JP2003192395A - ガラス繊維用帯電防止剤 - Google Patents

ガラス繊維用帯電防止剤

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JP2003192395A
JP2003192395A JP2001393831A JP2001393831A JP2003192395A JP 2003192395 A JP2003192395 A JP 2003192395A JP 2001393831 A JP2001393831 A JP 2001393831A JP 2001393831 A JP2001393831 A JP 2001393831A JP 2003192395 A JP2003192395 A JP 2003192395A
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glass
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Yasuhiro Tsushima
康宏 津島
Hiroaki Shirai
博明 白井
Noriko Watanabe
紀子 渡邉
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた抗菌作用を有し、皮膚や粘膜への刺激
性が少なく、生分解性が良好であり、大きな帯電防止効
果を有するガラス繊維用帯電防止剤を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(1)で表わされるガラス
繊維用帯電防止剤。 【図1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4の
アルキル基を表わし、R 3はメチル基、ベンジル基又は
−(R5−O)a−Yで表わされる基を表わし、R4は−
(R5−O)a−COR6で表わされる基を表わし、Yは
水素原子又は−COR6で表わされる基を表わし、R5
炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、aは1〜5の数
を表わし、R6はアルキル基又はアルケニル基を表わ
し、Xはアニオン性原子又はアニオン性基を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス繊維用帯電
防止剤及びガラス繊維用集束剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維は、繊維補強樹脂(FRP)
や繊維補強セメント製品を製造する際の補強用繊維等と
して広く使用されている。ブッシング(溶融ガラスの紡
糸用口金)から引き出したガラスフィラメント(ガラス
単繊維)に集束剤を塗布して所定本数集束して、巻き取
られたガラスストランド(ガラス繊維束)は、加熱乾燥
された後、ロービング(ガラスストランドを円筒状に巻
き取ったもの)、チョップドストランド(ガラスストラ
ンドを所定の長さに切断したもの)、チョップドストラ
ンドマット(チョップドストランドを積層してマット状
に成形したもの)等のガラス繊維製品に加工される。
【0003】ガラス繊維の製造では、静電気が発生しや
すく、作業の障害となることがある。例えば、ガラスス
トランドの切断工程で発生する静電気は、カッターへの
切断物の付着や短時間での切断性能の低下等の原因とな
る。このため、従来より静電気の発生を防止する目的
で、集束剤中に帯電防止剤を添加したり、ガラスストラ
ンドを作製してから切断するまでの間に、帯電防止剤を
塗布する方法が採られている。このような集束剤又は帯
電防止剤は、通常、水性液体として、噴霧、浸漬、ロー
ルコーターによる塗布等の方法によりガラスストランド
に塗布されるが、ガラスストランドは高速度で製造され
るため、塗布工程及び塗布から乾燥までの工程で、周囲
に飛散する集束剤又は帯電防止剤も多い。このようなガ
ラス繊維用帯電防止剤としては、アルキルトリメチルア
ンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニム塩、
アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級ア
ンモニウム塩が用いられている(特公昭62−4287
0号公報、特許第2563824号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の第4級アンモニウム塩は、皮膚や粘膜への刺激性
が大きい、生分解性の悪い等の欠点があり、飛散した帯
電防止剤により作業員の皮膚のかぶれを引き起こした
り、河川等の自然界に放出された場合、ほとんど生分解
されずに残存するため環境に対する負荷が大きいことが
問題となっている。以上の問題点に鑑み、皮膚や粘膜へ
の刺激性が少なく、生分解性が良好なガラス繊維用帯電
防止剤の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を重ねた結果、エステル基を有する第
4級アンモニウム塩が、皮膚や粘膜への刺激性が少な
く、生分解性が良好であり、ガラス繊維用帯電防止剤と
して大きな帯電防止効果を有することを見出し、本発明
を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記の一
般式(1)
【0006】
【図1】
【0007】(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭
素数1〜4のアルキル基を表わし、R 3はメチル基、ベ
ンジル基又は−(R5−O)a−Yで表わされる基を表わ
し、R4は−(R5−O)a−COR6で表わされる基を表
わし、Yは水素原子又は−COR6で表わされる基を表
わし、R5は炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、a
は1〜5の数を表わし、R6はアルキル基又はアルケニ
ル基を表わし、Xはアニオン性原子又はアニオン性基を
表わす。)で表わされるガラス繊維用帯電防止剤であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)において、
1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル
基を表わす。炭素数1〜4のアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、2級ブチル、ターシャリブチルが挙げ
られ、中でも、直鎖のアルキル基が好ましく、メチル基
又はエチル基が更に好ましく、メチル基が最も好まし
い。また、一般式(1)において、R3はメチル基、ベ
ンジル基又は−(R5−O)a−Yで表わされる基を表わ
し、R4は−(R5−O)a−COR6で表わされる基を表
わす。
【0009】−(R5−O)a−Yで表わされる基におい
て、R5は炭素数2〜4のアルキレン基を表わす。炭素
数2〜4のアルキレン基としては、例えば、エチレン、
プロピレン、ブチレン等が挙げられ、エチレン基の場合
に最も生分解性が良く好ましい。aは1〜5の数であ
り、本発明の帯電防止剤の生分解性の点からは、aは1
〜3が好ましく、1〜2が更に好ましいが、皮膚や粘膜
への刺激性の点からは、aは2〜5が好ましい。Yは水
素原子又は−COR6で表わされる基を表わし、R6はア
ルキル基又はアルケニル基を表わす。本発明の帯電防止
剤をFRP用のガラス繊維に用いる場合には、樹脂との
相溶性が向上しFRP成形品の耐水性(耐煮沸性)が向
上することから、R6は炭素数6〜24のアルキル基又
はアルケニル基が好ましく、炭素数7〜20のアルキル
基又はアルケニル基が更に好ましく、炭素数8〜17の
アルキル基が最も好ましい。また、R6は直鎖でも分枝
でも良いが、帯電防止効果の点からは、特に、直鎖が好
ましい。
【0010】本発明のガラス繊維用の帯電防止剤が、特
に高い帯電防止性を発揮する構造としては、例えば、
(a)R1及びR2が、それぞれ独立してメチル基又はエ
チル基であり、R3がメチル基であり、R4が−CH2
2OCOR6で表わされる基であり、且つ、R6が炭素
数6〜24の直鎖アルキル基若しくはアルケニル基であ
る場合;及び、(b)R1及びR2がメチル基であり、R
3がベンジル基であり、R4が−CH2CH2OCOR6
表わされる基であり、且つ、R6が炭素数6〜24の直
鎖アルキル基若しくはアルケニル基である場合を挙げる
ことができる。
【0011】R6は通常、R6COOHで表わされる脂肪
酸からカルボキシル基を除いた残基でもある。このよう
な脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタ
ン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカ
ン酸、イソデカン酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、10−ウンデセン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタ
ン酸、リグノセリン酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、ガドレン酸、エルカ酸、セラコ
レイン酸、リシノレイン酸、ヒドロキシステアリン酸等
が挙げられる。また、天然油脂から得られる脂肪酸又は
その水添脂肪酸若しくは部分水添脂肪酸であってもよ
い。天然油脂としては、例えば、アマニ油、エノ油、オ
イチシカ油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カ
ラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナッ
ト油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン
油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひま
わり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油等の植物性
油脂;馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊
脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
【0012】一般式(1)で表される化合物は、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタ
ノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エ
チルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミ
ン、N−プロピルエタノールアミン、N−プロピルジエ
タノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、
N−イソプロピルジエタノールアミン、N−ブチルエタ
ノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N、N
−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノ
ールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、
N,N−ジブチルエタノールアミン、N−ベンジルエタ
ノールアミン、N−ベンジルジエタノールアミン、モノ
プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−
ベンジルイソプロパノールアミン、N−ベンジルジイソ
プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノ
ールアミン等のアルカノールアミン又はそのアルキレン
オキサイド付加物と、脂肪酸若しくは脂肪酸クロライド
とをエステル化反応させた後に、4級化すれば得ること
ができる。
【0013】一般式(1)において、Xはアニオン性原
子又はアニオン性基を表わす。アニオン性原子又はアニ
オン性基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、よう
素原子等のハロゲン原子;メチル硫酸基、エチル硫酸
基、ジメチルリン酸基、ジエチルリン酸基、硝酸基(N
3)、過塩素酸基(ClO4)、水酸基等が挙げられ
る。一般式(1)で表される化合物におけるXは、製造
時に用いられる4級化剤に対応して決定される。4級化
剤としては、例えば、塩化メチル、塩化ベンジル、臭化
メチル、臭化ベンジル、臭化シクロヘキシル、硫酸ジメ
チル、硫酸ジエチル、リン酸トリメチル、エチレンクロ
ルヒドリン、プロピレンクロルヒドリン、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。一般式
(1)で表わされる化合物におけるXは、製造に用いら
れる4級化剤により決定されるが、公知の方法により塩
交換して、製造時とは異なるアニオン性原子若しくはア
ニオン性基にすることもできる。
【0014】本発明の(1)で表される化合物の中で
も、特に好ましい化合物としては、例えば、N−ヘキサ
ノイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニ
ウム塩、N−オクタノイルオキシエチル−N,N,N−
トリメチルアンモニウム塩、N−デカノイルオキシエチ
ル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ドデ
カノイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモ
ニウム塩、N−テトラデカノイルオキシエチル−N,
N,N−トリメチルアンモニウム塩、N−ヘキサデカノ
イルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウ
ム塩、N−オクタデカノイルオキシエチル−N,N,N
−トリメチルアンモニウム塩、N−エイコサノイルオキ
シエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム塩等の
N−アルキロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチ
ルアンモニウム塩;
【0015】N−ヘキサノイルオキシエチル−N−エチ
ル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−オクタノイ
ルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモ
ニウム塩、N−デカノイルオキシエチル−N−エチル−
N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−ドデカノイルオ
キシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウ
ム塩、N−テトラデカノイルオキシエチル−N−エチル
−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−ヘキサデカノ
イルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアン
モニウム塩、N−オクタデカノイルオキシエチル−N−
エチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−エイコ
サノイルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチル
アンモニウム塩、N−エイコサノイルオキシエチル−N
−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等のN−ア
ルキロイルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチ
ルアンモニウム塩;
【0016】N−ヘキサノイルオキシエチル−N,N−
ジエチル−N−メチルアンモニウム塩、N−オクタノイ
ルオキシエチル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモ
ニウム塩、N−デカノイルオキシエチル−N,N−ジエ
チル−N−メチルアンモニウム塩、N−ドデカノイルオ
キシエチル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウ
ム塩、N−テトラデカノイルオキシエチル−N,N−ジ
エチル−N−メチルアンモニウム塩、N−ヘキサデカノ
イルオキシエチル−N,N−ジエチル−N−メチルアン
モニウム塩、N−オクタデカノイルオキシエチル−N,
N−ジエチル−N−メチルアンモニウム塩、N−エイコ
サノイルオキシエチル−N,N−ジエチル−N−メチル
アンモニウム塩、N−エイコサノイルオキシエチル−
N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム塩等のN−
アルキロイルオキシエチル−N,N−ジエチル−N−ジ
メチルアンモニウム塩;
【0017】N−ヘキサノイルオキシエチル−N−ベン
ジル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−オクタノ
イルオキシエチル−N−ベンジル−N,N−ジメチルア
ンモニウム塩、N−デカノイルオキシエチル−N−ベン
ジル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−ドデカノ
イルオキシエチル−N−ベンジル−N,N−ジメチルア
ンモニウム塩、N−テトラデカノイルオキシエチル−N
−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、N−ヘ
キサデカノイルオキシエチル−N−ベンジル−N,N−
ジメチルアンモニウム塩、N−オクタデカノイルオキシ
エチル−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム
塩、N−エイコサノイルオキシエチル−N−ベンジル−
N,N−ジメチルアンモニウム塩等のN−アルキロイル
オキシエチル−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモ
ニウム塩等が挙げられる。
【0018】本発明のガラス繊維用帯電防止剤は、集束
剤に配合して使用してもよいし、ガラスストランドに直
接塗布して使用してもよく、いずれの場合においても、
ガラスストランドに優れた帯電防止性を付与することが
できる。
【0019】本発明のガラス繊維用帯電防止剤を集束剤
に添加して使用する場合、集束剤は特に限定されず、ガ
ラス繊維の種類及びその用途に応じて常用の集束剤を使
用してよい。集束剤は、通常、デンプン系、セルロース
系、合成樹脂エマルジョン系等の被膜形成剤を、1〜2
0質量%含有する水性液体である。本発明のガラス繊維
用帯電防止剤を集束剤に添加して使用する場合、被膜形
成剤の有効成分100質量部に対して0.5〜15質量
部となるように添加することが好ましく、1〜10質量
部となるように添加することが更に好ましい。帯電防止
剤の添加量が、0.5質量部未満では帯電防止効果が十
分発揮できない場合があり、15質量部を超える場合に
は、それ以上の帯電防止効果が期待できないばかりでな
く、ガラスストランドの集束性が低下する場合があるか
らである。
【0020】本発明のガラス繊維用帯電防止剤を配合す
る集束剤の被膜形成剤としては、帯電防止効果の点か
ら、合成樹脂エマルジョン系被膜形成剤が好ましい。合
成樹脂エマルジョン系被膜形成剤としては、例えば、ポ
リ酢酸ビニルエマルジョン、酢酸ビニル/(メタ)アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン、エチレン/酢酸
ビニル共重合体エマルジョン、ポリ(メタ)アクリル酸
エステルエマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ウ
レタン樹脂エマルジョン等が挙げられるが、特に、ポリ
酢酸ビニルエマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン及
びウレタン樹脂エマルジョンが好ましく、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョンが最も好ましい。
【0021】ガラス繊維の集束剤被着量は、集束剤の固
形分として、通常0.2〜5質量%程度であり、0.5
〜2質量%が更に好ましい。集束剤が塗布されたガラス
ストランドは、巻き取られた後、通常、加熱炉中で10
0〜150℃で2〜24時間程度、加熱乾燥された後、
種々のガラス繊維製品に加工される。
【0022】本発明のガラス繊維用帯電防止剤を集束剤
に添加して使用する場合、他の添加剤を含有していても
良い。このような他の成分としては、シランカッップリ
ング剤、潤滑剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0023】シランカップリング剤として、例えば、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリス−β−メトキシエ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系
シラン;アミノメチルトリエトキシシラン、アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジアミノプロピルジエトキシ
シラン、トリアミノプロピルエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シラン;γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタ
クリロキシ系シラン;β−3,4−エポキシシクロヘキ
シルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シラン;γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系
シラン等が挙げられる。シランカップリング剤の配合量
は、集束剤中の被膜形成剤の有効成分100質量部に対
して0.2〜20質量部程度である。
【0024】潤滑剤としては、例えば、パラフィンワッ
クス等の脂肪族炭化水素;ラウリルアルコール、パルミ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アル
コール;パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等の
脂肪族アミド;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オク
チル、脂肪酸トリグリセライド等の脂肪酸エステル等が
挙げられる。潤滑剤の配合量は、集束剤中の被膜形成剤
の有効成分100質量部に対して0.5〜10質量部程
度である。
【0025】界面活性剤としては、ポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールプロピレ
ンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレ
ンオイサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル又はそ
のエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステ
ル又はそのエチレンオキサイド付加物、アルキルポリグ
ルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそ
のエチレンオイサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレー
ト、トリエチレンペンタミン等のポリアミンの部分脂肪
酸アミドの弱酸塩等が挙げられる。なお、これらの界面
活性剤のなかには、潤滑剤や帯電防止剤として作用する
ものもある。界面活性剤の配合量は、集束剤中の被膜形
成剤の有効成分100質量部に対して0.2〜20質量
部程度である。
【0026】本発明のガラス繊維用帯電防止剤を集束剤
に配合せずに、ガラスストランドに直接塗布する場合、
帯電防止剤を塗布する工程は、ガラスストランドに集束
剤を塗布した後であることが好ましく、ガラスストラン
ドの乾燥後でガラスストランドの切断前であることが更
に好ましい。この場合、帯電防止剤を1〜15質量%の
水溶液又は水分散液として塗布することが好ましい。ガ
ラスストランドの帯電防止剤被着量は、ガラスストラン
ドに対して0.01〜1質量%であることが好ましい。
また、この帯電防止剤の水溶液若しは水分散液は、前記
潤滑剤及び/又は界面活性剤が配合されていてもよい。
帯電防止剤の水溶液若しは水分散液が塗布されたガラス
ストランドは、巻き取ってロービングにした後に、30
〜100℃で加熱乾燥することが好ましく、加熱乾燥温
度は50〜80℃がさらに好ましい。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。尚、以下の実施例中、「%」は特に記載のない限り
質量基準である。試験には、以下の表1に示す本発明品
1〜7及び比較品1〜3のカチオン化合物を用いた。
【0028】
【表1】表1 *表中、Bzはベンジル基を示す。
【0029】<生分解性評価試験>河川水1Lをガラス
瓶にとり、本発明品又は比較品の帯電防止剤をそれぞれ
10mg/Lとなるように溶解させた後、2週間攪拌し
た。溶解直後及び2週間攪拌後の帯電防止剤の濃度を下
記条件による液体クロマトグラフィーで測定し、その減
少率より生分解率を求めた。 [液体クロマトグラフィー測定条件] カラム:旭化成製、商品名Asahipac GS−2
20 検出器:UV検出器、検出波長220nm 溶離液:アセトニトリル40%水溶液 生分解率(%)=100×B/A A;溶解直後の帯電防止剤量 B;2週間攪拌後の帯電防止剤量
【0030】<タンパク変性試験>皮膚又は粘膜に対す
る刺激性を評価するために、宮澤らの方法(日本化粧品
技術者会誌18(2),96-105(1984))に準じ、以下の方法に
てタンパク変性試験を行った。すなわち、硫酸ナトリウ
ム0.15mol/L及びpH7緩衝液としてリン酸ナ
トリウム0.05mol/Lを含む水溶液に、更に卵白
アルブミン(和光純薬社製)を0.025%溶解させた
溶液10mLに、本発明品又は比較品1mgを混合し
た。この溶液の調製直後及び25℃で48時間放置後に
ついて、下記条件による液体クロマトグラフィーを用い
て卵白アルブミン量の定量することによりタンパク変性
率を求めた。 [液体クロマトグラフィー測定条件] カラム:東ソー社製、商品名G−3000 検出器:UV検出器、検出波長220nm 溶離液:硫酸ナトリウム0.15mol/L及びリン酸
ナトリウム0.05mol/Lを含む水溶液 タンパク変性率(%)=100×B/A A;調製直後の卵白アルブミン量 B;48時間放置後の卵白アルブミン量
【0031】
【表2】表2
【0032】<帯電防止性試験>以下に示す配合にて、
実施例1〜7及び比較例1〜3のガラス繊維用集束剤を
調製した。また、帯電防止剤未配合の集束剤を比較例4
とした。これら集束剤を用いて、下記の方法にて、印加
帯電性試験及び切断帯電性試験を評価した。結果を表3
に示す。 [集束剤の配合] 本発明品若しくは比較品の帯電防止剤 0.1% ポリ酢酸ビニルエマルジョン(固形分50%) 15.0% γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.2% 脱イオン水 84.7% [試験用ガラスストランドの調製]Eガラスフィラメン
ト(直径10μm)を200本集束したガラスストラン
ドに、実施例1〜7又は比較例1〜4のガラス繊維用集
束剤を、ガラスストランドに対して固形分1.5%とな
るように塗布した後、120℃で8時間加熱乾燥して、
試験用ガラスストランドを調製した。
【0033】[印加帯電性試験]各試験用ガラスストラン
ドについて、静電気測定機(スタティックオネストメー
ター)を使用し、印加電圧は8kV、温度25℃、湿度
50%の条件下における帯電圧及び半減期を測定した。 [切断帯電性試験]各試験用ガラスストランドを切断速度
600m/分で、25mmに切断しながら、静電気測定
機で耐電圧を測定した。
【0034】
【表3】表3
【0035】
【発明の効果】本発明の効果は、皮膚や粘膜への刺激性
が少なく、生分解性が良好であり、大きな帯電防止効果
を有するガラス繊維用帯電防止剤を提供したことにあ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【図1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜4の
    アルキル基を表わし、R 3はメチル基、ベンジル基又は
    −(R5−O)a−Yで表わされる基を表わし、R4は−
    (R5−O)a−COR6で表わされる基を表わし、Yは
    水素原子又は−COR6で表わされる基を表わし、R5
    炭素数2〜4のアルキレン基を表わし、aは1〜5の数
    を表わし、R6はアルキル基又はアルケニル基を表わ
    し、Xはアニオン性原子又はアニオン性基を表わす。)
    で表わされるガラス繊維用帯電防止剤。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、R1及びR2がそ
    れぞれ独立してメチル基又はエチル基であり、R3がメ
    チル基であり、R4が−CH2CH2O−COR6で表わさ
    れる基であり、且つR6が炭素数6〜24のアルキル基
    又はアルケニル基である、請求項1に記載のガラス繊維
    用帯電防止剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、R1及びR2がメ
    チル基であり、R3がベンジル基であり、R4が−CH2
    CH2O−COR6で表わされる基であり、且つR 6が炭
    素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基である請求
    項1又は2に記載のガラス繊維用帯電防止剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載のガラス繊維用帯電
    防止剤を含有することを特徴とするガラス繊維用集束
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009506218A (ja) * 2005-08-31 2009-02-12 カストロール リミテッド アルコキシシランコーチング

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JP2009506218A (ja) * 2005-08-31 2009-02-12 カストロール リミテッド アルコキシシランコーチング

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