JP2003191496A - 液体噴射装置及び同装置の駆動方法 - Google Patents

液体噴射装置及び同装置の駆動方法

Info

Publication number
JP2003191496A
JP2003191496A JP2001398899A JP2001398899A JP2003191496A JP 2003191496 A JP2003191496 A JP 2003191496A JP 2001398899 A JP2001398899 A JP 2001398899A JP 2001398899 A JP2001398899 A JP 2001398899A JP 2003191496 A JP2003191496 A JP 2003191496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
pressure chamber
droplets
flushing
volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001398899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3991680B2 (ja
Inventor
Shunka Cho
俊 華 張
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2001398899A priority Critical patent/JP3991680B2/ja
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to US10/229,262 priority patent/US6802589B2/en
Priority to AT02019069T priority patent/ATE409587T1/de
Priority to DE60229093T priority patent/DE60229093D1/de
Priority to EP02019069A priority patent/EP1287996B1/en
Priority to CNB2005100558860A priority patent/CN100441415C/zh
Priority to CN02141973.6A priority patent/CN1262417C/zh
Publication of JP2003191496A publication Critical patent/JP2003191496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3991680B2 publication Critical patent/JP3991680B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラッシング操作直後に濡れ曲がり現象が発
生することのない液体噴射装置及び同装置の駆動方法を
提供する。 【解決手段】 同一のノズル開口から体積の異なる複数
種類の液滴を選択的に吐出する液体噴射ヘッドと、ノズ
ル開口において増粘した液体を除去するために液体噴射
ヘッドを制御してノズル開口から液滴を吐出させるフラ
ッシング制御部82と、を備える。フラッシング制御部
82は、ノズル開口において増粘した液体の増粘の度合
いに応じて複数種類のフラッシングモードから最適のモ
ードを選択する機能を有し、複数種類のフラッシングモ
ードにおけるいずれのモードにおいても、体積の異なる
複数種類の液滴のうちの最も体積の大きい液滴以外の液
滴のみが吐出されてフラッシングが実施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル開口から液
滴を吐出する液体噴射装置及び同装置の駆動方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体噴射装置の一例であるインクジェッ
ト式記録装置は、列状に並べた状態で形成された多数の
ノズル開口を備える記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一
例)と、この記録ヘッドを主走査方向(記録紙幅方向)
に移動させるキャリッジ機構と、記録紙を副走査方向
(紙送り方向)に移動させる紙送り機構とを備えてい
る。
【0003】上記の記録ヘッドは、ノズル開口に連通し
た圧力室とこの圧力室内のインク圧力を変化させる圧力
発生素子とを備えている。この記録ヘッドでは、吐出パ
ルスを圧力発生素子に供給することで圧力室内のインク
圧力を変化させ、ノズル開口からインク滴を吐出させ
る。
【0004】上記のキャリッジ機構は、記録ヘッドを主
走査方向に移動させる。この移動中において記録ヘッド
は、ドットパターンデータにより規定されるタイミング
でインク滴を吐出させる。そして、記録ヘッドが移動範
囲の終端に達したならば、紙送り機構は記録紙を副走査
方向に移動させる。記録紙の移動を行ったならば、キャ
リッジ機構は記録ヘッドを再度主走査方向に移動させ、
記録ヘッドは移動中にインク滴を吐出する。
【0005】以上の動作を繰り返し行うことにより、ド
ットパターンデータに基づく画像が記録紙上に記録され
る。
【0006】また、インクジェット式記録装置は、イン
ク滴を吐出するか否か、つまりドットの有無により画像
を構成するものである。このため、この記録装置では、
1つの画素を4×4、8×8等の複数のドットで表現す
ることによって中間階調を表現する方法が採用されてい
る。そして、この方法で高い画質の画像を記録するため
に、体積の大きなインク滴のみならず、中程度の体積の
インク滴、さらには小さな体積のインク滴を記録ヘッド
から吐出するようにして、大ドット、中ドット、小ドッ
トの各種ドットを形成できるようになされている。
【0007】ところで、記録ヘッドのノズル開口では、
メニスカス、つまり、ノズル開口にて露出したインクの
自由表面が空気に曝されているので、インク溶媒(例え
ば、水)が徐々に蒸発してしまう。このインク溶媒の蒸
発によってノズル開口のインク粘度が上昇すると、吐出
されたインク滴が正規の方向からずれた方向に飛翔する
等の不具合が生じてしまう。
【0008】このため、インクジェット式記録装置で
は、ノズル開口部分のインクの増粘を防止する対策がな
されている。この増粘対策として、増粘したインクを記
録領域外で強制的に吐出するフラッシング操作や、メニ
スカスの微振動によるインクの攪拌操作がある。
【0009】上述したフラッシング操作においては、記
録動作の際にインク滴を吐出するために使用される吐出
パルスが圧力発生素子に供給され、非記録領域に向けて
ノズル開口からインク滴が吐出される。そして、フラッ
シングの所要時間を短縮するため、及び増粘したインク
を吹き飛ばす力が大きいという理由から、フラッシング
操作においては、記録動作時に大ドットを形成する大イ
ンク滴が使用されている。ここで、「大ドット」とは、
当該インクジェット記録装置で形成可能な最も大きなド
ットのことである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の如く
フラッシング操作において大インク滴を吐出させるよう
にした場合、インクの種類によっては、フラッシング終
了直後の印刷動作の際にインク滴の濡れ曲がり現象が発
生して印刷精度が低下するという問題があることが判っ
た。ここで、インク滴の「濡れ曲がり現象」とは、ノズ
ル開口から吐出されたインク滴が、先行するフラッシン
グ操作等の際にノズル開口の周囲に付着したインクによ
って引き寄せられ、これによりインク滴の吐出方向が曲
げられて正規の軌跡からずれてしまう現象である。
【0011】フラッシング操作直後にこの濡れ曲がり現
象が発生する原因としては、大インク滴を吐出させてフ
ラッシング操作を行った際にインクミストが発生し、こ
のインクミストがノズル開口の周囲に付着したためであ
ると考えられる。
【0012】特に、顔料濃度が高く、増粘しやすいイン
クにおいてフラッシング直後の濡れ曲がり現象が発生し
やすいという傾向がある。
【0013】近年、顔料濃度が高いインクの開発が進め
られており、このようなインクを使用した場合には上述
したフラッシング直後の濡れ曲がりの問題がさらに深刻
化する可能性がある。
【0014】例えば、従来の大インク滴を吐出させる方
式のフラッシングの場合、十数%という高い顔料濃度の
インクを使用すると、前回のインク吐出時点からフラッ
シング開始時点までに1秒以上間隔があくと、上述した
濡れ曲がり現象が発生してしまうという実験結果が得ら
れている。つまり、従来の大インク滴を吐出させる方式
のフラッシングでは、顔料濃度が十数%のインクを使用
する場合、前回のインク吐出時点から1秒以内にフラッ
シングを実施しなければ濡れ曲がり現象が発生してしま
うことになり、このような短い時間間隔でフラッシング
を実施することは実用上極めて困難若しくは不可能であ
る。
【0015】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たものであって、フラッシング操作直後に濡れ曲がり現
象が発生することのない液体噴射装置及び同装置の駆動
方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による液体噴射装置は、ノズル開口に連通す
る圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開
口から液滴を吐出する液体噴射ヘッドであって、同一の
前記ノズル開口から体積の異なる複数種類の液滴を選択
的に吐出することができる液体噴射ヘッドと、前記ノズ
ル開口において増粘した液体を除去するために前記液体
噴射ヘッドを制御して前記ノズル開口から液滴を吐出さ
せるフラッシング制御部と、を備え、前記フラッシング
制御部は、前記ノズル開口において増粘した液体の増粘
の度合いに応じて複数種類のフラッシングモードから最
適のモードを選択する機能を有し、前記複数種類のフラ
ッシングモードにおけるいずれのモードにおいても、前
記体積の異なる複数種類の液滴のうちの最も体積の大き
い液滴以外の液滴のみが吐出されてフラッシングが実施
されることを特徴とする。
【0017】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記体積の異なる複数種類の液滴のう
ちの最も体積の大きい液滴の約半分の体積を持つ液滴で
ある。
【0018】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記体積の異なる複数種類の液滴のう
ちの最も体積の小さい液滴である。
【0019】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記圧力室の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、続いて前記圧力室の容積を連
続的に収縮させ、収縮状態を保持した後に連続的に膨張
させる、という操作以外の操作によって前記ノズル開口
から吐出される。
【0020】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記圧力室の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、続いて前記圧力室の容積を中
間段階まで連続的に収縮させ、前記中間段階での収縮状
態を保持した後に最終段階まで連続的にさらに収縮させ
る、という操作によって前記ノズル開口から吐出され
る。
【0021】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記圧力室の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、続いて前記圧力室の容積を中
間段階まで連続的に収縮させ、前記中間段階での収縮状
態を保持した後に再び連続的に膨張させ、この膨張状態
を保持した後に再び収縮させ、この収縮状態を保持した
後に再び膨張させる、という操作によって前記ノズル開
口から吐出される。
【0022】また、好ましくは、前記液体噴射ヘッド
は、前記圧力室に対応して設けられたたわみ振動モード
の圧電振動子を有し、前記圧電振動子に吐出パルスを印
加することにより前記圧力室内の液体に圧力変動を生じ
させる。
【0023】また、好ましくは、前記液体噴射ヘッド
は、前記圧力室に対応して設けられた縦振動モードの圧
電振動子を有し、前記圧電振動子に吐出パルスを印加す
ることにより前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ
る。
【0024】上記課題を解決するために、本発明は、ノ
ズル開口に連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさ
せて前記ノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド
であって、同一の前記ノズル開口から体積の異なる複数
種類の液滴を選択的に吐出することができる液体噴射ヘ
ッドと、前記ノズル開口において増粘した液体を除去す
るために前記液体噴射ヘッドを制御して前記ノズル開口
から液滴を吐出させるフラッシング制御部と、を備えた
液体噴射装置の駆動方法において、前記フラッシング制
御部によって、前記ノズル開口において増粘した液体の
増粘の度合いに応じて複数種類のフラッシングモードか
ら最適のモードを選択する工程と、選択されたモードを
用いて前記ノズル開口から液滴を吐出してフラッシング
を実施する工程と、を備え、前記複数種類のフラッシン
グモードにおけるいずれのモードにおいても、前記体積
の異なる複数種類の液滴のうちの最も体積の大きい液滴
以外の液滴のみを吐出させてフラッシングが実施される
ことを特徴とする。
【0025】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記体積の異なる複数種類の液滴のう
ちの最も体積の大きい液滴の約半分の体積を持つ液滴で
ある。
【0026】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記体積の異なる複数種類の液滴のう
ちの最も体積の小さい液滴である。
【0027】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記圧力室の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、続いて前記圧力室の容積を連
続的に収縮させ、収縮状態を保持した後に連続的に膨張
させる、という操作以外の操作によって前記ノズル開口
から吐出される。
【0028】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記圧力室の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、続いて前記圧力室の容積を中
間段階まで連続的に収縮させ、前記中間段階での収縮状
態を保持した後に最終段階まで連続的にさらに収縮させ
る、という操作によって前記ノズル開口から吐出され
る。
【0029】また、好ましくは、フラッシングの際に吐
出される液滴は、前記圧力室の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、続いて前記圧力室の容積を中
間段階まで連続的に収縮させ、前記中間段階での収縮状
態を保持した後に再び連続的に膨張させ、この膨張状態
を保持した後に再び収縮させ、この収縮状態を保持した
後に再び膨張させる、という操作によって前記ノズル開
口から吐出される。
【0030】また、好ましくは、前記液体噴射ヘッド
は、前記圧力室に対応して設けられたたわみ振動モード
の圧電振動子を有し、前記圧電振動子に吐出パルスを印
加することにより前記圧力室内の液体に圧力変動を生じ
させる。
【0031】また、好ましくは、前記液体噴射ヘッド
は、前記圧力室に対応して設けられた縦振動モードの圧
電振動子を有し、前記圧電振動子に吐出パルスを印加す
ることにより前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0033】図1は、本実施形態によるインクジェット
式記録装置の概略構成を示した斜視図である。図1中符
号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッ
ジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し
て、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往
復移動されるように構成されている。キャリッジ1、キ
ャリッジモータ2、タイミングベルト3、及びガイド部
材4は、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式
記録ヘッド162をキャリッジ1と共に主走査方向に走
査させるキャリッジ機構を構成している。
【0034】インクジェット式記録ヘッド162はキャ
リッジ1の記録媒体6に対向する側に搭載されており、
またその上部には記録ヘッド162にインクを供給する
インクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。
【0035】インクジェット式記録装置の非記録領域で
あるホームポジション(図1中、右側)にはキャップ部材
110が配置されており、このキャップ部材110はキ
ャリッジ1に搭載された記録ヘッド162がホームポジ
ションに移動した時に、記録ヘッド162のノズル形成
面に押し当てられてノズル形成面との間に密閉空間を形
成するように構成されている。そして、キャップ部材1
10の下方には、キャップ部材110により形成された
密閉空間に負圧を与えるためのポンプユニット10が配
置されている。
【0036】キャップ部材110における記録領域側の
近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段1
1が記録ヘッドの移動軌跡に対して例えば水平方向に進
退できるように配置されていて、キャリッジ1がキャッ
プ部材110側に往復移動するに際して、必要に応じて
記録ヘッド162のノズル形成面を払拭することができ
るように構成されている。
【0037】本実施形態によるインクジェット式記録装
置は、さらに、記録ヘッド162により記録が行われる
記録媒体6を主走査方向に対して直交する副走査方向に
間欠的に搬送する送り機構を備えている。
【0038】図2は、図1に示したインクジェット式記
録装置の記録ヘッドの構造を示している。
【0039】この記録ヘッド162は、合成樹脂製の基
台163と、この基台163の前面(図の左側に相当す
る)に貼着された流路ユニット164とを備えている。
そして、この流路ユニット164は、ノズル開口165
が穿設されたノズルプレート166と、振動板167
と、流路形成板168とから構成されている。
【0040】基台163は、前面と背面に開放された収
容空間169が設けられたブロック状部材である。この
収容空間169には、固定基板170に固定された圧電
振動子161が収容されている。
【0041】ノズルプレート166は、副走査方向に沿
って多数のノズル開口165が穿設された薄い板状部材
である。各ノズル開口165は、ドット形成密度に対応
した所定ピッチで開設されている。振動板167は、圧
電振動子161が当接する厚肉部としてのアイランド部
171と、このアイランド部171の周囲を囲うように
設けられ、弾性を有する薄肉部172とを備えた板状部
材である。
【0042】アイランド部171は、一つのノズル開口
165に一つのアイランド部171が対応するように、
所定ピッチで多数設けられている。
【0043】流路形成板168は、圧力室173、共通
インク室174、及び、これらの圧力室173と共通イ
ンク室174とを連通するインク供給路175を形成す
るための開口部が設けられている。
【0044】そして、ノズルプレート166を流路形成
板168の前面に配設するとともに、振動板167を背
面側に配設し、ノズルプレート166と振動板167と
により流路形成板168を挟んだ状態で、接着等により
一体化されて流路ユニット164が形成されている。
【0045】この流路ユニット164では、ノズル開口
165の背面側に圧力室173が形成され、この圧力室
173の背面側に振動板167のアイランド部171が
位置している。また、圧力室173と共通インク室17
4とがインク供給路175によって連通している。
【0046】圧電振動子161の先端は、アイランド部
171に背面側から当接され、この当接状態で圧電振動
子161が基台163に固定されている。また、この圧
電振動子161には、フレキシブルケーブルを介して駆
動信号COMや印刷データSI等が供給される。
【0047】縦振動モードの圧電振動子161は、充電
されると電界と直交する方向に収縮し、放電すると電界
と直交する方向に伸長する特性を有する。したがって、
この記録ヘッド162では、充電されることにより圧電
振動子161は後方に収縮し、この収縮に伴ってアイラ
ンド部171が後方に引き戻され、収縮していた圧力室
173が膨張する。この膨張に伴って共通インク室17
4のインクがインク供給路175を通って圧力室173
内に流入する。一方、放電することにより圧電振動子1
61は前方に向けて伸長し、弾性板のアイランド部17
1が前方に押されて圧力室173が収縮する。この収縮
に伴って圧力室173内のインク圧力が高くなる。
【0048】このようにして圧力室173の内部のイン
クに圧力変動を生じさせることにより、ノズル開口16
5からインク滴を吐出させることができる。
【0049】図3は、図1に示したインクジェット式記
録装置の機能ブロック図である。図3に示したようにこ
の記録装置はプリンタコントローラ61と、プリントエ
ンジン62とを備えている。プリンタコントローラ61
は、ホストコンピュータ(図示せず)等から印刷データ
等を受信するインターフェース63と、各種データの記
憶等を行うRAM64と、各種データ処理のための制御
ルーチン等を記憶したROM65と、CPU等から成る
制御部82と、発振回路66と、駆動信号を発生する駆
動信号発生回路83と、ドットパターンデータ(ビット
マップデータ)に展開された印刷データや駆動信号等を
プリントエンジン62に送信するためのインターフェー
ス67とを備えている。
【0050】この他に、プリンタコントローラ61は、
記録媒体の一種であるメモリカード76を着脱可能に保
持し、記録媒体保持部として機能するカードスロット7
7と、メモリカード76に記録された情報を制御部82
に送信するカードインターフェース78とを備えてい
る。上記のメモリカード76には、駆動信号の波形に関
するデータが記録されている。なお、メモリカード76
以外の記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商
標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等も使
用することができる。
【0051】そして、制御部82はコンピュータの一種
であり、メモリカード76に記録された駆動信号の波形
データやROM65に記録された制御ルーチン等を参照
してインク滴の吐出制御を行う。
【0052】インターフェース63は、例えばキャラク
タコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれ
か1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データを
ホストコンピュータから受信する。また、インターフェ
ース63は、ホストコンピュータに対してビジー(BU
SY)信号やアクノレッジ(ACK)信号等を出力する
ことができる。
【0053】RAM64は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等とし
て利用されるものである。受信バッファにはホストコン
ピュータからの印刷データが一時的に記憶され、中間バ
ッファには中間コードデータが記憶され、出力バッファ
にはドットパターンデータが展開される。
【0054】ROM65は、制御部82によって実行さ
れる各種制御ルーチン、フォントデータ、及びグラフィ
ック関数等を記憶している。
【0055】なお、このROM65には、変更されずに
継続的に使用される制御ルーチン(制御プログラム)が
記憶されている。そして、駆動信号の波形に関するデー
タ等、バージョンアップや変更が予定されるものは、上
記のメモリカード76に記録される。
【0056】制御部82は、メモリカード76から読み
取った駆動信号の波形に関するデータに基づいて駆動信
号発生回路83を制御して所定の駆動信号を生成させ
る。また、この制御部82は、後述するフラッシング操
作を制御するフラッシング制御部としても機能する。
【0057】プリントエンジン62は、ステッピングモ
ータ80、紙送りモータ81、及び記録ヘッド162の
電気駆動系71とから構成されている。記録ヘッド16
2の電気駆動系71は、シフトレジスタ72、ラッチ回
路73、レベルシフタ74、スイッチ75、及び圧電振
動子161等を備えている。なお、シフトレジスタ7
2、ラッチ回路73、レベルシフタ74、及びスイッチ
75はパルス生成手段を構成する。
【0058】図4は、駆動信号発生回路83の一例を示
すものであって、この駆動信号発生回路83は、波形生
成回路91と電流増幅回路92とを備えている。
【0059】波形生成回路91は、波形メモリ93と、
第1波形ラッチ回路94と、第2波形ラッチ回路95
と、加算器96と、デジタルアナログ変換器97と、電
圧増幅回路98とを備えている。
【0060】波形メモリ93は、制御部82から出力さ
れた複数種類の電圧変化量のデータを個別に記憶する変
化量データ記憶手段として機能する。この波形メモリ9
3には第1波形ラッチ回路94が電気的に接続されてい
る。そして、第1波形ラッチ回路94は、第1タイミン
グ信号に同期して波形メモリ93の所定アドレスに記憶
された電圧変化量のデータを保持する。加算器96には
第1波形ラッチ回路94の出力と第2波形ラッチ回路9
5の出力が入力され、この加算器96の出力側には上記
の第2波形ラッチ回路95が電気的に接続されている。
そして、この加算器96は、変化量データ加算手段とし
て機能して、出力信号同士を加算して出力する。
【0061】第2波形ラッチ回路95は、第2タイミン
グ信号に同期して加算器96から出力されたデータ(電
圧情報)を保持する出力データ保持手段である。D/A
変換器97は、第2波形ラッチ回路95の出力側に電気
的に接続されており、第2波形ラッチ回路95が保持す
る出力信号をアナログ信号に変換する。電圧増幅回路9
8は、D/A変換器97の出力側に電気的に接続されて
おり、D/A変換器97で変換されたアナログ信号を駆
動信号の電圧まで増幅する。
【0062】電流増幅回路92は、電圧増幅回路98の
出力側に電気的に接続されており、電圧増幅回路98で
電圧が増幅された信号に対する電流増幅を行って駆動信
号COMとして出力する。
【0063】上記の構成を有する駆動信号発生回路83
では、駆動信号の生成に先立って、電圧変化量を示す複
数の変化量データを波形メモリ93の記憶領域に個別に
記憶させる。例えば、制御部82は、変化量データとこ
の変化量データに対応するアドレスデータとを波形メモ
リ93に出力する。そして、波形メモリ93は、変化量
データをアドレスデータで指定される記憶領域に記憶す
る。なお、変化量データは正負の情報(増減情報)を含
んだデータで構成され、アドレスデータは4ビットのア
ドレス信号で構成される。
【0064】このようにして、複数種類の変化量データ
が波形メモリ93に記憶されると、駆動信号の生成が可
能になる。
【0065】駆動信号の生成は、変化量データを第1波
形ラッチ回路94にセットし、所定の更新周期毎に、第
1波形ラッチ回路94にセットした変化量データを第2
波形ラッチ回路95からの出力電圧に加算することで行
う。
【0066】なお、制御部82以外のコンピュータとし
ては、例えば単体で直接的に記録装置に接続されたホス
トコンピュータや、また、ネットワークを介して接続さ
れた多数のコンピュータのうちの1つのコンピュータが
ある。
【0067】そして、図2に示した記録ヘッド162に
おいては、印刷データによって圧電振動子161に駆動
信号を入力するか否かを制御することができる。例え
ば、印刷データが「1」の期間においてはスイッチ75
が接続状態となるので、駆動信号COMが圧電振動子1
61に供給される。そして、供給された部分の駆動信号
によって圧電振動子161が変形する。また、印刷デー
タが「0」の期間においてはスイッチ75が非接続状態
となるので、圧電振動子161への駆動信号の供給は遮
断される。なお、この印刷データが「0」の期間では、
各圧電振動子161は直前の電荷を保持し、直前の変形
状態が維持される。
【0068】次に、本実施形態によるインクジェット式
記録装置における駆動方法について説明する。なお、本
実施形態によるインクジェット式記録装置は、大ドット
(ラージドット)を形成する大インク滴、中ドット(ミ
ドルドット)を形成する中インク滴、及び、小ドット
(マイクロドット)を形成する小インク滴を、同一のノ
ズル開口165から吐出させることができる。
【0069】図5は、駆動信号発生回路83が発生する
駆動信号COMの波形を、この駆動信号から生成された
小ドット(マイクロドット)用吐出パルス、中ドット
(ミドルドット)用吐出パルス、及び大ドット(ラージ
ドット)用吐出パルスと共に示している図5に示したよ
うに、本実施形態による液体噴射装置において使用され
る駆動信号は、記録周期Tを持ち、第1吐出パルスDP
1、第2吐出パルスDP2、及び第3吐出パルスDP3
を順次接続して構成されている。
【0070】そして、小ドット用のインク滴を吐出する
場合には、駆動信号全体のうちの第2吐出パルスDP2
の部分をスイッチ75(図3)を介して圧電振動子16
1に印加する。また、中ドット用のインク滴を吐出する
場合には、駆動信号全体のうちの第3吐出パルスDP3
の部分をスイッチ75を介して圧電振動子161に印加
する。また、大ドット用のインク滴を吐出する場合に
は、駆動信号全体のうちの第1吐出パルスDP1の部分
をスイッチ75を介して圧電振動子161に印加する。
【0071】図5に示したように小ドット用のインク滴
を吐出するための吐出パルスDP2は、圧力室173
(図2)の容積を僅かに縮小させた後にその縮小状態を
保持し、続いて圧力室173の容積を連続的に膨張させ
た後に膨張状態を保持し、しかる後に圧力室173の容
積を中間段階まで連続的に収縮させ、中間段階での収縮
状態を保持した後に再び連続的に膨張させ、この膨張状
態を保持した後に他の中間段階まで再び収縮させ、この
収縮状態を保持した後にさらに収縮させ、この収縮状態
を保持した後に再び僅かに膨張させる、という波形であ
る。
【0072】本実施形態によるインクジェット式記録装
置(液体噴射装置)においては、圧電振動子161に印
加する吐出パルスを複数種類の吐出パルスから適宜選択
することにより、同一のノズル開口165(図2)から
体積の異なる複数種類のインク滴を選択的に吐出するこ
とができる。
【0073】また、本実施形態においては、制御部82
(図3)が、ノズル開口165において増粘したインク
を除去するために記録ヘッド162を制御してノズル開
口165からインク滴を吐出させるフラッシング操作を
制御するフラッシング制御部としても機能する。
【0074】そして、制御部82は、ノズル開口165
において増粘したインクの増粘の度合いに応じて複数種
類のフラッシングモードから最適のモードを選択する機
能を有する。なお、ノズル開口165におけるインクの
増粘の度合いは、例えば、印刷停止状態の継続時間から
求めることができる。
【0075】フラッシングモードの種類としては、例え
ば、一定周期毎に実施される定期フラッシング、印刷停
止状態の継続時間が長時間にわたった場合に実施される
パワーフラッシング等がある。
【0076】本実施形態においてフラッシングを実施す
る際には、図1に示したキャップ部材110によって記
録ヘッド162のノズル形成面を封止した状態におい
て、制御部82によって、ノズル開口165において増
粘したインクの増粘の度合いに応じて複数種類のフラッ
シングモードから最適のモードを選択する。そして、選
択されたモードを用いてノズル開口165から液滴を吐
出してフラッシングを実施する。このフラッシングの際
にノズル開口165から吐出されたインクはキャップ部
材110によって受け止められる。
【0077】そして、本実施形態においては、複数種類
のフラッシングモードにおけるいずれのモードにおいて
も、記録ヘッド162から吐出可能な体積の異なる複数
種類のインク滴、つまり大ドット用の大インク滴、中ド
ット用の中インク滴、及び小ドット用の小インク滴のう
ちの最も体積の大きい大インク滴以外のインク滴のみを
吐出させてフラッシングが実施される。すなわち、いず
れのフラッシングモードにおいても大インク滴が吐出さ
れることはない。
【0078】フラッシングの際に吐出されるインク滴
は、好ましくは、最も体積の大きい大インク滴の約半分
の体積を持つ中インク滴であり、さらに好ましくは、最
も体積の小さい小インク滴である。
【0079】以上述べたように本実施形態によれば、い
ずれのフラッシングモードにおいても大ドット形成用の
大インク滴が使用されることがないので、フラッシング
の際にノズル開口165の周囲にインクが飛散して付着
することがなく、例えば顔料濃度が高く、増粘しやすい
インクを印刷に使用している場合においても、フラッシ
ング操作直後の印刷動作の際にインク滴の濡れ曲がり現
象が発生することを防止することができる。
【0080】次に、上述した実施形態の一変形例につい
て図6を参照して説明する。
【0081】図6は、本変形例における駆動信号COM
を、小ドット(マイクロドット)用吐出パルス、中ドッ
ト(ミドルドット)用吐出パルス、大ドット(ラージド
ット)用吐出パルス、及び微振動用駆動パルスと共に示
している。ここで、「微振動用駆動パルス」とは、記録
ヘッド162のノズル開口165の部分において、イン
クを吐出させることなく、インクのメニスカスを微振動
させるために圧電振動子161に印加されるパルスであ
る。
【0082】図6に示したように本変形例においては、
小ドット用のインク滴を吐出する場合には、駆動信号全
体のうちの第2吐出パルスDP2の部分をスイッチ75
(図3)を介して圧電振動子161に印加し、中ドット
用のインク滴を吐出する場合には、駆動信号全体のうち
の第1吐出パルスDP1及び第3吐出パルスDP3の部
分をスイッチ75(図3)を介して圧電振動子161に
印加し、大ドット用のインク滴を吐出する場合には、駆
動信号全体のうちの第2吐出パルスDP2及び第3吐出
パルスDP3の部分をスイッチ75(図3)を介して圧
電振動子161に印加する。さらに、インクのメニスカ
スに微振動を発生させる場合には、駆動信号全体のうち
の第1吐出パルスDP1の部分をスイッチ75を介して
圧電振動子161に印加する。
【0083】図6に示したように、小インク滴を吐出す
るための吐出パルスDP2は、圧力室173(図2)の
容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を保持し、続い
て圧力室173の容積を中間段階まで連続的に収縮さ
せ、中間段階での収縮状態を保持した後に最終段階まで
連続的にさらに収縮させる、という波形である。
【0084】そして、本変形例においても、ノズル開口
165におけるインクの増粘の度合いに応じて複数種類
のフラッシングモードを選択的に実施することが可能で
あり、且つ、いずれのフラッシングモードにおいても、
記録ヘッド162から吐出可能な体積の異なる複数種類
のインク滴のうちの最も体積の大きいインク滴以外のイ
ンク滴のみが吐出されてフラッシングが実施される。
【0085】本変形例においても、上記実施形態と同様
に、フラッシング操作直後の印刷動作の際にインク滴の
濡れ曲がり現象が発生することを防止することができ
る。
【0086】なお、フラッシングにおいて吐出されるイ
ンク滴は上述した実施形態及びその変形例として説明し
たものに限られず、例えば、圧力室173の容積を連続
的に膨張させた後に膨張状態を保持し、続いて圧力室1
73の容積を連続的に収縮させ、収縮状態を保持した後
に連続的に膨張させる、という操作(典型的には図5の
大ドット用の吐出パルスDP1による操作)以外の操作
によってフラッシング用のインク滴をノズル開口165
から吐出することができる。
【0087】なお、上記実施形態及びその変形例では、
縦振動モードの圧電振動子161を圧力発生素子として
使用した記録ヘッド162を例示したが、本発明は、図
7に示すたわみ振動モードの圧電振動子25を用いた記
録ヘッド100にも適用することができる。
【0088】この記録ヘッド100は、複数の圧力室3
1を形成したアクチュエータユニット32と、ノズル開
口13及び共通インク室33を形成した流路ユニット3
4と、圧電振動子25と備えている。そして、アクチュ
エータユニット32の前面には流路ユニット34が接合
され、アクチュエータユニット32の背面には圧電振動
子25が配置されている。
【0089】圧力室31は、圧電振動子25の変形に伴
って膨張収縮し、圧力室31内のインク圧力を変化させ
る。そして、この圧力室31内のインク圧力の変化によ
ってノズル開口13からインク滴(液滴)を吐出させ
る。例えば、圧力室31を急激に収縮させることで圧力
室31内を加圧し、ノズル開口13からインク滴を吐出
させる。
【0090】アクチュエータユニット32は、圧力室3
1を形成する空部が形成された圧力室形成基板35と、
この圧力室形成基板35の前面に接合される蓋部材36
と、この圧力室形成基板35の背面に接合されて空部の
開口面を塞ぐ振動板37とから構成されている。蓋部材
36には、共通インク室33と圧力室31とを連通させ
るための第1インク流路38と、圧力室31とノズル開
口13を連通させるための第2インク流路39とを形成
してある。
【0091】流路ユニット34は、共通インク室33を
形成する空部が形成されたインク室形成基板41と、多
数のノズル開口13が穿設され、インク室形成基板41
の前面に接合されるノズルプレート42と、インク室形
成基板41の背面に接合される供給口形成板43とから
構成されている。
【0092】インク室形成基板41には、ノズル開口1
3に連通するノズル連通口44を形成してある。また、
供給口形成板43には、共通インク室33と第1インク
流路38とを連通するインク供給口45と、ノズル連通
口44と第2インク流路39とを連通する連通口46と
を穿設してある。
【0093】従って、この記録ヘッド100には、共通
インク室33から圧力室31を通ってノズル開口13に
至る一連のインク流路が形成されている。
【0094】圧電振動子25は、振動板37を挟んで圧
力室31の反対側に形成されている。この圧電振動子2
5は平板状であり、圧電振動子25の前面には下部電極
48が形成され、背面には圧電振動子25を覆うように
して上部電極49が形成されている。
【0095】また、アクチュエータユニット32の両端
部には、基端部分が各圧電振動子25の上部電極49に
導通する接続端子50が形成されている。この接続端子
50の先端面は、圧電振動子25よりも高く形成されて
いる。そして、接続端子50の先端面には、フレキシブ
ル回路基板51が接合され、接続端子50及び上部電極
49を介して圧電振動子25に駆動波形が供給される。
【0096】なお、圧力室31、圧電振動子25、及
び、接続端子50は、図ではそれぞれ二つしか示してい
ないが、ノズル開口13に対応して多数設けられてい
る。
【0097】この記録ヘッド100では、吐出パルスが
入力されると上部電極49と下部電極48との間に電圧
差が生じる。この電位差により圧電振動子25は、電界
とは直交する方向に収縮する。このとき、振動板37に
接合された圧電振動子25の下部電極48側は収縮せず
に上部電極49側だけが収縮するため、圧電振動子25
及び振動板37は、圧力室31側に突出するように撓
み、圧力室31の容積を収縮させる。
【0098】そして、ノズル開口13からインク滴を吐
出させる場合には、例えば、圧力室31を急激に収縮さ
せる。即ち、圧力室31が急激に収縮されると圧力室3
1内にはインク圧力の上昇が生じ、この圧力上昇に伴っ
てノズル開口13からはインク滴が吐出される。また、
インク滴の吐出後に、上部電極49と下部電極48との
間の電圧差をなくすと、圧電振動子25及び振動板37
が元の状態に戻る。これにより、収縮されていた圧力室
31内が膨張し、共通インク室33からインク供給口4
5を通して圧力室31にインクが供給される。
【0099】このように、この記録ヘッド100では、
圧電振動子25の充放電による電圧レベルと圧力室31
の膨張収縮との関係が、図2に示した記録ヘッド162
と逆になっている。すなわち、この記録ヘッド100で
は、圧力室31へのインクの充填は電圧を下降させるこ
とで行う。同様に、インク滴の吐出は、電圧を上昇させ
ることにより行う。
【0100】そして、このたわみ振動モードの記録ヘッ
ド25を用いた場合でも、上記実施形態と同様の効果を
得ることができる。
【0101】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、いず
れのフラッシングモードにおいても、液体噴射ヘッドか
ら吐出可能な体積の異なる複数種類の液滴のうちの最も
体積の大きい液滴以外の液滴のみを吐出させてフラッシ
ングが実施されるので、フラッシングの際にノズル開口
の周囲に液体が飛散して付着することがなく、例えば顔
料濃度が高く、増粘しやすい液体を使用している場合に
おいても、フラッシング操作直後における印刷等の液体
噴射動作の際に液滴の濡れ曲がり現象が発生することを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体噴射装置の一実施形態として
のインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視
図。
【図2】図1に示したインクジェット式記録装置の記録
ヘッドの構造を示す断面図。
【図3】図1に示したインクジェット式記録装置の機能
ブロック図。
【図4】図1に示したインクジェット式記録装置の駆動
信号発生回路の要部を示すブロック図。
【図5】本発明の一実施形態における駆動信号及び各種
吐出パルスを示した図。
【図6】本発明の一実施形態の一変形例における駆動信
号、各種吐出パルス、及び微振動パルスを示した図。
【図7】本発明に適用可能な他の記録ヘッドの構造を示
した断面図。
【符号の説明】
100、162 記録ヘッド 13、165 ノズル開口 25、161 圧電振動子 31、173 圧力室 33、174 共通インク室 34、164 流路ユニット 37、167 振動板 42、166 ノズルプレート 71 記録ヘッドの電気駆動系 72 シフトレジスタ 73 ラッチ回路 74 レベルシフタ 75 スイッチ 82 制御部 83 駆動信号発生回路 110 キャップ部材

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル開口に連通する圧力室内の液体に圧
    力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出する
    液体噴射ヘッドであって、同一の前記ノズル開口から体
    積の異なる複数種類の液滴を選択的に吐出することがで
    きる液体噴射ヘッドと、 前記ノズル開口において増粘した液体を除去するために
    前記液体噴射ヘッドを制御して前記ノズル開口から液滴
    を吐出させるフラッシング制御部と、を備え、 前記フラッシング制御部は、前記ノズル開口において増
    粘した液体の増粘の度合いに応じて複数種類のフラッシ
    ングモードから最適のモードを選択する機能を有し、前
    記複数種類のフラッシングモードにおけるいずれのモー
    ドにおいても、前記体積の異なる複数種類の液滴のうち
    の最も体積の大きい液滴以外の液滴のみが吐出されてフ
    ラッシングが実施されることを特徴とする液体噴射装
    置。
  2. 【請求項2】フラッシングの際に吐出される液滴は、前
    記体積の異なる複数種類の液滴のうちの最も体積の大き
    い液滴の約半分の体積を持つ液滴であることを特徴とす
    る請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】フラッシングの際に吐出される液滴は、前
    記体積の異なる複数種類の液滴のうちの最も体積の小さ
    い液滴であることを特徴とする請求項1記載の液体噴射
    装置。
  4. 【請求項4】フラッシングの際に吐出される液滴は、前
    記圧力室の容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を保
    持し、続いて前記圧力室の容積を連続的に収縮させ、収
    縮状態を保持した後に連続的に膨張させる、という操作
    以外の操作によって前記ノズル開口から吐出されること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液
    体噴射装置。
  5. 【請求項5】フラッシングの際に吐出される液滴は、前
    記圧力室の容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を保
    持し、続いて前記圧力室の容積を中間段階まで連続的に
    収縮させ、前記中間段階での収縮状態を保持した後に最
    終段階まで連続的にさらに収縮させる、という操作によ
    って前記ノズル開口から吐出されることを特徴とする請
    求項4記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】フラッシングの際に吐出される液滴は、前
    記圧力室の容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を保
    持し、続いて前記圧力室の容積を中間段階まで連続的に
    収縮させ、前記中間段階での収縮状態を保持した後に再
    び連続的に膨張させ、この膨張状態を保持した後に再び
    収縮させ、この収縮状態を保持した後に再び膨張させ
    る、という操作によって前記ノズル開口から吐出される
    ことを特徴とする請求項4記載の液体噴射装置。
  7. 【請求項7】前記液体噴射ヘッドは、前記圧力室に対応
    して設けられたたわみ振動モードの圧電振動子を有し、
    前記圧電振動子に吐出パルスを印加することにより前記
    圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることを特徴とす
    る請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体噴射装
    置。
  8. 【請求項8】前記液体噴射ヘッドは、前記圧力室に対応
    して設けられた縦振動モードの圧電振動子を有し、前記
    圧電振動子に吐出パルスを印加することにより前記圧力
    室内の液体に圧力変動を生じさせることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 【請求項9】ノズル開口に連通する圧力室内の液体に圧
    力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出する
    液体噴射ヘッドであって、同一の前記ノズル開口から体
    積の異なる複数種類の液滴を選択的に吐出することがで
    きる液体噴射ヘッドと、前記ノズル開口において増粘し
    た液体を除去するために前記液体噴射ヘッドを制御して
    前記ノズル開口から液滴を吐出させるフラッシング制御
    部と、を備えた液体噴射装置の駆動方法において、前記
    フラッシング制御部によって、前記ノズル開口において
    増粘した液体の増粘の度合いに応じて複数種類のフラッ
    シングモードから最適のモードを選択する工程と、 選択されたモードを用いて前記ノズル開口から液滴を吐
    出してフラッシングを実施する工程と、を備え、 前記複数種類のフラッシングモードにおけるいずれのモ
    ードにおいても、前記体積の異なる複数種類の液滴のう
    ちの最も体積の大きい液滴以外の液滴のみを吐出させて
    フラッシングが実施されることを特徴とする液体噴射装
    置の駆動方法。
  10. 【請求項10】フラッシングの際に吐出される液滴は、
    前記体積の異なる複数種類の液滴のうちの最も体積の大
    きい液滴の約半分の体積を持つ液滴であることを特徴と
    する請求項9記載の液体噴射装置の駆動方法。
  11. 【請求項11】フラッシングの際に吐出される液滴は、
    前記体積の異なる複数種類の液滴のうちの最も体積の小
    さい液滴であることを特徴とする請求項9記載の液体噴
    射装置の駆動方法。
  12. 【請求項12】フラッシングの際に吐出される液滴は、
    前記圧力室の容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を
    保持し、続いて前記圧力室の容積を連続的に収縮させ、
    収縮状態を保持した後に連続的に膨張させる、という操
    作以外の操作によって前記ノズル開口から吐出されるこ
    とを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載
    の液体噴射装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】フラッシングの際に吐出される液滴は、
    前記圧力室の容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を
    保持し、続いて前記圧力室の容積を中間段階まで連続的
    に収縮させ、前記中間段階での収縮状態を保持した後に
    最終段階まで連続的にさらに収縮させる、という操作に
    よって前記ノズル開口から吐出されることを特徴とする
    請求項12記載の液体噴射装置の駆動方法。
  14. 【請求項14】フラッシングの際に吐出される液滴は、
    前記圧力室の容積を連続的に膨張させた後に膨張状態を
    保持し、続いて前記圧力室の容積を中間段階まで連続的
    に収縮させ、前記中間段階での収縮状態を保持した後に
    再び連続的に膨張させ、この膨張状態を保持した後に再
    び収縮させ、この収縮状態を保持した後に再び膨張させ
    る、という操作によって前記ノズル開口から吐出される
    ことを特徴とする請求項12記載の液体噴射装置の駆動
    方法。
  15. 【請求項15】前記液体噴射ヘッドは、前記圧力室に対
    応して設けられたたわみ振動モードの圧電振動子を有
    し、前記圧電振動子に吐出パルスを印加することにより
    前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることを特徴
    とする請求項9乃至14のいずれか一項に記載の液体噴
    射装置の駆動方法。
  16. 【請求項16】前記液体噴射ヘッドは、前記圧力室に対
    応して設けられた縦振動モードの圧電振動子を有し、前
    記圧電振動子に吐出パルスを印加することにより前記圧
    力室内の液体に圧力変動を生じさせることを特徴とする
    請求項9乃至14のいずれか一項に記載の液体噴射装置
    の駆動方法。
JP2001398899A 2001-08-29 2001-12-28 液体噴射装置及び同装置の駆動方法 Expired - Fee Related JP3991680B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398899A JP3991680B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 液体噴射装置及び同装置の駆動方法
AT02019069T ATE409587T1 (de) 2001-08-29 2002-08-28 Flüssigkeitsstrahlvorrichtung und verfahren zu deren steuerung
DE60229093T DE60229093D1 (de) 2001-08-29 2002-08-28 Flüssigkeitsstrahlvorrichtung und Verfahren zu deren Steuerung
EP02019069A EP1287996B1 (en) 2001-08-29 2002-08-28 Liquid-jetting apparatus and method of driving the same
US10/229,262 US6802589B2 (en) 2001-08-29 2002-08-28 Liquid-jetting apparatus and method of driving the same
CNB2005100558860A CN100441415C (zh) 2001-08-29 2002-08-29 液体喷出装置及其驱动方法
CN02141973.6A CN1262417C (zh) 2001-08-29 2002-08-29 液体喷出装置及其驱动方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001398899A JP3991680B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 液体噴射装置及び同装置の駆動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003191496A true JP2003191496A (ja) 2003-07-08
JP3991680B2 JP3991680B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=27604148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001398899A Expired - Fee Related JP3991680B2 (ja) 2001-08-29 2001-12-28 液体噴射装置及び同装置の駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3991680B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175849A (ja) * 2004-11-25 2006-07-06 Seiko Epson Corp ノズルクリーニング装置、ノズルクリーニング方法、液体吐出装置、印刷装置、プログラム、および液体吐出システム
WO2008062809A1 (en) * 2006-11-23 2008-05-29 Ricoh Company, Ltd. Image forming device and printed matter
JP2009034859A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175849A (ja) * 2004-11-25 2006-07-06 Seiko Epson Corp ノズルクリーニング装置、ノズルクリーニング方法、液体吐出装置、印刷装置、プログラム、および液体吐出システム
WO2008062809A1 (en) * 2006-11-23 2008-05-29 Ricoh Company, Ltd. Image forming device and printed matter
JP2008149703A (ja) * 2006-11-23 2008-07-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び印刷物
KR101010195B1 (ko) 2006-11-23 2011-01-21 가부시키가이샤 리코 화상 형성 장치 및 인쇄물
US7901034B2 (en) 2006-11-23 2011-03-08 Ricoh Company, Ltd. Image forming device for performing idle discharge
JP2009034859A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3991680B2 (ja) 2007-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6908174B2 (en) Ink jet recording apparatus
JP2002154207A (ja) 液体噴射装置及び同装置の駆動方法
US6802589B2 (en) Liquid-jetting apparatus and method of driving the same
JP3446686B2 (ja) インクジェット式記録装置
US6450603B1 (en) Driver for ink jet recording head
JP3511904B2 (ja) インクジェット記録装置
CN100368201C (zh) 液滴喷射头控制装置和图像记录设备
JP2000238262A (ja) インクジェット記録装置
JP3844186B2 (ja) インクジェット式記録装置
JPH1178000A (ja) インクジェット記録装置
JP2002337333A (ja) インクジェット式記録装置およびそれに用いるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法
JP2004034607A (ja) 液体噴射装置及び同装置の駆動方法
JP2001138498A (ja) インクジェット記録装置のヘッド駆動方法、インクジェット記録装置、および記録媒体
JPH11314360A (ja) インクジェット記録装置
JP4296796B2 (ja) 液体噴射装置、及び、その液滴吐出制御方法
JP2008074113A (ja) 液体噴射装置及び同装置の駆動方法
JP3991680B2 (ja) 液体噴射装置及び同装置の駆動方法
JP2001179949A (ja) インクジェット式記録装置
JP2001105613A (ja) インクジェット式記録装置
JP3807311B2 (ja) 液体噴射装置及び同装置の駆動方法
JP2002113858A (ja) 液体噴射装置の制御方法
JP2003118107A (ja) 液体噴射装置及び同装置の駆動方法並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2003300316A (ja) 液体噴射装置及び同装置の制御方法
JP3659023B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3419372B2 (ja) インクジェット式記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060922

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees