JP6637724B2 - エンジンシステム及びエンジンシステムの運転方法 - Google Patents

エンジンシステム及びエンジンシステムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジンと、
当該エンジンから発生する排ガスが流れる排ガス路に、前記排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼手段と、窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段とを、記載順に備えたエンジンシステムに関する。
このようなエンジンシステムを開示する従来技術として、特許文献1或は特許文献2に開示の技術を挙げることができる。これらに開示される技術は、主にはディーゼルエンジンを対象とするが、特許文献2にも示されているように、ディーゼルエンジンの他、ガスエンジンにも適用可能である〔特許文献2 段落0021〕。
特許文献1に開示の技術は、排気ガス浄化手段におけるダストの堆積を抑制することを目的とする。特許文献1では、排気ガスなる表現が採用されているが本願における排ガスと同意である。
この文献は、排気ガス通路2に排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝触媒5(本願にいう窒素酸化物除去手段)を備えたディーゼルエンジン1の排気ガス処理装置に関し、脱硝触媒5の上流側の排気ガス通路2に、当該排気ガス通路2内を通過する排気ガスを加熱して排気ガス中のダストを燃焼させる燃焼器4(本願にいう燃焼手段)を備え、燃焼器4を、ディーゼルエンジン1の作動時に常時作動させる。結果、有害物質を効果的に除去可能であるとともにDPF再生時における燃焼温度を低くすることが可能な排気ガス処理装置及び排気ガス処理方法を提供する。
さらに、この文献には、脱硝触媒5の下流側にエコノマイザ6を設けてエネルギー回収を図ることが示されている。
一方、特許文献2に開示の技術も、エンジンから排出される排ガスに含まれる有害物質を浄化するための排ガス処理装置に関し、図1に示す排ガス処理装置20は、排ガス流れ方向上流側から順に、排ガスに含まれる一酸化炭素(CO)やHC(未燃炭化水素)を浄化するためのDOC(Diesel Oxidation Catalyst)部22と、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を除去するためのDPF(Diesel particulate filter)部23と、排ガスに含まれるNOxを還元するためのSCR(Selective Catalytic Reduction)部26とを有している〔段落 0023〕。
そして、各部位に関して、以下のような説明がされている〔同段落 0023〕。
DOC部22は、排ガス中の一酸化炭素(CO)やHC(未燃炭化水素)を浄化するための酸化触媒と、この酸化触媒を排気管21の内部に支持する支持機構とを含む。
DPF部23は、排ガス中の粒子状物質(PM)を除去するための微粒子捕集フィルタを含む。
SCR部26は、排ガス中に噴射された尿素水から生成されるアンモニアと窒素酸化物(NOx)との反応を促進させるための脱硝触媒であるSCR触媒と、このSCR触媒を排気管21の内部に支持する支持機構とを含む。SCR部26の排ガス流れ方向上流側には、脱硝に用いられる尿素水を供給するための尿素水供給機構25が設けられている。尿素水供給機構25は、尿素水が蓄えられた尿素水タンク25bと、尿素水タンク25bから排ガス中に尿素水を噴霧する尿素水噴霧ノズル25aとを含む。なお、図1では尿素水供給機構25が、DPF部23とSCR部26との間に設けられた構成を例示したが、尿素水供給機構25の配置構成はこれに限定されるものではない。
従って、この特許に開示されているDOC部22が本願にいう燃焼手段に相当し、SCR部26が窒素酸化物除去手段に相当する。
また、エンジンにおいて発生する熱の利用に関しては、排ガス再循環クーラ12に関する記載がある。
一方、現今、注目されている技術として、アンモニアを直接燃料として電池電力を得る技術がある(特許文献3、4)。これらの技術は、アンモニアが炭素を含まないことからCO削減等の目的から注目に値する。また、電極に炭素デポジットが生成されることもない。
アンモニアを直接燃料とする燃料電池としては、固体酸化物形燃料電池(以下 SOFCと記載することがあるものとする)があり、今日、主に電池電極(アノード)において、アンモニアを水素に分解し、出力の低下を避けて電池反応を起こされる方向に開発が進んでいる(特許文献5、6)。
特開2014−34887号公報 特開2015−68175号公報 特開2011−204416号公報 特開2011−204418号公報 特開2013−211117号公報 特開2013−211118号公報
先に説明した、エンジンから排気される排ガス路に燃焼手段及び窒素酸化物除去手段を備えたエンジンシステムでは、排ガスの処理は行えるものの、通常のエコノマイザ―が回収できる排熱の温度域は350℃〜200℃程度でとなる。ただ、エコノマイザ―での回収では、熱(エネルギー)の利用タイミングの問題、さらには、その利用効率において検討の余地が残されている。
一方、SOFCに関しては、その定常発電段階、始動段階、停止段階を考えると、燃料電池オフガスに、発電に使用されなかった燃料(アンモニア、水素)が含まれることがあり、また高温状態にあるアノードオフガスに含まれる窒素、カソードオフガスに含まれる酸素が燃焼反応を起こし窒素酸化物(NOx)となって排気に含まれる場合がある。
また一般に、エンジンには発電機が備えられているため、エンジンが運転されている間は当該発電機からの電力を利用できるが、当該エンジンが運転を停止した場合、エンジン停止後に電力を使用したいという場合に関して検討の余地がある。
本発明の目的は、従来、充分利用されることが無かった低温側の排熱を利用できるとともに、排気を簡易に清浄化でき、エンジン停止後もある程度の時間、電力の供給が可能なエンジンシステムを得ることにある。
上記目的を達成するための、本発明に係る、
炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジンと、
当該エンジンから発生する排ガスが流れる排ガス路に、前記排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼手段と、窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段とを、記載順に備えたエンジンシステムの特徴構成は、
尿素水を貯蔵する尿素水貯蔵手段から供給される尿素水を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を使用して加水分解する尿素水加水分解手段と、
前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを燃料とするアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池とを備え、
前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池から発生する燃料電池オフガスを前記燃焼手段に導くオフガス導入路を備え、
前記燃料電池オフガスを前記燃焼手段及び前記窒素酸化物除去手段で処理することにある。
このエンジンシステムは、尿素水貯蔵手段及び尿素水加水分解手段を備える。そして、尿素水加水分解手段で、その加水分解を発生させるためのエネルギー源(熱源)として、エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方からの熱を利用する。尿素水の加水分解では必要となる熱は350〜200℃程度であり、この温度域の熱を充分利用できる。結果、エンジン排熱の利用に関し、本願に係るエンジンシステムに備えられる固体酸化物形燃料電池の燃料とするアンモニアを得ることができる。
本願のようにアンモニアを尿素水の形態でシステムに保持しておくと、貯蔵の安定性及び貯蔵に必要となる容積について、ガスとして貯蔵する場合より安定且つ低容積であり、格段に有利である。
上記の構成に従ってアンモニアは燃料として固体酸化物形燃料電池に供給する。この固体酸化物形燃料電池としては、アンモニアを直接燃料電池セルのアノードに供給するものであってもよいし、アンモニアを分解して水素をアノードに供給するものであってもよい。この点、発明者らの検討では、セルの温度低下に伴ってアンモニアを直接アノードに供給する構成と、水素をアノードに供給する構成とでは、前者はその発電性能の低下を惹起する可能性も高く、後者の構成のほうが好ましい。
以上、本願に係るエンジンシステムでは、アンモニアを燃料として固体酸化物形燃料電池に供給することで、電力としてエネルギーを高効率で利用できる。
さて、上記のようにアンモニアを燃料として固体酸化物形燃料電池に供給する場合、固体酸化物形燃料電池から、そのオフガスとして、電池からアンモニア或はその分解物である水素が、発電に利用されることなく排出される場合があり、また、電池温度が高く、排気中に酸素も含有されることから窒素酸化物、尿素水起因の二酸化炭素、水等が排出されることもある。
しかしながら、本願においては、燃料電池オフガスを燃焼手段、窒素酸化物除去手段に順に導くこととなるため、これらの成分をシステム外へ放出するという問題を、エンジン側からの排ガス処理のために設けられている比較的強力な酸化・窒素酸化物処理系統を有効に利用して進めることができる。
さらに、システムを構成する、エンジン、燃焼手段、窒素酸化物除去手段が立ちあがっている状態で、尿素水加水分解手段、固体酸化物形燃料電池を立ち上げ、所定量のアンモニアを確保しておくと、エンジン停止後にも、この燃料となるアンモニアにより固体酸化物形燃料電池の運転を継続できる。
上記の構成で、前記窒素酸化物除去手段が、前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを還元剤として働くアンモニア還元型窒素酸化物除去手段であることが好ましい。
アンモニアを還元剤として窒素酸化物を処理する技術は、確立された信頼性の高い技術であり、本願のエンジンシステムに備えられる尿素水加水分解手段で得られるアンモニアを、窒素酸化物の処理と発電との両方に使用することで、システムの安定化と効率化に寄与できる。
さて、前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱の利用に関し、前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池の加熱に使用する第一熱利用手段と、前記尿素水加水分解手段に於ける加水分解に使用する第二熱利用手段とを備え、
前記第一熱利用手段で高温側の熱を使用し、当該第一熱利用手段における熱利用により低温化した低温側の熱を前記第二熱利用手段で使用することが好ましい。
エンジン、燃焼器排熱は、通常600〜800℃程度となるため、第一熱利用手段で高温側を固体酸化物形燃料電池の温度維持に利用し、350〜200℃の熱を第二熱利用手段で尿素水の加水分解に利用して、エンジン排熱の有効利用を図ることができる。
ここで、第一熱利用手段と第二熱利用手段との間に、別途、熱交換等の手段を設けることで、中間温度域(例えば600〜350℃程度)の熱は従来通り回収することとできる。
さて、先に説明した尿素水加水分解手段により得られる分解物を気液分離する気液分離手段を備え、この気液分離手段により分離される液体側分離物を、前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱によりガス化し、燃料として前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に供給する構成を採用することも好ましい。
後に、第二実施形態で詳述するように、燃料としてのアンモニアガスの使用以外の用途がある場合(例えば、比較的低温のアンモニアガスをそのまま使用できる場合)、気液分離手段を備え、この分離手段で分離される気体側分離物はそのまま使用し、液体側のみをエンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱でさらにガス化してアンモニア燃料固体酸化物側燃料電池に送ると、両用途に使用するアンモニアの量及び性状(特に温度)を好適に制御することができるとともに、高温とする必要のある燃料側の加熱量を適切最小限に調整することが可能となる。
さらに、前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に、前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱により燃料であるアンモニアを熱分解する熱分解手段を備え、当該熱分解手段で生成される水素が固体酸化物形燃料電池のアノードに供給される構成とされることが好ましい。
先にも説明したように、発明者らの検討によれば、アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池では、燃料であるアンモニアを直接アノードに導き、極近傍でアンモニア分解を起させると、電池温度(セル温度)の低下に伴って発電電力の低下が起こる場合がある。
即ち、発明者らの検討により、SOFCのアノードに燃料としてアンモニアを直接供給した場合と、アンモニアを分解した状態で得られる水素と窒素の混合物とを供給した場合とで、SOFCの温度に依存して、取出し可能な電流量が大きく変わることが判明した。
この検討結果を、詳細に図4に基づいて説明する。
図4は、横軸に電流密度〔A/cm〕を、縦軸に平均セル電圧〔V〕を取ったものであり、異なった動作温度において、電流密度の増加に伴って平均セル電圧がどのように変化するかを試験した結果である。
試験においては、SOFCセルとしては、以下の構成の一般的なSOFCを使用した。
図1にSOFCセル55を模式的に示しているが、固体電解質(固体酸化物形電解質)51の一方の側にアノード52を、他方の側にカソード53を有してSOFCセル55は構成され、アノード52の固体電解質51とは反対側となる面に燃料ガスが供給され、カソード53の固体電解質51とは反対側となる面に酸化性ガスが供給されて、発電反応が起る。SOFCセルの形状は平板型とした。従って、固体電解質51、アノード(燃料極)52、カソード(空気極)53も基本的には平板状とあり、セルの支持型は燃料極支持型とした。
固体酸化物形電解質51の材料は、所謂、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)を基本とする酸素イオン伝導性セラミックス材料とし、その厚さは5〜100μmの範囲とした。
アノードである燃料極52は、良く知られているように、燃料(本願の場合はアンモニア)に依存して決定されるSOFCで一般に使用される燃料極材料を選択しており、燃料極電極触媒と固体酸化物形電解質粒子により形成される。
燃料極電極触媒の材料としてはニッケルを基本とする材料とし、燃料極52中に含まれる固体電解質粒子は、先に説明した固体酸化物形電解質51を構成する材料とした。また、燃料極52の厚さは200〜2000μm程度とした。
カソードである空気極53の材料としては、通常のSOFCに用いられる空気極材料を用いた。良くしられているように、空気極は空気極電極触媒と固体酸化物形電解質粒子により形成される。
空気極電極触媒としては、マンガン系、フェライト系、コバルト系やニッケル系ペロブスカイト型構造の酸化物を使用し、空気極53中に含有される固体酸化物形電解質粒子は、燃料極で用いることのできる固体酸化物形電解質粒子と同様の材料を使用した。また、空気極53の厚さは20〜200μm程度とした。
図4は、電池温度が異なる場合の電圧を示しており、右下がりの各線がアノード52に水素H及び窒素Nを供給した場合の各電池温度での結果であり、各線に対して分散した記号で示される各記号位置が、アンモニアNHを直接アノード52に供給した場合の結果である。記号と温度の関係を同図右上に示している。
この結果からも判明するように、一般的なSOFCの作動温度域である600℃〜800℃の温度域において、比較的高温側の温度域(例えば750℃、800℃)では、燃料の種類による電圧の低下はそれほど認められない。対して、比較的低温側の温度域(例えば、600℃、650℃)では、燃料を水素+窒素とする場合とアンモニアとする場合とで、大きな差があることが判る。さらに、また、600℃においては取出し可能な電流量にかなりの差が現れることが判る。
従って、熱分解手段を別途設けておくことにより、固体酸化物形燃料電池が本来発揮すべき性能を、アンモニアを燃料とする本願に係るエンジンシステムにおいても良好に発揮させることができる。
さて、前記窒素酸化物除去手段が、前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを還元剤とするアンモニア還元型窒素酸化物除去手段であり、
前記尿素水加水分解手段により得られる分解物を気液分離する気液分離手段を備え、
前記気液分離手段により分離される気体側分離物を還元剤として前記アンモニア還元型窒素酸化物除去手段に供給するとともに、液体側分離物を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱によりガス化し、燃料として前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に供給する構成で、
前記気液分離手段のよる気液分離に関し、前記気体側分離物の量をアンモニア還元型窒素酸化物除去手段で必要とされる還元剤の量に、前記液体側分離物の量を前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池において必要とされる燃料の量に対応する量に調整する気液分離調整手段を備えることが好ましい。
先に説明したように、気液分離手段を備えることで、電池燃料とするアンモニアと、その他の用途に使用するアンモニアとの間で、それらの温度及び量の調整が可能となる。ここで、アンモニア還元型窒素酸化物除去手段で気体側分離物であるアンモニアを使用する構成を採用することで、エンジンによる動力発生、燃料電池による発電、さらには、それら動作に伴う窒素酸化物の発生を適切に制御可能となる。
これまで説明したエンジンシステムで採用するエンジンとしては、ガソリンを燃料とするガソリンエンジン、軽油又はガソリンを燃料とするディーゼルエンジン、さらには、天然ガス等の炭化水素ガスを燃料とするガスエンジンを採用できる。
特に、本願に係るエンジンシステムは、燃焼手段及び窒素酸化物除去手段を備えるため、可燃物粒子が問題となるディーゼルエンジンが使用されるシステムに有効である。
以上が、本願のエンジンシステムの構成であるが、先にも説明したように、
炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジンと、
当該エンジンから発生する排ガスが流れる排ガス路に、前記排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼手段と、前記排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段とを、記載順に備えたエンジンシステムの運転方法としては、
尿素水を貯蔵する尿素水貯蔵手段から供給される尿素水を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を使用して加水分解する尿素水加水分解手段と、
前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを燃料とするアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池とを備え、
前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池から発生する燃料電池オフガスを前記エンジン排ガス路に備えられる前記燃焼手段に導くオフガス導入路を備えた本願に係るエンジンシステムにおいて、
前記尿素水貯蔵手段から尿素水を前記尿素水加水分解手段によりエンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を使用して加水分解するとともに、前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを燃料としてアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に導き、エンジン動力による発電の停止後に、前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池が電力を供給するエンジンシステムの運転方法を取ることも可能となる。
例えば、エンジン運転中にアンモニアガスを得るとともに、アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池を、その発電状態としておくことで、エンジン停止後においても燃料電池側での発電を継続することができる。即ち、本願システムの備えるアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池が補助電源としてもの役目を充分担える。
一方、炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジンと、
当該エンジンから発生する排ガスが流れる排ガス路に、前記排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼手段と、前記排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段とを、記載順に備えたエンジンシステムの運転方法として、
尿素水を貯蔵する尿素水貯蔵手段から供給される尿素水を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を使用して加水分解する尿素水加水分解手段と、
前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを燃料とするアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池とを備え、
前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池から発生する燃料電池オフガスを前記エンジン排ガス路に備えられる前記燃焼手段に導くオフガス導入路を備え、
前記窒素酸化物除去手段が、前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを還元剤とするアンモニア還元型窒素酸化物除去手段であり、
前記尿素水加水分解手段により得られる分解物を気液分離する気液分離手段を備え、
前記気液分離手段により分離される気体側分離物を還元剤として前記アンモニア還元型窒素酸化物除去手段に供給するとともに、液体側分離物を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱によりガス化し、燃料として前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に供給する構成として、本願に係るエンジンシステムを構築しておき、
前記気液分離手段のよる気液分離に関し、前記気体側分離物の量をアンモニア還元型窒素酸化物除去手段で必要とされる還元剤の量に、前記液体側分離物の量を、前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池において必要とされる燃料の量に対応する量に調整することで、熱的及び量的な調整を伴ってエンジンシステムを適切に運転できる。
この方法においても、前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に、前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱により燃料であるアンモニアを熱分解する熱分解手段を備え、当該熱分解手段で水素を生成し固体酸化物形燃料電池のアノードに供給する運転形態を採用し、アンモニア還元型窒素酸化物除去手段で気体側分離物であるアンモニアを使用する構成を採用することで、エンジンによる動力発生、燃料電池による発電、さらには、それら動作に伴う窒素酸化物の発生を適切に制御可能となる。
第一実施形態に係るエンジンシステム100の構成を示す図 第二実施形態に係るエンジンシステム101の構成を示す図 本願に係るエンジンシステムにおいて好適に採用できる固体酸化物形燃料電池の具体的構成を示す図 アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池の温度低下に伴うセル電圧の低下状況を示す図
以下、本願に係るエンジンシステム100,101に関して図面に基づいて説明する。
以下の説明では、第一実施形態及び第二実施形態について説明する。
これらの実施形態は、共に、エンジン1から排気される排ガス路2に燃焼器3(燃焼手段の一種)と窒素酸化物除去器4(窒素酸化物除去手段の一種)を記載順に備えて構成されており、さらに、尿素水を加水分解して得られるアンモニアを燃料とするアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池5を備えている。
本願の特徴の一つは、エンジン1で発生する排熱であって、通常の排熱回収を終えて350℃以下まで低温化した熱を利用して、尿素水を加水分解してアンモニアを得、このアンモニアを燃料としてSOFCを働かせ、電力を得ることにある。
第一実施形態は上述の基本的な構成を備えたエンジンシステム100の例であり、第二実施形態は、尿素水の加水分解により気液混相状態で得られる分解物を気体側及び液体側に、それぞれ分離する気液分離器6(気液分離手段の一種)を備え、気体側分離物及び液体側分離物を別異の用途に使用するように構成例である。この実施形態のエンジンシステム101では、液体側分離物を、さらにエンジン排熱を使用してガス化、分解して、主に水素をSOFCのアノード52に供給して、電力を得る構成を採用している。
以下、順に説明する。
〔第一実施形態〕
図1に、この実施形態のシステム構成を示した。
同図は、上側にエンジン1から発生する排ガスの排気、処理系統を示し、下側にアンモニアを燃料とするSOFC5に於ける燃料の供給構成及び電力の取出し構成を示している。
エンジン1及び燃焼器3から発生する熱の利用形態を太実線で示すとともに、SOFC5から放出される燃料電池オフガスの燃焼器3への導入形態を破線で示した。この経路を本願ではオフガス導入路と呼ぶ。
同図に示すように、エンジンシステム100は軽油あるいはガソリンといった炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジン1を備え、このエンジン1から発生する排ガスが流れる排ガス路2に、排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼器3と、窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去器4とを、記載順に備えて構成される。
燃焼器3は、一般的な燃料の供給を受けて器内に火焔を形成して燃焼する燃焼バーナ形態のもの、或は器内に白金、バナジウム、ルテニウム、ロジウム等の燃焼触媒を収納した触媒燃焼形態のものとできる。窒素酸化物除去器4は,よく知られているように、還元剤としてのアンモニアの供給を受けて触媒反応により脱硝する窒素酸化物除去器を採用できる。窒素酸化物除去触媒としてはSCR触媒(バナジウム、モリブデン、タングステン、ゼオライト、貴金属の一種以上)を採用する。
さらに、このシステム100には、尿素水を貯蔵する尿素水貯蔵器7(尿素水貯蔵手段の一種)から供給される尿素水をエンジン1から発生する熱を使用して加水分解する尿素水加水分解器8(尿素水加水分解手段の一種)と、この尿素水加水分解器8で生成されるアンモニアを燃料として働くSOFC5とが備えられる。SOFC5は、燃料であるアンモニアがアノード52にまで導かれ、別途供給される酸化性ガスである酸素を含む空気がカソード53に導かれて発電を行う。
尿素水加水分解器8は、尿素水貯蔵器7から常温の尿素((NHCO)と水(HO)との混合物として得られる尿素水((NHCO+HO)を、加熱によりアンモニア(NH)と二酸化炭素(CO)とに加水分解する分解器である。この尿素水加水分解器8で分解に使用する熱は、図示するように、エンジン1で発生する熱であり、350℃程度まで低温化した熱である。従って、SOFC5には、尿素水加水分解器8で得られたアンモニア(NH)が燃料として供給される。
SOFC5は、固体電解質51を挟んでアノード52及びカソード53が設けられた燃料電池セル55を多数電気的に接続したスタック(図示省略)として構成され、図1にも示すように、アノード52に燃料としてのアンモニア或はアンモニアの分解により生成される水素が供給され、カソード53に酸化剤としての酸化性ガス(空気)が供給される。
ここでの発電反応は、燃料として水素が供給された場合は以下の通りである。
アノード:H+O2−→HO+2e
カソード:O+4e→2O2−
一方、燃料がアンモニアとして供給された場合に、アノード52及びカソード53において発生する電池反応は図面に示した通りであり、以下の通りである。
アノード:2NH+3O2−→N+3HO+6e
カソード:3/2O+6e→3O2−
固体電解質51、アノード52及びカソード53の材料構成は、先に図4の試験で採用した材料の組み合わせのものを採用できる他、アンモニアを直接燃料とする一般のSOFCを採用できる。
即ち、固体電解質51の材料としては、SOFCの固体酸化物形電解質として公知のものを使用することができ、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、これらのジルコニアにさらにCe、Al等をドープしたジルコニア系粉末、SDC(サマリアドープドセリア)、GDC(ガドリアドープドセリア)等のドープセリア系粉末、LSGM(ランタンガレート)系粉末、酸化ビスマス系粉末などの酸素イオン伝導性セラミックス材料を用いることができる。これらの固体酸化物形電解質は、必要ならば、2種類以上を混合して使用してもよい。
さらに、アノード52にはニッケルの他、コバルトが混合されていてもよい。
SOFC5の発電は、600〜800℃程度の高温域での反応であり、本願に係るエンジンシステム100では、SOFC5自体の発熱の他、エンジン1及び燃焼器3からの熱を共に利用してSOFC5の発電状態を維持する。結果、エンジン1及び燃焼器3で発生する熱を電力に変換して有効利用することができる。
また、このエンジンシステム100は、SOFC5から発生する燃料電池オフガスを排ガス路2に備えられる燃焼器3に導くオフガス導入路(破線で示した)を備え、燃料電池オフガスが燃焼器3及び窒素酸化物除去器4で処理されるように構成されている。
本願のようにアンモニアを燃料とするSOFC5から発生する燃料電池オフガスに、図示するように、水素(H)、窒素(N)、二酸化炭素(CO)、水(HO)、アンモニア(NH)、窒素酸化物(NOx)が含まれる場合ある。水素、窒素、二酸化炭素、水、窒素酸化物は、アンモニアを分解して電池発電を継続している状態で主にオフガスに含まれることがあるガスである。ここで窒素酸化物が挙がるのは、SOFC自体が高温作動するため、微量ではあるが電池、その後の工程に設けられるアノード排ガスとカソード排ガスとの混合部位での局所的な昇温により発生することがあるためである。アンモニアは、例えばSOFC5が充分昇温されていない状態にある運転開始時、あるいは降温されてくる運転停止時に、オフガスに含まれることがある。
このように、燃料電池オフガスには、SOFC側の運転段階にも依存して様々なガスが含まれることがあり、電池自体から放出される。しかしながら、本願に係るシステムでは、本来、エンジン排ガスを処理するために設けられている処理機構を利用して、不要なガスを放出することなく、SOFC5の良好な運転を確保できる。
さらに、図1に示すエンジンシステム100は、太実線で示すように、エンジン1から発生する熱の利用に関し、SOFC5の加熱に使用する第一熱交換部11(第一熱利用手段の一種)と、尿素水加水分解器8に於ける加水分解に使用する第二熱交換部12(第二熱利用手段の一種)とを備えて構成されている。同図では簡略化して図示しているが、エンジン1からの排熱を回収するための熱交換部10として、SOFC5を構成する筐体(前記SOFCセルの集合体であるSOFCスタックを収納する筐体)と熱交換を行う第一熱交換部11と、第一熱交換部11で熱回収を終えた低温側の熱回収を行う第二熱交換部12とを、温度的に前者が後者より高温側に位置するように配置することで、このような熱的配置構成を実現できる。例えば、エンジンジャケットに熱的に実質直接接続した形態で筐体を設け、SOFC5の高温維持を図り、その部位から離間した位置に尿素水加水分解器8を設けることで、高温側の熱と低温側の熱の利用を適切に実現することが可能となる。
また、図1にも示すように、第一熱交換部11及び第二熱交換部12には、燃焼器3からの熱も伝熱されるように構成されており、同様に燃焼器3で発生する熱もその高温側、低温側について利用可能とされている。
即ち、第一熱利用手段11で高温側の熱を使用し、当該第一熱利用手段11における熱利用により低温化した低温側の熱を第二熱利用手段12で使用する構成としている。
さて、このエンジンシステム100にあっては、エンジン1或は燃焼器3で発生する熱を利用して、尿素水の加水分解を実行し、SOFC5の燃料となるアンモニアを得ることとなるため、エンジン1が働いている状態でSOFC5を働かせて電力を得ることが可能である。
さらに、SOFC5は、燃料の供給を受けてそれ自体が発電を継続することができる。
従って、本願に係るエンジンシステム100では、尿素水加水分解器8による加水分解を完了したアンモニアを一時的且つ部分的に貯蔵しておく構成を採用すると、エンジン動力による発電の停止後に、SOFC5の単独運転状態を維持して、所定の時間発電を継続することも可能となる。
〔第二実施形態〕
図2に、この実施形態のシステム構成を示した。
同図においても、上側にエンジン1から発生する排ガスの排気、処理系統を示し、下側にアンモニアを燃料とするSOFC5に於ける燃料の供給構成及び電力の取出し構成を示している。さらに、図1と同様に、SOFC5から放出される燃料電池オフガスの燃焼器3への導入を破線で示している。
この第二実施形態は気液分離器6を備えることを特徴とするが、当該気液分離器6により分離される分離物それぞれの供給系統を細実線で示している。
エンジン1から発生する熱の利用を太実線で示す点に関しては図1と同様である。
ただし、この例では、エンジン1で発生する熱は、尿素水分解、気液分離器6で分離された液体側分離物の加熱ガス化、さらに、液体側分離物の加熱により得られるアンモニア(ガス状態)の熱分解にも使用する。このような利用形態を採用する場合に於ける、物質移動量、及び各部位で必要となるエネルギー量(必要熱量)の概略を同図に一例として記した。この利用形態では、SLディーゼルエンジンを2000回転/分(rpm)させた場合に得られる排熱を想定した。
以下、システム構成を中心にさらに詳細に説明する。
エンジンシステム101は、軽油を燃料として運転されるエンジン1を備え、エンジン1から発生する排ガスが流れる排ガス路2に、燃焼器3と、窒素酸化物除去器4とを、記載順に備える。さらに、尿素水貯蔵器7、尿素水加水分解器8、及びSOFC5を備える点において、第一実施形態と異なることはない。尿素水加水分解器8においてエンジン1において発生する低温側の熱を利用する点も同様である。
以下、第二実施形態の特徴構成に関して順に説明する。
図2からも判明するように、第二実施形態のエンジンシステム100は、尿素水加水分解器8により得られる分解物を気液分離する気液分離器6(気液分離手段の一例)を備え、この気液分離器6により分離される液体側分離物を、エンジン1から発生する熱によりガス化し、燃料としてSOFC5に供給する。
さらにSOFC5には、エンジン1から発生する熱により燃料であるアンモニアを熱分解する熱分解部13(熱分解手段の一例)を備え、この熱分解部13においてアンモニア分解により生成される水素をSOFC5のアノード52に供給する構成が採用されている。
熱分解部13には、アンモニア分解触媒としてのルテニウム、ニッケル、コバルト、鉄の一種以上が収納されており、概略200℃以上の温度域で80%、400℃以上の温度域でほぼ100%アンモニアを水素及び窒素に分解する。従って、この熱分解部13は200℃以上450℃以下程度の温度域に保っておけばよい。
このような熱分解部13を備えたSOFC5の外観構成の一例を、図3に示した。
SOFC5は、底板5a上に、概略直方体形状の筐体5bを乗せた構成とされており、このSOFC5の底面形状に合わせて平板状の熱分解部13を備えている。この熱分解部13は内部に破断ジグザグ線で示す経路が備えられ、燃料として供給されるアンモニアNHを分解し、アノード52に供給する。SOFC5内で燃料電池反応を終えたガス(燃料側及び空気側)は、ともにSOFCオフガス(燃料極(アノード)側)及びSOFCオフガス(空気極(カソード)側)として、熱分解部13を介して、燃焼器3、窒素酸化物除去器4に排出する。このように、熱分解部13をモジュール化してSOFC5と一体化することで、他の設備(エンジン1、燃焼器3等)との組み合わせが容易となり、熱伝達を良好なものとできる。
さらに、図2で、細実線で示すように、気液分離器6で分離される気体側分離物(アンモニアガス)は、窒素酸化物除去器4に供給される構成が採用されており、この除去器4には、窒素酸化物還元触媒としてのバナジウム、モリブデン、タングステン、ゼオライト、貴金属等の一種以上が収納されており、還元剤としてのアンモニアが供給されて、窒素酸化物(NOx)を還元、無害化する。
以上説明してきた構成から明らかなように、第二実施形態のエンジンシステム101では、気液分離器6により分離される気体側分離物を還元剤として窒素酸化物除去を行うとともに、液体側分離物がガス化され、燃料としてSOFC5に供給され、さらに熱分解部13で分解されて概略水素でアノード52に供給される。SOFC5のカソード53側には、当然酸化性ガスとしての酸素を含有するガスである空気等が供給されて、SOFC5の良好な運転が確保され、先に図4で説明した所定の温度状態で可能な限り高い電力を得ることができる。
さて、この例に於ける気液分離器6による気液分離であるが、その分離条件の制御設定(温度及び圧力の制御設定)は、気体側分離物の量は窒素酸化物除去器4において必要となる還元剤の量に、一方、液体側分離物の量はSOFC5において燃料として必要とされる燃料の量に対応する量に調整される。ここで、この作動を行うに際して加水分解されるべき尿素水の量は、基本的には、還元剤としての必要量及び燃料としての必要量の合計に対応する量となる。従って、このエンジンシステム101では、エンジン1からの排ガス量、その排ガス量に対応する窒素酸化物量、燃料電池5が発電すべき発電電力量に対して必要となる燃料量(アンモニア量)を入力情報とし、これら必要量に見合う、尿素水の加水分解、気液分離を行うように、運転制御器60が設けられている。
そして、この第二実施形態は気液分離を行うことを特徴とする意味から、上述のような運転条件に見合うように気液分離器6を働かせる制御機能部位61を本願では「気液分離調整手段」と呼ぶ。
このように構成することにより、尿素水を別途保持しておくとともに、尿素水加水分解手段、気液分離手段を備えて、所定のエンジン1運転状態で、アンモニア還元型の窒素酸化物処理及び発電を良好に実行できる。
〔別実施形態〕
以下、本願の別実施形態を箇条書きする。
A 第一実施形態では、エンジン1で発生する熱の他、燃焼器3で得られる熱も有効利用する例を示した。第二実施形態においては、燃焼器3の熱に関しては特に触れなかったが、この形態においても、燃焼器3で発生する熱をSOFCの加熱、アンモニアの分解、液相側分離物のガス化、尿素水の加水分解に使用しても良い。
B 第一実施形態では、窒素酸化物除去器(SCR)で使用する還元剤に関しては特に述べなかったが、第二実施形態で示したように、尿素水加水分解器8から得られるアンモニアを使用してもよいし、従来から備えられている構成を利用し、尿素水のまま排ガスに混合する等還元剤供給系統をそのまま利用することもできる。
C 第二実施形態にあっては、アンモニアの熱分解に、SOFCの筐体に付属して備えられる熱分解部13を別途備えて構成したが、固体酸化物形燃料電池セルを構成するアノードに直接アンモニアガスを供給する構成を採用してもよい。
エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を有効利用するとともに、エンジンから排気される排ガスを処理する処理機構を利用して、SOFCの燃料となるアンモニアを得て、電力の供給が可能となるとともに、排気中に含まれることがある不良成分を極力低減することができるエンジンシステムを得ることができた。
1 エンジン
2 排ガス路
3 燃焼器(燃焼手段)
4 窒素酸化物除去器(窒素酸化物除去手段・アンモニア還元型窒素酸化物除去手段)
5 SOFC(アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池)
5a 底板
5b 筐体
6 気液分離器(気液分離手段)
7 尿素水貯蔵器(尿素水貯蔵手段)
8 尿素水加水分解器(尿素水加水分解手段)
10 熱交換器
11 第一熱交換部(第一熱利用手段)
12 第二熱交換部(第二熱利用手段)
13 熱分解部(熱分解手段)
51 固体電解質
52 アノード(燃料極)
53 カソード(空気極)
55 燃料電池セル
60 運転制御部
61 気液分離調整手段
100 エンジンシステム
101 エンジンシステム

Claims (4)

  1. 炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジンと、
    当該エンジンから発生する排ガスが流れる排ガス路に、前記排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼手段と、窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段とを、記載順に備えたエンジンシステムであって、
    尿素水を貯蔵する尿素水貯蔵手段から供給される尿素水を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を使用して加水分解する尿素水加水分解手段と、
    前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを燃料とするアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池とを備え、
    前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池から発生する燃料電池オフガスを前記燃焼手段に導くオフガス導入路を備え、
    前記燃料電池オフガスを前記燃焼手段及び前記窒素酸化物除去手段で処理するとともに、
    前記尿素水加水分解手段により得られる分解物を気液分離する気液分離手段を備え、
    前記気液分離手段により分離される液体側分離物を、前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱によりガス化し、燃料として前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に供給するエンジンシステム。
  2. 前記窒素酸化物除去手段が、前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを還元剤として働くアンモニア還元型窒素酸化物除去手段である請求項1記載のエンジンシステム。
  3. 前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱の利用に関し、
    前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池の加熱に使用する第一熱利用手段と、前記尿素水加水分解手段に於ける加水分解に使用する第二熱利用手段とを備え、
    前記第一熱利用手段で高温側の熱を使用し、当該第一熱利用手段における熱利用により低温化した低温側の熱を前記第二熱利用手段で使用する請求項1又は2記載のエンジンシステム。
  4. 炭化水素燃料を燃焼して運転されるエンジンと、
    当該エンジンから発生する排ガスが流れる排ガス路に、前記排ガス中の可燃物を燃焼する燃焼手段と、前記排ガス中の窒素酸化物を除去する窒素酸化物除去手段とを、記載順に備えたエンジンシステムの運転方法であって、
    尿素水を貯蔵する尿素水貯蔵手段から供給される尿素水を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱を使用して加水分解する尿素水加水分解手段と、
    前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを燃料とするアンモニア燃料固体酸化物形燃料電池とを備え、
    前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池から発生する燃料電池オフガスを前記エンジン排ガス路に備えられる前記燃焼手段に導くオフガス導入路を備え、
    前記窒素酸化物除去手段が、前記尿素水加水分解手段で生成されるアンモニアを還元剤とするアンモニア還元型窒素酸化物除去手段であり、
    前記尿素水加水分解手段により得られる分解物を気液分離する気液分離手段を備え、
    前記気液分離手段により分離される気体側分離物を還元剤として前記アンモニア還元型窒素酸化物除去手段に供給するとともに、液体側分離物を前記エンジン若しくは前記燃焼手段或はそれらの両方から発生する熱によりガス化し、燃料として前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池に供給する構成で、
    前記気液分離手段のよる気液分離に関し、前記気体側分離物の量をアンモニア還元型窒素酸化物除去手段で必要とされる還元剤の量に、前記液体側分離物の量を、前記アンモニア燃料固体酸化物形燃料電池において必要とされる燃料の量に対応する量に調整するエンジンシステムの運転方法。
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