JP2011079430A - ラック軸支持装置 - Google Patents

ラック軸支持装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011079430A
JP2011079430A JP2009233549A JP2009233549A JP2011079430A JP 2011079430 A JP2011079430 A JP 2011079430A JP 2009233549 A JP2009233549 A JP 2009233549A JP 2009233549 A JP2009233549 A JP 2009233549A JP 2011079430 A JP2011079430 A JP 2011079430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack shaft
shaft support
support member
sealing member
lubricant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009233549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5392559B2 (ja
Inventor
Tetsuji Miyano
哲次 宮野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2009233549A priority Critical patent/JP5392559B2/ja
Publication of JP2011079430A publication Critical patent/JP2011079430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5392559B2 publication Critical patent/JP5392559B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】異音を抑制できる安価なラック軸支持装置を提供する。
【解決手段】本ラック軸支持装置28は、ハウジング30の保持孔31内にその深さ方向に摺動可能に収容され且つラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、保持孔31に固定された封止部材35と、封止部材35によって支持されラック軸支持部材をラック軸側に付勢する付勢部材とを有している。ラック軸支持部材の後面の環状の領域および封止部材35の前面352の環状の領域356が互いに対向している。ラック軸支持部材の後面および封止部材35の前面352の少なくとも一方に、環状の領域間の摩擦を低減するための潤滑剤を収容した潤滑剤収容凹部としての潤滑剤収容溝40を有する。
【効果】操舵感が向上する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ラック軸支持装置に関する。
ラック軸支持装置は、自動車におけるラックピニオン式の舵取り装置に用いられており、ピニオンとラック軸との噛み合いのバックラッシュを小さくするとともに、ラック軸をスムーズに軸方向移動できるようにするためのものである。具体的には、ラック軸支持装置は、ラック軸の一部を収容するハウジングと、このハウジングに形成された保持孔内に収容され且つラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、保持孔の入口に固定された封止部材と、封止部材により支持されラック軸支持部材をラック軸側に付勢する付勢部材とを有している。ラック軸支持部材は、筒状をなしており、保持孔の深さ方向にハウジングに対して摺動可能とされている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
また、ラック軸支持部材が保持孔に沿って摺動できるようにするために、ラック軸支持部材の外周と保持孔の内周との間に隙間が設けられている。その結果、ラック軸支持部材が保持孔内で傾き、さらには、ラック軸支持部材が保持孔の深さ方向にスムーズに摺動できなくなることがある。その結果、例えば、異音が生じることがある。
このような課題に対して、特許文献1では、ラック軸支持部材の外周面に形成した溝に、潤滑油を溜め、これにより、保持孔の内面に対するラック軸支持部材の摺動抵抗を抑制するようにしている。
また、特許文献2,3では、ラック軸支持部材の外周面と、保持孔の内面との間に、Oリングを介在させることにより、ラック軸支持部材の傾きを抑制するようにしている。
また、特許文献4では、封止部材に固定した軸状のガイド部を、ラック軸支持部材の後面に形成したガイド孔に嵌合させている。これにより、保持孔の深さ方向へのラック軸支持部材の移動を案内するようにしている。
また、特許文献5には、保持孔への封止部材のねじ込みにより、封止部材の固定位置を調整し、これにより保持孔の深さ方向に関するラック軸支持部材の移動量を規制することが記載されている。
特開2002−37090号公報 特開2005−41251号公報 特許第4135414号公報 特許第3533281号公報 特許第3608918号公報
ところで、特許文献1の構造において、異音の防止が不充分であることが判明した。また、特許文献2,3においても同様の課題が存在する。
また、特許文献4の技術を利用することが考えられるが、この場合には、ラック軸支持部材および封止部材の大きな変更が必要となる。従って、製造コストが高くなる。
そこで、本発明の目的は、異音を抑制できる安価なラック軸支持装置を提供することである。
本願発明者は、鋭意研究の結果、異音の発生の原因として、従来知られていなかった下記の知見を得た。すなわち、通例、ラック軸とピニオンとの噛み合い反力が大きいとき(高負荷時)に、ラック軸支持部材の後面が、封止部材の前面に接触するようになっている。通常は、ラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して平行な状態で、ラック軸支持部材の後面が封止部材の前面に面当たりする。
一方で、ラック軸支持部材の軸線が保持孔の軸線に対して傾いた状態で、ラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面の一部とが互いに局部的に接触する場合があることが判明した。この場合、噛み合い反力がラック軸支持部材に作用することにより、傾いたラック軸支持部材の後面の外縁の一部が封止部材の前面に沿って摺動し、その結果、ラック軸支持部材の後面が封止部材の前面に面当たりした上述の通常の状態になる。
ところが、従来、ラック軸支持部材の後面と封止部材の前面との間は、潤滑されていなかったので、傾いた状態のラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面との摺動抵抗が大きい。このため、ラック軸支持部材および封止部材の間の大きな静止摩擦力を上回る相当大きな力が作用するまでは、ラック支持部材は動き出すことができない。このように相当大きな力を受けて、ラック軸支持部材が、傾きを戻すように保持孔内で勢いよく動くことになる。その結果、例えばラック軸支持部材の後面と封止部材の前面とが勢いよく衝突する。従って、異音が生じ易くなると考えられる。
上記の課題を解決するため、本発明のラック軸支持装置(28,28A,28B,28C,28D)は、ハウジング(30)に形成された保持孔(31)内に上記保持孔の深さ方向(Z3)に摺動可能に収容され且つラック軸(10,10D)を摺動可能に支持するラック軸支持部材(34,34A,34C,34D)と、上記保持孔の入口(311)に固定された封止部材(35)と、上記封止部材によって支持され上記ラック軸支持部材を上記ラック軸側に付勢する付勢部材(36)と、を備え、上記ラック軸支持部材の後面(343,343A,343C)およびこれに対向する上記封止部材の前面(352)が、互いに対向する環状の領域(346;346A;346C,356)をそれぞれ含み、上記ラック軸支持部材の上記後面および上記封止部材の上記前面の少なくとも一方に、上記ラック軸支持部材および上記封止部材の上記環状の領域間の摩擦を低減するための潤滑剤(39)を収容した潤滑剤収容凹部(40,43)を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、潤滑剤収容凹部に収容された潤滑剤により、ラック軸支持部材および封止部材の環状の領域間を潤滑できるので、この間の摩擦を低減することができる。従って、仮に、ラック軸とピニオンとの噛み合い反力が大きいときに、保持孔内で傾いたラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面の一部とが局部的に接触することがあるとしても、傾いた状態のラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面との摺動抵抗が小さくなる。このため、傾いた状態のラック軸支持部材が、大きな力を受けなくても、封止部材に沿って、傾きを戻すようにスムーズに動くことになる。ひいては、ラック軸支持部材と封止部材との衝突による異音も生じ難くなる。また、異音抑制のために潤滑剤収容凹部を単に設けるのみなので、製造コストを安価にできる。
また、本発明において、上記潤滑剤収容凹部は、上記ラック軸支持部材の上記後面および上記封止部材の上記前面の少なくとも一方に放射状に形成された複数の潤滑剤収容溝(40,43)を含む場合がある(請求項2)。
この場合、複数の潤滑剤収容溝が放射状に形成されたので、保持孔の周方向および径方向の両方向に関して広範囲にわたって、潤滑剤を環状の領域内に供給できる。また、放射状の溝であれば、保持孔内でのラック軸支持部材の傾きを戻すように、ラック軸支持部材の後面と封止部材の前面との環状の領域同士がスムーズに相対摺動できる。また、例えば、組立時に保持孔への封止部材のねじ込み量を調整することによりラック軸支持部材の移動可能量を調整する場合には、封止部材の前面とラック軸支持部材の後面との環状の領域同士を互いに近接させて相対回転させることになる。このときに、潤滑剤を、環状の領域内の広い範囲に供給することができる。
また、本発明において、上記潤滑剤収容溝は、上記封止部材の上記前面に形成され、上記ラック軸支持部材の上記後面に放射状に形成された複数の突条(42,42B)を備え、上記深さ方向に沿って見たときに、各上記潤滑剤収容溝とこれに対応する上記突条が互いに交差している場合がある(請求項3)。この場合、潤滑剤収容溝とこれに対応する上記突条とが相対移動するのに伴って、潤滑剤を突条が延びる方向に拡げることができるので、潤滑剤を環状の領域内のより広い範囲に供給できる。
また、本発明において、上記潤滑剤収容溝の内端(401)が、上記付勢部材の端部(361)に対向している場合がある(請求項4)。例えば、潤滑剤収容溝が封止部材に形成されている場合には、潤滑剤収容溝の内端に収容された潤滑剤により、付勢部材の端部と封止部材との間を潤滑できる。その結果、付勢部材の端部が封止部材に対してスムーズに摺動できる。従って、ラック軸支持部材の後面と封止部材の前面との相対摺動をスムーズにするのに寄与する。また、潤滑剤収容溝がラック軸支持部材に形成されている場合にも、同様の効果が得られる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の第1の実施形態のラック軸支持装置を有する車両用操舵装置の概略構成の模式図である。 図1の車両用操舵装置の操舵機構とその周辺部分の断面図である。 図2の要部A1の拡大図であり、保持孔の中心線を左右方向に平行に図示するとともに、保持孔の中心線に対して半断面表示されている。 図4(a)は、図2のIVA−IVA線に沿う断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿う拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態のラック軸支持装置の要部A1の半断面図である。 図5のVI−VI線に沿って切った断面図であり、ラック軸支持部材の後面の突条が一点鎖線で図示されている。 本発明の第3の実施形態のラック軸支持装置の断面図であり、図6に相当する断面を図6と同様に示す。 本発明の第4の実施形態のラック軸支持装置の断面図であり、図3に相当する断面を示す。 本発明の第5の実施形態のラック軸支持装置の要部およびラック軸の断面図である。 動作を説明するための模式図であり、(a)にラック軸支持部材と封止部材とが局部的に当接した状態を、(b)に面当たりした通常時の状態を示す。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、ラック軸支持装置が車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置に用いられる場合に則して説明するが、ラック軸支持装置が、例えば、マニュアル操舵の車両用操舵装置に適用されてもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態のラック軸支持装置を有する車両用操舵装置の概略構成の模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7に設けられたピニオン8に噛み合うラック9を有して車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸10とを有している。
ピニオン軸7およびラック軸10によりラックアンドピニオン機構からなる操舵機構11が構成されている。ラック軸10は、車体12に固定されるラックハウジング13内に図示しない複数の軸受を介して直線往復可能に支持されている。ラック軸10には、一対のタイロッド14が結合されている。各タイロッド14は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪16に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン8およびラック9によって、自動車の左右方向に沿ってのラック軸10の直線運動(ラック軸10の軸方向移動に相当する。)に変換される。これにより、転舵輪16の転舵が達成される。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸17と、ピニオン軸7に連なる出力軸18とに分割されている。これら入力軸17および出力軸18はトーションバー19を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸17に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー19が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸17および出力軸18が相対回転するようになっている。
トーションバー19を介する入力軸17および出力軸18の間の相対回転変位量により操舵トルクを検出するトルクセンサ20が設けられている。また、車速を検出するための車速センサ21が設けられている。また、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)22が設けられている。また、操舵補助力を発生させるための電動モータ23と、この電動モータ23の出力回転を減速する減速機24とが設けられている。
トルクセンサ20および車速センサ21からの検出信号が、ECU22に入力されるようになっている。ECU22は、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ23を制御する。電動モータ23の出力回転が減速機24を介して減速されてピニオン軸7に伝達され、ラック軸10の直線運動に変換されて、操舵が補助されるようになっている。
図2は、図1の車両用操舵装置1の操舵機構11とその周辺部分の断面図である。図2を参照して、車両用操舵装置1は、ピニオン軸7を回転可能に支持する一対の軸受26,27と、ラック軸10を支持するラック軸支持装置28と、ピニオン軸7の一部および一対の軸受26,27を収容するピニオンハウジング29と、ラック軸支持装置28の少なくとも一部を収容するハウジング30とを有している。
図1および図2を参照して、ラックハウジング13の少なくとも一部と、ハウジング30と、ピニオンハウジング29とは、互いに交差状に配置され、単一材料により互いに一体に形成されている。すなわち、ピニオンハウジング29は、筒形状をなしており、ラックハウジング13が延びる方向(図2の紙面垂直方向に相当する。)とは交差する方向に平行に延びている。ハウジング30は、筒状をなしており、ラック軸10を隔ててピニオン軸7とは反対側に配置されている。ハウジング30は、保持孔31を有している。
ハウジング30および保持孔31はともに、ピニオン軸7の軸方向Z2およびラック軸10の軸方向Z1にともに直交する方向Z3に延びている。互いに一体に形成されたラックハウジング13の一部とピニオンハウジング29とハウジング30とにより、ピニオン軸7およびラック軸10が互いに噛み合う部分が収容されている。
ラック軸10は、図2の紙面垂直方向に延びている。ラック9は、はすばラックからなる。このはすばラックが、はすば歯車からなるピニオン8と互いに噛み合っている。ラック軸10は、断面D字形形状をなす。ラック軸10は、ラック9とは反対側に円筒面の一部からなる背面を有している。
図2を参照して、ラック軸支持装置28は、ラック軸10を摺動可能に支持する円筒状のラック軸支持部材34を有している。ラック軸支持部材34は、ハウジング30に形成された保持孔31内に保持孔31の深さ方向(ハウジング30が延びる方向Z3に相当し、以下、深さ方向Z3ともいう。)に摺動可能に収容されている。
また、ラック軸支持装置28は、保持孔31の入口311に固定されておりこの入口311を封止する封止部材35と、封止部材35によって支持されラック軸支持部材34をラック軸10側に付勢する付勢部材36とを有している。
ハウジング30の保持孔31は、円孔からなる。保持孔31は、入口311を有している。保持孔31の内周は、ラック軸支持部材34を保持する円筒面により形成された保持部312と、封止部材35を螺合する雌ねじ313とを有している。雌ねじ313は、入口311を形成するとともに、入口311と保持部312との間に形成されている。
封止部材35は、筒形状をなしており、アルミニウム合金により形成されている。封止部材35の外周に、雄ねじ351が形成されている。雄ねじ351は、右ねじにより形成されており、保持孔31の雌ねじ313にねじ嵌合されている。また、雄ねじ351には、ロックナット37がねじ嵌合されている。ロックナット37がハウジング30の端面に押圧されることにより、封止部材35がハウジング30に止定されている。封止部材35の後面353には、多角形形状の孔からなる工具係合孔354が設けられている。
付勢部材36は、例えば、圧縮コイルばねからなる。この圧縮コイルばねは、弾性圧縮変形を受けた状態で、封止部材35とラック軸支持部材34との間に介在している。付勢部材36は、ラック軸支持部材34をラック軸10側へ弾性的に付勢している。
ラック軸支持部材34は、保持孔31内に収容されており、この保持孔31の深さ方向Z3に進退可能に保持孔31に保持されている。ラック軸支持部材34は、アルミニウム合金により形成されており、略円柱形状をなしている。この略円柱形状の中心軸線が、保持孔31の中心軸線に沿うように配置されている。
ラック軸支持部材34は、後面343を有している。後面343は、封止部材35の前面352に対向して配置されている。後面343は、付勢部材36を受ける領域として、付勢部材36の少なくとも一部を収容する凹部345を有している。この凹部345の底が、付勢部材36を受けている。
図3は、図2の要部A1の拡大図であり、保持孔31の中心線が左右に延びるように図示するとともに、保持孔31の中心線に対して半断面表示されている。図2および図3を参照して、ラック軸支持部材34の外周面は、円筒面により形成されており、複数(例えば2個)の周溝348を有している。複数の周溝348は、深さ方向Z3に互いに離隔して配置されている。各周溝348には、環状の弾性部材、例えばOリング38が装着されている。Oリング38は、保持孔31の径方向に弾性圧縮変形した状態で、周溝348の底と保持孔31の内周との間に介在している。これにより、ラック軸支持部材34は、保持孔31に弾性支持されている。また、ラック軸支持部材34の外周面と保持孔31の内周面との間の所定量の隙間に、潤滑剤(図示せず)が保持されている。
ラック軸支持部材34は、ラック軸10のラック9の背面を、このラック軸10の軸方向Z1(図2の紙面垂直方向に相当する。)に移動可能に支持している。ラック軸支持部材34は、ラック軸10の背面に対向して配置されておりラック軸10の背面を軸方向Z1に摺動可能に受ける受け部341を有している。受け部341は、凹湾曲面により形成され、ラック軸10の背面の形状に概ね一致しており、例えば、部分円筒面に形成されている。
図4(a)は、図2のIVA−IVA線に沿う断面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿う拡大断面図である。図3と図4を参照して、ラック軸支持部材34の後面343は、深さ方向Z3に沿って見たときに凹部345を取り囲む環状の領域346を有している。環状の領域346は、平面をなす。一方、封止部材35の前面352は、付勢部材36を受ける領域355と、この領域355を取り囲む環状の領域356とを有している。
図4(a)には、環状の領域356は、周方向に関して一部のみ図示している。環状の領域356は、外周縁50と、内周縁51との間の領域である。また、環状の領域355は、その外周縁52と、内周縁53との間の領域である。
ラック軸支持部材34の環状の領域346と、封止部材35の前面352の環状の領域356とが、深さ方向Z3に沿って互いに対向している。環状の領域346,356の間隔は、所定の距離に設定されている。環状の領域346,356が互いに当接することにより、深さ方向Z3に関してラック軸支持部材34の移動量が規制されている。
図10は、ラック軸支持装置28の動作を説明するための模式図であり、(a)はラック軸支持部材34と封止部材35とが局部的に当接した状態を、(b)は互いに面当たりした通常時の状態を示す。図2と図10(b)を参照して、ピニオン8とラック9との噛み合い反力がラック軸支持部材34に作用したときには、付勢部材36の付勢に抗して、ラック軸10およびラック軸支持部材34がピニオン軸7から遠ざかる向きに移動する。そして、噛み合い反力が大きいときには、ラック軸支持部材34の後面343の環状の領域346と封止部材35の前面352の環状の領域356とが互いに当接する。
通常は、ラック軸支持部材34の中心軸線が保持孔31の中心軸線に対して平行な状態で、ラック軸支持部材34の後面343が封止部材35の前面352に面当たりする。
図2と図10(a)を参照して、一方で、ラック軸支持部材34の中心軸線が保持孔31の中心軸線に対して傾いた状態で、ラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1と封止部材35の前面352の一部P2とが互いに局部的に接触する場合がある。この場合、噛み合い反力がラック軸支持部材34に作用することにより、傾いたラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1が封止部材35の前面352に沿って摺動し、その結果、ラック軸支持部材34の後面343が封止部材35の前面352に面当たりした上述の通常の状態になる。
このときに、従来のラック軸支持装置では、異音が生じていた。すなわち、傾いた状態のラック軸支持部材の後面の外縁の一部と封止部材の前面との摺動抵抗が大きいので、ラック軸支持部材および封止部材の間の大きな静止摩擦力を上回る相当大きな力が作用するまでは、ラック軸支持部材は動き出すことができない。換言すれば、相当大きな力を受けて、ラック軸支持部材が、傾きを戻すように保持孔内で勢いよく動くことになる。その結果、例えばラック軸支持部材の後面と封止部材の前面とが勢いよく衝突し、異音が生じていた。
図2と図3を参照して、これに対して本実施形態では、ラック軸支持装置28は、ラック軸支持部材34および封止部材35の環状の領域346,356間の摩擦を低減するための潤滑剤39を収容した潤滑剤収容凹部として、封止部材35の前面352に形成された複数の潤滑剤収容溝40を有している。
潤滑剤収容凹部としての潤滑剤収容溝40に収容された潤滑剤39により、ラック軸支持部材34および封止部材35の環状の領域346,356間を潤滑できるので、この間の摩擦を低減することができる。例えば、環状の領域346,356間の静止摩擦係数を、ひいては静止摩擦力を小さくすることができる。
従って、仮に、ラック9とピニオン8との噛み合い反力が大きいときに、保持孔31内で傾いたラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1と封止部材35の前面352の一部P2とが局部的に接触すること(図10(a)参照)があるとしても、傾いた状態のラック軸支持部材34の後面343の外縁の一部P1と封止部材35の前面352との摺動抵抗が小さくなる。このため、傾いた状態のラック軸支持部材34が、大きな力を受けなくても、封止部材35に沿って、傾きを戻すようにスムーズに動くことになる。ひいては、ラック軸支持部材34と封止部材35との衝突による異音も生じ難くなる。
また、異音抑制のために潤滑剤収容凹部を単に設けるのみなので、製造コストを安価にできる。例えば、潤滑剤収容凹部は、あまり高精度に加工する必要がないので、潤滑剤収容凹部の製造には、例えば塑性加工、鋳造等の型を用いた製造方法を採用でき、その結果、製造コストを安価にできる。
また、ラック軸支持部材34の後面343の環状の領域346と封止部材35の前面352の環状の領域356の耐久性が向上する。
なお、後述するように、潤滑剤収容凹部は、ラック軸支持部材34の後面343および封止部材35の前面352の少なくとも一方の環状の領域346,356に配置されていればよい。本実施形態では、潤滑剤収容凹部が封止部材35の前面352のみに形成された複数の潤滑剤収容溝40からなる場合に則して説明する。
図3および図4(a)を参照して、ラック軸支持部材34の後面343と封止部材35の前面352との環状の領域346,356においては、潤滑剤収容溝40以外の部分が、互いに当接可能な当接可能部として機能する。これら当接可能部同士が互いに当接することにより、ラック軸支持部材34の移動量が規制される。
複数の潤滑剤収容溝40は、放射状をなしている。これにより、保持孔31の周方向および径方向の両方向に関して広範囲にわたって、潤滑剤39を環状の領域346,356内に供給できる。また、放射状であれば、同心円形状と比較して、保持孔31内でのラック軸支持部材34の傾きを戻すように、ラック軸支持部材34の後面343と封止部材35の前面352との環状の領域346,356同士がスムーズに相対摺動できる。
また、放射状の複数の潤滑剤収容溝40は、保持孔31の周方向に関する封止部材35の位置にかかわらず、潤滑剤39を、環状の領域346,356間に供給できる。
また、本実施形態では、後述するように、組立時に保持孔31への封止部材35のねじ込み量を調整することによりラック軸支持部材34の移動可能量を調整するようにしている。この場合には、封止部材35の前面352とラック軸支持部材34の後面343との環状の領域346,356同士を互いに近接させて相対回転させることになる。このときに、放射状の複数の潤滑剤収容溝40は、潤滑剤39を、環状の領域346,356内の広い範囲に供給することができる。
この効果を得るための放射状の複数の潤滑剤収容溝40は、ラック軸支持部材34の後面343および封止部材35の前面352の少なくとも一方に形成されていればよい。また、放射状をなす潤滑剤収容溝40の数は、8つの場合を図示しているが、例えば、3以上の8以外の数であってもよい。また、放射状の複数の潤滑剤収容溝40のそれぞれは、本実施形態で図示したように保持孔31の径方向に沿って延びていることや、保持孔31の径方向に対して傾斜状に延びているのが(図示せず)、上述の効果を得るのに好ましい。
具体的には、複数の潤滑剤収容溝40は、封止部材35の中心軸線に沿って見たときに、この中心軸線を中心とする放射状をなしている。各潤滑剤収容溝40は、封止部材35の径方向に沿って真直に所定長で延びている。潤滑剤収容溝40は、保持孔31の径方向に関して相対的に内方に配置された内端401と、径方向に関して相対的に外方に配置された外端402とを有している。
複数の潤滑剤収容溝40の内端401は、封止部材35の周方向(保持孔31の周方向に相当。)に関して均等に互いに離隔して配置されている。複数の潤滑剤収容溝40の外端402は、封止部材35の周方向に関して均等に互いに離隔して配置されている。
内端401は、径方向内方に向けて閉塞されている。外端402は、径方向外方に向けて閉塞されている。保持孔31の径方向に関する潤滑剤収容溝40の内端401および外端402が閉じられることにより、重力により潤滑剤39が下方に落下することを防止でき、その結果、潤滑不良の発生を防止できる。
外端402は、ラック軸支持部材34の後面343の外周縁部に、保持孔31の深さ方向Z3に沿って対向している。複数の潤滑剤収容溝40の外端402の外接円の直径は、ラック軸支持部材34の後面343の外径と等しい値か、この値よりも大きい値とされるのが、好ましい。これにより、環状の領域347,356が互いに局部的に接触するときに潤滑剤39を確実に供給できる。なお、複数の潤滑剤収容溝40の外端402の外接円の直径がラック軸支持部材34の後面343の外径と等しい値よりも小さい場合も考えられる。
潤滑剤収容溝40は、封止部材35の前面352の環状の領域356から、径方向内方に連続して延び出している。内端401が、付勢部材36の端部361に、保持孔31の深さ方向Z3に沿って対向している。例えば、複数の潤滑剤収容溝40の内端401の内接円の直径が、付勢部材36のコイルの外径と等しい値よりも小さくされており、例えば、付勢部材36のコイルの内径と等しくされている。
潤滑剤収容溝40の内端401に収容された潤滑剤39により、付勢部材36の端部361と封止部材35との間を潤滑できる。その結果、付勢部材36の端部361が封止部材35に対してスムーズに摺動できる。従って、ラック軸支持部材34の後面343と封止部材35の前面352との相対摺動をスムーズにするのに寄与する。なお、潤滑剤収容溝40がラック軸支持部材34に形成されている場合にも、付勢部材36の端部361とラック軸支持部材34との間を潤滑できるので、同様の効果が得られる。
図3および図4(b)を参照して、潤滑剤収容溝40の肩部403は、面取りを施されている。面取りとしては、凸湾曲形状をなしていてもよいし、平面状(図示せず)であってもよい。面取りにより、潤滑剤収容溝40内の潤滑剤39が、対応する環状の領域、例えばラック軸支持部材34の環状の領域346に付着し易くなっている。
図2および図3を参照して、ラック軸支持装置28は、例えば、下記のように組み立てることができる。
先ず、ラック軸支持部材34の後面343および封止部材35の前面352の少なくとも一方に、潤滑剤39、具体的にはグリースを塗布する。ラック軸支持部材34にOリング38を取り付ける。
ピニオンハウジング29にピニオン軸7を組み付け、ラックハウジング13にラック軸10を組みつける。次に、ハウジング30にラック軸支持部材34および付勢部材36を組み込む。ハウジング30に封止部材35を組み付ける。
次に、保持孔31における封止部材35の固定位置を調整する。すなわち、先ず、封止部材35を右周りでハウジング30の保持孔31の雌ねじ313にねじ嵌合し、保持孔31の奥側へ挿入する。これにより、封止部材35の前面352をラック軸支持部材34の後面343に当接させる。この状態から、封止部材35を左周りで回転させて、封止部材35を所定距離、保持孔31の深さ方向Z3に入口311側へ後退させる。これにより、封止部材35の前面352の環状の領域356と、ラック軸支持部材34の後面343の環状の領域346との間に、所定量の隙間を確保できる。このように調整された固定位置に、封止部材35をロックナット37により固定する。
封止部材35を保持孔31にねじ嵌合することにより、環状の領域346,356の間を潤滑することができる。すなわち、封止部材35を保持孔31にねじ嵌合するときには、封止部材35の前面352と、ラック軸支持部材34の後面343とは、保持孔31の軸線の周りに相対回動しながら、封止部材35の前面352が、ラック軸支持部材34の後面343に接近し、そして互いに当接する。この間、封止部材35の前面352に付着した潤滑剤39は、ラック軸支持部材34の後面343に、付着し、環状の領域346,356の広い範囲、例えば全体に押し拡げられる。
その後に、封止部材35を保持孔31内で後退させるときには、封止部材35の前面352と、ラック軸支持部材34の後面343とは、保持孔31の軸線の周りに相対回動しながら、封止部材35の前面352が、ラック軸支持部材34の後面343から離れる。このとき、潤滑剤収容溝40内の潤滑剤39の一部は、ラック軸支持部材34の後面343に付着している。従って、封止部材35を後退させるのに伴って、潤滑剤39の一部が、潤滑剤収容溝40から、その周囲に引き出されて広がる。このようにして、環状の領域346,356が、潤滑剤39により潤滑される。
本実施形態では、封止部材35の前面352がラック軸支持部材34の後面343に当接した状態では、潤滑剤39は、環状の領域346,356全体に押し拡げられるとともに、潤滑剤収容溝40内に保持されている。従って、潤滑不良が生じる虞はない。
これに対して、従来は、封止部材の前面の環状の領域の全面とラック軸支持部材の後面の環状の領域の全面とがそれぞれ平面により形成されていたので、互いに当接したときに、潤滑剤が押し出され、潤滑不良が生じる虞があった。
このように本実施形態の車両用操舵装置1では、潤滑剤収容凹部としての潤滑剤収容溝40により、ラック軸支持装置28における異音の発生を防止でき、且つ操舵部材2の操作に伴いラック軸10をスムーズに動作させることができる。ひいては、操舵するときの追従性を高め、ハンドル戻りをスムーズにでき、操舵感を向上させることができる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、他の構成については、上述の実施形態と同様である。
例えば、図5は、本発明の第2の実施形態のラック軸支持装置28Aの要部A1の半断面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿って切った断面図である。図5および図6を参照して、本実施形態のラック軸支持装置28Aは、図2のラック軸支持装置28に代えて用いられ、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。
ラック軸支持装置28Aは、ラック軸支持部材34Aを有している。ラック軸支持部材34Aの後面343Aの環状の領域346A(図6には一部のみ図示。)は、放射状の複数の突条42(図6には一点鎖線で図示。)を有している。各突条42は、ラック軸支持部材34Aの径方向に対して斜めに交差する方向に沿って真直に所定長で延びている。この点を除いて、環状の領域346Aでの放射状の複数の突条42の配置は、環状の領域356での複数の潤滑剤収容溝40の配置と同様に設定されている。例えば、突条42の数は、潤滑剤収容溝40の数と等しくされている。複数の突条42の内端は、周方向に均等に配置されている。複数の突条42の外端は、周方向に均等に配置されている。
封止部材35の前面352に形成された放射状の複数の潤滑剤収容溝40と、ラック軸支持部材34Aの後面343Aに放射状に形成された複数の突条42とが、深さ方向Z3に沿って見たときに、互いに交差している。これにより、潤滑剤収容溝40とこれに対応する突条42とが相対移動するのに伴って、潤滑剤39を突条42が延びる方向に拡げることができるので、潤滑剤39を環状の領域346A,356内のより広い範囲に供給できる。
例えば、封止部材35をハウジング30に取り付けるに際して封止部材35の固定位置を調整するときに、潤滑剤収容溝40と突条42とが互いに近接して相対回転し、これに伴い潤滑剤39を環状の領域346A,356内に、周方向および径方向の両方向について二次元的に広く供給することができる。
なお、潤滑剤39を突条42が延びる方向に拡げることができる効果は、突条42が保持孔31の径方向に対して斜めに傾斜していればよく、潤滑剤収容凹部の形状や突条42の傾斜方向および傾斜角度に関係なく得られる(第3の実施形態参照。)。
図5および図6を参照して、環状の領域346Aにおいて、突条42の間は、相対的に窪んでおり、潤滑剤収容凹部として機能する。また、突条42の傾斜方向は、ラック軸支持部材34の径方向(保持孔31の径方向に相当する。)に対して、90度未満の所定角度で斜めに傾斜している。保持孔31の入口311側から保持孔31の深さ方向Z3に沿って見たときに、突条42が、径方向外方に向かうにしたがって、保持孔31の周方向に関して時計回り(右回り)に延びている。
封止部材35を保持孔31にねじ込むときに、潤滑剤収容溝40内の潤滑剤39は、突条42に沿って径方向内方に移動するようになる。また、封止部材35の固定位置を調整するために封止部材35のねじ込みを所定量戻すときには、潤滑剤収容溝40内の潤滑剤39は、突条42に沿って径方向外方に移動するようになる。
ラック軸支持部材34Aの後面343Aの環状の領域346Aの突条42と、封止部材35の前面352の環状の領域356の潤滑剤収容溝40以外の部分とは、少なくとも3箇所で接触できるようになっている。
保持孔31の深さ方向Z3に沿って見るときに、保持孔31の径方向に対して突条42がなす角度と、保持孔31の径方向に対して潤滑剤収容溝40がなす角度とは、互いに異なっている。また、封止部材35の環状の領域356において潤滑剤収容溝40がなす中心角D1は、ラック軸支持部材34Aの環状の領域346Aにおいて突条42がなす中心角D2よりも小さくされている。これにより、保持孔31の深さ方向Z3に沿って見るときに、突条42と、潤滑剤収容溝40との一部同士が、互いに重なりあって配置されるようになっている。
図7は、本発明の第3の実施形態のラック軸支持装置28Bの断面図であり、図6に相当する断面を同様に示す。図7に示す本実施形態のラック軸支持装置28Bおよび突条42Bは、図6に示す対応する第2の実施形態のラック軸支持装置28Aおよび突条42に代えて用いられ、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。
図7を参照して、ラック軸支持装置28Bは、突条42Bを有している。突条42Bの傾斜方向は、図6の突条42の傾斜方向とは逆向きに、保持孔31の径方向に対して傾斜している。保持孔31への封止部材35のねじ嵌合に伴って、第2の実施形態で説明したのと逆方向に、潤滑剤39が移動することになる。
図8は、本発明の第4の実施形態のラック軸支持装置28Cの断面図であり、図3に相当する断面を示す。図8を参照して、本実施形態のラック軸支持装置28Cは、図6に示す第2の実施形態のラック軸支持装置28Aに代えて用いられ、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。
ラック軸支持装置28Cは、ラック軸支持部材34Cを有している。ラック軸支持部材34Cの後面343Cの環状の領域346Cは、潤滑剤収容凹部としての放射状に形成された複数の潤滑剤収容溝43を含んでいる。ラック軸支持部材34Cの複数の潤滑剤収容溝43は、第2の実施形態の突条42と同様の角度で径方向に対して傾斜して延びていてもよいし、第3の実施形態の突条42と同様の角度で径方向に対して傾斜して延びていてもよい。上述の点を除いて、各潤滑剤収容溝43は、潤滑剤収容溝40と同様に形成されている。
本実施形態の潤滑剤収容溝43は、潤滑剤収容溝40と組み合わされたときに、突条42と同様の効果を有し、潤滑剤収容溝40,43が、相対移動、例えば組立時に接近または離隔しつつ相対回転するときに、潤滑剤39を周方向および径方向の両方向について二次元的に広く供給することができる。
図9は、本発明の第5の実施形態のラック軸支持装置28Dの要部およびラック軸10Dの断面図である。図9を参照して、本実施形態のラック軸10Dとラック軸支持装置28Dは、図2に示す第1の実施形態のラック軸10とラック軸支持装置28に代えて用いられ、以下の点で異なり、他の構成については同じとされている。
ラック軸10Dの軸方向を切る断面形状は、略Y字形形状の多角形形状をなしている。ラック軸支持装置28は、ラック軸支持部材34Dを有している。ラック軸支持部材34Dの受け部341Dは、ラック軸10Dの背面の形状に略一致した形状、例えば略V字形形状の溝形状に形成されている。なお、第5の実施形態のラック軸10Dの断面形状を他の実施形態に適用してもよい。
また、第1の実施形態では、潤滑剤収容溝40は、封止部材35の前面352のみに形成されていたが、ラック軸支持部材34の後面343のみに形成されてもよい。
また、第2の実施形態では、潤滑剤収容溝40が、封止部材35の前面352に形成され、突条42が、ラック軸支持部材34Aの後面343Aに形成されていたが、これに代えて、潤滑剤収容溝40が、ラック軸支持部材34Aの後面343Aに形成され、突条42が、封止部材35の前面352に形成されることも考えられる。第3の実施形態についても同様の変形例が考えられる。
また、第2の実施形態では、潤滑剤収容溝40が、保持孔31の径方向に平行に延びており、突条42が、保持孔31の径方向に対して傾斜して延びていたが、これには限定されない。例えば、潤滑剤収容溝40および突条42がともに、保持孔31の径方向に対して傾斜して延びており、保持孔31の深さ方向Z3に沿って見たときに、潤滑剤収容溝40と突条42とが互いに交差するようにしてもよい。第3の実施形態や、第4の実施形態の潤滑剤収容溝40,43についても同様の変形例が考えられる。
また、第1の実施形態において、潤滑剤収容溝40の内端401が環状の領域356内に配置されることや、潤滑剤収容凹部として潤滑剤収容溝40に代えて多数の半球状の凹部を形成することも考えられる。これと同様の変形例が上述の他の実施形態についても考えられる。
また、上述の実施形態では、いわゆるコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に本発明が適用された例について説明したが、これに限らず、いわゆるピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置や、いわゆるラックアシスト式の電動パワーステアリング装置に、本発明を適用してもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更を施すことができる。
10,10D…ラック軸、28,28A,28B,28C,28D…ラック軸支持装置、30…ハウジング、31…保持孔、34,34A,34C,34D…ラック軸支持部材、35…封止部材、36…付勢部材、39…潤滑剤、40,43…潤滑剤収容溝(潤滑剤収容凹部)、42,42B…突条、311…入口、343,343A,343C…(ラック軸支持部材の)後面、346,346A,346C…(ラック軸支持部材の後面の)環状の領域、352…(封止部材の)前面、356…(封止部材の前面の)環状の領域、361…(付勢部材の)端部、401…潤滑剤収容溝の内端、Z3…深さ方向。

Claims (4)

  1. ハウジングに形成された保持孔内に上記保持孔の深さ方向に摺動可能に収容され且つラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、
    上記保持孔の入口に固定された封止部材と、
    上記封止部材によって支持され上記ラック軸支持部材を上記ラック軸側に付勢する付勢部材と、を備え、
    上記ラック軸支持部材の後面およびこれに対向する上記封止部材の前面が、互いに対向する環状の領域をそれぞれ含み、
    上記ラック軸支持部材の上記後面および上記封止部材の上記前面の少なくとも一方に、上記ラック軸支持部材および上記封止部材の上記環状の領域間の摩擦を低減するための潤滑剤を収容した潤滑剤収容凹部を備えることを特徴とするラック軸支持装置。
  2. 請求項1において、
    上記潤滑剤収容凹部は、上記ラック軸支持部材の上記後面および上記封止部材の上記前面の少なくとも一方に放射状に形成された複数の潤滑剤収容溝を含むことを特徴とするラック軸支持装置。
  3. 請求項2において、
    上記潤滑剤収容溝は、上記封止部材の上記前面に形成され、
    上記ラック軸支持部材の上記後面に放射状に形成された複数の突条を備え、
    上記深さ方向に沿って見たときに、各上記潤滑剤収容溝とこれに対応する上記突条が互いに交差していることを特徴とするラック軸支持装置。
  4. 請求項2または3において、
    上記潤滑剤収容溝の内端が、上記付勢部材の端部に対向していることを特徴とするラック軸支持装置。
JP2009233549A 2009-10-07 2009-10-07 ラック軸支持装置 Expired - Fee Related JP5392559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009233549A JP5392559B2 (ja) 2009-10-07 2009-10-07 ラック軸支持装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009233549A JP5392559B2 (ja) 2009-10-07 2009-10-07 ラック軸支持装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011079430A true JP2011079430A (ja) 2011-04-21
JP5392559B2 JP5392559B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=44073944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009233549A Expired - Fee Related JP5392559B2 (ja) 2009-10-07 2009-10-07 ラック軸支持装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5392559B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240595A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Nsk Ltd ステアリング装置
WO2016152694A1 (ja) * 2015-03-26 2016-09-29 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動パワーステアリング装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54150748U (ja) * 1978-04-12 1979-10-19
JPS5799920U (ja) * 1980-12-11 1982-06-19
JPS5819874U (ja) * 1981-07-31 1983-02-07 豊田工機株式会社 ラツクアンドピニオン式舵取装置
JPS5918665U (ja) * 1982-07-29 1984-02-04 株式会社山田製作所 ラツクピニオン式ステアリング装置
JP2002122133A (ja) * 2000-10-16 2002-04-26 Aisin Aw Co Ltd スラストすべり軸受け
JP2002178935A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Koyo Seiko Co Ltd 舵取装置
JP2002276569A (ja) * 2001-03-14 2002-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータ内蔵の圧縮機とそれを用いた移動車
JP2005041251A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Favess Co Ltd ラック軸支持装置
JP2006264631A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Showa Corp ラックピニオン式舵取装置、電動式パワーステアリング装置及びラックピニオン式舵取装置のラック変位調整方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54150748U (ja) * 1978-04-12 1979-10-19
JPS5799920U (ja) * 1980-12-11 1982-06-19
JPS5819874U (ja) * 1981-07-31 1983-02-07 豊田工機株式会社 ラツクアンドピニオン式舵取装置
JPS5918665U (ja) * 1982-07-29 1984-02-04 株式会社山田製作所 ラツクピニオン式ステアリング装置
JP2002122133A (ja) * 2000-10-16 2002-04-26 Aisin Aw Co Ltd スラストすべり軸受け
JP2002178935A (ja) * 2000-12-15 2002-06-26 Koyo Seiko Co Ltd 舵取装置
JP2002276569A (ja) * 2001-03-14 2002-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータ内蔵の圧縮機とそれを用いた移動車
JP2005041251A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Favess Co Ltd ラック軸支持装置
JP2006264631A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Showa Corp ラックピニオン式舵取装置、電動式パワーステアリング装置及びラックピニオン式舵取装置のラック変位調整方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012240595A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Nsk Ltd ステアリング装置
WO2016152694A1 (ja) * 2015-03-26 2016-09-29 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動パワーステアリング装置
CN107428362A (zh) * 2015-03-26 2017-12-01 日立汽车系统株式会社 电动助力转向装置
US10011294B2 (en) 2015-03-26 2018-07-03 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Electric power steering apparatus
CN107428362B (zh) * 2015-03-26 2019-07-12 日立汽车系统株式会社 电动助力转向装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5392559B2 (ja) 2014-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5218831B2 (ja) ラック軸支持装置および車両用操舵装置
CN107031700B (zh) 转向装置
JP2016055732A (ja) バックラッシュ調整機構及びこれを用いたパワーステアリング装置
JP2004332921A (ja) ウォームギヤ機構及びウォームギヤ機構を搭載した電動パワーステアリング装置
JP5454371B2 (ja) ラックピニオン式ステアリングギヤユニット及びその製造方法
JP5062465B2 (ja) ステアリング装置
JP4052218B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP2687755A2 (en) Rack shaft supporting device and steering system including the same
JP2007320322A (ja) パワーステアリング装置
JP5392559B2 (ja) ラック軸支持装置
JP2016003760A (ja) ウォーム減速機およびそれを備えた電動パワーステアリング装置
JP2003014055A (ja) ウォーム減速装置のバックラッシュ調整装置
JP2008213536A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2007203947A (ja) 電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置
JP4622638B2 (ja) ラックピニオン式ステアリングギヤ
JP2013210005A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4284985B2 (ja) ウォーム軸支持装置およびパワーアシストユニット
JP5339142B2 (ja) ラック軸支持装置
JP5163626B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2013154709A (ja) 車両用操舵装置およびラックガイド機構
JP2014004884A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリング装置
JP5601415B2 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP2017013648A (ja) ラックガイド装置
JP2005186781A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4085867B2 (ja) ウォーム支持装置及び電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130613

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5392559

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees