JP2003193932A - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

電磁式燃料噴射弁

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JP2003193932A
JP2003193932A JP2001394600A JP2001394600A JP2003193932A JP 2003193932 A JP2003193932 A JP 2003193932A JP 2001394600 A JP2001394600 A JP 2001394600A JP 2001394600 A JP2001394600 A JP 2001394600A JP 2003193932 A JP2003193932 A JP 2003193932A
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chamber
fuel
fuel injection
injection valve
pressure
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Masao Nakayama
雅夫 中山
Tomoji Ishikawa
友二 石川
Natsuki Sugiyama
夏樹 杉山
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニードル部材の応答速度を向上可能な電磁式
燃料噴射弁を提供する。 【解決手段】 本電磁式燃料噴射弁によれば、閉弁動作
開始時において、第1室内圧力P1と第2室内圧力P2
の差圧(P1−P2)によって、第1室1から第2室2
に向けて移動隔壁部材Iを押圧する力(FP1−FP
2)が働き、ニードル部材Nの閉弁動作時における応答
速度が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁式燃料噴射弁
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電磁式燃料噴射弁は特開平8−2
10217号公報に記載されている。同公報に記載の電
磁式燃料噴射弁は、燃料が導入される容器内に配置され
燃料導入側の第1室及び燃料噴出側の第2室を画成する
移動隔壁部材と、移動隔壁部材に機械的に結合し第1室
側への移動によって開弁を行い第2室側への移動によっ
て閉弁を行うニードル部材と、移動隔壁部材を前記第1
室側に吸引する電磁石とを備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電磁式燃料噴射弁は、ニードル部材の閉弁動作時におけ
る応答速度が十分ではなく、所望の燃料噴射制御を行う
ことができなかった。本発明は、このような課題に鑑み
てなされたものであり、ニードル部材の応答速度を向上
可能な電磁式燃料噴射弁を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る電磁式燃料噴射弁は、燃料が導入され
る容器内に配置され燃料導入側の第1室及び燃料噴出側
の第2室を画成する移動隔壁部材と、移動隔壁部材に機
械的に結合し第1室側への移動によって開弁を行い第2
室側への移動によって閉弁を行うニードル部材と、移動
隔壁部材を第1室側に吸引する電磁石とを備えた磁式燃
料噴射弁を対象とする。
【0005】本電磁式燃料噴射弁は、ニードル部材の閉
弁動作開始時において第1室内の圧力が第2室内の圧力
よりも高くなるような大きさの燃料通路が、第1室と第
2室との間を連通していることを特徴とする。
【0006】電磁石による吸引によって移動隔壁部材が
第1室方向に移動すると、移動隔壁部材に機械的に結合
したニードル部材が第1室方向に移動する。ニードル部
材の第1室側への移動によって、開弁が行われる。容器
内には燃料が導入されている。電磁式燃料噴射弁はエン
ジンの燃焼室側に燃料を噴出するものである。電磁噴射
弁から燃料室は離隔していてもよい。燃焼室内の圧力は
電磁式燃料噴射弁内の圧力よりも低く設定される。換言
すれば、燃焼室内の圧力よりも、電磁式燃料噴射弁内の
圧力は高いので、開弁時においては燃料が燃焼室側へ噴
出する。
【0007】低圧側の燃焼室に第2室が開放することに
より、燃料噴出側の第2室の圧力は低下しようとする
が、従来のように燃料通路を流れる燃料の流量が、噴孔
から噴射される燃料の流量よりも十分に大きい場合に
は、第2室内圧力は噴孔の大きさに律則され、第1室か
ら高圧の燃料が第2室内に流れ込むので、第2室内圧力
の低下は抑制される。
【0008】本発明の電磁式燃料噴射弁においては、開
弁動作終了時に燃料通路の大きさが小さくなるので、第
2室内圧力の低下を補う第1室からの燃料導入が制限さ
れ、第2室内の圧力は第1室内の圧力よりも相対的に小
さくなる。したがって、閉弁動作開始時においては、第
1室内圧力と第2室内圧力の差圧によって、第1室から
第2室に向けて移動隔壁部材を押圧する力が働き、ニー
ドル部材の閉弁動作時における応答速度が高くなる。こ
れにより、所望の燃料噴射制御を行うことができるよう
になるため、エンジンの燃費が改善する。なお、閉弁動
作開始時の第1及び第2室間の差圧は5%以上あること
が好ましい。
【0009】前記燃料通路は移動隔壁部材の第1室側に
設けられた開口からニードル部材の第2室側に設けられ
た開口に至ることが好ましい。双方の開口を介して流出
する燃料はニードル部材の軸に対して対称となるため、
スムーズな燃料噴射が可能となる。
【0010】また、燃料が導入される容器は、シリンダ
ヘッドの燃焼室を臨む貫通孔の燃焼室とは反対側の開口
端面に当接する環状の鍔部から燃焼室から離れる方向に
立設した筒部を有するフランジを備えた燃焼室側容器
と、フランジの筒部の開口端面に当接し固定される開口
端面を有する燃料導入側容器とからなり、上記電磁石は
燃料導入側容器内に固定される又は前記燃料導入側容器
の一部を構成し、移動隔壁部材は筒部内に位置すること
が好ましい。
【0011】フランジは最も径方向(ニードル部材長手
方向に垂直な方向)の寸法を大きくとれる場所であるた
め、その筒部内に移動隔壁部材を配置すれば、移動隔壁
部材の径方向長を大きくすることができ、したがって、
電磁石との間に発生する磁気的な吸引力は移動隔壁部材
の電磁石に対する対向面積に依存するところ、径方向長
が大きくなると対向面積が増加するので、吸引力を高め
ることができる。
【0012】容器内部の燃料圧力を高めると、燃焼室内
部圧力との差圧による力に抗するため、開弁動作開始時
には大きな吸引力が必要となるが、当該構成によれば吸
引力を向上させることができるので、容器内部の燃料圧
力を高めることができる。
【0013】閉弁動作終了時のニードル部材の速度が大
きすぎる場合には、ニードル部材がバウンドし、二次噴
射が生じる。そこで、本発明の電磁式燃料噴射弁は、第
2室内に閉弁動作終了直前のニードル部材の移動速度を
低減させるダンパ機能素子を配置することが好ましい。
これにより二次噴射が抑制される。
【0014】このような機能を奏するダンパ機能素子と
しては、種々のものが考えられるが、好適なダンパ機能
素子は第1室から第2室方向に凹んだ凹部を有し、ニー
ドル部材は凹部内を貫通しており且つ凹部の底面に対向
し第2室方向への移動によって離隔距離が小さくなる燃
料押圧面を有することが望ましい。閉弁動作終了時に近
づくと、燃料押圧面と凹部の底面との距離が近づくの
で、これらの間の燃料圧力が高くなり、ニードル部材の
第2室方向への移動速度が低減する。したがって、二次
噴射が抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係る電磁式燃
料噴射弁について説明する。なお、同一要素には同一符
号を用い、重複する説明は省略する。
【0016】図1は開弁開始時(閉弁終了時)の電磁式
燃料噴射弁の説明図である。本電磁式燃料噴射弁は、燃
料が導入される容器H内に配置され燃料導入側の第1室
1及び燃料噴出側の第2室2を画成する移動隔壁部材
(アーマチャ)Iと、移動隔壁部材Iに機械的に結合し
第1室側1への移動によって開弁を行い第2室2側への
移動によって閉弁を行うニードル部材(ニードル弁)N
と、移動隔壁部材Iを第1室1側に吸引する電磁石Mと
を備えている。
【0017】本電磁式燃料噴射弁においては、ニードル
部材Nが墳孔Jとの間の燃料通過経路を完全に塞いだ状
態が「閉弁」状態であり、この燃料通過経路が形成され
た状態が「開弁」状態である。
【0018】電磁石Mは、電流が供給されるソレノイド
コイルMcとソレノイドコイルMcが埋設された筒状の
磁性体(コア)Mmとからなる。ソレノイドコイルMc
に通電を行うと、磁性体Mmと移動隔壁部材(磁性体)
Iとの間に磁気回路が構成され、これらの間に吸引力が
発生する。電磁石Mによる吸引力をFMとする。移動隔
壁部材Iは、スプリングによる付勢力FSと、外部空間
OSの圧力P3と第2室2内圧力P2との差圧(P2−
P3)によって、第2室2方向に押圧されており、吸引
力FMが移動隔壁部材Iに作用すると、移動隔壁部材I
は閉弁促進力FP3,FSに抗して第1室1方向へ移動
する。本例においては、外部空間OSは燃焼室であるこ
ととする。
【0019】燃料が導入される容器Hは、シリンダヘッ
ドの燃焼室OSを臨む貫通孔の燃焼室OSとは反対側の
開口端面に当接する環状の鍔部LIPから燃焼室OSか
ら離れる方向に立設した筒部CLを有するフランジを備
えた燃焼室側容器H2と、フランジの筒部CLの開口端
面Eに当接し固定される開口端面を有する燃料導入側容
器H1とからなる。電磁石Mは燃料導入側容器H1内に
固定され、移動隔壁部材Iは筒部CL内に位置する。電
磁石Mは燃料導入側容器H1の一部を構成することもで
きる。
【0020】フランジは最も径方向(ニードル部材N長
手方向に垂直な方向)の寸法を大きくとれる場所であ
る。フランジの筒部CL内に移動隔壁部材Iは配置され
ているので、移動隔壁部材Iの径方向長を大きくするこ
とができ、電磁石Mと移動隔壁部材Iとの間に発生する
磁気的な吸引力FMは移動隔壁部材Iの電磁石Mに対す
る対向面積に依存する。移動隔壁部材Iの径方向長が大
きくなると対向面積が増加するので、吸引力FMは大き
くなる。
【0021】容器H内部の燃料圧力(P1)を高める
と、燃焼室内部圧力P3との差圧による力に抗するた
め、開弁動作開始時には大きな吸引力FMが必要となる
が、この構成によれば、吸引力FMを向上させることが
できるので、容器内部の燃料圧力P1を高めることがで
きる。
【0022】第1室1と第2室2との間は、燃料通路P
Sによって連通している。また、移動隔壁部材Iの径方
向端部には容器H内壁との間に燃料通路が形成されてい
る。第1室1と第2室2とは十分に連通しているので、
開弁開始時の第1室内圧力P1と第2室内圧力P2は略
一致している。電磁石Mによる吸引によって移動隔壁部
材Iが第1室1方向に移動すると、移動隔壁部材Iに機
械的に結合したニードル部材Nが第1室1方向に移動す
る。本例においては、ニードル部材Nは移動隔壁部材I
に固定されているが、これはスプリング等の弾性手段を
介して移動隔壁部材Iに機械的に結合していてもよい。
【0023】燃料通路PSは、移動隔壁部材Iの第1室
1側に設けられた開口OP1からニードル部材の第2室
2側に設けられた開口OP2に到達している。双方の開
口OP1,OP2を介して流出する燃料はニードル部材
Nの軸に対して対称となるため、スムーズな燃料噴射が
可能となる。容器H内の燃料は容器Hの先端部に設けら
れた噴孔Jを介して燃焼室OSに噴射される。
【0024】すなわち、ニードル部材Nの第1室1側へ
の移動によって開弁が行われる。容器H内には燃料が導
入されているが、本電磁式燃料噴射弁はエンジンの燃焼
室OS側に燃料を噴出するものである。燃焼室OS内の
圧力P3は電磁式燃料噴射弁内の圧力P2よりも低く設
定される。換言すれば、燃焼室OS内の圧力P3より
も、電磁式燃料噴射弁内の圧力P2は高いので、開弁時
においては燃料が燃焼室OS側へ噴出する。
【0025】図2は閉弁動作開始時(開弁終了時)の電
磁式燃料噴射弁の説明図である。燃料通路PSの大きさ
は、ニードル部材Nの閉弁動作開始時において第1室1
内の圧力P1が第2室2内の圧力P2よりも高くなるよ
うに設定されている。上述の開弁時において、低圧側の
燃焼室OSに第2室2が開放することにより、燃料噴出
側の第2室2の圧力は低下しようとする。
【0026】従来のように燃料通路PSを流れる燃料の
流量が、噴孔から噴射される燃料の流量よりも十分に大
きい場合には、第2室内圧力は噴孔の大きさに律則さ
れ、第1室から高圧の燃料が第2室内に流れ込むので、
第2室内圧力の低下は抑制される。従来技術(特開平8
−210217号公報)においては、図10に示すよう
に、閉弁動作開始時において下側圧力(第2室内圧力P
2)が高くなる。
【0027】本電磁式燃料噴射弁においては、開弁動作
終了時に燃料通路PSの大きさが小さくなる。すなわ
ち、電磁石Mによる吸引によって、移動隔壁部材Iは電
磁石Mの第2室2側の面に当接し、燃料通路PS以外の
燃料通路が遮断される。したがって、第2室内圧力P2
の低下を補う第1室1からの燃料導入が制限され、第2
室内圧力P2は第1室内圧力P1よりも相対的に小さく
なる。
【0028】このように、閉弁動作開始時においては、
第1室内圧力P1と第2室内圧力P2の差圧(P1−P
2)によって、第1室1から第2室2に向けて移動隔壁
部材Iを押圧する力(FP1−FP2)が働き、ニード
ル部材Nの閉弁動作時における応答速度が高くなる。な
お、閉弁動作時においてもスプリング等による付勢力F
Sは移動隔壁部材Iに与えられている。
【0029】このように、閉弁応答性が向上すると所望
の燃料噴射制御を行うことができるようになるが、閉弁
応答性が向上すると、最小燃料噴射量を小さくすること
もできる。したがって、エンジンの燃費が改善する。な
お、閉弁動作開始時の第1及び第2室1,2間の差圧
(P1−P2)は5%以上あることが好ましい。
【0030】次に、駆動信号の電磁石Mへの供給と弁挙
動の関係について詳細に説明する。
【0031】図3は、電磁石(コイルMc)Mへの供給
される電流(駆動信号)(図3(a))、吸引力FM
(図3(b))、ニードル部材Nの閉弁位置を基準とす
る位置(上方を正とする)(図3(c))、従来技術に
おける内部圧力(上流圧力P1’、下流圧力P2’)
(図3(d))、実施形態における内部圧力(第1室内
圧力P1、第2室内圧力P2)(図3(e))のタイミ
ングチャートである。なお、従来技術に係るパラメータ
は点線で示す。
【0032】開弁指示が行われると電流供給が開始さ
れ、移動隔壁部材Iに吸引力FMが働く。吸引力FMは
時間と共に、また、電磁石Mとの距離が短くなるに従っ
て強くなる傾向にある。吸引力FMが閉弁促進力FS,
FP3を超えると、ニードル部材Nの開弁が開始され、
実施形態の電磁式燃料噴射弁においては第2室内圧力P
2が減少する。なお、従来の電磁式燃料噴射弁において
は第2室2内圧力は殆ど減少しない。開弁動作の終了後
に閉弁動作が開始される。
【0033】閉弁指示が行われると電流供給が停止さ
れ、吸引力FMが減少する。この閉弁動作開始時におい
ては、差圧(P1−P2)は発生したままの状態である
ので、弾性手段による付勢力FSに加えて差圧(P1−
P2)が閉弁動作を促進させる。したがって、従来より
も早い時点で閉弁動作が完了することとなる。
【0034】なお、フランジ内に移動隔壁部材Iを設け
ることとしたので、吸引力FMは従来よりも増加してい
る。実施形態における電磁式燃料噴射弁においては、開
弁動作時には差圧に抗する必要があるが、吸引力FMが
増加しているため、開弁応答性は殆ど劣化していない。
このように、吸引力FMを増加させることで、開弁動作
の応答性を劣化させず、閉弁動作の応答性を向上させる
ことができる。吸引力FMを増加させる手法としては本
例のものに限られず、電磁石を複数使用する等の手法が
考えられる。
【0035】上述のように、閉弁応答性を改善すると、
以下のように、最小噴射量を低下させることができる。
【0036】図4は噴射率のタイミングチャートであ
る。駆動信号を「on」として開弁が開始された時点か
ら「off」として閉弁が完了した時点までの期間内に
噴射された燃料の総量が、燃料噴射量であるが、閉弁応
答性が向上すると、「off」の瞬間から閉弁完了まで
の期間が短くなるため、最小噴射量を減少させることが
できる。
【0037】図5は燃料の噴射指示期間と噴射量の関係
を示すグラフである。噴射指示期間が短くなるにしたが
って、噴射量は小さくなるが、閉弁応答性が向上する
と、噴射指示期間が同一でも噴射量が低下するので、最
小噴射量を減少させることができる。
【0038】図6は電磁式燃料噴射弁主要部の具体的構
成を示す縦断面図である。上述のように、燃料FLが導
入される容器Hは燃焼室側容器H2と燃料導入側容器H
1とからなる。本例では、電磁石Mは燃料導入側容器H
1の一部を構成している。電磁石Mの磁性体Mmは同心
二重円筒構造を有し、これらの円筒間にソレノイドコイ
ルMcが配置され、ソレノイドコイルMcの移動隔壁部
材I側はシール部材SLによって封止されている。シー
ル部材SLの下方と移動隔壁部材Iとの間には燃料が溜
まる油密室OTが形成されている。
【0039】移動隔壁部材Iの上面には凹部が設けら
れ、凹部の底面OP1’と第1室1内に固定されたスリ
ーブSVとの間には、上述の付勢力FSを発生するスプ
リングSが配置されている。凹部の開口端面は燃料通路
PSの入口側の開口OP1を構成し、凹部の底面OP
1’から下方に抜ける燃料通路PSは、ニードル部材N
に設けられた開口OP2に繋がっている。開口OP2か
ら流出した燃料FLは、下方に流れることができる。
【0040】図7は改良された電磁式燃料噴射弁主要部
の具体的構成を示す縦断面図である。本電磁式燃料噴射
弁は、図6の電磁式燃料噴射弁にダンパ機能素子DPを
設けたものである。ダンパ機能素子DPは第2室2内の
圧力を律即するものではないが、閉弁完了直前において
ニードル部材Nに対してダンパ機能を奏する。
【0041】ダンパ機能素子DPは十分な大きさの燃料
通路DPHを上面と下面との間に有している。開口OP
2から流出した燃料FLは燃料通路DPHを介して下方
に流れる。また、第1室1から移動隔壁部材Iの側方を
介して下方へ流れる燃料も燃料通路DPHを通ることが
できる。
【0042】ダンパ機能素子DPは逆ハット形状を有し
ている。第2室2を規定する容器H2の内径は、移動隔
壁部材Iの下方所定距離の位置で縮小しており、この内
径変化の境界面に逆ハット形状のダンパ機能素子DPの
鍔部が当接するように、ダンパ機能素子DPの外周円筒
面が内径縮小側の容器内壁面に嵌合している。ダンパ機
能素子DPは軸方向に沿った貫通孔を有しており、ニー
ドル部材Nが当該貫通孔内に位置する。この貫通孔はダ
ンパ機能素子DPの上面に設けられた凹部DIPと、凹
部DIPの底面に連通する小径貫通孔THからなる。凹
部DIPの底面の径は小径貫通孔THの径よりも大き
い。
【0043】ニードル部材Nは、移動隔壁部材I側に大
径部NBを有しており、大径部NBはニードル部材Nの
下流側に位置する小径部NSに連続している。大径部N
Bはダンパ機能素子DPの上面に設けられた凹部DIP
内に位置し、小径部NSは小径貫通孔TH内に位置す
る。なお、大径部NBの径よりも凹部DIPの開口径の
方が大きい。
【0044】閉弁動作完了の直前になると、大径部NB
の底部PHSと凹部DIPの底面との間の燃料が圧縮さ
れるので、ニードル部材Nの移動速度が低下する。な
お、大径部NBの底部と凹部DIPの底面は、少なくと
もいずれか一方がそれぞれの部材の内部方向に向かって
僅かに凹んでおり、ダンパ効果を高めている。このよう
なダンパ機能により、閉弁後の二次噴射を抑制すること
ができる。なお、小径貫通孔THはニードル部材Nのガ
イド機能も有している。
【0045】上述のように、閉弁動作完了時のニードル
部材の速度が大きすぎる場合には、ニードル部材がバウ
ンドし、二次噴射が生じるが、本電磁式燃料噴射弁は、
第2室2内に閉弁動作終了直前のニードル部材Nの移動
速度を低減させるダンパ機能素子DPを配置しているの
で、二次噴射が抑制される。
【0046】また、上記ダンパ機能素子DPは第1室1
から第2室2方向に凹んだ凹部DIPを有しており、ニ
ードル部材Nは凹部DIP内を貫通しており且つ凹部D
IPの底面に対向し第2室2方向への移動によって離隔
距離が小さくなる燃料押圧面(太径部NBの底部)PH
Sを有している。閉弁動作完了時に近づくと、燃料押圧
面PHSと凹部DIPの底面との距離が近づくので、こ
れらの間の燃料圧力が高くなり、ニードル部材Nの第2
室2方向への移動速度が低減し、二次噴射が抑制され
る。
【0047】図8は電磁式燃料噴射弁の断面図である。
燃料導入側容器H1は、環状鍔部を外周面に有する筒状
部材H1”と、この環状鍔部と筒状部材H1”の外周面
に、それぞれ開口端面及び内側円筒面が当接する外側ス
リーブH1’と、電磁石Mとからなる。電磁石Mは二重
円筒構造を有するが、内側の円筒は筒状部材H”の先端
部で構成され、外側の円筒は燃料導入側容器H1の一部
を構成している。
【0048】第2室2内にはニードル部材Nの軸方向に
垂直な移動を抑制するガイド部材Gが配置されている。
ガイド部材Gにダンパ機能を持たせる場合には、上記ダ
ンパ機能素子DPとして機能させることができる。燃焼
室側容器H2は上述のフランジを有する燃焼室側容器本
体H2’と、燃焼室側容器本体H2’の先端部に設けら
れた先端部材H2”からなる。先端部材H2”は、噴孔
Jを有しており、燃焼室側容器本体H2’の先端部側内
壁に固定されている。
【0049】図9は上述の電磁式燃料噴射弁を備えたシ
リンダヘッドの部分断面図である。シリンダヘッドは燃
焼室OSを臨む貫通孔を備えており、この貫通孔の燃焼
室OSとは反対側の開口端面に、燃焼室側容器H2の鍔
部LIPが当接している。この貫通孔の内面にフランジ
の筒部CL外周面は接触し、電磁式燃料噴射弁は燃焼室
OSに対して位置決めされている。電磁式燃料噴射弁の
噴孔Jから出射された燃料は燃焼室OS内において燃焼
する。なお、本例では、燃焼室OS内に導入された燃料
は、燃焼室上部に設けられるプラグからの放電によって
発火するが、この電磁式燃料噴射弁はディーゼルエンジ
ンにも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明の電磁式燃料噴射弁はニードル部
材の応答速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開弁開始時(閉弁終了時)の電磁式燃料噴射弁
の説明図である。
【図2】閉弁動作開始時(開弁終了時)の電磁式燃料噴
射弁の説明図である。
【図3】電磁石(コイルMc)Mへの供給される電流
(駆動信号)(図3(a))、吸引力FM(図3
(b))、ニードル部材Nの閉弁位置を基準とする位置
(上方を正とする)(図3(c))、従来技術における
内部圧力(上流圧力P1’、下流圧力P2’)(図3
(d))、実施形態における内部圧力(第1室内圧力P
1、第2室内圧力P2)(図3(e))のタイミングチ
ャートである。
【図4】噴射率のタイミングチャートである。
【図5】燃料の噴射指示期間と噴射量の関係を示すグラ
フである。
【図6】電磁式燃料噴射弁主要部の具体的構成を示す縦
断面図である。
【図7】改良された電磁式燃料噴射弁主要部の具体的構
成を示す縦断面図である。
【図8】電磁式燃料噴射弁の断面図である。
【図9】上述の電磁式燃料噴射弁を備えたシリンダヘッ
ドの部分断面図である。
【図10】従来の電磁式燃料噴射弁の内部圧力変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…第1室、2…第2室、CL…筒部、DIP…凹部、
DP…ダンパ機能素子、DPH…燃料通路、E…開口端
面、FL…燃料、FM…吸引力、FP3,FS…閉弁促
進力、G…ガイド部材、H…容器、H1…燃料導入側容
器、H2…燃焼室側容器、I…移動隔壁部材、J…噴
孔、LIP…鍔部、M…電磁石、Mc…ソレノイドコイ
ル、Mm…コイル、Mm…磁性体、N…ニードル部材、
NB…大径部、NS…小径部、OP1,OP2…開口、
OS…外部空間(燃焼室)、OT…油密室、PHS…燃
料押圧面、PS…燃料通路、S…スプリング、SL…シ
ール部材、SV…スリーブ、TH…小径貫通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 夏樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G066 AA02 AA07 AB02 BA11 BA19 CC06U CC18 CC70 CE22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料が導入される容器内に配置され燃料
    導入側の第1室及び燃料噴出側の第2室を画成する移動
    隔壁部材と、前記移動隔壁部材に機械的に結合し前記第
    1室側への移動によって開弁を行い前記第2室側への移
    動によって閉弁を行うニードル部材と、前記移動隔壁部
    材を前記第1室側に吸引する電磁石とを備えた磁式燃料
    噴射弁であって、 前記ニードル部材の閉弁動作開始時において前記第1室
    内の圧力が前記第2室内の圧力よりも高くなるような大
    きさの燃料通路が、前記第1室と前記第2室との間を連
    通していることを特徴とする電磁式燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 前記燃料通路は前記移動隔壁部材の前記
    第1室側に設けられた開口から前記ニードル部材の前記
    第2室側に設けられた開口に至ることを特徴とする請求
    項1に記載の電磁式燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 前記容器は、シリンダヘッドの燃焼室を
    臨む貫通孔の前記燃焼室とは反対側の開口端面に当接す
    る環状の鍔部から前記燃焼室から離れる方向に立設した
    筒部を有するフランジを備えた燃焼室側容器と、前記フ
    ランジの前記筒部の開口端面に当接し固定される開口端
    面を有する燃料導入側容器とからなり、 前記電磁石は前記燃料導入側容器内に固定される又は前
    記燃料導入側容器の一部を構成し、 前記移動隔壁部材は前記筒部内に位置することを特徴と
    する請求項1に記載の電磁式燃焼噴射弁。
  4. 【請求項4】 前記第2室内に閉弁動作終了直前の前記
    ニードル部材の移動速度を低減させるダンパ機能素子を
    配置したことを特徴とする請求項1に記載の電磁式燃料
    噴射弁。
  5. 【請求項5】 前記ダンパ機能素子は前記第1室から前
    記第2室方向に凹んだ凹部を有し、前記ニードル部材は
    前記凹部内を貫通しており且つ前記凹部の底面に対向し
    前記第2室方向への移動によって離隔距離が小さくなる
    燃料押圧面を有することを特徴とする請求項4に記載の
    電磁式燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005291128A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 Nippon Soken Inc インジェクタ
JP2006266261A (ja) * 2005-03-19 2006-10-05 Man B & W Diesel Gmbh 内燃機関とその燃料噴射装置

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