JP3967986B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の駆動力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置が搭載された車両において、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データに対応させて駆動力制御を行うことができるようにした車両の駆動力制御装置が提供されている。この場合、例えば、車両がコーナ(カーブ)に差し掛かることが検出され、かつ、運転者の動作に基づく所定の条件が満たされると、駆動力制御としてダウンシフト等の車両を減速させるためのコーナ制御が行われる。そして、上限の変速段が決定され、該上限の変速段より上の変速段(高速側の変速段、変速比の小さい変速段等)が選択されないようになっている。
【0003】
この場合、前記車両の駆動力制御装置は、前記ナビゲーション装置が提供する道路状況データ、車両の速度、アクセル開度等の種々のデータに基づいて演算を行い、制御用データを作成し、該制御用データに基づいて前記コーナ制御を行うようになっている。
【0004】
また、近年、変速比を無段階に制御することができる無段変速機の出現に伴い、無段変速機の変速比を制御してコーナ制御を行う車両の駆動力制御装置が提案されている(特開平11−280880号公報参照)。そして、該車両の駆動力制御装置においては、ナビゲーション装置が提供する道路状況データに基づいて、車両がコーナに差し掛かることが検出され、運転者がアクセルペダルを解放する(アクセルを閉じる)と、変速比を大きくする、すなわち、ダウンシフトするように無段変速機が制御される。
【0005】
これにより、コーナに差し掛かる時に運転者の減速しようとする意志を検出して、通常よりも大きなエンジンブレーキによる減速力を発生させることができるので、運転者の感覚に合致した駆動力制御を行うことができ、車両の運転性を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のナビゲーション装置においては、運転者の運転嗜(し)好に関わらず一様に駆動力制御を行うので、運転者に違和感を与えることになり、ドライバビリティが低下してしまうことがある。
【0007】
一般に、運転者は、コーナの十分手前においてアクセルオフして滑らかに減速するような運転、すなわち、加減速度の小さい滑らかな運転を運転嗜好として有する者、及び、コーナ直前においてアクセルオフして急激に減速するような運転、すなわち、加減速度の大きいめりはりの効いた運転を運転嗜好として有する者に大別することができる。そして、前記従来のナビゲーション装置においては、コーナ手前において、必要減速度を算出し、算出された該必要減速度に応じてエンジンブレーキを出力して減速するようになっており、運転者の運転嗜好に関わらず一様に駆動力制御を行うので、運転嗜好と合わない場合、運転者に違和感を与え、ドライバビリティが低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、道路情報に基づいて算出された必要減速度を運転者の運転嗜好に合致するように補正し、前記自動変速機の変速比を補正された必要減速度に基づいて制御するようにして、運転者の運転嗜好に合致した駆動力制御を行うことができ、車両の運転性を向上させることができる車両の駆動力制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の車両の駆動力制御装置においては、駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変速機と、道路情報に基づいて前記自動変速機を制御する自動変速機制御装置とを有し、該自動変速機制御装置は、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御装置であって、前記自動変速機制御装置は、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを備え、該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正する。
【0010】
本発明の他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記必要減速度は、車両前方のコーナを走行するのに必要な減速度である。
【0011】
本発明の更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記自動変速機制御装置は、前記必要減速度を前記運転嗜好に基づいて補正し、前記自動変速機の変速比を補正された必要減速度に基づいて制御する。
【0012】
本発明の更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記運転嗜好は、加減速度の小さい運転、加減速度の大きい運転、又は、前記加減速度の小さい運転と加減速度の大きい運転との中間の運転である。
【0013】
本発明の更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好を学習する。
【0014】
本発明の更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記自動変速機制御装置は、車両前方のコーナの手前においてアクセルの全閉が検出された時の必要減速度の大きさを所定期間に亘り収集した必要減速度の頻度分布によって運転嗜好を学習する。
【0015】
本発明の更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、前記コーナの手前の位置で減速が開始され、滑らかに減速されていくように前記自動変速機の変速比を制御し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、前記コーナの手前で減速されることがなく、前記コーナに接近すると急激に減速されるように前記自動変速機の変速比を制御する。
【0018】
本発明の更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記必要減速度は、現在位置における車速と、現在位置における前方の道路上のノード点における推奨車速と、前記現在位置及びノード点間の距離とに基づいて算出される。
【0019】
本発明の車両の駆動力制御方法においては、道路情報に基づいて自動変速機を制御する時に、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御方法であって、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを使用し、該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正する。
【0020】
本発明の車両の駆動力制御用プログラムにおいては、コンピュータを、駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変速機を道路情報に基づいて制御する自動変速機制御装置として機能させ、該自動変速機制御装置は、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御用プログラムであって、前記自動変速機制御装置は、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを備え、該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図2は本発明の第1の実施の形態における車両の駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図において、10は道路情報としての車両の走行環境情報を出力する道路情報送信装置としてのナビゲーション装置、20は駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変速機であり、変速比を無段階に制御して車両のエンジンの回転を車軸に伝達する自動変速機としての無段変速機、30は前記走行環境情報及びアクセル開度に基づいて無段変速機20を制御する自動変速機制御装置としての無段変速機制御装置、41は車両の回転角速度、すなわち、旋回角を検出するジャイロセンサ、42は車両の速度を検出する車速センサ、43は運転者が操作する車両のステアリングの舵(だ)角を検出するステアリングセンサ、44は運転者が操作する車両のブレーキペダルの動きを検出するブレーキセンサ、45は運転者が操作するアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段としてのアクセル開度センサ、46は車両のエンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ、並びに、50はCRT、液晶ディスプレイ等の表示手段及びスピーカ等の発音手段から成る表示・音声出力装置である。
【0024】
なお、本発明における車両の駆動力制御装置は、変速段を備えた自動変速機を有する車両にも適用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、自動変速機が無段変速機である場合について説明する。また、本発明における道路情報送信装置は、前記車両の自動変速機制御装置、エンジン制御装置等の制御装置に組み込まれたものであってもよいし、FM放送、テレビ放送等の放送網、携帯電話網等の通信回線網等を介して交通情報、渋滞情報等の情報を発信する情報発信センタ等であってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、道路情報送信装置が車両に搭載されたナビゲーション装置である場合について説明する。
【0025】
ここで、前記ナビゲーション装置10は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、タッチパネル、リモートコントローラ、押しボタンスイッチ等の入力手段、通信インターフェイス等を備える。そして、前記ナビゲーション装置10には前記ジャイロセンサ41、車速センサ42及びステアリングセンサ43が接続される。また、前記ナビゲーション装置10は、図示されないGPS(Global Positioning System)センサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等を備える。そして、前記ナビゲーション装置10は、前記ジャイロセンサ41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、GPSセンサ、地磁気センサ、距離センサ、ビーコンセンサ、高度計等からの信号に基づいて、車両の現在位置、車両が向いている方位、車両の速度、車両の移動距離等を検出する。
【0026】
そして、前記GPSセンサは、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在位置を検出し、前記地磁気センサは、地磁気を測定することによって車両が向いている方位を検出し、前記距離センサは、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。前記距離センサとしては、例えば、図示されない車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。また、前記ビーコンセンサは、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在位置を検出する。
【0027】
なお、前記GPSセンサ及びビーコンセンサは、それぞれ、単独で現在位置を検出することができる。そして、距離センサによって検出された距離と、地磁気センサ及びジャイロセンサ41によって検出された方位とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。また、距離センサによって検出された距離と、ステアリングセンサ43によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在位置を検出することもできる。
【0028】
また、前記ナビゲーション装置10の記憶手段は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、及び、各地域のホテル、ガソリンスタンド等の施設の情報が記録された施設情報データファイルから成るデータベースを備える。そして、前記記憶手段には、経路を探索するためのデータの他、前記表示手段の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが記録される。なお、前記記憶手段には、所定の情報を音声出力するための各種のデータも記録される。また、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記録媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。
【0029】
そして、前記交差点データファイルには交差点データが、ノードデータファイルにはノードデータが、道路データファイルには道路データがそれぞれ記録され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が表示手段の画面に表示される。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかが含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
【0030】
また、前記道路データには、道路自体について、幅員、勾(こう)配、カント、高度、バンク、路面の状態、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、2条化道路として処理される。例えば、片側2車線以上の幹線道路の場合、2条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、主要地方道、一般道、高速道等)等のデータが含まれる。
【0031】
さらに、前記ナビゲーション装置10の通信インターフェイスは、無段変速機制御装置30との間で通信を行うとともに、FM送信装置、電話回線網、インターネット、携帯電話網等との間で各種のデータの送受信を行うためのものであり、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサの検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信する。
【0032】
そして、前記ナビゲーション装置10は、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等の各種処理を実行し、地図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する。なお、該案内情報は、発音手段によって音声出力されるようにしてもよい。さらに、前記ナビゲーション装置10は、車両の走行経路において車両の前方に位置するコーナ等(交差点、T字路、高速道路出入口ランプウェイ等も含む)の形状、前記コーナ等への推奨進入速度等を含む道路情報を演算して出力する。また、前記ナビゲーション装置10は、前記道路情報に基づいてコーナを検出するコーナ検出手段、及び、検出されたコーナの手前において該コーナに対する必要減速度を算出する必要減速度算出手段としても機能する。そして、前記道路情報、必要減速度等は、無段変速機制御装置30に送信される。
【0033】
ここで、道路情報に基づく車両の必要減速度は、道路情報、例えば、道路形状、道路種別、分岐点、路面状態などの車両が走行している道路環境情報に基づいて車両を所定の車速に近付けるための制御パラメータである。具体的には、コーナにおいては、車両前方のコーナを走行するのに必要な必要減速度は、旋回横加速度が所定値となる推奨車速まで減速するのに必要な必要減速度であり、この必要減速度に基づいて、自動変速機としての無断変速機20の変速比を制御する。また、コーナにおいては、所定の車速は、推奨車速となる。
【0034】
また、無段変速機20は、例えば、入力軸及び出力軸にそれぞれ取り付けられた二つのVプーリと、該二つのVプーリに掛けられたゴム製のVベルト又は多数の金属ブロックを組み合わせた金属製のVベルトとを有し、前記Vプーリの傾斜側面の間隔を調整して変速するベルト式無段変速機であるが、Vベルトに代えてチェーンを使用するチェーン式無段変速機、かさ形の摩擦車やアイドラを使用して摩擦やトラクションによって動力伝達を行う摩擦式無段変速機等、いかなる形式の無段変速機であってもよい。
【0035】
そして、前記無段変速機制御装置30は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備える。なお、前記無段変速機制御装置30には、前記車速センサ42、ステアリングセンサ43、ブレーキセンサ44、アクセル開度センサ45、及び、エンジン回転数センサ46が接続される。また、前記無段変速機制御装置30は、前記ナビゲーション装置10が出力した走行環境情報を受信する。
【0036】
ここで、前記記憶手段は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、フラッシュメモリ、CD−ROM、MD、DVD−ROM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記録媒体を含むものであり、取り外し可能な外部記憶媒体を使用することもできる。そして、前記無段変速機制御装置30は、前記記憶手段に格納された制御プログラムに従って、無段変速機20にアップシフト又はダウンシフトの変速を行わせる。この場合、アップシフトとは変速比を小さくすることであり、出力軸の回転数が一定の場合にアップシフトの変速が行われると入力軸の回転数が減少する。また、ダウンシフトとは変速比を大きくすることであり、出力軸の回転数が一定の場合にダウンシフトの変速が行われると入力軸の回転数が増加する。
【0037】
そして、運転者が図示されないモード選択手段を操作して通常モードを選択すると、前記無段変速機制御装置30は、車速センサ42が検出した車両の速度、ステアリングセンサ43が検出したステアリングの舵角、アクセル開度センサ45が検出したアクセル開度、ブレーキセンサ44が検出したブレーキの動き、エンジン回転数センサ46が検出したエンジン回転数等に基づいて、前記記憶手段に格納された図示されない変速マップを参照して、無段変速機20を制御して、アップシフト又はダウンシフトの変速を行わせる。
【0038】
また、運転者が図示されないモード選択手段を操作してナビモードを選択すると、前記無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10が出力した走行環境情報に対応させて無段変速機20を制御して、アップシフト又はダウンシフトの変速を行わせることによって、車両の駆動力制御を行う。なお、ナビモードが選択されなくても、前記無段変速機制御装置30が常時、車両の駆動力制御を行うようにしてもよい。そして、車両の駆動力制御が行われると、コーナが連続する場合にワインディング制御が行われたり、車両が交差点に差し掛かると交差点制御が行われたり、車両がコーナに差し掛かるとコーナ制御が行われたりして、車両の運転性が低下しないようになっている。
【0039】
なお、前記ジャイロセンサ41としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ41によって検出された旋回角を積分することによって、車両が向いている方位を検出することができる。また、前記車速センサ42としては、図示されない車軸に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ等が使用される。さらに、前記ステアリングセンサ43としては、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0040】
次に、前記構成の車両の駆動力制御装置の動作について説明する。
【0041】
図3は本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定の動作を示す図、図4は本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定のためのテーブルを示す図、図5は本発明の実施の形態におけるコーナ制御領域判定の基準の例を示す図、図6は本発明の実施の形態における必要減速度の算出方法を示す図、図7は本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャート、図8は本発明の実施の形態における走行環境認識処理のサブルーチンを示す図である。なお、図5において、横軸にノードからの距離を、縦軸に旋回角によるコーナ形状を、図6において、横軸に区間距離Lを、縦軸に車速Vを採ってある。
【0042】
ここでは、車両の現在位置がコーナ、交差点、高速道路出入口ランプウェイ等の減速する必要がある区間、すなわち、要減速区間に差し掛かる場合における車両の駆動力制御について説明する。なお、本実施の形態においては、車両がコーナに差し掛かることが検出されて、駆動力制御としてのコーナ制御が行われる場合について説明する。まず、前記ナビゲーション装置10の動作について説明する。
【0043】
この場合、ナビゲーション装置10は、自車位置としての車両の現在位置の検出、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等を行い、地図を表示手段の画面に表示し、前記地図上に車両の現在位置、該現在位置から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等を表示する処理、すなわち、ナビゲーション基本処理を実行する。
【0044】
そして、該ナビゲーション基本処理において、自車位置としての車両の現在位置、道路データ等に基づいて、車両がコーナの手前の所定の位置に到達したことを検出し、車両がコーナに差し掛かると判断すると、前記ナビゲーション装置10は、走行環境認識処理を開始する。該走行環境認識処理は、前記コーナの形状、前記コーナへの進入車速の分析等、車両の駆動力制御に必要な走行環境情報を演算する処理である。
【0045】
まず、前記ナビゲーション装置10は、ノードデータファイルに記録されているノードデータ、道路データファイルに記録されている道路データ等に基づいて、前記コーナの形状を判定するためのコーナ形状判定処理を行う。本実施の形態においては、コーナ形状として、緩コーナ、中コーナ又は急コーナのいずれであるかを判定するようになっている。この場合、図4に示されるように、道路11上のノード12−1〜12−6を滑らかに結んだ曲線13の接線から前記ノード12−1〜12−6のそれぞれについての旋回角θを判断する。
【0046】
なお、図3は、ノード12−4についての旋回角θを判断する例を示している。この場合、前記ノード12−4から前後に所定距離La及びLbだけ離れた曲線13上の点13−1及び13−2における曲線13の接線14−1及び14−2が交差する角度θをノード12−4についての旋回角θとして判断する。そして、図4に示されるような、あらかじめ作成されて記憶手段に記録されているテーブルに旋回角θの角度を当てはめて、コーナ形状が緩コーナ、中コーナ又は急コーナのいずれであるかを判定する。すなわち、旋回角θが、θ1以上θ2未満であれば緩コーナ、θ2以上θ3未満であれば中コーナ、θ3以上であれば急コーナであると判定する。なお、前記La、Lb、θ1〜θ3等の数値は、例えば、La=35〔m〕、Lb=35〔m〕、θ1=20〔度〕、θ2=40〔度〕、θ3=90〔度〕とすることができるが、適宜変更してもよい。
【0047】
続いて、前記ノード12−1〜12−6から所定距離だけ手前の位置から該ノード12−1〜12−6まで、又は、該ノード12−1〜12−6に基づいて決定される所定位置までの範囲をコーナ制御領域として判定する。なお、前記所定距離や所定位置は、コーナ形状に基づいて、適宜変更することができる。そして、図5には、前記コーナ形状に基づいて決定されるコーナ制御領域を判定する基準の例が示されている。この場合、コーナ制御領域は、緩コーナ制御領域、中コーナ制御領域及び急コーナ制御領域に区分けされている。ここで、ノードからの距離、L1〜L3は適宜決定することができる。なお、図5に示されるような基準を示すグラフ、テーブル、計算式等はあらかじめ作成されて記憶手段に記録されている。
【0048】
続いて、必要減速度算出手段としてのナビゲーション装置10は、車両の速度を、現在の車速から車両前方のコーナにおける推奨車速にまで減速するために必要な必要減速度を算出するための必要減速度算出処理を行う。この場合、必要減速度算出手段としてのナビゲーション装置10は、現在位置における車速と、現在位置における前方の道路上のノード点における推奨車速と、前記現在位置及びノード点間の距離とに基づいて必要減速度を算出するようになっている。ここで、前記推奨車速は、コーナにおける旋回横加速度が、例えば、0.2〔G〕となるような車速である。なお、前記旋回横加速度の値は適宜変更することができる。この場合、旋回横加速度は、車速の2乗に比例し、コーナの半径に反比例するので、前記旋回横加速度の値を設定すれば、コーナの半径に対応する推奨車速を求めることができる。例えば、旋回横加速度を0.2〔G〕に設定した場合、推奨車速は、コーナの半径が15〔m〕であると20〔km/h〕、コーナの半径が30〔m〕であると30〔km/h〕、コーナの半径が60〔m〕であると40〔km/h〕、コーナの半径が100〔m〕であると50〔km/h〕となる。
【0049】
そして、車両の前方に位置するノードNdi(iは自然数)における推奨車速Vri(iは自然数)となるのに必要な必要減速度Gi(iは自然数)が算出される。この場合、現在位置における車速V0と、車両の現在位置から前方の所定距離範囲(例えば、200〔m〕)内に存在する各ノードNdiにおける前記推奨車速Vriとを決定する。続いて、車両の現在位置から各ノードNdiまでの距離Li(iは自然数)を算出する。そして、次の式(1)によって必要減速度Giを算出する。
Gi=(V02 −Vri2 )/(2×Li)・・・式(1)
そして、各ノードNdiに関して算出された必要減速度Giの最大値を算出し、これを最終的な必要減速度として設定する。なお、図6には、現在位置から各ノードNd1、Nd2、Nd3までの車速の変化が3本の減速度曲線で示されている。この場合、各減速度曲線は必要減速度G1、G2及びG3に対応し、減速度曲線の曲率が大きいほど、すなわち、曲がり方がきついほど必要減速度が大きくなっている。したがって、図6に示される例においては、ノードNd2に関して算出された必要減速度G2が最大となっている。
【0050】
最後に、前記ナビゲーション装置10は、走行環境情報伝達処理として、判定したコーナ形状、設定した必要減速度を含む走行環境情報を図示されない通信インターフェイスを介して、無段変速機制御装置30に送信する。なお、前記ナビゲーション基本処理、走行環境認識処理及び走行環境情報伝達処理は、所定の周期(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行される。
【0051】
次に、フローチャートについて説明する。まず、ナビゲーション装置10における処理全体を示す図7のフローチャートについて説明する。
ステップS1 ナビゲーション基本処理を行う。
ステップS2 走行環境認識処理を行う。
ステップS3 走行環境情報伝達処理を行う。
【0052】
次に、図7のステップS2における走行環境認識処理のサブルーチンについて説明する。
ステップS2−1 コーナ形状判定処理を行う。
ステップS2−2 必要減速度算出処理を行う。
【0053】
次に、無段変速機制御装置30の動作について説明する。
【0054】
図9は本発明の実施の形態における基本目標入力軸回転数マップを示す図、図10は本発明の実施の形態におけるコーナ手前においてアイドルオンとなる時の必要減速度を示す図、図11は本発明の実施の形態における運転嗜好を区別するための必要減速度の分布を示す図、図12は本発明の実施の形態における運転嗜好に応じた必要減速度の補正を示す図、図13は本発明の実施の形態におけるコーナに対する推奨入力軸回転数マップを示す図、図14は本発明の実施の形態におけるブレーキ踏力に応じた変速速度係数マップを示す図、図15は本発明の実施の形態における無段変速機制御装置の動作を示すフローチャート、図16は本発明の実施の形態におけるコーナに対する目標入力軸回転数算出処理のサブルーチンを示すフローチャート、図17は本発明の実施の形態における変速制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、図9において、横軸に車速を、縦軸に基本目標入力軸回転数を、図10において、横軸に距離を、縦軸に必要減速度を、図11において、横軸にアイドルオンとなる時の必要減速度を、縦軸に出現する頻度を、図12において、横軸に補正前の必要減速度を、縦軸に補正後の必要減速度を、図13において、横軸に車速を、縦軸に推奨入力軸回転数を、図14において、横軸にブレーキ踏力を、縦軸に変速速度係数を採ってある。
【0055】
まず、無段変速機制御装置30は、基本目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、あらかじめ作成された図9に示されるような基本目標入力軸回転数マップに従い、車速センサ42及びアクセル開度センサ45から受信した車速及びアクセル開度に基づいて、基本目標入力軸回転数が算出される。
【0056】
ここで、図9に示されるマップは、無段変速機20の変速マップの一つであり、直線16−1は無段変速機20の変速比を最大に設定した場合の無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線16−2は無段変速機20の変速比を最小に設定した場合の無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示している。なお、車速は無段変速機20の出力軸回転数に比例している。
【0057】
そして、曲線17−1〜17−4は、アクセル開度の段階に対応する無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示す変速曲線である。例えば、アクセル開度が第3段階に対応する場合、入力軸回転数と車速との関係が曲線17−3に沿って変化するように、無段変速機20の変速比が制御されるようになっている。なお、アクセル開度は、実際上、無段階で連続的に変化するが、前記曲線17−1〜17−4は、その中の四つの段階に対応するアクセル開度を示している。そして、曲線17−1がアクセル開度の小さい第1段階に対応し、17−2、17−3及び17−4の順にアクセル開度が大きい段階に対応することを示している。
【0058】
次に、無段変速機制御装置30は、道路勾配推定処理を実行する。この場合、アクセル開度、車速、車両の実加速度等に基づいて、道路勾配を推定する。該道路勾配は、後述されるコーナに対する目標入力軸回転数算出処理において、コーナに対する目標入力軸回転数の補正に使用される。
【0059】
次に、無段変速機制御装置30は、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、無段変速機制御装置30は、まず、駆動力制御としてのコーナ制御が行われているか否かを、コーナ制御実行中フラグがオンになっているか否かによって判断する。なお、該コーナ制御実行中フラグは車両のエンジンが始動される時に初期化されてオフになる。
【0060】
そして、コーナ制御実行中フラグがオフになっている場合、すなわち、コーナ制御が行われていない場合、無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる道路情報の一部であるコーナ形状に関する情報がオンであるかオフであるかに基づいて、前方にコーナがあるか否かを判断する。ここで、前記コーナ形状に関する情報がオンである場合、無段変速機制御装置30は、前方にコーナがあると判断し、続いて、前記走行環境情報に含まれる必要減速度Giが所定値以上であるか否か、すなわち、前記コーナに対して減速が必要であるか否かを判断する。
【0061】
続いて、前記コーナに対して減速が必要であると判断した場合、無段変速機制御装置30は、コーナ制御を開始する条件が成立したので、コーナ制御を開始する。そして、コーナ制御が行われていることを示すコーナ制御実行中フラグがオンにされる。
【0062】
また、前述されたように、コーナ制御が行われているか否かを判断した時にコーナ制御実行中フラグがオンになっている場合には、無段変速機制御装置30は、前記走行環境情報に含まれる道路情報の一部であるコーナ形状に関する情報がオンであるかオフであるかに基づいて、コーナを通過したか否かを判断する。そして、前記コーナ形状に関する情報がオフである場合、無段変速機制御装置30は、前記コーナを通過したと判断し、コーナ制御実行中フラグをオフにし、続いて、前記コーナに対する目標入力軸回転数を初期値(ゼロ)にして、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を終了する。
【0063】
さらに、前述されたように、前方にコーナがあるか否かを判断した時にコーナ形状に関する情報がオフなのでコーナがないと判断した場合、又は、コーナに対して減速が必要であるか否かを判断した時に必要減速度Giが所定値以上でないので減速が必要でないと判断した場合、無段変速機制御装置30は、コーナ制御を開始する条件が成立しないので、コーナに対する目標入力軸回転数を初期値(ゼロ)にし、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を終了する。
【0064】
続いて、無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる必要減速度、コーナ情報を含むコーナ形状、及び、運転者の運転嗜好に関する情報に基づいて、コーナに対する推奨入力軸回転数を算出する。この場合、前記運転者が、コーナの十分手前においてアクセルオフして滑らかに減速するような運転、すなわち、加減速度の小さい滑らかな運転を運転嗜好として有する滑らか走行型であるか、コーナ直前においてアクセルオフして急激に減速するような運転、すなわち、加減速度の大きいめりはりの効いた運転を運転嗜好として有するめりはり走行型であるか、又は、前記滑らか走行型とめりはり走行型との中間の運転を運転嗜好として有するノーマル走行型であるかに応じてナビゲーション装置10から受信した必要減速度を補正する。ここで、滑らか走行型、めりはり走行型及びノーマル走行型の区別は、アイドルオフからアイドルオン、すなわち、アイドル状態に切り替わる時の必要減速度分布の平均値に基づき判断され、前記滑らか走行型、めりはり走行型及びノーマル走行型の区別に基づき、前記必要減速度を補正する。
【0065】
ここで、運転者の運転嗜好が滑らか走行型、めりはり走行型又はノーマル走行型のいずれであるかは、コーナ手前におけるアクセル全閉時、すなわち、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の前記コーナに対する必要減速度の大きさに基づいて学習することができる。図10に運転者の運転嗜好を学習する方法が示されている。なお、図10において、28は道路、28aはコーナ、31は必要減速度を示す曲線、32は車速を示す曲線である。
【0066】
すなわち、加減速度の小さい滑らかな運転を運転嗜好として有する滑らか走行型の運転者は、一般的な運転者がコーナ28aのコーナ形状や車速に対応してアクセルを全閉にする地点よりも手前の地点aにおいて、アクセルを全閉にして、アイドル状態とする。この場合、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の必要減速度は、曲線31上の点31aに対応する必要減速度gs1である。
【0067】
一方、加減速度の大きいめりはりの効いた運転を運転嗜好として有するめりはり走行型の運転者は、一般的な運転者がコーナ28aのコーナ形状や車速に対応してアクセルを全閉にする地点よりもコーナ28aに近付いた地点bにおいて、アクセルを全閉にする。この場合、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の必要減速度は、曲線31上の点31bに対応する必要減速度gh1である。
【0068】
また、一般的な運転を運転嗜好として有するノーマル走行型の運転者は、一般的な運転者がコーナ28aのコーナ形状や車速に対応してアクセルを全閉にする地点において、アクセルを全閉にする。この場合、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の必要減速度は、曲線31上の点31cに対応する必要減速度Gaである。
【0069】
したがって、コーナ手前におけるアクセル全閉時、すなわち、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の前記コーナに対する必要減速度の大きさを統計的に処理することによって、運転者の運転嗜好を学習し、判断することができる。この場合、所定の期間にわたり前記必要減速度を収集し、所定の数値の必要減速度が出現する度合、すなわち、頻度を取ることによって、図11に示されるような必要減速度の頻度分布を得ることができる。なお、前記所定の期間は任意に設定することができる。
【0070】
図11において、分布Aは滑らか走行型の運転者における必要減速度の頻度分布を示している。この場合、分布Aにおける必要減速度の平均値はgs1である。そして、分布Bはノーマル走行型の運転者における必要減速度の頻度分布を示している。この場合、分布Bにおける必要減速度の平均値はGaである。また、分布Cはめりはり走行型の運転者における必要減速度の頻度分布を示している。この場合、分布Cにおける必要減速度の平均値はgh1である。なお、分布A〜Cはガウス分布であることを示している。
【0071】
このことから、必要減速度の頻度分布における平均値に基づいて、運転者の運転嗜好を判断することができる。すなわち、平均値が所定値1未満である場合、該当する運転者の運転嗜好は滑らか走行型であり、平均値が所定値2以上である場合、該当する運転者の運転嗜好はめりはり走行型であり、平均値が前記所定値1以上であり所定値2未満である場合、該当する運転者の運転嗜好はノーマル走行型であると、判断することができる。
【0072】
そして、無段変速機制御装置30は、図12に示されるような補正マップを備え、運転者の運転嗜好に基づいて、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる必要減速度を、前記補正マップに従って補正する。ここで、図12には、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面からなり、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップが示されている。
【0073】
この場合、無段変速機制御装置30は、原点と、補正前の必要減速度の値が加減速度の小さい運転における必要減速度の平均値gs1であり、補正後の必要減速度の値が中間の運転おける必要減速度の平均値Gaである点とを通過する傾斜が1以上の第1直線26a、及び、第1の必要減速度である該第1直線26aにおける補正後の必要減速度の値が適正範囲上限値Gbとなる点と、補正前の必要減速度の値が車両の減速できる上限値、すなわち、1.0〔G〕であり、補正後の必要減速度の必要減速度の値が上限減速度gs2である点とを結ぶ傾斜が1以下の第2直線26bから成る加減速度の小さい運転用の補正線26を作成する。また、無段変速機制御装置30は、原点と、第2の必要減速度である補正前の必要減速度の値が加減速度の大きい運転における必要減速度の平均値gh1であり、補正後の必要減速度の必要減速度の値が中間の運転における必要減速度の平均値Gaである点とを結ぶ傾斜が1以下の第1直線27a、及び、該第1直線27aにおける前記点と、補正前の必要減速度の値が補正前上限減速度gh2であり、補正後の必要減速度の必要減速度の値が車両の減速できる上限値、すなわち、1.0〔G〕である点とを結ぶ傾斜が1以上の第2直線27bとから成る加減速度の大きい運転用の補正線27を作成する。
【0074】
これにより、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含む図12に示されるような補正マップを得ることができる。
【0075】
そして、無段変速機制御装置30は、前記加減速度の小さい運転用の補正線26及び加減速度の大きい運転用の補正線27に従って必要減速度を補正するようになっている。これにより、前記無段変速機制御装置30は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正することができる。
【0076】
例えば、運転者の運転嗜好が滑らか走行型であると判断した場合、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の必要減速度の平均値がgs1なので、無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる必要減速度がgs1となった時に、補正後の必要減速度がGaとなるように補正する。すなわち、図12における横軸の必要減速度がgs1となった時に、縦軸の必要減速度がGaとなるように補正する。ここで、前記Gaは一般的な運転者が減速操作を開始する必要減速度であり、例えば、0.2〔G〕である。
【0077】
これにより、図12に示されるように、加減速度の小さい運転用、すなわち、滑らか走行型用の補正線26を設定し、該補正線26に従って横軸の必要減速度の値を縦軸の減速度に変換して、必要減速度を補正することができる。前記補正線26は、原点から補正後の必要減速度が大きくなり過ぎない範囲を示す値である適正範囲上限値Gb、例えば、0.4〔G〕まで同じ傾きで上昇した後は、必要減速度gs1の大きさに応じて決定される上限減速度gs2まで緩やかな傾きで上昇するように設定される。ここで、減速度の平均値gs1が小さいほど、運転者はより滑らかな走行を望んでいると推測することができるので、前記上限減速度gs2も小さく設定される。その結果、適正範囲上限値Gb以上の範囲における補正線26の必要減速度の傾きも、さらに緩やかに設定されることになる。この場合、上限減速度gs2は、例えば、次の式(2)によって求めることができる。
gs2=1.0〔G〕−K1×(Ga−gs1)・・・式(2)
ここで、K1は定数である。
【0078】
また、例えば、運転者の運転嗜好がめりはり走行型であると判断した場合、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の必要減速度の平均値がgh1なので、無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる必要減速度がgh1となった時に、補正後の必要減速度がGaとなるように補正する。すなわち、図12における横軸の必要減速度がgh1となった時に、縦軸の必要減速度がGaとなるように補正する。ここで、必要減速度Gaは一般的な運転者が減速操作を開始する必要減速度であり、例えば、0.2〔G〕である。
【0079】
これにより、図12に示されるように、加減速度の大きい運転用、すなわち、めりはり走行型用の補正線27を設定し、該補正線27に従って横軸の必要減速度の値を縦軸の減速度に変換して、必要減速度を補正することができる。前記補正線27は、原点から補正後の必要減速度がGaまで同じ傾きで上昇した後は、必要減速度gh1の大きさに応じて決定される補正前上限減速度gh2に対応する補正後の必要減速度の最大値、例えば、1.0〔G〕まで急激な傾きで上昇するように設定される。なお、1.0〔G〕は、通常の車両が滑らずに、すなわち、スリップすることなしに減速できる最大の減速度の値なので、本実施の形態における車両の減速できる上限値として設定されている。ここで、減速度の平均値gh1が大きいほど、運転者はよりめりはりの効いた走行を望んでいると推測することができるので、前記補正前上限減速度gh2も小さく設定される。その結果、Ga以上の範囲における補正線27の必要減速度の傾きは、さらに急激に設定され、補正後の必要減速度はより早く最大値に到達することになる。この場合、補正前上限減速度gh2は、例えば、次の式(3)によって求めることができる。
gh2=1.0〔G〕−K2×(gh1−Ga)・・・式(3)
ここで、K2は定数である。
【0080】
さらに、例えば、運転者の運転嗜好がノーマル走行型であると判断した場合、無段変速機制御装置30は、ナビゲーション装置10から受信した走行環境情報に含まれる必要減速度を補正後の必要減速度として採用する。言い換えると、図12に示されるようなノーマル走行型用の補正線25を設定し、該補正線25に従って横軸の必要減速度の値を縦軸の減速度に変換して、必要減速度を補正することができる。
【0081】
その後、補正後の必要減速度とコーナ形状情報に基づき、図13に示されるマップからコーナに対する推奨入力軸回転数を算出する。
【0082】
この場合、コーナに対する推奨入力軸回転数とは、必要減速度、すなわち、減速の必要度合い及びコーナ形状によって決まる無段変速機20の入力軸回転数であり、前記推奨入力軸回転数には運転者の減速意図が反映されない。なお、コーナに対する推奨入力軸回転数に運転者の減速意図を反映したものが、目標入力軸回転数である。
【0083】
ここで、図13に示されるマップは、無段変速機20の変速マップの一つであり、直線22−1は無段変速機20の変速比を最大に固定した場合の無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線22−2は無段変速機20の変速比を最小に設定した場合の無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示している。なお、車速は無段変速機20の出力軸回転数に比例している。また、図13において、横軸の車速及び縦軸の推奨入力軸回転数として示される数値は、一例であり、適宜変更することができる。
【0084】
そして、曲線23−1〜23−4は、必要減速度の段階に対応する無段変速機20の入力軸回転数と車速との関係を示す変速曲線である。この場合、必要減速度が大きいほど、推奨入力軸回転数は高くなる。また、コーナに高い車速で進入する場合、及び、アクセルオフが遅い場合には、必要減速度が大きくなるので推奨入力軸回転数は高くなる。
【0085】
また、前記推奨入力軸回転数は、道路勾配によって補正されることが好ましい。例えば、道路が降坂路、すなわち、下り坂である場合、前記推奨入力軸回転数を、さらに、500〔rpm〕程度高くすることが望ましい。なお、図13に示されるようなマップに従ってコーナに対する推奨入力軸回転数を算出するとともに、コーナ形状(緩コーナ、中コーナ及び急コーナ)に応じてコーナに対する推奨入力軸回転数の上限値を設定することが望ましい。
【0086】
続いて、無段変速機制御装置30は、アクセル開度に基づいて、アイドル状態であるか否か、すなわち、運転者がアクセルを全閉としているか否かを判断する。ここで、アイドル状態である場合、すなわち、運転者がアクセルを全閉として判定されている場合には、運転者に減速の意図があると判断することができる。
【0087】
そして、運転者に減速の意図があると判断した場合、前回、アイドル状態ではなかったか否か、すなわち、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理での前回の実行周期において、アイドル状態であったか否かを判断する。ここで、前回もアイドル状態であった場合、無段変速機制御装置30は、コーナに対する推奨入力軸回転数マップに従って算出された推奨入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入する。
【0088】
また、前回アイドル状態でなかった場合、すなわち、運転者がアクセルを全閉としていなかった場合には、今回の実行周期が、運転者がアクセルを全閉して、アイドルオフからアイドル状態に切り替わるタイミングであると判断することができる。そして、前述されたように、運転者の運転嗜好が滑らか走行型、めりはり走行型又はノーマル走行型のいずれであるかは、コーナ手前におけるアクセル全閉時、すなわち、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時の前記コーナに対する必要減速度の大きさに基づいて学習することができるので、運転嗜好の学習処理を実行する。これにより、アイドルオフからアイドル状態に切り替わる時のコーナに対する必要減速度を収集し、所定の数値の必要減速度が出現する度合、すなわち、頻度を取ることによって、図11に示されるような必要減速度の頻度分布を得ることができる。
【0089】
なお、前述されたように、アクセル開度に基づいて、アイドル状態であるか否かを判断した時に、アイドル状態でなく、運転者に減速の意図がないと判断した場合、無段変速機制御装置30は、現時点での実際の無段変速機20の入力軸回転数、すなわち、実入力軸回転数と、前記コーナに対する推奨入力軸回転数とを比較して、前記実入力軸回転数がコーナに対する推奨入力軸回転数以下であるか否かを判断する。そして、前記実入力軸回転数がコーナに対する推奨入力軸回転数以下である場合、無段変速機制御装置30は、無段変速機20の入力軸回転数を現時点での実入力軸回転数より低下させないために、前記実入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入する。
【0090】
さらに、前記実入力軸回転数が前記コーナに対する推奨入力軸回転数より大きい場合、無段変速機制御装置30は、前記コーナに対する推奨入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入する。この場合、既に実入力軸回転数が目標入力軸回転数より大きい状態であり、変速動作が伴わないので、運転者に違和感を与えることがない。
【0091】
次に、無段変速機制御装置30は、最終目標入力軸回転数算出処理を実行する。この場合、無段変速機制御装置30は、既に算出した基本目標入力軸回転数とコーナに対する目標入力軸回転数とを比較し、二つの回転数のうち高い方を最終目標入力軸回転数とする。ここで、基本目標入力軸回転数を「NIN_BASE」とし、コーナに対する目標入力軸回転数を「NIN_CN」とし、最終目標入力軸回転数を「NIN_F」とすると、次の式(4)によって表すことができる。
NIN_F=MAX(NIN_BASE,NIN_CN)・・・式(4)
ここで、MAX(A,B)はA,Bの最大値を選択する関数である。
【0092】
なお、コーナ制御が行われていない場合、コーナに対する目標入力軸回転数(NIN_CN)は初期値(ゼロ)なので、上記の式(4)のように最大値を選択すると、最終目標入力軸回転数(NIN_F)が必ず基本目標入力軸回転数(NIN_BASE)になり、通常の制御が行われる。
【0093】
次に、無段変速機制御装置30は、変速制御処理を実行する。この場合、無段変速機制御装置30は、まず、コーナ制御時と通常制御時とで変速速度を変更するために、コーナ制御実行中フラグを参照し、現時点でコーナ制御が行われているのか、又は、通常制御が行われているのかを、コーナ制御実行中フラグがオンであるか否かによって判断する。そして、現時点でコーナ制御が行われていると判断した場合、無段変速機制御装置30は、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転数との比較を行う。また、コーナ制御実行中フラグがオフであることによって現在コーナ制御が行われていないと判断した場合であっても、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになった直後であれば、コーナ制御から通常制御に復帰させるためのアップシフトを、通常制御における変速速度とは異なる変速速度で実施させるようになっているので、コーナ制御が行われている場合と同様の処理へ進む。そのため、無段変速機制御装置30は、現時点で通常制御が行われていても、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになってから所定時間以内であると判断した場合、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転数との比較を行う。
【0094】
一方、現時点で通常制御が行われていて、かつ、コーナ制御実行中フラグがオンからオフになってから所定時間以上経過したと判断した場合、無段変速機制御装置30は、通常制御における過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。ここで、過渡目標入力軸回転数とは、実入力軸回転数を最終目標入力軸回転数に滑らかに追従させるための過渡的な目標値であり、この値に基づいて無段変速機20の各アクチュエータが制御される。また、通常制御時は、アクセル開度及び車速に応じた変速速度係数が所定のマップに従って算出される。なお、アクセル開度が大きいほど、また、車速が低いほど変速速度係数は大きく設定されるので、変速速度が速くなる。そして、算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用される。
【0095】
また、最終目標入力軸回転数と過渡目標入力軸回転数との比較を行って、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数より大きい場合、無段変速機制御装置30は、ダウンシフトを実施すると判断する。一方、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数以下である場合、無段変速機制御装置30は、アップシフトを実施すると判断する。これは、コーナ制御における変速速度をダウンシフト時とアップシフト時とで、個別に設定するためである。
【0096】
続いて、ダウンシフトを実施すると判断した場合、無段変速機制御装置30は、既にコーナ制御におけるダウンシフトが実施されたか否かを判断する。これは、コーナ制御における変速速度をダウンシフトが実施された実施済みの時と実施されていない未実施の時とで、変更するためである。ここで、次のような条件、|最終目標入力軸回転数−基本目標入力軸回転数|>所定値1
|最終目標入力軸回転数−過渡目標入力軸回転数|<所定値2
がともに成立した場合、コーナ制御においてダウンシフトが実施済みと判断される。
【0097】
続いて、コーナ制御におけるダウンシフトが未実施であると判断した場合、無段変速機制御装置30は、図14に示されるブレーキ踏力に応じた変速速度係数マップにおける曲線24−1に従って、ブレーキ踏力に対応する過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。なお、図14に示されるマップは、無段変速機20の変速速度を決定する変速速度係数とブレーキ踏力との関係を決定するために、あらかじめ作成され、記憶手段に記録されている。そして、曲線24−1はコーナ制御におけるダウンシフト未実施の場合の変速速度係数とブレーキ踏力との関係を示し、曲線24−2はコーナ制御におけるダウンシフトが実施済みの場合の変速速度係数とブレーキ踏力との関係を示している。この場合、ブレーキ踏力が大きいほど、運転者の減速意図が大きいと考えることができるので、変速速度係数を大きく設定し、変速速度が速くなるようになっている。なお、前記変速速度係数は、ブレーキ踏力、車両特性、走行環境、走行状態を表す各種状態量に基づいて所定の計算式によって算出してもよい。そして、算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用される。
【0098】
また、コーナ制御におけるダウンシフトが実施済みと判断した場合、無段変速機制御装置30は、図14に示されるブレーキ踏力に応じた変速速度係数マップにおける曲線24−2に従って、ブレーキ踏力に対応する過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。この場合も、ダウンシフトが未実施の場合と同様に、ブレーキ踏力が大きいほど、運転者の減速意図が大きいと考えることができるので、変速速度係数を大きく設定し、変速速度が速くなるようになっている。
【0099】
ここで、曲線24−2を曲線24−1と比較して分かるように、コーナ制御におけるダウンシフトが実施済みの場合の変速速度係数は、ダウンシフト未実施の場合の変速速度係数よりも小さくなるように設定され、無段変速機20の変速速度を遅くしている。これは、ダウンシフト未実施の場合は、車両が直進状態からコーナに進入しようとしている状態であると推測することができるので、速やかにエンジンブレーキを効かせるためにダウンシフトの変速速度を速くする必要があるからである。これに対して、ダウンシフト実施済みの場合は、車両が現時点において既にコーナを走行していて、更に次のコーナに進入しようとしている状態であると推測することができるので、いわゆる、連続コーナ走行時の急な変速による違和感を防止するためにダウンシフトの変速速度を遅くする必要があるからである。
【0100】
なお、前記変速速度係数は、ブレーキ踏力、車両特性、走行環境、走行状態を表す各種状態量に基づいて所定の計算式によって算出してもよい。そして、算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用される。
【0101】
また、前述されたように、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数以下なのでアップシフトを実施すると判断した場合、無段変速機制御装置30は、コーナ制御におけるアップシフト時の過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。そして、コーナ制御におけるアップシフト時は、運転者に違和感を与えることがないように、変速速度を遅くしてゆっくりアップシフトさせるので、通常制御時及びコーナ制御におけるダウンシフト時と比較して、変速速度係数が小さく設定される。なお、算出された変速速度係数は、過渡目標入力軸回転数を算出する際に使用される。
【0102】
続いて、無段変速機制御装置30は、算出された最終目標入力軸回転数に実入力軸回転数を滑らかに近付けるために、算出された変速速度係数を用い、次の式(5)によって過渡目標入力軸回転数を算出する。
NINTSTA(i)=NINTSTA(i−1)+KNIN1×(NIN_F(i)−NINTSTA(i−1))+KNIN2・・・式(5)
なお、NINTSTA(i)は今回の過渡目標入力軸回転数、NINTSTA(i−1)は前回の過渡目標入力軸回転数、KNIN1は変速速度係数(大きいほど変速速度が速い。)、NIN_F(i)は今回の最終目標入力軸回転数、KNIN2は最小変速速度である。
【0103】
ここで、最小変速速度(KNIN2)は、回転差(最終目標入力軸回転数−過渡目標入力軸回転数)が小さくなって、変速速度が遅くなり過ぎることを防止するために設定される。すなわち、最小変速速度(KNIN2)が設定されないと、過渡目標入力軸回転数を示す曲線は、目標値に近付くにつれて傾斜が緩やかになり、目標値に到達するまでに時間がかかってしまう。そのため、過渡目標入力軸回転数が目標値に近付くと大きく作用する最小変速速度(KNIN2)が設定される。したがって、前記最小変速速度(KNIN2)は、ダウンシフト時において正の値、アップシフト時において負の値となるように設定される。また、前記最小変速速度(KNIN2)は定数であるが、車両特性、走行状態、走行環境に応じて適宜変更してもよい。
【0104】
また、次の式(6)によって過渡目標入力軸回転数を算出することもできる。
NINTSTA(i)=NINTSTA(i−1)+KNIN_SWP ・・・式(6)
なお、KNIN_SWPは制御周期当たりの変化量である。
【0105】
この場合、無段変速機制御装置30は、変速制御処理において、前記変速速度係数を算出することなく、制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)を算出する。ここで、該制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)は、1回の制御周期毎に増加又は減少する過渡目標入力軸回転数の数値である。したがって、前記制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)は、ダウンシフト時において正の値、アップシフト時において負の値となるように設定される。そして、前記制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)の大きさは、前述されたように、変速速度係数を算出する場合と同様に設定される。すなわち、該変速速度係数が大きく設定される条件下では制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)を大きく設定し、変速速度係数が小さく設定される条件下では制御周期当たりの変化量(KNIN_SWP)を小さく設定する。これにより、変速速度係数を算出する場合と同様に過渡目標入力軸回転数を算出することができる。
【0106】
最後に、無段変速機制御装置30は、実入力軸回転数が算出された過渡目標入力軸回転数と一致するように、無段変速機20のアクチュエータを作動させて、変速比を制御する。これにより、例えば、無段変速機20がベルト式無段変速機である場合には、Vプーリの傾斜側面の間隔を調整するための各可動シーブが軸方向に移動させられて、変速比が変化する。
【0107】
なお、無段変速機制御装置30が実行する前記基本目標入力軸回転数算出処理、道路勾配推定処理、コーナに対する目標入力軸回転数算出処理、最終目標入力軸回転数算出処理及び変速制御処理は、所定の周期(例えば、16〔msec〕)で繰り返し実行される。
【0108】
次に、フローチャートについて説明する。まず、無段変速機制御装置30における処理全体を示す図15のフローチャートについて説明する。
ステップS11 基本目標入力軸回転数算出処理を行う。
ステップS12 道路勾配推定処理を行う。
ステップS13 コーナに対する目標入力軸回転数算出処理を行う。
ステップS14 最終目標入力軸回転数算出処理を行う。
ステップS15 変速制御処理を行う。
【0109】
次に、図15のステップS13におけるコーナに対する目標入力軸回転数算出処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS13−1 コーナ制御実行中フラグがオンであるか否かを判断する。
オンである場合はステップS13−2に進み、オフである場合はステップS13−5に進む。
ステップS13−2 コーナを通過したか否かを判断する。通過した場合はステップS13−3に進み、通過していない場合はステップS13−9に進む。
ステップS13−3 コーナ制御実行中フラグをオフにする。
ステップS13−4 コーナに対する目標入力軸回転数を初期値(ゼロ)にし、リターンする。
ステップS13−5 前方にコーナがあるか否かを判断する。コーナがある場合はステップS13−6に進み、コーナがない場合はステップS13−7に進む。
ステップS13−6 必要減速度Giが所定値以上であるか否かを判断する。所定値以上である場合はステップS13−8に進み、所定値より小さい場合はステップS13−7に進む。
ステップS13−7 コーナに対する目標入力軸回転数を初期値(ゼロ)にし、リターンする。
ステップS13−8 コーナ制御実行中フラグをオンにする。
ステップS13−9 必要減速度とコーナ形状と運転嗜好に応じたコーナに対する推奨入力軸回転数を算出する。
ステップS13−10 アイドル状態であるか否かを判断する。アイドル状態である場合はステップS13−11に進み、アイドル状態でない場合はステップS13−12に進む。
ステップS13−11 前回アイドル状態でないか否かを判断する。アイドル状態でない場合はステップS13−12に進み、アイドル状態である場合はステップS13−14に進む。
ステップS13−12 運転嗜好学習処理を実行する。
ステップS13−13 実入力軸回転数がコーナに対する推奨入力軸回転数以下であるか否かを判断する。実入力軸回転数がコーナに対する推奨入力軸回転数以下である場合はステップS13−15に進み、実入力軸回転数がコーナに対する推奨入力軸回転数より大きい場合はステップS13−16に進む。
ステップS13−14 コーナに対する推奨入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入し、リターンする。
ステップS13−15 実入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入し、リターンする。
ステップS13−16 コーナに対する推奨入力軸回転数をコーナに対する目標入力軸回転数に代入し、リターンする。
【0110】
次に、図15のステップS15における変速制御処理のサブルーチンを示すフローチャートについて説明する。
ステップS15−1 コーナ制御実行中フラグがオンになっているか、又はコーナ制御実行中フラグがオンからオフになった後所定時間以内であるか否かを判断する。コーナ制御実行中フラグがオン、又はオンからオフになった後所定時間以内である場合はステップS15−3に進み、コーナ制御実行中フラグがオフ、かつ、オンからオフになった後所定時間以上である場合はステップS15−2に進む。
ステップS15−2 通常制御時の過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。
ステップS15−3 最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数より大きいか否かを判断する。最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数より大きい場合はステップS15−4に進み、最終目標入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数以下である場合はステップS15−7に進む。
ステップS15−4 コーナ制御によるダウンシフトが実施されている否かを判断する。実施されている場合はステップS15−6に進み、未実施である場合はステップS15−5に進む。
ステップS15−5 図14に示されるコーナ制御によるダウンシフト未実施時の変速速度係数マップからブレーキ踏力に応じて過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。
ステップS15−6 図14に示されるコーナ制御によるダウンシフト実施済み時の変速速度係数マップからブレーキ踏力に応じて過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。
ステップS15−7 コーナ制御によるアップシフト時の過渡目標入力軸回転数算出用の変速速度係数を算出する。
ステップS15−8 算出された変速速度係数を用いて過渡目標入力軸回転数を算出する。
ステップS15−9 実入力軸回転数が過渡目標入力軸回転数と一致するように変速比を変化させ、リターンする。
【0111】
次に、車両がコーナに差し掛かった時の車両の駆動力制御装置の動作について説明する。
【0112】
図1は本発明の実施の形態における運転者の運転嗜好に応じて必要減速度を補正した場合のコーナ制御の状態を示す図、図18は従来の車両の駆動力制御装置におけるコーナに対する推奨入力軸回転数マップを示す図、図19は従来の車両の駆動力制御装置におけるコーナ制御の状態を示す図である。なお、図1において、横軸に距離を、縦軸に必要減速度及び推奨入力軸回転数を、図18において、横軸に車速を、縦軸に推奨入力軸回転数を、図19において、横軸に距離を、縦軸に必要減速度及び推奨入力軸回転数を採ってある。
【0113】
本実施の形態の車両の駆動力制御装置における無段変速機制御装置30は、運転者の運転嗜好が加減速度の小さい滑らかな運転を運転嗜好として有する滑らか走行型であるか、加減速度の大きいめりはりの効いた運転を運転嗜好として有するめりはり走行型であるか、又は、前記滑らか走行型とめりはり走行型との中間の運転を運転嗜好として有するノーマル走行型であるかに応じてナビゲーション装置10から受信した必要減速度を補正するようになっている。
【0114】
これに対して、「従来の技術」及び「発明が解決しようとする課題」において説明した従来の車両の駆動力制御装置の場合、運転者の運転嗜好に無関係に決定された必要減速度を、補正することなくそのまま使用して、図18に示されるようなマップに基づいて、推奨入力軸回転数を求めるようになっている。図18は無段変速機の変速マップの一つであり、直線35−1は無段変速機の変速比を最大に固定した場合の無段変速機の入力軸回転数と車速との関係を示し、直線35−2は無段変速機の変速比を最小に設定した場合の無段変速機の入力軸回転数と車速との関係を示している。また、車速は無段変速機の出力軸回転数に比例している。そして、曲線36−1〜36−2は、必要減速度の段階に対応する無段変速機の入力軸回転数と車速との関係を示す変速曲線である。なお、図18に示されるマップは、図13に示されるマップと同様の性質のものなので、その詳細な説明は省略する。
【0115】
そして、前記従来の車両の駆動力制御装置は、図19に示されるように、道路51のコーナ51aの手前の地点cにおいて、アクセルが全閉とされアイドル状態が開始されると、車速曲線52で示される車速、コーナ51aの形状、コーナ51aまでの距離等に基づいて、必要減速度曲線53で示されるように、必要減速度を算出する。そして、該必要減速度の変化に応じて、推奨入力軸回転数曲線54で示されるように、推奨入力軸回転数が算出される。なお、該推奨入力軸回転数に基づいて目標入力軸回転数が決定され、続いて、実入力軸回転数が算出された目標入力軸回転数と一致するように無段変速機の変速比が制御される。
【0116】
そのため、前記従来の車両の駆動力制御装置においては、運転者の運転嗜好とは無関係に無段変速機の変速比が制御されるので、運転嗜好と合わない場合、運転者に違和感を与え、ドライバビリティが低下してしまう。
【0117】
ところが、本実施の形態の車両の駆動力制御装置における無段変速機制御装置30は、運転者の運転嗜好が滑らか走行型であるか、めりはり走行型であるか、又は、ノーマル走行型であるかに応じてナビゲーション装置10から受信した必要減速度を補正するようになっているので、図1に示されるように、道路51のコーナ51aの手前の地点cにおいて、アクセルが全閉とされアイドル状態が開始されると、必要減速度は、必要減速度曲線55a〜55cで示されるように変化する。ここで、必要減速度曲線55aは、前記図12における滑らか走行型用の補正線26に従って補正した必要減速度の変化、すなわち、運転者の運転嗜好が滑らか走行型である場合の必要減速度の変化を示し、必要減速度曲線55bは、前記図12におけるノーマル走行型用の補正線25に従って補正した必要減速度の変化、すなわち、運転者の運転嗜好がノーマル走行型である場合の必要減速度の変化を示し、必要減速度曲線55cは、前記図12におけるめりはり走行型用の補正線27に従って補正した必要減速度の変化、すなわち、運転者の運転嗜好がめりはり走行型である場合の必要減速度の変化を示している。
【0118】
そして、前記必要減速度曲線55a〜55cで示される必要減速度の変化に応じて、推奨入力軸回転数曲線56a〜56cで示されるように、推奨入力軸回転数が算出される。ここで、推奨入力軸回転数曲線56aは、運転者の運転嗜好が滑らか走行型である場合の推奨入力軸回転数の変化を示し、推奨入力軸回転数曲線56bは、運転者の運転嗜好がノーマル走行型である場合の推奨入力軸回転数の変化を示し、推奨入力軸回転数曲線56cは、運転者の運転嗜好がめりはり走行型である場合の推奨入力軸回転数の変化を示している。そして、前記、推奨入力軸回転数曲線56a〜56cで示される推奨入力軸回転数に基づいて目標入力軸回転数が決定され、続いて、実入力軸回転数が算出された目標入力軸回転数と一致するように無段変速機20の変速比が制御される。
【0119】
図1に示される推奨入力軸回転数曲線56aの変化から、運転者の運転嗜好が滑らか走行型である場合、エンジンブレーキによる減速力を、コーナ制御が開始された直後の段階で小幅ではあるが急激に増加させ、その後、ほぼ一定に保つようにコーナ制御が行われることが分かる。この場合、コーナ51aの比較的手前の位置に車両が到達した段階で、エンジンブレーキによる減速がはっきりと運転者に感知される程度に開始され、その後滑らかに減速されていくので、コーナの十分手前においてアクセルオフして滑らかに減速するような運転を好む滑らか走行型の運転者の運転嗜好に合致する。そのため、運転嗜好が滑らか走行型の運転者に違和感を与えることがなく、ドライバビリティが向上する。
【0120】
そして、図1に示される推奨入力軸回転数曲線56bの変化から、運転者の運転嗜好がノーマル走行型である場合、エンジンブレーキによる減速力を、コーナ制御が開始された直後の段階から徐々に増加させるようにコーナ制御が行われることが分かる。この場合、コーナ51aの比較的手前の位置に車両が到達した段階から、コーナ51aに近付くにつれて、エンジンブレーキによる減速力が漸次増加し、車速が漸次減速されていくので、コーナに近付くにつれて漸次減速するような一般的な運転を好むノーマル走行型の運転者の運転嗜好に合致する。そのため、運転嗜好がノーマル走行型の運転者に違和感を与えることがなく、ドライバビリティが向上する。
【0121】
また、図1に示される推奨入力軸回転数曲線56cの変化から、運転者の運転嗜好がめりはり走行型である場合、エンジンブレーキによる減速力を、コーナ制御が開始された直後にはほとんど発生させず、ある程度コーナ51aに接近した段階で大幅に、かつ、急激に増加させ、その後、ほぼ一定に保つようにコーナ制御が行われることが分かる。この場合、コーナ51aの比較的手前の位置では、エンジンブレーキにより減速されることがなく、ある程度コーナ51aに接近した段階で急激に減速されるので、コーナ直前においてアクセルオフして急激に減速するような運転を好むめりはり走行型の運転者の運転嗜好に合致する。そのため、運転嗜好がめりはり走行型の運転者に違和感を与えることがなく、ドライバビリティが向上する。
【0122】
このように、本実施の形態において、無段変速機制御装置30は、運転者の運転嗜好が加減速度の小さい滑らかな運転を運転嗜好として有する滑らか走行型であるか、加減速度の大きいめりはりの効いた運転を運転嗜好として有するめりはり走行型であるか、又は、前記滑らか走行型とめりはり走行型との中間の運転を運転嗜好として有するノーマル走行型であるかに応じてナビゲーション装置10から受信した必要減速度を補正するようになっている。そのため、運転者の運転嗜好が滑らか走行型である場合、コーナ51aの比較的手前の位置に車両が到達した段階で、エンジンブレーキによる減速がはっきりと運転者に感知される程度に開始され、その後、滑らかに減速されていくので、コーナの十分手前においてアクセルオフして滑らかに減速するような運転を好む滑らか走行型の運転者の運転嗜好に合致する。また、運転者の運転嗜好がめりはり走行型である場合、コーナ51aの比較的手前の位置では、エンジンブレーキによって減速されることがなく、ある程度コーナ51aに接近した段階で急激に減速されるので、コーナ直前においてアクセルオフして急激に減速するような運転を好むめりはり走行型の運転者の運転嗜好に合致する。さらに、運転者の運転嗜好がノーマル走行型である場合、コーナ51aの比較的手前の位置に車両が到達した段階から、コーナ51aに近付くにつれて、エンジンブレーキによる減速力が漸次増加し、車速が漸次減速されていくので、コーナに近付くにつれて漸次減速するような一般的な運転を好むノーマル走行型の運転者の運転嗜好に合致する。したがって、運転者に違和感を与えることがなく、ドライバビリティが向上する。
【0123】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0124】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車両の駆動力制御装置においては、駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変速機と、道路情報に基づいて前記自動変速機を制御する自動変速機制御装置とを有し、該自動変速機制御装置は、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御装置であって、前記自動変速機制御装置は、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを備え、該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正する。
【0125】
この場合、運転者の運転嗜好に合致した駆動力制御を行うことができ、車両の運転性を向上させることができる。
【0126】
他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記運転嗜好は、加減速度の小さい運転、加減速度の大きい運転、又は、前記加減速度の小さい運転と加減速度の大きい運転との中間の運転である。
【0127】
この場合、加減速度の小さい運転を運転嗜好として有する運転者も、加減速度の大きい運転を運転嗜好として有する運転者も、中間の運転を運転嗜好として有する運転者にも、違和感を与えることがなく、ドライバビリティが向上する。
【0128】
更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好を学習する。
【0129】
この場合、運転者の運転嗜好を適切に判断することができる。
【0130】
更に他の車両の駆動力制御装置においては、さらに、前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、前記コーナの手前の位置で減速が開始され、滑らかに減速されていくように前記自動変速機の変速比を制御し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、前記コーナの手前で減速されることがなく、前記コーナに接近すると急激に減速されるように前記自動変速機の変速比を制御する。
【0131】
この場合、滑らかに減速されるので加減速度が小さい運転を運転嗜好として有する運転者に、違和感を与えることがなく、また、加減速度の大きい運転を運転嗜好として有する運転者にも、コーナに接近すると急激に減速されるので、違和感を与えることがない。
【0133】
この場合、必要減速度は、加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲の時に強い減速がされ、必要減速度が大きい範囲の時には弱い減速がされるように補正されるので、最初に強い減速がされ、その後は徐々に減速されることになるので運転者の嗜好に応じた減速を行うことができるようになるのでドライバビリティが向上する。
【0134】
また、加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲の時に弱い減速がされ、必要減速度が大きい範囲の時には強い減速がされることになるので、運転者の嗜好が加減速度の大きい運転であっても、一律に強い減速が生じることがなく、必要減速度が大きい範囲の時、運転者の要求する強い減速を行うことができるようになるのでドライバビリティを向上させることができる。
【0136】
この場合、必要減速度は、運転嗜好が加減速度の小さい運転の場合、第1の必要減速度までは強い減速がされ、前記第1の必要減速度からは緩やかに減速されるように補正されることになるので加減速度の小さい運転に適した減速とすることができる。
【0137】
また、運転嗜好が加減速度の大きい運転の場合、第2の必要減速度までは弱い減速がされ、前記第2の必要減速度からは強い減速がされるように補正されるので、一律に強い減速となることがなく、強い減速が要求される時には強い減速がされることになるので、加減速度の大きい運転に適した減速とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における運転者の運転嗜好に応じて必要減速度を補正した場合のコーナ制御の状態を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における車両の駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定の動作を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるコーナ形状判定のためのテーブルを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるコーナ制御領域判定の基準の例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における必要減速度の算出方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における走行環境認識処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における基本目標入力軸回転数マップを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるコーナ手前においてアイドルオンとなる時の必要減速度を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における運転嗜好を区別するための必要減速度の分布を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における運転嗜好に応じた必要減速度の補正を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態におけるコーナに対する推奨入力軸回転数マップを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるブレーキ踏力に応じた変速速度係数マップを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における無段変速機制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態におけるコーナに対する目標入力軸回転数算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における変速制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】従来の車両の駆動力制御装置におけるコーナに対する推奨入力軸回転数マップを示す図である。
【図19】従来の車両の駆動力制御装置におけるコーナ制御の状態を示す図である。
【符号の説明】
20 無段変速機
30 無段変速機制御装置
51a、28a コーナ
Claims (10)
- (a)駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変速機と、
(b)道路情報に基づいて前記自動変速機を制御する自動変速機制御装置とを有し、
(c)該自動変速機制御装置は、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御装置であって、
(d)前記自動変速機制御装置は、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを備え、
(e)該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、
(f)原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、
(g)原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、
(h)前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正することを特徴とする車両の駆動力制御装置。 - 前記必要減速度は、車両前方のコーナを走行するのに必要な減速度である請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記自動変速機制御装置は、前記必要減速度を前記運転嗜好に基づいて補正し、前記自動変速機の変速比を補正された必要減速度に基づいて制御する請求項1又は2に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記運転嗜好は、加減速度の小さい運転、加減速度の大きい運転、又は、前記加減速度の小さい運転と加減速度の大きい運転との中間の運転である請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好を学習する請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記自動変速機制御装置は、車両前方のコーナの手前においてアクセルの全閉が検出された時の必要減速度の大きさを所定期間に亘り収集した必要減速度の頻度分布によって運転嗜好を学習する請求項5に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、前記コーナの手前の位置で減速が開始され、滑らかに減速されていくように前記自動変速機の変速比を制御し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、前記コーナの手前で減速されることがなく、前記コーナに接近すると急激に減速されるように前記自動変速機の変速比を制御する請求項4〜6のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記必要減速度は、現在位置における車速と、現在位置における前方の道路上のノード点における推奨車速と、前記現在位置及びノード点間の距離とに基づいて算出される請求項2〜7のいずれか1項に記載の車両の駆動力制御装置。
- (a)道路情報に基づいて自動変速機を制御する時に、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御方法であって、
(b)補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを使用し、
(c)該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、
(d)原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、
(e)原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、
(f)前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正することを特徴とする車両の駆動力制御方法。 - (a)コンピュータを、
(b)駆動源に駆動連結される入力軸、及び、該入力軸の入力を変速して出力する出力軸を備える自動変速機を道路情報に基づいて制御する自動変速機制御装置として機能させ、
(c)該自動変速機制御装置は、前記道路情報に基づく車両の必要減速度、及び、運転者の運転嗜好に基づいて前記自動変速機の変速比を制御する車両の駆動力制御用プログラムであって、
(d)前記自動変速機制御装置は、補正前の必要減速度と補正後の必要減速度とを軸とする2次元平面から成り、必要減速度を運転嗜好に基づいて補正するための補正マップを備え、
(e)該補正マップは、原点を通り、補正前と補正後の必要減速度が比例するように設定された中間の運転用の補正線と、
(f)原点から第1の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく、前記第1の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく設定された加減速度の小さい運転用の補正線と、
(g)原点から第2の必要減速度までは補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも小さく、前記第2の必要減速度以上では補正後の必要減速度の増加率が前記中間の運転用の補正線よりも大きく設定された加減速度の大きい運転用の補正線とを含み、
(h)前記自動変速機制御装置は、前記運転嗜好が加減速度の小さい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正し、必要減速度が大きい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記運転嗜好が加減速度の大きい運転である場合、必要減速度が小さい範囲において、補正後の必要減速度が緩やかに増加するように補正し、前記必要減速度が大きい範囲におい て、補正後の必要減速度が急激に増加するように補正することを特徴とする車両の駆動力制御用プログラム。
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