JP2003191523A - 光プリンタヘッド - Google Patents

光プリンタヘッド

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JP2003191523A
JP2003191523A JP2001394127A JP2001394127A JP2003191523A JP 2003191523 A JP2003191523 A JP 2003191523A JP 2001394127 A JP2001394127 A JP 2001394127A JP 2001394127 A JP2001394127 A JP 2001394127A JP 2003191523 A JP2003191523 A JP 2003191523A
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JP
Japan
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printer head
resin material
optical printer
array chip
circuit wiring
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JP2001394127A
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Inventor
Takayuki Inoue
貴之 井上
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像データに対応した所定の画像を得ることが
可能で、しかも生産性に優れた高信頼性の光プリンタヘ
ッドを提供する。 【解決手段】多数の回路配線3を有した樹脂基板2の上
面に穴部2aを形成するとともに、該穴部2a内に、多
数の発光素子5及び前記回路配線3に電気的に接続され
る多数の接続パッド6を上面に有するLEDアレイチッ
プ4を埋設し、該LEDアレイチップ4の側面と穴部2
aの内面との間隙にエポキシ樹脂を主成分とする樹脂材
7を充填してなる光プリンタヘッドであって、前記樹脂
材7中にシリカフィラー9が40wt%〜80wt%含
有されるように光プリンタヘッドを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式プリン
タ等の光書込み手段として用いられる光プリンタヘッド
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真プリンタ等の光書込
み手段としてLEDアレイヘッド等の光プリンタヘッド
が用いられている。
【0003】かかる従来の光プリンタヘッドとしては、
例えば図2に示す如く、多数の回路配線13が所定パタ
ーンに被着されている樹脂基板12の上面に、多数の発
光素子15及び多数の接続パッド16を有する複数個の
LEDアレイチップ14を全ての発光素子15が直線状
に配列されるようにして一列に並べて搭載し、各LED
アレイチップ14の接続パッド16と該パッド16に対
応する回路配線13とをボンディングワイヤ17等で電
気的に接続した構造のものが知られており、外部からの
画像データに基づいて前記発光素子15を個々に選択的
に発光させるとともに該発光した光を図示しないロッド
レンズアレイ等の光学系を介して外部の感光体に照射・
結像させ、感光体に所定の潜像を形成することによって
光プリンタヘッドとして機能する。
【0004】そして、感光体に形成された潜像は、その
後、現像のプロセスを経てトナー像となり、このトナー
像を記録紙に転写・定着させることによって記録紙に所
定の印画が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光プリンタヘッドを例えばA3サイズ、600
dpi(dot per inch)の製品仕様にて構成した場合、
接続パッド16と回路配線13との接続箇所は約770
0箇所にも及び、両者は約7700本もの多数のボンデ
ィングワイヤ17で個々に接続されることとなる。それ
故、これらのボンディングワイヤ17を従来周知のワイ
ヤボンディング法によってボンディングすると、その接
続作業には極めて長時間を要し、光プリンタヘッドの生
産性向上に供することができない上に、光プリンタヘッ
ドの使用時等にボンディングワイヤ17が外部からの振
動や衝撃によって倒れ、隣接するボンディングワイヤ同
士を短絡させることがあり、このことが光プリンタヘッ
ドの信頼性を低下させていた。
【0006】また上述の光プリンタヘッドにおけるボン
ディングワイヤ17は従来周知のワイヤボンディング法
にて回路配線13やLEDアレイチップ14の接続パッ
ド16に対して接続されたものであり、通常、ファース
トボンディングがLEDアレイチップ14側で、セカン
ドボンディングが回路配線13側でなされている。この
場合、接続パッド16に接合されるボンディングワイヤ
17の一端部には、ボール状のネイルヘッドが形成され
ることから、光プリンタヘッドを使用した際に、発光素
子15の発した光の一部がボンディングワイヤ17のネ
イルヘッドで反射し、このような反射光が外部の感光体
に照射されると、感光体には反射光の照射に起因した不
要な潜像が形成されることとなり、画像データに対応し
た正確な画像を得ることが不可となる欠点も有してい
た。
【0007】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、画像データに対応した所定の画像を得
ることが可能で、しかも生産性に優れた高信頼性の光プ
リンタヘッドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光プリンタヘッ
ドは、多数の回路配線を有した樹脂基板の上面に穴部を
形成するとともに、該穴部内に、多数の発光素子及び前
記回路配線に電気的に接続される多数の接続パッドを上
面に有するLEDアレイチップを埋設し、該LEDアレ
イチップの側面と穴部の内面との間隙にエポキシ樹脂を
主成分とする樹脂材を充填してなる光プリンタヘッドで
あって、前記樹脂材中にシリカフィラーが40wt%〜
80wt%含有されていることを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明の光プリンタヘッドは、前記
シリカフィラーの平均粒径が3μm〜17μmに設定さ
れていることを特徴とするものである。
【0010】更に、本発明の光プリンタヘッドは、前記
回路配線を前記樹脂材上を介して前記LEDアレイチッ
プの接続パッド上まで延在させることにより接続パッド
に対して電気的に接続したことを特徴とするものであ
る。
【0011】また更に、本発明の光プリンタヘッドは、
前記回路配線と前記樹脂材との間に、前記樹脂材よりも
フィラー含有量を小さくしたエポキシ樹脂製の絶縁層が
介在されていることを特徴とするものである。
【0012】更にまた、本発明の光プリンタヘッドは、
前記樹脂材の表面を凹曲面状になすとともに、該凹曲面
上に位置する回路配線の表面を発光素子のpn接合部よ
りも下方に位置させたことを特徴とするものである。
【0013】本発明の光プリンタヘッドによれば、樹脂
基板の上面に形成された穴部内にLEDアレイチップを
埋設するとともに該LEDアレイチップの側面と穴部内
面との間隙にエポキシ樹脂からなる樹脂材を充填し、樹
脂基板上の回路配線を前記樹脂材上を介して前記LED
アレイチップの接続パッド上まで延在させることで回路
配線を接続パッドに対し電気的に接続するようにしたこ
とから、上記回路配線をパターン形成する際に、これら
をLEDアレイチップの接続パッドに対して同時に、か
つ一括的に接続することができ、これらをワイヤボンデ
ィング等で接続する場合に比し接続作業に要する時間を
大幅に短縮して、光プリンタヘッドの生産性を向上させ
ることができる。
【0014】しかも、これらの回路配線は、樹脂基板や
LEDアレイチップ等の上面に直に被着されるものであ
るため、光プリンタヘッドの使用時などに外部からの振
動や衝撃が印加されても、ボンディングワイヤが倒れて
隣合う回路配線同士が短絡するといった不具合を発生す
ることはなく、光プリンタヘッドの信頼性向上にも供す
ることができる上に、回路配線はその全体が膜状に形成
されていることから、ボンディングワイヤのネイルヘッ
ドの如き光を反射する大きな物体はLEDアレイチップ
上に何ら存在せず、光プリンタヘッドの使用時、反射光
等の不要な光が感光体に照射されて不要な潜像が形成さ
れるのを有効に防止することもできる。
【0015】また、本発明の光プリンタヘッドによれ
ば、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂材中に熱膨張係数
の小さなシリカフィラーを40wt%〜80wt%含有
させて、樹脂材全体の熱膨張係数をLEDアレイチップ
を形成するシリコンやガリウム砒素、樹脂基板を形成す
るガラス布基材エポキシ樹脂等の熱膨張係数に近づけた
ことから、光プリンタヘッドをプリンタに組み込んで使
用する際に、プリンタ内のデバイスや光プリンタヘッド
自体が発する熱によって光プリンタヘッドの温度が上昇
しても、樹脂材−樹脂基板間及び樹脂材−発光素子アレ
イチップ間における熱膨張係数の相違に起因したLED
アレイチップの位置ずれを有効に防止することができ、
これによって歪みの少ない良好な画像をえることが可能
となる。
【0016】更に、本発明の光プリンタヘッドによれ
ば、前記シリカフィラーの平均粒径を3μm〜17μm
の小さな値に設定することにより、樹脂材の表面にシリ
カフィラーの一部が露出する場合であっても、その上に
配される回路配線の一部を傷つけることはほとんどな
く、回路配線の断線を有効に防止して光プリンタヘッド
の信頼性を高く維持することができる。
【0017】また更に、本発明の光プリンタヘッドによ
れば、回路配線同士の短絡を防止するために該回路配線
と樹脂材との間に絶縁層を介在させる場合であっても、
かかる絶縁層を、樹脂材と同質の材料、すなわち樹脂材
よりもフィラー含有量を小さくしたエポキシ樹脂で形成
することにより、絶縁層と樹脂材との馴染みが良好とな
って両者の密着性が向上される。従って、絶縁層が樹脂
材表面より剥離するといった不具合を有効に防止するこ
とができ、これによっても光プリンタヘッドの信頼性を
向上させることが可能となる。
【0018】更にまた、本発明の光プリンタヘッドによ
れば、前記樹脂材の表面を凹曲面状になすとともに、該
凹曲面上に位置する回路配線の表面を発光素子のpn接
合部よりも下方に位置させておけば、発光素子の発する
光が樹脂材上に位置する回路配線の表面に当たって反射
することは少なくなるため、感光体に不要な潜像が形成
されるのをより有効に防止することができる利点もあ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る光
プリンタヘッドの断面図であり、2は樹脂基板、2aは
穴部、3は回路配線、4はLEDアレイチップ、5は発
光素子、6は接続パッド、7は樹脂材、8は絶縁層、9
はシリカフィラーである。
【0020】前記樹脂基板2は、ガラス布基材エポキシ
樹脂等の熱膨張係数の小さな樹脂により矩形状に形成さ
れており、その中央域には長手方向にわたり穴部2aが
設けられている。
【0021】前記樹脂基板2は、その上面で後述する多
数の回路配線3を、穴部2aの内面で後述するLEDア
レイチップ4を支持するための支持母材として機能する
ものであり、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、
例えばガラス糸を用いて形成したガラス布基材に液状の
エポキシ樹脂を含浸させて硬化し、これを矩形状に外形
加工することによって製作され、得られた樹脂基板2の
上面をダイサーやリューター等を用いて加工することに
より穴部2aが形成される。
【0022】尚、樹脂基板2の穴部2aは、後述するL
EDアレイチップ4よりも幅広で、且つLEDアレイチ
ップ4の厚みと略等しい深さに形成されており、その内
部にLEDアレイチップ4が埋設されることとなる。
【0023】また穴部2a内に埋設される複数個のLE
Dアレイチップ4は、単結晶シリコンから成るシリコン
ウエハの上面に、例えば600dpi(dot per inch)
の密度で直線状に配列した多数の発光素子5と該素子5
に電気的に接続される接続パッド6とを有しており、こ
れらの発光素子5が主走査方向にわたり一直線に配列す
るように、複数個のLEDアレイチップ4が樹脂基板2
の穴部2a内で一列状に搭載される。
【0024】前記LEDアレイチップ4の発光素子5と
しては、例えばGaAlAs系やGaAsP系のp型半
導体層5aとn型半導体層5bとを順次積層して両者を
pn接合させた構造を有する発光ダイオード(LED)
等が好適に使用され、かかる発光ダイオードを発光素子
5として用いる場合、樹脂基板上面の回路配線等を介し
て発光素子5に電源電力が供給されると、発光素子5内
に設けられているpn接合部付近で電子と正孔とが再結
合し、これに伴って発生するエネルギーを光に変換する
ことによって発光素子5が所定の輝度で発光する。
【0025】尚、前記発光素子5を、GaAlAs系の
発光ダイオードにより構成する場合、従来周知の半導体
製造技術、具体的には、MOCVD(Metal Organic Ch
emical Vapor Deposition)法等を採用し、GaAlA
sを主成分とする化合物半導体を単結晶シリコン等から
成るシリコンウエハの上面にエピタキシャル成長させる
ことによってLEDアレイチップ4が製作される。
【0026】そして、上述した樹脂基板2の穴部内面と
LEDアレイチップ4の側面との間隙には、エポキシ樹
脂を主成分とする樹脂材7が充填されている。
【0027】前記樹脂材7は、LEDアレイチップ4を
穴部2a内の所定位置に接着・固定するためのものであ
り、その表面が曲率半径250μm〜1250μmの凹
曲面状を成すように形成され、該凹曲面上に位置する回
路配線3の表面を発光素子5のpn接合部よりも下方に
位置させている。
【0028】また、前記樹脂材7の内部にはシリカフィ
ラー9が40wt%〜80wt%含有されており、かか
るシリカフィラー9の熱膨張係数が約2×10-6/Kと
比較的小さいことから、樹脂材7を形成するエポキシ樹
脂の熱膨張係数(約70×10-6/K)を、樹脂基板2
を形成するガラス布基材エポキシ樹脂やLEDアレイチ
ップ4を形成するシリコンの熱膨張係数(ガラス布基材
エポキシ樹脂:約12×10-6/K、単結晶シリコン:
約4×10-6/K)に近づけることができる。従って、
光プリンタヘッドをプリンタに組み込んで使用する際
に、プリンタ内のデバイスや光プリンタヘッド自体が発
する熱によって光プリンタヘッドの温度が上昇しても、
樹脂材7−発光素子アレイチップ4間及び樹脂材7−樹
脂基板2間における熱膨張係数の相違に起因したLED
アレイチップ4の位置ずれを有効に防止することがで
き、これによって歪みの少ない良好な画像をえることが
可能となる。
【0029】このようなシリカフィラー9としては、平
均粒径が3μm〜17μmのものが好適に用いられ、か
かるシリカフィラー9を使用することにより、樹脂材7
の上面にシリカフィラー9の一部が露出する場合であっ
ても、その上に配される回路配線3を傷つけることはほ
とんどなく、回路配線3の断線を有効に防止して光プリ
ンタヘッドの信頼性を高く維持することができる。
【0030】尚、前記シリカフィラー9の含有量が40
wt%よりも小さいと、樹脂材7の熱膨張係数を樹脂基
板2やLEDアレイチップ4の熱膨張係数に対して十分
に近づけることができず、熱膨張係数の相違に起因した
LEDアレイチップ4の位置ずれを防止することが不可
となり、一方、シリカフィラー9の含有量が80wt%
よりも大きいと、樹脂材7を形成するエポキシ樹脂の前
駆体の流動性が著しく低下し、この前駆体を穴部2aの
内面とLEDアレイチップ4の側面との間隙に充填させ
る際の作業性が悪くなり、最悪の場合、上記間隙に前駆
体を十分に充填させることができず、光プリンタヘッド
を穴部2a内に固定しておくことが不可となる。従っ
て、シリカフィラー9の含有量を40wt%〜80wt
%に設定しておくことが重要である。
【0031】また、前記シリカフィラー9の平均粒径が
3μmよりも小さいと、シリカフィラー同士が樹脂材7
の中で凝集し、その分布が不均一なものとなる傾向があ
り、一方、平均粒径が17μmよりも大きいと、樹脂材
7の表面よりシリカフィラー9の一部が露出すると、シ
リカフィラー9が絶縁層8を介して回路配線3と接触
し、かかる回路配線3を傷つけて断線を引き起こすおそ
れがある。従って、シリカフィラー9の平均粒径を3μ
m〜17μmに設定しておくことが好ましい。
【0032】上述した樹脂材7は、まず液状に成したエ
ポキシ樹脂の前駆体に平均粒径3μm〜17μmのシリカ
フィラー9を40wt%〜80wt%となるように添加
・混合し、これをディスペンサー等を用いて前記穴部2
aの内面とLEDアレイチップ4の側面との間隙に流し
込み、しかる後、これを約150℃の温度で加熱するこ
とによって形成される。このとき、上記前駆体を、その
表面が樹脂基板2の上面及びLEDアレイチップ4の上
面と略同一平面内に配されるように上記間隙に充填した
状態で前駆体を加熱すれば、前駆体中の溶剤等が適度に
飛散されつつ重合反応が起こるため、樹脂材7の表面が
凹曲面状となる。
【0033】そして、前記樹脂材7の表面及びLEDア
レイチップ4の一部上面には絶縁層8が所定パターンを
成すように被着され、該絶縁層8上には更に回路配線3
が被着されている。
【0034】前記絶縁層8は、隣合う回路配線同士がL
EDアレイチップ4等を介して短絡するのを防止するた
めのものであり、樹脂材7と同質の材料、すなわち樹脂
材7よりもフィラー含有量を小さくしたエポキシ樹脂に
より回路配線3の被着領域に例えば10μm〜100μ
mの厚みに形成される。
【0035】かかる絶縁層8の形成には感光性樹脂が用
いられ、液状になした感光性樹脂を樹脂材7やLEDア
レイチップ4の上面全体に従来周知のスピンコート法等
によって薄く塗布し、該液状樹脂を紫外線の照射によっ
て全ての発光素子5と接続パッド6とを露出されるよう
に所定パターンに現像した後、これを150℃〜200
℃の温度で硬化・重合させることによって形成される。
【0036】このように、絶縁層8を形成するのに感光
性樹脂を用いることにより、全ての発光素子5と接続パ
ッド6とを露出させるためのフォトプロセスが、絶縁層
8上に別途フォトレジスト膜等を被着させて絶縁層8を
パターニングする場合に比し大幅に簡略化されることと
なり、光プリンタヘッドの生産性を高く維持することが
できる。
【0037】更に、前述した樹脂材7の表面は、曲率半
径250μm〜1250μmの凹曲面状に成してあり、
樹脂材7と絶縁層8との接着面積が広く確保されること
から、絶縁層8を樹脂材7に対して良好に被着させてお
くことができる利点もある。
【0038】また更に、前記樹脂材7及び絶縁層8は、
上述した如く、同質の材料であるエポキシ樹脂により形
成されているため、両者の馴染みが良好であり、絶縁層
8の樹脂材7に対する密着強度を向上させることもでき
る。
【0039】尚、上述した絶縁層8中のシリカフィラー
含有量を樹脂材7よりも小さくしてあるのは、絶縁層8
の表面を平滑化して、絶縁層8上に被着される回路配線
3の膜厚を略均一にするためである。
【0040】また一方、前記樹脂基板2の上面に設けら
れる回路配線3は、先に述べたLEDアレイチップ4の
発光素子5に電源電力を供給するための給電配線として
機能するものであり、アルミニウム、銅、金、ニッケ
ル、クロム等の金属により形成され、その一端側を樹脂
基板2上より樹脂材7上を介してLEDアレイチップ4
の接続パッド6上まで延在し、該延在部で対応する接続
パッド6と電気的に接続されている。
【0041】この場合、上述した多数の回路配線3はL
EDアレイチップ4の上面に直に被着させてあるため、
光プリンタヘッドの使用時などに外部からの振動や衝撃
が印加されても、ボンディングワイヤが倒れて隣合う回
路配線同士が短絡するといった不具合を発生することは
なく、光プリンタヘッドの信頼性向上にも供することが
できる上に、接続パッド6上まで延在させた回路配線3
はその全体が膜状をなすように形成されていることか
ら、LEDアレイチップ4上にはボンディングワイヤの
ネイルヘッドの如き光を反射する大きな物体は何ら存在
せず、従って、光プリンタヘッドを使用する際、反射光
等の不要な光が外部の感光体に照射されて不要な潜像が
形成されるのを有効に防止して、画像データに対応した
正確な画像を得ることが可能である。
【0042】また回路配線3の表面は、前述した如く、
発光素子5のpn接合部よりも下方に位置しているた
め、発光素子5の発する光が樹脂材7上に位置する回路
配線3の表面に当たって反射することは少なくなるた
め、感光体に不要な潜像が形成されるのをより有効に防
止することができる利点もある。
【0043】尚、前記回路配線3は、従来周知のメッキ
法や薄膜形成技術、例えば従来周知の真空蒸着法等を採
用して、上述の金属材料を絶縁層8及びLEDアレイチ
ップ4の上面に例えば0.5μm〜20μmの厚みに被
着させ、これを従来周知のフォトリソグラフィー技術及
びエッチング技術等を採用し所定パターンに微細加工す
ることによって形成される。
【0044】このような回路配線3は、LEDアレイチ
ップ4の上面に設けた多数の接続パッド6に対して同時
に、かつ一括的に接続されるため、これらをワイヤボン
ディング等で接続する場合に比し接続作業に要する時間
を大幅に短縮して、光プリンタヘッドの生産性を向上さ
せることができる。
【0045】かくして上述した光プリンタヘッドは、L
EDアレイチップ4の発光素子5を画像データに対応さ
せて個々に選択的に発光させるとともに、該発光した光
をLEDアレイチップ上に配されるレンズアレイ等の光
学系を介して外部の感光体に照射・結像させ、感光体に
所定の潜像を形成することによって光プリンタヘッドと
して機能する。
【0046】そして、感光体に形成された潜像は、その
後、現像のプロセスを経てトナー像となり、このトナー
像を記録紙に転写・定着させることによって記録紙に所
定の画像が記録されることとなる。
【0047】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0048】例えば上述の実施形態において、樹脂基板
2上に発光素子5の発光を制御するためのドライバーI
Cを搭載したり、或いは、回路配線3やLEDアレイチ
ップ4の表面をエポキシ樹脂等からなる保護膜で被覆す
るようにしても良い。
【0049】また、上述の実施形態においては、p型半
導体層5a上にn型半導体層5bを積層することによっ
て発光素子5を形成するようにしたが、これに代えて、
n型半導体層上にp型半導体層を積層して発光素子を形
成するようにしても良い。
【0050】更に、上述の実施形態においては、LED
アレイヘッドを例に説明したが、それ以外の光プリンタ
ヘッド、例えば、ELヘッド、プラズマドットヘッド、
液晶シャッタヘッド、蛍光ヘッド、PLZT等にも本発
明は適用可能である。
【0051】(実験例)次に、本発明の作用効果を実験
例に基づき説明する。
【0052】まず、樹脂材中のシリカフィラー9の含有
量を少しずつ変化させて10個の光プリンタヘッドサン
プル(サンプルNo.1〜No.10)を作成し、これらのサン
プルをプリンタ内に組み込んで使用する場合を想定する
ため、上記サンプルを約60℃に加熱した状態で約20
0時間放置する場合に、LEDアレイチップ4に位置ず
れが発生しているか否かを調べた。尚、この実験では、
樹脂基板2はガラス布基材エポキシ樹脂製のものを、発
光素子アレイチップ4はシリコン製のものを、シリカフ
ィラー9は平均粒径が3μmのものを使用した。以上の
ような実験を行なった結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】この表1によれば、シリカフィラー9の含
有量が40wt%〜80wt%であるNo.4〜No.8のサン
プルについては、光プリンタヘッドを約60℃の高温で
長時間放置したとしても、LEDアレイチップ4に位置
ずれが発生していないことがわかる。
【0055】一方、シリカフィラー9の含有量が40w
t%よりも小さいNo.1〜No.3のサンプルについては、光
プリンタヘッドを約60℃の高温で長時間放置すると、
LEDアレイチップ4に位置ずれが生じていることがわ
かる。
【0056】また、シリカフィラー9の含有量が80w
t%よりも大きいNo.9,No.10のサンプルについては、エ
ポキシ樹脂の前駆体の流動性が著しく低下し、LEDア
レイチップ4の側面と穴部2aの内面との間隙に樹脂材
7を十分に充填させることができず、光プリンタヘッド
を穴部2a内に接着・固定しておくことができなかっ
た。
【0057】以上の結果から、光プリンタヘッドの使用
時におけるLEDアレイチップ4の位置ずれを防止する
ためには、樹脂材7に含まれるシリカフィラー9の含有
量を40wt%〜80wt%に設定しなければならない
ことがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の光プリンタヘッドによれば、樹
脂基板の上面に形成された穴部内にLEDアレイチップ
を埋設するとともに該LEDアレイチップの側面と穴部
内面との間隙にエポキシ樹脂からなる樹脂材を充填し、
樹脂基板上の回路配線を前記樹脂材上を介して前記LE
Dアレイチップの接続パッド上まで延在させることで回
路配線を接続パッドに対し電気的に接続するようにした
ことから、上記回路配線をパターン形成する際に、これ
らをLEDアレイチップの接続パッドに対して同時に、
かつ一括的に接続することができ、これらをワイヤボン
ディング等で接続する場合に比し接続作業に要する時間
を大幅に短縮して、光プリンタヘッドの生産性を向上さ
せることができる。
【0059】しかも、これらの回路配線は、樹脂基板や
LEDアレイチップ等の上面に直に被着されるものであ
るため、光プリンタヘッドの使用時などに外部からの振
動や衝撃が印加されても、ボンディングワイヤが倒れて
隣合う回路配線同士が短絡するといった不具合を発生す
ることはなく、光プリンタヘッドの信頼性向上にも供す
ることができる上に、回路配線はその全体が膜状に形成
されていることから、ボンディングワイヤのネイルヘッ
ドの如き光を反射する大きな物体はLEDアレイチップ
上に何ら存在せず、光プリンタヘッドの使用時、反射光
等の不要な光が感光体に照射されて不要な潜像が形成さ
れるのを有効に防止することもできる。
【0060】また、本発明の光プリンタヘッドによれ
ば、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂材中に熱膨張係数
の小さなシリカフィラーを40wt%〜80wt%含有
させて、樹脂材全体の熱膨張係数をLEDアレイチップ
を形成するシリコンやガリウム砒素、樹脂基板を形成す
るガラス布基材エポキシ樹脂等の熱膨張係数に近づけた
ことから、光プリンタヘッドをプリンタに組み込んで使
用する際に、プリンタ内のデバイスや光プリンタヘッド
自体が発する熱によって光プリンタヘッドの温度が上昇
しても、樹脂材−樹脂基板間及び樹脂材−発光素子アレ
イチップ間における熱膨張係数の相違に起因したLED
アレイチップの位置ずれを有効に防止することができ、
これによって歪みの少ない良好な画像をえることが可能
となる。
【0061】更に、本発明の光プリンタヘッドによれ
ば、前記シリカフィラーの平均粒径を3μm〜17μm
の小さな値に設定することにより、樹脂材の表面にシリ
カフィラーの一部が露出する場合であっても、その上に
配される回路配線の一部を傷つけることはほとんどな
く、回路配線の断線を有効に防止して光プリンタヘッド
の信頼性を高く維持することができる。
【0062】また更に、本発明の光プリンタヘッドによ
れば、回路配線同士の短絡を防止するために該回路配線
と樹脂材との間に絶縁層を介在させる場合であっても、
かかる絶縁層を、樹脂材と同質の材料、すなわち樹脂材
よりもフィラー含有量を小さくしたエポキシ樹脂で形成
することにより、絶縁層と樹脂材との馴染みが良好とな
って両者の密着性が向上される。従って、絶縁層が樹脂
材表面より剥離するといった不具合を有効に防止するこ
とができ、これによっても光プリンタヘッドの信頼性を
向上させることが可能となる。
【0063】更にまた、本発明の光プリンタヘッドによ
れば、前記樹脂材の表面を凹曲面状になすとともに、該
凹曲面上に位置する回路配線の表面を発光素子のpn接
合部よりも下方に位置させておけば、発光素子の発する
光が樹脂材上に位置する回路配線の表面に当たって反射
することは少なくなるため、感光体に不要な潜像が形成
されるのをより有効に防止することができる利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光プリンタヘッドの
断面図である。
【図2】従来の光プリンタヘッドの断面図である。
【符号の説明】
2・・・樹脂基板、2a・・・穴部、3・・・回路配
線、4・・・LEDアレイチップ、5・・・発光素子、
6・・・接続パッド、7・・・樹脂材、8・・・絶縁
層、9・・・シリカフィラー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の回路配線を有した樹脂基板の上面に
    穴部を形成するとともに、該穴部内に、多数の発光素子
    及び前記回路配線に電気的に接続される多数の接続パッ
    ドを上面に有するLEDアレイチップを埋設し、該LE
    Dアレイチップの側面と穴部の内面との間隙にエポキシ
    樹脂を主成分とする樹脂材を充填してなる光プリンタヘ
    ッドであって、前記樹脂材中にシリカフィラーが40w
    t%〜80wt%含有されていることを特徴とする光プ
    リンタヘッド。
  2. 【請求項2】前記シリカフィラーの平均粒径が3μm〜
    17μmに設定されていることを特徴とする請求項1に
    記載の光プリンタヘッド。
  3. 【請求項3】前記回路配線を前記樹脂材上を介して前記
    LEDアレイチップの接続パッド上まで延在させること
    により接続パッドに対して電気的に接続したことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の光プリンタヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】前記回路配線と前記樹脂材との間に、前記
    樹脂材よりもフィラー含有量を小さくしたエポキシ樹脂
    製の絶縁層が介在されていることを特徴とする請求項3
    に記載の光プリンタヘッド。
  5. 【請求項5】前記樹脂材の表面を凹曲面状になすととも
    に、該凹曲面上に位置する回路配線の表面を発光素子の
    pn接合部よりも下方に位置させたことを特徴とする請
    求項3または請求項4に記載の光プリンタヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200856A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 三菱レイヨン株式会社 ロッドレンズアレイ

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JP2015200856A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 三菱レイヨン株式会社 ロッドレンズアレイ

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