情報の記録
と再生を正確に行うことができ、レーザ光の強度の微調
節も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のレーザ素子の構成を模式的
に示す縦断面図。
【図2】 第1の実施形態のレーザ素子のリッジ構造の
周辺を拡大して示す縦断面図。
【図3】 第1の実施形態のレーザ素子および比較例に
おける注入電流とレーザ光出力の関係を示す図。
【図4】 第1の実施形態のレーザ素子における吸収膜
とリッジ構造の離間距離と自然放出光の強度との関係を
示す図。
【図5】 第1の実施形態のレーザ素子における吸収膜
とリッジ構造の離間距離とレーザ発振の閾値電流との関
係を示す図。
【図6】 第1の実施形態のレーザ素子の変形例の構成
を模式的に示す縦断面図。
【図7】 第2の実施形態のレーザ素子の構成を模式的
に示す縦断面図。
【図8】 第2の実施形態のレーザ素子の変形例の構成
を模式的に示す縦断面図。
【図9】 第3の実施形態のレーザ素子の構成を模式的
に示す縦断面図。
【図10】 第3の実施形態のレーザ素子の変形例の構
成を模式的に示す縦断面図。
【図11】 第3の実施形態のレーザ素子の別の変形例
の構成を模式的に示す縦断面図。
【図12】 第4の実施形態の光記録再生装置の概略構
成を模式的に示すブロック図。
【図13】 従来のレーザ素子の構成を模式的に示す縦
断面図。
【符号の説明】
1、2、3 レーザ素子 10、30、50 N電極 11、31、51 n−GaN基板 12、32、52 n−GaN層 13、33、53 n−InGaNクラック防止層 14、34、54 n−AlGaNクラッド層 15、35、55 n−GaNガイド層 16、36、56 n−InGaN活性層 17、37、57 p−AlGaNバリア層 18、38、58 p−GaNガイド層 19、39、59 p−AlGaNクラッド層 20、40、60 p−GaNコンタクト層 21、41、61 絶縁膜 22、42 吸収膜 62 吸収壁 23、43、63 P電極 4 光記録再生装置 71 レーザ素子 72 コリメートレンズ 73 ビームスプリッタ 74 集光レンズ 75 フォトダイオード 76 光検出器 77 光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA11 AA20 AA22 BA01 BB01 BB02 BB03 DA01 DA05 EB02 FA05 FA17 NA04 5D789 AA11 AA20 AA22 BA01 BB01 BB02 BB03 DA01 DA05 EB02 FA05 FA17 NA04 5F073 AA11 AA13 AA45 AA51 AA74 BA04 CA07 DA05 DA23 DA35 EA27 EA29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体より成るレーザ素子であっ
    て、素子内の電流路のうちレーザ光を生成する活性層に
    達する一方の部分が、活性層における光の共振方向に対
    して垂直な方向に狭窄しているものにおいて、 活性層で生成されるレーザ光の波長を含む波長範囲の光
    を吸収する特性を有し、電流路の狭窄した部分から僅か
    に離間して活性層における光の共振方向に延びる光吸収
    部を備えることを特徴とするレーザ素子。
  2. 【請求項2】 電流路の狭窄した部分を形成するため
    に、活性層における光の共振方向に延びるリッジ構造
    と、リッジ構造の側方に位置してリッジ構造に接する絶
    縁膜を備え、 光吸収部が絶縁膜と活性層との間に位置することを特徴
    とする請求項1に記載のレーザ素子。
  3. 【請求項3】 電流路の狭窄した部分を形成するため
    に、活性層における光の共振方向に延びるリッジ構造
    と、リッジ構造の側方に位置してリッジ構造に接する絶
    縁膜を備え、 絶縁膜と活性層との間の層が溝を有し、 光吸収部が絶縁膜と活性層との間の層の溝を埋めている
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ素子。
  4. 【請求項4】 電流路の狭窄した部分を形成するため
    に、活性層における光の共振方向に延びるリッジ構造
    と、リッジ構造の側方に位置してリッジ構造に接する絶
    縁膜を備え、 光吸収部が絶縁体より成り、絶縁膜の側方に位置して絶
    縁膜に接していることを特徴とする請求項1に記載のレ
    ーザ素子。
  5. 【請求項5】 活性層で生成されるレーザ光の波長の光
    に対する光吸収部の吸収係数κが0.1以上であること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項
    に記載のレーザ素子。
  6. 【請求項6】 電流路の狭窄した部分と光吸収部との離
    間距離が0.3μm以上であることを特徴とする請求項
    1から請求項4までのいずれか1項に記載のレーザ素
    子。
  7. 【請求項7】 光源からの光を光記録媒体に導いて情報
    の記録と再生を行う光記録再生装置において、 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のレー
    ザ素子を光源として備えることを特徴とする光記録再生
    装置。
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