JP2003189574A - 直流機 - Google Patents

直流機

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JP2003189574A
JP2003189574A JP2001386982A JP2001386982A JP2003189574A JP 2003189574 A JP2003189574 A JP 2003189574A JP 2001386982 A JP2001386982 A JP 2001386982A JP 2001386982 A JP2001386982 A JP 2001386982A JP 2003189574 A JP2003189574 A JP 2003189574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】扁平円筒状のヨークを有する直流機において、
両方向の回転時にそれぞれ良好な整流を実現する。 【解決手段】小型モータ1は、供給される直流電流の方
向に応じていずれか一方向に回転駆動される。マグネッ
ト2,3は、主磁束部2a,3aと、主磁束部2a,3
aの各端部から周方向一側及び他側にそれぞれ延出形成
される延長部2b,2c,3b,3cとを有している。
扁平円筒状のヨーク7の湾曲部7bにマグネット2,3
が配置されている。各回転方向において整流開始時に当
該整流に係る電機子コイル9a,9bが巻装されるティ
ース8aの前端が回転方向前側となる延長部2b,2
c,3b,3cの磁束極小部に配置される。延長部2
b,2c,3b,3cには、磁性金属が配置されてい
る。ヨーク7の平坦部7aには、ヨーク内外を連通する
略長方形状のヨーク孔12が配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両方向の回転用途
に供せられる直流機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブラシとコンミテータとを備えた
直流モータ(直流機)では、ブラシとコンミテータによ
り、電機子コイルに通電している電流の方向が切り替え
られる、いわゆる整流が行われる。しかし、多くの直流
モータでは、整流状態が不足整流となり、これは性能向
上を妨げる要因となっている。
【0003】この不足整流を解決するために、本出願人
は、マグネットの磁束(密度)分布を変えることで整流
中の電機子コイルを通過する磁束量を変え、整流が改善
できように構成したものを提案している(例えば、特開
2001−95218号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開200
1−95218号公報の構成で使用されるマグネットの
磁束分布は、一方向の回転用途にのみ供せられる直流モ
ータを前提に提案されたものであった。また、同直流モ
ータでは、マグネットを収納固定するヨークの形状は円
筒形状である。従って、扁平円筒状のヨークを有し両方
向の回転用途に供せられる直流モータに対しては、良好
な整流状態を保つことが困難となっていた。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、扁平円筒状のヨークを
有し、両方向の回転においてそれぞれ良好な整流を行う
ことができる直流機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数のティースを有する電機子コアに電機子コイル
を巻装してなる両方向回転用の電機子と、該電機子を挟
んで対向配置されるマグネットと、平坦部と湾曲部とを
有して扁平円筒状に形成され該湾曲部に前記マグネット
が配置されるヨークと、整流子に接触し前記電機子コイ
ルに直流電流を供給するブラシとを備え、前記マグネッ
トは、磁束密度が略均一な主磁束部の回転方向両端に周
方向外側に向かって磁束が漸増する延長部とを有し、前
記延長部は、前記主磁束部の各端部において該主磁束部
よりも磁束を弱くした弱磁束部を有し、各回転方向にお
いて整流開始時に当該整流に係る電機子コイルが巻装さ
れるティースの回転方向前側となるティースの前端が回
転方向前側となる前記弱磁束部に配置され、前記マグネ
ットの延長部に磁性金属を配設し、前記ヨークに前記平
坦部の前記電機子コアに対向する範囲にヨーク内外を連
通するヨーク孔を形成した。
【0007】請求項2に記載の発明は、複数のティース
を有する電機子コアに電機子コイルを巻装してなる両方
向回転用の電機子と、該電機子を挟んで対向配置される
マグネットと、平坦部と湾曲部とを有して扁平円筒状に
形成され該湾曲部に前記マグネットが配置されるヨーク
と、整流子に接触し前記電機子コイルに直流電流を供給
するブラシとを備え、前記マグネットは、磁束密度が略
均一な主磁束部の回転方向両端に周方向外側に向かって
磁束が漸増する延長部とを有し、前記延長部は、前記主
磁束部の各端部において該主磁束部よりも磁束を弱くし
た弱磁束部を有し、各回転方向において整流開始時に当
該整流に係る電機子コイルが巻装されるティースの回転
方向前側となるティースの前端が回転方向前側となる前
記弱磁束部に配置され、前記ヨークにおいて、前記平坦
部の前記電機子に対向する範囲にヨーク内外を連通する
ヨーク孔を形成し、該ヨーク孔の前記弱磁束部側にその
ヨーク孔の面積が前記周方向外側から前記弱磁束部側に
向けて徐々に減少するよう延出部を形成した。
【0008】請求項3に記載の発明は、延出部は、その
面積が前記マグネットの端部側から弱磁束部側に向けて
徐々に増加するよう形成され、その増加度合はマグネッ
トの端部側ほど小さい。
【0009】(作用)電機子の回転時には、電機子コイ
ルのインダクタンスにより電流を妨げる向きのリアクタ
ンス電圧が同電機子コイルに発生する。一方、電機子の
回転に伴って整流中の電機子コイルを通過する磁束量が
変化すると、その変化によって逆起電力である誘起電圧
が発生する。
【0010】請求項1及び請求項2に記載の発明によれ
ば、上記マグネットは、磁束密度が略均一な主磁束部の
回転方向両端に、周方向外側に向かって磁束が漸増する
延長部を有している。各延長部は、主磁束部の各端部に
おいて該主磁束部よりも磁束を弱くした弱磁束部を有す
る。そして、各回転方向において整流開始時に当該整流
に係る電機子コイルが巻装されるティースの回転方向前
側となるティースの前端が、回転方向前側となる弱磁束
部に配置される。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、マグネッ
トの延長部に磁性金属が配設されており、電機子の発生
する磁界により、回転方向前側となる延長部に配置され
た磁性金属は同延長部を減磁する方向に磁化される。従
って、電機子の回転に伴い回転方向前側となる上記減磁
された延長部によって、整流中の電機子コイルを通過す
る磁束量がより顕著に漸増し、上記誘起電圧も整流開始
時から漸増する。この誘起電圧は、上記リアクタンス電
圧を打ち消すように作用する。
【0012】一方、各回転方向において回転方向後側と
なる延長部に配置された磁性金属は、電機子の発生する
磁界により、同延長部を増磁する方向に磁化される。従
って、この磁性金属は、回転方向後側となる延長部の本
来の磁束分布(弱磁束部での磁束減少)を補充する。従
って、回転方向後側となる延長部による整流中の電機子
コイルを通過する磁束量の本来の変動は抑制される。
【0013】また、ヨークには、平坦部の電機子コアに
対向する範囲にヨーク内外を連通するヨーク孔を配設し
たので、マグネットの延長部がヨークの平坦部に接近す
ることによりその平坦部に磁束が流れ、該平坦部に磁束
が集中するといったことが回避される。
【0014】以上により、各回転方向において電機子の
回転に伴う整流中の電機子コイルを通過する全体として
の磁束量の変化は、回転方向前側となる延長部によるも
のが(回転方向後側となる延長部によるものに比して)
支配的になる。すなわち、電機子の回転に伴って整流中
の電機子コイルを通過する磁束量が漸増し、電機子コイ
ルのインダクタンスの影響によるリアクタンス電圧を打
ち消す誘起電圧のみが発生され、各回転方向においてそ
れぞれ整流が改善される。
【0015】請求項2に記載の発明によれば、ヨークの
平坦部において、電機子に対向する範囲にヨーク内外を
連通するヨーク孔が配設され、該ヨーク孔の弱磁束部側
には、ヨーク孔の面積が周方向外側(マグネット端部
側)から弱磁束部側に向けて徐々に減少するよう延出部
が設けられている。つまり、この延出部は、弱磁束部側
の面積が最も大きくマグネットの端部側に向かって減少
するよう形成されている。この場合、ヨーク孔を形成す
ることにより、請求項1と同様に、平坦部に磁束が流れ
該平坦部に磁束が集中するといったことが回避される。
また、延出部は、請求項1の発明における磁性金属の役
割を果たす。つまり、電機子の発生する磁界により、回
転方向前側にある延出部はマグネットの延長部を減磁す
る方向に磁化される。この延出部は、弱磁束部側ほど面
積が大きいため、弱磁束部側ほど大きく減磁する方向に
磁化される。よって、整流中の電機子コイルを通過する
磁束量がより顕著に漸増し、リアクタンス電圧を打ち消
す好適な誘起電圧が発生する。一方、電機子の発生する
磁界により、回転方向後側にある延出部は、マグネット
の延長部を弱磁束部側ほど大きく増磁する方向に磁化さ
れる。従って、回転方向後側となる延長部の本来の磁束
分布(弱磁束部側ほど磁束減少)をより好適に補充し、
同延長部による整流中の電機子コイルを通過する磁束量
の変動は略皆無とされる。その結果、請求項1と同様
に、各回転方向においてそれぞれ整流を改善することが
できる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、延出部
は、その面積が前記マグネットの端部側から主磁束部側
に向けて徐々に増加するよう形成され、この面積の増加
度合はマグネットの端部側ほど小さい。このようにする
と、ヨークの平坦部に磁束が集中することを防止する上
で好ましいものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
直流機としての自動車用小型モータに具体化した第1実
施形態を図面に従って説明する。なお、図1は、直流機
としての自動車用小型モータ(以下、「小型モータ」と
いう)の概略構造を示す部分断面図である。
【0018】図1に示すように、小型モータ1は、マグ
ネット2,3、電機子4、ブラシ5a,5b等を有して
いる。詳述すると、本実施形態の小型モータ1は、2極
の直流モータであって、軟鉄製のヨーク(モータハウジ
ング)7内において、N極及びS極を形成する断面円弧
状の2つのマグネット(例えば、フェライト磁石)2,
3が電機子4を挟んで対向配置されている。ヨーク7
は、平坦部7aと湾曲部7bとを有し扁平円筒状(断面
小判状)に形成されている。2つのマグネット2,3
は、電機子4の中心点Oに対して点対称となるよう湾曲
部7bの内周面に固定されている。電機子4は、電機子
コア8と、その電機子コア8に巻装される電機子コイル
(巻線)9a,9bと、コンミテータ(整流子)10と
を有している。同図において、電機子コイル9a,9b
も中心点Oに対して点対称に配置されている。そして、
電機子4は、供給される直流電流の方向を切り替えるこ
とにより時計回り方向(図1においてCW方向)及び反
時計回り方向(図1においてCCW方向)のいずれにも
回転駆動できるよう構成されている。
【0019】電機子コア8には、等間隔に断面略T字状
の複数(本実施形態では12個)のティース8aが形成
されており、そのうちのn個(本実施形態では4個)の
ティース8aを1組としてその周囲に上記電機子コイル
9a,9bが巻き付けられている。図示を省略している
が、複数の他の電機子コイルがn個(4個)のティース
8aを1組として同様に巻き付けられている。つまり、
巻線の巻装方式は分布巻である。なお、本実施形態で
は、ティース8aの個数は12個であり、同ティース8
aは電機子4の周方向に30°ごとに形成されている。
つまり、隣り合うティース8aは、その中心線のなす角
が30°(=360°/12)となるように形成されて
いる。
【0020】コンミテータ10は、電機子4の一端に配
置され、複数(12個)の整流子片11を有して構成さ
れている。そして、図1及び図2に示すように、隣り合
う整流子片11a,11b間は前記電機子コイル9aに
て結線され、隣り合う整流子片11c,11d間は前記
電機子コイル9bにて結線されている。なお、上記整流
子片11bに隣接する整流子片11aと反対側は整流子
片11eとなっており、整流子片11dに隣接する整流
子片11cと反対側は整流子片11fとなっている。こ
れら隣り合う整流子片11b,11e間、整流子片11
d,11f間も、それぞれ図示しない電機子コイルにて
結線されている。
【0021】図1において、中心点Oを基準とし、整流
子片11a,11b,11eの点対称となる位置に整流
子片11c,11d,11fが配置されている。そし
て、各整流子片11間のスリットは、各ティース8a間
の略中間に位置するようになっている。また、ブラシ5
a,5bがコンミテータ10に摺接するように付勢され
た状態で配設されている。電機子コイル(9a,9b)
には、図示しない直流電源から供給される直流電流が、
ブラシ5a,5bとコンミテータ10の各対応する整流
子片(11a,11b,11c,11d)を経て流入さ
れる。
【0022】ブラシ5a,5bと整流子片11との当接
幅に対応する角度は、整流子片11間の角度、即ち整流
子片11の配列ピッチと略同等の角度に設定されてい
る。ブラシ5a,5bは、回転方向に応じて異なる整流
子片11を短絡するようになっている。具体的には、図
1において、電機子4がCW方向に回転すると、ブラシ
5aは整流子片11a,11b間を短絡し、ブラシ5b
は整流子片11c,11d間を短絡する。一方、電機子
4がCCW方向に回転すると、ブラシ5aは整流子片1
1b,11e間を短絡し、ブラシ5bは整流子片11
d,11f間を短絡する。このように、ブラシ5a,5
bが短絡する整流子片11の位置は回転方向に応じて切
り替わる。
【0023】本実施形態において、ブラシ5aが直流電
源のプラス端子(+)に接続されブラシ5bが直流電源
のマイナス端子(−)に接続されて電機子コイルに直流
電流が供給されると、電機子4がCW方向に回転し始め
る。そして、図2に示すように、ブラシ5aにより整流
子片11a,11b間が短絡されて電機子コイル9aに
は短絡電流i1が流れ、ブラシ5bにより整流子片11
c,11d間が短絡されて電機子コイル9bには短絡電
流i2が流れる。このブラシ5a,5bによる短絡中
に、電機子コイル9a,9bに流れる電流の向きが変更
されて、電機子4が時計回り方向(図1のCW方向)に
回転し続ける。その回転力が電機子4の中央部から延設
された回転軸6を介して外部に伝達される。なお、本実
施形態では、図1に示すように、12個の整流子片11
が周方向に30°ごとに設けられており、電機子4がブ
ラシ5a,5bに対して30°回転するとき、電機子コ
イル9a,9bの電流の向きが変更される。つまり、電
機子4の30°の回転によって電機子コイル9a,9b
の整流が行われる。
【0024】ちなみに、ブラシ5a,5bが接続される
直流電源の極性を切り替えることで、すなわち図2にお
いてブラシ5aが直流電源のマイナス端子(−)に接続
され、ブラシ5bが直流電源のプラス端子(+)に接続
されることで、電機子4が反時計回り方向(図1のCC
W方向)に回転するのはいうまでもない。
【0025】図1に示すように、本実施形態のマグネッ
ト2,3は、それぞれ主磁束部2a,3aと、同主磁束
部2a,3aの一側(図1においてCW方向側)端部
(以下、延長部開始点2d,3dという)に設けた延長
部2b,3bと、同他側(図1においてCCW方向側)
端部(以下、延長部開始点2e,3eという)に設けた
延長部2c,3cとを備えている。主磁束部2a,3a
は、一般の直流モータに配設されるマグネットに相当す
る部分である。そして、延長部2b,3b及び延長部2
c,3cは、それぞれ上記主磁束部2a,3aの一側
(図1においてCW方向側)及び他側(図1においてC
CW方向側)の各端部に延出形成されている。
【0026】主磁束部2a,3aは、電機子コイルが巻
装される4つのティース8aのうち一側及び他側(図1
においてCW方向側及びCCW方向側)に配置されるテ
ィース8aの中心線間の角度(=90°)に対応した長
さとなるように形成されている。そして、電機子コイル
9a,9bが巻装される4つのティース8aの一端及び
他端のなす角度は、主磁束部2a,3a及び一方の延長
部2b,3b(又は延長部2c,3c)のなす角度に略
一致するように設定されている。
【0027】また、マグネット2,3の端部(各延長部
2b,2c,3b,3c)における外周面は、ヨーク7
の平坦部7aの形状に合わせて直線状に面取りされてい
る。そして、ヨーク7の平坦部7aにおいて、延長部2
b,2c,3b,3c(面取部)に対向する位置(平坦
部7aの両端となる位置)には、ヨーク内外を連通する
ヨーク孔12が形成されている。ヨーク孔12は、図3
に示すように、長方形状をなし、その長手方向が軸線方
向と平行となるよう配設されている。このヨーク孔12
は、ヨーク7内における電機子コア8に対向する範囲W
で形成されている。すなわち、ヨーク孔12は電機子コ
ア8と対向する位置にあり、その長手方向(軸線方向)
の長さは電機子コア8の軸線方向の長さと一致してい
る。
【0028】このようにヨーク孔12を形成することに
より、マグネット2,3の延長部2b,2c,3b,3
cからの磁束が平坦部7aに流れ、該平坦部7aに集中
してしまうといったことが防止されている。
【0029】また、図4に示すように、マグネット2,
3の各延長部2b,2c,3b,3cの軸線方向両端に
は、軸線方向中央に向かって穿設された切欠き13が形
成されている。この切欠き13の上記軸線方向への深さ
は、上記延長部開始点2d,2e,3d,3eにおいて
最深部となり、周方向外側に向かって徐々に浅くなるよ
うに設定されている。換言すると、この切欠き13は、
マグネット2,3の各延長部2b,2c,3b,3cの
横断面積を上記主磁束部2a,3aの各端部(延長部開
始点2d,2e,3d,3e)において略最小にすると
ともに周方向外側に向かって漸増する。なおここで、延
長部の横断面積とは、電機子4の中心点Oを通り軸線方
向に平行な面における断面積をいう。
【0030】マグネット2,3は、図示しない着磁装置
を用いて磁化され、かつ、上記延長部2b,2c,3
b,3cに切欠き13を形成することにより、図1及び
図7の磁束密度分布B2,B3を示すようになる。つま
り、周方向に略一定の磁束密度B20,B30を有する
主磁束部2a,3aに対して、各延長部開始点2d,2
e,3d,3e近傍部分での磁束密度が弱められ、図1
に示す磁束密度分布B2,B3となるように磁束変化を
持たせている。本実施形態のマグネット2,3では、各
延長部開始点2d,2e,3d,3eに対応する部位が
それぞれ磁束密度の極小値B21,B22,B31,B
32となる弱磁束部としての磁束極小部である。そし
て、マグネット2,3の磁束極小部よりも周方向先端側
の部位がそれぞれ磁束密度の極大値B23,B24,B
33,B34となる磁束極大部である。すなわち、各延
長部2b,2c,3b,3cは、これら磁束極小部及び
磁束極大部との間で周方向外側に向かって磁束密度が漸
増するようになっている。
【0031】また、図4に示すように、延長部2b,3
bには、切欠き13に埋設される態様で磁性金属14b
が配置され、延長部2c,3cには、切欠き13に埋設
される態様で磁性金属14cが配置されている。この磁
性金属14b,14cは、強磁性体(高透磁率材料)で
ある、例えば軟鉄にて形成されている。なお、磁性金属
14b,14cは、上記態様で形成された切欠き13に
埋設されることから、磁束極小部(延長部開始点2d,
2e,3d,3e)を起点として周方向外側に向かって
その横断面積が漸減する。
【0032】ここで、上記マグネット2,3の配置に対
して電機子4が発生する磁界の極性及び同磁界により磁
化される磁性金属14b,14cの極性について図5及
び図6を参照して説明する。なお、図5は小型モータ1
のマグネット2,3が対向配置される径方向をy軸とし
て定義し、y軸に直交する径方向をx軸として定義し、
このxy平面にて定義される第1象限〜第4象限を示し
たものである。また、図6はこの小型モータ1(電機子
4)が時計回り方向(図5においてCW方向)に回転駆
動されているとして各象限でのマグネット2,3による
極性、電機子4が発生する磁界の極性及び同磁界により
磁化される磁性金属14b,14cの極性をそれぞれ示
す一覧図である。
【0033】同図から明らかなように、第1及び第2象
限ではマグネット2によりN極となり、第3及び第4象
限ではマグネット3によりS極となる。また、ブラシ5
a,5bがマグネット2,3の対向方向(すなわち、y
軸方向)に配置され、整流中の電機子コイルが同方向に
対向配置される。このことから、電機子4がCW方向に
回転駆動されているとき、電機子4が発生する磁界(電
機子コイルに流れる電流全体として発生する磁界)の極
性は第1及び第4象限ではN極となり、第2及び第3象
限ではS極となる。換言すると、マグネット2,3は、
電機子4を挟んで同電機子4の発生する磁界の方向と略
直交する方向に対向配置されている。そして、上記磁性
金属14b,14cはこの電機子4が発生する磁界と逆
極性で磁化されることから、第1及び第4象限ではS極
となり、第2及び第3象限ではN極となる。
【0034】すなわち、電機子4がCW方向に回転駆動
されているとき、電機子4の発生する磁界により、回転
方向前側となる延長部2b,3bに配置された磁性金属
14bは同延長部2b,3bにおける磁束を減磁する方
向に磁化される。一方、回転方向後側となる延長部2
c,3cに配置された磁性金属14cは、電機子4の発
生する磁界により、同延長部2c,3cにおける磁束を
増磁する方向に磁化される。
【0035】既述のように、磁性金属14b,14c
は、磁束極小部(延長部開始点2d,2e,3d,3
e)を起点として周方向外側に向かってその横断面積が
漸減する。このため、磁性金属14b,14cは、電機
子4の発生する磁界により磁束極小部側ほど大きく、周
方向外側に向かって減少するように磁化される。従っ
て、電機子4の発生する磁界により、回転方向前側とな
る延長部2b,3bに配置された磁性金属14bは、同
延長部2b,3bの磁束極小部側ほど大きく減磁する方
向に磁化される。一方、回転方向後側となる延長部2
c,3cに配置された磁性金属14cは、同延長部2
c,3cの磁束極小部側ほど大きく増磁する方向に磁化
される。
【0036】次に、このように構成された小型モータ1
の動作について図7に基づき更に詳述する。図7は、電
機子4(電機子コア8)がCW方向に回転駆動されてい
るとして整流子片11a,11b間(整流子片11c,
11d間)における整流開始時、すなわちブラシ5a,
5bが回転方向後側の整流子片11a,11cに接触し
始めるときのティース8a及びマグネット2,3の磁束
密度分布の位置関係を示す説明図である。なお、図7に
はマグネット2,3の磁束密度分布(磁束量)に対応さ
せてティース8aの回転角度及びそのときの電機子コイ
ル9a,9bに発生する総磁束量Φとの関係を併せ示し
ている。なお、総磁束量Φは、マグネット2,3による
磁束量、電機子コイル9a,9bに流れる電流による磁
束量、及び磁性金属14b,14cの着磁に基づく磁束
量を合計したものとなっている。同図においては、当該
電機子コイル9a,9bに係るティース8aを便宜的に
回転方向先頭側(前側)から順番にティース81,8
2,83,84と記す。
【0037】既述のように、電機子4の発生する磁界に
より、回転方向前側となる延長部2b,3bに配置され
た磁性金属14bは、同延長部2b,3bの磁束極小部
側ほど大きく減磁する方向に磁化される。従って、上記
延長部2b,3bは、前記磁束極小部においてマグネッ
ト2,3のみでの本来の極小値B21,B31よりも著
しく低減された極小値B41を有することになる。そし
て、各延長部2b,3bは、これら磁束極小部及び前記
磁束極大部との間で周方向外側に向かって磁束密度がよ
り顕著に漸増する。
【0038】一方、回転方向後側となる延長部2c,3
cに配置された磁性金属14cは、同延長部2c,3c
の磁束極小部側ほど大きく増磁する方向に磁化される。
従って、上記延長部2c,3cは、前記磁束極小部にお
いてマグネット2,3のみでの本来の極小値B22,B
32が好適に補充され、同延長部2c,3cでの磁束密
度の変動は略皆無とされている。
【0039】ここで、整流開始時では、ティース81の
回転方向先頭側の端部(前端)81aの位置が極小値B
41(延長部開始点2d,3d)に配置されるように設
定されている。従って、マグネット2,3の磁束密度が
極小値B41〜極大値B23,B33の分布特性を有す
ることで整流中は電機子4の回転に伴って電機子コイル
9a,9bを通過する磁束量はその分増加(漸増)す
る。
【0040】一方、この整流開始時において、ティース
84は回転方向後側となる延長部2c,3cの近傍に配
置されるが、同延長部2c,3cでの磁束密度の変動は
略皆無であるため、この場合での電機子コイル9a,9
bを通過する磁束量への影響は抑制される。
【0041】以上により、整流中では一方の磁束密度の
分布特性(極小値B41〜極大値B23,B33)が支
配的になって、CW方向に回転駆動されているときの整
流期間での総磁束量Φは、図7の実線にて示されるよう
になる。すなわち、電機子コイル9a,9bのインダク
タンスLの影響によるリアクタンス電圧(L・di/d
t)を打ち消す誘起電圧のみが発生され、当該回転方向
において整流が改善される。つまり、マグネット2,3
は、実質的に延長部開始点2d,3dを起点とする磁束
密度の増加領域(極小値B41〜極大値B23,B3
3)のみを有することによりリアクタンス電圧(L・d
i/dt)を打ち消す誘起電圧(−dΦ/dt)のみを
発生させている。
【0042】なお、上記においては電機子4(電機子コ
ア8)がCW方向に回転駆動される場合について説明し
たが、CCW方向に回転駆動される場合についても同様
であるためその説明は割愛する。このときの整流期間で
の総磁束量Φは、図7の破線にて示されるようになる。
【0043】また、扁平円筒状のヨーク7内において、
マグネット2,3の延長部2b,2c,3b,3cがヨ
ーク7の平坦部7aに接近するため、同平坦部7aにヨ
ーク孔12を形成しない場合には、整流期間での総磁束
量Φが乱れてしまう。つまり、延長部2b,2c,3
b,3c(特に、磁性金属14b,14c)の磁束が平
坦部7aに流れ同平坦部7aでの磁束密度が増大し、図
7に示す磁束密度分布を実現することができない。これ
に対し、本実施形態のように、電機子コア8に対向する
範囲Wでヨーク内外を連通するヨーク孔12を形成する
ことにより、平坦部7aへの磁束の集中が回避され、図
7の磁束密度分布が実現されている。
【0044】以上詳述したように本実施の形態は、以下
の特徴を有する。 (1)マグネット2,3は、磁束密度が略均一な主磁束
部2a,3aと、同主磁束部2a,3aの各端部から周
方向一側及び他側にそれぞれ延出形成された延長部2
b,2c,3b,3cとを有している。各延長部2b,
2c,3b,3cは、主磁束部2a,3aの端部におい
て該主磁束部2a,3aよりも磁束を弱くした磁束極小
部を有し、周方向外側に向かって磁束が漸増する。そし
て、各回転方向において整流開始時に当該整流に係る電
機子コイル9a,9bが巻装されるティース8aの回転
方向前側となるティース81の前端81aが、回転方向
前側となる延長部2b,2c,3b,3cの磁束極小部
に配置される。ここで、上記マグネット2,3は電機子
4の発生する磁界の方向と略直交する方向に対向配置さ
れているため、電機子4の発生する磁界により、回転方
向前側となる延長部2b,2c,3b,3cに配置され
た磁性金属14b,14cは同延長部2b,2c,3
b,3cを減磁する方向に磁化される。従って、電機子
4の回転に伴い回転方向前側となる上記減磁された延長
部2b,2c,3b,3cによって整流中の電機子コイ
ル9a,9bを通過する磁束量がより顕著に漸増し、こ
れによる誘起電圧も整流開始時から漸増する。この誘起
電圧は、電機子コイル9a,9bのインダクタンスLに
よるリアクタンス電圧を打ち消すように作用する。
【0045】一方、各回転方向において回転方向後側と
なる延長部2b,2c,3b,3cに配置された磁性金
属14b,14cは、電機子4の発生する磁界により、
同延長部2b,2c,3b,3cを増磁する方向に磁化
される。従って、この磁性金属14b,14cは、回転
方向後側となる延長部の本来の磁束分布(弱磁束部での
磁束減少)を補充する。従って、回転方向後側となる延
長部2b,2c,3b,3cによる整流中の電機子コイ
ル9a,9bを通過する磁束量の本来の変動は抑制され
る。
【0046】また、ヨーク7の平坦部7aにおいて、延
長部2b,2c,3b,3cの近傍部分には電機子コア
8に対向する範囲Wでヨーク内外を連通する略長方形状
のヨーク孔12を配設した。従って、マグネット2,3
の延長部2b,2c,3b,3cがヨーク7の平坦部7
aに接近することによりその平坦部7aに磁束が流れ、
該平坦部7aに磁束が集中するといったことが回避され
る。
【0047】以上により、各回転方向において電機子4
の回転に伴う整流中の電機子コイル9a,9bを通過す
る全体としての磁束量の変化は、回転方向前側となる延
長部2b,2c,3b,3cによるものが(回転方向後
側となる延長部によるものに比して)支配的になる。す
なわち、電機子4の回転に伴って整流中の電機子コイル
9a,9bを通過する磁束量が漸増し、電機子コイル9
a,9bのインダクタンスLの影響によるリアクタンス
電圧を打ち消す誘起電圧のみが発生し、各回転方向にお
いてそれぞれ整流を改善できる。
【0048】(2)本実施形態では、磁性金属14b,
14cは、磁束極小部を起点として周方向外側に向かっ
て横断面積が漸減するため、電機子4の発生する磁界に
より磁束極小部側ほど大きく、周方向外側に向かって減
少するように磁化される。従って、電機子4の発生する
磁界により、各回転方向において回転方向前側となる延
長部2b,2c,3b,3cに配置された磁性金属14
b,14cは、同延長部2b,2c,3b,3cの磁束
極小部側ほど大きく減磁する方向に磁化される。このた
め、電機子4の回転に伴い回転方向前側となる上記減磁
された延長部2b,2c,3b,3cによって、整流中
の電機子コイル9a,9bを通過する磁束量が更に顕著
に漸増し、上記リアクタンス電圧を打ち消すより好適な
誘起電圧が発生する。
【0049】一方、電機子4の発生する磁界により、各
回転方向において回転方向後側となる延長部2b,2
c,3b,3cに配置された磁性金属14b,14c
は、同延長部2b,2c,3b,3cの磁束極小部側ほ
ど大きく増磁する方向に磁化される。従って、回転方向
後側となる延長部2b,2c,3b,3cの本来の磁束
分布(磁束極小部側ほど磁束減少)をより好適に補充
し、同延長部2b,2c,3b,3cによる整流中の電
機子コイル9a,9bを通過する磁束量の変動は略皆無
とされる。
【0050】以上により、電機子4の回転に伴って整流
中の電機子コイル9a,9bを通過する磁束量がより顕
著に漸増し、電機子コイル9a,9bのインダクタンス
Lの影響によるリアクタンス電圧を打ち消すより好適な
誘起電圧のみが発生され、各回転方向においてそれぞれ
整流を更に改善できる。
【0051】(3)本実施形態では、磁性金属14b,
14cは、切欠き13に埋設して配置されることで、こ
れによる容積確保などの制約を抑制できる。 (4)小型モータ1において整流を改善できることか
ら、雑音防止用の電子部品(バリスタ等)が不要とな
り、同モータ1の製造コストを低減することができる。
【0052】(第2実施形態)以下、本発明を具体化し
た第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様
の構成については、その詳細な説明及び図面を省略す
る。
【0053】上記第1実施形態では、各延長部2b,2
c,3b,3cにおける切欠き13に磁性金属14b,
14cを埋設していたが、本実施形態では、図8に示す
ように、磁性金属14b,14cを取り除いたマグネッ
ト2,3を用いている。また、図9に示すように、本実
施形態のヨーク孔16は、上記第1実施形態における長
方形状のヨーク孔12(図3参照)に対して、湾曲部7
b(マグネット2,3の弱磁束部)側となる2つの角部
を延出部17により埋めた形状をなす。
【0054】延出部17は、該ヨーク孔16の湾曲部7
b側に設けられ、マグネット2,3の端部側(平坦部7
aの中央側)に向けてヨーク孔16の面積が徐々に増加
するよう形成されている。つまり、延出部17は、その
面積が平坦部7aの中央側から湾曲部7b側に向けて徐
々に増加するよう形成され、その増加度合は平坦部7a
の中央側ほど小さい。
【0055】このように、本実施形態においても、ヨー
ク7の平坦部7aには、延長部2b,2c,3b,3c
の近傍部分であって電機子4に対向する範囲Wでヨーク
内外を連通するヨーク孔16が形成されている。このヨ
ーク孔16によって、平坦部7aに磁束が流れ、該平坦
部7aに磁束が集中するといったことが回避される。特
に、延出部17の面積の増加度合は、平坦部7aの中央
側ほど小さく、平坦部7aへの磁束の集中を防止する上
で好ましいものとなる。
【0056】また、本実施形態では、ヨーク孔16に延
出形成した延出部17が、第1実施形態における磁性金
属14b,14cの役割を果たす。より詳しくは、延出
部17は、マグネット2,3における切欠き13に対応
する位置に配設され、切欠き13の最深部(各延長部開
始点2d,2e,3d,3e)側ほど、延出部17の面
積は大きくなる。そのため、電機子4の発生する磁界に
より、回転方向前側となる延出部17は、弱磁束部側ほ
ど大きく減磁する方向に磁化される。よって、整流中の
電機子コイル9a,9bを通過する磁束量がより顕著に
漸増し、リアクタンス電圧を打ち消す好適な誘起電圧が
発生する。
【0057】一方、電機子4の発生する磁界により、回
転方向後側となる延出部17は、弱磁束部側ほど大きく
増磁する方向に磁化される。従って、回転方向後側とな
る延長部2b,2c,3b,3cの本来の磁束分布(弱
磁束部側ほど磁束減少)をより好適に補充し、整流中の
電機子コイル9a,9bを通過する磁束量の変動は略皆
無とされる。
【0058】よって、本実施形態においても、第1実施
形態と同様に、各回転方向においてそれぞれ整流を改善
することができる。なお、上記以外に次の形態にて具体
化できる。
【0059】・上記第1実施形態においては、磁性金属
14b,14cを軟鉄にて形成したが、その他の強磁性
体にて形成してもよい。 ・上記第2実施形態において、図9に示すヨーク7のヨ
ーク孔16及び延出部17を、図10に示すヨーク孔1
8及び延出部19に変更してもよい。つまり、ヨーク孔
16,18は、延長部2b,2c,3b,3cの近傍部
分にて電機子4に対向する範囲Wでヨーク内外を連通す
るものであればよく、延出部17,19は、マグネット
2,3の端部(平坦部7aの中央部)側に向けてヨーク
孔16,18の面積が徐々に増加するように形成するも
のであればよい。このようにすると、ヨーク7の平坦部
7aへの磁束の集中が回避される。よって、図1及び図
7に示すような磁束密度分布B2,B3を実現でき、両
回転方向においてそれぞれ整流を改善することができ
る。
【0060】・上記各実施形態においては特に言及して
いないが、電機子4の回転に伴って整流中の電機子コイ
ル9a,9bを通過する磁束量が全体として漸増し、電
機子コイル9a,9bのインダクタンスの影響によるリ
アクタンス電圧を打ち消す誘起電圧のみが発生されれば
よい。このため、点対称位置で互いに同様の整流がそれ
ぞれ行われることから、マグネット2,3の各磁束密度
の大きさは互いに異なっていてもよい。そして、各マグ
ネット2,3(延長部2b,2c,3b,3c)に設け
られる磁性金属14b,14c(切欠き13)の大きさ
も互いに異なっていてもよい。また例えば、一方のマグ
ネット2の延長部2b,2cにのみ、切欠き13を形成
して磁性金属14b,14cを埋設するようにしてもよ
い。このように変更をしても前記実施形態と同様の効果
が得られる。
【0061】・上記各実施形態においては、延長部2
b,2c,3b,3cの軸線方向両側に切欠き13を設
けた。これに対して、延長部2b,2c,3b,3cの
軸線方向一側にのみ切欠き13を設けてもよい。このよ
うに変更をしても前記実施形態と同様の効果が得られ
る。
【0062】・上記各実施形態においては、延長部2
b,2c,3b,3cに切欠き13を設けることでその
磁束分布を上述の態様に形成した。これに対して、切欠
き13は必ずしも必要ではなく、例えば同様の磁束分布
を着磁装置にて形成してもよい。すなわち、各延長部開
始点2d,2e,3d,3eの近傍部分における着磁の
強弱を着磁装置により変化させて同様の磁束分布を形成
してもよい。
【0063】・上記各実施形態においては、電機子コア
8の4個のティース8aを1組としてその周囲に電機子
コイル9a,9bを巻き付けた電機子4とした。これに
対して、その他の複数個のティース8aを1組としてそ
の周囲に電機子コイル9a,9bを巻き付けた電機子4
としてもよい。
【0064】・上記各実施形態においては、電機子コア
8に12個のティース8aを設けたが、その他の個数
(例えば、3個、5個、10個等)のティースを設けて
もよい。
【0065】・前記各実施形態においては、直流機とし
ての小型モータ1に具体化したが、例えば直流発電機に
具体化してもよい。このように変更をしても前記実施形
態と同様の効果が得られる。
【0066】上記実施形態から把握できる技術思想をそ
の効果とともに記載する。 (イ)請求項1に記載の直流機において、前記磁性金属
は、前記弱磁束部を起点として周方向外側に向かって横
断面積が漸減することを特徴とする直流機。この場合、
電機子の発生する磁界により、各回転方向において回転
方向前側となる延長部に配置された磁性金属は、同延長
部の弱磁束部側ほど大きく減磁する方向に磁化される。
このため、電機子の回転に伴い回転方向前側となる上記
減磁された延長部によって、整流中の電機子コイルを通
過する磁束量が更に顕著に漸増し、上記リアクタンス電
圧を打ち消すより好適な誘起電圧が発生する。一方、電
機子の発生する磁界により、各回転方向において回転方
向後側となる延長部に配置された磁性金属は、同延長部
の弱磁束部側ほど大きく増磁する方向に磁化される。従
って、回転方向後側となる延長部の本来の磁束分布(弱
磁束部側ほど磁束減少)をより好適に補充し、同延長部
による整流中の電機子コイルを通過する磁束量の変動は
略皆無とされる。
【0067】(ロ)請求項1又は上記(イ)に記載の直
流機において、前記延長部には、その断面積を前記主磁
束部の端部から周方向外側に向かって漸増するよう切欠
きが形成され、前記磁性金属は、前記切欠きに埋設して
配置されたことを特徴とする直流機。このように、磁性
金属が切欠きに埋設して配置されることで、これによる
容積確保などの制約は抑制される。
【0068】(ハ)請求項2に記載の直流機において、
前記延長部には、その断面積を前記主磁束部の端部から
周方向外側に向かって漸増するよう切欠きが形成され、
該切欠きに対応する位置に前記延出部が配設され、該切
欠きの最深部側ほど前記延出部の面積を大きくしたこと
を特徴とする直流機。このようにすれば、延出部は、弱
磁束部を起点として周方向外側に向かって面積が漸減す
るので、その延出部が上記(イ)における磁性金属の役
割を果たす。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
扁平円筒状のヨークを有する直流機において、両方向の
回転時にそれぞれ良好な整流を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における小型モータを示す部分
断面図。
【図2】 整流を説明するための回路図。
【図3】 ヨークを示す平面図。
【図4】 マグネット及び磁性金属を示す斜視図。
【図5】 各象限を定義する図。
【図6】 各象限における極性を示す一覧図。
【図7】 整流開始時でのティースとマグネットの磁束
密度との位置関係等を示す説明図。
【図8】 第2実施形態のマグネットを示す斜視図。
【図9】 第2実施形態のヨークを示す平面図。
【図10】 別例のヨークを示す平面図。
【符号の説明】
1…直流機としての小型モータ、2,3…マグネット、
2a,3a…主磁束部、2b,2c,3b,3c…延長
部、4…電機子、5a,5b…ブラシ、7…ヨーク、7
a…平坦部、7b…湾曲部、8…電機子コア、8a,8
1〜84…ティース、9a,9b…電機子コイル、10
…整流子としてのコンミテータ、12…ヨーク孔、13
…切欠き、14b,14c…磁性金属、16…ヨーク
孔、17…延出部、18…ヨーク孔、19…延出部、8
1a…前端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H622 AA03 CA02 CA05 CA12 CB05 PP03 5H623 AA05 BB07 GG13 GG16 GG19 GG22 GG27 GG28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のティースを有する電機子コアに電
    機子コイルを巻装してなる両方向回転用の電機子と、該
    電機子を挟んで対向配置されるマグネットと、平坦部と
    湾曲部とを有して扁平円筒状に形成され該湾曲部に前記
    マグネットが配置されるヨークと、整流子に接触し前記
    電機子コイルに直流電流を供給するブラシとを備え、 前記マグネットは、磁束密度が略均一な主磁束部の回転
    方向両端に周方向外側に向かって磁束が漸増する延長部
    を有し、 前記延長部は、前記主磁束部の各端部において該主磁束
    部よりも磁束を弱くした弱磁束部を有し、 各回転方向において整流開始時に当該整流に係る電機子
    コイルが巻装されるティースの回転方向前側となるティ
    ースの前端が回転方向前側となる前記弱磁束部に配置さ
    れ、 前記マグネットの延長部に磁性金属を配設し、前記ヨー
    クに前記平坦部の前記電機子コアに対向する範囲にヨー
    ク内外を連通するヨーク孔を形成したことを特徴とする
    直流機。
  2. 【請求項2】 複数のティースを有する電機子コアに電
    機子コイルを巻装してなる両方向回転用の電機子と、該
    電機子を挟んで対向配置されるマグネットと、平坦部と
    湾曲部とを有して扁平円筒状に形成され該湾曲部に前記
    マグネットが配置されるヨークと、整流子に接触し前記
    電機子コイルに直流電流を供給するブラシとを備え、 前記マグネットは、磁束密度が略均一な主磁束部の回転
    方向両端に周方向外側に向かって磁束が漸増する延長部
    とを有し、 前記延長部は、前記主磁束部の各端部において該主磁束
    部よりも磁束を弱くした弱磁束部を有し、 各回転方向において整流開始時に当該整流に係る電機子
    コイルが巻装されるティースの回転方向前側となるティ
    ースの前端が回転方向前側となる前記弱磁束部に配置さ
    れ、 前記ヨークにおいて、前記平坦部の前記電機子に対向す
    る範囲にヨーク内外を連通するヨーク孔を形成し、該ヨ
    ーク孔の前記弱磁束部側にそのヨーク孔の面積が前記周
    方向外側から前記弱磁束部側に向けて徐々に減少するよ
    う延出部を形成したことを特徴とする直流機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の直流機において、 前記延出部は、その面積が前記マグネットの端部側から
    弱磁束部側に向けて徐々に増加するよう形成され、その
    増加度合はマグネットの端部側ほど小さいことを特徴と
    する直流機。
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