JP2003192322A - 二酸化炭素分解装置 - Google Patents

二酸化炭素分解装置

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JP2003192322A
JP2003192322A JP2001393195A JP2001393195A JP2003192322A JP 2003192322 A JP2003192322 A JP 2003192322A JP 2001393195 A JP2001393195 A JP 2001393195A JP 2001393195 A JP2001393195 A JP 2001393195A JP 2003192322 A JP2003192322 A JP 2003192322A
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electrode
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Kinzo Ri
勤三 李
Seiji Okada
誠二 岡田
Taizo Kato
泰三 加藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 二酸化炭素を効率よく無害化処理(分解
処理)できる二酸化炭素分解装置を提供することであ
る。 【解決手段】 二酸化炭素を分解して、この二酸化炭素
から炭素を取り出すのに用いられる装置であって、酸素
をイオン化する機能を備えた多孔質状のイオン化触媒層
3と、このイオン化触媒層3に接して、第1の電極2と
は逆側に設けられた、酸化ジルコニウム系のセラミック
材料からなる多孔質状の二酸化炭素捕獲層4と、この二
酸化炭素捕獲層4との間に、二酸化炭素を流入させるた
めの空隙5aが形成されるよう設けられた第1の支持体
5と、酸素イオン透過層1の他面側に設けられた、水素
をイオン化する機能を備えた多孔質状の第2の電極6
と、この第2の電極6との間に、水素を流入させるため
の空隙7aが形成されるよう設けられた第2の支持体7
とを具備してなる二酸化炭素分解装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二酸化炭素の分解、
特に電力を発生させながら同時に二酸化炭素を分解でき
る装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】現在、石油(化石燃
料)の消費量は増大の一途をたどっており、これに付随
して大気中の二酸化炭素濃度も年々急速に高まってい
る。この二酸化炭素濃度の上昇は、地球温暖化現象の主
たる要因と考えられており、その対策が急がれている
が、抜本的な解決策は見出されていない。
【0003】更に詳しく言うと、大気中から二酸化炭素
を除去すること自体は比較的容易である。だがこの大気
中から抽出した二酸化炭素を、再び環境に悪影響を及ぼ
さないような形で処分(無害化処理)することは非常に
難しい。いま提案されている処分方法の一例としては、
二酸化炭素を固体化つまりドライアイスにして深海に投
棄するものや、二酸化炭素を水素と結合させてアルコー
ルなどの有用な炭化水素に変換するものなどがある。
【0004】だが、いずれの方法を以ってしても、二酸
化炭素の無害化処理には膨大なエネルギーの投入が不可
欠であって、処理コストが非常に高くついてしまい、効
率がよくない。その上、エネルギー消費を伴うというこ
とは、とりもなおさず新たな二酸化炭素の排出を意味す
るので、こうした方法は、抜本的な解決策とはなり得な
い。
【0005】したがって本発明が解決しようとする課題
は、膨大なエネルギーを投入することなく、二酸化炭素
を効率よく無害化処理(分解処理)できる二酸化炭素分
解装置を提供することである。ことに、僅かなエネルギ
ーを投入するだけで、あるいは逆に有用なエネルギー
(電力)を創出しながら、二酸化炭素を効率よく無害化
処理(分解処理)できる二酸化炭素分解装置を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】こうした課題を解決する
べく研究を推し進める過程で本発明者は、二酸化炭素の
分解処理を、燃料電池、なかでも作動温度が700℃程
度と、かなりの高温である固体酸化物型燃料電池の反応
プロセスを利用して実施できないであろうかと考えた。
【0007】周知のとおり固体酸化物型燃料電池は、一
般に、活物質である水素および酸素を、電解質層(酸素
イオン透過層)を介して反応させて電子の流れを創り出
し、電力を発生させる仕組みとなっている。本発明者
は、この反応で消費される酸素(酸素原子)として、炭
素原子と共同で二酸化炭素分子を構成しているものを利
用することを思いついた。
【0008】すなわち、上記活物質として水素および二
酸化炭素を供給し、この二酸化炭素から得た酸素を水素
と反応させれば、電力を創出しながら同時に二酸化炭素
を分解して、そこから炭素を取り出すことが可能とな
る。そしてこの結果、膨大なエネルギーを投入すること
なく、二酸化炭素を効率よく無害化処理(分解処理)で
きるようになる。更に詳しく言うと、上記手法を用いれ
ば、ごく僅かなエネルギーを投入するだけで、あるいは
逆に有用なエネルギー(電力)を創出しながら、二酸化
炭素をそれが再び環境に悪影響を与えないように効率よ
く無害化処理(分解処理)できるようになる。
【0009】しかしながら、このような機能を備えた実
用的な装置、すなわち二酸化炭素分解装置を実現するに
は、その構造をいかなるものとすればよいか、という難
題が依然として残されていた。本発明者はこうした実情
に鑑み、鋭意研究を推し進めた。そしてその所産とし
て、二酸化炭素分解装置の要部、つまり燃料電池におい
ては酸素極に相当する部分を、多孔質状の電極、酸
素をイオン化する機能を備えた多孔質状のイオン化触媒
層、そして酸化ジルコニウム系のセラミックス材料か
らなる多孔質状の二酸化炭素捕獲層からなる積層体を用
いて構成すればよいことを突き止めた。言いかえれば、
電極の表面を、イオン化触媒層がこの電極と接するよ
う、イオン化触媒層および二酸化炭素捕獲層によって二
重被覆しておけば、二酸化炭素を効率よく分解つまり無
害化し、残滓として炭素のみを排出するような二酸化炭
素分解装置を実現できることを見出した。
【0010】以下、こうした構造の二酸化炭素分解装置
が、どのようにして二酸化炭素を分解(無害化)し炭素
を排出するかについて、ことに、上記イオン化触媒層お
よび二酸化炭素捕獲層からなる積層体で覆われた酸素極
相当部分(以下、単に酸素極と言う)が、二酸化炭素の
無害化プロセスに、どのように寄与するかについて説明
する。
【0011】まず酸素極に、すなわち700℃程度に保
たれた二酸化炭素捕獲層に二酸化炭素が供給されると、
この二酸化炭素捕獲層は二酸化炭素から、それを構成し
ている酸素原子を直ちに奪い取って吸収する。ところで
装置が作動している間は、酸素イオン透過層を経て、水
素極側に絶えず酸素イオンが供給される。そして、この
酸素イオンは、水素極から供給される水素イオンと結合
して直ちに水(水蒸気)となる。この反応の際、電子
が、水素の供給される側に位置する電極すなわち燃料極
側から酸素極側に移動し、装置には、この電子の流れに
起因して起電力が生じる。つまり電力が創出される。
【0012】さて上述したように酸素極の表面には、そ
れに接してイオン化触媒層が設けられているわけである
が、両者の境界付近では、二酸化炭素捕獲層からイオン
化触媒層に流入し、同層の作用でイオン化された酸素が
酸素極に奪い取られる現象が常に生じている。これは、
水素極においては、上述したように水素と酸素が結合し
て水ができる反応が絶えず起きており、言いかえれば酸
素極は常に新たな酸素イオンの供給を必要としており、
これが原動力となって酸素極が酸素イオンを強く引き寄
せるからである。
【0013】このようにしてイオン化触媒層から酸素が
奪い取られるので、このイオン化触媒層は、装置が作動
している限りにおいては、イオン化した酸素で満たされ
てその機能が停止することはない。つまり二酸化炭素捕
獲層は、上述したとおり、酸素極に供給される二酸化炭
素から酸素原子を奪い取り、それを直ちにイオン化触媒
層に手渡すことで二酸化炭素の分子構造を破壊し続け
る。換言すれば、二酸化炭素捕獲層およびイオン化触媒
層からなる積層体の被覆は、半永久的に繰り返し、二酸
化炭素を酸素原子と炭素原子に分解し(すなわち二酸化
炭素を無害化し)、これら二つの生成物のうちの酸素原
子を、装置が活物質として消費する。この結果、装置内
で処理プロセスのサイクルが成立する。
【0014】なお、上述した一連の反応に伴って、二酸
化炭素を形成していた炭素原子が残滓として排出され、
それは二酸化炭素捕獲層の表面に析出し、次第に堆積し
ていく(したがって炭素の堆積量がある一定値に達した
時点で、それを二酸化炭素捕獲層の表面から除去してや
る必要がある)。ちなみに、このようにして得られた炭
素は、その大部分が「C」で示される特殊な構造の分
子となっており、このため再利用は極めて容易である。
具体的に言うと、「フラーレン」と呼ばれる、炭素原子
をサッカーボール状に連結してなる物質を合成する際、
その原料として特に好適である。
【0015】総じて言うと本発明に係る二酸化炭素分解
装置は、一種の燃料電池(すなわち電気化学的発電装
置)としても機能する。但し、一般的な燃料電池とは異
なり、本発明に係る二酸化炭素分解装置には、水素およ
び酸素ではなく、水素および分解処理の対象物である二
酸化炭素が、燃料電池の活物質に相当するものとして供
給される。そして、この二酸化炭素分解装置では、二酸
化炭素捕獲層およびイオン化触媒層からなる積層体の被
覆部分が、確実に、しかも間断なく二酸化炭素から酸素
原子を奪い続けるので、上述したごとく、膨大なエネル
ギーを投入することなく、二酸化炭素を効率よく無害化
処理(分解処理)できる。ことに、僅かでもエネルギー
を浪費することなく、逆に有用な電気エネルギー(電
力)を創出しながら、二酸化炭素をそれが再び環境に悪
影響を与えないよう効率よく無害化処理(分解処理)で
きる。
【0016】本発明は、上述したような卓越した新知見
に基づいてなされたものであって、上記の課題は、二酸
化炭素を分解して、この二酸化炭素から炭素を取り出す
のに用いられる装置であって、酸素イオンのみを、互い
に対向する一面側から他面側へ透過させる機能を備えた
酸素イオン透過層と、この酸素イオン透過層に接して、
その一面側に設けられた多孔質状の第1の電極と、この
第1の電極に接して、前記酸素イオン透過層とは逆側に
設けられた、酸素をイオン化する機能を備えた多孔質状
のイオン化触媒層と、このイオン化触媒層に接して、前
記第1の電極とは逆側に設けられた、酸化ジルコニウム
系のセラミックス材料からなる多孔質状の二酸化炭素捕
獲層と、この二酸化炭素捕獲層との間に、二酸化炭素を
流入させるための空隙が形成されるよう設けられた第1
の支持体と、前記酸素イオン透過層の他面側に設けられ
た、水素をイオン化する機能を備えた多孔質状の第2の
電極と、この第2の電極との間に、水素を流入させるた
めの空隙が形成されるよう設けられた第2の支持体とを
具備してなることを特徴とする二酸化炭素分解装置によ
って解決される。
【0017】なお上記酸素イオン透過層としては、酸化
ジルコニウム系のセラミックス、例えばZrOなどか
ら構成されたものを用いることができる。一方、上記イ
オン化触媒層としては、酸化タングステン(WO)か
ら構成されたものが挙げられる。更に上記二酸化炭素捕
獲層としては、ジルコン酸リチウム(LiZrO)か
ら構成されたものが挙げられる。
【0018】加えて上記第1の支持体は、電圧が印加さ
れることによって発熱し、かつ温度の上昇に伴って電気
抵抗が増大する特性(正特性)を備えたセラミックスか
ら構成されたものであることが好ましい。こうした特性
を備えたセラミックスとして具体的には、BaTi
、ZrO、SiC、MoSi、LaCrO
どが挙げられる。本構造を採用することによって、第1
の支持体にヒーターとしての役割を負わせることがで
き、急速昇温システムが得られる。つまり、本発明の二
酸化炭素分解装置は急速昇温システムを内蔵したものと
なる。この結果、装置構造の更なる簡素化やコンパクト
化が実現するだけでなく、装置が作動可能な温度に達す
るまでの準備時間を大幅に短縮できるようになる。
【0019】なお、本発明に係る二酸化炭素分解装置
に、いわば燃料として供給される水素は、不純物の混じ
らない純粋なものが好ましい。言いかえれば、液化状態
や圧搾状態で容器に充填された純粋な水素を、活物質と
して使用するのが理想である。だが、もしも純度の高い
水素が得られるのであれば、常温・常圧では液体である
メタノールやガソリン、あるいはLNG(液化天然ガ
ス)やLPG(液化石油ガス)などを改質処理して得た
水素を活物質として使用することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図1を用いて、本発明の実
施形態を具体的に説明する。なお、同図は本実施形態に
係る二酸化炭素分解装置の構造を示す概略断面図であ
る。
【0021】本実施形態に係る二酸化炭素分解装置(以
下、本分解装置と言う)は、二酸化炭素を分解し、そこ
から炭素を取り出すのに用いられるものであるが、それ
と同時に電気化学的発電装置である燃料電池としても機
能する。すなわち本分解装置は、二酸化炭素を分解しな
がら、その一方で電力を発生させることができる。言い
かえれば本分解装置は、水素と、分解処理つまり無害化
処理の対象である二酸化炭素とを、活物質として外部か
ら連続的に供給することで作動する発電装置と見なすこ
ともできる。
【0022】なお、本分解装置に供給される水素は、液
化状態あるいは圧搾状態で耐圧容器に充填された純粋な
ものである。但し、一酸化炭素などの不純物がほとんど
混じらない純度の高いものが得られる場合には、メタノ
ールやガソリン、LNG(液化天然ガス)、LPG(液
化石油ガス)などの炭化水素系燃料を改質処理して得た
水素を使用してもよい。これに対して二酸化炭素につい
ては、耐圧容器に圧搾充填されたものなどを供給する。
したがって別の言い方をすれば、本分解装置には、燃料
となる水素と共に、実質上酸化剤としての役割を果す二
酸化炭素が供給されることになる。そして、この二酸化
炭素を構成する酸素(酸素原子)と水素が反応する際、
それに付随して二酸化炭素が分解され、炭素が抽出され
る。
【0023】さて本分解装置は主要構成要素として、酸
素イオン透過層1、第1の電極2、イオン化触媒層3、
二酸化炭素捕獲層4、第1の支持体5、第2の電極6、
そして第2の支持体7を具備する。このうち酸素イオン
透過層1は、いわば燃料電池における電解質層としての
役割を果たす。すなわち、この酸素イオン透過層1は、
酸素イオンのみを、図中、右側から左側へと、言いかえ
れば互いに対向する一面側から他面側へと透過させる。
ここでは、この酸素イオン透過層1として、固体酸化物
である酸化ジルコニウムから構成されたものを用いてい
る。
【0024】但し、こうした材料からなる酸素イオン透
過層1は、その温度が700℃以上であるときに限って
酸素イオンを透過させる。ちなみに、上記イオン化触媒
層3や二酸化炭素捕獲層4についても、その温度が数百
℃以上のときに限って機能し、二酸化炭素から酸素(酸
素原子)を奪い、更にそれをイオン化して第1の電極2
に供給する役割を果す。本分解装置は、こうした構成要
素それぞれが持つ特性を巧みに組み合わせ、有効活用し
ていることを大きな特徴とする。
【0025】第1の電極2は多孔質状のものであって、
酸素イオン透過層1の一面側に、それに接した状態で設
けられている。一方、第2の電極6は水素をイオン化す
る機能を備えた多孔質状のものであって、例えば白金な
どから構成されており、酸素イオン透過層1の他面側
に、それに接した状態で設けられている。
【0026】次に、イオン化触媒層3もやはり多孔質状
のものであって、第1の電極2に接して、酸素イオン透
過層1とは逆側に設けられている。このイオン化触媒層
3は、酸素をイオン化する機能を備え、具体的には、酸
化タングステンから構成されている。また、二酸化炭素
捕獲層4も多孔質状のものであって、イオン化触媒層3
に接して、第1の電極2とは逆側に設けられている。こ
の二酸化炭素捕獲層4は酸化ジルコニウム系のセラミッ
クス材料からできている。更に詳しくは、ジルコン酸リ
チウムを構成材料とする。
【0027】第1の支持体5は、二酸化炭素捕獲層4と
の間に、分解処理の対象である二酸化炭素を流入させる
ための空隙5aが形成されるよう設けられている。一
方、第2の支持体7は、第2の電極6との間に、水素を
流入させるための空隙7aが形成されるよう設けられて
いる。なお第1の支持体5は、電圧が印加されることに
よって発熱し、かつ、温度の上昇に伴って電気抵抗が増
大する特性を備えたセラミックス、具体的にはチタン酸
バリウムなどから構成されたものである。こうした材料
からできている第1の支持体5は、給電回路Cによって
電圧が印加されることで発熱するが、温度上昇に伴って
電気抵抗は増大するので、温度はある範囲内で一定に保
たれる。
【0028】このように本実施形態では、第1の支持体
5にヒーターとしての役割を負わせているので、それを
正特性セラミックスから構成したが、第2の支持体7が
同様の材料から構成されていてもよい。あるいは、両支
持体とも正特性セラミックスから構成されていてもよ
い。また、当然のことながら、他の材料を用いてもよ
い。
【0029】第1の電極2には、化学反応によって生じ
た電気エネルギーを取り出すためのリード線Lが接続
される。つまり第1の電極2は負極として機能する。ま
た、第2の電極6にも、同じく化学反応によって生じた
電気エネルギーを取り出すためのリード線Lが接続さ
れる。すなわち第2の電極6は正極として機能する。
【0030】更に言えば、実際には、図示の積層構造物
つまり二酸化炭素分解装置単体が、燃料電池のセルのご
とく積重されるので、上記第1の支持体5は、図中、一
点鎖線にて示す他の装置が備える支持体(第2の支持
体)7’に接した状態となる。また第2の支持体7につ
いても、図中、一点鎖線にて示す他の装置が備える支持
体(第1の支持体)5’に接した状態となる。
【0031】さて本分解装置においては、上述したよう
に、第1の電極2の表面(第1の支持体5と向き合う側
の面)に、イオン化触媒層3および二酸化炭素捕獲層4
からなる特殊な層が形成されている。つまり第1の電極
2の表面は、これらイオン化触媒層3および二酸化炭素
捕獲層4からなる、断面が櫛歯状の積層体で完全に被覆
されている。こうした特異な構造を有する本分解装置は
次のように機能する。なお、水素および二酸化炭素の供
給に先立って、装置を所定温度(700℃)まで加熱す
る必要があるが、これには上述した第1の支持体5のヒ
ーター機能(急速昇温システム)が利用される。このヒ
ーター機能により、装置全体は、常時、所定温度に維持
されることになる。
【0032】さて、準備が完了したならば、続いては、
水素および二酸化炭素を、図示のごとく本分解装置に供
給する。すると、水素は第2の電極6と接触し、この第
2の電極6が有する触媒作用によってイオン化される。
その際、水素は電子を放出し、これが、第2の電極6に
接続されたリード線Lを用いて構成される外部導通路
(外部回路)に流れ込む。ところが、水素イオンすなわ
ち陽子は酸素イオン透過層1を透過できないので、やむ
なくその境界面付近に留まる。
【0033】その一方で、第1の電極2には、上記イオ
ン化触媒層3および二酸化炭素捕獲層4の作用によって
生成する酸素イオンが供給される。正確には、二酸化炭
素捕獲層4の作用で二酸化炭素から分離された酸素原子
は、イオン化触媒層3に供給され、ここで、第1の電極
2に接続されたリード線Lを、すなわち上記外部導通
路(外部回路)を経由して供給される電子と結び付き、
酸素イオンとなる。第1の電極2には、こうして生成し
た酸素イオンが供給される。
【0034】この酸素イオンは、直ちに酸素イオン透過
層1を透過して、第2の電極6に到達する。そして、こ
こで酸素イオンは水素イオンと出会って反応し、この結
果、水(水蒸気)を生じる。ところで、こうした一連の
化学反応に付随して、外部導通路を電子が移動するが、
これは言うまでもなく外部導通路に電流が流れること
を、つまり電力が創出されることを意味する。したがっ
て本分解装置(正確にはその集合体)は、それに接続さ
れた電気機器(本実施形態ではモーター)Mを高いエネ
ルギー効率で動作させる。
【0035】ひるがえって、上述したように第1の電極
2の表面には、それに接してイオン化触媒層3が設けら
れているわけであるが、両者の境界付近では、二酸化炭
素捕獲層4からイオン化触媒層3に流入し、同層の作用
でイオン化された酸素が、第1の電極2に奪い取られる
現象が生じている。これは、第2の電極6においては、
上述したように水素と酸素が結合して水が生じる反応が
絶えず起こっており、換言すれば第1の電極2は常に新
たな酸素イオンの補給を必要としており、これが原動力
となって第1の電極2が酸素イオンを強く引き寄せるか
らである。
【0036】このようにして、イオン化触媒層3から酸
素が奪い取られるので、このイオン化触媒層3は、装置
が作動している限り、イオン化した酸素で満たされて機
能が停止することはない。つまり二酸化炭素捕獲層3
は、上述したごとく供給される二酸化炭素から酸素原子
を奪い取り、それを直ちにイオン化触媒層3に手渡すこ
とで二酸化炭素の分子構造を破壊し続ける。換言すれ
ば、二酸化炭素捕獲層4およびイオン化触媒層3からな
る積層体の被覆は、半永久的に繰り返し、二酸化炭素を
酸素原子と炭素原子に分解し(すなわち二酸化炭素を無
害化し)、これら二つの生成物のうち酸素原子を装置が
活物質として消費する。この結果、装置内では処理プロ
セスのサイクルが成立することになる。
【0037】総じて本分解装置は、一種の燃料電池(す
なわち電気化学的発電装置)として機能する。但し、一
般的な燃料電池とは異なり、本分解装置には、水素およ
び酸素ではなく、水素および分解処理の対象物である二
酸化炭素が、燃料電池の活物質に相当するものとして供
給される。そして本分解装置では、二酸化炭素捕獲層4
およびイオン化触媒層3からなる積層体の被覆部分が、
確実に、しかも間断なく二酸化炭素から酸素を奪い続け
るので、上述したごとく、膨大なエネルギーを投入する
ことなく、二酸化炭素を効率よく無害化処理(分解処
理)できる。ことに、僅かでもエネルギーを浪費するこ
となく、逆に電気エネルギー(電力)を創出しながら、
二酸化炭素をそれが再び環境に悪影響を与えないよう効
率よく無害化処理(分解処理)できる。
【0038】なお、上述した一連の反応に伴って、二酸
化炭素を形成していた炭素原子が残滓として排出され、
それは二酸化炭素捕獲層4の表面に析出し、次第に堆積
していく。したがって実際には、炭素の堆積量がある一
定値に達した時点で、それを二酸化炭素捕獲層4の表面
から除去してやる必要がある。ちなみに、このようにし
て得られた炭素は、その大部分が「C」で示される特
殊な構造の分子となっており、「フラーレン」と呼ばれ
る、炭素原子をサッカーボール状に連結してなる物質を
合成する際、その原料として特に好適である。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る二酸化炭素分解装置は、膨
大なエネルギーを投入することなく、二酸化炭素を効率
よく無害化処理(分解処理)できる。ことに、僅かなエ
ネルギーを投入するだけで、あるいは逆に有用なエネル
ギー(電力)を創出しながら、二酸化炭素を効率よく無
害化処理(分解処理)できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る二酸化炭素分解装置の
構造を示す概略断面図
【符号の説明】
1 酸素イオン透過層 2 第1の電極 3 イオン化触媒層 4 二酸化炭素捕獲層 5 第1の支持体 6 第2の電極 7 第2の支持体 L,L リード線 C 給電回路 M 電気機器
フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 CA01 CC01 CC08 CC09 CC10 4G075 AA04 AA05 AA42 BA01 BA05 BD14 CA20 CA51 EA05 EB01 EC21 FB04 FC01 5H018 AA06 AS03 CC06 DD01 EE03 EE12 EE13 5H026 AA06 CC03 CX01 EE12 EE13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化炭素を分解して、この二酸化炭素
    から炭素を取り出すのに用いられる装置であって、 酸素イオンのみを、互いに対向する一面側から他面側へ
    透過させる機能を備えた酸素イオン透過層と、 この酸素イオン透過層に接して、その一面側に設けられ
    た多孔質状の第1の電極と、 この第1の電極に接して、前記酸素イオン透過層とは逆
    側に設けられた、酸素をイオン化する機能を備えた多孔
    質状のイオン化触媒層と、 このイオン化触媒層に接して、前記第1の電極とは逆側
    に設けられた、酸化ジルコニウム系のセラミックス材料
    からなる多孔質状の二酸化炭素捕獲層と、 この二酸化炭素捕獲層との間に、二酸化炭素を流入させ
    るための空隙が形成されるよう設けられた第1の支持体
    と、 前記酸素イオン透過層の他面側に設けられた、水素をイ
    オン化する機能を備えた多孔質状の第2の電極と、 この第2の電極との間に、水素を流入させるための空隙
    が形成されるよう設けられた第2の支持体とを具備して
    なることを特徴とする二酸化炭素分解装置。
  2. 【請求項2】 酸素イオン透過層は、酸化ジルコニウム
    系のセラミックスから構成されたものであることを特徴
    とする請求項1に記載の二酸化炭素分解装置。
  3. 【請求項3】 イオン化触媒層は、酸化タングステンか
    ら構成されたものであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の二酸化炭素分解装置。
  4. 【請求項4】 二酸化炭素捕獲層は、ジルコン酸リチウ
    ムから構成されたものであることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の二酸化炭素分解装置。
  5. 【請求項5】 第1の支持体は、電圧が印加されること
    によって発熱し、かつ、温度の上昇に伴って電気抵抗が
    増大する特性を備えたセラミックスから構成されたもの
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の二酸化炭素分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014235890A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 株式会社デンソー 燃料電池

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