JP4449343B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置が搭載された車両において、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データに対応させて駆動力制御を行うことができるようにした車両制御装置が提供されている。この場合、例えば、車両がコーナ(カーブ)に差し掛かることが検出され、かつ、運転者の動作に基づく所定の条件が満たされると、駆動力制御としてダウンシフト等の車両を減速させるためのコーナ制御が行われる。そして、上限の変速段が決定され、該上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が選択されないようになっている。
【0003】
この場合、前記車両制御装置は、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データ、車両の速度、アクセル開度等の種々のデータに基づいて演算を行い、制御用データを作成し、該制御用データに基づいて前記コーナ制御を行うようになっている。
【0004】
また、近年、ナビゲーション装置が提供する道路状況データが実際の道路状況に一致していない場合には、実際の道路状況に対応するように変速機を制御して駆動力制御を行う車両制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。該車両制御装置においては、ナビゲーション装置が提供する道路状況データによる道路形状と、ジャイロセンサ等の出力に基づいて得られた実際の道路形状とを比較して、両者が相違している場合には、コーナ制御を行わないようになっている。
【0005】
これにより、ナビゲーション装置が提供する道路状況データによる道路形状が実際の道路形状と一致している場合だけ駆動力制御を行うので、実際の道路形状に対応して適切な駆動力制御を行うことができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−311316号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両制御装置においては、ナビゲーション装置が提供する道路状況データによる道路形状が曲線であり、実際の道路形状が直線である場合にコーナ制御を行わないようになっているが、ナビゲーション装置が提供する道路状況データによる道路形状が直線であり、実際の道路形状が曲線である場合が考慮されていない。そのため、車両が、道路工事等によって一時的に道路形状が変更されている区間を走行する場合には、対応することができず、適切な駆動力制御を行うことができなくなってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の車両制御装置の問題点を解決して、道路情報に基づく道路形状と車両状態情報に基づく実際の道路形状との間に相違がある区間を車両が走行した場合には、前記区間の位置、道路形状を示すデータ等を学習し、次回以降に前記区間を走行する際の車両制御に使用することができるようにして、車両の運転性を向上させることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両制御装置においては、車両の駆動力を調整する駆動力調整装置と、道路情報を提供する道路情報提供装置と、車両状態情報を提供する車両状態情報提供装置と、前記道路情報及び車両状態情報に基づいて駆動力調整装置を制御する制御装置とを有し、該制御装置は、前記道路情報に基づく道路形状と前記車両状態情報に基づく道路形状とが相違する区間を走行すると、該区間の車両状態情報に基づく道路形状を示すデータを登録し、次回以降に車両が前記区間を走行する際に、登録されたデータに基づいて前記駆動力調整装置を制御するとともに、前記道路情報及び前記車両状態情報に基づいて前記登録されたデータの必要性を判断し、必要性がないと判断した場合、前記登録されたデータをクリアする。
【0010】
本発明の他の車両制御装置においては、さらに、前記制御装置は、前記道路情報及び前記車両状態情報に基づいて道路に仮設道路が存在するか否かを判断し、仮設道路が存在しない場合、前記登録されたデータの必要性がないと判断する。
【0011】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御装置は、車両が前記区間を走行した際の累積旋回角、マップマッチングの結果及び車速に基づいて、前記登録されたデータの必要性を判断する。
【0012】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御装置は、累積旋回角が閾値未満であり、マッチングはずれがなく、かつ、車速が所定値以上である場合、必要性がないと判断して前記登録されたデータをクリアする。
【0013】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記制御装置は、前記道路情報に基づく道路形状と前記車両状態情報に基づく走行軌跡の形状とが相違する場合に前記区間の道路形状を学習する。
【0014】
本発明の更に他の車両制御装置においては、さらに、前記区間は、道路における通行止めの区間をバイパスする仮設道路である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態における車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図において、10は道路情報としての車両の走行環境情報である道路情報を提供する道路情報提供装置としてのナビゲーション装置、20は車両の駆動力を調整する駆動力調整装置としての自動変速機、30は前記道路情報及び車両状態情報に基づいて自動変速機20を制御する制御装置としての自動変速機制御装置である。なお、前記自動変速機20は、変速比を制御して車両のエンジンの回転を車軸に伝達する装置であり、変速比を段階的に変化させる変速段を備えた有段自動変速機であってもよいし、変速比を無段階に変化させる無段変速機であってもよい。また、41は車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出するジャイロセンサ、42は車両の速度を検出する車速センサ、43は運転者が操作する車両のステアリングの舵(だ)角を検出するステアリングセンサ、44は運転者が操作する車両のブレーキペダルの動きを検出するブレーキセンサ、45は運転者が操作するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ、46は車両のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサである。なお、前記ナビゲーション装置10、ジャイロセンサ41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ブレーキセンサ44、アクセル開度センサ45及びエンジン回転数センサ46は、車両状態情報を提供する車両状態情報提供装置として機能する。
【0018】
ここで、前記ナビゲーション装置10は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、タッチパネル、リモートコントローラ、押しボタンスイッチ等の入力手段、通信インターフェイス、CRT、液晶ディスプレイ等の表示手段、スピーカ等の発音手段等を備える。そして、前記ナビゲーション装置10には前記ジャイロセンサ41、車速センサ42及びステアリングセンサ43が接続される。また、前記ナビゲーション装置10は、図示されないGPS(Global Positioning System)センサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等を備える。そして、前記ナビゲーション装置10は、前記ジャイロセンサ41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、GPSセンサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等からの信号に基づいて、車両の現在位置、車両が向いている方位、車両の速度、車両の移動距離等を検出する。
【0019】
そして、前記GPSセンサは、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサは、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサは、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。前記距離センサとしては、例えば、図示されない車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を二回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。また、前記ビーコンセンサは、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。
【0020】
なお、前記GPSセンサ及びビーコンセンサは、それぞれ、単独で現在位置を検出することができる。そして、距離センサによって検出された距離と、地磁気センサ及びジャイロセンサ41によって検出された方位とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。また、距離センサによって検出された距離と、ステアリングセンサ43によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0021】
また、前記ナビゲーション装置10の記憶手段は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、及び、各地域のホテル、ガソリンスタンド等の施設の情報が記憶された施設情報データファイルから成るデータベースを備える。そして、前記記憶手段には、経路を探索するためのデータの他、前記表示手段の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが記憶される。なお、前記記憶手段には、所定の情報を音声出力するための各種のデータも記憶される。また、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0022】
そして、前記交差点データファイルには交差点データが、ノードデータファイルにはノードデータが、道路データファイルには道路データがそれぞれ記録され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表示手段の画面に表示される。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかが含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
【0023】
また、前記道路データには、道路自体について、幅員、勾(こう)配、カント、高度、バンク、路面の状態、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、二条化道路として処理される。例えば、片側二車線以上の幹線道路の場合、二条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、主要地方道、一般道、高速道等)等のデータが含まれる。
【0024】
さらに、前記ナビゲーション装置10の通信インターフェイスは、自動変速機制御装置30との間で通信を行うとともに、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話回線網等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサの検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。
【0025】
そして、前記ナビゲーション装置10は、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等の各種処理を実行し、地図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する。なお、該案内情報は、発音手段によって音声出力されるようにしてもよい。さらに、前記ナビゲーション装置10は、車両の走行経路において車両の前方に位置するコーナ等(交差点、T字路、高速道路出入口ランプウェイ等も含む)の形状、該コーナ等への推奨進入速度等を含む道路情報としての走行環境情報を演算して出力する。この場合、道路情報は、交差点データ、ノードデータ、道路データなどの経路上の道路形状や交差点などを特定することができる情報である。なお、前記走行環境情報は、自動変速機制御装置30に送信される。
【0026】
また、自動変速機20は、無段変速機の場合、例えば、入力軸及び出力軸にそれぞれ取り付けられた二つのVプーリと、該二つのVプーリに掛けられたゴム製のVベルト又は多数の金属ブロックを組み合わせた金属製のVベルトとを有し、前記Vプーリの傾斜側面の間隔を調整して変速するベルト式無段変速機であるが、Vベルトに代えてチェーンを使用するチェーン式無段変速機、かさ形の摩擦車やアイドラを使用して摩擦やトラクションによって動力伝達を行う摩擦式無段変速機等、いかなる形式の無段変速機であってもよい。また、前記自動変速機20は、有段変速機の場合、例えば、遊星歯車装置を有する有段変速機であってもよいし、すべり歯車、クラッチ等を備える平行軸歯車装置を有する有段変速機であってもよいし、いかなる形式の有段変速機であってもよい。
【0027】
そして、前記自動変速機制御装置30は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。なお、前記自動変速機制御装置30には、前記ジャイロセンサ41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ブレーキセンサ44、アクセル開度センサ45及びエンジン回転数センサ46が接続される。また、前記自動変速機制御装置30は、前記ナビゲーション装置10が出力した走行環境情報を受信する。
【0028】
ここで、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。そして、前記自動変速機制御装置30は、前記記憶手段に格納された制御プログラムに従って、自動変速機20にアップシフト又はダウンシフトの変速を行わせる。この場合、アップシフトとは(現在の変速比よりも)変速比を小さくすることであり、出力軸の回転数が一定の場合にアップシフトの変速が行われると入力軸の回転数が減少する。また、ダウンシフトとは(現在の変速比よりも)変速比を大きくすることであり、出力軸の回転数が一定の場合にダウンシフトの変速が行われると入力軸の回転数が増加する。
【0029】
そして、運転者が図示されないモード選択手段を操作して通常モードを選択すると、前記自動変速機制御装置30は、車速センサ42が検出した車両の速度、ステアリングセンサ43が検出したステアリングの舵角、アクセル開度センサ45が検出したアクセル開度、ブレーキセンサ44が検出したブレーキの動き、エンジン回転数センサ46が検出したエンジン回転数等に基づいて、前記記憶手段に格納された図示されない変速マップを参照して、自動変速機20を制御して、アップシフト又はダウンシフトの変速を行わせる。
【0030】
また、運転者がモード選択手段を操作してナビモードを選択すると、前記自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10が出力した走行環境情報に対応させて自動変速機20を制御して、アップシフト又はダウンシフトの変速を行わせることによって、車両の駆動力制御を行う。なお、ナビモードが選択されなくても、前記自動変速機制御装置30が、常時、車両の駆動力制御を行うようにしてもよい。そして、車両の駆動力制御が行われると、コーナが連続する場合にワインディング制御が行われたり、車両が交差点に差し掛かると交差点制御が行われたり、車両がコーナに差し掛かるとコーナ制御が行われたりして、車両の運転性が低下しないようになっている。
【0031】
なお、前記ジャイロセンサ41としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ41によって検出された旋回角を積分することによって、車両が向いている方位を検出することができる。また、前記車速センサ42としては、図示されない車軸に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ等が使用される。さらに、前記ステアリングセンサ43としては、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0032】
また、自動変速機制御装置30は、機能の観点から、補正パラメータを設定する補正パラメータ設定部、ナビゲーション装置10から道路情報を取得する道路情報取得部、走行軌跡、旋回角等の車両状態情報を取得する車両状態情報取得部、道路形状を比較する道路形状比較部、制御データを設定する制御データ設定部、及び、道路形状を学習し、学習した結果をメンテナンスする道路形状学習メンテナンス部を有する。
【0033】
次に、前記構成の車両制御装置の動作について説明する。まず、コーナ制御の動作について説明する。
【0034】
図3は本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定の動作を示す図、図4は本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定のためのテーブルを示す図、図5は本発明の実施の形態におけるコーナ制御領域判定の基準の例を示す図、図6は本発明の実施の形態における必要減速度の算出方法を示す図、図7は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャート、図8は本発明の実施の形態における走行環境認識処理のサブルーチンを示す図である。なお、図5において、横軸にノードからの距離を、縦軸に旋回角によるコーナ形状を、図6において、横軸に区間距離Lを、縦軸に車速Vを採ってある。
【0035】
ここでは、車両がコーナに差し掛かることが検出されて、駆動力制御としてのコーナ制御が行われる場合について説明する。まず、前記ナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0036】
この場合、該ナビゲーション装置10は、自車位置としての車両の現在位置の検出、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等を行い、地図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する処理、すなわち、ナビゲーション基本処理を実行する。
【0037】
そして、該ナビゲーション基本処理において、自車位置としての車両の現在位置、道路データ等に基づいて、車両がコーナの手前の所定の位置に到達したことを検出し、車両がコーナに差し掛かると判断すると、前記ナビゲーション装置10は、走行環境認識処理を開始する。該走行環境認識処理は、前記コーナのコーナ形状、該コーナへの進入車速の分析等、車両の駆動力制御に必要な走行環境情報を演算する処理である。
【0038】
本実施の形態において、コーナ形状とは、緩コーナ、中コーナ、急コーナ等のように、コーナの曲率又は旋回角に基づいて識別されるコーナの属性の他に、単独コーナ、連続コーナ等のコーナのつながり具合に基づいて区別されるコーナの属性も含むものである。そして、小さい必要減速度が要求されるコーナ形状とは、緩コーナ又は中コーナから成る単独コーナのことである。また、大きい必要減速度が要求されるコーナ形状とは、急コーナから成る単独コーナ及び連続コーナのことである。
【0039】
まず、前記ナビゲーション装置10は、ノードデータファイルに記録されているノードデータ、道路データファイルに記録されている道路データ等に基づいて、前記コーナ形状を判定するためのコーナ形状判定処理を行う。本実施の形態においては、コーナ形状として、緩コーナ、中コーナ又は急コーナのいずれであるかを判定するようになっている。この場合、図3に示されるように、道路11上のノード12−1〜12−6を滑らかに結んだ曲線13の接線から前記ノード12−1〜12−6のそれぞれについての旋回角θを判断する。
【0040】
なお、図3は、ノード12−4についての旋回角θを判断する例を示している。この場合、前記ノード12−4から前後に所定距離La及びLbだけ離れた曲線13上の点13−1及び13−2における曲線13の接線14−1及び14−2が交差する角度θをノード12−4についての旋回角θとして判断する。そして、図4に示されるような、あらかじめ作成されて記憶手段に記録されているテーブルに旋回角θの角度を当てはめて、コーナ形状が緩コーナ、中コーナ又は急コーナのいずれであるかを判定する。すなわち、旋回角θが、θ1以上θ2未満であれば緩コーナ、θ2以上θ3未満であれば中コーナ、θ3以上であれば急コーナであると判定する。なお、前記La、Lb、θ1〜θ3等の数値は、例えば、La=35〔m〕、Lb=35〔m〕、θ1=20〔度〕、θ2=40〔度〕、θ3=90〔度〕とすることができるが、適宜変更してもよい。
【0041】
続いて、前記ノード12−1〜12−6から所定距離だけ手前の位置から該ノード12−1〜12−6まで、又は、前記ノード12−1〜12−6に基づいて決定される所定位置までの範囲をコーナ制御領域として判定する。なお、前記所定距離や所定位置は、コーナ形状に基づいて、適宜変更することができる。そして、図5には、前記コーナ形状に基づいて決定されるコーナ制御領域を判定する基準の例が示されている。この場合、コーナ制御領域は、緩コーナ制御領域、中コーナ制御領域及び急コーナ制御領域に区分けされている。ここで、ノードからの距離、L1〜L3は適宜決定することができる。なお、図5に示されるような基準を示すグラフ、テーブル、計算式等はあらかじめ作成されて記憶手段に記録されている。
【0042】
続いて、前記ナビゲーション装置10は、車両の速度を、現在の車速から前方のコーナにおける推奨車速にまで減速するために必要な必要減速度を算出するための必要減速度算出処理を行う。ここで、前記推奨車速は、コーナにおける旋回横加速度が、例えば、0.2〔G〕となるような車速である。なお、前記旋回横加速度の値は適宜変更することができる。この場合、旋回横加速度は、車速の二乗に比例し、コーナの半径に反比例するので、前記旋回横加速度の値を設定すれば、コーナの半径に対応する推奨車速を求めることができる。例えば、旋回横加速度を0.2〔G〕に設定した場合、推奨車速は、コーナの半径が15〔m〕であると20〔km/h〕、コーナの半径が30〔m〕であると30〔km/h〕、コーナの半径が60〔m〕であると40〔km/h〕、コーナの半径が100〔m〕であると50〔km/h〕となる。
【0043】
そして、車両の前方に位置するノードNdi(iは自然数)における推奨車速Vri(iは自然数)となるのに必要な必要減速度Gi(iは自然数)が算出される。この場合、現在位置における車速V0と、車両の現在位置から前方の所定距離範囲(例えば、200〔m〕)内に存在する各ノードNdiにおける前記推奨車速Vriとを決定する。続いて、車両の現在位置から各ノードNdiまでの距離Li(iは自然数)を算出する。そして、次の式(1)によって必要減速度Giを算出する。
Gi=(V02 −Vri2 )/(2×Li) ・・・式(1)
そして、各ノードNdiに関して算出された必要減速度Giの最大値を算出し、これを最終的な必要減速度として設定する。なお、図6には、現在位置から各ノードNd1、Nd2、Nd3までの車速の変化が三本の減速度曲線で示されている。この場合、各減速度曲線は必要減速度G1、G2及びG3に対応し、減速度曲線の曲率が大きいほど、すなわち、曲がり方がきついほど必要減速度が大きくなっている。したがって、図6に示される例においては、ノードNd2に関して算出された必要減速度G2が最大となっている。
【0044】
このようなコーナ形状判定処理によって、コーナが高い入力軸回転数が要求されるコーナ、すなわち、急コーナ又は連続コーナであるか否かの情報を得ることができる。
【0045】
最後に、前記ナビゲーション装置10は、走行環境情報伝達処理として、判定したコーナ形状、設定した必要減速度を含む走行環境情報を図示されない通信インターフェイスを介して、自動変速機制御装置30に送信する。なお、前記ナビゲーション基本処理、走行環境認識処理及び走行環境情報伝達処理は、所定の周期(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行される。
【0046】
次に、フローチャートについて説明する。まず、ナビゲーション装置10における処理全体を示す図7のフローチャートについて説明する。
ステップS1 ナビゲーション基本処理を実行する。
ステップS2 走行環境認識処理を実行する。
ステップS3 走行環境情報伝達処理を実行し、処理を終了する。
【0047】
次に、前記ステップS2における走行環境認識処理のサブルーチンを示す図8のフローチャートについて説明する。
ステップS2−1 コーナ形状判定処理を実行する。
ステップS2−2 必要減速度算出処理を実行し、処理を終了する。
【0048】
次に、自動変速機制御装置30の動作について説明する。
【0049】
図9は本発明の実施の形態における基本目標入力軸回転数マップを示す図、図10は本発明の実施の形態におけるコーナに対する入力軸回転数マップを示す図、図11は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置のコーナ制御の動作を示すフローチャートである。なお、図9において、横軸に車速を、縦軸に基本目標入力軸回転数を、図10において、横軸に車速を、縦軸に入力軸回転数を採ってある。
【0050】
まず、自動変速機制御装置30は、基本目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、あらかじめ作成された図9に示されるような基本目標入力軸回転数マップに従い、車速センサ42及びアクセル開度センサ45から受信した車速及びアクセル開度に基づいて、基本目標入力軸回転数が算出される。
【0051】
ここで、図9に示されるマップは、自動変速機20の変速マップの一つであり、直線16−1は自動変速機20の変速比を最大に設定した場合の自動変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線16−2は自動変速機20の変速比を最小に設定した場合の自動変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示している。なお、車速は自動変速機20の出力軸回転数に比例している。
【0052】
そして、曲線17−1〜17−4は、アクセル開度の段階に対応する自動変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示す変速曲線である。例えば、アクセル開度が第三段階に対応する場合、入力軸回転数と車速との関係が曲線17−3に沿って変化するように、自動変速機20の変速比が制御されるようになっている。なお、アクセル開度は、実際上、無段階で連続的に変化するが、前記曲線17−1〜17−4は、その中の四つの段階に対応するアクセル開度を示している。そして、曲線17−1がアクセル開度の小さい第一段階に対応し、17−2、17−3及び17−4の順にアクセル開度が大きい段階に対応することを示している。
【0053】
次に、自動変速機制御装置30は、道路勾配推定処理を実行する。この場合、アクセル開度、車速、車両の実加速度等に基づいて、道路勾配を推定する。該道路勾配は、後述されるコーナに対する目標入力軸回転数算出処理において、コーナに対する目標入力軸回転数の補正に使用される。
【0054】
次に、自動変速機制御装置30は、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、自動変速機制御装置30は、まず、駆動力制御としてのコーナ制御が行われているか否かを、コーナ制御実行中フラグがオンになっているか否かによって判断する。なお、該コーナ制御実行中フラグは車両のエンジンが始動される時に初期化されてオフになる。
【0055】
そして、コーナ制御実行中フラグがオフになっている場合、すなわち、コーナ制御が行われていない場合、自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれるコーナ形状に関する情報がオンであるか否かに基づいて、前方にコーナがあるか否かを判断する。ここで、前記コーナ形状に関する情報がオンである場合、自動変速機制御装置30は、前方にコーナがあると判断し、続いて、前記走行環境情報に含まれる必要減速度Giが所定値以上であるか否か、すなわち、前記コーナに対して減速が必要であるか否かを判断する。
【0056】
続いて、前記コーナに対して減速が必要であると判断した場合、自動変速機制御装置30は、アクセル開度に基づいて、アイドル状態であるか否か、すなわち、運転者がアクセルを全閉としているか否かを判断する。ここで、アイドル状態である場合、すなわち、運転者がアクセルを全閉としている場合には、運転者に減速の意図があると判断することができる。そして、運転者に減速の意図があると判断した場合、コーナ制御を開始する条件が成立したので、自動変速機制御装置30は、コーナ制御を開始する。そして、該コーナ制御が行われていることを示すコーナ制御実行中フラグをオンにする。
【0057】
また、前述されたように、コーナ制御が行われているか否かを判断したときにコーナ制御実行中フラグがオンになっている場合には、自動変速機制御装置30は、前記走行環境情報に含まれるコーナ形状に関する情報がオンであるか否かに基づいて、コーナを通過したか否かを判断する。そして、前記コーナ形状に関する情報がオフである場合、自動変速機制御装置30は、前記コーナを通過したと判断し、コーナ制御実行中フラグをオフにし、続いて、前記コーナに対する目標入力軸回転数を初期値(ゼロ)にし、後述される補正済み必要減速度を初期値(ゼロ)にして、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を終了する。なお、コーナ形状に関する情報がオンである場合、自動変速機制御装置30は、前記コーナを通過していないと判断し、必要減速度を補正する。
【0058】
さらに、前述されたように、前方にコーナがあるか否かを判断したときにコーナ形状に関する情報がオフなのでコーナがないと判断した場合、コーナに対して減速が必要であるか否かを判断したときに必要減速度Giが所定値以上でないので減速が必要でないと判断した場合、又は、アイドル状態でなく、運転者に減速の意図がないと判断した場合、自動変速機制御装置30は、コーナ制御を開始する条件が成立しないので、コーナに対する目標入力軸回転数を初期値(ゼロ)にする。
【0059】
続いて、自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる必要減速度、コーナ形状に関する情報に基づいて、図10に示されるようなコーナに対する入力軸回転数マップに従い、コーナに対する目標入力軸回転数を算出する。
【0060】
この場合、該コーナに対する目標入力軸回転数とは、必要減速度、すなわち、減速の必要度合い、及び、コーナ形状によって決まる自動変速機20の目標入力軸回転数である。なお、必要減速度としては、前記補正済み必要減速度が使用される。
【0061】
ここで、図10に示されるマップは、自動変速機20の変速マップの一つであり、直線22−1は自動変速機20の変速比を最大に設定した場合の自動変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線22−2は自動変速機20の変速比を最小に設定した場合の自動変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示している。なお、車速は自動変速機20の出力軸回転数に比例している。また、図10において、横軸の車速及び縦軸の入力軸回転数として示される数値は、一例であり、適宜変更することができる。
【0062】
そして、曲線23−1〜23−4は、必要減速度の段階に対応する自動変速機20の目標入力軸回転数と車速との関係を示す変速曲線である。この場合、必要減速度が大きいほど、目標入力軸回転数は高くなる。また、コーナ形状(緩コーナ、中コーナ及び急コーナ)に応じてコーナに対する目標入力軸回転数の上限値を設定することが望ましい。コーナに高い車速で進入する場合、及び、アクセルオフが遅い場合には、必要減速度が大きくなるので目標入力軸回転数は高くなる。しかし、コーナ形状によって目標入力軸回転数の上限値が設定されるので、あまりに高い目標入力軸回転数が算出されることはない。
【0063】
また、前記目標入力軸回転数は、道路勾配によって補正されることが望ましい。例えば、道路が降坂路、すなわち、下り坂である場合、前記入力軸回転数を、さらに、500〔rpm〕程度高くすることが望ましい。
【0064】
次に、自動変速機制御装置30は、最終目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、自動変速機制御装置30は、既に算出した基本目標入力軸回転数とコーナに対する目標入力軸回転数とを比較し、回転数が高い方のものを最終目標入力軸回転数とする。ここで、基本目標入力軸回転数を「NIN_BASE」とし、コーナに対する目標入力軸回転数を「NIN_CN」とし、最終目標入力軸回転数を「NIN_F」とすると、次の式(2)によって表すことができる。
NIN_F=MAX(NIN_BASE,NIN_CN) ・・・式(2)
ここで、MAX(A,B)はA,Bの最大値を選択する関数である。
【0065】
なお、コーナ制御が行われていない場合、コーナに対する目標入力軸回転数(NIN_CN)は初期値(ゼロ)なので、前記式(2)のように最大値を選択すると、最終目標入力軸回転数(NIN_F)が必ず基本目標入力軸回転数(NIN_BASE)になり、通常の制御が行われる。
【0066】
次に、自動変速機制御装置30は、変速制御処理を実行する。この場合、自動変速機制御装置30は、まず、コーナ制御時と通常制御時とで変速速度を変更するために、コーナ制御実行中フラグを参照し、現時点でコーナ制御が行われているのか、又は、通常制御が行われているのかを、コーナ制御実行中フラグがオンであるか否かによって判断する。そして、現時点でコーナ制御が行われていると判断した場合、自動変速機制御装置30は、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転数との比較を行う。また、現時点でコーナ制御実行中フラグがオフであることによってコーナ制御が行われていないと判断した場合であっても、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになった直後であれば、コーナ制御から通常制御に復帰させるためのアップシフトを、通常制御における変速速度とは異なる変速速度で実施させるようにするため、コーナ制御が行われている場合と同様の処理へ進む。そのため、自動変速機制御装置30は、現時点で通常制御が行われていても、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになってから所定時間以内であると判断した場合、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転数との比較を行う。
【0067】
一方、現時点で通常制御が行われていて、かつ、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになってから所定時間以上経過したと判断した場合、自動変速機制御装置30は、通常制御における過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。ここで、過渡目標入力軸回転数とは、実入力軸回転数を最終目標入力軸回転数に滑らかに追従させるための過渡的な目標値であり、この値に基づいて自動変速機20の各アクチュエータが制御される。また、通常制御時は、アクセル開度及び車速に応じた変速速度係数が所定のマップに従って算出される。なお、アクセル開度が大きいほど、また、車速が低いほど変速速度係数は大きく設定されるので、変速速度が速くなる。そして、算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用される。
【0068】
また、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転数との比較を行って、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数より大きい場合、自動変速機制御装置30は、ダウンシフトを実施すると判断する。一方、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数以下である場合、自動変速機制御装置30は、アップシフトを実施すると判断する。これは、コーナ制御における変速速度をダウンシフト時とアップシフト時とで、個別に設定するためである。
【0069】
そして、自動変速機制御装置30は、実入力軸回転数が算出された過渡目標入力軸回転数と一致するように、自動変速機20の各アクチュエータを作動させて、変速比を制御する。
【0070】
なお、自動変速機制御装置30が実行する前記基本目標入力軸回転数算出処理、道路勾配推定処理、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理、最終目標入力軸回転数算出処理及び変速制御処理は、所定の周期(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行される。
【0071】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 基本目標入力軸回転数算出処理を実行する。
ステップS12 道路勾配推定処理を実行する。
ステップS13 コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を実行する。
ステップS14 最終目標入力軸回転数算出処理を実行する。
ステップS15 変速制御処理を実行し、処理を終了する。
【0072】
次に、道路情報による道路形状と車両状態情報から推測される実際の道路形状との間に一定以上の差がある場合の制御について説明する。
【0073】
図1は本発明の実施の形態における道路形状を示す図、図12は本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0074】
ここでは、図1に示されるように、道路11の一部に道路工事等による通行止めの区間15が設定され、該通行止めの区間15をバイパスするための仮設道路16が設定されている場合について説明する。この場合、ナビゲーション装置10の記憶手段には、道路11に関する情報は格納されているが、通行止めの区間15や仮設道路16に関する情報が格納されていないものとする。そのため、ナビゲーション装置10が出力する車両の走行経路において車両の前方に位置するコーナ等の形状、該コーナ等への推奨進入速度等を含むノードデータ、道路データ等には、前記仮設道路16が設定されている区間としての通行止めの区間15や、前記仮設道路16の形状、該仮設道路16への推奨進入速度等に関するノードデータ、道路データ等が含まれていない。
【0075】
そこで、自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から取得したノードデータ、道路データ等に基づく道路形状と、車両状態情報から推測される実際の道路形状とを比較し、両者の間に一定以上の差がある区間を車両が走行した、すなわち、仮設道路16を車両が走行したと判断した場合には、通行止めの区間15の位置、仮設道路16の道路形状を学習して、該道路形状を示すデータを登録し、次回以降に前記仮設道路16を走行する際のコーナ制御に使用することができるようにする。
【0076】
この場合、自動変速機制御装置30は、まず、過去において学習したことの結果を確認して、道路形状を学習したことがある場合、学習した道路形状を示すデータを記憶手段から取得し、前記データに基づいてコーナ制御を行うための制御パラメータを算出する補正パラメータ設定処理を実行する。すなわち、今回車両が前記仮設道路16を走行する際には、前回までに学習したデータに基づいて算出された制御パラメータに従って自動変速機20の制御が行われる。
【0077】
続いて、車両が前記仮設道路16を走行すると、前記自動変速機制御装置30は、前記仮設道路16の道路情報としてノードデータ、道路データ等の走行環境情報をナビゲーション装置10から取得する道路情報取得処理を実行する。続いて、前記自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10、ジャイロセンサ41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ブレーキセンサ44、アクセル開度センサ45、エンジン回転数センサ46等から、走行軌跡、車速、旋回角等の車両状態情報を取得する車両状態情報取得処理を実行する。なお、道路情報取得処理によって取得した道路情報、及び、車両状態情報取得処理によって取得した車両状態情報は、今回車両が前記仮設道路16を走行した際に取得した情報である。
【0078】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、道路情報取得処理によって取得したノードデータ、道路データ等の走行環境情報と、車両状態情報取得処理によって取得した車両状態情報とに基づいて、道路11に仮設道路16が存在するか否かを判断する道路形状比較処理を実行する。ここで、前記自動変速機制御装置30は、前記仮設道路16が存在する場合には、該仮設道路16の道路形状に対応したコーナ制御が必要と判断し、道路工事等が終了して、仮設道路16が存在しなくなった場合には、該仮設道路16の道路形状に対応したコーナ制御が不要と判断する。
【0079】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、道路形状比較処理の結果に基づいて仮設道路16の道路形状、該仮設道路16への推奨進入速度等に関するノードデータ、道路データ等のデータを設定するデータ設定処理を実行する。ここで、前記自動変速機制御装置30は、道路形状比較処理においてコーナ制御が必要と判断した場合には、仮設道路16におけるノードデータ、道路データ等のデータを算出し、道路形状比較処理においてコーナ制御が不要と判断した場合には、登録されている仮設道路16におけるデータをクリア(消去)する。
【0080】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、データ設定処理の結果に基づいて制御パラメータを学習し、学習した結果を次回以降の走行時に使用するか否かを判断する道路形状学習メンテナンス処理を実行して、処理を終了する。なお、前記補正パラメータ設定処理から道路形状学習メンテナンス処理までの一連の処理は、ナビゲーション装置10の現在位置更新タイミング毎(例えば、16〔ms〕毎)に一回実行される。すなわち、自動変速機制御装置30は、前記現在位置更新タイミング毎に補正パラメータ設定処理から道路形状学習メンテナンス処理までの一連の処理を繰り返して実行する。
【0081】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 補正パラメータ設定処理を実行する。
ステップS22 道路情報取得処理を実行する。
ステップS23 車両状態情報取得処理を実行する。
ステップS24 道路形状比較処理を実行する。
ステップS25 データ設定処理を実行する。
ステップS26 道路形状学習メンテナンス処理を実行し、処理を終了する。
【0082】
次に、図12のステップS21における補正パラメータ設定処理のサブルーチンについて説明する。
【0083】
図13は本発明の実施の形態における補正パラメータ設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0084】
補正パラメータ設定処理において、自動変速機制御装置30は、まず、ナビゲーション装置10から取得した自車位置としての車両の現在位置、道路情報等に基づいて、車両の前方所定距離範囲(例えば、1〔km〕)内に道路形状学習済みのノードが存在するか否かを判断する。そして、道路形状学習済みのノードが存在しない場合、前記自動変速機制御装置30は処理を終了する。
【0085】
また、道路形状学習済みのノードが存在する場合、前記自動変速機制御装置30は学習したデータを記憶手段から取得する。そして、取得した前記データに基づいて、コーナ制御のための制御パラメータを算出して、処理を終了する。なお、車両が前記道路形状学習済みのノードに差し掛かると、すなわち、コーナに差し掛かると、前記自動変速機制御装置30はコーナ制御を開始して、自動変速機20の動作を制御する。
【0086】
次に、前記ステップS21における補正パラメータ設定処理のサブルーチンを示す図13のフローチャートについて説明する。
ステップS21−1 進路に道路形状学習済みノードが存在するか否かを判断する。進路に道路形状学習済みノードが存在する場合はステップS21−2に進み、進路に道路形状学習済みノードが存在しない場合は処理を終了する。
ステップS21−2 学習したデータを記憶手段から取得する。
ステップS21−3 取得したデータに基づいて制御パラメータを算出し、処理を終了する。
【0087】
次に、図12のステップS22における道路情報取得処理のサブルーチンについて説明する。
【0088】
図14は本発明の実施の形態における道路情報取得処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0089】
道路情報取得処理において、自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10のノードデータファイルに記録されているノードデータ、道路データファイルに記録されている道路データ等の走行環境情報を取得する。例えば、車両の現在位置におけるノードの位置座標、ノード間距離、方位、ノードにおける半径、ノードにおける推奨車速、道路種別、道路幅、車線数等のデータを取得する。そして、処理を終了する。
【0090】
次に、前記ステップS22における道路情報取得処理のサブルーチンを示す図14のフローチャートについて説明する。
ステップS22−1 ナビゲーション装置10からノードデータ、道路データ等を取得して処理を終了する。
【0091】
次に、図12のステップS23における車両状態情報取得処理のサブルーチンについて説明する。
【0092】
図15は本発明の実施の形態における車両状態情報取得処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0093】
車両状態情報取得処理において、自動変速機制御装置30は、ジャイロセンサ41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ブレーキセンサ44、アクセル開度センサ45、エンジン回転数センサ46等の各種センサから、車速、加速度、旋回角等の車両状態情報を取得する。そして、処理を終了する。
【0094】
次に、前記ステップS23における車両状態情報取得処理のサブルーチンを示す図15のフローチャートについて説明する。
ステップS23−1 各種センサから、車速、加速度、旋回角等の車両状態情報を取得し、処理を終了する。
【0095】
次に、図12のステップS24における道路形状比較処理のサブルーチンについて説明する。
【0096】
図16は本発明の実施の形態における道路形状比較処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0097】
道路形状比較処理において、自動変速機制御装置30は、まず、判定区間の設定処理を実行する。この場合、前記自動変速機制御装置30は、道路情報取得処理によって取得したノードデータ、道路データ等の走行環境情報に基づく道路形状が直線である区間において、車両状態情報取得処理によって取得した車両状態情報とに基づいて作成される車両の走行軌跡がコーナであることを示している部分とその前後の部分を含む区間を、判定区間として設定する。
【0098】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、道路形状の比較処理を実行する。この場合、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間において、車速や旋回角の変化量、車線数、道路種別等を考慮して、ノードデータ、道路データ等の走行環境情報に基づく道路形状と車両の走行軌跡との比較を行い、道路形状を学習する必要があるか否かを判断する。
【0099】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間において、コーナ制御を行う必要性がなくなったか否かを判断する制御必要性なしの判断処理を実行して、処理を終了する。
【0100】
次に、前記ステップS24における道路形状比較処理のサブルーチンを示す図16のフローチャートについて説明する。
ステップS24−1 判定区間の設定処理を実行する。
ステップS24−2 道路形状の比較処理を実行する。
ステップS24−3 制御必要性なしの判断処理を実行し、処理を終了する。
【0101】
次に、図16のステップS24−1における判定区間の設定処理のサブルーチンについて説明する。
【0102】
図17は本発明の実施の形態における判定区間の設定処理の動作を説明する図、図18は本発明の実施の形態における判定区間の設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0103】
判定区間の設定処理において、自動変速機制御装置30は、まず、道路情報取得処理によって取得したノードデータ、道路データ等の走行環境情報に基づく道路形状が直線であるか否かを判断する。そして、道路形状が直線でない場合には処理を終了する。また、道路形状が直線である場合、前記自動変速機制御装置30は、車両状態情報取得処理において取得した車両状態情報に基づいて、車両が旋回中であるか否か、すなわち、旋回判定がオンであるか否かを判断する。ここでは、旋回横加速度が所定値、例えば、0.2〔G〕以上である場合に旋回判定がオンであるとする。そして、旋回判定がオンでない場合には処理を終了する。
【0104】
また、旋回判定がオンである場合、前記自動変速機制御装置30は、判定区間を設定して処理を終了する。この場合、旋回判定がオンである地点を中心として、該地点の前後所定距離(例えば、前後35〔m〕ずつ)の範囲が判定区間として設定される。また、前記地点を中心として、該地点の前後に存在する単数又は複数のノードを含む範囲が判定区間として設定されるようにしてもよい。
【0105】
さらに、複数の判定区間が連続した場合には、これらの判定区間を連結して、単一の判定区間が設定される。例えば、図17に示されるような仮設道路16が設定されている場合、車両が矢印で示される方向に走行すると、前記仮設道路16に進入する地点21a、前記仮設道路16の途中地点21b、及び、前記仮設道路16から退出する地点21cにおいて、旋回判定がオンであると判断される。この場合、前記自動変速機制御装置30は、前記地点21a、21b及び21cを中心として設定された判定区間を連結し、前記仮設道路16全体及びその前後を含む判定区間22を設定する。
【0106】
次に、前記ステップS24−1における判定区間の設定処理のサブルーチンを示す図18のフローチャートについて説明する。
ステップS24−1−1 ノードデータ、道路データ等に基づく道路形状が直線であるか否かを判断する。直線である場合はステップS24−1−2に進み、直線でない場合は処理を終了する。
ステップS24−1−2 旋回判定がオンであるか否かを判断する。旋回判定がオンである場合はステップS24−1−3に進み、旋回判定がオンでない場合は処理を終了する。
ステップS24−1−3 判定区間を設定し、処理を終了する。
【0107】
次に、図16のステップS24−2における道路形状の比較処理のサブルーチンについて説明する。
【0108】
図19は本発明の実施の形態における道路形状に応じた累積旋回角の閾(しきい)値を示す図、図20は本発明の実施の形態における道路脇(わき)の施設に立ち寄った状態を示す図、図21は本発明の実施の形態におけるセンターラインからの走行軌跡のずれを示す図、図22は本発明の実施の形態におけるセンターラインからの走行軌跡のずれ量を計算する方法を示す図、図23は本発明の実施の形態における道路形状の比較処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0109】
道路形状の比較処理において、自動変速機制御装置30は、まず、判定区間22が設定されているか否かを判断する。そして、判定区間22が設定されていない場合には処理を終了する。また、判定区間22が設定されている場合、前記自動変速機制御装置30は、道路データに応じた累積旋回角の閾値を設定する。
【0110】
ここで、累積旋回角とは、単位時間当たりの車両の旋回角の変化量の絶対値を合計した値である。そして、前記自動変速機制御装置30は、累積旋回角の閾値を、図19に示されるように、道路データとしての車線数(道路の片側の車線数)、道路幅及び道路種別に対応して設定する。例えば、二車線以上の複線道路においては、車線変更によっても旋回角が変化するので、単線道路よりも閾値を大きく設定する。また、道路幅の数値が大きい場合、直線区間でも旋回角が変化する可能性が高いので、道路幅の数値が小さい場合よりも閾値を大きく設定する。さらに、高速道路の場合、直線区間でも旋回角が変化する可能性が高いので、一般道の場合よりも閾値を大きく設定する。なお、該閾値の具体的な数値は任意に設定することができる。
【0111】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22での累積旋回角が閾値以上であるか否かを判断する。そして、閾値以上でない場合には処理を終了する。また、閾値以上である場合、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22での車速が所定値以上であり、かつ、道路11の脇の施設23等に進入していないか否かを判断する。
【0112】
図20に示されるように、車両が道路11を走行中に、該道路11の脇に存在するコンビニエンスストア、スーパーマーケット等の店舗やその駐車場のような施設23に立ち寄った場合、車両は走行軌跡24のように走行する。そして、前記施設23がナビゲーション装置10の施設情報データファイルに登録されていない場合でも、前記施設23に立ち寄ったときには停止や減速を行うので、車速が所定値以上でなければ、前記施設23に立ち寄ったと考えることができる。
【0113】
そして、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22での車速が所定値以上でないか、又は、道路11の脇の施設23等に進入した場合には、処理を終了する。また、前記判定区間22での車速が所定値以上であり、かつ、道路11の脇の施設23等に進入していない場合、前記自動変速機制御装置30は、センターライン25からのずれが所定値以上であるか否かを判断する。
【0114】
図21に示されるように、仮設道路16を走行する車両の走行軌跡24は、道路11のセンターライン25から矢印26で示される距離だけ、センターライン25の垂直方向にずれることになる。そこで、前記自動変速機制御装置30は、図22に示されるようにして、前記ずれの距離、すなわち、ずれ量を算出する。この場合、センターライン25に代えて、通行止めの区間15がなかった場合の走行軌跡、すなわち、仮の走行軌跡24aを使用し、該仮の走行軌跡24aからの距離26aをセンターライン25からのずれ量として算出する。なお、前記仮の走行軌跡24aは、判定区間22の前後における走行軌跡24を結ぶ直線として求めることができる。そして、センターライン25からのずれ量をHとすると、該Hは次の式(3)によって表すことができる。
H=Σ{|v*t*sin(θ’−θ)|}/2 ・・・式(3)
ここで、vは車速、tは計測時間、θは計測時間開始時の旋回角、θ’は計測時間終了時の旋回角である。なお、図22に示される場合、計測時間開始時における車両の現在位置は地点27aであり、計測時間終了時における車両の現在位置は地点27bである。
【0115】
そして、前記自動変速機制御装置30は、前記センターライン25からのずれ量Hが所定値以上であるか否かを判断する。そして、所定値以上でない場合には処理を終了する。また、所定値以上である場合、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22において道路11に隣接する道路がないか否かを判断する。隣接する道路がある場合、車両が前記道路11でなく、隣接する道路を走行している可能性が考えられるからである。そして、隣接する道路がある場合には処理を終了する。
【0116】
また、隣接する道路がない場合、前記自動変速機制御装置30は、車両がUターンをしていないか否かを判断する。そして、車両がUターンをしている場合には、処理を終了する。なお、Uターンをしていないか否かは、車両の旋回角が約180度でないか否か、車両の現在地点に対応する道路リンクが変更されたか否か等に基づいて判断することができる。そして、Uターンをしていない場合、前記自動変速機制御装置30は、道路形状を学習する必要性があるものと判断して処理を終了する。
【0117】
次に、前記ステップS24−2における道路形状の比較処理のサブルーチンを示す図23のフローチャートについて説明する。
ステップS24−2−1 判定区間22が設定されているか否かを判断する。判定区間22が設定されている場合はステップS24−2−2に進み、判定区間22が設定されていない場合は処理を終了する。
ステップS24−2−2 道路データに応じた累積旋回角の閾値を設定する。
ステップS24−2−3 累積旋回角が閾値以上であるか否かを判断する。累積旋回角が閾値以上である場合はステップS24−2−4に進み、累積旋回角が閾値以上でない場合は処理を終了する。
ステップS24−2−4 車速が所定値以上、かつ、道路11の脇の施設23等に進入していないか否かを判断する。車速が所定値以上、かつ、道路11の脇の施設23等に進入していない場合はステップS24−2−5に進み、車速が所定値未満、又は、道路11の脇の施設23等に進入している場合は処理を終了する。
ステップS24−2−5 センターライン25からのずれが所定値以上であるか否かを判断する。センターライン25からのずれが所定値以上である場合はステップS24−2−6に進み、センターライン25からのずれが所定値以上でない場合は処理を終了する。
ステップS24−2−6 隣接する道路がないか否かを判断する。隣接する道路がない場合はステップS24−2−7に進み、隣接する道路がある場合は処理を終了する。
ステップS24−2−7 Uターンでないか否かを判断する。Uターンでない場合はステップS24−2−8に進み、Uターンである場合は処理を終了する。
ステップS24−2−8 道路形状を学習する必要があると判断し、処理を終了する。
【0118】
次に、図16のステップS24−3における制御必要性なしの判断処理のサブルーチンについて説明する。
【0119】
図24は本発明の実施の形態における制御必要性なしの判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0120】
制御必要性なしの判断処理において、自動変速機制御装置30は、まず、過去において学習したことの結果を確認して、仮設道路16を前回走行して道路形状を学習し、前記仮設道路16に関して優先度が登録されているか否かを判断する。そして、優先度が登録されていない場合には処理を終了する。また、優先度が登録されている場合、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22での旋回の判定が未成立であるか否か、すなわち、前記判定区間22での累積旋回角が閾値未満であるか否かを判断する。そして、閾値以上である場合には処理を終了する。
【0121】
また、閾値未満である場合、前記自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10によって検出された現在位置が地図データにおける道路上にあるか否か、すなわち、ナビゲーション装置10がマップマッチングを行った結果として、マッチングはずれがないか否かを判断する。そして、マッチングはずれがある場合には処理を終了する。また、マッチングはずれがない場合、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22での車速が所定値以上であるか否かを判断する。そして、車速が所定値以上でない場合には処理を終了する。また、車速が所定値以上である場合、前記自動変速機制御装置30は、前記判定区間22においてコーナ制御を行う必要性がなくなった、すなわち、制御必要性がなくなったものと判断して処理を終了する。
【0122】
次に、前記ステップS24−3における制御必要性なしの判断処理のサブルーチンを示す図24のフローチャートについて説明する。
ステップS24−3−1 優先度が登録されているか否かを判断する。優先度が登録されている場合はステップS24−3−2に進み、優先度が登録されていない場合は処理を終了する。
ステップS24−3−2 判定区間22内で累積旋回角が閾値未満であるか否かを判断する。判定区間22内で累積旋回角が閾値未満である場合はステップS24−3−3に進み、判定区間22内で累積旋回角が閾値以上である場合は処理を終了する。
ステップS24−3−3 マッチングはずれがないか否かを判断する。マッチングはずれがない場合はステップS24−3−4に進み、マッチングはずれがある場合は処理を終了する。
ステップS24−3−4 車速が所定値以上であるか否かを判断する。車速が所定値以上である場合はステップS24−3−5に進み、車速が所定値以上でない場合は処理を終了する。
ステップS24−3−5 制御必要性がなくなったものと判断し、処理を終了する。
【0123】
次に、図12のステップS25におけるデータ設定処理のサブルーチンについて説明する。
【0124】
図25は本発明の実施の形態における判定区間での推奨半径を算出する方法を示す図、図26は本発明の実施の形態における判定区間での旋回角を算出する方法を示す図、図27は本発明の実施の形態におけるデータ設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0125】
データ設定処理において、自動変速機制御装置30は、まず、前記制御必要性なしの判断処理において制御必要性がなくなったものと判断(ステップS24−3−5)したか否かを判断する。そして、制御必要性がなくなったものと判断した場合、前記自動変速機制御装置30は、過去において学習したことの結果として登録されている仮設道路16のノードデータ、道路データ等のデータをクリアし、処理を終了する。
【0126】
また、前記制御必要性なしの判断処理において制御必要性がなくなったものと判断していないと判断した場合、前記自動変速機制御装置30は、前記道路形状の比較処理において道路形状を学習する必要性があると判断(ステップS24−2−8)したか否かを判断する。そして、道路形状を学習する必要性がないと判断した場合には処理を終了する。また、道路形状を学習する必要性があると判断した場合、前記自動変速機制御装置30は、データを設定する。
【0127】
この場合、前記自動変速機制御装置30は、まず、走行軌跡24上における一定間隔毎の地点での半径Rを算出する。続いて、前記自動変速機制御装置30は、走行軌跡24上での旋回角θの変化に基づいて、走行軌跡24の変曲点を求める。図25に示される例において、走行軌跡24の変曲点は、31a及び31bである。
【0128】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、走行軌跡24上の隣接する変曲点の間の区間のそれぞれにおいて、半径Rが最小となる地点を求める。この場合、判定区間22の始点及び終点も変曲点と考えて、前記区間を設定する。図25に示される例において、第一番目の区間は判定区間22の始点と変曲点31aとの間であり、前記第一番目の区間において半径Rが最小となる地点は地点32a(半径Ra)である。また、第二番目の区間は変曲点31aと変曲点31bとの間であり、前記第二番目の区間において半径Rが最小となる地点は地点32b(半径Rb)である。さらに、第三番目の区間は変曲点31bと判定区間22の終点との間であり、前記第三番目の区間において半径Rが最小となる地点は地点32c(半径Rc)である。
【0129】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、判定区間22の始点から半径Rが最小となる各地点までの距離を算出する。図25に示される例において、地点32aまでの距離はLa、地点32bまでの距離はLb、及び、地点32cまでの距離はLcである。続いて、前記自動変速機制御装置30は、半径Rが最小となる各地点での旋回角θを算出して処理を終了する。図26に示される例において、地点32aでの旋回角はθ’、地点32bでの旋回角はθ''、及び、地点32cでの旋回角はθ''' である。
【0130】
次に、前記ステップS25におけるデータ設定処理のサブルーチンを示す図27のフローチャートについて説明する。
ステップS25−1 制御必要性なしと判断されたか否かを判断する。制御必要性なしと判断された場合はステップS25−2に進み、制御必要性なしと判断されない場合はステップS25−3進む。
ステップS25−2 登録されているデータをクリアし、処理を終了する。
ステップS25−3 判定区間22が設定され、制御必要と判断されたか否かを判断する。判定区間22が設定され、制御必要と判断された場合はステップS25−4に進み、判定区間22が設定されていなく、制御必要と判断されない場合は処理を終了する。
ステップS25−4 走行軌跡24上の一定間隔毎の地点での半径Rを算出する。
ステップS25−5 旋回角θの変化に基づき変曲点を決定する。
ステップS25−6 変曲点間毎に半径Rが最小の地点を求める。
ステップS25−7 判定区間22の始点から半径Rが最小の地点までの距離を算出する。
ステップS25−8 Rが最小の地点での旋回角θを算出する。
【0131】
次に、図12のステップS26における道路形状学習メンテナンス処理のサブルーチンについて説明する。
【0132】
図28は本発明の実施の形態における道路形状学習メンテナンス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0133】
道路形状学習メンテナンス処理において、自動変速機制御装置30は、判定区間22が設定された仮設道路16又は通行止めの区間15の位置、前記仮設道路16を通行した回数、前記仮設道路16を通行した時間、前記通行止めの区間15が設定された道路11の道路種別等に基づいて、前記仮設道路16のノードデータ、道路データ等のデータ(例えば、判定区間22の始点から半径Rが最小となる地点までの距離、半径Rの数値、旋回角θの数値等)を登録データとして登録するための優先度を決定する。この場合、優先度は数値化され、優先度の高いものに大きな数値が付与され、優先度の低いものに小さな数値が付与される。そして、記憶手段に格納される登録データの数が所定数以上とならないようにするために、優先度の低い仮設道路16のデータはクリアされるようになっている。
【0134】
まず、一番最初に仮設道路16を通行して前記データ設定処理において設定されたデータを登録する場合、すなわち、初回登録の場合には、前記道路11の道路種別に基づいて優先度が付与される。また、前記仮設道路16の位置がナビゲーション装置10に登録されている自宅から所定距離(例えば、20〔km〕)以内である場合には、優先度として大きな数値が付与される。
【0135】
そして、二回目以降に仮設道路16を通行して前記制御データ設定処理においてデータを設定した場合には、前記仮設道路16のデータにおける優先度の数値が増大されて優先度が上昇させられる。また、登録されている前記データの数値を、今回設定したデータを含めて平均することによって、更新してもよい。なお、道路形状の比較処理において道路形状を学習する必要性があると判断しなかった場合には、前記仮設道路16のデータにおける優先度の数値が減少させられて優先度が下降させられる。さらに、制御必要性なしの判断処理において制御必要性がなくなったものと判断した場合には、前記仮設道路16のデータはクリアされる。なお、登録データの数が限界値以上であって、新規にデータが登録される場合、更新日時の古い登録データがクリアされる。
【0136】
そして、登録データに基づいて制御パラメータを算出する補正パラメータ設定処理においては、登録データの優先度が高い場合(例えば、優先度の数値が10以上の場合)だけ使用されるようにしてもよい。また、前記補正パラメータ設定処理において使用されていた登録データであっても、優先度が低くなった場合(例えば、優先度の数値が5以下となった場合)には使用されなくなるようにしてもよい。
【0137】
具体的には、自動変速機制御装置30は、まず、今回走行した仮設道路16のデータに優先度が設定されているか否か、すなわち、登録データとして登録されているか否かを判断する。そして、優先度が設定されている場合、すなわち、登録されている場合、前記自動変速機制御装置30は、今回の制御必要性なしの判断処理において制御必要性がなくなったものと判断(ステップS24−3−5)したか否かを判断する。そして、制御必要性がなくなったものと判断した場合には、前記登録データをクリアし、処理を終了する。
【0138】
また、制御必要性がなくなったものと判断しなかった場合、前記自動変速機制御装置30は、今回の道路形状の比較処理において道路形状を学習する必要性があると判断(ステップS24−2−8)したか否かを判断する。そして、学習する必要性があると判断した場合には前記登録データの優先度を上昇させ、学習する必要性がないと判断した場合には前記登録データの優先度を下降させる。続いて、前記自動変速機制御装置30は、今回のデータ設定処理において設定されたデータに基づいて、前記登録データを修正して更新する。
【0139】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、今回走行した仮設道路16のデータが登録されていたか否か、すなわち、前記仮設道路16が学習した結果に基づいて制御を行う対象であるか否かを判断する。そして、制御を行う対象である場合、前記自動変速機制御装置30は、前記登録データの優先度の数値が所定値(例えば、5)以下であるか否かを判断する。そして、前記自動変速機制御装置30は、所定値以下でない場合にはそのまま処理を終了し、所定値以下である場合には前記仮設道路16が学習した結果に基づいて制御を行う対象でないと判断して処理を終了する。また、前述されたように前記仮設道路16が学習した結果に基づいて制御を行う対象であるか否かを判断して制御を行う対象でない場合、前記自動変速機制御装置30は、前記登録データの優先度の数値が所定値(例えば、10)以上であるか否かを判断する。そして、前記自動変速機制御装置30は、所定値以上でない場合にはそのまま処理を終了し、所定値以上である場合には前記仮設道路16が学習した結果に基づいて制御を行う対象であると判断して処理を終了する。
【0140】
さらに、前述されたように登録データとして登録されているか否かを判断して優先度が設定されていない場合、前記自動変速機制御装置30は、今回の道路形状の比較処理において道路形状を学習する必要性があると判断(ステップS24−2−8)したか否かを判断する。そして、学習する必要性がないと判断した場合には処理を終了する。また、学習する必要性があると判断した場合、前記自動変速機制御装置30は、自宅からの距離に応じた優先度設定処理を実行し、さらに、道路種別に応じた優先度設定処理を実行する。
【0141】
続いて、前記自動変速機制御装置30は、登録データの数が限界値以上であるか否かを判断する。そして、限界値以上でない場合には、前述されたように、前記登録データを修正して更新する。また、限界値以上である場合、前記自動変速機制御装置30は、優先度に応じた新規データの登録処理を実行し、前述されたように、前記仮設道路16が学習した結果に基づいて制御を行う対象であるか否かを判断する。
【0142】
次に、前記ステップS26における道路形状学習メンテナンス処理のサブルーチンを示す図28のフローチャートについて説明する。
ステップS26−1 優先度が登録されているか否かを判断する。優先度が登録されている場合はステップS26−2に進み、優先度が登録されていない場合はステップS26−13に進む。
ステップS26−2 今回、制御必要性なしと判断されたか否かを判断する。今回、制御必要性なしと判断された場合はステップS26−3に進み、今回、制御必要性なしと判断されない場合はステップS26−4に進む。
ステップS26−3 登録データをクリアする。
ステップS26−4 今回、道路形状を学習する必要性があると判断されたか否かを判断する。今回、道路形状を学習するが必要性があると判断された場合はステップS26−5に進み、今回、道路形状を学習する必要性があると判断されない場合はステップS26−6に進む。
ステップS26−5 優先度を上昇させる。
ステップS26−6 優先度を下降させる。
ステップS26−7 登録データを修正する。
ステップS26−8 制御対象であるか否かを判断する。制御対象である場合はステップS26−9に進み、制御対象でない場合はステップS26−11に進む。
ステップS26−9 優先度の数値が所定値以下であるか否かを判断する。優先度の数値が所定値以下である場合はステップS26−10に進み、優先度の数値が所定値以下でない場合は処理を終了する。
ステップS26−10 制御対象でないと判断し、処理を終了する。
ステップS26−11 優先度の数値が所定値以上であるか否かを判断する。優先度の数値が所定値以上である場合はステップS26−12に進み、優先度の数値が所定値以上でない場合は処理を終了する。
ステップS26−12 制御対象であると判断し、処理を終了する。
ステップS26−13 今回、道路形状を学習する必要性があると判断されたか否かを判断する。今回、道路形状を学習する必要性があると判断された場合はステップS26−14に進み、今回、道路形状を学習する必要性があると判断されない場合は処理を終了する。
ステップS26−14 自宅からの距離に応じた優先度設定処理を実行する。
ステップS26−15 道路種別に応じた優先度設定処理を実行する。
ステップS26−16 登録データ数が限界値以上であるか否かを判断する。登録データ数が限界値以上である場合はステップS26−17に進み、登録データ数が限界値以上でない場合はステップS26−7に進む。
ステップS26−17 優先度に応じた新規データの登録処理を実行する。
【0143】
次に、図28のステップS26−14における自宅からの距離に応じた優先度設定処理のサブルーチンについて説明する。
【0144】
図29は本発明の実施の形態における自宅からの距離に応じた優先度設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0145】
自宅からの距離に応じた優先度設定処理において、自動変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10に自宅の位置が登録されているか否かを判断する。そして、登録されていない場合には処理を終了し、登録されている場合、前記自動変速機制御装置30は、前記仮設道路16の位置が登録されている自宅から所定距離(例えば、20〔km〕)以内であるか否かを判断する。前記仮設道路16の位置が自宅から近い場合には、前記仮設道路16を走行する機会が多いと考えることができる。
【0146】
そこで、前記自動変速機制御装置30は、前記仮設道路16の位置が登録されている自宅から所定距離以内である場合、前記仮設道路16のデータを登録データとして最初に登録するための優先度、すなわち、初期優先度の数値を大きな値(例えば、2)にして処理を終了する。また、前記仮設道路16の位置が登録されている自宅から所定距離以内でない場合には、初期優先度の数値を小さな値(例えば、1)にして処理を終了する。
【0147】
次に、前記ステップS26−14における自宅からの距離に応じた優先度設定処理のサブルーチンを示す図29のフローチャートについて説明する。
ステップS26−14−1 自宅位置が登録されているか否かを判断する。自宅位置が登録されている場合はステップS26−14−2に進み、自宅位置が登録されていない場合は処理を終了する。
ステップS26−14−2 自宅から20〔km〕以内であるか否かを判断する。自宅から20〔km〕以内である場合はステップS26−14−3に進み、自宅から20〔km〕以内でない場合はステップS26−14−4に進む。
ステップS26−14−3 初期優先度の数値を大きな値(例えば、2)にして処理を終了する。
ステップS26−14−4 初期優先度の数値を小さな値(例えば、1)にして処理を終了する。
【0148】
次に、図28のステップS26−15における道路種別に応じた優先度設定処理のサブルーチンについて説明する。
【0149】
図30は本発明の実施の形態における道路種別に応じた優先度設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0150】
道路種別に応じた優先度設定処理において、自動変速機制御装置30は、前記仮設道路16が設定されている道路11の道路種別を確認し、該道路種別が国道以上であるか否かを判断する。前記道路11が国道以上の道路である場合には、前記仮設道路16を走行する機会が多いと考えることができる。
【0151】
そこで、前記自動変速機制御装置30は、道路種別が国道以上である場合、前記仮設道路16の初期優先度の数値を大きな値(例えば、2)にして処理を終了する。また、前記道路種別が国道以上でない場合には、初期優先度の数値を小さな値(例えば、1)にして処理を終了する。
【0152】
次に、前記ステップS26−15における道路種別に応じた優先度設定処理のサブルーチンを示す図30のフローチャートについて説明する。
ステップS26−15−1 道路種別の確認を行う。
ステップS26−15−2 道路種別が国道以上であるか否かを判断する。道路種別が国道以上である場合はステップS26−15−3に進み、道路種別が国道以上でない場合はステップS26−15−4に進む。
ステップS26−15−3 初期優先度の数値を大きな値(例えば、2)にして処理を終了する。
ステップS26−15−4 初期優先度の数値を小さな値(例えば、1)にして処理を終了する。
【0153】
次に、図28のステップS26−17における優先度に応じた新規データの登録処理のサブルーチンについて説明する。
【0154】
図31は本発明の実施の形態における優先度に応じた新規データの登録処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0155】
優先度に応じた新規データの登録処理において、自動変速機制御装置30は、まず、既に登録されている登録データを優先度と更新日時とでソートする。すなわち、優先度が高い順に、かつ、更新日時が新しい順に並べ替える。続いて、前記自動変速機制御装置30は、記憶手段に格納される登録データの数が所定数以上とならないようにするため、優先度が最も低く、更新日時が最も古い登録データをクリアし、新規なデータを登録して処理を終了する。
【0156】
次に、前記ステップS26−17における優先度に応じた新規データの登録処理のサブルーチンを示す図31のフローチャートについて説明する。
ステップS26−17−1 登録データを優先度と更新日時とでソートする。
ステップS26−17−2 最も優先度が低く、更新日時が古いデータをクリアする。
ステップS26−17−3 新規データを登録し、処理を終了する。
【0157】
このように、本実施の形態において、自動変速機制御装置30は、通行止めの区間15をバイパスするための仮設道路16のように、ナビゲーション装置10から取得した道路情報としての走行環境情報に基づく道路形状と、車両状態情報に基づく道路形状とが相違する区間を車両が走行した場合に、該区間の道路形状を学習して、該道路形状を示すデータを登録する。そして、次回以降に車両が前記区間を走行する際に、前記自動変速機制御装置30は、登録されたデータに基づいて算出された制御パラメータに従って自動変速機20の制御を行うようになっている。
【0158】
そのため、前記仮設道路16のように、ナビゲーション装置10が提供する道路情報に基づく道路形状が実際の道路形状と一致していない区間を走行する際にも、自動変速機20を適切に制御することができるので、車両の運転性を向上させることができる。特に、前記仮設道路16のように、ナビゲーション装置10が提供する道路情報に基づく道路形状が直線であるのに対して、仮設道路16の道路形状が湾曲している場合、適切なコーナ制御が行われるので、運転者に違和感を与えることがなく、運転性が向上する。
【0159】
また、通行止めが解除されたりして仮設道路16が存在しなくなったような場合には、登録されたデータをクリアするようになっている。そのため、実際の道路形状に合わせて自動変速機20を適切に制御することができる。
【0160】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0161】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、道路情報に基づく道路形状と車両状態情報に基づく実際の道路形状との間に相違がある区間を車両が走行した場合には、前記区間の位置、道路形状を示すデータ等を学習し、次回以降に前記区間を走行する際の車両制御に使用するので、車両の運転性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における道路形状を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定の動作を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定のためのテーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるコーナ制御領域判定の基準の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における必要減速度の算出方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における走行環境認識処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における基本目標入力軸回転数マップを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるコーナに対する入力軸回転数マップを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置のコーナ制御の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態における自動変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態における補正パラメータ設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態における道路情報取得処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態における車両状態情報取得処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態における道路形状比較処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における判定区間の設定処理の動作を説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態における判定区間の設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態における道路形状に応じた累積旋回角の閾値を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における道路脇の施設に立ち寄った状態を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態におけるセンターラインからの走行軌跡のずれを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態におけるセンターラインからの走行軌跡のずれ量を計算する方法を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態における道路形状の比較処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】本発明の実施の形態における制御必要性なしの判断処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図25】本発明の実施の形態における判定区間での推奨半径を算出する方法を示す図である。
【図26】本発明の実施の形態における判定区間での旋回角を算出する方法を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態におけるデータ設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図28】本発明の実施の形態における道路形状学習メンテナンス処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図29】本発明の実施の形態における自宅からの距離に応じた優先度設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図30】本発明の実施の形態における道路種別に応じた優先度設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図31】本発明の実施の形態における優先度に応じた新規データの登録処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ナビゲーション装置
11 道路
15 通行止めの区間
16 仮設道路
20 自動変速機
30 自動変速機制御装置
41 ジャイロセンサ
42 車速センサ
43 ステアリングセンサ
44 ブレーキセンサ
45 アクセル開度センサ
46 エンジン回転数センサ

Claims (6)

  1. (a)車両の駆動力を調整する駆動力調整装置と、
    (b)道路情報を提供する道路情報提供装置と、
    (c)車両状態情報を提供する車両状態情報提供装置と、
    (d)前記道路情報及び車両状態情報に基づいて駆動力調整装置を制御する制御装置とを有し、
    (e)該制御装置は、前記道路情報に基づく道路形状と前記車両状態情報に基づく道路形状とが相違する区間を走行すると、該区間の車両状態情報に基づく道路形状を示すデータを登録し、次回以降に車両が前記区間を走行する際に、登録されたデータに基づいて前記駆動力調整装置を制御するとともに、前記道路情報及び前記車両状態情報に基づいて前記登録されたデータの必要性を判断し、必要性がないと判断した場合、前記登録されたデータをクリアすることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記道路情報及び前記車両状態情報に基づいて道路に仮設道路が存在するか否かを判断し、仮設道路が存在しない場合、前記登録されたデータの必要性がないと判断する請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記制御装置は、車両が前記区間を走行した際の累積旋回角、マップマッチングの結果及び車速に基づいて、前記登録されたデータの必要性を判断する請求項1又は2に記載の車両制御装置。
  4. 前記制御装置は、累積旋回角が閾値未満であり、マッチングはずれがなく、かつ、車速が所定値以上である場合、必要性がないと判断して前記登録されたデータをクリアする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記制御装置は、前記道路情報に基づく道路形状と前記車両状態情報に基づく走行軌跡の形状とが相違する場合に前記区間の道路形状を学習する請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
  6. 前記区間は、道路における通行止めの区間をバイパスする仮設道路である請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両制御装置。
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