JP2003194202A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP2003194202A JP2001392404A JP2001392404A JP2003194202A JP 2003194202 A JP2003194202 A JP 2003194202A JP 2001392404 A JP2001392404 A JP 2001392404A JP 2001392404 A JP2001392404 A JP 2001392404A JP 2003194202 A JP2003194202 A JP 2003194202A
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Kazuomi Okasaka
和臣 岡坂
Yuji Imanaga
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Tadashi Tamura
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Daisuke Inoue
大輔 井上
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浩司 谷口
Bunji Ogawa
文治 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーナのように減速を必要とする区間を車両が
通過した時に、道路勾(こう)配に対応して、適切に無
段変速機を制御することによって、急速なアップシフト
が行われたりビジーシフトが発生したりすることがな
く、運転者の感覚に合致した駆動力制御を行うことがで
き、車両の運転性を向上させることができるようにす
る。 【解決手段】駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該
入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変
速機と、道路情報及び車両状態情報に基づいて前記自動
変速機を制御する自動変速機制御装置とを有し、該自動
変速機制御装置は、前記道路情報に基づいた変速比制御
から車両状態情報に基づいた変速比制御に移行する時
に、道路勾配に対応して変速速度が変化するように前記
自動変速機を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の駆動力制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ナビゲーション装置が搭載された
車両において、前記ナビゲーション装置が提供する道路
状況データに対応させて駆動力制御を行うことができる
ようにした車両の駆動力制御装置が提供されている。こ
の場合、例えば、車両がコーナ(カーブ)に差し掛かる
ことが検出され、かつ、運転者の動作に基づく所定の条
件が満たされると、駆動力制御としてシフトダウン等の
車両を減速させるためのコーナ制御が行われる。そし
て、上限の変速段が決定され、該上限の変速段より上の
変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が
選択されないようになっている。
【0003】この場合、前記車両の駆動力制御装置は、
前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データ、車
両の速度、アクセル開度等の種々のデータに基づいて演
算を行い、制御用データを作成し、該制御用データに基
づいて前記コーナ制御を行うようになっている。
【0004】また、近年、変速比を無段階に制御するこ
とができる無段変速機の出現に伴い、無段変速機の変速
比を制御してコーナ制御を行う車両の駆動力制御装置が
提案されている(特開平11−222055号公報参
照)。そして、該車両の駆動力制御装置においては、ナ
ビゲーション装置が提供する道路状況データに基づい
て、車両がコーナに差し掛かることが検出され、運転者
がアクセルペダルを解放する(アクセルを閉じる)と、
変速比を大きくする、すなわち、ダウンシフトするよう
に無段変速機が制御される。
【0005】これにより、コーナに差し掛かる時に運転
者の減速しようとする意志を検出して、通常よりも大き
なエンジンブレーキによる減速力を発生させることがで
きるので、運転者の感覚に合致した駆動力制御を行うこ
とができ、車両の運転性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の車両の駆動力制御装置においては、道路勾(こう)
配について考慮されていないので、車両がコーナを通過
した後に、不必要な変速が行われ、運転性が悪化してし
まうことがある。
【0007】すなわち、前記従来の車両の駆動力制御装
置においては、車両がコーナを通過したと判断すると、
減速力を発生させる必要がなくなるので、変速比を小さ
くする、すなわち、アップシフトする(オフアップす
る)ように無段変速機が制御される。そしてアップシフ
トの変速速度が、道路勾配に関わらず一定なので、例え
ば、コーナ通過後の道路が下り坂、すなわち、降坂路で
ある場合でも、平坦(たん)路と同じような変速速度で
アップシフトが行われてしまう。そのため、エンジンブ
レーキによる減速力を発生させることが必要な降坂路で
あるにも関わらず、エンジンブレーキによる減速力が急
激に減少して、運転者は空走感を感じてしまう。
【0008】また、コーナ通過後の道路が上り坂、すな
わち、登坂路である場合にも、平坦路と同じような変速
速度でアップシフトが行われてしまう。そのため、駆動
トルクを増大させることが必要な登坂路であるにも関わ
らず、駆動力が減少してしまい、運転者は違和感を感じ
てしまう。そして、駆動力が不足するので、運転者はア
クセルペダルを踏み込んでアクセル開度を大きくするこ
とになる。すると、ダウンシフトするように無段変速機
が制御され、アップシフトが行われた直後にダウンシフ
トが行われるので、いわゆる、ビジーシフトが発生して
しまう。したがって、車両の駆動力が変動するので、運
転者は違和感を感じ、運転性が悪化してしまう。
【0009】本発明は、前記従来の車両の駆動力制御装
置の問題点を解決して、コーナのように減速を必要とす
る区間を車両が通過した時に、道路勾配に対応して、適
切に無段変速機を制御することによって、急速なアップ
シフトが行われたりビジーシフトが発生したりすること
がなく、運転者の感覚に合致した駆動力制御を行うこと
ができ、車両の運転性を向上させることができる車両の
駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の車
両の駆動力制御装置においては、駆動源に駆動連結され
る入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出
力軸を備える自動変速機と、道路情報及び車両状態情報
に基づいて前記自動変速機を制御する自動変速機制御装
置とを有し、該自動変速機制御装置は、前記道路情報に
基づいた変速比制御から車両状態情報に基づいた変速比
制御に移行する時に、道路勾配に対応して変速速度が変
化するように前記自動変速機を制御する。
【0011】本発明の他の車両の駆動力制御装置におい
ては、さらに、前記道路情報に基づいた変速比制御から
前記車両状態情報に基づいた変速比制御に移行する時
は、前記道路情報に基づいて設定された変速比となるよ
うに前記自動変速機が制御される状態から前記車両状態
情報に基づいて設定された変速比となるように前記自動
変速機が制御される状態に変化する過渡的な時である。
【0012】本発明の更に他の車両の駆動力制御装置に
おいては、さらに、前記自動変速機制御装置は、車両を
減速させる必要がある区間として要減速区間を設定する
とともに、要減速区間において前記道路情報に基づいた
変速比制御を行い、前記要減速区間を通過すると前記車
両状態情報に基づいた制御に移行する。
【0013】本発明の更に他の車両の駆動力制御装置に
おいては、さらに、前記自動変速機制御装置は、自車位
置を基準とした前記要減速区間の手前の区間において、
前記アクセル開度の減少に対応する変速操作を緩和する
ように前記自動変速機を制御する。
【0014】本発明の更に他の車両の駆動力制御装置に
おいては、さらに、前記自動変速機制御装置は、前記道
路勾配が急になるほど変速速度係数を小さくなるように
前記自動変速機を制御する。
【0015】本発明の更に他の車両の駆動力制御装置に
おいては、さらに、前記道路情報は道路の形状又は道路
勾配を含む。
【0016】本発明の更に他の車両の駆動力制御装置に
おいては、さらに、前記車両状態情報は、前記アクセル
開度及び前記車両の車速を含む車両の走行状態に関する
情報である。
【0017】本発明の更に他の車両の駆動力制御装置に
おいては、さらに、前記自動変速機は無段変速機であ
る。
【0018】本発明の車両の駆動力制御方法において
は、道路情報及び車両のアクセル開度に基づいて、前記
道路情報に基づいた変速比制御から車両状態情報に基づ
いた変速比制御に移行する時に、道路勾配に対応して変
速速度が変化するように自動変速機を制御する。
【0019】本発明の車両の駆動力制御用プログラムに
おいては、コンピュータを、車両のアクセル開度を検出
するアクセル開度センサ、並びに、道路情報及び前記ア
クセル開度に基づいて自動変速機を制御する自動変速機
制御装置として機能させ、該自動変速機制御装置は、前
記道路情報に基づいた変速比制御から車両状態情報に基
づいた変速比制御に移行する時に、道路勾配に対応して
変速速度が変化するように前記自動変速機を制御する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図2は本発明の実施の形態における車両の
駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【0022】図において、10は車両の走行環境情報を
出力するナビゲーション装置、20は、駆動源としての
エンジンに駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入
力を変速して出力する出力軸を備え、該出力軸の回転を
車軸に伝達する自動変速機としての無段変速機、30は
前記走行環境情報及びアクセル開度に基づいて無段変速
機20を制御する自動変速機制御装置としての無段変速
機制御装置、41は車両の回転角速度、すなわち、旋回
角を検出するジャイロセンサ、42は車両の速度を検出
する車速センサ、43は運転者が操作する車両のステア
リングの舵(だ)角を検出するステアリングセンサ、4
4は運転者が操作する車両のブレーキペダルの動きを検
出するブレーキセンサ、45は運転者が操作するアクセ
ル開度を検出するアクセル開度センサ、及び、46は車
両のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ
である。
【0023】なお、本発明における車両の駆動力制御装
置は、変速段を備えた自動変速機を有する車両にも適用
することができるものであるが、本実施の形態において
は、説明の都合上、自動変速機が無断変速機である場合
について説明する。また、本発明において道路情報は、
道路情報送信装置によって無段変速機制御装置30に送
信されるようになっているが、前記道路情報送信装置
は、前記車両の自動変速機制御装置、エンジン制御装置
等の制御装置に組み込まれたものであってもよいし、F
M放送、テレビ放送等の放送網、携帯電話網等の通信ネ
ットワーク等を介して交通情報、渋滞情報等の情報を発
信する情報発信センター等であってもよいが、本実施の
形態においては、説明の都合上、道路情報送信装置が車
両に搭載されたナビゲーション装置である場合について
説明する。
【0024】ここで、前記ナビゲーション装置10は、
CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディ
スク等の記憶手段、タッチパネル、リモートコントロー
ラ、押しボタンスイッチ等の入力手段、CRT、液晶デ
ィスプレイ等の表示手段、スピーカ等の発音手段、通信
インターフェイス等を備える。そして、前記ナビゲーシ
ョン装置10には前記ジャイロセンサ41、車速センサ
42及びステアリングセンサ43が接続される。また、
前記ナビゲーション装置10は、図示されないGPS
(Global Positioning Syste
m)センサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセン
サ、高度計等を備える。そして、前記ナビゲーション装
置10は、前記ジャイロセンサ41、車速センサ42、
ステアリングセンサ43、GPSセンサ、地磁気セン
サ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等からの信号
に基づいて、車両の現在位置、車両が向いている方位、
車両の速度、車両の移動距離等を検出する。
【0025】そして、前記GPSセンサは、人工衛星に
よって発生させられた電波を受信することによって地球
上における現在位置を検出し、前記地磁気センサは、地
磁気を測定することによって車両が向いている方位を検
出し、前記距離センサは、道路上の所定の位置間の距離
等を検出する。前記距離センサとしては、例えば、図示
されない車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距
離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積
分して距離を検出するもの等を使用することができる。
また、前記ビーコンセンサは、道路に沿って配設された
ビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出す
る。
【0026】なお、前記GPSセンサ及びビーコンセン
サは、それぞれ、単独で現在位置を検出することができ
る。そして、距離センサによって検出された距離と、地
磁気センサ及びジャイロセンサ41によって検出された
方位とを組み合わせることによって現在位置を検出する
こともできる。また、距離センサによって検出された距
離と、ステアリングセンサ43によって検出された舵角
とを組み合わせることによって現在位置を検出すること
もできる。
【0027】また、前記ナビゲーション装置10の記憶
手段は、地図データファイル、交差点データファイル、
ノードデータファイル、道路データファイル、及び、各
地域のホテル、ガソリンスタンド等の施設の情報が記録
された施設情報データファイルから成るデータベースを
備える。そして、前記記憶手段には、経路を探索するた
めのデータの他、前記表示手段の画面に、探索された経
路に沿って案内図を表示したり、次の交差点までの距
離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の
案内情報を表示したりするための各種のデータが記録さ
れる。なお、前記記憶手段には、所定の情報を音声出力
するための各種のデータも記録される。また、前記記憶
手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラ
ッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、
光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカー
ド等、あらゆる形態の記録媒体を含むものであり、取り
外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0028】そして、前記交差点データファイルには交
差点データが、ノードデータファイルにはノードデータ
が、道路データファイルには道路データがそれぞれ記録
され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データ
によって道路状況が表示手段の画面に表示される。な
お、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、
交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通
信号灯器の設置されていない交差点であるが含まれる。
また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに
記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及
び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交
差点、T字路等を含む)、ノード点、及び各ノード点間
を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記
ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
【0029】また、前記道路データには、道路自体につ
いて、幅員、勾配、カント、高度、バンク、路面の状
態、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭
くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹
線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路
データとして格納され、2条化道路として処理される。
例えば、片側2車線以上の幹線道路の場合、2条化道路
として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、
それぞれ、独立した道路として道路データに格納され
る。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字
路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路
属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、
高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、
主要地方道、一般道、高速道等)等のデータが含まれ
る。
【0030】さらに、前記ナビゲーション装置10の通
信インターフェイスは、無段変速機制御装置30との間
で通信を行うとともに、FM送信装置、電話回線、イン
ターネット、携帯電話網等との間で各種のデータの送受
信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報
センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故
情報、GPSセンサの検出誤差を検出するD−GPS情
報等の各種のデータを受信する。
【0031】そして、前記ナビゲーション装置10は、
目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間
の決定、地点、施設等の検索等の各種処理を実行し、地
図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在
位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿っ
た案内情報等を表示する。なお、該案内情報は、発音手
段によって音声出力されるようにしてもよい。さらに、
前記ナビゲーション装置10は、車両の走行経路におい
て車両の前方に位置するコーナ等(交差点、T字路、高
速道路出入口ランプウェイ等も含む)の形状、前記コー
ナ等への推奨侵入速度等を含む道路情報としての走行環
境情報を演算して出力する。なお、該走行環境情報は、
無段変速機制御装置30に送信される。
【0032】また、無段変速機20は、例えば、入力軸
及び出力軸にそれぞれ取り付けられた2つのVプーリ
と、該2つのVプーリに掛けられたゴム製のVベルト又
は多数の金属ブロックを組み合わせた金属製のVベルト
とを有し、前記Vプーリの傾斜側面の間隔を調整して変
速するベルト式無段変速機であるが、Vベルトに代えて
チェーンを使用するチェーン式無段変速機、かさ形の摩
擦車やアイドラを使用して摩擦やトラクションによって
動力伝達を行う摩擦式無段変速機等、いかなる形式の無
段変速機であってもよい。
【0033】そして、前記無段変速機制御装置30は、
CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディ
スク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。
なお、前記無段変速機制御装置30には、前記車速セン
サ42、ステアリングセンサ43、ブレーキセンサ4
4、アクセル開度センサ45、及び、エンジン回転数セ
ンサ46が接続される。そして、前記無段変速機制御装
置30は、通常は、前記車速センサ42、ステアリング
センサ43、ブレーキセンサ44、アクセル開度センサ
45、及び、エンジン回転数センサ46から受信した、
アクセル開度及び車両の車速を含む各種の車両の走行状
態に関する情報に基づいて設定された変速比となるよう
に前記無断変速機20を制御するが、必要に応じて、前
記走行環境情報に基づいて設定された変速比となるよう
に前記無断変速機20を制御する。また、前記無段変速
機制御装置30は、前記ナビゲーション装置10が出力
した走行環境情報を受信する。
【0034】ここで、前記記憶手段は、磁気テープ、磁
気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−R
OM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、IC
カード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記
録媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体
を使用することもできる。そして、前記無段変速機制御
装置30は、前記記憶手段に格納された制御プログラム
に従って、無段変速機20にアップシフト又はダウンシ
フトの変速を行わせる。この場合、アップシフトとは変
速比を小さくすることであり、出力軸の回転数が一定の
場合にアップシフトの変速が行われると入力軸の回転数
が減少する。また、ダウンシフトとは変速比を大きくす
ることであり、出力軸の回転数が一定の場合にダウンシ
フトの変速が行われると入力軸の回転数が増加する。
【0035】そして、運転者が図示されないモード選択
手段を操作して通常モードを選択すると、前記無段変速
機制御装置30は、車速センサ42が検出した車両の速
度、ステアリングセンサ43が検出したステアリングの
舵角、アクセル開度センサ45が検出したアクセル開
度、ブレーキセンサ44が検出したブレーキの動き、エ
ンジン回転数センサ46が検出したエンジン回転数等に
基づいて、前記記憶手段に格納された図示されない変速
マップを参照して、無段変速機20を制御して、アップ
シフト又はダウンシフトの変速を行わせる。
【0036】また、運転者が図示されないモード選択手
段を操作してナビモードを選択すると、前記無段変速機
制御装置30は、ナビゲーション装置10が出力した走
行環境情報に対応させて無段変速機20を制御して、ア
ップシフト又はダウンシフトの変速を行わせることによ
って、車両の駆動力制御を行う。なお、ナビモードが選
択されなくても、前記無段変速機制御装置30が常時、
車両の駆動力制御を行うようにしてもよい。そして、車
両の駆動力制御が行われると、コーナが連続する場合に
ワインディング制御が行われたり、車両が交差点に差し
掛かると交差点制御が行われたり、車両がコーナに差し
掛かるとコーナ制御が行われたりして、車両の運転性が
低下しないようになっている。
【0037】なお、前記ジャイロセンサ41としては、
例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用さ
れる。そして、前記ジャイロセンサ41によって検出さ
れた旋回角を積分することによって、車両が向いている
方位を検出することができる。また、前記車速センサ4
2としては、図示されない車軸に取り付けられた光学的
な回転センサ、回転抵抗センサ等が使用される。さら
に、前記ステアリングセンサ43としては、例えば、図
示されないステアリングホイールの回転部に取り付けら
れた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り
付けられた角度センサ等が使用される。
【0038】次に、前記構成の車両の駆動力制御装置の
動作について説明する。
【0039】図3は本発明の実施の形態におけるコーナ
形状判定の動作を示す図、図4は本発明の実施の形態に
おけるコーナ形状判定のためのテーブルを示す図、図5
は本発明の実施の形態におけるコーナ制御領域判定の基
準の例を示す図、図6は本発明の実施の形態における必
要減速度の算出方法を示す図、図7は本発明の実施の形
態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャ
ート、図8は本発明の実施の形態における走行環境認識
処理のサブルーチンを示す図である。なお、図5におい
て、横軸にノードからの距離を、縦軸に旋回角によるコ
ーナ形状を、図6において、横軸に区間距離Lを、縦軸
に車速Vを採ってある。
【0040】ここでは、車両がコーナ、交差点、高速道
路出入口ランプウェイ等の減速する必要がある区間、す
なわち、要減速区間に差し掛かる場合における車両の駆
動力制御について説明する。なお、本実施の形態におい
ては、車両がコーナに差し掛かることが検出されて、駆
動力制御としてのコーナ制御が行われる場合について説
明する。まず、前記ナビゲーション装置10の動作につ
いて説明する。
【0041】この場合、ナビゲーション装置10は、自
車位置としての車両の現在位置の検出、目的地までの経
路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、
施設等の検索等を行い、地図を表示手段の画面に表示
し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的
地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する処
理、すなわち、ナビゲーション基本処理を実行する。
【0042】そして、該ナビゲーション基本処理におい
て、自車位置としての車両の現在位置、道路データ等に
基づいて、車両がコーナの手前の所定の位置に到達した
ことを検出し、車両がコーナに差し掛かると判断する
と、前記ナビゲーション装置10は、走行環境認識処理
を開始する。該走行環境認識処理は、前記コーナの形
状、前記コーナへの進入車速の分析等、車両の駆動力制
御に必要な走行環境情報を演算する処理である。
【0043】まず、前記ナビゲーション装置10は、ノ
ードデータファイルに記録されているノードデータ、道
路データファイルに記録されている道路データ等に基づ
いて、前記コーナの形状を判定するためのコーナ形状判
定処理を行う。本実施の形態においては、コーナの形状
として、緩コーナ、中コーナ又は急コーナのいずれであ
るかを判定するようになっている。この場合、図3に示
されるように、道路11上のノード12−1〜12−6
を滑らかに結んだ曲線13の接線から前記ノード12−
1〜12−6のそれぞれについての旋回角θを判断す
る。
【0044】なお、図3は、ノード12−4についての
旋回角θを判断する例を示している。この場合、前記ノ
ード12−4から前後に所定距離La及びLbだけ離れ
た曲線13上の点13−1及び13−2における曲線1
3の接線14−1及び14−2が交差する角度θをノー
ド12−4についての旋回角θとして判断する。そし
て、図4に示されるような、あらかじめ作成されて記憶
手段に記録されているテーブルに旋回角θの角度を当て
はめて、コーナ形状が緩コーナ、中コーナ又は急コーナ
のいずれであるかを判定する。すなわち、旋回角θが、
θ1以上θ2未満であれば緩コーナ、θ2以上θ3未満
であれば中コーナ、θ3以上であれば急コーナであると
判定する。なお、前記La、Lb、θ1〜θ3等の数値
は、例えば、La=35〔m〕、Lb=35〔m〕、θ
1=20〔度〕、θ2=40〔度〕、θ3=90〔度〕
とすることができるが、適宜変更してもよい。
【0045】続いて、前記ノード12−1〜12−6か
ら所定距離だけ手前の位置から該ノード12−1〜12
−6まで、又は、前記ノード12−1〜12−6に基づ
いて決定される所定位置までの範囲をコーナ制御領域と
して判定する。なお、前記所定距離や所定位置は、コー
ナ形状に基づいて、適宜変更することができる。そし
て、図5には、前記コーナ形状に基づいて決定されるコ
ーナ制御領域を判定する基準の例が示されている。この
場合、コーナ制御領域は、緩コーナ制御領域、中コーナ
制御領域及び急コーナ制御領域に区分けされている。こ
こで、ノードからの距離、L1〜L3は適宜決定するこ
とができる。なお、図5に示されるような基準を示すグ
ラフ、テーブル、計算式等はあらかじめ作成されて記憶
手段に記録されている。
【0046】続いて、前記ナビゲーション装置10は、
車両の速度を、現在の車速から前方のコーナにおける推
奨車速にまで減速するために必要な必要減速度を算出す
るための必要減速度算出処理を行う。ここで、前記推奨
車速は、コーナにおける旋回横加速度が、例えば、0.
2〔G〕となるような車速である。なお、前記旋回横加
速度の値は適宜変更することができる。この場合、旋回
横加速度は、車速の2乗に比例し、コーナの半径に反比
例するので、前記旋回横加速度の値を設定すれば、コー
ナの半径に対応する推奨車速を求めることができる。例
えば、旋回横加速度を0.2〔G〕に設定した場合、推
奨車速は、コーナの半径が15〔m〕であると20〔k
m/h〕、コーナの半径が30〔m〕であると30〔k
m/h〕、コーナの半径が60〔m〕であると40〔k
m/h〕、コーナの半径が100〔m〕であると50
〔km/h〕となる。
【0047】そして、車両の前方に位置するノードNd
i(iは自然数)における推奨車速Vri(iは自然
数)となるのに必要な必要減速度Gi(iは自然数)が
算出される。この場合、現在位置における車速V0と、
車両の現在位置から前方の所定距離範囲(例えば、20
0〔m〕)内に存在する各ノードNdiにおける前記推
奨車速Vriとを決定する。続いて、車両の現在位置か
ら各ノードNdiまでの距離Li(iは自然数)を算出
する。そして、次の式(1)によって必要減速度Giを
算出する。 Gi=(V02 −Vri2 )/(2×Li) ・・・(1) そして、各ノードNdiに関して算出された必要減速度
Giの最大値を算出し、これを最終的な必要減速度とし
て設定する。なお、図6には、現在位置から各ノードN
d1、Nd2、Nd3までの車速の変化が3本の減速度
曲線で示されている。この場合、各減速度曲線は必要減
速度G1、G2及びG3に対応し、減速度曲線の曲率が
大きいほど、すなわち、曲がり方がきついほど必要減速
度が大きくなっている。したがって、図6に示される例
においては、ノードNd2に関して算出された必要減速
度G2が最大となっている。
【0048】最後に、前記ナビゲーション装置10は、
走行環境情報伝達処理として、判定したコーナ形状、設
定した必要減速度を含む走行環境情報を図示されない通
信インターフェイスを介して、無段変速機制御装置30
に送信する。なお、前記ナビゲーション基本処理、走行
環境認識処理及び走行環境情報伝達処理は、所定の周期
(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行される。
【0049】次に、フローチャートについて説明する。
まず、ナビゲーション装置10における処理全体を示す
図7のフローチャートについて説明する。 ステップS1 ナビゲーション基本処理を行う。 ステップS2 走行環境認識処理を行う。 ステップS3 走行環境情報伝達処理を行う。
【0050】次に、図7のステップS2における走行環
境認識処理のサブルーチンについて説明する。 ステップS2−1 コーナ形状判定処理を行う。 ステップS2−2 必要減速度算出処理を行う。
【0051】次に、無段変速機制御装置30の動作につ
いて説明する。
【0052】図9は本発明の実施の形態における基本目
標入力軸回転数マップを示す図、図10は本発明の実施
の形態におけるコーナに対する推奨入力軸回転数マップ
を示す図、図11は本発明の実施の形態におけるブレー
キ踏力に応じた変速速度係数マップを示す図、図12は
本発明の実施の形態における道路勾配に応じた変速速度
係数マップを示す図、図13は本発明の実施の形態にお
ける無段変速機制御装置の動作を示すフローチャート、
図14は本発明の実施の形態におけるコーナに対する目
標入力軸回転数算出処理のサブルーチンを示すフローチ
ャート、図15は本発明の実施の形態における変速制御
処理のサブルーチンを示すフローチャートである。な
お、図9において、横軸に車速を、縦軸に基本目標入力
軸回転数を、図10において、横軸に車速を、縦軸に推
奨入力軸回転数を、図11において、横軸にブレーキ踏
力を、縦軸に変速速度係数を採ってある。
【0053】まず、無段変速機制御装置30は、基本目
標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、あらか
じめ作成された図9に示されるような基本目標入力軸回
転数マップに従い、車速センサ42及びアクセル開度セ
ンサ45から受信した速度及びアクセル開度に基づい
て、基本目標入力軸回転数が算出される。
【0054】ここで、図9に示されるマップは、無段変
速機20の変速マップの一つであり、直線16−1は無
段変速機20の変速比を最大に設定した場合の無段変速
機20の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線16
−2は無段変速機20の変速比を最小に設定した場合の
無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示して
いる。なお、車速は無段変速機20の出力軸回転数に比
例している。
【0055】そして、曲線17−1〜17−4は、アク
セル開度の段階に対応する無段変速機20の入力軸回転
数と車速との関係を示す変速曲線である。例えば、アク
セル開度が第3段階に対応する場合、入力軸回転数と車
速との関係が曲線17−3に沿って変化するように、無
段変速機20の変速比が制御されるようになっている。
なお、アクセル開度は、実際上、無段階で連続的に変化
するが、前記曲線17−1〜17−4は、その中の4つ
の段階に対応するアクセル開度を示している。そして、
曲線17−1がアクセル開度の小さい第1段階に対応
し、17−2、17−3及び17−4の順にアクセル開
度が大きい段階に対応することを示している。
【0056】次に、無段変速機制御装置30は、道路勾
配推定処理を実行する。この場合、アクセル開度、車
速、車両の実加速度等に基づいて、道路勾配を推定す
る。該道路勾配は、後述されるコーナに対する目標入力
軸回転数算出処理において、コーナに対する目標入力軸
回転数の補正に使用され、また、後述される変速制御処
理において、変速速度係数の算出に使用される。
【0057】次に、無段変速機制御装置30は、コーナ
に対する目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場
合、無段変速機制御装置30は、まず、駆動力制御とし
てのコーナ制御が行われているか否かを、コーナ制御実
行中フラグがオンになっているか否かによって判断す
る。なお、該コーナ制御実行中フラグは車両のエンジン
が始動される時に初期化されてオフになる。
【0058】そして、コーナ制御実行中フラグがオフに
なっている場合、すなわち、コーナ制御が行われていな
い場合、無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装
置10から受信した走行環境情報に含まれるコーナ形状
に関する情報がオンであるかオフであるかに基づいて、
前方にコーナがあるか否かを判断する。ここで、前記コ
ーナ形状に関する情報がオンである場合、無段変速機制
御装置30は、前方にコーナがあると判断し、続いて、
前記走行環境情報に含まれる必要減速度Giが所定値以
上であるか否か、すなわち、前記コーナに対して減速が
必要であるか否かを判断する。
【0059】続いて、前記コーナに対して減速が必要で
あると判断した場合、無段変速機制御装置30は、コー
ナ制御を開始する条件が成立したので、コーナ制御を開
始する。そして、コーナ制御が行われていることを示す
コーナ制御実行中フラグをオンにする。
【0060】また、前述されたように、コーナ制御が行
われているか否かを判断した時にコーナ制御実行中フラ
グがオンになっている場合には、無段変速機制御装置3
0は、前記走行環境情報に含まれるコーナ形状に関する
情報がオンであるかオフであるかに基づいて、コーナを
通過したか否かを判断する。そして、前記コーナ形状に
関する情報がオフである場合、無段変速機制御装置30
は、前記コーナを通過したと判断し、コーナ制御実行中
フラグをオフにし、続いて、前記コーナに対する目標入
力軸回転数を初期値(ゼロ)にして、コーナに対する目
標入力軸回転数算出処理を終了する。
【0061】さらに、前述されたように、前方にコーナ
があるか否かを判断した時にコーナ形状に関する情報が
オフなのでコーナがないと判断した場合、又は、コーナ
に対して減速が必要であるか否かを判断した時に必要減
速度Giが所定値以上でないので減速が必要でないと判
断した場合、無段変速機制御装置30は、コーナ制御を
開始する条件が成立しないので、コーナに対する目標入
力軸回転数を初期値(ゼロ)にし、コーナに対する目標
入力軸回転数算出処理を終了する。
【0062】続いて、無段変速機制御装置30は、ナビ
ゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれ
る必要減速度及びコーナ形状に関する情報に基づいて、
図10に示されるようなコーナに対する推奨入力軸回転
数マップに従い、コーナに対する推奨入力軸回転数を算
出する。
【0063】この場合、コーナに対する推奨入力軸回転
数とは、必要減速度、すなわち、減速の必要度合い及び
コーナ形状によって決まる無段変速機20の入力軸回転
数であり、前記推奨入力軸回転数には運転者の減速意図
が反映されない。なお、コーナに対する推奨入力軸回転
数に運転者の減速意図を反映したものが、目標入力軸回
転数である。
【0064】ここで、図10に示されるマップは、無段
変速機20の変速マップの一つであり、直線22−1は
無段変速機20の変速比を最大に設定した場合の無段変
速機20の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線2
2−2は無段変速機20の変速比を最小に設定した場合
の無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示し
ている。なお、車速は無段変速機20の出力軸回転数に
比例している。また、図10において、横軸の車速及び
縦軸の推奨入力軸回転数として示される数値は、一例で
あり、適宜変更することができる。
【0065】そして、曲線23−1〜23−4は、必要
減速度の段階に対応する無段変速機20の入力軸回転数
と車速との関係を示す変速曲線である。この場合、必要
減速度が大きいほど、推奨入力軸回転数は高くなる。ま
た、コーナに高い車速で進入する場合と、及び、アクセ
ルオフが遅い場合には、必要減速度が大きくなるので推
奨入力軸回転数は高くなる。しかし、コーナ形状によっ
て推奨入力軸回転数の上限値が設定されるので、あまり
に高い推奨入力軸回転数が算出されることはない。
【0066】また、前記推奨入力軸回転数は、道路勾配
によって補正されることが望ましい。例えば、道路が降
坂路、すなわち、下り坂である場合、前記推奨入力軸回
転数を、さらに、500〔rpm〕程度高くすることが
望ましい。なお、図10に示されるようなマップに従っ
てコーナに対する推奨入力軸回転数を算出するととも
に、コーナ形状(緩コーナ、中コーナ及び急コーナ)に
応じてコーナに対する推奨入力軸回転数の上限値を設定
することが望ましい。
【0067】続いて、無段変速機制御装置30は、アク
セル開度に基づいて、アイドル状態であるか否か、すな
わち、運転者がアクセルを全閉としているか否かを判断
する。ここで、アイドル状態である場合、すなわち、運
転者がアクセルを全閉としている場合には、運転者に減
速の意図があると判断することができる。そして、運転
者に減速の意図があると判断した場合、無段変速機制御
装置30は、コーナに対する推奨入力軸回転数マップに
従って算出された推奨入力軸回転数をコーナに対する目
標入力軸回転数に代入する。
【0068】一方、アイドル状態でなく、運転者に減速
の意図がないと判断した場合、無段変速機制御装置30
は、現時点での実際の無段変速機20の入力軸回転数、
すなわち、実入力軸回転数と、前記算出された推奨入力
軸回転数とを比較して、前記実入力軸回転数が前記推奨
入力軸回転数以下であるか否かを判断する。そして、前
記実入力軸回転数が前記推奨入力軸回転数以下である場
合、無段変速機制御装置30は、無段変速機20の入力
軸回転数を現時点での実入力軸回転数より低下させない
ために、前記実入力軸回転数をコーナに対する目標入力
軸回転数に代入する。
【0069】さらに、前記実入力軸回転数が前記推奨入
力軸回転数より大きい場合、無段変速機制御装置30
は、前記推奨入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸
回転数に代入する。この場合、既に実入力軸回転数が目
標入力軸回転数より大きい状態であり、変速動作が伴わ
ないので、運転者に違和感を与えることがない。
【0070】次に、無段変速機制御装置30は、最終目
標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、無段変
速機制御装置30は、既に算出した基本目標入力軸回転
数とコーナに対する目標入力軸回転数とを比較し、回転
数が高い方のものを最終目標入力軸回転数とする。ここ
で、基本目標入力軸回転数を「NIN_BASE」と
し、コーナに対する目標入力軸回転数を「NIN_C
N」とし、最終目標入力軸回転数を「NIN_F」とす
ると、次の式(2)によって表すことができる。 NIN_F=MAX(NIN_BASE、NIN_CN) ・・・(2) ここで、MAX(A,B)はA,Bの最大値を選択する
関数である。
【0071】なお、コーナ制御が行われていない場合、
コーナに対する目標入力軸回転数(NIN_CN)は初
期値(ゼロ)なので、上記の式(2)のように最大値を
選択すると、最終目標入力軸回転数(NIN_F)が必
ず基本目標入力軸回転数(NIN_BASE)になり、
通常の制御が行われる。
【0072】次に、無段変速機制御装置30は、変速制
御処理を実行する。この場合、無段変速機制御装置30
は、まず、コーナ制御時と通常制御時とで変速速度を変
更するために、コーナ制御実行中フラグを参照し、現
在、コーナ制御が行われているのか、又は、通常制御が
行われているのかを、コーナ制御実行中フラグがオンで
あるか否かによって判断する。そして、現時点でコーナ
制御が行われていると判断した場合、無段変速機制御装
置30は、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転
数との比較を行う。また、現在、コーナ制御実行中フラ
グがオフであることによりコーナ制御が行われていない
と判断した場合であっても、コーナ制御実行中フラグが
オンからオフになった直後であれば、コーナ制御から通
常制御に復帰させるためのアップシフトを、通常制御に
おける変速速度とは異なる変速速度で実施させるように
するため、コーナ制御が行われている場合と同様の処理
へ進む。そのため、無段変速機制御装置30は、現時点
で通常制御が行われていても、コーナ制御実行中フラグ
がオンからオフになってから所定時間以内であると判断
した場合、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転
数との比較を行う。
【0073】一方、現時点で通常制御が行われていて、
かつ、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになって
から所定時間以上経過したと判断した場合、無段変速機
制御装置30は、通常制御における過渡目標入力軸回転
数算出用の変速速度係数を算出する。ここで、過渡目標
入力軸回転数とは、実入力軸回転数を最終目標入力軸回
転数に滑らかに追従させるための過渡的な目標値であ
り、この値に基づいて無段変速機20の各アクチュエー
タが制御される。また、通常制御時は、アクセル開度及
び車速に応じた変速速度係数が所定のマップに従って算
出される。なお、アクセル開度が大きいほど、また、車
速が低いほど変速速度係数は大きく設定されるので、変
速速度が速くなる。そして、算出された変速速度係数
は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用される。
【0074】また、最終目標入力軸回転数と過渡目標入
力軸回転数との比較を行って、最終目標入力軸回転数が
過渡目標入力軸回転数より大きい場合、無段変速機制御
装置30は、ダウンシフトを実施すると判断する。一
方、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数以下
である場合、無段変速機制御装置30は、アップシフト
を実施すると判断する。これは、コーナ制御における変
速速度をダウンシフト時とアップシフト時とで、個別に
設定するためである。
【0075】続いて、ダウンシフトを実施すると判断し
た場合、無段変速機制御装置30は、既にコーナ制御に
おけるダウンシフトが実施されたか否かを判断する。こ
れは、コーナ制御における変速速度をダウンシフトが実
施された実施済みの時と実施されていない未実施の時と
で、変更するためである。ここで、次のような条件、 |最終目標入力軸回転数−基本目標入力軸回転数|>所
定値1 |最終目標入力軸回転数−過渡目標入力軸回転数|<所
定値2 がともに成立した場合、コーナ制御においてダウンシフ
トが実施済みと判断される。
【0076】続いて、コーナ制御におけるダウンシフト
が未実施であると判断した場合、無段変速機制御装置3
0は、図11に示されるブレーキ踏力応じた変速速度係
数マップにおける曲線24−1に従って、ブレーキ踏力
に対応する過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数
を算出する。なお、図11に示されるマップは、無段変
速機20の変速速度を決定する変速速度係数とブレーキ
踏力との関係を決定するために、あらかじめ作成され記
憶手段に記録されている。そして、曲線24−1はコー
ナ制御におけるダウンシフト未実施の場合の変速速度係
数とブレーキ踏力との関係を示し、曲線24−2はコー
ナ制御におけるダウンシフトが実施済みの場合の変速速
度係数とブレーキ踏力との関係を示している。この場
合、ブレーキ踏力が大きいほど、運転者の減速意図が大
きいと考えることができるので、変速速度係数を大きく
設定し、変速速度が速くなるようになっている。なお、
前記変速速度係数は、ブレーキ踏力、車両特性、走行環
境、走行状態を表す各種状態量に基づいて所定の計算式
によって算出してもよい。そして、算出された変速速度
係数は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用され
る。
【0077】また、コーナ制御におけるダウンシフトが
実施済みと判断した場合、無段変速機制御装置30は、
図11に示されるブレーキ踏力に応じた変速速度係数マ
ップにおける曲線24−2に従って、ブレーキ踏力に対
応する過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算
出する。この場合も、ダウンシフトが未実施の場合と同
様に、ブレーキ踏力が大きいほど、運転者の減速意図が
大きいと考えることができるので、変速速度係数を大き
く設定し、変速速度が速くなるようになっている。
【0078】ここで、曲線24−2を曲線24−1と比
較して分かるように、コーナ制御におけるダウンシフト
が実施済みの場合の変速速度係数は、ダウンシフト未実
施の場合の変速速度係数よりも小さくなるように設定さ
れ、無段変速機20の変速速度を遅くしている。これ
は、ダウンシフト未実施の場合は、車両が直進状態から
コーナに進入しようとしている状態であると推測するこ
とができるので、速やかにエンジンブレーキを効かせる
ためにダウンシフトの変速速度を速くする必要があるか
らである。これに対して、ダウンシフト実施済みの場合
は、車両が現時点において既にコーナを走行していて、
更に次のコーナに進入しようとしている状態であると推
測することができるので、いわゆる、連続コーナ走行時
の急な変速による違和感を防止するためにダウンシフト
の変速速度を遅くする必要があるからである。
【0079】なお、前記変速速度係数は、ブレーキ踏
力、車両特性、走行環境、走行状態を表す各種状態量に
基づいて所定の計算式によって算出してもよい。そし
て、算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数
を算出する際に使用される。
【0080】また、前述されたように、最終目標入力軸
回転数が過渡目標入力軸回転数以下なのでアップシフト
を実施すると判断した場合、無段変速機制御装置30
は、コーナ制御におけるアップシフト時の過渡目標入力
軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。そして、コ
ーナ制御におけるアップシフト時は、運転者に違和感を
与えることがないように、変速速度を遅くしてゆっくり
アップシフトさせるので、通常制御時及びコーナ制御に
おけるダウンシフト時と比較して、変速速度係数が小さ
く設定される。
【0081】さらに、本実施の形態において、前記変速
速度係数は、前述された道路勾配推定処理において推定
された道路勾配に応じて、図12に示されるように設定
される。すなわち、降坂路の場合、運転者が空走感を感
じることがないように、図12に示される道路勾配に応
じた変速速度係数マップにおける曲線25−1に従っ
て、降坂路の傾斜が急になるほど、変速速度を遅くして
ゆっくりアップシフトさせるために、変速速度係数が小
さくなるように算出する。また、登坂路の場合、運転者
が駆動トルク不足を感じることがないように、図12に
示される道路勾配に応じた変速速度係数マップにおける
曲線25−2に従って、登坂路の傾斜が急になるほど、
変速速度を遅くしてゆっくりアップシフトさせるため
に、変速速度係数が小さくなるように算出する。なお、
算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数を算
出する際に使用される。
【0082】続いて、無段変速機制御装置30は、算出
された最終目標入力軸回転数に実入力軸回転数を滑らか
に近付けるために、算出された変速速度係数を用い、次
の式(3)によって過渡目標入力軸回転数を算出する。 NINTSTA(i)=NINTSTA(i−1)+KNIN1× (NIN_F(i)−NINTSTA(i−1))+KNIN2 ・・・(3) なお、NINTSTA(i)は今回の過渡目標入力軸回
転数、NINTSTA(i−1)は前回の過渡目標入力
軸回転数、KNIN1は変速速度係数(大きいほど変速
速度が速い。)、NIN_F(i)は今回の最終目標入
力軸回転数、KNIN2は最小変速速度である。
【0083】ここで、最小変速速度(KNIN2)は、
回転差(最終目標入力軸回転数−過渡目標入力軸回転
数)が小さくなって、変速速度が遅くなり過ぎることを
防止するために設定される。すなわち、最小変速速度
(KNIN2)が設定されないと、過渡目標入力軸回転
数を示す曲線は、目標値に近付くにつれて傾斜が緩やか
になり、目標値に到達するまでに時間がかかってしま
う。そのため、過渡目標入力軸回転数が目標値に近付く
と大きく作用する最小変速速度(KNIN2)が設定さ
れる。したがって、前記最小変速速度(KNIN2)
は、ダウンシフト時において正の値、アップシフト時に
おいて負の値となるように設定される。また、前記最小
変速速度(KNIN2)は定数であるが、車両特性、走
行状態、走行環境に応じて適宜変更してもよい。
【0084】また、次の式(4)によって過渡目標入力
軸回転数を算出することもできる。 NINTSTA(i)=NINTSTA(i−1)+KNIN_SWP ・・・ (4) なお、NINTSTA(i)は今回の過渡目標入力軸回
転数、NINTSTA(i−1)は前回の過渡目標入力
軸回転数、KNIN_SWPは制御周期当たりの変化量
である。
【0085】この場合、無段変速機制御装置30は、変
速制御処理において、前記変速速度係数を算出すること
なく、制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)を
算出する。ここで、該制御周期当たりの変化量(KNI
N_SWP)は、1回の制御周期毎に増加又は減少する
過渡目標入力軸回転数の数値である。したがって、前記
制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)は、ダウ
ンシフト時において正の値、アップシフト時において負
の値となるように設定される。そして、前記制御周期当
たりの変化量(KNIN_SWP)の大きさは、前述さ
れたように、変速速度係数を算出する場合と同様に設定
される。すなわち、変速速度係数が大きく設定される条
件下では制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)
を大きく設定し、変速速度係数が小さく設定される条件
下では制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)を
小さく設定する。これにより、変速速度係数を算出する
場合と同様に過渡目標入力軸回転数を算出することがで
きる。
【0086】最後に、無段変速機制御装置30は、実入
力軸回転数が算出された過渡目標入力軸回転数と一致す
るように、無段変速機20のアクチュエータを作動させ
て、変速比を制御する。これにより、例えば、無段変速
機20がベルト式無段変速機である場合には、Vプーリ
の傾斜側面の間隔を調整するための各可動シーブが軸方
向に移動させられて、変速比が変化する。
【0087】なお、無段変速機制御装置30が実行する
前記基本目標入力軸回転数算出処理、道路勾配推定処
理、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理、最終目
標入力軸回転数算出処理及び変速制御処理は、所定の周
期(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行され
る。
【0088】次に、フローチャートについて説明する。
まず、無段変速機制御装置30における処理全体を示す
図13のフローチャートについて説明する。 ステップS11 基本目標入力軸回転数算出処理を行
う。 ステップS12 道路勾配推定処理を行う。 ステップS13 コーナに対する目標入力軸回転数算出
処理を行う。 ステップS14 最終目標入力軸回転数算出処理を行
う。 ステップS15 変速制御処理を行う。
【0089】次に、本発明の実施の形態におけるコーナ
に対する目標入力軸回転数算出処理のサブルーチンを示
すフローチャートについて説明する。 ステップS13−1 コーナ制御実行中フラグがオンで
あるか否かを判断する。オンである場合はステップS1
3−2に進み、オフである場合はステップS13−5に
進む。 ステップS13−2 コーナを通過したか否かを判断す
る。通過した場合はステップS13−3に進み、通過し
ていない場合はステップS13−9に進む。 ステップS13−3 コーナ制御実行中フラグをオフに
する。 ステップS13−4 コーナに対する目標入力軸回転数
を初期値(ゼロ)にし、リターンする。 ステップS13−5 前方にコーナがあるか否かを判断
する。コーナがある場合はステップS13−6に進み、
コーナがない場合はステップS13−7に進む。 ステップS13−6 必要減速度Giが所定値以上であ
るか否かを判断する。所定値以上である場合はステップ
S13−8に進み、所定値より小さい場合はステップS
13−7に進む。 ステップS13−7 コーナに対する目標入力軸回転数
を初期値(ゼロ)にし、リターンする。 ステップS13−8 コーナ制御実行中フラグをオンに
する。 ステップS13−9 必要減速度及びコーナ形状に応じ
たコーナに対する推奨入力軸回転数を算出する。 ステップS13−10 アイドル状態であるか否かを判
断する。アイドル状態である場合はステップS13−1
1に進み、アイドル状態でない場合はステップS13−
12に進む。 ステップS13−11 コーナに対する推奨入力軸回転
数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入し、リター
ンする。 ステップS13−12 実入力軸回転数がコーナに対す
る推奨入力軸回転数以下であるか否かを判断する。実入
力軸回転数がコーナに対する推奨入力軸回転数以下であ
る場合はステップS13−13に進み、実入力軸回転数
がコーナに対する推奨入力軸回転数より大きい場合はス
テップS13−14に進む。 ステップS13−13 実入力軸回転数をコーナに対す
る目標入力軸回転数に代入し、リターンする。 ステップS13−14 コーナに対する推奨入力軸回転
数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入し、リター
ンする。
【0090】次に、本発明の実施の形態における変速制
御処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説
明する。 ステップS15−1 コーナ制御実行中フラグがオンに
なっているか、又はコーナ制御実行中フラグがオンから
オフになった後所定時間以内であるか否かを判断する。
コーナ制御実行中フラグがオン、又はオンからオフにな
った後所定時間以内である場合はステップS15−3に
進み、コーナ制御実行中フラグがオフ、かつ、オンから
オフになった後所定時間以上である場合はステップS1
5−2に進む。 ステップS15−2 通常制御時の過渡目標入力軸回転
数算出用の変速速度係数を算出する。 ステップS15−3 最終目標入力軸回転数が過渡目標
入力軸回転数より大きいか否かを判断する。最終目標入
力軸回転数が過渡目標入力軸回転数より大きい場合はス
テップS15−4に進み、最終目標入力軸回転数が過渡
目標入力軸回転数以下である場合はステップS15−7
に進む。 ステップS15−4 コーナ制御によるダウンシフトが
実施されている否かを判断する。実施されている場合は
ステップS15−6に進み、未実施である場合はステッ
プS15−5に進む。 ステップS15−5 図11に示されるコーナ制御によ
るダウンシフト未実施時の変速速度係数マップからブレ
ーキ踏力に応じて過渡目標入力軸回転数算出用の変速速
度係数を算出する。 ステップS15−6 図11に示されるコーナ制御によ
るダウンシフト実施済み時の変速速度係数マップからブ
レーキ踏力に応じて過渡目標入力軸回転数算出用の変速
速度係数を算出する。 ステップS15−7 コーナ制御によるアップシフト時
の過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を道路勾
配に応じて算出する。 ステップS15−8 算出された変速速度係数を用いて
過渡目標入力軸回転数を算出する。 ステップS15−9 実入力軸回転数が過渡目標入力軸
回転数と一致するように変速比を変化させ、リターンす
る。
【0091】次に、車両がコーナに差し掛かった時の車
両の駆動力制御装置の動作について説明する。
【0092】図16は本発明の実施の形態におけるアク
セル開度が比較的小さい場合のコーナ制御の状態を示す
図、図17は本発明の実施の形態におけるアクセル開度
が比較的大きい場合のコーナ制御の状態を示す図であ
る。なお、図において、横軸に時間を、縦軸に変速比及
び入力軸回転数を採ってある。
【0093】図16において、27は道路、28は該道
路27上を走行する車両であり、道路27上の車両28
の位置の経過と、グラフの横軸における時間の経過とは
概略対応するように示されている。なお、27aは要減
速区間としてのコーナである。
【0094】また、グラフにおいて、31は車両28の
駆動力制御としてのコーナ制御が開始されるコーナ制御
開始点、32はコーナ27aのアクセルが全閉とされた
アイドル状態開始点、33はアクセル開度の変化を示す
アクセル開度曲線、34は推奨入力軸回転数の変化を示
す推奨入力軸回転数曲線、35は目標入力軸回転数の変
化を示す目標入力軸回転数曲線、36は過渡目標入力軸
回転数の変化を示す過渡目標入力軸回転数曲線、37は
無段変速機20の変速比の変化を示す変速比曲線、38
は従来の過渡目標入力軸回転数の変化を示す従来過渡目
標入力軸回転数曲線である。なお、前述されたように、
実入力軸回転数が算出された過渡目標入力軸回転数と一
致するように無段変速機20の変速比が制御されるの
で、過渡目標入力軸回転数曲線36は無段変速機20の
実入力軸回転数の変化を示していると言える。
【0095】そして、図16においては、アクセル開度
が比較的小さな状態で車両28がコーナ27aの手前の
区間に進入する場合が示されている。ここで、車両28
が前記区間に進入すると、ナビゲーション装置10は、
車両28がコーナ27aに差し掛かると判断して、走行
環境認識処理を開始する(ステップS2)。その結果、
コーナ形状、必要減速度を含む走行環境情報が、ナビゲ
ーション装置10から無段変速機制御装置30に送信さ
れる(ステップS3)。そして、該無段変速機制御装置
30は、車両28がコーナ制御開始点31に対応する位
置に到達すると、必要減速度が所定値以上になったと判
断して、コーナ制御を開始する(ステップS13−
8)。そして、コーナ27aに対する推奨入力軸回転数
及び目標入力軸回転数の算出を開始する(ステップS1
3−9)。
【0096】この場合、車両28がコーナ27aに接近
するに従って、必要減速度が増加するので、推奨入力軸
回転数は、推奨入力軸回転数曲線34で示されるように
増加する。この段階では、目標入力軸回転数に推奨入力
軸回転数が代入されるので、目標入力軸回転数曲線35
は推奨入力軸回転数曲線34と重なっている(ステップ
S13−14)。そして、推奨入力軸回転数が過渡目標
入力軸回転数曲線36で示される実入力軸回転数より大
きくなると、目標入力軸回転数に実入力軸回転数が代入
されるので、目標入力軸回転数曲線35は過渡目標入力
軸回転数曲線36と重なる(ステップS13−13)。
【0097】一方、車両28の運転者は、車両28がコ
ーナ27aに接近するに従って、減速しようとして、ア
クセル開度曲線33で示されるように、アクセルを戻し
ていく。
【0098】この場合、「従来の技術」及び「発明が解
決しようとする課題」において説明した従来の車両の駆
動力制御装置であると、アクセルを戻していったことが
検出されると、従来過渡目標入力軸回転数曲線38で示
されるように、過渡目標入力軸回転数が低下する。この
ため、変速比は小さくなり、アップシフトが行われてエ
ンジンブレーキによる減速力が小さくなるので、運転者
は空走感を感じてしまう。
【0099】しかし、本実施の形態においては、コーナ
制御が開始されているので、アクセルを戻していく間
に、目標入力軸回転数曲線35が過渡目標入力軸回転数
曲線36と重なり変化しないので、過渡目標入力軸回転
数が低下することがない。そのため、変速比がほぼ一定
であり、アップシフトが行われないようになっている。
すなわち、アップシフトが禁止されているので、エンジ
ンブレーキによる減速力が小さくならず、運転者は空走
感を感じることがない。
【0100】そして、アイドル状態開始点32におい
て、アクセルが完全に戻されて全閉になると、目標入力
軸回転数に推奨入力軸回転数が代入されるので、目標入
力軸回転数曲線35は推奨入力軸回転数曲線34と重な
る(ステップS13−11)。そのため、目標入力軸回
転数が過渡目標入力軸回転数よりも大きくなるので、実
入力軸回転数を目標入力軸回転数に滑らかに近付けるよ
うに、過渡目標入力軸回転数が算出される(ステップS
15−8)。これにより、過渡目標入力軸回転数は、過
渡目標入力軸回転数曲線36で示されるように上昇す
る。
【0101】この場合、ブレーキ踏力が大きいほど、運
転者の減速意図が大きいと考えることができるので、変
速速度係数を大きく設定し、変速速度が速くなるように
過渡目標入力軸回転数曲線36の傾斜が急になる(ステ
ップS15−5)。なお、車両28が現時点において、
他のコーナを通過中である場合には、いわゆる連続コー
ナ走行時の急な変速による違和感を防止するために、ダ
ウンシフトの変速速度を遅くする必要があるので、変速
速度係数は小さく設定される(ステップS15−6)。
【0102】そして、無段変速機20の変速比は、実入
力軸回転数が算出された過渡目標入力軸回転数と一致す
るように制御されるので、変速比曲線37で示されるよ
うに変化する(ステップS15−9)。この場合、変速
比は、車両28がコーナ27aの手前の区間に進入して
からアイドル状態開始点32に到達するまでは、ほぼ一
定であり、アイドル状態開始点32を通過後に滑らかに
上昇し、滑らかなダウンシフトが行われている。したが
って、不要なアップシフトが行われたりビジーシフトが
発生したりすることがなく、運転者の感覚に合致した駆
動力制御が行われていることが分かる。
【0103】これに対し、前記従来の車両の駆動力制御
装置であると、従来過渡目標入力軸回転数曲線38で示
されるように、車両28がアイドル状態開始点32を通
過後に過渡目標入力軸回転数が急激に上昇する。この場
合、変速比も過渡目標入力軸回転数に伴って急激に上昇
し、急激なダウンシフトが行われるので、エンジンブレ
ーキによる減速力が急激に増大し、運転者は違和感を感
じてしまう。しかも、前述されたように、アクセルを戻
していった時にアップシフトが行われ、その直後に急激
なダウンシフトが行われるので、ビジーシフトが発生
し、車両の駆動力が変動するので、運転者は違和感を感
じてしまう。そのため、運転者の感覚に合致した駆動力
制御を行うことができず、車両の運転性が悪化してしま
う。
【0104】このように、本実施の形態においては、不
要なアップシフトが行われたりビジーシフトが発生した
りすることがなく、運転者の感覚に合致した車両の駆動
力制御が行われる。
【0105】次に、アクセル開度が比較的大きい場合の
コーナ制御の状態について説明する。
【0106】図17においては、アクセル開度が比較的
大きな状態で車両28がコーナ27aの手前の区間に進
入する場合が示されている。ここで、車両28が前記区
間に進入すると、ナビゲーション装置10は、車両28
がコーナ27aに差し掛かると判断して、走行環境認識
処理を開始する(ステップS2)。その結果、コーナ形
状、必要減速度を含む走行環境情報が、ナビゲーション
装置10から無段変速機制御装置30に送信される(ス
テップS3)。そして、該無段変速機制御装置30は、
車両28がコーナ制御開始点31に対応する位置に到達
すると、必要減速度が所定値以上になったと判断して、
コーナ制御を開始する(ステップS13−8)。そし
て、コーナ27aに対する推奨入力軸回転数及び目標入
力軸回転数の算出を開始する(ステップS13−9)。
【0107】この場合、車両28がコーナ27aに接近
するに従って、必要減速度が増加するので、推奨入力軸
回転数は、推奨入力軸回転数曲線34で示されるように
増加する。この段階では、目標入力軸回転数に推奨入力
軸回転数が代入されるので、目標入力軸回転数曲線35
は推奨入力軸回転数曲線34と重なっている(ステップ
S13−14)。ここで、アクセル開度が比較的大きい
ので、過渡目標入力軸回転数曲線36で示される実入力
軸回転数はかなり大きくなっている。そのため、過渡目
標入力軸回転数曲線36で示される実入力軸回転数が推
奨入力軸回転数より小さくなることがない。
【0108】一方、車両28の運転者は、車両28がコ
ーナ27aに接近するに従って、減速しようとして、ア
クセル開度曲線33で示されるように、アクセルを戻し
ていく。この場合、図16に示されているようなアクセ
ル開度が比較的小さな状態では、変速比がほぼ一定であ
りアップシフトが行われないが、アクセル開度が比較的
大きく、実入力軸回転数に対応する過渡目標入力軸回転
数がコーナ27aに対する最終目標入力軸回転数よりも
大きくなっている(ステップS15−3)。そのため、
無段変速機制御装置30は、コーナ制御におけるアップ
シフト時の過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数
を算出する(ステップS15−7)。なお、コーナ制御
におけるアップシフト時は、運転者に違和感を与えるこ
とがないように、変速速度を遅くしてゆっくりアップシ
フトさせるので、通常制御時及びコーナ制御におけるダ
ウンシフト時と比較して、変速速度係数が小さく設定さ
れる(ステップS15−7)。そして、実入力軸回転数
を最終目標入力軸回転数に滑らかに近付けるように、過
渡目標入力軸回転数が算出される(ステップS15−
8)。この場合、実入力軸回転数を低下させて最終目標
入力軸回転数に近付けるので、過渡目標入力軸回転数
は、過渡目標入力軸回転数曲線36で示されるように低
下する。そのため、無段変速機20の変速比は、変速比
曲線37で示されるように緩やかに低下して、アップシ
フトがゆっくりと行われる。
【0109】そして、アイドル状態開始点32におい
て、アクセルが完全に戻されて全閉になっても、同様
に、目標入力軸回転数に推奨入力軸回転数が代入される
状態が継続する(ステップS13−11)。この場合、
実入力軸回転数は、既に最終目標入力軸回転数に滑らか
に近付けるように制御され、目標入力軸回転数に一致し
ているので、過渡目標入力軸回転数曲線36で示される
ようにほぼ一定である。そして、無段変速機20の変速
比は、実入力軸回転数が算出された過渡目標入力軸回転
数と一致するように制御されるので、変速比曲線37で
示されるようにほぼ一定である(ステップS15−
9)。
【0110】このように、アクセル開度が比較的大きな
状態で車両28がコーナ27aの手前の区間に進入する
場合、車両28の運転者がアクセルを戻していくのに対
応して、過渡目標入力軸回転数が緩やかに低下して最終
目標入力軸回転数に一致する。そのため、無段変速機2
0の変速比は、ゆっくりと低下する、すなわち、ゆっく
りとアップシフトが行われるが、最終目標入力軸回転数
に対応した数値に到達した後はほぼ一定となる。したが
って、変速が滑らかに行われ駆動力が滑らかに変動し、
かつ、コーナに対応したエンジンブレーキによる減速力
を得ることができるので、運転者の感覚に合致した駆動
力制御を行うことができ、車両28の運転性を向上させ
ることができる。
【0111】これに対し、前記従来の車両の駆動力制御
装置であると、従来過渡目標入力軸回転数曲線38で示
されるように、アクセルを戻していったことが検出され
ると、過渡目標入力軸回転数が急激に、かつ、大幅に低
下する。そして、車両28がアイドル状態開始点32を
通過後に過渡目標入力軸回転数が上昇する。この場合、
変速比も過渡目標入力軸回転数に伴って急激に、かつ、
大幅に低下し、急激、かつ、大幅なアップシフトが行わ
れるので、エンジンブレーキによる減速力が急激、か
つ、大幅に減少し、運転者は違和感を感じてしまう。し
かも、その直後にダウンシフトが行われるので、ビジー
シフトが発生し、車両28の駆動力が変動するので、運
転者は違和感を感じてしまう。そのため、運転者の感覚
に合致した駆動力制御を行うことができず、車両28の
運転性が悪化してしまう。
【0112】このように、本実施の形態においては、コ
ーナ27aの手前の区間において、車両28の運転者が
アクセル開度が比較的小さな状態からアクセルを戻して
アクセルを全閉する場合には、アクセルが全閉とされる
まで変速比を変化させず、アクセルが全閉とされた後に
変速比を上昇させるように無段変速機20を制御し、ま
た、車両28の運転者がアクセル開度が比較的大きな状
態からアクセルを戻してアクセルを全閉する場合には、
アクセルが全閉とされるまでに緩やかに変速比を減少さ
せて、アクセルが全閉とされた後に変速比を変化させな
いように無段変速機20を制御するようになっている。
すなわち、アクセル開度の減少に対応する変速操作を緩
和するように無段変速機20を制御するようになってい
る。
【0113】そのため、無段変速機20の変速が滑らか
に行われ、駆動力が滑らかに変動し、かつ、コーナに対
応したエンジンブレーキによる減速力を得ることができ
るので、不要なアップシフトが行われたりビジーシフト
が発生したりすることがなく、運転者の感覚に合致した
駆動力制御を行うことができ、車両28の運転性を向上
させることができる。
【0114】次に、コーナを通過した後の駆動力制御に
ついて説明する。
【0115】図1は本発明の実施の形態における降坂路
の場合のコーナを通過した後の駆動力制御の状態を示す
図、図18は本発明の実施の形態における登坂路の場合
のコーナを通過した後の駆動力制御の状態を示す図であ
る。なお、図において、横軸に時間を、縦軸に変速比及
び入力軸回転数を採ってある。
【0116】まず、降坂路の場合のコーナを通過した後
の制御の状態について説明する。なお、図16及び17
に示されるものと同じものに対しては、同一の符号を付
与することによって、その説明を省略する。
【0117】図1において、51はコーナを通過したと
判断するコーナ通過点、52は道路勾配推定処理によっ
て推定された道路勾配を示す道路勾配線、53は道路勾
配がない場合の道路勾配を示す勾配基準線、54は従来
過渡目標入力軸回転数曲線38において運転者が空走感
を感じる空走感領域である。
【0118】ここで、無段変速機制御装置30は、車両
28がコーナ通過点51に近付くと、道路勾配推定処理
(ステップS12)によって推定された道路勾配が低下
するので、降坂路であると判断して、変速速度を遅くし
てゆっくりアップシフトさせるために、変速速度係数を
小さくなるように算出して設定する(ステップS15−
7)。
【0119】そして、車両28がコーナ通過点51に到
達すると、無段変速機制御装置30は、コーナ27aを
通過したと判断して(ステップS13−2)、目標入力
軸回転数を初期値(ゼロ)にする(ステップS13−
4)。これにより、通常制御に復帰するために、過渡目
標入力軸回転数曲線36で示されるように、過渡目標入
力軸回転数が低下する。しかし、アップシフト時の変速
速度係数が小さく設定されているので、過渡目標入力軸
回転数曲線36は緩やかに低下する。そのため、変速比
曲線37で示されるように、アップシフトがゆっくりと
行われる。
【0120】このように、降坂路である場合、車両28
がコーナ27aを通過した時に、ゆっくりしたアップシ
フトが行われ、変速比は滑らかにゆっくりと低下する。
したがって、アップシフトが行われても、変速比の変化
が極めて緩やかなので、エンジンブレーキによる減速力
が緩やかに減少し、運転者は空走感を感じることがな
い。また、ゆっくりとアップシフトが行われるので、駆
動力が滑らかに変化し、運転者の感覚に合致した駆動力
制御が行われる。
【0121】これに対し、前記従来の車両の駆動力制御
装置であると、従来過渡目標入力軸回転数曲線38で示
されるように、車両28がコーナ通過点51を通過後、
空走感領域54において、過渡目標入力軸回転数が急激
に低下する。この場合、変速比も過渡目標入力軸回転数
に伴って急激に低下し、急激なアップシフトが行われる
ので、エンジンブレーキによる減速力が急激に低下し、
運転者は空走感を感じてしまう。そのため、運転者の感
覚に合致した駆動力制御を行うことができず、車両の運
転性が悪化してしまう。
【0122】次に、登坂路の場合のコーナを通過した後
の制御の状態について説明する。
【0123】図18において、55は従来過渡目標入力
軸回転数曲線38において運転者が駆動力不足を感じる
駆動力不足領域である。
【0124】この場合、無段変速機制御装置30は、車
両28がコーナ通過点51に近付くと、道路勾配推定処
理(ステップS12)によって推定された道路勾配が上
昇するので、登坂路であると判断して、変速速度を遅く
してゆっくりアップシフトさせるために、変速速度係数
を小さくなるように算出して設定する(ステップS15
−7)。
【0125】そして、車両28がコーナ通過点51に到
達すると、無段変速機制御装置30は、コーナ27aを
通過したと判断して(ステップS13−2)、目標入力
軸回転数を初期値(ゼロ)にする(ステップS13−
4)。これにより、通常制御に復帰するために、過渡目
標入力軸回転数曲線36で示されるように、過渡目標入
力軸回転数が低下する。しかし、アップシフト時の変速
速度係数が小さく設定されているので、過渡目標入力軸
回転数曲線36は緩やかに低下する。そのため、変速比
曲線37で示されるように、アップシフトがゆっくりと
行われる。
【0126】このように、登坂路である場合、車両28
がコーナ27aを通過した時に、ゆっくりしたアップシ
フトが行われ、変速比は滑らかにゆっくりと低下する。
したがって、アップシフトが行われても、変速比の変化
が極めて緩やかなので、駆動力が緩やかに減少し、運転
者は駆動力不足を感じることがない。また、ゆっくりと
アップシフトが行われるので、駆動力が滑らかに変化
し、運転者の感覚に合致した駆動力制御が行われる。
【0127】これに対し、前記従来の車両の駆動力制御
装置であると、従来過渡目標入力軸回転数曲線38で示
されるように、車両28がコーナ通過点51を通過後、
駆動力不足領域55において、過渡目標入力軸回転数が
急激に低下する。この場合、変速比も過渡目標入力軸回
転数に伴って急激に低下し、急激なアップシフトが行わ
れるので、駆動力が急激に低下し、運転者は駆動力不足
を感じてしまう。そして、駆動力が不足するので、運転
者はアクセルペダルを踏み込んでアクセル開度を大きく
することになる。すると、ダウンシフトするように無段
変速機20が制御され、アップシフトが行われた直後に
ダウンシフトが行われるので、いわゆる、ビジーシフト
が発生してしまう。そのため、運転者の感覚に合致した
駆動力制御を行うことができず、車両28の運転性が悪
化してしまう。
【0128】このように、本実施の形態においては、降
坂路又は登坂路である場合、車両28がコーナ27aを
通過した時に、アップシフトが行われる場合の変速速度
係数を小さく設定するようになっている。すなわち、変
速比を大きくする制御から通常の制御に移行する時、道
路勾配に対応して変速速度が変化するように無段変速機
20を制御するようになっている。
【0129】これにより、車両28がコーナ27aを通
過した時に、ゆっくりしたアップシフトが行われ、変速
比は滑らかにゆっくりと低下する。そのため、降坂路で
ある場合、アップシフトが行われても、変速比の変化が
極めて緩やかなので、エンジンブレーキによる減速力が
緩やかに減少し、運転者は空走感を感じることがない。
また、登坂路である場合、アップシフトが行われても、
変速比の変化が極めて緩やかなので、駆動力が緩やかに
減少し、運転者は駆動力不足を感じることがない。
【0130】したがって、運転者の感覚に合致した駆動
力制御を行うことができ、車両28の運転性を向上させ
ることができ、運転者に違和感を与えることがないよう
な範囲で速やかに通常制御に復帰させることができる。
【0131】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0132】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、車両の駆動力制御装置においては、駆動源に駆動
連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出
力する出力軸を備える自動変速機と、道路情報及び車両
状態情報に基づいて前記自動変速機を制御する自動変速
機制御装置とを有し、該自動変速機制御装置は、前記道
路情報に基づいた変速比制御から車両状態情報に基づい
た変速比制御に移行する時に、道路勾配に対応して変速
速度が変化するように前記自動変速機を制御する。
【0133】この場合、通常の制御に移行する時、道路
勾配に対応して変速速度が変化するように前記自動変速
機を制御することによって、ゆっくりしたアップシフト
が行われ、変速比は滑らかにゆっくりと低下する。その
ため、運転者の感覚に合致した駆動力制御を行うことが
でき、車両の運転性を向上させることができ、運転者に
違和感を与えることがないような範囲で速やかに通常制
御に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における降坂路の場合のコ
ーナを通過した後の駆動力制御の状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両の駆動力制御
装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定の
動作を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定の
ためのテーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるコーナ制御領域判
定の基準の例を示す図本である。
【図6】本発明の実施の形態における必要減速度の算出
方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装
置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における走行環境認識処理
のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における基本目標入力軸回
転数マップを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるコーナに対する
推奨入力軸回転数マップを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態におけるブレーキ踏力に
応じた変速速度係数マップを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における道路勾配に応じ
た変速速度係数マップを示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における無段変速機制御
装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態におけるコーナに対する
目標入力軸回転数算出処理のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図15】本発明の実施の形態における変速制御処理の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態におけるアクセル開度が
比較的小さい場合のコーナ制御の状態を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態におけるアクセル開度が
比較的大きい場合のコーナ制御の状態を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態における登坂路の場合の
コーナを通過した後の駆動力制御の状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 ナビゲーション装置 20 無段変速機 27a コーナ 28 車両 30 無段変速機制御装置 45 アクセル開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 (72)発明者 椎窓 利博 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 岡坂 和臣 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 今永 雄二 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 田村 忠司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 井上 大輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 谷口 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小川 文治 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 Fターム(参考) 3J552 MA06 NA01 NB01 PA19 PA33 PA34 PA35 PA36 PA51 RB18 RB21 RB22 RB23 SA32 TA02 VA11W VA74W VA74Y VB01W VB11Z VC01Z VD02W VD04W VD11Z VD14Z VE02Z VE03W VE04W VE07Z VE08Z VE09Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)駆動源に駆動連結される入力軸、
    及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備え
    る自動変速機と、(b)道路情報及び車両状態情報に基
    づいて前記自動変速機を制御する自動変速機制御装置と
    を有し、(c)該自動変速機制御装置は、前記道路情報
    に基づいた変速比制御から車両状態情報に基づいた変速
    比制御に移行する時に、道路勾配に対応して変速速度が
    変化するように前記自動変速機を制御することを特徴と
    する車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記道路情報に基づいた変速比制御から
    前記車両状態情報に基づいた変速比制御に移行する時
    は、前記道路情報に基づいて設定された変速比となるよ
    うに前記自動変速機が制御される状態から前記車両状態
    情報に基づいて設定された変速比となるように前記自動
    変速機が制御される状態に変化する過渡的な時である請
    求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記自動変速機制御装置は、車両を減速
    させる必要がある区間として要減速区間を設定するとと
    もに、該要減速区間において前記道路情報に基づいた変
    速比制御を行い、前記要減速区間を通過すると前記車両
    状態情報に基づいた制御に移行する請求項1又は2に記
    載の車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記自動変速機制御装置は、自車位置を
    基準とした前記要減速区間の手前の区間において、アク
    セル開度の減少に対応する変速操作を緩和するように前
    記自動変速機を制御する請求項3に記載の車両の駆動力
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記自動変速機制御装置は、前記道路勾
    配が急になるほど変速速度係数を小さくなるように前記
    自動変速機を制御する請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の車両の駆動力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記道路情報は道路の形状又は道路勾配
    を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の駆動
    力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記車両状態情報は、前記アクセル開度
    及び前記車両の車速を含む車両の走行状態に関する情報
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の駆動
    力制御装置。
  8. 【請求項8】 前記自動変速機は無段変速機である請求
    項1〜7のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装
    置。
  9. 【請求項9】 道路情報及び車両のアクセル開度に基づ
    いて、前記道路情報に基づいた変速比制御から車両状態
    情報に基づいた変速比制御に移行する時に、道路勾配に
    対応して変速速度が変化するように自動変速機を制御す
    ることを特徴とする車両の駆動力制御方法。
  10. 【請求項10】 (a)コンピュータを、(b)車両の
    アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、並びに、
    (c)道路情報及び前記アクセル開度に基づいて自動変
    速機を制御する自動変速機制御装置として機能させ、
    (d)該自動変速機制御装置は、前記道路情報に基づい
    た変速比制御から車両状態情報に基づいた変速比制御に
    移行する時に、道路勾配に対応して変速速度が変化する
    ように前記自動変速機を制御することを特徴とする車両
    の駆動力制御用プログラム。
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