JP6168018B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の駆動力を自動制御することにより、旋回走行性能を向上させる車両の制御装置に関するものである。
特許文献1には、車両の操舵角および横加速度に基づいて駆動力もしくは制動力を補正して変化させることにより、旋回走行時の車両挙動を安定させる制駆動力制御を実行可能な車両の制御装置に関する発明が記載されている。この特許文献1に記載された制御装置は、操舵角が0から増大するステアリング切り込み操作および操舵角が0に向けて減少するステアリング戻し操作における操作時間もしくは操作速度を検出し、それらステアリング切り込み操作およびステアリング戻し操作が行われる際に、ステアリング操作の操作時間もしくは操作速度に基づいて、前記制駆動力制御における補正により駆動力もしくは制動力を変化させる際の変化速度を設定するように構成されている。
なお、特許文献2には、無段変速機を搭載した車両の走行安全性および走行快適性を改善することを目的とした車両の制御方法に関する発明が記載されている。この特許文献2に記載された制御方法では、下り坂走行時にエンジンブレーキ作用を利用して車速を保持する(下り坂走行エンジンブレーキ作動)、または、被駆動輪のスリップを検出した場合に変速比を変化させてスリップを抑制する(スリップ調整作動)、または、運転者の制動動作を検出した場合に変速比を大きくして車両の制動力を支援する(ブレーキ支援作動)等の制御を実行するために、無段変速機の変速比が調整される。
特開2013−63733号公報 特開平6−323416号公報
上記の特許文献1に記載された制御装置によれば、運転者のステアリング操作により増減される車両の操舵角、およびステアリング操作に起因して発生する車両の横加速度に基づいて、車両の旋回走行時に駆動力もしくは制動力を補正して変化させる制駆動力制御が実行される。その場合、ステアリング切り込み操作およびステアリング戻し操作における操作時間もしくは操作速度に基づいて制駆動力制御における補正の際の変化速度が決定される。そのため、ステアリング切り込み操作とステアリング戻し操作とが連続してあるいは繰り返して行われる場合であっても、運転者に違和感を与えない程度の変化速度で制駆動力制御を実行することができる。
一方、上記の特許文献1に記載された制御装置では、例えば、アクセルペダルが完全に戻されたアクセルOFFの状態で車両が旋回走行するような状況が考慮されていない。そのような状況で上記のような制駆動力制御を実行する場合は、旋回走行状態を安定させるために、変速比を変化させる必要がある。具体的には、変速比を増大して、駆動力を低下させるもしくは制動力を増大させる必要がある。その場合、アクセルOFFの状態であるにもかかわらず、変速機の入力回転数すなわちエンジン回転数が増大することになるので、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、アクセルOFFで旋回走行する状況であっても、運転者に違和感を与えることなく、旋回走行性能を向上させるための駆動力および制動力の制御を適切に実行することができる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、エンジンの動力を変速して駆動輪へ伝達する無段変速機の変速比を制御して車両の駆動力を変化させることにより前記車両の旋回性能を向上させる旋回性向上制御を実行する車両の制御装置において、前記旋回性向上制御の実行時に前記車両の前後加速度が変化することにより運転者に違和感を与えることを抑制するための前記変速比の上限として第1変速比を求め、アクセルOFFでかつ前記旋回性向上制御の実行時に車速が増加する状況で、前記車両の旋回半径が増大することを抑制するとともに、前記エンジンの回転数が上昇することにより運転者に違和感を与えることを抑制するための前記変速比の上限として第2変速比を求め、前記第1変速比が前記第2変速比よりも小さい場合は、前記変速比の上限を前記第1変速比で制限し、前記第1変速比が前記第2変速比以上の場合には、前記変速比の上限を前記第2変速比で制限するように構成されていることを特徴とする制御装置である。
この発明によれば、旋回性向上制御の実行に伴って制御される無段変速機の変速比の上限が、第1変速比もしくは第2変速比のいずれか小さい方によって制限される。例えば、通常の旋回性向上制御の実行時は、その旋回性向上制御を実行する際に生じる前後加速度の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するように、変速比の上限が第1変速比によって制限される。そして、例えば下り坂を旋回走行するような場合には、旋回半径が増大してしまうような車速の増加を抑制する制動力を発生するように、変速比の上限が第2変速比によって制限される。もしくは、駆動力を低下させるように旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限されるとともに、旋回性向上制御を実行する際に変速比が変化することにより生じるエンジン回転数の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するように、変速比の上限が第2変速比によって制限される。そのため、前後加速度が変化することによる違和感、および、エンジン回転数が上昇することによる違和感を運転者に感じさせることなく、車両の旋回性能を向上させる旋回性向上制御を適切に実行することができる。
この発明で制御の対象とする車両の構成および制御系統の一例を示す模式図である。 この発明の制御装置による旋回性向上制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図2のフローチャートで示す旋回性向上制御を実行した場合のエンジン回転数の変化状態を説明するためのタイムチャートである。 この発明の制御装置による旋回性向上制御の他の例を説明するためのフローチャートである。 図4のフローチャートで示す旋回性向上制御を実行した場合のエンジン回転数の変化状態を説明するためのタイムチャートである。 図4のフローチャートで示す旋回性向上制御の実行時にアクセルONされた場合のエンジン回転数の変化状態を説明するためのタイムチャートである。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。先ず、この発明で制御の対象とする車両の構成および制御系統を図1に示して説明する。この発明で制御の対象とする車両は、駆動力源が出力する動力を変速して駆動輪に伝達することが可能な無段変速機を搭載した車両である。その無段変速機は、例えばベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機のように、変速比を連続的に変化させることが可能な変速機を含んでいる。また、エンジンおよびモータが出力する動力を合成・分割する動力分割機構を備えたハイブリッド車両にもこの発明を適用することができる。すなわち、そのようなハイブリッド車両における動力分割機構は、いわゆる電気式無段変速機構として機能するため、そのような電気式無段変速機構もこの発明における無段変速機に含まれる。
さらに、この発明で制御の対象とする車両は、運転者によるアクセル操作やブレーキ操作などの運転操作と独立して車両の駆動力および制動力を制御すること、すなわち、運転者による運転操作に基づいた車両の駆動力および制動力の制御とは別に、それら駆動力および制動力を自動制御することが可能な構成となっている。
図1に示す車両Veは、左右の前輪1、および左右の後輪2を有している。この図1に示す例では、車両Veは、エンジン(ENG)3が出力する動力を無段変速機(CVT)4を介して後輪2に伝達して後輪2を駆動する後輪駆動車として構成されている。なお、この発明を適用することのできる車両Veは、エンジン3が出力する動力を無段変速機4を介して前輪1に伝達して後輪1を駆動する前輪駆動車であってもよい。あるいは、エンジン3が出力する動力を無段変速機4を介して前輪1および後輪2にそれぞれ伝達し、それら前輪1および後輪1を駆動する四輪駆動車であってもよい。
エンジン3には、例えば電子制御式のスロットルバルブあるいは電子制御式の燃料噴射装置が備えられている。したがって、それら電子制御式のスロットルバルブあるいは電子制御式の燃料噴射装置の動作を電気的に制御することにより、エンジン3の出力を自動制御することができるように構成されている。
エンジン3の出力側に、エンジン3の出力トルクを変速して駆動輪側へ伝達する無段変速機4が設けられている。無段変速機4としては、例えば、ベルト式やトロイダル式の無段変速機などが用いられる。あるいは、前述したようなハイブリッド車両における電気式無段変速機構であってもよい。いずれの場合であっても、無段変速機4は、その変速動作を実行するための作動機構を電気的に制御することにより、無段変速機4で設定する変速比を自動制御することができるように構成されている。
エンジン3の出力および無段変速機4の変速動作を制御するための電子制御装置(ECU)5が備えられている。すなわち、エンジン3にECU5が電気的に接続されている。また、無段変速機4に油圧制御装置(図示せず)を介してECU5が電気的に接続されている。ECU5によって無段変速機4の油圧制御装置の動作を制御することにより、無段変速機4で所定の変速比を設定する変速制御を実行するように構成されている。
一方、ECU5には、車両Ve各部の各種センサ類からの検出信号や各種車載装置からの情報信号が入力されるように構成されている。例えば、アクセルの操作量(アクセルペダルの踏み込み量もしくアクセル開度)および操作速度を検出するアクセルセンサ6、ブレーキの操作量(ブレーキペダルの踏み込み量)を検出するブレーキセンサ7、ステアリングの操作量(ステアリングホイールの操舵角)および操作速度を検出する操舵角センサ8、各車輪1,2の回転速度(車輪速度)をそれぞれ検出する車輪速センサ9、無段変速機4の入力軸回転数を検出する入力軸回転数センサ10、無段変速機4の出力軸回転数を検出する出力軸回転数センサ11、ならびに、エンジン3の出力トルクを検出するトルクセンサ12などからの検出信号がECU5に入力されるように構成されている。
なお、この発明において自動制御される駆動力とは、車両Veを走行させる正方向の駆動力と、車両Veを制動する負方向の駆動力、すなわち制動力とを含んでいる。例えば、駆動力を負方向の制御量で変化させる場合には、車両Veの駆動トルクが低下するように変速比が変化させられる。もしくは、エンジンブレーキ力などによって既に制動力が発生している場合にはその制動力が増大するように変速比が変化させられる。一方、駆動力を正方向の制御量で変化させる場合は、車両Veの駆動トルクが増大するように変速比が変化させられる。もしくは、エンジンブレーキ力などによって既に制動力が発生している場合にはその制動力が低下するように変速比が変化させられる。
上記のような構成により、車両Veは、ステアリング特性やスタビリティファクタを制御することができる。特にこの発明における車両Veは、旋回走行中のステアリング特性を改善して車両Veの旋回性能を向上させることができるように構成されている。例えば、車輪速センサ12により検出した各車輪1,2の車輪速度から車速および路面の摩擦係数を推定し、それら車速、路面摩擦係数、および操舵角センサ11で検出した操舵角度などを基に車両Veの目標とする目標ステアリング特性を設定して、車両Veの実際のステアリング特性を目標ステアリング特性に追従させる制御を行うことができる。
具体的には、車両Veの駆動力および制動力を変化させて車両Veのヨーレートを制御することにより、車両Veの実際のステアリング特性を目標ステアリング特性に近づけることができる。車両Veのヨーレートを制御する際には、車速、操舵角、ホイールベースなどの情報を基に、その時点における車両Veの目標ヨーレートが求められる。そして、上記のように車両Veの駆動力制御を行うことにより、車両Veの実際のヨーレートが目標ヨーレートに近づくように車両Vのヨーレートを制御することができる。例えば、後輪2に付与されている駆動トルクに対して、あるいは各車輪1,2に付与される制動トルクに対して、補正分のトルクを増減することにより、車両Veのヨーレートを制御することができる。
なお、上記のように、目標ヨーレートを設定して、車両Veの実際のヨーレートを目標ヨーレートに追従させる制御技術に関しては、例えば、特開平5−278488号公報などに記載されている。また、例えば、特開2005−256636号公報には、車両のスタビリティファクタを目標値に追従させるように駆動輪の駆動力を制御する制御技術が記載されている。あるいは、特開2011−218953号公報には、車両のステアリング特性を目標ステアリング特性に追従させるように駆動輪の駆動力を制御する制御技術が記載されている。このように、車両の駆動力を自動制御して旋回走行中の車両の挙動や姿勢を安定させる駆動力制御の基本的な制御内容については、上記の各特許文献等によって周知であるため、ここでは、より具体的な説明は省略する。
前述したように、例えばアクセルOFFで旋回走行するような状況では、上記のような駆動力制御を実行する場合に、旋回走行状態を安定させるため、変速比を増大して駆動力を低下させるもしくは制動力を増大させる必要がある。そのため、アクセルOFFであるにもかかわらずエンジン回転数が増大し、運転者に違和感を与えてしまう可能性があった。
そこで、この発明における車両の制御装置では、車両の旋回走行性能を向上させるために駆動力および制動力を自動制御する旋回性向上制御を、運転者に違和感を与えることなく、適切に実行するために、以下に示す内容で制御を実行するように構成されている。
図2は、その制御の一例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。また、この図2のフローチャートで示すルーチンは、車両Veが旋回走行する際に上述した旋回性向上制御が開始されていることを前提としている。先ず、ステップS1では、運転者の運転操作および走行状態に基づいて要求変速比が求められる。具体的には、アクセル開度および車速に基づいて要求変速比が求められる。
ステップS2では、旋回性向上制御による制駆動力変化量、すなわち、旋回性向上制御によって変化させる駆動力もしくは制動力の変化量が求められる。具体的には、旋回性向上制御における無段変速機4の変速制御により、旋回走行する車両Veの駆動力を低下させるもしくは制動力を増大させる際の変化量が求められる。
ステップS3では、上記のステップS2で求められた旋回性向上制御による制駆動力変化量分の変化を実現するための変速制御における目標変速比が求められる。具体的には、アクセル開度および車速、上記のステップS1で求められた要求変速比、ならびに、上記のステップS2で求められた制駆動力変化量に基づいて、旋回性向上制御の変速制御における目標変速比が求められる。
ステップS4では、この旋回性向上制御の変速制御を実行する際に生じる前後加速度(前後G)の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するための変速比の上限値Aが求められる。この上限値Aが、この発明における第1変速比に相当するものであり、上記の前後加速度の変化が運転者に違和感を与えてることのない所定値以下となるように、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限を設定するための値である。具体的には、車両Veの横加速度および横ジャーク、ならびに、ステアリング操作における操舵角および操舵角速度等に基づいて、変速比の上限値Aが求められる。
ステップS5では、この旋回性向上制御の変速制御を実行する際に変速比が変化することにより生じるエンジン回転数の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するための変速比の上限値Bが求められる。この上限値Bが、この発明における第2変速比に相当するものであり、エンジン回転数の変化量が、運転者に違和感を感じさせない範囲内の所定値以下となるように、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限を設定するための値である。具体的には、先ず、アクセルペダルが戻されていることにより、アクセル開度が0になるアクセルOFFの時に車速が増加する状況で、車両Veの旋回半径が増大することを低減する目標前後加速度が求められる。
この旋回半径の増大を低減する目標前後加速度は、車両Veが平坦路を旋回走行する場合の旋回半径よりも減少させない範囲で、運転者が旋回半径の変化を感じることができる最低量として、予め実験やシミュレーションなどによって求められて設定されている。この目標前後加速度は、例えば、以下に示す各計算式を基に算出される。
先ず、この旋回性向上制御を実行しない場合の旋回半径Rorgが求められる。車速をV、スタビリティファクタをkh、操舵角度の絶対値をθ、ステアリングギヤ比をn、ホイールベースを?、この旋回性向上制御を実行しない場合の前後加速度をGorg、そして、円周率をπとすると、旋回半径Rorgは、次の(1)式によって算出される。
平坦路でこの旋回性向上制御を実行しない場合の旋回半径Rbaseが求められる。平坦路でこの旋回性向上制御を実行しない場合の前後加速度をGbaseとすると、旋回半径Rbaseは、次の(2)式によって算出される。
この旋回性向上制御を実行することによる旋回半径の低減を5%とした場合の目標旋回半径Rtagが求められる。この目標旋回半径Rtagは、次の(3)式に示すように、上記の(1)式によって算出した旋回半径Rorgの95%と、上記の(2)式によって算出した旋回半径Rbaseとの大きい方が、目標旋回半径Rtagとして選択される。
この旋回性向上制御を実行することによる旋回半径の低減を5%とした場合の目標前後加速度Gtagが求められる。上記の(3)式によって算出した目標旋回半径Rtagから、目標前後加速度Gtagは、次の(4)式によって算出される。
そして、上記のようにして算出した目標前後加速度Gtagおよびエンジントルクに基づいて、上記の変速比の上限値Bが求められる。すなわち、目標前後加速度Gtagを実現する変速比が、変速比の上限値Bとして求められる。
ステップS6では、上記のステップS4で求めた変速比の上限値Aと、上記のステップS5で求めた変速比の上限値Bとが比較される。すなわち、変速比の上限値Aが変速比の上限値Bよりも小さいか否かが判断される。
変速比の上限値Aが変速比の上限値Bよりも小さいことにより、このステップS6で肯定的に判断された場合は、ステップS7へ進む。そして、この旋回性向上制御の変速制御における最終的な変速比の上限値(最終変速比上限値)として、上限値Aが設定される。一方、変速比の上限値Aが変速比の上限値B以上であることにより、ステップS6で否定的に判断された場合には、ステップS8へ進む。そして、この旋回性向上制御の変速制御における最終変速比上限値として、上限値Bが設定される。すなわち、変速比の上限値Aと変速比の上限値Bとのいずれか小さい方が、この旋回性向上制御の変速制御における最終変速比上限値として設定される。
ステップS9では、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が、上記のステップS8もしくはステップS9で設定された最終変速比上限値で制限される。
ステップS10では、上記のステップS9において最終変速比上限値で制限された変速比の範囲内で、旋回性向上制御の変速制御が実行される。すなわち、無段変速機4の変速比が制御される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
上記の図2のフローチャートで示すこの発明における旋回性向上制御を実行した場合のエンジン回転数の変化状態を、図3のタイムチャートに示してある。また、この図3のタイムチャートに示す制御例は、車両Veが降坂路でかつアクセルOFFで旋回走行していて加速している状況が前提になっている。
図3のタイムチャートにおいて、時刻t1で操舵が行われて操舵角が増大すると、この発明における旋回性向上制御が開始される。具体的には、車両Veの制動力(エンジンブレーキ)が増大させられる、すなわち駆動力が低下するように、自動変速機4での変速比が増大させられる。旋回走行中に変速比が増大させられることにより、自動変速機4の入力回転数すなわちエンジン回転数が増大する。このエンジン回転数の増大は、旋回性能向上の効果を最大限に得る場合には、図3において一点鎖線で示すようになる。ただし、その場合は、運転者がアクセルの踏み込み操作を行っていないにもかかわらずエンジン回転数が大きく上昇することになり、運転者に対して違和感を与えてしまうおそれがある。
それに対して、この発明における旋回性向上制御では、図3において実線で示すように、旋回性向上制御の変速制御における変速比が、上限値Aもしくは上限値Bによって制限されている。すなわち、旋回半径が増大してしまうような車速の増加を抑制する制動力を発生するように、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限される。もしくは、駆動力を低下させるように旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限されるとともに、旋回性向上制御を実行する際に生じる前後加速度(前後G)の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するように、また、旋回性向上制御を実行する際に変速比が変化することにより生じるエンジン回転数の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するように、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限される。
したがって、この発明における旋回性向上制御では、所定の旋回性能向上の効果を得ることができる。例えば、上記のような降坂路で旋回走行中に車速が増加することに伴って旋回半径が増大してしまうことを抑制することができる。それとともに、アクセルOFFでの旋回走行中に、変速制御が実行されることによる前後加速度の変化を抑制すること、および、変速比の増大に伴うエンジン回転数の上昇を抑制することができる。そのため、この発明における旋回性向上制御によれば、前後加速度が変化することによる違和感、および、エンジン回転数が上昇することによる違和感を運転者に感じさせることなく、車両Veの旋回性能を向上させることができる。
図4は、この発明における旋回性向上制御の他の例を説明するためのフローチャートであって、このフローチャートで示すルーチンは、所定の短時間毎に繰り返し実行される。また、この図4のフローチャートで示すルーチンは、この旋回性向上制御が開始されていることを前提としている。先ず、ステップS11では、運転者の運転操作および走行状態に基づいて要求変速比が求められる。具体的には、アクセル開度および車速に基づいて要求変速比が求められる。
ステップS12では、旋回性向上制御の変速制御による制駆動力変化量、すなわち、旋回性向上制御によって変化させる駆動力もしくは制動力の変化量が求められる。具体的には、旋回性向上制御における無段変速機4の変速制御により、旋回走行する車両Veの駆動力を低下させるもしくは制動力を増大させる際の変化量が求められる。
ステップS13では、上記のステップS12で求められた旋回性向上制御による制駆動力変化量分の変化を実現するための変速制御における目標変速比が求められる。具体的には、アクセル開度および車速、上記のステップS11で求められた要求変速比、ならびに、上記のステップS12で求められた制駆動力変化量に基づいて、旋回性向上制御の変速制御における目標変速比が求められる。
ステップS14では、この旋回性向上制御の変速制御を実行する際に生じる前後加速度(前後G)の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するための変速比の上限値Aが求められる。この上限値Aが、この発明における第1変速比に相当するものであり、上記の前後加速度の変化が運転者に違和感を与えてることのない所定値以下となるように、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限を設定するための値である。具体的には、車両Veの横加速度および横ジャーク、ならびに、ステアリング操作における操舵角および操舵角速度等に基づいて、変速比の上限値Aが求められる。
ステップS15では、この旋回性向上制御の変速制御を実行する際に変速比が変化することにより生じるエンジン回転数の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するための変速比の上限値b1が求められる。この上限値b1は、上記のようなエンジン回転数の変化量が、運転者に違和感を感じさせない範囲内の所定値以下となるように、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限を設定するための値であって、車両Veの走行抵抗(例えば、タイヤ転がり抵抗、空気抵抗、コーナリング抵抗、路面勾配等)から求めた駆動力、すなわち走行抵抗を打ち消す駆動力、および、車速に基づいて求められる。車両Veの走行抵抗は、例えば、車速および操舵角から推定することができる。あるいは、予め設定されたエンジンブレーキ力から求まる前後加速度と実際の前後加速度との差から推定することができる。
ステップS16では、この旋回性向上制御を実行する際に変速比が変化することにより生じるエンジン回転数の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するための変速比の上限値b2が求められる。この上限値b2は、上記のエンジン回転数の変化量が、運転者に違和感を感じさせない範囲内の所定値以下となるように、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限を設定するための値であって、車両Veの旋回半径が増大することを低減する目標前後加速度およびエンジン1のエンジントルクに基づいて求められる。具体的には、先ず、アクセルペダルが戻されていることにより、アクセル開度が0になるアクセルOFFの時に車速が増加する状況で、車両Veの旋回半径が増大することを低減する目標前後加速度が求められる。この目標前後加速度は、車両Veが平坦路を旋回走行する場合の旋回半径よりも減少させない範囲で、運転者が旋回半径の変化を感じることができる最低量として、予め実験やシミュレーションなどによって求められる。この目標前後加速度は、前述の図2のフローチャートにおけるステップS5で説明した目標前後加速度Gtagと同様にして算出することができる。そして、このようにして求められた目標前後加速度およびエンジントルクに基づいて、上記の変速比の上限値b2が求められる。すなわち、目標前後加速度を実現する変速比が、変速比の上限値b2として求められる。
ステップS17では、上記のステップS15で求めた変速比の上限値b1と、上記のステップS16で求めた変速比の上限値b2とが比較される。すなわち、変速比の上限値b1が変速比の上限値b2よりも小さいか否かが判断される。
変速比の上限値b1が変速比の上限値b2よりも小さいことにより、このステップS17で肯定的に判断された場合は、ステップS18へ進む。そして、この旋回性向上制御における変速比の上限値Bとして、上限値b2が設定される。一方、変速比の上限値b1が変速比の上限値b2以上であることにより、ステップS17で否定的に判断された場合には、ステップS19へ進む。そして、この旋回性向上制御における変速比の上限値Bとして、上限値b1が設定される。すなわち、変速比の上限値b1と変速比の上限値b2とのいずれか大きい方が、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限値Bとして設定される。
ステップS20では、上記のステップS14で求めた変速比の上限値Aと、上記のステップS18もしくはステップS19で求めた変速比の上限値Bとが比較される。すなわち、変速比の上限値Aが変速比の上限値Bよりも小さいか否かが判断される。
変速比の上限値Aが変速比の上限値Bよりも小さいことにより、このステップS20で肯定的に判断された場合は、ステップS21へ進む。そして、この旋回性向上制御の変速制御における最終的な変速比の上限値(最終変速比上限値)として、上限値Aが設定される。一方、変速比の上限値Aが変速比の上限値B以上であることにより、ステップS20で否定的に判断された場合には、ステップS22へ進む。そして、この旋回性向上制御の変速制御における最終変速比上限値として、上限値Bが設定される。すなわち、変速比の上限値Aと変速比の上限値Bとのいずれか小さい方が、この旋回性向上制御の変速制御における最終変速比上限値として設定される。
ステップS23では、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が、上記のステップS21もしくはステップS22で設定された最終変速比上限値で制限される。
ステップS24では、上記のステップS23において最終変速比上限値で制限された変速比の範囲内で、旋回性向上制御の変速制御が実行される。すなわち、無段変速機4の変速比が制御される。そしてその後、このルーチンを一旦終了する。
上記の図4のフローチャートで示すこの発明における旋回性向上制御を実行した場合のエンジン回転数の変化状態を、図5のタイムチャートに示してある。この図5のタイムチャートに示す制御例は、車両Veが降坂路でかつアクセルOFFで旋回走行していて加速している状況が前提になっている。
図5のタイムチャートにおいて、時刻t11で操舵が行われて操舵角が増大すると、この発明における旋回性向上制御が開始される。具体的には、車両Veの制動力(エンジンブレーキ)が増大させられる、すなわち駆動力が低下するように、自動変速機4での変速比が増大させられる。旋回走行中に変速比が増大させられることにより、自動変速機4の入力回転数すなわちエンジン回転数が増大する。このエンジン回転数の増大は、旋回性能向上の効果を最大限に得る場合には、図5において一点鎖線で示すようになる。ただし、その場合は、運転者がアクセルの踏み込み操作を行っていないにもかかわらずエンジン回転数が大きく上昇することになり、運転者に対して違和感を与えてしまうおそれがある。
それに対して、この図5に示す制御例では、図5において実線で示すように、旋回性向上制御の変速制御における変速比が、上限値b2によって制限されている。すなわち、旋回半径が増大してしまうような車速の増加を抑制する制動力を発生するように、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限される。もしくは、駆動力を低下させるように旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限されるとともに、旋回性向上制御の変速制御を実行する際に生じる前後加速度(前後G)の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するように、また、旋回性向上制御の変速制御を実行する際に変速比が変化することにより生じるエンジン回転数の変化によって運転者が違和感を覚えてしまうことを抑制するように、この旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限される。
なお、この図5に示す制御例では、変速比の上限値b2が上限値b1よりも大きく、かつ、変速比の上限値b2が上限値Aよりも小さいことから、最終変速比上限値として上限値b2が設定されて、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限されている。これに対して、図6のタイムチャートには、最終変速比上限値として上限値b1が設定されて、旋回性向上制御の変速制御における変速比の上限が制限される制御例を示して有る。この図6のタイムチャートに示す制御例は、車両Veが登坂路を旋回走行する際に操舵後にアクセルONで加速する状況が前提になっている。
図6のタイムチャートにおいて、時刻t11で操舵が行われて操舵角が増大すると、この発明における旋回性向上制御が開始される。そして、この図6に示す制御例では、図6において実線で示すように、旋回性向上制御の変速制御における変速比が、上限値b1によって制限されている。前述したように、上限値b1は、転がり抵抗や空気抵抗など車両Veの走行抵抗と車速とに基づいて求められる。そのため、この上限値b1は、アクセルOFFで旋回性向上制御における変速制御の実行中に、その後のアクセルONによる変速比の変更を推定した場合の変速比の上限値である。したがって、この図6に示す制御例のように、登坂路を旋回走行中に、時刻t12でアクセルONとなり車両Veが加速するような状況では、上限値b2よりもこの上限値b1の方が大きくなる。そして、上限値b1が変速制御における変速比の上限として設定される。
1…前輪、 2…後輪(駆動輪)、 3…エンジン、 4…無段変速機、 5…電子制御装置、 6…アクセルセンサ、 8…操舵角センサ、 9…車輪速センサ、 10…入力軸回転数センサ、 11…出力軸回転数センサ、 12…トルクセンサ、 Ve…車両。

Claims (1)

  1. エンジンの動力を変速して駆動輪へ伝達する無段変速機の変速比を制御して車両の駆動力を変化させることにより前記車両の旋回性能を向上させる旋回性向上制御を実行する車両の制御装置において、
    前記旋回性向上制御の実行時に前記車両の前後加速度が変化することにより運転者に違和感を与えることを抑制するための前記変速比の上限として第1変速比を求め、
    アクセルOFFでかつ前記旋回性向上制御の実行時に車速が増加する状況で、前記車両の旋回半径が増大することを抑制するとともに、前記エンジンの回転数が上昇することにより運転者に違和感を与えることを抑制するための前記変速比の上限として第2変速比を求め、
    前記第1変速比が前記第2変速比よりも小さい場合は、前記変速比の上限を前記第1変速比で制限し、前記第1変速比が前記第2変速比以上の場合には、前記変速比の上限を前記第2変速比で制限する
    ように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
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