JP2003191467A - インクジェット式記録装置とその駆動電圧補正方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置とその駆動電圧補正方法

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JP2003191467A
JP2003191467A JP2001395389A JP2001395389A JP2003191467A JP 2003191467 A JP2003191467 A JP 2003191467A JP 2001395389 A JP2001395389 A JP 2001395389A JP 2001395389 A JP2001395389 A JP 2001395389A JP 2003191467 A JP2003191467 A JP 2003191467A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録ヘッド単体での駆動電圧と、組立て完成後
の記録ヘッドの駆動電圧は、ほぼ同じにする必要があ
る。このような要請を満足させ得るインクジェット式記
録装置とその駆動電圧補正方法を提供する。 【解決手段】ノズル開口14とそれに連通する圧力発生
室15とそこに圧力変動を与えるために駆動信号が入力
される圧力発生素子とを含む記録ヘッド2を備えたイン
クジェット式記録装置であって、記録ヘッド2単体にお
けるインクの吐出速度が基準駆動電圧によって得られる
基準吐出速度とされ、記録ヘッド2を上記記録装置に組
付けた状態における記録ヘッド2のインク吐出速度が実
用駆動電圧によって得られる実用吐出速度とされ、実用
吐出速度と基準吐出速度とを比較して、実用吐出速度が
所定の適正速度となるように実用駆動電圧が補正され
る。このような補正により、基準駆動電圧と略同じ駆動
電圧で実用的な記録ヘッド2の作動が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の伸縮
等によりノズル開口からインク滴を吐出させて画像や文
字を記録用紙に記録するインクジェット式記録装置とそ
の駆動電圧補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来から一般的に採用されてい
るインクジェット式記録装置の周辺構造の一例を示す図
である。この装置は、上部にインクカートリッジ1が搭
載され、下面に記録ヘッド2が取り付けられたキャリッ
ジ3と、記録ヘッド2を封止等するクリーニングユニッ
ト4とを備えている。
【0003】上記キャリッジ3は、タイミングベルト5
を介してステッピングモータ6に接続され、ガイドバー
7に案内されて記録用紙8の紙幅方向に往復移動するよ
うになっている。そして、記録ヘッド2からのインク吐
出状態を制御するために、駆動回路9が設けられてい
る。この駆動回路9は収容ケース10内に配置され、こ
の収容ケース10が壁枠部材11に固定されている。駆
動回路9からの駆動信号や各種の制御信号はフレキシブ
ルフラットケーブル12を経て記録ヘッド2に入力され
ている。
【0004】上記キャリッジ3には、記録用紙8と対向
する面(この例では下面)に、記録ヘッド2が取り付け
られている。そして、この記録ヘッド2にインクカート
リッジ1からインクが供給され、キャリッジ3を移動さ
せながら記録用紙8上面にインク滴を吐出させて画像や
文字をドットマトリックスにより印刷するようになって
いる。
【0005】上記クリーニングユニット4は、キャリッ
ジ3の移動範囲内の非印刷領域に設けられ、印刷休止中
に記録ヘッド2のノズル面を封止することによりノズル
開口の乾燥をできるだけ防ぐようになっている。また、
クリーニングユニット4は、吸引ポンプ13に接続さ
れ、クリーニング動作時には記録ヘッド2のノズル開口
に負圧を与えてノズル開口からインクを吸引するように
なっている。さらに、このクリーニングユニット4は、
フラッシング動作によって記録ヘッド2から吐出された
インク滴を受ける容器として機能することもある。
【0006】上記キャリッジ3に往復移動をさせながら
印刷をするときに、フレキシブルフラットケーブル12
に連続的な湾曲変形をさせながら駆動回路9から記録ヘ
ッド2に駆動信号等が入力されている。
【0007】縦振動の圧電振動子を用いたインクジェッ
ト式記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)は、一般
に、図6に示すように、多数のノズル開口14と圧力発
生室15が形成された流路ユニット16と、この流路ユ
ニット16が貼着されるとともに、圧電振動子17が収
容されるヘッドケース18とを備えている。
【0008】上記流路ユニット16は、ノズル開口14
が図6の紙面と垂直方向に列設されたノズルプレート1
9と、上記各ノズル開口14に連通する圧力発生室15
が列設された流路基板20と、上記各圧力発生室15の
下部開口を塞ぐ封止板21とが積層されて構成されてい
る。上記流路基板20には、各圧力発生室15とインク
供給路22を介して連通し、各圧力発生室15に供給さ
れるインクを貯留するインク貯留室23が形成されてい
る。この例では、ノズル開口14および圧力発生室15
の列は2列設けられている。
【0009】上記ヘッドケース18は、合成樹脂製で、
上下に貫通する空間24に圧電振動子17が収容される
ようになっている。上記空間24は、ノズル開口14が
列設される方向に延び、ノズル開口14の列に対応して
2つ設けられている。上記圧電振動子17は、後端側が
ヘッドケース18に取り付けられた固定基板25に固着
されるとともに、先端面が封止板21下面の島部26に
固着されている。
【0010】そして、駆動回路9で発生させた駆動信号
をフレキシブルフラットケーブル12から導通線27を
介して圧電振動子17に入力することにより、圧電振動
子17を長手方向に伸縮させる。この圧電振動子17の
伸縮により、封止板21の島部26を振動させて圧力発
生室15内の圧力を変化させ、圧力発生室15内のイン
クをノズル開口14からインク滴として吐出させるよう
になっている。図において、28はインクカートリッジ
1からインク貯留室23にインクを補給するインク補給
管である。
【0011】上記封止板21は樹脂製薄膜21Aと金属
製薄膜21Bが積層された構造とされている。上記ヘッ
ドケース18のインク貯留室23に対応する部分には、
上記樹脂製薄膜21Aが配置されている。樹脂製薄膜2
1Aは、ポリフェニレンサルファイドフィルム(以下
「PPSフィルム」という)製とされ、このPPSフィ
ルム21Aを介して吐出時のインク貯留室23内の圧力
変動を逃がすダンパ用凹部29が形成されている。この
ダンパ用凹部29は、外部と連通しない独立空間として
存在させると、ダンパ用凹部29内の空気がPPSフィ
ルム21Aを透過してインク内に溶出し、ダンパ用凹部
29内の気圧が下がってPPSフィルム21Aの張力が
高くなって十分なダンパ効果を得られなくなり易い。そ
こで、上記ダンパ用凹部29の奥面からヘッドケース1
8の反対側面に向かって貫通してダンパ用凹部29を外
部に連通させる外部連通孔30を穿設することにより、
上述したようなダンパ用凹部29内の圧力低下を防止し
ている。
【0012】上記記録ヘッド2では前述のように、不使
用状態での放置等により、流路内のインクの水分が蒸発
して粘度が上昇したときに、高粘度インクを強制的に吸
引するクリーニングユニット4を備えている。上記クリ
ーニングユニット4は、上記記録ヘッドが非印刷領域の
クリーニングポジションに移動したときに、図6のよう
に記録ヘッドのノズル面31を封止し、ノズル開口14
からインクを吸引して目詰まり等を回復させる。
【0013】上記クリーニングユニット4は、深さの浅
い箱型のキャップ本体32が半硬質性のゴム材料で成形
され、上方に開放した状態とされている。上記キャップ
本体32はキャップケース33内にはめ込まれ、キャッ
プ本体の開口縁34が、上記ノズルプレート19の表
面、すなわちノズル面31にぴったりと密着できるよう
に構成されている。上記のように構成されたキャップ本
体32の内部空間が、吸引室32Bとされている。キャ
ップ本体32の底面32Aには、吸引口35があけら
れ、そこに吸引管36が接続されており、この吸引管3
6の途中に吸引ポンプ13が配置されている。上記吸引
管36の端部にスポンジ等の廃液吸収材が収容された廃
液貯留部37が接続されている。
【0014】また、キャップ本体32の底面32Aに
は、大気導入口38があけられ、そこに大気導入管39
が接続されており、その途中にこの管路の流通を断続す
る開閉弁40が配置されている。
【0015】図6に示されているインクカートリッジ1
は、簡略的に小さく図示されており、各インクカートリ
ッジ1から延びているインク補給管28が、上記インク
貯留室23に連通されている。
【0016】図6は、記録ヘッド2がクリーニングポジ
ションに停止し、ノズル面31が開口縁34で封止され
ている状態を示している。ここで開閉弁40を閉じてお
いて吸引ポンプ13を作動させると、ノズル開口14や
その近傍に停滞している高粘度のインクが吸い出され
て、キャップ本体32の底部に溜められる。その後、開
閉弁40を開けて吸引ポンプ13を作動させ続けると、
キャップ本体32内の高粘度インクが廃液貯留部37へ
送り込まれる。以上のようなクリーニング動作が完了し
てから、記録ヘッド2は印字動作に移行する。
【0017】上記記録ヘッド2は、それが部品ユニット
として完成したときに、記録ヘッド単体としての適正駆
動電圧が測定される。この測定は、各記録ヘッド毎に、
かつ、吐出インク滴の大きさ等に応じた波形毎に行なわ
れるもので、正常なインク吐出が得られた時の駆動電圧
がこの記録ヘッド固有の適正駆動電圧とされる。その
後、この記録ヘッド2をインクジェット式記録装置に組
付け、上記適正駆動電圧を記録装置に装備された記録ヘ
ッドデータメモリに記憶させて、この適正駆動電圧にも
とづいた記録装置としてのインク吐出を行なっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにして記録
ヘッドが搭載されたインクジェット式記録装置には部品
精度上のばらつき、例えば、駆動制御回路内の導電性の
ばらつき等があると、記録ヘッド単体の段階で把握した
その記録ヘッド固有の適正駆動電圧が、組付け後の記録
ヘッドにおいて正確に再現されないこととなり、結果的
に、期待どおりのインク吐出が得られないこととなる。
【0019】あるいは、上記適正駆動電圧が上記メモリ
に記憶されていても、記録装置が設置されている温度環
境により、インク吐出の均一性が阻害される。例えば、
ある機種の記録装置においては、室温レベルではプラス
・マイナス0.5ボルト相当の誤差が発生し、季節変化
等を含めた全温度域ではプラス・マイナス1.0ボルト
相当の誤差が発生する。このような誤差に起因して、吐
出インク滴の質量にプラス・マイナス10%の変動が生
じる。
【0020】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、組付け後の記録ヘッドを正常に作動させ得るイ
ンクジェット式記録装置とその駆動電圧補正方法の提供
を主たる目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、ノズルプレートに設けられたノズル開口
と上記ノズル開口に連通する圧力発生室と上記圧力発生
室に圧力変動を与えるために駆動信号が入力される圧力
発生素子とを含んで構成されたインクジェット式記録ヘ
ッドを備えたインクジェット式記録装置であって、記録
ヘッド単体におけるインクの吐出速度が基準駆動電圧に
よって得られる基準吐出速度とされ、上記記録ヘッドを
インクジェット式記録装置に組付けた状態における上記
記録ヘッドのインク吐出速度が実用駆動電圧によって得
られる実用吐出速度とされ、上記実用吐出速度と上記基
準吐出速度とを比較して、上記実用吐出速度が所定の適
正速度となるように上記実用駆動電圧が補正されるよう
に構成したことを要旨とする。
【0022】すなわち、記録ヘッド単体におけるインク
の吐出速度が基準駆動電圧によって得られる基準吐出速
度とされ、上記記録ヘッドをインクジェット式記録装置
に組付けた状態における上記記録ヘッドのインク吐出速
度が実用駆動電圧によって得られる実用吐出速度とさ
れ、上記実用吐出速度と上記基準吐出速度とを比較し
て、上記実用吐出速度が所定の適正速度となるように上
記実用駆動電圧が補正されるような構成とされている。
【0023】上記記録ヘッドが単体である当初の段階に
おいて、圧力発生素子への駆動信号を種々選定して適正
な吐出速度のインク吐出状態を把握し、そのときの駆動
電圧がその記録ヘッド固有の適正な駆動電圧、すなわ
ち、基準駆動電圧とされる。このようにして基準駆動電
圧が把握された記録ヘッドを上記記録装置に組付け、そ
の状態で上記基準駆動電圧によるインクの実用吐出速度
が測定されるのであるが、前述のように駆動制御回路内
の導電性のばらつき等により、基準駆動電圧の電気的特
性が忠実に再現されないこととなり、結果的には、実用
吐出速度が基準吐出速度に対して相違してしまう。
【0024】したがって、上記実用吐出速度を実測して
その速度と上記基準吐出速度とを比較して、両速度の差
に応じて上記実用駆動電圧を補正するのである。
【0025】以上のように基準吐出速度と実用吐出速度
の比較、すなわち、このような吐出速度の比較は、健全
なインク滴が飛翔しているかどうかというミクロ的な現
象を実質的に観察しているのであり、このような現象面
の比較結果が実用駆動電圧の補正の根拠とされているこ
とは、所定の実用駆動電圧を正確に求めるものとして、
最適である。
【0026】なお、本発明において、「実用」なる表現
は、印字をするときのインク吐出およびインク滴の吐出
状態が正常であるかどうかの確認等、記録ヘッド単体で
のインク吐出を含まない吐出態様を総括的に意味してい
る。このような意味を背景にして、実用駆動電圧,実用
吐出速度等の表現がなされている。
【0027】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記基準駆動電圧によって得られるインクの基準吐
出速度と上記実用駆動電圧によって得られるインクの実
用吐出速度とが略同一速度となるように上記実用駆動電
圧が補正される場合には、記録ヘッド単体におけるイン
ク吐出状態と記録装置組付け後のインク吐出状態が、限
りなく近似もしくは同じとなることから、記録ヘッド単
体の段階で確認された良好なインク吐出を実用段階で忠
実に再現することができ、印字品質の向上にとって有利
である。
【0028】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、少なくとも上記実用吐出速度が、駆動信号を圧力発
生素子に入力した時からインク滴が所定の箇所に配置し
た検出用レーザ光をさえぎった時までの時間に相関させ
て測定される場合には、上記検出用レーザ光の配置箇所
が正確に設定できることから、上記ノズル開口から検出
用レーザ光までの距離をどの記録ヘッドの場合であって
も正確に確定でき、速度を正確に測定する手法として好
適であるとともに、実用駆動電圧の補正因子を求める上
で極めて有効である。また、上記基準吐出速度も上記実
用吐出速度と同様にして求めれば、速度データとしての
整合性の面で良好となる。
【0029】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記ノズルプレートを封止した状態で吸引室に負圧
を与えてクリーニング動作を行なうクリーニングユニッ
トを備え、上記検出用レーザ光のためのレーザ発光源と
レーザ受光器が上記クリーニングユニットの近傍に配置
されている場合には、ノズルプレートがクリーニングユ
ニットで封止されている箇所からレーザ光の配置箇所ま
での移動距離が短くできることから、インク滴の形状等
の検出、すなわちドット検出の場合および実用吐出速度
の測定の場合のいずれにおいても、記録ヘッドを効率的
に移動させることができる。また、検出用レーザ光がク
リーニングユニットの近傍に正確に位置付けられること
から、ノズル開口と検出用レーザ光との相対位置や両者
の間隔距離が正確に設定でき、実用吐出速度を測定する
条件が正常に整えられる。
【0030】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記検出用レーザ光が、ノズル開口がなすノズル列
線に対して傾斜した姿勢で配置されている場合には、検
出用レーザ光を傾斜させて配置することから、特定の測
定対象とされたノズル開口だけからのインク滴を正確に
検知して、インク滴のドット性状を把握することができ
る。
【0031】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記実用駆動電圧の補正に当たって、上記インクジ
ェット式記録装置の環境条件が補正因子として含まれて
いる場合には、環境条件をも含めて実用駆動電圧が補正
されることから、より一層正確な実用駆動電圧の補正が
なされる。
【0032】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記環境条件が、少なくとも上記インクジェット式
記録装置が設置された箇所の環境温度である場合には、
温度条件がインクの粘性に大きく影響することから、基
準吐出速度と実用吐出速度との差に加えて温度条件を補
正因子にすることにより、より一層環境に適合したイン
ク吐出が得られる。
【0033】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記環境温度が、所定の温度区分毎の情報として記
憶され、各温度区分毎に上記実用駆動電圧が補正される
場合には、温度変化を区分してその区分毎に実用駆動電
圧の補正がなされることから、例えば、ある区分温度か
らそれよりも高い区分温度へ環境温度が変化したとき
に、上記温度区分毎の情報により、的確な補正がなされ
る。
【0034】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記実用駆動電圧の補正が、自動補正として行なわ
れる場合には、完全な自動補正がなされることから、使
用者は補正について煩わされることがなく、常に健全な
状態で記録装置を作動させることができる。
【0035】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記自動補正が、上記インクジェット式記録装置の
電源スイッチを接続したときに得られる信号をトリガー
にして行なわれる場合には、記録装置の使用に際して必
ず操作する電源スイッチが活用されることから、使用開
始と同時に上記補正がなされるので、確実な補正作動が
確保できる。
【0036】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記自動補正が、上記環境温度の所定の温度区分に
応じて行なわれる場合には、温度区分への自動的対応が
可能であることから、例えば、ある区分温度からそれよ
りも高い区分温度へ環境温度が変化したときに、自動的
に対応した補正が実行される。
【0037】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記駆動信号は複数の駆動波形を含んでなり、各駆
動波形毎に実用駆動電圧を補正する場合には、複数の駆
動波形に応じた実用駆動電圧の補正ができることから、
例えば、質量の小さいインク滴を吐出させる際の実用駆
動電圧を的確に求めたり、あるいは、質量の大きいイン
ク滴を吐出させる際の実用駆動電圧を的確に求めたりす
ることができ、多種多様な印字条件に適合させた実用駆
動電圧の補正が実現する。
【0038】本発明のインクジェット式記録装置におい
て、上記実用吐出速度を検知する手段が、吐出速度を検
出するモードと吐出不良を検出するモードとを切り替え
可能に構成されている場合には、上記の検知する手段が
2つのモードに対応できることから、1つの検出手段に
よって吐出速度と吐出不良の2要素に対処でき、構造簡
素化にとって有益である。そして、この2要素は切り替
え可能とされているので、使用者が、例えば、切替スイ
ッチを操作するだけで簡単に2つのモードを求めること
ができる。
【0039】一方、本発明は、ノズルプレートに設けら
れたノズル開口と上記ノズル開口に連通する圧力発生室
と上記圧力発生室に圧力変動を与えるために駆動信号が
入力される圧力発生素子とを含んで構成されたインクジ
ェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置
の駆動電圧補正方法であって、記録ヘッド単体における
インクの吐出速度が基準駆動電圧によって得られる基準
吐出速度とされ、上記記録ヘッドをインクジェット式記
録装置に組付けた状態における上記記録ヘッドのインク
吐出速度が実用駆動電圧によって得られる実用吐出速度
とされ、上記実用吐出速度と上記基準吐出速度とを比較
して、上記実用吐出速度が所定の適正速度となるように
上記実用駆動電圧が補正されることを要旨とする。
【0040】すなわち、記録ヘッド単体におけるインク
の吐出速度が基準駆動電圧によって得られる基準吐出速
度とされ、上記記録ヘッドをインクジェット式記録装置
に組付けた状態における上記記録ヘッドのインク吐出速
度が実用駆動電圧によって得られる実用吐出速度とさ
れ、上記実用吐出速度と上記基準吐出速度とを比較し
て、上記実用吐出速度が所定の適正速度となるように上
記実用駆動電圧が補正される方法である。
【0041】上記記録ヘッドが単体である当初の段階に
おいて、圧力発生素子への駆動信号を種々選定して適正
な吐出速度のインク吐出状態を把握し、そのときの駆動
電圧がその記録ヘッド固有の適正な駆動電圧、すなわ
ち、基準駆動電圧とされる。このようにして基準駆動電
圧が把握された記録ヘッドを上記記録装置に組付け、そ
の状態で上記基準駆動電圧によるインクの実用吐出速度
が測定されるのであるが、前述のように駆動制御回路内
の導電性のばらつき等により、基準駆動電圧の電気的特
性が忠実に再現されないこととなり、結果的には、実用
吐出速度が基準吐出速度に対して相違してしまう。
【0042】したがって、上記実用吐出速度を実測して
その速度と上記基準吐出速度とを比較して、両速度の差
に応じて上記実用駆動電圧を補正するのである。
【0043】以上のように基準吐出速度と実用吐出速度
の比較、すなわち、このような吐出速度の比較は、健全
なインク滴が飛翔しているかどうかというミクロ的な現
象を実質的に観察しているのであり、このような現象面
の比較結果が実用駆動電圧の補正の根拠とされているこ
とは、所定の実用駆動電圧を正確に求める方法として、
最適である。
【0044】本発明のインクジェット式記録装置の駆動
電圧補正方法において、上記基準駆動電圧によって得ら
れるインクの基準吐出速度と上記実用駆動電圧によって
得られるインクの実用吐出速度とが略同一速度となるよ
うに上記実用駆動電圧が補正される場合には、記録ヘッ
ド単体におけるインク吐出状態と記録装置組付け後のイ
ンク吐出状態が、限りなく近似もしくは同じとなること
から、記録ヘッド単体の段階で確認された良好なインク
吐出を実用段階で忠実に再現することができ、印字品質
の向上にとって有利である。
【0045】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0046】図1から図4は、本発明のインクジェット
式記録装置の実施の形態であり、基本的には図5,図6
に示すものと同様であり、以下同様の部分は同じ符号を
用いて説明する。
【0047】縦振動の圧電振動子を用いたインクジェッ
ト式記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)は、図2
に示すように、多数のノズル開口14と圧力発生室15
が形成された流路ユニット16と、この流路ユニット1
6が貼着されるとともに、圧電振動子17が収容される
ヘッドケース18とを備えている。
【0048】上記流路ユニット16は、ノズル開口14
が図2の紙面と垂直方向に列設されたノズルプレート1
9と、上記各ノズル開口14に連通する圧力発生室15
が列設された流路基板20と、上記各圧力発生室15の
下部開口を塞ぐ封止板21とが積層されて構成されてい
る。上記流路基板20には、各圧力発生室15とインク
供給路22を介して連通し、各圧力発生室15に供給さ
れるインクを貯留するインク貯留室23が形成されてい
る。この例では、ノズル開口14および圧力発生室15
の列は2列設けられている。
【0049】上記ヘッドケース18は、熱硬化性樹脂や
熱可塑性樹脂が射出成形されてなり、上下に貫通する空
間24に圧電振動子17が収容されるようになってい
る。上記空間24は、ノズル開口14が列設される方向
に延び、ノズル開口14の列に対応して2つ設けられて
いる。上記圧電振動子17は、後端側がヘッドケース1
8に取り付けられた固定基板25に固着されるととも
に、先端面が封止板21下面の島部26に固着されてい
る。
【0050】そして、図5に示したような駆動回路で発
生させた駆動信号をフレキシブルフラットケーブルから
導通線27を介して圧電振動子17に入力することによ
り、圧電振動子17を長手方向に伸縮させる。この圧電
振動子17の伸縮により、封止板21の島部26を振動
させて圧力発生室15内の圧力を変化させ、圧力発生室
15内のインクをノズル開口14からインク滴として吐
出させるようになっている。図において、28はインク
カートリッジ1からインク貯留室23にインクを補給す
るインク補給管である。
【0051】上記封止板21は樹脂製薄膜21Aと金属
製薄膜21Bが積層された構造とされている。上記ヘッ
ドケース18のインク貯留室23に対応する部分には、
上記樹脂製薄膜21Aが配置されている。樹脂製薄膜2
1Aは、ポリフェニレンサルファイドフィルム(以下
「PPSフィルム」という)製とされ、このPPSフィ
ルム21Aを介して吐出時のインク貯留室23内の圧力
変動を逃がすダンパ用凹部29が形成されている。この
ダンパ用凹部29は、外部と連通しない独立空間として
存在させると、ダンパ用凹部29内の空気がPPSフィ
ルム21Aを透過してインク内に溶出し、ダンパ用凹部
29内の気圧が下がってPPSフィルム21Aの張力が
高くなって十分なダンパ効果を得られなくなり易い。そ
こで、上記ダンパ用凹部29の奥面からヘッドケース1
8の反対側面に向かって貫通してダンパ用凹部29を外
部に連通させる外部連通孔30を穿設することにより、
上述したようなダンパ用凹部29内の圧力低下を防止し
ている。
【0052】上記記録ヘッドでは前述のように、不使用
状態での放置等により、流路内のインクの水分が蒸発し
て粘度が上昇したときに、高粘度インクを強制的に吸引
するクリーニングユニット4を備えている。上記クリー
ニングユニット4は、上記記録ヘッドが非印刷領域のク
リーニングポジションに移動したときに、図2のように
記録ヘッドのノズル面31を封止し、ノズル開口14か
らインクを吸引して目詰まり等を回復させる。
【0053】上記クリーニングユニット4は、深さの浅
い箱型のキャップ本体32が半硬質性のゴム材料で成形
され、上方に開放した状態とされている。上記キャップ
本体32はキャップケース33内にはめ込まれ、キャッ
プ本体の開口縁34が、上記ノズルプレート19の表
面、すなわちノズル面31にぴったりと密着できるよう
に構成されている。上記のように構成されたキャップ本
体32の内部空間が、吸引室32Bとされている。キャ
ップ本体32の底面32Aには、吸引口35があけら
れ、そこに吸引管36が接続されており、この吸引管3
6の途中に吸引ポンプ13が配置されている。上記吸引
管36の端部にスポンジ等の廃液吸収材が収容された廃
液貯留部37が接続されている。
【0054】また、キャップ本体32の底面32Aに
は、大気導入口38があけられ、そこに大気導入管39
が接続されており、その途中にこの管路の流通を断続す
る開閉弁40が配置されている。
【0055】図2に示されているインクカートリッジ1
は、簡略的に小さく図示されており、各インクカートリ
ッジ1から延びているインク補給管28が、上記インク
貯留室23に連通されている。
【0056】図2は、記録ヘッド2がクリーニングポジ
ションに停止し、ノズル面31が開口縁34で封止され
ている状態を示している。ここで開閉弁40を閉じてお
いて吸引ポンプ13を作動させると、ノズル開口14や
その近傍に停滞している高粘度のインクが吸い出され
て、キャップ本体32の底部に溜められる。その後、開
閉弁40を開けて吸引ポンプ13を作動させ続けると、
キャップ本体32内の高粘度インクが廃液貯留部37へ
送り込まれる。以上のようなクリーニング動作が完了し
てから、記録ヘッド2は印字動作に移行する。
【0057】図1は、インクジェット式記録装置の全体
構成を示すブロック図である。構造的には、上記のよう
に、ステッピングモータ6で主走査方向に移動されるキ
ャリッジ3に記録ヘッド2が搭載されている。ノズル面
31からインク滴41が吐出され、鎖線図示の矢線の方
向にインク滴41が飛翔している。このインク滴41
は、固定的に配置されたレーザ光42をさえぎるよう
に、インク滴のノズル開口14とレーザ光42との相対
位置とが設定されているとともに、両者の相対距離、す
なわち、インク滴の測定対象となる飛翔距離も一定値に
設定してある。
【0058】インク滴41の吐出速度は、インク滴41
の飛翔距離と飛翔時間との相関で求められる。飛翔距離
は上記のとおりである。ここで、図3を参照しながらイ
ンク滴41の飛翔時間の測定方法を説明すると、駆動電
圧の波形の始点P1および終点P6の電圧は、一定の基
準電圧V0に設定されている。始点P1から最高電圧V
HのP2,P3にかけては、上記圧電振動子17が上記
圧力発生室15の容積を大きくする方向に変位する。つ
いで、最低電圧VLのP4,P5にかけては、圧力発生
室15の容積を小さくする方向に変位する。このような
圧力発生室15の容積変化により、ノズル開口14から
インク滴41が吐出される。
【0059】図3において、P3が吐出開始の時点であ
り、インク滴41がレーザ光42をさえぎると、それは
矩形波Lとして表れる。したがって、P3の時点から矩
形波Lの開始時点までが飛翔時間Tとなる。
【0060】上記レーザ光42は、クリーニングユニッ
ト4の近傍に配置され、そのために、レーザ発光源43
とレーザ受光器44もクリーニングユニット4の近傍に
配置されている。クリーニングユニット4には、記録ヘ
ッド2が休止位置に停止する直前に同ユニット4が下方
から上昇してきて、ノズルプレート19を封止する移動
機能が付与されている。また、ワイパー56にもノズル
プレート19をワイピングするときに横方向から進入し
てくる移動機能が付与されている。レーザ光42は、こ
れらの移動機能に影響されることなく不動の状態で配置
される必要がある。矢線56Aは、ワイパー56に進退
方向を示している。
【0061】上記のレーザ光42を配置するための具体
的な構造は、図4に示されている。同図(A)に示され
たものは、静止状態にあるフラッシングボックス54に
台板状の支持部材43A,44Aがしっかりと固定さ
れ、これら支持部材43A,44A上にそれぞれレーザ
発光源43とレーザ受光器44が固定されている。した
がって、レーザ光42はフラッシングボックス54の上
位に配置された状態となる。同図に記録ヘッド2が2点
鎖線で示され、それはクリーニングユニット4に対して
矢線55の方向から進入してくる。上記のようなレーザ
光42とフラッシングボックス54との位置関係は、フ
ラッシングボックス54が、インク滴の吐出速度を測定
する際のインク受けとしての機能を果たすのと同時に、
印字中の定期フラッシングにおいても通常どおり機能さ
せることができる。
【0062】図4(B)および(C)に示したレーザ光
42の配置構造は、静止状態にあるフラッシングボック
ス54に柱状の支持部材43A,44Aがしっかりと固
定され、これら支持部材43A,44A上にそれぞれレ
ーザ発光源43とレーザ受光器44が固定されている。
なお、(C)は、フラッシングボックス54の箇所を横
から見た側面図である。(B),(C)から明らかなよ
うに、ワイパー56とフラッシングボックス54とがユ
ニット化された状態なので、構造をコンパクト化するの
に有効である。
【0063】上記レーザ光42は、図4(A),
(B),(C)から理解されるように、レーザ光42の
配置姿勢がノズル開口14がなすノズル列線に対して傾
斜している。このノズル列線は、1直線上に並んだノズ
ル開口の中心を結んだ仮想的な直線であり、一般的に記
録ヘッド2の進退方向と直交している。また、このノズ
ル列線は、記録ヘッド2の平坦なノズルプレート19の
表面と平行な位置関係とされている。
【0064】上記のようにレーザ光42を傾斜させて配
置することにより、特定の測定対象とされたノズル開口
だけからのインク滴を正確に検知して、インク滴のドッ
ト性状を把握することができる。
【0065】図1に示した各ブロックの機能とそれら相
互間の作用について説明する。
【0066】別に配置されたホストからの印字信号に基
づいてビットマップデータの作成等をする印刷制御手段
45と、ステッピングモータ6を制御してキャリッジ3
を主走査方向に移動制御するキャリッジ制御手段46
と、上記印刷制御手段45からの信号に基づいて複数の
駆動波形を含む駆動信号を発生するとともに記録ヘッド
2に駆動信号を入力する駆動波形発生手段47等が設け
られている。
【0067】一方、駆動波形発生手段47には電圧補正
手段48からの補正信号が入力されるもので、上記電圧
補正手段48に対して各種の補正因子からの信号が入力
される。
【0068】まず、吐出速度検知手段49はレーザ発光
源43とレーザ受光器44に接続されていて、この手段
49で検知されたインク滴41の吐出速度信号が電圧補
正手段48に入力される。なお、吐出速度検知手段49
の構成は、その機能からすると、レーザ発光源43とレ
ーザ受光器44をも包括したものと理解するのが適当で
ある。
【0069】また、温度環境への応答性を考慮した温度
検知手段50は、上記記録装置が設置されている環境の
温度を把握するものである。ここで検知された温度値の
信号が電圧補正手段48に入力され、後述の温度区分情
報との対応で電圧補正に供される。
【0070】上記記録装置を起動させるための電源スイ
ッチ51は、電源スイッチ51を接続したときに得られ
る信号を、上記電圧補正手段48に入力するもので、電
源を入れたときに、上述した各種の補正因子に基づいた
電圧補正が自動的に行なわれる。
【0071】上記記録ヘッド2に対する各種情報を記憶
させるために、記録ヘッドデータメモリ52が設けられ
ている。ここには、まず、記録ヘッド2単体の状態で測
定された基準とされるインク滴吐出速度とそれから求め
られる基準駆動電圧が記憶されている。この基準駆動電
圧が、インクジェット式記録装置が設置されている環境
条件との相関で補正されて実用駆動電圧が求められる。
この環境条件の代表的なものがインクジェット式記録装
置が設置されている箇所の環境温度である。
【0072】上記環境温度に相関させた基準駆動電圧の
補正は、温度変化と吐出速度との相関に基づいている。
すなわち、インクジェット式記録装置に組付けられた多
数の記録ヘッドの実用吐出速度を変化温度毎に測定し
て、基準吐出速度との差異値を温度変化に対応させて求
め、これを温度相関テーブルまたは関数の状態で上記記
録ヘッドデータメモリ52に記憶させる方法である。
【0073】また、上述のような温度相関テーブルまた
は関数を、インク的の大きさ毎に求めるのである。例え
ば、大きなインク滴(大ドット)固有の温度と吐出速度
との相関を求めて、温度相関テーブルまたは関数の状態
で上記記録ヘッドデータメモリ52に記憶させる。ある
いは、小さなインク滴(小ドット)固有の温度と吐出速
度との相関を求めて、温度相関テーブルまたは関数の状
態で上記記録ヘッドデータメモリ52に記憶させる。こ
のインク滴の大きさの種類は、上述のような大小2種類
であってもよく、あるいは、大中小の3種類であっても
よい。
【0074】もう1つの方法として、記録ヘッド製造時
(記録ヘッド単体で)に記録ヘッド毎の温度変化と吐出
速度との相関を測定し、このデータをもとに記録ヘッド
データメモリ52に温度相関テーブルまたは関数として
記憶させておく方法もある。この場合は、前述の方法と
ちがい記録ヘッド毎に最適化された温度相関テーブルま
たは関数が形成され、それが基準駆動電圧の補正に供さ
れて、より精度の高い電圧補正が可能となる。
【0075】上記のようにして記録ヘッドデータメモリ
52に記憶された温度相関テーブルまたは関数が信号の
状態で電圧補正手段48に入力されて、駆動電圧の補正
がなされる。
【0076】さらに、多様な階調表現を行なう目的で、
印刷制御手段45と駆動波形発生手段47の作用が活用
されている。すなわち、前述のように印刷制御手段45
の信号に基づいて駆動波形発生手段47から記録ヘッド
2に駆動信号が入力されるのであるが、駆動波形発生手
段47においては、印刷制御手段45からの複数の駆動
波形を複合した波形信号が形成され、この信号の中から
上記階調表現に相当する特定の波形を選択して、記録ヘ
ッド2に入力し印字駆動がなされる。
【0077】レーザ光の利用形態を複数化してその内の
いずれかを選択するために、モード切換手段53が設け
られている。これは、吐出速度を検知することのほか
に、インク滴が飛翔しない現象(「ドット抜け」と呼ば
れている)の検知や、インク滴の飛翔方向が異常域にず
れたりすることを検知するもので、簡単な切換スイッチ
で上記2つの検知機能が選択できる。
【0078】第1の実施の形態は、上記記録ヘッド2単
体におけるインクの吐出速度が基準駆動電圧によって得
られる基準吐出速度とされ、上記記録ヘッド2をインク
ジェット式記録装置に組付けた状態における上記記録ヘ
ッド2のインク吐出速度が実用駆動電圧によって得られ
る実用吐出速度とされ、上記実用吐出速度と上記基準吐
出速度とを比較して、上記実用吐出速度が所定の適正速
度となるように上記実用駆動電圧が補正されるような構
成とされている。以上の一連の作動は、主として記録ヘ
ッドデータメモリ52と吐出速度検知手段49からの信
号が、電圧補正手段48に入力され、駆動波形発生手段
47を経て記録ヘッド2が動作される。
【0079】上記記録ヘッド2が単体である当初の段階
において、圧電振動子17への駆動信号を種々選定して
適正な吐出速度のインク吐出状態を把握し、そのときの
駆動電圧がその記録ヘッド固有の適正な駆動電圧、すな
わち、基準駆動電圧とされる。このようにして基準駆動
電圧が把握された記録ヘッド2を上記記録装置に組付
け、その状態で上記基準駆動電圧によるインクの実用吐
出速度が測定されるのであるが、前述のように駆動制御
回路内の導電性のばらつき等により、基準駆動電圧の電
気的特性が忠実に再現されないこととなり、結果的に
は、実用吐出速度が基準吐出速度に対して相違してしま
う。
【0080】したがって、上記実用吐出速度を実測して
その速度と上記基準吐出速度とを比較して、両速度の差
に応じて上記実用駆動電圧を補正するのである。
【0081】以上のように基準吐出速度と実用吐出速度
の比較、すなわち、このような吐出速度の比較は、健全
なインク滴が飛翔しているかどうかというミクロ的な現
象を実質的に観察しているのであり、このような現象面
の比較結果が実用駆動電圧の補正の根拠とされているこ
とは、所定の実用駆動電圧を正確に求めるものとして、
最適である。
【0082】第2の実施の形態は、上記基準駆動電圧に
よって得られるインクの基準吐出速度と上記実用駆動電
圧によって得られるインクの実用吐出速度とが略同一速
度となるように上記実用駆動電圧が補正される場合であ
る。以上の一連の作動は、主として記録ヘッドデータメ
モリ52と吐出速度検知手段49からの信号が、電圧補
正手段48に入力され、ここで基準吐出速度と実用吐出
速度とを略同一に設定して、駆動波形発生手段47を経
て記録ヘッド2が動作される。それ以外は、上記実施の
形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付してい
る。
【0083】上記記録ヘッド2単体におけるインク吐出
状態と記録装置組付け後のインク吐出状態が、限りなく
近似もしくは同じとなるので、記録ヘッド2単体の段階
で確認された良好なインク吐出を実用段階で忠実に再現
することができ、印字品質の向上にとって有利である。
それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏す
る。
【0084】第3の実施の形態は、図1,図3に示した
ように、少なくとも上記実用吐出速度が、駆動信号を圧
電振動子17に入力した時からインク滴41が所定の箇
所に配置した検出用レーザ光42をさえぎった時までの
時間に相関させて測定される場合である。それ以外は、
上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符
号を付している。
【0085】上記検出用レーザ光42の配置箇所が正確
に設定できることから、上記ノズル開口14から検出用
レーザ光42までの距離をどの記録ヘッドの場合であっ
ても正確に確定でき、速度を正確に測定する手法として
好適であるとともに、実用駆動電圧の補正因子を求める
上で極めて有効である。また、上記基準吐出速度も上記
実用吐出速度と同様にして求めれば、速度データとして
の整合性の面で良好となる。それ以外は、上記各実施の
形態と同様の作用効果を奏する。
【0086】第4の実施の形態は、図1の概略的な図示
や図4に示したように、上記ノズルプレート19を封止
した状態で吸引室32Bに負圧を与えてクリーニング動
作を行なうクリーニングユニット4を備え、上記検出用
レーザ光42のためのレーザ発光源43とレーザ受光器
44が上記クリーニングユニット4の近傍に配置されて
いる場合である。レーザ光42を一定の箇所に固定的に
配置しておくために、図4に示した支持部材43A,4
4Aが採用されている。それ以外は、上記各実施の形態
と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0087】ノズルプレート19がクリーニングユニッ
ト4で封止されている箇所からレーザ光42の配置箇所
までの移動距離が短くできるので、インク滴の形状等の
検出、すなわちドット検出の場合および実用吐出速度の
測定の場合のいずれにおいても、記録ヘッド2を効率的
に移動させることができる。また、検出用レーザ光42
がクリーニングユニット4の近傍に正確に位置付けられ
ることから、ノズル開口14と検出用レーザ光42との
相対位置や両者の間隔距離が正確に設定でき、実用吐出
速度を測定する条件が正常に整えられる。それ以外は、
上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0088】第5の実施の形態は、上記検出用レーザ光
42が、ノズル開口14がなすノズル列線に対して傾斜
した姿勢で配置されている場合である。それ以外は、上
記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号
を付している。
【0089】上記検出用レーザ光42を傾斜させて配置
しているので、特定の測定対象とされたノズル開口14
だけからのインク滴41を正確に検知して、インク滴4
1のドット性状を把握することができる。それ以外は、
上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0090】第6の実施の形態は、上記実用駆動電圧の
補正に当たって、上記インクジェット式記録装置の環境
条件が補正因子として含まれている場合である。そのた
めに、図1の吐出速度検知手段49,温度検知手段5
0,記録ヘッドデータメモリ52等からの信号が電圧補
正手段48に入力され、駆動波形発生手段47を経て記
録ヘッド2が作動される。それ以外は、上記各実施の形
態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付してい
る。
【0091】上記環境条件をも含めて実用駆動電圧が補
正されるので、より一層正確な実用駆動電圧の補正がな
される。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効
果を奏する。
【0092】第7の実施の形態は、上記環境条件が、少
なくとも上記インクジェット式記録装置が設置された箇
所の環境温度である場合である。そのために、図1の吐
出速度検知手段49,温度検知手段50,記録ヘッドデ
ータメモリ52等からの信号が電圧補正手段48に入力
され、駆動波形発生手段47を経て記録ヘッド2が作動
される。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、
同様の部分には同じ符号を付している。
【0093】上記温度条件がインクの粘性に大きく影響
するので、基準吐出速度と実用吐出速度との差に加えて
温度条件を補正因子にすることにより、より一層環境に
適合したインク吐出が得られる。それ以外は、上記各実
施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0094】第8の実施の形態は、上記環境温度が、所
定の温度区分毎の情報として記憶され、各温度区分毎に
上記実用駆動電圧が補正される場合である。そのため
に、図1の吐出速度検知手段49,温度検知手段50,
記録ヘッドデータメモリ52の温度区分テーブル等から
の信号が電圧補正手段48に入力され、駆動波形発生手
段47を経て記録ヘッド2が作動される。それ以外は、
上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符
号を付している。
【0095】上記温度変化を区分してその区分毎に実用
駆動電圧の補正がなされるので、例えば、ある区分温度
からそれよりも高い区分温度へ環境温度が変化したとき
に、上記温度区分毎の情報により、的確な補正がなされ
る。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を
奏する。
【0096】第9の実施の形態は、上記実用駆動電圧の
補正が、自動補正として行なわれる場合である。そのた
めに、図1の吐出速度検知手段49,温度検知手段5
0,記録ヘッドデータメモリ52の温度区分テーブル等
からの信号が電圧補正手段48に入力され、駆動波形発
生手段47を経て記録ヘッド2が作動される。例えば、
温度区分に応じて自動補正を行なうときには、上記温度
区分テーブルから読み出されるしきい値を基準にして自
動補正がなされる。それ以外は、上記各実施の形態と同
様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0097】上記の例示のように完全な自動補正がなさ
れる、使用者は補正について煩わされることがなく、常
に健全な状態で記録装置を作動させることができる。そ
れ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏す
る。
【0098】第10の実施の形態は、図1に示したよう
に、上記自動補正が、上記インクジェット式記録装置の
電源スイッチ51を接続したときに得られる信号をトリ
ガーにして行なわれる場合である。それ以外は、上記各
実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付
している。
【0099】上記記録装置の使用に際して必ず操作する
電源スイッチ51が活用されるので、使用開始と同時に
上記補正がなされ、確実な補正作動が確保できる。それ
以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0100】第11の実施の形態は、上記自動補正が、
上記環境温度の所定の温度区分に応じて行なわれる場合
である。そのために、図1の吐出速度検知手段49,温
度検知手段50,記録ヘッドデータメモリ52の温度区
分テーブル等からの信号が電圧補正手段48に入力さ
れ、駆動波形発生手段47を経て記録ヘッド2が作動さ
れる。温度区分に応じて自動補正を行なうために、上記
温度区分テーブルから読み出されるしきい値を基準にし
て自動補正がなされる。それ以外は、上記各実施の形態
と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0101】上記温度区分への自動的対応が可能である
ので、ある区分温度からそれよりも高い区分温度へ環境
温度が変化したときに、自動的に対応した補正が実行さ
れる。それ以外は、上記各実施の形態と同様の作用効果
を奏する。
【0102】第12の実施の形態は、上記駆動信号は複
数の上記駆動波形を含んでなり、各駆動波形毎に実用駆
動電圧を補正する場合である。そのために、図1の吐出
速度検知手段49,温度検知手段50,記録ヘッドデー
タメモリ52の温度区分テーブル等からの信号が電圧補
正手段48に入力され、駆動波形発生手段47を経て記
録ヘッド2が作動される。多様な階調表現を行なう目的
で、印刷制御手段45と駆動波形発生手段47の作用が
活用されている。すなわち、前述のように印刷制御手段
45の信号に基づいて駆動波形発生手段47から記録ヘ
ッド2に駆動信号が入力されるのであるが、駆動波形発
生手段47においては、印刷制御手段45からの複数の
駆動波形を複合した波形信号が形成され、この信号の中
から上記階調表現に相当する特定の波形を選択して、記
録ヘッド2に入力し印字駆動がなされる。それ以外は、
上記各実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符
号を付している。
【0103】上記複数の駆動波形に応じた実用駆動電圧
の補正ができるので、例えば、質量の小さいインク滴を
吐出させる際の実用駆動電圧を的確に求めたり、あるい
は、質量の大きいインク滴を吐出させる際の実用駆動電
圧を的確に求めたりすることができ、多種多様な印字態
様に適合させた実用駆動電圧の補正が実現する。それ以
外は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0104】第13の実施の形態は、上記実用吐出速度
を検知する手段が、吐出速度を検出するモードと吐出不
良を検出するモードとを切り替え可能に構成されている
場合である。図1に示したように、モード切換手段53
の切換え選択機能を活用して2つのモードへの対応がな
される。それ以外は、上記各実施の形態と同様であり、
同様の部分には同じ符号を付している。
【0105】上記の検知する手段が2つのモードに対応
できるので、1つの検出手段によって吐出速度と吐出不
良の2要素に対処でき、構造簡素化にとって有益であ
る。そして、この2要素は切り替え可能とされているの
で、使用者が、例えば、切替スイッチを操作するだけで
簡単に2つのモードを求めることができる。それ以外
は、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0106】第14の実施の形態は、ノズルプレート1
9に設けられたノズル開口14と上記ノズル開口14に
連通する圧力発生室15と上記圧力発生室15に圧力変
動を与えるために駆動信号が入力される圧電振動子17
とを含んで構成されたインクジェット式記録ヘッド2を
備えたインクジェット式記録装置の駆動電圧補正方法で
あって、記録ヘッド2単体におけるインクの吐出速度が
基準駆動電圧によって得られる基準吐出速度とされ、上
記記録ヘッド2をインクジェット式記録装置に組付けた
状態における上記記録ヘッド2のインク吐出速度が実用
駆動電圧によって得られる実用吐出速度とされ、上記実
用吐出速度と上記基準吐出速度とを比較して、上記実用
吐出速度が所定の適正速度となるように上記実用駆動電
圧が補正される駆動電圧補正方法である。
【0107】すなわち、記録ヘッド2単体におけるイン
クの吐出速度が基準駆動電圧によって得られる基準吐出
速度とされ、上記記録ヘッドをインクジェット式記録装
置に組付けた状態における上記記録ヘッド2のインク吐
出速度が実用駆動電圧によって得られる実用吐出速度と
され、上記実用吐出速度と上記基準吐出速度とを比較し
て、上記実用吐出速度が所定の適正速度となるように上
記実用駆動電圧が補正される方法である。
【0108】上記記録ヘッド2が単体である当初の段階
において、圧電振動子17への駆動信号を種々選定して
適正な吐出速度のインク吐出状態を把握し、そのときの
駆動電圧がその記録ヘッド固有の適正な駆動電圧、すな
わち、基準駆動電圧とされる。このようにして基準駆動
電圧が把握された記録ヘッドを上記記録装置に組付け、
その状態で上記基準駆動電圧によるインクの実用吐出速
度が測定されるのであるが、前述のように駆動制御回路
内の導電性のばらつき等により、基準駆動電圧の電気的
特性が忠実に再現されないこととなり、結果的には、実
用吐出速度が基準吐出速度に対して相違してしまう。
【0109】したがって、上記実用吐出速度を実測して
その速度と上記基準吐出速度とを比較して、両速度の差
に応じて上記実用駆動電圧を補正するのである。
【0110】以上のように基準吐出速度と実用吐出速度
の比較、すなわち、このような吐出速度の比較は、健全
なインク滴が飛翔しているかどうかというミクロ的な現
象を実質的に観察しているのであり、このような現象面
の比較結果が実用駆動電圧の補正の根拠とされているこ
とは、所定の実用駆動電圧を正確に求める方法として、
最適である。
【0111】第15の実施の形態は、上記基準駆動電圧
によって得られるインクの基準吐出速度と上記実用駆動
電圧によって得られるインクの実用吐出速度とが略同一
速度となるように上記実用駆動電圧が補正される場合で
ある。以上の一連の作動は、主として記録ヘッドデータ
メモリ52と吐出速度検知手段49からの信号が、電圧
補正手段48に入力され、ここで基準吐出速度と実用吐
出速度とを略同一に設定して、駆動波形発生手段47を
経て記録ヘッド2が動作される。それ以外は、上記実施
の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付して
いる。
【0112】上記記録ヘッド2単体におけるインク吐出
状態と記録装置組付け後のインク吐出状態が、限りなく
近似もしくは同じとなるので、記録ヘッド2単体の段階
で確認された良好なインク吐出を実用段階で忠実に再現
することができ、印字品質の向上にとって有利である。
それ以外は、上記実施の形態と同様の作用効果を奏す
る。
【0113】
【発明の効果】上記記録ヘッドが単体である当初の段階
において、圧力発生素子への駆動信号を種々選定して適
正な吐出速度のインク吐出状態を把握し、そのときの駆
動電圧がその記録ヘッド固有の適正な駆動電圧、すなわ
ち、基準駆動電圧とされる。このようにして基準駆動電
圧が把握された記録ヘッドを上記記録装置に組付け、そ
の状態で上記基準駆動電圧によるインクの実用吐出速度
が測定されるのであるが、前述のように駆動制御回路内
の導電性のばらつき等により、基準駆動電圧の電気的特
性が忠実に再現されないこととなり、結果的には、実用
吐出速度が基準吐出速度に対して相違してしまう。
【0114】したがって、上記実用吐出速度を実測して
その速度と上記基準吐出速度とを比較して、両速度の差
に応じて上記実用駆動電圧を補正するのである。
【0115】以上のように基準吐出速度と実用吐出速度
の比較、すなわち、このような吐出速度の比較は、健全
なインク滴が飛翔しているかどうかというミクロ的な現
象を実質的に観察しているのであり、このような現象面
の比較結果が実用駆動電圧の補正の根拠とされているこ
とは、所定の実用駆動電圧を正確に求めるものとして、
最適である。
【0116】さらに、上記のような手順を踏んで実用駆
動電圧の補正を行なうことにより、より合理的な方法で
駆動電圧の補正が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録装置の実施の形
態を示すブロック図である。
【図2】本発明に用いられるインクジェット式記録ヘッ
ドの断面図である。
【図3】駆動電圧とレーザ信号との関係を示す線図であ
る。
【図4】クリーニングユニットの部分を示す平面図であ
る。
【図5】従来のインクジェット式記録装置の周辺構造を
示す斜視図である。
【図6】従来のインクジェット式記録ヘッドの断面図で
ある。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ 2 記録ヘッド 3 キャリッジ 4 クリーニングユニット 5 タイミングベルト 6 ステッピングモータ 7 ガイドバー 8 記録用紙 9 駆動回路 10 収容ケース 11 壁枠部材 12 フレキシブルフラットケーブル 13 吸引ポンプ 14 ノズル開口 15 圧力発生室 16 流路ユニット 17 圧電振動子 18 ヘッドケース 19 ノズルプレート 20 流路基板 21 封止板 21A 樹脂製薄膜 21B 金属製薄膜 22 インク供給路 23 インク貯留室 24 空間 25 固定基板 26 島部 27 導通線 28 インク補給管 29 ダンパ用凹部 30 外部連通孔 31 ノズル面 32 キャップ本体 32A 底面 32B 吸引室 33 キャップケース 34 開口縁 35 吸引口 36 吸引管 37 廃液貯留部 38 大気導入口 39 大気導入管 40 開閉弁 41 インク滴 42 レーザ光 43 レーザ発光源 43A 支持台 44 レーザ受光器 44A 支持台 45 印刷制御手段 46 キャリッジ制御手段 47 駆動波形発生手段 48 電圧補正手段 49 吐出速度検知手段 50 温度検知手段 51 電源スイッチ 52 記録ヘッドデータメモリ 53 モード切換手段 54 支持部材 55 矢線 56 ワイパー

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルプレートに設けられたノズル開口
    と上記ノズル開口に連通する圧力発生室と上記圧力発生
    室に圧力変動を与えるために駆動信号が入力される圧力
    発生素子とを含んで構成されたインクジェット式記録ヘ
    ッドを備えたインクジェット式記録装置であって、記録
    ヘッド単体におけるインクの吐出速度が基準駆動電圧に
    よって得られる基準吐出速度とされ、上記記録ヘッドを
    インクジェット式記録装置に組付けた状態における上記
    記録ヘッドのインク吐出速度が実用駆動電圧によって得
    られる実用吐出速度とされ、上記実用吐出速度と上記基
    準吐出速度とを比較して、上記実用吐出速度が所定の適
    正速度となるように上記実用駆動電圧が補正されるよう
    に構成したことを特徴とするインクジェット式記録装
    置。
  2. 【請求項2】 上記基準駆動電圧によって得られるイン
    クの基準吐出速度と上記実用駆動電圧によって得られる
    インクの実用吐出速度とが略同一速度となるように上記
    実用駆動電圧が補正される請求項1記載のインクジェッ
    ト式記録装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも上記実用吐出速度は、駆動信
    号を圧力発生素子に入力した時からインク滴が所定の箇
    所に配置した検出用レーザ光をさえぎった時までの時間
    に相関させて測定される請求項1または2記載のインク
    ジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 上記ノズルプレートを封止した状態で吸
    引室に負圧を与えてクリーニング動作を行なうクリーニ
    ングユニットを備え、上記検出用レーザ光のためのレー
    ザ発光源とレーザ受光器が上記クリーニングユニットの
    近傍に配置されている請求項3記載のインクジェット式
    記録装置。
  5. 【請求項5】 上記検出用レーザ光は、ノズル開口がな
    すノズル列線に対して傾斜した姿勢で配置されている請
    求項3または4記載のインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 上記実用駆動電圧の補正は、上記インク
    ジェット式記録装置の環境条件が補正因子として含まれ
    ている請求項1または2記載のインクジェット式記録装
    置。
  7. 【請求項7】 上記環境条件は、少なくとも上記インク
    ジェット式記録装置が設置された箇所の環境温度である
    請求項6記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 上記環境温度が、所定の温度区分毎の情
    報として記憶され、各温度区分毎に上記実用駆動電圧が
    補正される請求項7記載のインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 上記実用駆動電圧の補正が、自動補正と
    して行なわれる請求項1,2,6,7,8のいずれか一
    項に記載のインクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 上記自動補正は、上記インクジェット
    式記録装置の電源スイッチを接続したときに得られる信
    号をトリガーにして行なわれる請求項9記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 上記自動補正は、上記環境温度の所定
    の温度区分に応じて行なわれる請求項9記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  12. 【請求項12】 上記駆動信号は複数の駆動波形を含ん
    でなり、各駆動波形毎に実用駆動電圧を補正する請求項
    1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット式記録
    装置。
  13. 【請求項13】 上記実用吐出速度を検知する手段が、
    吐出速度を検出するモードと吐出不良を検出するモード
    とを切り替え可能に構成されている請求項3〜12のい
    ずれか一項に記載のインクジェット式記録装置。
  14. 【請求項14】 ノズルプレートに設けられたノズル開
    口と上記ノズル開口に連通する圧力発生室と上記圧力発
    生室に圧力変動を与えるために駆動信号が入力される圧
    力発生素子とを含んで構成されたインクジェット式記録
    ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の駆動電圧補
    正方法であって、記録ヘッド単体におけるインクの吐出
    速度が基準駆動電圧によって得られる基準吐出速度とさ
    れ、上記記録ヘッドをインクジェット式記録装置に組付
    けた状態における上記記録ヘッドのインク吐出速度が実
    用駆動電圧によって得られる実用吐出速度とされ、上記
    実用吐出速度と上記基準吐出速度とを比較して、上記実
    用吐出速度が所定の適正速度となるように上記実用駆動
    電圧が補正されることを特徴とするインクジェット式記
    録装置の駆動電圧補正方法。
  15. 【請求項15】 上記基準駆動電圧によって得られるイ
    ンクの基準吐出速度と上記実用駆動電圧によって得られ
    るインクの実用吐出速度とが略同一速度となるように上
    記実用駆動電圧が補正される請求項14記載のインクジ
    ェット式記録装置の駆動電圧補正方法。
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