JP2003134774A - 直流モータ - Google Patents

直流モータ

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JP2003134774A
JP2003134774A JP2001326204A JP2001326204A JP2003134774A JP 2003134774 A JP2003134774 A JP 2003134774A JP 2001326204 A JP2001326204 A JP 2001326204A JP 2001326204 A JP2001326204 A JP 2001326204A JP 2003134774 A JP2003134774 A JP 2003134774A
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rotating
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rotating armature
fixed
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Takeshi Tanaka
猛 田中
Hiroyuki Harada
博幸 原田
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固定電機子コアに固定電機子コイルを巻装して
構成される固定電機子を界磁として使用した直流モータ
であって、良好な整流を行うことができる直流モータを
提供する。 【解決手段】小型モータ1は、直流電流が供給されるこ
とで回転駆動される。電磁石2,3は、回転電機子4を
挟んで対向配置される固定電機子コア12,13に固定
電機子コイル14,15を巻装して構成される。固定電
機子コア12,13の第1延設部12b,13bは、整
流開始時に当該整流に係る回転電機子コイル9a,9b
が巻装されるティース8aの回転方向前側となるティー
ス81の前端81aに対向する近傍において横断面積が
略最小になるとともに回転方向前側に向かって同横断面
積が漸増するように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定電機子コアに
固定電機子コイルを巻装して構成される固定電機子を界
磁として使用した直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブラシとコンミテータとを備えた
直流モータでは、ブラシとコンミテータで回転電機子コ
イルに通電している電流の方向を切り替える(いわゆる
整流)構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした直
流モータでは、多くの場合、切り替え時の最終時点で電
流の方向が突然切り替わる現象(整流不足)が発生して
いる。この傾向は、特に回転電機子コイルにかける磁界
(磁束)を作るための機構である界磁としてフェライト
磁石などの永久磁石ではなく、固定電機子コアに固定電
機子コイルを巻装して構成される固定電機子(いわゆる
電磁石)を採用した場合に顕著となる。
【0004】これは、電流の方向の切り替え時、回転電
機子コイルのインダクタンスにより残存電流が残ること
によることが知られている。特に、固定電機子コアとし
て透磁率の高いものを採用した場合、上記回転電機子コ
イルに高いインダクタンス成分が生じて整流不足が顕著
となっている。
【0005】本発明の目的は、固定電機子コアに固定電
機子コイルを巻装して構成される固定電機子を界磁とし
て使用した直流モータであって、良好な整流を行うこと
ができる直流モータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、略等角度間隔に設けら
れた複数のティースを有する回転電機子コアに回転電機
子コイルを巻装して構成される回転電機子と、該回転電
機子を挟んで対向配置される固定電機子コアに固定電機
子コイルを巻装して構成される固定電機子とを備え、整
流中にブラシでコンミテータの整流子片を短絡して該回
転電機子コイルの電流方向が反転する直流モータにおい
て、前記固定電機子コアは、整流開始時に当該整流に係
る回転電機子コイルが巻装されるティースの回転方向前
側となるティースの前端に対向する近傍において横断面
積が略最小になるとともに回転方向前側に向かって該横
断面積が漸増するように形成されたことを要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、略等角度間隔に
設けられた複数のティースを有する回転電機子コアに回
転電機子コイルを巻装して構成される回転電機子と、該
回転電機子を挟んで対向配置される固定電機子コアに固
定電機子コイルを巻装して構成される固定電機子とを備
え、整流中にブラシでコンミテータの整流子片を短絡し
て該回転電機子コイルの電流方向が反転する直流モータ
において、前記固定電機子コアは、整流開始時に当該整
流に係る回転電機子コイルが巻装されるティースの回転
方向前側となるティースの前端に対向する近傍において
前記回転電機子との間の径方向の離隔距離が略最大にな
るとともに回転方向前側に向かって該離隔距離が漸減す
るように形成されたことを要旨とする。
【0008】(作用)回転電機子の回転時には、回転電
機子コイルのインダクタンスにより電流を妨げる向きの
リアクタンス電圧が同回転電機子コイルに発生する。一
方、回転電機子の回転に伴って整流中の回転電機子コイ
ルを通過する磁束量が変化すると、その変化によって逆
起電力である誘起電圧が発生する。
【0009】請求項1に記載の発明によれば、上記固定
電機子コアは、整流開始時に当該整流に係る回転電機子
コイルが巻装されるティースの回転方向前側となるティ
ースの前端に対向する近傍において横断面積が略最小に
なるとともに回転方向前側に向かって同横断面積が漸増
するように形成されている。一般に、固定電機子により
発生される磁束密度の大きさは、上記固定電機子コアの
横断面積に応じて変化する。すなわち、上記固定電機子
コアの横断面積が小さくなるほど上記磁束密度は小さく
なり、反対に同横断面積が大きくなるほど上記磁束密度
は大きくなる。従って、この固定電機子は、整流開始時
に当該整流に係る回転電機子コイルが巻装されるティー
スの回転方向前側となるティースの前端に対向する近傍
において、磁束密度が略最小となる弱磁束部を形成す
る。また、この固定電機子は、上記弱磁束部から回転方
向前側に向かって磁束密度を漸増する。従って、回転電
機子の回転に伴い、整流中の回転電機子コイルを通過す
る磁束量が漸増し、上記誘起電圧も整流開始時から漸増
する。この誘起電圧により、上記リアクタンス電圧が打
ち消され、整流が改善される。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、上記固定
電機子コアは、整流開始時に当該整流に係る回転電機子
コイルが巻装されるティースの回転方向前側となるティ
ースの前端に対向する近傍において回転電機子との間の
径方向の離隔距離が略最大になるとともに回転方向前側
に向かって同離隔距離が漸減するように形成されてい
る。一般に、固定電機子が発生する磁界に基づく回転電
機子を通過する磁束密度の大きさは、同回転電機子との
間の径方向の離隔距離に応じて透磁度(パーミアンス)
が変わることで変化する。すなわち、上記回転電機子と
の間の径方向の離隔距離が大きくなるほど上記磁束密度
は小さくなり、反対に同離隔距離が小さくなるほど上記
磁束密度は大きくなる。従って、この固定電機子は、整
流開始時に当該整流に係る回転電機子コイルが巻装され
るティースの回転方向前側となるティースの前端に対向
する近傍において、磁束密度が略最小となる弱磁束部を
形成する。また、この固定電機子は、上記弱磁束部から
回転方向前側に向かって磁束密度を漸増する。従って、
回転電機子の回転に伴い、整流中の回転電機子コイルを
通過する磁束量が漸増し、上記誘起電圧も整流開始時か
ら漸増する。この誘起電圧により、上記リアクタンス電
圧が打ち消され、整流が改善される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を直流モータとして
の自動車用小型モータに具体化した一実施形態を図面に
従って説明する。なお、図1は、直流モータとしての自
動車用小型モータ(以下、「小型モータ1」という)の
概略構造を示す部分断面図である。
【0012】図1に示すように、小型モータ1は、固定
電機子としての電磁石2,3、回転電機子4、ブラシ5
a,5b及び回転軸6等を有している。詳述すると、本
実施形態の小型モータ1は、2極の直流モータであっ
て、軟鉄製のモータハウジング(ヨーク)7の湾曲した
内側面において、N極及びS極を形成する2つの電磁石
2,3が回転電機子4を挟んで対向配置されている。こ
れら電磁石2,3は、モータハウジング7の内側面に断
面略Y字状に突設され回転電機子4を挟んで対向配置さ
れる固定電機子コア12,13に固定電機子コイル1
4,15を巻装してそれぞれ構成されている。2つの電
磁石2,3は、回転電機子4の中心点Oに対して点対称
に配置されている。回転電機子4は、回転電機子コア8
と、その回転電機子コア8に巻装される回転電機子コイ
ル(巻線)9a,9bと、コンミテータ(整流子)10
とを有している。同図において、回転電機子コイル9
a,9bも中心点Oに対して点対称に配置されている。
そして、回転電機子4は、直流電流が供給されることに
より時計回り方向(図1においてX方向)に回転駆動さ
れるようになっている。
【0013】回転電機子コア8には、等間隔に断面略T
字状の複数(本実施形態では12個)のティース8aが
形成されており、そのうちのn個(本実施形態では5
個)のティース8aを1組としてその周囲に上記回転電
機子コイル9a,9bが巻き付けられている。図示を省
略しているが、複数の他の電機子コイルがn個(5個)
のティース8aを1組として同様に巻き付けられてい
る。つまり、巻線の巻装方式は分布巻である。なお、本
実施形態では、ティース8aの個数は12個であり、同
ティース8aは回転電機子4の周方向に30°ごとに形
成されている。つまり、隣り合うティース8aは、その
中心線のなす角が30°(=360°/12)となるよ
うに形成されている。
【0014】コンミテータ10は、回転電機子4の一端
に配置され、複数(12個)の整流子片11を有して構
成されている。そして、図1及び図2に示すように、隣
り合う整流子片11a,11b間は前記回転電機子コイ
ル9aにて結線され、隣り合う整流子片11c,11d
間は前記回転電機子コイル9bにて結線されている。な
お、図1において、中心点Oを基準とし、整流子片11
a,11bの点対称となる位置に整流子片11c,11
dが配置されている。また、ブラシ5a,5bがコンミ
テータ10に摺接するように付勢された状態で配設され
ている。回転電機子コイル9a,9bには、図示しない
直流電源から供給される直流電流が、ブラシ5a,5b
とコンミテータ10の整流子片11a,11b,11
c,11dを経て流入されるようになっている。
【0015】そして、回転電機子4がX方向に回転する
と、図2に示すように、ブラシ5aにより整流子片11
a,11b間が短絡されて回転電機子コイル9aには短
絡電流i1が流れ、ブラシ5bにより整流子片11c,
11d間が短絡されて回転電機子コイル9bには短絡電
流i2が流れる。ここで、ブラシ5aは直流電源のプラ
ス端子(+)に接続され、ブラシ5bは直流電源のマイ
ナス端子(−)に接続されている。このブラシ5a,5
bによる短絡中に、回転電機子コイル9a,9bに流れ
る電流の向きが変更されて、回転電機子4が時計回り方
向(図1のX方向)に回転するようになっている。そし
て、その回転力が回転電機子4の中央部から延設された
回転軸6を介して外部に伝達される。なお、本実施形態
では、図1に示すように、12個の整流子片11が周方
向に30°ごとに設けられており、回転電機子4がブラ
シ5a,5bに対して30°回転するとき、回転電機子
コイル9a,9bの電流の向きが変更される。つまり、
回転電機子4の30°の回転によって回転電機子コイル
9a,9bの整流が行われる。
【0016】図1に示すように、本実施形態の固定電機
子コア12,13は、それぞれ上記モータハウジング7
の内側面に固着されて径方向内側に突出する固定部12
a,13aと、同固定部12a,13aの先端において
周方向一側(図1においてX方向側)に伸びる第1延設
部12b,13bと、同他側に伸びる第2延設部12
c,13cとを備えている。
【0017】ここで、上記第1延設部12b,13bの
各基端部16,17及び第2延設部12c,13cは、
横断面積が略一定となるように径方向の肉厚が略一定に
形成されている。また、上記第1延設部12b,13b
の各先端部18,19は、上記基端部16,17との接
続点18a,19aにおいて横断面積が略最小となり、
これを起点として同横断面積が周方向外側に向かって漸
増するように形成されている。具体的には、上記先端部
18,19の内側面には、上記接続点18a,19aを
最深部として周方向外側に向かって浅くなる凹部18
b,19bが形成されている。これにより、上記先端部
18,19の径方向の肉厚が上記接続点18a,19a
において略最小になるとともに周方向外側に向かって漸
増し、上述の態様で横断面積が変化する。
【0018】なお、本実施形態では、上記先端部18,
19の内側面に凹部18b,19bを形成したことか
ら、同先端部18,19(固定電機子コア12,13)
と回転電機子4との間の径方向の離隔距離が上記接続点
18a,19aにおいて略最大になるとともに周方向外
側に向かって同離隔距離が漸減するようにもなってい
る。
【0019】一般に、電磁石2,3により発生される磁
束密度の大きさは、上記固定電機子コア12,13(延
設部12b,12c,13b,13c)の横断面積に応
じて変化する。すなわち、上記固定電機子コア12,1
3(延設部12b,12c,13b,13c)の横断面
積が小さくなるほど上記磁束密度は小さくなり、反対に
同横断面積が大きくなるほど上記磁束密度は大きくな
る。また、電磁石2,3が発生する磁界に基づく回転電
機子4を通過する磁束密度の大きさは、上記固定電機子
コア12,13(延設部12b,12c,13b,13
c)と上記回転電機子4との間の径方向の離隔距離に応
じて透磁度(パーミアンス)が変わることで変化する。
すなわち、上記回転電機子4との間の径方向の離隔距離
が大きくなるほど上記磁束密度は小さくなり、反対に同
離隔距離が小さくなるほど上記磁束密度は大きくなる。
【0020】以上により、電磁石2,3は、上記第1延
設部12b,13bの各基端部16,17及び第2延設
部12c,13cにおいて略一定となる磁束密度を発生
する。また、電磁石2,3は、上記接続点18a,19
aにおいて略最小になる磁束密度を発生する弱磁束部を
形成するとともに第1延設部12b,13bの周方向外
側に向かって漸増する磁束密度を発生する。
【0021】図3は、電磁石2,3により形成される磁
束密度分布B2,B3を示したものである。同図に示す
ように、電磁石2,3は上記接続点18a,19aの近
傍において変化する磁束密度を発生する。つまり、周方
向に略一定の磁束密度B20,B30を発生する上記第
1延設部12b,13bの各基端部16,17及び第2
延設部12c,13cに対して、各接続点18a,19
a近傍部分での磁束密度が弱められ、図3に示す磁束密
度分布B2,B3となるように磁束変化を持たせてい
る。本実施形態の電磁石2,3では、各接続点18a,
19aに対応する部位がそれぞれ磁束密度の極小値B2
1,B31となる弱磁束部である。そして、電磁石2,
3の弱磁束部よりも周方向先端側の部位がそれぞれ磁束
密度の極大値B23,B33となる磁束極大部である。
すなわち、電磁石2,3は、これら弱磁束部及び磁束極
大部との間で周方向外側(回転方向前側)に向かって漸
増する磁束密度を発生するようになっている。
【0022】次に、このように構成された小型モータ1
の動作について図3に基づき更に詳述する。図3は、回
転電機子4(回転電機子コア8)がX方向に回転駆動さ
れているとして整流子片11a,11b間(整流子片1
1c,11d間)における整流開始時、すなわちブラシ
5a,5bが回転方向後側の整流子片11a,11cに
接触し始めるときのティース8a及び電磁石2,3が発
生する磁束密度分布の位置関係を示す説明図である。な
お、図3には電磁石2,3の磁束密度分布(磁束量)に
対応させてティース8aの回転角度及びそのときの回転
電機子コイル9a,9bに発生する総磁束量Φとの関係
を併せ示している。なお、総磁束量Φは、電磁石2,3
による磁束量、及び回転電機子コイル9a,9bに流れ
る電流による磁束量を合計したものとなっている。同図
においては、当該回転電機子コイル9a,9bに係るテ
ィース8aを便宜的に回転方向先頭側(前側)から順番
にティース81,82,83,84,85と記す。
【0023】同図に示すように、この整流開始時では、
ティース81の回転方向先頭側の端部(前端)81aの
位置が極小値B21,B31(接続点18a,19a)
の近傍に対向配置されるように設定されている。従っ
て、電磁石2,3の磁束密度が極小値B21,B31〜
極大値B23,B33の分布特性を有することで整流中
は回転電機子4の回転に伴って回転電機子コイル9a,
9bを通過する磁束量が漸増し、これによって発生する
誘起電圧も整流開始時から漸増する。
【0024】以上により、X方向に回転駆動されている
ときの整流期間での総磁束量Φは、図3に示されるよう
になる。すなわち、回転電機子コイル9a,9bのイン
ダクタンスLの影響によるリアクタンス電圧(L・di
/dt)を打ち消す誘起電圧が発生され、整流が改善さ
れるようになっている。
【0025】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、固定電機子コア12,13(第
1延設部12b,13b)は、整流開始時に当該整流に
係る回転電機子コイル9a,9bが巻装されるティース
8aの回転方向前側となるティース81の前端81aに
対向する近傍において横断面積が略最小になるとともに
回転方向前側に向かって同横断面積が漸増するように形
成されている。従って、この電磁石2,3は、整流開始
時に当該整流に係る回転電機子コイル9a,9bが巻装
されるティース8aの回転方向前側となるティース81
の前端81aに対向する近傍において、磁束密度が略最
小となる弱磁束部を形成する。また、この電磁石2,3
は、上記弱磁束部から回転方向前側に向かって磁束密度
を漸増する。このため、回転電機子4の回転に伴い、整
流中の回転電機子コイル9a,9bを通過する磁束量が
漸増し、これによる誘起電圧も整流開始時から漸増す
る。この誘起電圧により、回転電機子コイル9a,9b
のインダクタンスLによるリアクタンス電圧が打ち消さ
れ、整流を改善することができる。そして、整流不足に
固有の騒音等を防止できるとともに、電磁ノイズの発生
も抑制できる。
【0026】(2)本実施形態では、固定電機子コア1
2,13(第1延設部12b,13b)の内側面に凹設
された凹部18b,19bにより、上記回転電機子4と
の間の径方向の離隔距離は上記横断面積が減少するほど
増加する。このため、回転電機子4の回転に伴い、整流
中の回転電機子コイル9a,9bを通過する磁束量がよ
り顕著に漸増し、これによる誘起電圧も整流開始時から
漸増する。この誘起電圧により、回転電機子コイル9
a,9bのインダクタンスLによるリアクタンス電圧が
打ち消され、整流を更に改善することができる。
【0027】(3)本実施形態では、2つの電磁石2,
3にて最小限の極数(N極及びS極)を有する極めて簡
易な構成にできる。なお、本発明の実施の形態は上記実
施形態に限定されるものではなく、次のように変更して
もよい。
【0028】・前記実施形態において、固定電機子コア
12,13に代えて図4に示す形状を有する固定電機子
コア22,23としてもよい。すなわち、この固定電機
子コア22,23は、それぞれ上記モータハウジング7
の内側面に固着されて径方向内側に突出する固定部22
a,23aと、同固定部22a,23aの先端において
周方向一側(図4においてX方向側)に伸びる第1延設
部22b,23bと、同他側に伸びる第2延設部22
c,23cとを備えている。
【0029】ここで、上記固定電機子コア22,23の
延設部22b,22c,23b,23cは、その通過す
る磁束密度が略均一となるよう、周方向各外側に向かっ
て横断面積が漸減するように形成されている。すなわ
ち、上記延設部22b,22c,23b,23cは、周
方向各外側に向かって径方向の肉厚が小さくなるように
形成されている。また、上記第1延設部22b,23b
は、各基端部24,25及び先端部26,27の接続点
26a,27aにおいて径方向外側に曲成されている。
そして、上記固定電機子コア22,23(第1延設部2
2b,23b)は、上記接続点26a,27aにおいて
回転電機子4との間の径方向の離隔距離が略最大になる
とともにこれを起点として同離隔距離が周方向外側に向
かって漸減するように形成されている。従って、電磁石
2,3は、上記接続点26a,27aにおいて略最小に
なる磁束密度を発生する弱磁束部を形成するとともに第
1延設部22b,23bの周方向外側に向かって漸増す
る磁束密度を発生する。
【0030】このような形状において、前記実施形態と
同様に整流開始時では、ティース81の回転方向先頭側
の端部(前端)81aの位置が上記弱磁束部(接続点2
6a,27a)の近傍に対向配置されるように設定され
ている。従って、整流中は回転電機子4の回転に伴って
回転電機子コイル9a,9bを通過する磁束量が漸増
し、これによって発生する誘起電圧も整流開始時から漸
増する。このように変更することで前記実施形態の
(3)と同様の効果に加えて以下に示す効果が得られ
る。
【0031】(1)本実施形態では、固定電機子コア2
2,23(第1延設部22b,23b)は、整流開始時
に当該整流に係る回転電機子コイル9a,9bが巻装さ
れるティース8aの回転方向前側となるティース81の
前端81aに対向する近傍において回転電機子4との間
の径方向の離隔距離が略最大になるとともに回転方向前
側に向かって同離隔距離が漸減するように形成されてい
る。従って、この電磁石2,3は、整流開始時に当該整
流に係る回転電機子コイル9a,9bが巻装されるティ
ース8aの回転方向前側となるティース81の前端81
aに対向する近傍において、回転電機子4を通過する磁
束密度が略最小となる弱磁束部を形成する。また、この
電磁石2,3は、上記弱磁束部から回転方向前側に向か
って磁束密度を漸増する。このため、回転電機子4の回
転に伴い、整流中の回転電機子コイル9a,9bを通過
する磁束量が漸増し、これによる誘起電圧も整流開始時
から漸増する。この誘起電圧により、回転電機子コイル
9a,9bのインダクタンスLによるリアクタンス電圧
が打ち消され、整流を改善することができる。そして、
整流不足に固有の騒音等を防止できるとともに、電磁ノ
イズの発生も抑制できる。
【0032】(2)本実施形態では、固定電機子コア2
2,23を通過する磁束密度が略均一となるよう、周方
向各外側に向かって横断面積が漸減するように固定電機
子コア22,23(第1延設部22b,23b)が形成
されることで、その分、固定電機子コイルの収容スペー
スを確保でき、ひいてはモータ自体の小型化が可能とな
る。
【0033】・前記実施形態においては、回転電機子コ
ア8の5個のティース8aを1組としてその周囲に回転
電機子コイル9a,9bを巻き付けた回転電機子4とし
た。これに対して、その他の複数個のティース8aを1
組としてその周囲に回転電機子コイル9a,9bを巻き
付けた回転電機子4としてもよい。
【0034】・前記実施形態においては、回転電機子コ
ア8に12個のティース8aを設けたが、その他の個数
のティースを設けてもよい。 ・前記実施形態においては、2つの電磁石2,3を使用
した2極の小型モータ1に適用するものであったが、こ
れ以外に4極の直流モータ等の多極直流モータに適用し
てもよい。この場合、全ての電磁石の固定電機子コア1
2,13について同様の形状にすることが好ましい。こ
のように変更をしても前記実施形態の(1)、(2)と
同様の効果が得られる。
【0035】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)請求項1に記載の直流モータにおいて、前記固定
電機子コアの横断面積は、該固定電機子コアの内側面に
凹設された凹部(18b,19b)にて設定されたこと
を特徴とする直流モータ。同構成によれば、上記固定電
機子コアの内側面に凹設された凹部により、上記回転電
機子との間の径方向の離隔距離は上記横断面積が減少す
るほど増加する。一般に、固定電機子が発生する磁界に
基づく回転電機子を通過する磁束密度の大きさは、同回
転電機子との間の径方向の離隔距離に応じて透磁度(パ
ーミアンス)が変わることで変化する。すなわち、上記
回転電機子との間の径方向の離隔距離が大きくなるほど
上記磁束密度は小さくなり、反対に同離隔距離が小さく
なるほど上記磁束密度は大きくなる。従って、回転電機
子の回転に伴い、整流中の回転電機子コイルを通過する
磁束量がより顕著に漸増し、上記誘起電圧も整流開始時
から漸増する。この誘起電圧により、上記リアクタンス
電圧が打ち消され、整流が更に改善される。
【0036】(ロ)請求項2に記載の直流モータにおい
て、前記固定電機子コアは、該固定電機子コアを通過す
る磁束密度が略均一となるよう、周方向各外側に向かっ
て横断面積が漸減するように形成されたことを特徴とす
る直流モータ。同構成によれば、同固定電機子コアを通
過する磁束密度が略均一となるよう、周方向各外側に向
かって横断面積が漸減するように固定電機子コアが形成
されることで、その分、固定電機子コイルの収容スペー
スが確保され、ひいてはモータ自体の小型化が可能とな
る。
【0037】(ハ)請求項1、2及び上記(イ)、
(ロ)のいずれか1項に記載の直流モータにおいて、前
記固定電機子は2つであることを特徴とする直流モー
タ。同構成によれば、最小限の極数(N極及びS極)を
有する極めて簡易な構成とされる。
【0038】
【発明の効果】請求項1又は2に記載の発明によれば、
固定電機子コアに固定電機子コイルを巻装して構成され
る固定電機子を界磁として使用した直流モータにおい
て、良好な整流を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す部分断面図。
【図2】整流を説明するための回路図。
【図3】整流開始時でのティースとマグネットの磁束密
度との位置関係等を示す説明図。
【図4】同実施形態の別例を示す部分断面図。
【符号の説明】
2,3…固定電機子としての電磁石、4…回転電機子、
5a,5b…ブラシ、8…回転電機子コア、8a,81
…ティース、9a,9b…回転電機子コイル、10…コ
ンミテータ、11a〜11d…整流子片、12,13…
固定電機子コア、14,15…固定電機子コイル、81
a…前端。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略等角度間隔に設けられた複数のティ
    ース(8a)を有する回転電機子コア(8)に回転電機
    子コイル(9a,9b)を巻装して構成される回転電機
    子(4)と、該回転電機子を挟んで対向配置される固定
    電機子コア(12,13)に固定電機子コイル(14,
    15)を巻装して構成される固定電機子(2,3)とを
    備え、整流中にブラシ(5a,5b)でコンミテータ
    (10)の整流子片(11a〜11d)を短絡して該回
    転電機子コイルの電流方向が反転する直流モータにおい
    て、 前記固定電機子コアは、整流開始時に当該整流に係る回
    転電機子コイルが巻装されるティースの回転方向前側と
    なるティース(81)の前端(81a)に対向する近傍
    において横断面積が略最小になるとともに回転方向前側
    に向かって該横断面積が漸増するように形成されたこと
    を特徴とする直流モータ。
  2. 【請求項2】 略等角度間隔に設けられた複数のティ
    ース(8a)を有する回転電機子コア(8)に回転電機
    子コイル(9a,9b)を巻装して構成される回転電機
    子(4)と、該回転電機子を挟んで対向配置される固定
    電機子コア(12,13)に固定電機子コイル(14,
    15)を巻装して構成される固定電機子(2,3)とを
    備え、整流中にブラシ(5a,5b)でコンミテータ
    (10)の整流子片(11a〜11d)を短絡して該回
    転電機子コイルの電流方向が反転する直流モータにおい
    て、 前記固定電機子コアは、整流開始時に当該整流に係る回
    転電機子コイルが巻装されるティースの回転方向前側と
    なるティース(81)の前端(81a)に対向する近傍
    において前記回転電機子との間の径方向の離隔距離が略
    最大になるとともに回転方向前側に向かって該離隔距離
    が漸減するように形成されたことを特徴とする直流モー
    タ。
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