JP2003192831A - 樹脂用充填剤およびその製造方法 - Google Patents
樹脂用充填剤およびその製造方法Info
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Abstract
等に優れた樹脂用充填剤とその製造方法を提供する。 【解決手段】 無機酸化物微粉末100重量部に対して
アルキルシラザン系化合物5〜50重量部を添加し、水
分の存在下で反応させ、反応温度を300℃まで段階的
に高め、各段階の温度下に所定時間保持して反応させる
ことにより、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量
%)の比が0.02以上であって、残留アンモニア量が2
5ppm以下である疎水化処理された無機酸化物微粉末か
らなる樹脂用充填剤を製造する。
Description
の樹脂組成物の粘度調整用充填剤、または天然ゴムや合
成ゴム、エンジニアプラスチックスなどの補強性充填
剤、またはポリエチレンやポリエステルなどのフィルム
に添加するブロッキング防止用充填剤などに用いる樹脂
充填剤に関するものである。
酸化物をシランカップリング剤やポリマーなど表面改質
処理剤によって表面改質し、その表面水酸基を化学的に
変換してより多機能な特性を付与することが知られてい
る。例えば、これらの無機酸化物は表面に水酸基を有す
るので通常は親水性を示すが、これらの無機酸化物微粉
末を適当なカップリング剤やポリマーを用いて表面処理
することによって疎水性に変換することが知られてい
る。無機酸化物微粉末を疎水化することによって、これ
らの無機酸化物微粉末を樹脂、例えばシリコーン樹脂や
エポキシ樹脂などに添加した場合、その分散性を高める
ことができ、また樹脂硬化物の機械強度を向上すること
ができる。さらに樹脂粉末の流動性を向上し、また水分
の吸着を妨げるなどの効果が得られる。
ルシラン系化合物やシリコーンオイルなどの高分子化合
物が一般に広く用いられている。シリコーンオイル系化
合物やシリコーンワニス系化合物を用いた例が特開昭6
2−171913号公報に記載されている。これらの処
理剤によればシリカ表面を十分に疎水化することがで
き、比表面積あたりの炭素含有量も高いものが得られる
が、これらの化合物は無機酸化物微粉末表面の水酸基と
化学的に十分結合しておらず、物理的吸着あるいは水素
結合などの物理的結合によって存在しているため不安定
であり、経時的に疎水性を失いやすいと云う欠点があ
る。
一般に知られているが、アミン系化合物やシリコーンオ
イル、シリコーンワニスなどは、既に述べたように無機
酸化物微粉末表面の水酸基と反応して結合しているわけ
ではなく、物理的な結合で無機酸化物微粉末表面の存在
しているため、無機酸化物微粉末表面には未反応の水酸
基が多く残存している。これらの水酸基は樹脂に混錬し
た際に粘度を上昇させたり、経時的に増粘性を高めるな
どの現象を引き起こす原因となる。
ーンオイルやシリコーンワニスなどの物理的な作用によ
る被覆処理とは異なり、無機酸化物表面の水酸基と化学
的に反応するため、残存する未反応の水酸基数が少な
い。ただし、このアルキルシラザン系化合物は無機酸化
物表面の水酸基と反応する際に副生成物としてアンモニ
アガスを生じる。通常、このアンモニアガスを完全に除
去することは困難であり、表面改賃無機酸化物表面に残
存している水酸基に作用して樹脂粘度の経時安定性に影
響を及ぽすという問題がある。更に、これらの残存アン
モニアはエポキシ樹脂やウレタン樹脂で硬化触媒として
作用するため硬化を不安定にする。また、液状シリコー
ンゴムのルイス酸を触媒とした硬化機構においてアンモ
ニアはルイス酸に作用するため必要触媒量が多くなり、
白金触媒を用いた硬化機構ではアンモニアが白金触媒の
触媒毒となるため白金触媒が過剰に必要となり、何れも
コスト高を招き、また硬化時間のコントロールも困難に
なると云う問題がある。
るアルキルシラザン系化合物は無機酸化物表面の水酸基
と化学的に結合するが、表面水酸基の数や疎水化基の立
体障害などの問題から、これまで知られている処理方法
では導入しうる疎水化剤量には限りがある。例えば、特
許第2886037号には水蒸気の存在下、150〜2
50℃の温度で無機酸化物微粉末にヘキサメチルジシラ
ザンを接触させ、粉末表面の水酸基と反応させて疎水化
し、反応後は未反応物や副生物を窒素ガスでパージする
方法が記載されている。
機酸化物微粉末を接触させる温度はヘキサメチルジシラ
ザンの沸点以上であることが好ましいとし、ヘキサメチ
ルジシラザンと無機酸化物微粉末との接触・混合工程、
ヘキサメチルジシラザンと無機酸化物微粉末との反応、
脱アンモニア工程を全てヘキサメチルジシラザンの沸点
以上で行うことが推奨されている。しかし、このように
反応触媒となる水蒸気下でヘキサメチルジシラザンが導
入されると直ちに水蒸気と反応して加水分解物を生成
し、この加水分解物はこの温度下で気化し、アンモニア
や未反応物と共にパージ除去される。従って、無機酸化
物微粉末表面に疎水化剤を導入するには効率的でなく、
炭素含有量の高いものを得ることはできない。
疎水化処理した無機酸化物微粉において、比表面積あた
りの疎水化剤の量が多く、しかもアンモニア残存量が少
ないものは従来の方法では満足なものが得られていな
い。本発明はこのような従来の問題を解決したものであ
り、比表面積あたり高い炭素含有量を有し、しかも残存
アンモニア量が非常に少なく、樹脂に添加したときに粘
性を低く維持することができる無機酸化物粉末からなる
樹脂用充填剤を提供するものである。
充填剤およびその製造方法が提供される。 (1)アルキルシラザン系化合物で疎水化処理された無
機酸化物微粉末からなり、比表面積(m2/g)に対する炭素
含有量(重量%)の比が0.02以上であって、残留アン
モニア量が25ppm以下であることを特徴とする樹脂用
充填剤。 (2)シリコーン樹脂に20重量%添加したときの比粘
度が4.0以下である上記(1)の樹脂用充填剤。 (3)無機酸化物微粉末100重量部に対してアルキル
シラザン系化合物5〜50重量部を添加し、水分の存在
下で反応させ、反応温度を300℃まで段階的に高め、
各段階の温度下に所定時間保持して反応させることによ
り、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量%)の比が
0.02以上であって、残留アンモニア量が25ppm以下
である疎水化処理された無機酸化物微粉末からなる樹脂
用充填剤を製造することを特徴とする方法。 (4)無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系化合物と
の反応温度を室温〜100℃に高めて表面処理反応を行
わせ、次いで反応温度を100℃以上〜150℃に昇温
して反応を進め、その後、更に170〜300℃まで昇
温して残留アンモニアを揮散させる上記(3)の製造方
法。
物による疎水化処理方法において、無機酸化物微粉末に
アルキルシラザン系化合物を導入して水分の存在下で反
応させ、この反応温度を段階的に高め、異なる温度領域
に所定時間保持して反応させる多段温度制御を行うこと
により、比表面積あたり高い炭素含有量を有し、しかも
残存アンモニア量が非常に少なく、樹脂に充填したとき
に低粘性を保つことできる優れた無機酸化物粉末からな
る樹脂用充填剤を得ることができる。
て具体的に説明する。 〔樹脂用充填剤〕本発明の樹脂用充填剤は、アルキルシ
ラザン系化合物で疎水化処理された無機酸化物微粉末か
らなり、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量%)の
比が0.02以上であって、残留アンモニア量が25ppm
以下、好ましくは15ppm以下であることを特徴とし、
好ましくは、シリコーン樹脂に20重量%添加したとき
の粘度が10Pa・s以下である樹脂用充填剤である。
カ、アルミナ、酸化チタンなどを用いることができ、ま
たアルミナコートシリカ、チタニアコートシリカ、アル
ミナコートシリカ、シリカーコートチタニアなどのよう
な異種無機酸化物コート無機酸化物、または異種無機酸
化物ドープ無機酸化物などを用いることができる。これ
らから選ばれる複数種でも良い。また、これらの無機酸
化物微粉末は湿式法、乾式法いずれの方法で合成された
もので良い。なお、乾式法で合成された無機酸化物につ
いては本発明の効果が顕著である。その例としては、ケ
イ素ハロゲン化合物の火炎加水分解によって生成された
シリカであって、比表面積が窒素吸着法(BET法)で40
0m2/g未満のいわゆるヒュームドシリカと称されるもの
が挙げられる。具体的には、AEROSIL50、90G、130、20
0、300、380、380S(以上、日本アエロジル社製品)、T
T600、0×50(以上、デグサヒュルス社製品)などの商
品名で市販されているものがある。
生成した酸化チタン〔商品名:P25(日本アエロジル社製
品)〕、同様の製法によるアルミナ〔商品名:AI203−C
(デグサヒュルス社製品)〕、アルミナ−シリカ混合物
〔商品名:MOX80、MOX170、COK84(以上デグサヒュルス
社製品)〕などが挙げられる。また、これらのシリカ、
アルミナ、酸化チタンの表面に異種無機酸化物をコーテ
ィングしたもの、あるいはドーピングしたものも用いる
ことができる。さらに、これらの複数種の混合物でも良
い。以上の無機酸化物微粉末の粒径は限定されない。
結合を有する有機ケイ素化合物であれば良い。なお、工
業的規模での使用、生産の観点からヘキサメチルジシラ
ザンが一般的である。
ザン系化合物で疎水化処理された無機酸化物微粉末であ
って、比表面積に対する炭素含有量の比〔炭素含有量/
比表面積〕が0.02以上のものである。この比(炭素含
有量/比表面積)は比表面積あたりの疎水化剤の存在量を
示している。アルキルシラザン系化合物は無機酸化物微
粉末表面の水酸基と反応するため、比表面積が大きいと
水酸基数と反応するアルキルシラザン系化合物の量が多
くなり粉末全体の炭素含有量が高くなる。従って、高い
疎水性や樹脂に添加した場合のレオロジー特性などを検
討する場合、単に炭素含有量のみを考慮しては不十分で
あり、単位表面積あたりの炭素含有量を検討する必要が
ある。本発明は〔炭素含有量/比表面積〕を指標とし、
この比を0.02以上とすることにより、高い疎水化処
理効果を確保している。この比が0.02より低いと樹
脂に添加した場合に樹脂との濡れ性が不良であり、樹脂
混合物の増粘性が高くなる。また樹脂混合物の粘度の経
時安定性が低下する。これは無機酸化物表面の疎水化剤
量が少なく、表面の水酸基がアルキルシラザン系化合物
によって十分に被覆されていないためと考えられる。
末は、さらに残留アンモニア量が25ppm以下のもので
ある。アンモニア残量は樹脂に添加した際の増粘性、粘
度の経時変化、硬化特性に影響を与える。本発明の疎水
化処理した無機酸化物微粉末のアンモニア残量は25pp
m以下、好ましくは15ppm以下であり、この範囲であれ
ば上記樹脂特性に実質的な影響を与えない。残存アンモ
ニア量が25ppmより多いと樹脂の増粘性や粘度の経時
変化に影響が見られる。
しくは、シリコーン樹脂に20重量%添加したときの比
粘度が4.0以下であり、充填剤を添加した樹脂組成物
の粘性を低く維持することができるものである。なお、
比粘度は充填剤を添加したときの粘度と充填剤を添加し
ないもとの樹脂粘度の比である。もとの樹脂粘度が13
000csであって充填剤を添加した粘度がN(Pa・s)であ
るとき、比粘度は〔N/13〕で表される。
機酸化物微粉末は、無機酸化物微粉末100重量部に対
してアルキルシラザン系化合物5〜50重量部を添加
し、水分の存在下で反応させ、反応温度を300℃、好
ましくは250℃まで段階的に高め、各段階の温度下に
所定時間保持して反応させることによって製造される。
機酸化物微粉末100重量部に対して5〜50重量部が
好ましい。アルキルシラザン系化合物が5重量部未満で
は疎水化処理が不十分になる。一方、この化合物を50
重量部より多く用いても、その効果は飽和するので経済
的でなく、また生成するアンモニア量も多くなり、アン
モニアを除去するのが困難になる。
合物とを水の存在下で反応させる。水分を導入せずに反
応させるとシリカとアルキルシラザン系化合物との反応
性が低いために炭素含有量を高めることが難しい。水分
の添加方法は、例えば、シリカ微粉末に水分を直接噴霧
し、あるいは水蒸気を導入するなど適宜な方法を用いる
ことができる。アルキルシラザン系化合物と同時に水分
を導入してもよいが、より高い炭素含有量を得るために
はアルキルシラザン系化合物を添加する前に水分を導入
した方が良い。添加する水分量は特に制限されないが、
比表面積当りの炭素含有量が高いものを得るには無機酸
化物100重量部に対して0.5重量部以上であること
が好ましい。これ以下の添加量でも良いが生産性が低
い。
合物の反応操作は一般的な方法によることができる。反
応装置はバッチ式でも連続式でもく、流動床式でも固定
床式でも良い。例えば、ヘンシェルミキサーなどに代表
される攪拌手段を備えた容器にシリカ微粉末を入れ、窒
素雰囲気下で攪拌し、アルキルシラザン系化合物を噴霧
し、あるいは気化したアルキルシラザン系化合物を導入
し、シリカ微粉末と混合し、加熱して反応させる、ある
いは流動床型反応器にシリカ微粉末を装入し、アルキル
シラザン系化合物を気化させてシリカ微粉末と混合した
後に加熱し反応させる。
合物との反応は反応温度を段階的に高めて行うと良い。
具体的には、例えば、反応温度を室温〜100℃に高め
て表面処理反応を行わせ、次いで反応温度を100℃以
上〜150℃に昇温して表面処理反応を進め、その後、
更に170〜300℃、好ましくは250℃まで昇温し
て残留アンモニアを揮散させる。このようにアルキルシ
ラザン系化合物を無機酸化物微粉末に添加して接触混合
する第一段階の温度は100℃以下が良く、第二段階の
反応温度は150℃以下が好ましい。こらの温度が上記
範囲を超えると炭素含有量を高めることが難しくなる。
残留アンモニアを揮散させる第三段階の温度は170〜
300℃、好ましくは170〜250℃が適当である。
170℃未満ではアンモニアの除去が効率的ではなく、
除去時間が大幅にかかり生産性が低くなる。また300
℃を超えると導入基の分解が起り始める。また、この段
階で窒素やヘリウム等の置換ガスを導入し、アンモニア
ガスを系外に追い出すのが好ましい。
時間は、第一段階の保持時間T1、第二段階の保持時間
T2、第三段階の保持時間T3とするとき、T1≧T2>T
3であるのが好ましい。第一段階と第二段階はアルキル
シラザン系化合物と無機酸化物微粉末との反応を進める
ために保持時間は長い方が良い。十分に反応を行えるた
め単位面積当たりの炭素含有量を多くすることが出来
る。第一段階の時間を長く保持する(T1≧T2)ことに
より、アルキルシラザン系化合物が十分に混合され、無
機酸化物微粉末表面に分散されて反応が進むので、単位
面積あたりの炭素含有量を多くすることができる。第三
段階の時間は相対的に短くてよい(T2>T3)。これは
第二段階でもアンモニアが生成して揮散しているので、
第三段階では残存している微量のアンモニアを除去すれ
ば良いからである。第三段階の時間が長いと導入した炭
素分が分解して無機酸化物微粉末表面の炭素量が減少す
る場合がある。
す。なお、疎水化無機酸化物微粉末の炭素含有量の測定
はホリバ社製装置(EMIA−110)を用いて測定した。比
表面積は窒素ガス吸着BET法(1点法)で測定した値であ
る。アンモニアの測定は規格(JIS K7237)を参考にした
過塩素酸による電位差滴定法によって行った。この方法
は疎水化処理した無機酸化物微粉末を酢酸とクロロホル
ムの混合溶液に分散し、マグネテックスターラで攪拌し
ながら、この懸濁液に過塩素酸と酢酸の混合溶液を滴下
し、その電位変化から当量点(終点)を求める方法であ
り、具体的には以下のようにして残留アンモニア量を求
めた。
を酢酸クロロホルム混合溶液(酢酸2:クロロホルム1)40
0mlに入れ、回転子を入れて攪拌する。電位差自動滴定
装置(京都電子工業社製品:AT−310J)を用い、この懸
濁液を0.01N過塩素酸と酢酸の混合溶液で滴定し、
N(ppm)=[f・L・140]/W の式に従って残留アン
モニア量を算出した。ここで、N(ppm)は残留アンモニ
ア量(窒素量換算)、fは0.01N過塩素酸と酢酸の
混合溶液の係数、Lは当量点までに要した過塩素酸酢酸
混合溶液の量、Wは無機酸化物粉末の量である。
ン樹脂(両末端OH基ジメチルシリコーン:13000cs)
に20重量%添加し、プラネタリーミキサを用い500
rpmで30分間真空混錬を行い、混合物の粘度をE型粘
度計で測定した。またこの混合物を40℃に保管して経
時変化を調べた。さらに、このシリコーン樹脂混合物1
00重量部にジブチル錫ジラウレート0.1重量部を添
加し、プラネタリーミキサを用い500rpmで5分真空
混錬を行い、その混練物の硬化性を評価した。
シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら
系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加
した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを70℃で噴
霧した。次に、100℃まで昇温して5分間保持した。
さらに200℃まで昇温してアンモニアや未反応物など
を除去して疎水化無機酸化物微粉末Aを得た。この粉末
について各測定値を表1に示した。
シリカ5kgを流動床型反応容器に入れ、反応容器下部よ
り窒素を導入して系内を置換した。ここに水蒸気を10
分間で100g導入した。この容器内の温度は95℃で
あった。次に、ヘキサメチルジシラザン2.0kgを気化
させて反応容器内に導入した。この反応容器を140℃
まで昇温し、10分間保持した。さらに250℃まで昇
温してアンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機
酸化物微粉末Bを得た。この粉末について各測定値を表
1に示した。
リカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら系
内を窒素で置換した。これに水30gを噴霧して添加し
た後、ヘキサメチルジシラザン0.25kgを40℃で噴
霧した。次に、100℃まで昇温して30分間保持し
た。さらに200℃まで昇温してアンモニアや未反応物
などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Cを得た。この
粉末について各測定値を表1に示した。
シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら
系内を窒素で置換した。これに水200gを噴霧して添
加した後、ヘキサメチルシクロトリシラザン2.5kgを
60℃で噴霧した。次に、80℃まで昇温して60分間
保持した。さらに250℃まで昇温してアンモニアや未
反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Dを得
た。この粉末について各測定値を表1に示した。
アルミナ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しなが
ら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添
加した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを60℃で
噴霧した。次に、100℃まで昇温して20分間保持し
た。さらに、200℃まで昇温してアンモニアや未反応
物などを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Eを得た。こ
の粉末について各測定値を表1に示した。
シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら
系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加
した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを40℃で噴
霧した。次に200℃まで昇温して5分保持し、その後
アンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物
微粉末Fを得た。この粉末について各測定値を表1に示
した。
シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しながら
系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して添加
した後、ヘキサメチルジシラザン1.5kgを70℃で噴
霧した.次に、100℃まで昇温して5分間保持した。
さらに、260℃まで昇温してアンモニアや未反応物な
どを除去し、疎水化無機酸化物微粉末Gを得た。この粉
末について各測定値を表1に示した。
シリカ5kgを流動床型反応容器に入れ、反応容器下部よ
り窒素を導入して系内を置換した。反応容器内を200
℃に保持し、ここに水蒸気を10分間で100g、ヘキ
サメチルジシラザンを10分間で2.0kg導入した。ア
ンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸化物微
粉末Hを得た。この粉末について各測定値を表1に示し
た。
で処理した比表面積260m2/g、炭素量1.6wt%の煙
霧質シリカ5kgを攪拌羽付き混合容器に入れ、攪拌しな
がら系内を窒素で置換した。これに水50gを噴霧して
添加した後、ヘキサメチルジシラザン1.0kgを40℃
で噴霧した。次に200℃まで昇温して5分間保持し
た。アンモニアや未反応物などを除去し、疎水化無機酸
化物微粉末Iを得た。この粉末について各測定値を表1
に示した。
シリカ5kgを流動床型反応容器に入れ、反応容器下部よ
り窒素を導入して系内を置換した。これにジメチルシリ
コーン(KF96100cs)2.5kgを噴霧し、350℃まで昇温
して30分間保持し、疎水化無機酸化物微粉末Jを得
た。この粉末について各測定値を表1に示した。
化物微粉末からなる樹脂用充填剤は炭素含有量/比表面
積の値が何れも0.02以上であり、残留アンモニア量
が24ppm以下、好ましくは15ppm以下(実施例1、3〜
5)である。従って、これを添加したシリコーン樹脂の
比粘度は4.0以下であり、その経時変化も少ない。ま
たシリコーン樹脂の硬化性も良好である。一方、比較例
1、3、4は残留アンモニア量が少ないが、炭素含有量/
比表面積の値が小さいためにシリコーン樹脂の粘度が不
良である。比較例2は残留アンモニア量が多く、シリコ
ン樹脂の粘度の経時安定性および硬化性が不良である。
比較例5は疎水化剤としてジメチルシリコーンを用いて
おり、この無機酸化物微粉末を添加したシリコーン樹脂
の粘度の経時安定性および硬化性が著しく劣る。
れた無機酸化物微粉末の〔炭素含有量/比表面積〕の値
が大きく、しかも残留アンモニア量が少ない。従って、
樹脂に添加した場合、樹脂混合物の粘性を低く保つこと
ができる。また、アルキルシラザン系化合物によって処
理されているのでその経時安定性に優れる。
Claims (4)
- 【請求項1】 アルキルシラザン系化合物で疎水化処理
された無機酸化物微粉末からなり、比表面積(m2/g)に対
する炭素含有量(重量%)の比が0.02以上であって、
残留アンモニア量が25ppm以下であることを特徴とす
る樹脂用充填剤。 - 【請求項2】 シリコーン樹脂に20重量%添加したと
きの比粘度が4.0以下である請求項1の樹脂用充填
剤。 - 【請求項3】 無機酸化物微粉末100重量部に対して
アルキルシラザン系化合物5〜50重量部を添加し、水
分の存在下で反応させ、反応温度を300℃まで段階的
に高め、各段階の温度下に所定時間保持して反応させる
ことにより、比表面積(m2/g)に対する炭素含有量(重量
%)の比が0.02以上であって、残留アンモニア量が2
5ppm以下である疎水化処理された無機酸化物微粉末か
らなる樹脂用充填剤を製造することを特徴とする方法。 - 【請求項4】 無機酸化物微粉末とアルキルシラザン系
化合物との反応温度を室温〜100℃に高めて表面処理
反応を行わせ、次いで反応温度を100℃以上〜150
℃に昇温して反応を進め、その後、更に170〜300
℃まで昇温して残留アンモニアを揮散させる請求項3の
製造方法。
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