JP2003194177A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JP2003194177A
JP2003194177A JP2001395200A JP2001395200A JP2003194177A JP 2003194177 A JP2003194177 A JP 2003194177A JP 2001395200 A JP2001395200 A JP 2001395200A JP 2001395200 A JP2001395200 A JP 2001395200A JP 2003194177 A JP2003194177 A JP 2003194177A
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screw
rolling path
nut
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Tatsunobu Momono
達信 桃野
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/37Loose spacing bodies
    • F16C33/3706Loose spacing bodies with concave surfaces conforming to the shape of the rolling elements, e.g. the spacing bodies are in sliding contact with the rolling elements

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボール通過振動が少ないことに加えて、製造
が容易且つ確実なボールねじを提供する。 【解決手段】 ボールねじは、螺旋状のねじ溝1aを外
周面に有するねじ軸1と、ねじ軸1のねじ溝1aに対向
するねじ溝2aを内周面に有し、両ねじ溝1a,2aに
より形成される螺旋状のボール転動路5に転動自在に装
填された多数のボール3を介してねじ軸1に螺合される
ナット2と、ナット2に固定され、ボール3をボール転
動路5の一端Aですくい上げて他端に送るリターンチュ
ーブ6と、を備えている。そして、ボール転動路5の一
端Aの近傍部分E1においては、ボール転動路5の一端
Aに向かって予圧が徐々に小さくなるようにナット2の
ねじ溝2aのリード角が徐々に変化していて、ボール転
動路5の一端Aの手前Bで予圧が解除されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじに係
り、特に、工作機械,工業用ロボット等のような微細送
り機構や精密位置決め機構に好適に使用可能なボールね
じに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ボールねじには予圧が負荷されて
おり、これによってねじ軸とナットとの間の回転力−軸
方向推力の伝達がなされる。一方、ナットに取り付けら
れるリターンチューブの内径はボールの外径よりも若干
大きく形成されているから、リターンチューブ内ではボ
ールは無負荷状態となってる。ねじ軸のねじ溝とナット
のねじ溝との間にあるボールは予圧により若干弾性変形
しているので、両ねじ溝間に形成されるボールの通路
(以降はボール転動路と記す)は無負荷状態のボールが
通過できる広さはない。
【0003】よって、ボール転動路からリターンチュー
ブへボールがすくい上げられる際には、リターンチュー
ブの端部の開口部(すなわち、ボールすくい上げ部)と
ボール転動路との境界部分(以降は、ボールすくい上げ
開始部と記す)において、ボールに対する急激な圧力解
放が行われる。また、リターンチューブからボール転動
路へボールが戻される際には、リターンチューブの端部
の開口部(すなわち、ボール送り込み部)とボール転動
路との境界部分(以降は、ボール送り込み開始部と記
す)において、ボールに対する急激な圧力付加が行われ
る。なお、ねじ軸を逆転させると、ボールの循環移動方
向が逆になるので、正転時のボールすくい上げ部がボー
ル送り込み部となり、ボール送り込み部がボールすくい
上げ部となる。
【0004】このため、ボールすくい上げ開始部やボー
ル送り込み開始部をボールが通過することに伴なって微
小振動(以降は、ボール通過振動と記す)が発生して、
これがボールの循環性能を阻害し、送り精度を低下さ
せ、また騒音の原因ともなっている。特に、近年のサブ
ミクロンレベルの微細送り機構においては、大きな問題
となっている。このようなボールねじの予圧急変に基く
作動不良をなくすためには、ボールすくい上げ開始部
(ボール送り込み開始部)近傍のボール転動路において
は、ボールすくい上げ開始部(ボール送り込み開始部)
に近づくにつれてボールの予圧が徐々に小さくなるよう
にし、ボールすくい上げ開始部(ボール送り込み開始
部)において予圧が解除されるようにする方法が有効で
ある。
【0005】例えば、特許第2832943号明細書に
は、ナットのねじ溝のリード角を徐々に変化させること
によって、上記のような予圧の漸減及び解除を行ったボ
ールねじが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のボ
ールねじは、徐々に小さくなる予圧がボールすくい上げ
開始部において解除されるようになっている。しかし、
リード角の誤差が予圧の変化に与える影響は大きいの
で、リード角に多少でも誤差があるとボールすくい上げ
開始部で予圧を解除することは困難となる。
【0007】また、ボールすくい上げ開始部はボール転
動路中に2カ所存在するが(1カ所はボール送り込み開
始部)、この2カ所のリード角の値を一致させないと、
ボールすくい上げ開始部で予圧が完全に解除されないこ
ととなる。このようなことから、リード角を正確に制御
する必要があるが、ボールすくい上げ開始部において予
圧を完全に解除するには位置合わせの精度も必要とな
る。つまり、ねじ溝の加工精度が高くないと、リード角
の変化が開始する位置や、変化させたリード角の値に誤
差を生じて、ボールすくい上げ開始部において予圧が完
全に解除されないおそれがある。よって、通常の加工精
度でねじ溝を加工した場合は、ボールすくい上げ開始部
において予圧が完全に解除されたボールねじが確実に製
造できないおそれがあった。
【0008】そこで、本発明は、上記のような従来のボ
ールねじが有する問題点を解決し、ボール通過振動が少
ないことに加えて、製造が容易且つ確実なボールねじを
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明に係る請求項1のボールねじは、螺旋状のねじ溝を外
周面に有するねじ軸と、前記ねじ軸のねじ溝に対向する
ねじ溝を内周面に有し、前記両ねじ溝により形成される
螺旋状のボール転動路に転動自在に装填された多数のボ
ールを介して前記ねじ軸に螺合されるナットと、前記ナ
ットに固定され、前記ボールを前記ボール転動路の一端
ですくい上げて他端に送るボール循環路と、を備えるボ
ールねじにおいて、前記ボール転動路の一端のボールす
くい上げ開始部の近傍部分においては、前記ボールすく
い上げ開始部に向かって予圧が徐々に小さくなるように
前記ナットのねじ溝のリード角が徐々に変化していて、
前記ボールすくい上げ開始部の手前で予圧が解除されて
いることを特徴とする。
【0010】ボールすくい上げ開始部の手前において予
圧が解除されており、その予圧が解除された位置から前
記一端まではリード角は不変であるので、前記ボールす
くい上げ開始部においては予圧が確実に解除される。よ
って、ボールすくい上げ開始部近傍におけるボールの運
動がスムーズとなるので、ボールはボールすくい上げ開
始部をスムーズに通過し、通過時の微小振動(ボール通
過振動)が生じにくい。
【0011】また、通常の加工精度でねじ溝を加工した
場合や、リード角の変化が開始する位置や変化させたリ
ード角の値に多少の誤差を生じた場合でも、予圧の変化
に対する影響が小さいので、ボールすくい上げ開始部に
おいて予圧が確実に解除されたボールねじを容易且つ確
実に製造することができる。また、本発明に係る請求項
2のボールねじは、請求項1に記載のボールねじにおい
て、前記ボール循環路の両端部を、前記ナットを軸方向
から見た場合の前記ボール転動路の両端における前記ボ
ール転動路の接線方向に沿って配設したことを特徴とす
る。
【0012】なお、ナットを軸方向から見た場合のボー
ル転動路の接線方向とは、3次元的な方向ではなく、ナ
ットを軸方向から見た場合に見える正面図における2次
元的な方向を意味するものである。さらに、本発明に係
る請求項3のボールねじは、請求項1又は2に記載のボ
ールねじにおいて、前記ボール循環路の両端部をリード
角方向に沿って配設したことを特徴とする。
【0013】請求項2及び請求項3のボールねじのよう
にボール循環路の両端部をボールの移動方向に沿って配
設すれば、ボールがボール転動路からボール循環路にす
くい上げられる際、又は、ボールがボール循環路からボ
ール転動路に戻される際に、ボール循環路の内壁又はボ
ール転動路の内壁にボールが衝突して生じる振動(ボー
ル通過振動)がより一層抑制される。さらに、本発明に
係る請求項4のボールねじは、請求項1〜3のいずれか
に記載のボールねじにおいて、前記ボールの球面の一部
と摺接する凹面を有するスペーサ、又は、前記ボールよ
りも小径なスペーサ用ボールを、各ボールの間に介装し
たことを特徴とする。
【0014】このように、ボールとボールの間にスペー
サ又はスペーサ用ボールが介在されていればボール同士
の競り合いが解消されるので、ボールの移動がより円滑
に行われる。よって、ボールの循環性能やボールねじの
送り精度が優れ、ボール通過振動の発生もより一層抑制
される。また、ボール循環路内においてもボールの移動
がより円滑に行われるので、振動や騒音の発生が抑制さ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るボールねじの実施の
形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示
す各実施形態は本発明の一例を示したものであって、本
発明は本実施形態に限定されるものではない。 〔第一実施形態〕図1及び図2は、本発明の第一実施形
態であるダブルナットタイプの2点接触式のボールねじ
の構成を示す断面図であり、図1は軸に垂直な面で破断
した断面図であり、図2は軸を含む平面で破断した縦断
面図である。また、図3は、図1における点Aと軸心と
を通る平面で破断した要部拡大断面図である。
【0016】このボールねじは、螺旋状のねじ溝1aを
外周面に有するねじ軸1と、ねじ軸1のねじ溝1aに対
向する螺旋状のねじ溝2aを内周面に有しねじ軸1に螺
合される円筒状のナット2と、ねじ軸1のねじ溝1aと
ナット2のねじ溝2aとで形成される螺旋状のボール転
動路5に転動自在に装填された多数のボール3と、を備
えている。そして、多数のボール3を介してねじ軸1に
螺合されているナット2と、ねじ軸1とが、ボール3の
転動を介して軸方向に相対移動するようになっている。
【0017】なお、ねじ溝1a,2aはゴシックアーク
溝であり、その断面形状は曲率中心の異なる2つの同一
円弧を組合せた略V字状である。また、ナット2は、軸
方向に並べられた第1ナット21及び第2ナット22
と、両ナット21,22の間に介在された間座23と、
が一体となって構成されている。そして、間座23の介
在によって、ボール転動路5内のボール3には図2に示
す矢印方向の予圧が付与され、各ボール3はナット2の
ねじ溝2aの1点と、これに対向する位置のねじ軸1の
ねじ溝1aの1点と、の2点で接触している。該2点を
結ぶ線に直角な方向においては、ボール3は両ねじ溝1
a,2aに接触していないか、あるいは接触していても
予圧は付与されていない(図3を参照)。
【0018】ナット2の外面には、略コ字状に屈曲した
リターンチューブ6が固定されている。このリターンチ
ューブ6の両端は、ナット2を貫通してボール転動路5
に至り、ボール転動路5内を転動するボール3がリター
ンチューブ6を通って循環されるようになっている。す
なわち、ボール3はボール転動路5内を移動しねじ軸1
の回りを複数回回ってから、ボール転動路5の一端A
(リターンチューブ6の端部とボール転動路5との交
点)においてリターンチューブ6の一方の端部(開口
部)からリターンチューブ6内にすくい上げられ、すく
い上げられたボール3は、リターンチューブ6の中を通
って、リターンチューブ6の他方の端部(開口部)から
ボール転動路5の他端に戻される。なお、リターンチュ
ーブ6は、第1ナット21及び第2ナット22にそれぞ
れ2個ずつ軸方向に並べて配設されており、合計4個が
設けられている。
【0019】このとき、ボール転動路5の一端A(ボー
ルすくい上げ開始部)の近傍部分のうち一端Aよりも手
前の部分E1(図1の一端AからCまでの部分)の一部
分(CからBまでの部分)においては、ナット2のねじ
溝2aのリード角が徐々に変化している。すなわち、ナ
ット2のねじ溝2aのリード角の変化は、前記部分E1
の端部Cから開始して前記部分E1の中間位置Bで終わ
り、中間位置Bから一端Aまではリード角は不変とされ
ている。
【0020】前記部分E1の端部Cでは正規の予圧が負
荷されているが、このリード角の変化によって予圧は端
部Cから一端Aに向かって徐々に小さくなり、中間位置
Bにおいて(すなわち、ボール転動路5の一端Aの手前
において)予圧が完全に解除される。中間位置Bから一
端Aまではリード角は不変とされていて予圧が解除され
た状態が保たれるから、一端Aにおいては予圧は確実に
解除されている。よって、ボールすくい上げ開始部近傍
におけるボール3の運動がスムーズとなるので、ボール
3はボールすくい上げ開始部をスムーズに通過し、ボー
ル通過振動が生じにくい。
【0021】また、通常の加工精度でねじ溝2aを加工
した場合や、リード角の変化が開始する位置や変化させ
たリード角の値に多少の誤差を生じた場合でも、予圧の
変化に対する影響が小さいので、ボール転動路5の一端
Aにおいて予圧が確実に解除されたボールねじを容易且
つ確実に製造することができる。このようにリード角が
変化しているので、ナット2のねじ溝2aのピッチは、
図3の要部拡大断面図に示すようになっている。すなわ
ち、ねじ軸1のねじ溝1aは、ねじ軸1の全長にわたっ
て同一のピッチaで形成されており、ナット2のねじ溝
2aもねじ溝1aに対応したピッチで形成されている
が、予圧が完全に解除される中間位置Bにおいては、ね
じ溝2aはピッチaとは異なるピッチa−δで形成され
ている。そして、中間位置Bから一端Aまでのピッチは
a−δで一定となっている。
【0022】ピッチの変化量δ(リード角の変化量)
は、ボールやねじ溝の軸方向の弾性変形量,予圧のばら
つき,部品のサイズのばらつき等を加味して、すくい上
げ開始部の手前で予圧が解除され且つリターンチューブ
6のボールすくい上げ部(開口部)に段差なく連通する
ような適切な量に定められる。適用するボールねじの種
類やサイズ等によっても、この量は異なる。なお、ボー
ル転動路5の他端(ボール送り込み開始部)の近傍部分
のうち他端よりも手前の部分E2も、前記部分E1と同
様の構成となっている。ただし、前記部分E2の予圧が
完全に解除される中間位置においては、図3のようにね
じ溝2aはピッチa+δで形成されている。
【0023】このようなボールねじの予圧の変化を説明
するグラフを図4に示す。ねじ溝2aはピッチaで形成
されているが、部分E1の端部Cからピッチの変化が始
まり中間位置Bではピッチはa−δとなっている。そし
て、中間位置Bから一端A(ボールすくい上げ開始部)
までのピッチはa−δで一定となっている。よって、ボ
ールねじの予圧は、図4のグラフに示すように、中間位
置Bにおいて完全に解除され、一端Aにおいては確実に
解除されている。
【0024】これに対して、特許第2832943号明
細書に記載の従来のボールねじ(ダブルナットタイプ)
の場合は、ピッチの変化はボールすくい上げ開始部で終
わりa−δとなっているので、予圧の変化は図11のグ
ラフのようになる。したがって、ボールすくい上げ開始
部のリード角に多少でも誤差があるとボールすくい上げ
開始部で予圧を解除することが困難となる等の、前述の
ような問題点が生じるおそれがある。
【0025】〔第二実施形態〕図5は、本発明の第二実
施形態のボールねじの構成を示す縦断面図である。な
お、第二実施形態のボールねじの構成及び作用は第一実
施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し同
様の部分の説明は省略する。また、図5においては、図
2と同一又は相当する部分には、図2と同一の符号を付
してある。第二実施形態のボールねじにおいては、リタ
ーンチューブ6の両端部はボール転動路5(ボール3の
軌道)に沿って、すなわち、リード角方向に合わせて配
設されている点が、第一実施形態のボールねじとは異な
っている。
【0026】このように、リターンチューブ6の両端部
をボール3の移動方向に沿って配設すれば、ボール3が
ボール転動路5からリターンチューブ6にすくい上げら
れる際、又は、ボール3がリターンチューブ6からボー
ル転動路5に戻される際に、リターンチューブ6の内壁
又はボール転動路5の内壁にボール3が衝突して生じる
振動(ボール通過振動)が抑制される。 〔第三実施形態〕図6は、本発明の第三実施形態のボー
ルねじの構成を示す図であり、軸方向に垂直な面で破断
した断面図である。ただし、ナットの図示は省略してあ
る。なお、第三実施形態のボールねじの構成及び作用は
第一実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説
明し同様の部分の説明は省略する。また、図6において
は、図1と同一又は相当する部分には、図1と同一の符
号を付してある。
【0027】第三実施形態のボールねじにおいては、リ
ターンチューブ6の両端部は、ナット2を軸方向から見
た場合のボール転動路5の一端A又は他端におけるボー
ル転動路5の接線方向に沿って配設されている点が、第
一実施形態のボールねじとは異なっている。なお、ナッ
ト2を軸方向から見た場合のボール転動路5の接線方向
とは、実際のボールねじにおける3次元的な方向を意味
するものではなく、ボールねじを軸方向から見た場合に
見える正面図(すなわち、図6)における2次元的な方
向を意味するものである。例をあげて説明すると、リタ
ーンチューブ6は図6の紙面に対して平行に配されてい
るとは限らず、紙面に対して前後方向斜めに配されてい
る場合もある。そのようなリターンチューブ6を紙面に
平行な面に平行投影した投影図におけるボール転動路5
の接線方向である。
【0028】このような構成であれば、ボール3がボー
ル転動路5からリターンチューブ6にすくい上げられる
際、又は、ボール3がリターンチューブ6からボール転
動路5に戻される際に、リターンチューブ6の内壁又は
ボール転動路5の内壁にボール3が衝突して生じる振動
(ボール通過振動)が抑制される。なお、リターンチュ
ーブ6の両端部を、ナット2を軸方向から見た場合のボ
ール転動路5の一端A又は他端におけるボール転動路5
の接線方向に沿い、且つ、リード角方向に合わせて配設
すれば、ボール通過振動がより一層抑制されるので好ま
しい。
【0029】〔第四実施形態〕図7は、本発明の第四実
施形態であるシングルナットタイプの2点接触式のボー
ルねじの構成を示す要部拡大断面図である。なお、第四
実施形態のボールねじの構成及び作用は、シングルナッ
トタイプであることを除いては第一実施形態とほぼ同様
であるので、図1,2も併せて参照しながら異なる部分
のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。また、図7
においては、図3と同一又は相当する部分には、図3と
同一の符号を付してある。
【0030】ボール転動路5の両端にあるボールすくい
上げ開始部の近傍部分のうち端部よりも手前の部分E
1,E2の一部分においては、ナット2のねじ溝2aの
ピッチ(リード角)が徐々に変化しており、この部分E
1,E2のボール3の予圧が徐々に小さくなっている。
そして、ボール転動路5の両端のボールすくい上げ開始
部の手前において、予圧が完全に解除されている。な
お、ボール転動路5の中央部においてピッチ(リード
角)をε変化させてa+εとし、ねじのバックラッシュ
を除去している。
【0031】このようなボールねじの予圧の変化を説明
するグラフを図8に示す。ねじ溝2aはピッチaで形成
されているが、部分E1の端部Cからピッチの変化が始
まり中間位置Bではピッチはa−δとなっている。そし
て、中間位置Bから一端A(ボールすくい上げ開始部)
までのピッチはa−δで一定となっている。よって、ボ
ールねじの予圧は、図8のグラフに示すように、中間位
置Bにおいて完全に解除され、一端Aにおいては確実に
解除されている。
【0032】〔第五実施形態〕図9(軸に垂直な面で破
断した断面図)に示す第五実施形態のボールねじは、第
一〜第四実施形態のボールねじにおいて、各ボール3の
間にスペーサを介装した変形例であり、その他の構成及
び作用は第一〜第四実施形態とほぼ同様であるので、異
なる部分のみ説明し同様の部分の説明は省略する。この
スペーサ30は、図9の要部拡大図である図10に示す
ように、両側のボール3,3の球面の一部とそれぞれ摺
接する凹面としての曲面32,32を備えている。な
お、スペーサ30の形状は、上記したものに限定される
ものではない。
【0033】各ボール3の間にこのようなスペーサ30
が介装されると、ボール同士の競り合いが解消されるの
で、ボール3の移動がより円滑に行われる。よって、ボ
ールの循環性能やボールねじの送り精度がより優れ、ボ
ール通過振動の発生もより一層抑制される。また、リタ
ーンチューブ6内においてもボール3の移動がより円滑
に行われるので、振動や騒音の発生が抑制される。な
お、ボール3よりも小径な球体(スペーサ用ボール)を
スペーサ30の代わりに用いても、上記と同様の効果を
得ることができる。また、スペーサ30やスペーサ用ボ
ールは、摺動性の優れた材料で構成することが好まし
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のボールね
じはボール通過振動が少ないことに加えて、製造が容易
且つ確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態のボールねじの構成を示
す断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態のボールねじの構成を示
す断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態のボールねじの要部拡大
断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態のボールねじの予圧の変
化を説明するグラフである。
【図5】本発明の第二実施形態のボールねじの構成を示
す断面図である。
【図6】本発明の第三実施形態のボールねじの構成を示
す断面図である。
【図7】本発明の第四実施形態のボールねじの要部拡大
断面図である。
【図8】本発明の第四実施形態のボールねじの予圧の変
化を説明するグラフである。
【図9】本発明の第五実施形態のボールねじの構成を示
す断面図である。
【図10】図9のボールねじの要部拡大図である。
【図11】従来のダブルナットタイプのボールねじの予
圧の変化を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 ねじ軸 1a ねじ溝 2 ナット 2a ねじ溝 3 ボール 5 ボール転動路 6 リターンチューブ 30 スペーサ A ボール転動路の一端

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋状のねじ溝を外周面に有するねじ軸
    と、前記ねじ軸のねじ溝に対向するねじ溝を内周面に有
    し、前記両ねじ溝により形成される螺旋状のボール転動
    路に転動自在に装填された多数のボールを介して前記ね
    じ軸に螺合されるナットと、前記ナットに固定され、前
    記ボールを前記ボール転動路の一端ですくい上げて他端
    に送るボール循環路と、を備えるボールねじにおいて、 前記ボール転動路の一端のボールすくい上げ開始部の近
    傍部分においては、前記ボールすくい上げ開始部に向か
    って予圧が徐々に小さくなるように前記ナットのねじ溝
    のリード角が徐々に変化していて、前記ボールすくい上
    げ開始部の手前で予圧が解除されていることを特徴とす
    るボールねじ。
  2. 【請求項2】 前記ボール循環路の両端部を、前記ナッ
    トを軸方向から見た場合の前記ボール転動路の両端にお
    ける前記ボール転動路の接線方向に沿って配設したこと
    を特徴とする請求項1に記載のボールねじ。
  3. 【請求項3】 前記ボール循環路の両端部をリード角方
    向に沿って配設したことを特徴とする請求項1又は2に
    記載のボールねじ。
  4. 【請求項4】 前記ボールの球面の一部と摺接する凹面
    を有するスペーサ、又は、前記ボールよりも小径なスペ
    ーサ用ボールを、各ボールの間に介装したことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のボールねじ。
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