JP2003191134A - 電解加工用電極およびその製造方法 - Google Patents

電解加工用電極およびその製造方法

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JP2003191134A
JP2003191134A JP2001393738A JP2001393738A JP2003191134A JP 2003191134 A JP2003191134 A JP 2003191134A JP 2001393738 A JP2001393738 A JP 2001393738A JP 2001393738 A JP2001393738 A JP 2001393738A JP 2003191134 A JP2003191134 A JP 2003191134A
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Yasuhiro Kobayashi
康裕 小林
Shinji Matsue
慎二 松榮
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の加工パターンを正確にかつ容易に形成
することができ、高精度の加工を長期にわたって安定し
て維持することのできる電解加工用電極とその製造方法
を提供する。 【解決手段】 リソグラフィによって凸状絶縁体2aを
所定のパターンに形成したのち、このパターン以外の凹
状金属露出部1aを埋め込むように導電性被膜による導
電部3を形成する。その後、電極表面を研磨加工等によ
り略平坦として電極工具31を得る。この製造方法によ
り、導電部3を容易に所定の加工パターンに形成するこ
とができる。また、この構成により、絶縁体2aの側面
2bと密着面2cが導電部3によって周囲から補強さ
れ、かつ、絶縁体2aが受ける電解液からの流体抵抗が
ほぼ無くなることから、絶縁体2aの剥離を防止するこ
とができる。従って、加工パターンの長期にわたる安定
化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解加工に用いる
電極とその製造方法に関し、更に詳しくは、高い加工精
度を長期間維持することができる電解加工用電極とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の表面加工に用いられる電解加工法
は、食塩水や硝酸ナトリウム水溶液等の電解液中に、加
工形状に対応した形状の導電部を有する電極(以下、電
極工具と記述する)を被加工物の表面に近接して対向配
置し、この電極工具と被加工物との間に電流を流すこと
により、被加工物表面を電気化学的に溶解させて、電極
工具の導電部形状(加工パターン)に対応した彫り込み
形状を形成する加工方法である。
【0003】電解加工は、近年、特開平9−19293
2および特開平10−86020等に公知のように、電
極工具と被加工物を所定の間隔で固定し、電解液を循環
させながら、あらかじめ設定された印加総電気量を目標
値として電流を流し加工を行うことで、微細パターンの
加工に多用されるようになってきている。特に、ハード
ディスク装置等の高速および高精度の回転が要求される
機構に用いられる動圧軸受装置の動圧溝は、その溝深さ
を±0.5μm程度の高精度とすることが要求されるこ
とから、その加工には、高精度加工が可能な電解加工が
好適に採用される。
【0004】従来の電解加工装置の全体構成を、図5と
して模式的に示す。表面に所定の形状が加工される被加
工物Wは、加工対象面に電極(電極工具)32を所定の
距離をおいて対向させた状態で加工槽41内に配置され
る。加工槽41には、電解液槽42と通じる液流入管4
2aと液排出管42bが配置されており、ポンプ43の
駆動により、被加工物Wと電極工具32の間(加工すき
間50)に電解液が流れるようになっている。被加工物
Wには加工用電源44の正極が接続される一方、電極工
具32には同じく加工用電源44の負極が接続され、こ
れらの被加工物Wと電極工具32の間に電解液を流した
状態で、例えばパルス状の電流が流される。電極工具3
2の被加工物Wとの対向面には、所定の加工パターンの
導電部1aと、パターン以外の領域の絶縁体2aが形成
されている。そして、電解液を介在させた状態で、加工
用電源44からの電流が、導電部1aと被加工物Wとの
間に流れることで、電気化学反応により導電部1aに対
向する部位の被加工物Wが溶出し、被加工物Wの表面に
導電部1aと同等のパターンの彫り込み形状が転写形成
されることになる。
【0005】このような電解加工に用いられる電極工具
は、例えば銅系あるいは鉄系合金からなる金属製の基体
を用い、加工パターンで基体表面の一部が露出するよう
に、加工パターン以外の領域を非導電性材料(絶縁体)
で被覆した構造のものが用いられる。
【0006】図6あるいは図7に、電解加工に使用され
る従来の電極(電極工具)の構成例とその製造方法を模
式的に示す。電極工具は、金属製の基体1を用い、その
基体1の一面に、加工パターン(図6(c)および図7
(d)の露出部1a)で金属部分が露出するように、加
工パターン1a以外の領域を非導電性材料で被覆した構
造のものである。電極工具は、非導電性材料による被覆
の形成方法により、以下に記述するの2つのタイプのも
のが知られている。
【0007】電極工具の構成は、まず1つのタイプとし
て、図6(a)に示すように、基体1の表面に非導電性
材料(フォトレジスト)からなる一様なレジスト膜2を
形成した後、フォトリソグラフィの技術により、図示し
ない紫外線源等とマスク11を使用して絶縁パターン1
0形状部の非導電性材料を反応固化させ(同図
(b))、未反応の非導電性材料のみを除去し(同図
(c))、残った非導電性材料を凸状絶縁体2aとして
用いる構造の電極工具32がある。
【0008】あるいは、別のタイプとして、図7(a)
に示すように、基体1の一面の絶縁パターン1b部分を
エッチング等によって削り落として凹部1bを形成し
(同図(b))、その凹部1bを埋め込むように合成樹
脂等からなる非導電性材料膜12を形成した後(同図
(c))、研磨加工等により露出部1aを露出させ電極
工具表面を略平坦として(同図(d))、表面に面一に
形成された露出部1aと絶縁体12aを有する電極工具
33もある。
【0009】なお、上記した両タイプの電極工具32,
33とも、電解加工の対象となる被加工物は、露出部1
aのある図示上方に電極工具と所定の間隔をおいて、対
向配置されることとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6に示し
たような、表面に凸状絶縁体2aが形成されているタイ
プの電極工具32は、リソグラフィ技術を用いて絶縁パ
ターンを形成するため、高アスペクト比のパターンを容
易にかつシャープに形成でき、特に微細なパターンを高
精度に形成できるという利点がある。しかしその反面、
電解加工を行う際は、この電極工具32と被加工物との
間に電解液が流されるため、凸状絶縁体2aはその側面
2bに電解液の流れに起因する流体抵抗を受け、基体1
との密着面2cから剥離してしまうという問題があっ
た。この問題は、形成される凸状絶縁体2aが高アスペ
クト比で、絶縁体と基体1との間に充分な密着力が得に
くい微細パターンの加工において、特に発生しやすくな
る。そして、このような凸状絶縁体2aの剥離が発生す
ると、高精度な電解加工ができなくなるため、電極工具
32を使用できる期間が短くなってしまうという問題が
生じる。
【0011】また、図7に示したような、表面が略平坦
で、削り落とされた凹部内に絶縁体12aを持つタイプ
の電極工具33は、上記のような絶縁体12aの剥離は
発生しにくいが、その製造過程において、エッチング加
工等により表面を彫り込んでパターンを形成し研磨する
ことから、サイドエッジなどの影響により所定のアスペ
クト比を持つ形状に制御することが難しいという欠点が
ある。
【0012】この発明は、上記する課題に対処するため
になされたもので、所定の加工パターンを正確にかつ容
易に形成することができ、高精度の加工を長期にわたっ
て安定して維持することのできる電解加工用電極とその
製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、所定パターンの導電部
が表面に露出してなる電極と、被加工物とを、電解液中
に対向させて浸漬するとともに、この電解液を電極と被
加工物との間に流動させつつ、これら被加工物と電極と
を加工用電源の正極および負極にそれぞれ接続して電流
を流すことによって、被加工物表面に電極の導電部の露
出パターンに対応した彫り込み形状を形成する電解加工
用電極において、前記電極は、金属製の基体の表面に凸
状絶縁体が所定のパターンに形成されているとともに、
この凸状絶縁体に隣接する凹状金属露出部を覆うように
導電性被膜が形成されていることを特徴とする。
【0014】ここで、前記絶縁体と導電性被膜とから形
成される電極表面が、略平坦な面であることが好ましい
(請求項2)。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、電解加工
用電極の製造方法が、金属製の基体の表面に、リソグラ
フィによって凸状絶縁体を所定のパターンに形成したの
ち、このパターン以外の凹状金属露出部を埋め込むよう
に導電性被膜を形成することを特徴とする。
【0016】この発明は、電解加工に使用される電極工
具の表面に、非導電性材料からなる凸状絶縁体を形成
し、その絶縁体の間に形成された凹状金属露出部に、新
たな導電性被膜を形成することで所期の目的を達成しよ
うとするものである。
【0017】すなわち、絶縁パターンを形成する凸状絶
縁体どうしの間に形成された凹状金属露出部に、この露
出部を埋め込むようにして導電性材料による被膜を形成
することにより、凸状絶縁体の剥離を防止することがで
きる。言い換えれば、凸状絶縁体の基底部(底側面およ
び基体との密着面)が導電性被膜によって周囲から補強
されることにより、凸状絶縁体の剥離に対する抵抗力が
増し、もって加工パターンの安定化を図ることができ
る。そのうえ、電解液の流れが絶縁体の基底部に直接当
たることがなくなるため、凸状絶縁体の基体に対する密
着力が損なわれることがない。
【0018】ここで、凸状絶縁体と導電性被膜とからな
る電極工具の表面形状は、略平坦であることが望まし
い。このような形状を採用すれば、凸状絶縁体と導電性
被膜との間の段差が小さくなり、凸状絶縁体が流動する
電解液から受けていた流体抵抗をより軽減することがで
きる。また、電解液の流動が円滑に行われることによ
り、安定した電気化学反応が促進され、加工精度を向上
させる効果も発揮することができる。このような平坦な
表面形状は、導電性被膜の形成時に、その膜厚を制御す
ることで実現できる。そして更に、導電性被膜を形成後
に、電極工具の表面を研磨加工等により面一とする方法
を採用すれば、絶縁体が受ける流体抵抗を大幅に軽減す
ることができ、好適である。
【0019】また、この電極工具の製造は、金属製の基
体の被加工物と対向する面に、リソグラフィによって凸
状絶縁体を所定のパターンに形成したのち、このパター
ン以外の凹状金属露出部を埋め込むように導電性被膜を
形成する方法によって行われる。この方法により、加工
パターン以外の領域に形成される凸状絶縁体は、リソグ
ラフィ技術の特色を生かし、高アスペクト比のパターン
でも容易にかつシャープな形状に形成することができ
る。また、隣接する導電性被膜は、めっき等の表面処理
方法を用いて、凸状絶縁体の側壁を鋳型のように利用し
て形成されることから、容易に所定の形状の導電部を形
成することができる。
【0020】なお、ここで導電性被膜を形成するのに用
いられる表面処理方法は、特に限定されるものではな
く、めっきの他に、溶射,蒸着等の表面皮膜を形成でき
る手法であればどのような方法を採用しても良い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつこの発明
の実施の形態について説明する。図1は、この発明の第
1の実施の形態における電極工具の構成を示す模式図で
あり、図2はその製造方法を示す模式図である。なお、
電解加工の対象となる被加工物は、図1では図示下方
に、図2では図示上方に電極工具と対向して配置される
こととなる。また、重複記載を避けるため、同一構成要
素の符号は従来の技術の説明で用いたものと同一の符号
を使用して説明する。
【0022】本実施の形態における電解加工用電極工具
31は、例えば真鍮等の金属製基体1の被加工物と対向
する面に、非導電性材料(フォトレジスト)の絶縁体2
aと導電性材料(被膜)からなる導電部3とを有する。
この場合、導電部3の外側面3aは、絶縁体2aの外側
面とほぼ同一面の略平坦面としてある。この絶縁体2a
は、加工パターンを除く領域に、後述するリソグラフィ
によって非導電性材料を被覆して形成されている。ま
た、加工パターンとなる導電部3は、上記絶縁体2a以
外の凹状金属露出部1aに、めっき等により導電性材料
(例えば銅等)が積層され、導電性被膜の導電部3とし
て形成されている。また、この電極工具31の表面は、
研磨加工等により、絶縁体2aと導電部3との間に段差
がないように面一に仕上げられている。
【0023】この電極工具31の形成工程を図2に基づ
いて説明する。図2(A)に示すように、基体1の被加
工物と対向する面(図示上面)に、非導電性材料(フォ
トレジスト)からなる一様なレジスト膜2を形成する。
次に図2(B)に示すように、フォトリソグラフィ技法
を用いて、加工パターンとなる領域をマスク11により
マスキングした後、図示しない線源から紫外線等を照射
して、加工パターン以外の領域(絶縁パターン10)と
なる部分のレジスト膜2を反応固化させる。その後、図
2(C)に示すように、マスキングされて加工パターン
上に未反応のまま残されたレジスト膜2を除去し、表面
に凸状絶縁体2a,2a,・・・と、それに隣接する凹
状金属露出部1a,1a,・・・が形成された基体1を
得る。次に、図2(D)に示すように、得られた基体1
の凹状金属露出部1a上に、めっき等により導電性材料
を積層して被膜を形成し、導電部3の上面が凸状絶縁体
2aの上面より突出するように形成する。そして、図2
(E)に示すように、研磨加工等により表面を平坦にす
ることにより、表面に所定のパターンどおりに形成され
た導電部3と絶縁体2aとを有する電極工具31が得ら
れる。
【0024】以上の電極工具の製造方法において、注目
すべき点は、リソグラフィによって絶縁体2aを所定の
パターンに形成したのち、このパターン以外の金属露出
部1aに導電性被膜を形成する点である。このようにし
て構成された絶縁体2aは、リソグラフィ技法を用いる
ことから、高アスペクト比のパターンでも容易にかつシ
ャープな形状に形成することができる。特に、絶縁体2
aの側面2bは、基体1表面に垂直で加工パターンに沿
った正確な面とすることが可能となる。そして、この側
面2bに沿って形成される導電部3も同様な特徴を持
ち、電解加工に関与する導電部3を容易にかつ精度良く
形成することができる。
【0025】また、この構成により、導電性被膜の導電
部3は、絶縁体2aの側面2bと密着面2cを周囲から
補強し、絶縁体2aの剥離を防止する効果を発揮するこ
とができる。そのうえ、この導電部3によって、電解加
工時に絶縁体2aが電解液から受ける流体抵抗が大幅に
軽減されることから、より絶縁体2aの剥離を抑制する
ことができ、もって加工パターンの長期にわたる安定化
が可能となる。
【0026】そして、研磨加工等により電極工具の表面
を面一とすることにより、電解液の滞留がなく、均一な
電解液の流動を得ることができる。そのため、被加工物
の加工精度を向上させる効果も併せて奏することができ
る。
【0027】なお、本実施の形態に置ける電極工具31
は、導電性被膜による導電部3の形成後に、研磨加工等
により表面を面一とする方法を用いたが、この研磨工程
は省略することが可能である。
【0028】次に、この発明の第2の実施の形態を説明
する。図3は、この発明の第2の実施の形態における電
極工具の構成を示す模式図である。なお、電解加工の対
象となる被加工物は、図示上方に電極工具と対向して配
置されることとなる。
【0029】図3に示すように、本実施の形態における
電極工具31の特徴は、凸状絶縁体2aの間に形成され
る導電部3の外側面3aが、凸状絶縁体2aの上面より
低く形成されている点である。このような導電部3は、
フォトリソグラフィの技術を用いて絶縁体2aを形成し
た後、めっき等を用いて、膜厚を制御しながら導電性被
膜を形成することで得られる。この導電部3の外側面3
aの高さは、図3(A)に示すように、凸状絶縁体2a
とほぼ同一の高さまで形成するか、あるいは図3(B)
に示すように、凸状絶縁体2aの側面2b下部を覆う程
度に形成することも可能である。このように、凸状絶縁
体2aが導電部3より突出する構造にすることにより、
導電性被膜形成後の研磨加工を省略しても、導電部3の
外側面3aの形状を所定の加工パターンとすることがで
きる。
【0030】一方、上記の構成により、電極工具31の
表面に凹凸が生じるため、凸状絶縁体2aに対する電解
液の流体抵抗は、第1の実施の形態に比べ、多少増加す
ることになる。しかし、導電部3による凸状絶縁体2a
の基底部(側面2b下部および基体との密着面2c)を
補強する作用は、電極工具表面を面一とした場合と略同
等な効果を得ることができる。従って、絶縁体2aの剥
離が防止され、加工パターンの長期にわたる安定化が可
能となる。
【0031】なお、上記のように、導電部3の高さが、
凸状絶縁体2aの高さとほぼ同一かもしくは下回るよう
に形成した場合でも、その後凸状絶縁体2aに研磨加工
等を施すことによって、電極工具31表面を面一とすれ
ば、第1の実施の形態と全く同じ効果が得られることは
勿論である。
【0032】次に、この発明の第3の実施の形態につい
て説明する。図4は、この発明の第3の実施の形態にお
ける電極工具の構成を示す模式図である。なお、電解加
工の対象となる被加工物は、図示下方に電極工具と対向
して配置されることとなる。
【0033】本実施の形態における電極工具31aの基
本的構成は、第1,第2の実施の形態で説明した電極工
具31とほぼ同等のものである。その相違点は、金属製
基体1の一面に、基体1とは別種の金属による層20が
形成され、その金属層20の露出面20aに導電性被膜
の導電部3が設けられている点である。
【0034】金属層20は、第1の実施の形態で説明し
たリソグラフィを行う前に、あらかじめ基体1の一面に
めっき等の手法を用いて形成される。このように、基体
1の表面に別種の金属層20を介在させることで、絶縁
体2aの密着面2cの密着力を向上させることができ
る。
【0035】電極工具の基体1の材料としては、例えば
真鍮等の銅系合金やステンレス等鉄系合金が使用され
る。特に、銅系の合金は熱伝導率が高く、電気抵抗も低
いという利点がある反面、非導電性材料等の樹脂との密
着性が低いという欠点がある。しかし、このような場合
でも、樹脂等との密着性の高い金属(いわゆる樹脂とな
じみの良い金属、例えばクロム,ニッケル等)を用いて
金属層20を形成した上に、非導電性材料からなる絶縁
体2aを形成することによって、絶縁体2aの剥離に対
する抵抗力を向上させることができる。このことによ
り、導電部3が絶縁体2aの周囲を補強する効果と相俟
って、より絶縁体2aの剥離を抑制することができ、よ
って加工パターンの長期にわたる安定化が可能となる。
【0036】なお、本発明の電極工具に使用される基体
と導電性被膜の材料および非導電性材料等は、以上の実
施の形態で示した例に限られるものではなく、種々の材
料構成を適用することができる。また、電極工具の形状
も、様々な形状の加工に適用し得ることは勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、絶縁
パターンを被覆する凸状絶縁体どうしの間に形成された
凹状金属露出部に、導電性材料による被膜が形成されて
いることにより、電解液の影響による凸状絶縁体の剥離
を防止することができる。また、凸状絶縁体と導電性被
膜との間の段差が小さくなることで、凸状絶縁体が電解
液から受けていた流体抵抗をより軽減することができ
る。この構成により、加工パターンの安定化が図られ、
もって高精度の加工を長期にわたって安定して維持する
ことが可能となる。
【0038】また、リソグラフィによって絶縁膜を所定
のパターンに形成したのち、この絶縁パターン以外の凹
状金属露出部に導電性被膜を形成する方法を採用するこ
とにより、導電部を容易に所定の加工パターンに形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電極工具の
構成を示す断面模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における電極工具の
製造方法を示す断面模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における電極工具の
構成を示す断面模式図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における電極工具の
構成を示す断面模式図である。
【図5】電解加工に用いられる従来の電解加工装置の全
体構成を示す模式図である。
【図6】従来の電極工具の構成例とその製造方法を示す
断面模式図である。
【図7】従来の電極工具の別の構成例とその製造方法を
示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 基体 1a 露出部 1b 凹部 2 レジスト膜 2a 絶縁体 2b 側面 2c 密着面 3 導電部 3a 外側面 10 絶縁パターン 11 マスク 12 非導電性材料膜 12a 絶縁体 20 金属層 20a 露出部 31,31a 電極工具 32,33 電極工具 41 加工槽 42 電解液槽 42a 液流入管 42b 液排出管 43 ポンプ 44 加工用電源 50 加工すき間 W 被加工物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定パターンの導電部が表面に露出して
    なる電極と、被加工物とを、電解液中に対向させて浸漬
    するとともに、この電解液を電極と被加工物との間に流
    動させつつ、これら被加工物と電極とを加工用電源の正
    極および負極にそれぞれ接続して電流を流すことによっ
    て、被加工物表面に電極の導電部の露出パターンに対応
    した彫り込み形状を形成する電解加工用電極において、 前記電極は、金属製の基体の表面に凸状絶縁体が所定の
    パターンに形成されているとともに、この凸状絶縁体に
    隣接する凹状金属露出部を覆うように導電性被膜が形成
    されていることを特徴とする電解加工用電極。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体と導電性被膜とから形成され
    る電極表面が、略平坦な面であることを特徴とする請求
    項1に記載の電解加工用電極。
  3. 【請求項3】 金属製の基体の表面に、リソグラフィに
    よって凸状絶縁体を所定のパターンに形成したのち、こ
    のパターン以外の凹状金属露出部を埋め込むように導電
    性被膜を形成することを特徴とする電解加工用電極の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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