JP2003184303A - 面木、目地棒等の建築用型枠材及びその製造方法 - Google Patents
面木、目地棒等の建築用型枠材及びその製造方法Info
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Abstract
の剥離剤等に対する耐薬品性、釘うち適性の基本特性を
有することはもちろんのこと、上記課題である耐吸湿
性、耐変形性、高寸法安定性、コンクリート良離型性、
表面平滑性及び低帯電性を同時に備え、かつ紙として扱
うことを可能とすることで木製コンクリートパネルと分
別回収することなく焼却することができ、その焼却時に
有害ガスや黒煙を発生せず、しかも焼却炉を傷めにくい
面木、目地棒等の建築用型枠材を提供することである。 【解決手段】 本発明に係る面木、目地棒等の建築用
型枠材は、粉砕された天然パルプ、粉砕された非塗工紙
及び粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種類から
なる繊維材料を熱可塑性樹脂に分散させた樹脂繊維複合
成形体であって、該樹脂繊維複合成形体は前記繊維材料
を51〜80重量%含有することを特徴とする。
Description
ルタル構造物の面取りに使用する面木や目地形成に使用
する目地棒等の建築用型枠材及びその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、機械強度、耐熱性及び
低収縮性を有し、外観が良好で、廃棄する時の焼却処分
対策を考慮した面木、目地棒等の建築用型枠材成物及び
その製造方法に関する。
り使用されている木製や、特開平11−141120号
公報の面木又は特開平11−141121号公報の目地
棒のように合成樹脂製、或いは実用新案登録第3073
979号公報の目地棒、面木のように生分解性プラスチ
ック製であることが知られている。
目地棒等の建築用型枠材は、釘うち適性に優れるものの、
水を吸収しやすく、吸水により反り、ねじれ、曲がり等
の変形を起こしてしまい、また寸法安定性が良くない。
ラワン材等の南洋材を用いて面木、目地棒等の建築用型
枠材とすることがあるが、森林破壊など地球環境保護の
観点から今後は使用し難くなる。
型枠材は、水を吸収し難く、変形を生じ難く、コンクリー
ト表面を平滑にできるので仕上も美しく、施工の観点か
らは好ましい。しかし、前記公報で使用されている軟質
塩化ビニル、硬質塩化ビニール、ABS樹脂或いはエラ
ストマーの面木、目地棒等の建築用型枠材は、複数の樹
脂やエラストマーが一体として使用されているため分離
回収がし難い。また木製コンクリートパネルと併用する
と分別回収しなければならない煩雑さが生じ、一般ごみ
として焼却できない。焼却すれば有害ガスや黒煙が発生
しやすい。さらに焼却時の発熱カロリーが高く、焼却炉
を傷めやすい。ポリスチレン等の有害ガスを発生し難い
合成樹脂製で面木、目地棒等の建築用型枠材を製造した
としても、解決されるのは有害ガスの発生抑制の点だけ
であり、木製コンクリートパネルとの分別回収は必須で
あり、黒煙発生、焼却炉の損傷は防止しがたい。さらに施
工時において、合成樹脂は帯電しやすいため静電気が発
生しやすく、鋸引き時に切り粉が型枠材の表面に付着し
やすい。さらに、釘うち適性が不充分であることが多
い。
の建築用型枠材は、合成樹脂と比較して高価であり、ワン
ウェイとして使用するこれらの型枠材としては工業的、
商業的に競争力に劣る。
法安定性に優れ、コンクリートとの離型性、表面平滑
性、低帯電性を備え、かつ焼却時に有害ガスや黒煙を発
生せず、焼却炉を傷めにくいという要求特性をバランス
良く満たす面木、目地棒等の建築用型枠材は存在しなか
った。
ルカリ性であるコンクリートに対する耐アルカリ性や乾
燥後のコンクリートより離型させ易くするために使用さ
れる溶剤系の剥離剤に対する耐薬品性並びに釘うち適性
がさらに要求される。特に塩化ビニルやポリスチレン製
の物は剥離剤の溶剤が付着するとその表面が侵され、コ
ンクリートと接着状態になり離型ができなくなるという
問題もある。
系の剥離剤等に対する耐薬品性、釘うち適性の基本特性
を有することはもちろんのこと、上記課題である耐吸湿
性、耐変形性、高寸法安定性、コンクリート良離型性、
表面平滑性及び低帯電性を同時に備え、かつ紙として扱
うことを可能とすることで木製コンクリートパネルと分
別回収することなく焼却することができ、その焼却時に
有害ガスや黒煙を発生せず、しかも焼却炉を傷めにくい
面木、目地棒等の建築用型枠材を提供することである。
築用型枠材中の全塩素含有量と有機塩素量を所定量以下
とすることで、焼却処分をしても塩素系有害ガスを発生
しない、環境負荷の少ない面木、目地棒等の建築用型枠
材を提供することである。
る樹脂繊維複合成形体の表面に、熱可塑性樹脂を主成分
とする樹脂スキン層を形成することで、耐吸湿性、コン
クリート離型性、表面平滑性、端部強度性が特に優れた
面木、目地棒等の建築用型枠材を提供することである。
を発生せず、且つ焼却炉を傷めるほどの発熱カロリーを
発生しない面木、目地棒等の建築用型枠材、或いは回収
漏れがあったとしても自然分解可能な面木、目地棒等の
建築用型枠材を提供することである。
填料をほとんど除去せしめることで、繊維材料と熱可塑
性樹脂との密着性を高め、また型枠材表面からの無機填
料の転出を低下させることが可能な面木、目地棒等の建
築用型枠材を提供することである。
料と熱可塑性樹脂と各種添加成分からなる樹脂繊維複合
組成物のペレットを用いて、押出機のスクリュ部全体を
減圧下で加熱溶融混練せしめながらダイから押出し成形
することで、混練効率が高く、分散性が良好であり、且つ
繊維材料の酸化劣化及び酸化劣化による着色化を防止す
ることが可能な面木、目地棒等の建築用型枠材の製造方
法を提供することである。
めに、本発明者は鋭意研究した結果、粉砕された天然パル
プ、粉砕された非塗工紙又は粉砕された非塗工古紙のう
ち少なくとも一種類からなる繊維材料と熱可塑性樹脂を
所定割合で複合材料化した結果、全て課題を解決するに
至った。すなわち、本発明に係る面木、目地棒等の建築
用型枠材は、粉砕された天然パルプ、粉砕された非塗工
紙及び粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種類か
らなる繊維材料を熱可塑性樹脂に分散させた樹脂繊維複
合成形体であって、該樹脂繊維複合成形体は前記繊維材
料を51〜80重量%含有することを特徴とする。
用型枠材では、前記繊維材料中の全塩素含有量が500
ppm以下であり、かつ有機塩素量が150ppm以下
であることが好ましい。
材では、前記樹脂繊維複合成形体は、前記熱可塑性樹脂
を主成分とする樹脂スキン層を表面に形成することが好
ましい。
材では、前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂又は生
分解性樹脂であることが好ましい。
用型枠材では、前記繊維材料は、無機填料をほとんど除
去せしめることが好ましい。
材の製造方法は、粉砕された天然パルプ、粉砕された非
塗工紙及び粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種
類からなる繊維材料の含有率が51〜80重量%となる
ように該繊維材料と熱可塑性樹脂と各種添加成分を配合
した樹脂繊維複合組成物のペレットを用いて、押出機の
スクリュ部全体を減圧下で加熱溶融混練せしめながらダ
イから押出し成形することを特徴とする。
について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態、
実施例に限定して解釈されない。
材は、粉砕された天然パルプ、粉砕された非塗工紙及び
粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種類からなる
繊維材料を熱可塑性樹脂に分散させた樹脂繊維複合成形
体であって、樹脂繊維複合成形体は繊維材料を51〜8
0重量%含有する。以下、面木を例にして発明を説明す
るが、目地棒についても樹脂繊維複合成形体の形状が異
なるだけで同様である。図1に、本発明に係る面木の一
形態を示す概略図を示す。面木100は、かさ密度を低
減するために樹脂繊維複合成形体1の内部に中空部2を
有する。樹脂繊維複合成形体1は、繊維材料を熱可塑性
樹脂に分散させた樹脂繊維複合材料を面木に成形したも
のである。
造中に塩素を含まない熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のオレフィン系樹脂、或いはポリ乳酸、ポリカプト
ラクトン等の生分解性樹脂が特に望ましい。これらは、
単独又は2種以上の混合物でも用いられる。
天然パルプ、粉砕された非塗工紙及び粉砕された非塗工
古紙のうち少なくとも一種類からなる繊維である。した
がって、これらのものを単独又は2種以上の混合物とし
ても良い。
pm以下であり、かつ有機塩素量が150ppm以下で
あることが好ましい。繊維材料の全塩素含有率が500
ppm以下であり、かつ有機塩素量が150ppm以下
としたのは、焼却時の有害ガス発生防止のためであり、
本来可能な限り塩素含有量を少なくしたいが、現在の技
術で最も塩素化合物の少ないTCF、ECFパルプを用
いることで達成される。
後のものか、蒸解した後に漂白剤で所望の白色度迄漂白
したものである。ただし、塩素ガス以外の漂白剤で所望
の白色度迄漂白したものがより好ましい。パルプは一般
には木材を原料とするが、場合によってはバガス、ケナ
フ等の非木材を使用しても良い。
酸化塩素、次亜塩素酸ソーダ、オゾン、過酸化水素、過
酢酸等が挙げられるが、これらのうち、工業的に進めら
れているのは二酸化塩素を主体とする漂白工程で、これ
は塩素を構造中に含む化合物を用いるものの塩素ガスを
用いない方式で、この方式で製造されたパルプは通常E
CF(Elemental Chroline Fre
e)パルプと称せられている。
酸素→二酸化塩素→アルカリ→二酸化塩素の工程で漂白
されたパルプ)及び従来法である塩素漂白パルプ(蒸解
後、酸素→塩素→アルカリ→次亜塩素酸ソーダ→二酸化
塩素で漂白されたパルプ)中の塩素量及びダイオキシン
量を測定すると、表1の様な結果が得られ、ECFパル
プは塩素漂白パルプに比べ有機塩素量、ダイオキシン量
ともに格段に少ないことは明らかである。
2月厚生省環境課より指示され廃棄物処理におけるダイ
オキシン類測定マニュアルに従った。更に漂白剤として
塩素ガスとともに塩素化合物を使用しない漂白法(例え
ばオゾン、過酸化水素のみを使用)で製造されたパルプ
は通常TCF(Totally Choline Fr
ee)パルプと称せられるが、このパルプ中の塩素量、
ダイオキシン量は当然少ない。
ECFパルプ又はTCFパルプが推奨される。その他必
要に応じて機械パルプ、古紙パルプ等と併用できるが、
この場合においても全塩素含有量は500ppm以下
で、かつ有機塩素量が150ppm以下であることが好
ましい。すなわち非塗工古紙を用いる場合には、ECF
パルプ又はTCFパルプを用いたことが判明しうる古紙
を用いることが好ましい。
る分散性を高めるために通常20〜200メッシュパス
程度に粉砕したものが用いられる。
うにして得られた天然パルプを原料として用い、必要に
応じて紙力剤、内添サイズ剤、填量、染料等が配合され
た紙料スラリーから抄紙機により紙匹を形成する。
ルアマイド等が用いられ、内添サイズ剤としては酸性ロ
ジンサイズ、中性ロジンサイズ、アルケニル琥珀酸無水
物、アルキルケテンダイマー等が用いられ、填量として
はカオリン、クレー、炭カル、タルク、酸化チタン、珪
酸アルミ等が用いられる。
レンアクリル酸等サイズ性を向上させる薬剤の他、澱
粉、澱粉誘導体、ポリビニルアルコール(PVA)等も
用いられる。
表面塗布処理薬品は上記に限定されるものでない。いず
れも本発明ではその構造中に塩素を含まない物質を用い
ることが好ましい。
旦抄紙加工した成紙を寸法調整した際に発する端材を例
示することができる。また本発明で使用する非塗工古紙
は、オフィスオートメーション非塗工古紙(OA古紙)
を例示することができる。これらの非塗工紙、非塗工古
紙は、全塩素含有量が500ppm以下で、かつ有機塩
素量が150ppm以下であることが好ましい。
を繊維同士のからみ合いをなくすように粉砕したものを
繊維原料として用いる。通常20〜200メッシュパス
程度に粉砕したものが用いられる。
する場合には、無機填料は含まれないが、非塗工紙或い
は非塗工古紙は前記したように無機填料を含有する。本
発明では、粉砕された非塗工紙或いは粉砕された非塗工
古紙の少なくともいずれかを繊維材料として含む場合に
は、粉砕された非塗工紙或いは粉砕された非塗工古紙か
ら無機填料をほとんど除去して用いることが好ましい。
カオリン、クレー、炭カル、タルク、酸化チタン、珪酸
アルミ等の無機填料を除去して樹脂繊維複合成形体とし
て成形することにより、繊維材料と熱可塑性樹脂との密
着性を高め、また型枠材表面からの無機填料の転出を低
下させることができるからである。
1は、繊維材料を51〜80重量%、好ましくは55〜
65重量%含有する。繊維材料を51重量%以上とする
ことにより、成形された建築用型枠材は紙と同様に扱う
ことができ、すなわち焼却ごみとして扱うことができ
る。また有害ガスの発生もない。従って、木製コンクリ
ートパネルと分別回収する必要はなくなる。また熱可塑
性樹脂としてポリプロピレン樹脂を選択した場合、ポリ
プロピレン樹脂単体の成形体では、燃焼時に発熱カロリ
ーが11000kcal/kgと高く、しかも溶融したポリプ
ロピレン樹脂が液垂れを起こし、焼却炉を損傷してしま
う。繊維材料が51重量%未満では、ポリプロピレン樹
脂単体の成形体の場合ほどではないものの、焼却炉を痛
める場合があり好ましくない。一方、繊維材料が80重
量%を超えると、焼却時の発熱カロリーが紙本来の40
00〜4500kcal/kgに近づくので焼却炉の損傷問題
は解決されるものの、樹脂繊維複合成形体の強度が低下
すると共に吸湿性を有するようになり好ましくない。
1〜70重量%の範囲であることが好ましく、このとき
剛性、曲げ強度はプラスチックより高くなる。建築用型
枠材として特に強度も要求される場合には、繊維材料が
51〜70重量%の範囲になる樹脂繊維複合成形体とす
る。
塑性樹脂の他に必要に応じて無機充填剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、離型剤等の
成分を適時添加することができる。
は、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂スキン層5を表面
に形成することが好ましい。樹脂スキン層における繊維
材料の含有率は、樹脂繊維複合成形体3全体の繊維材料
の含有率よりも低い51重量%未満であることが好まし
く、より好ましくは20重量%以下、さらに0重量%、
すなわち樹脂のみからなる層であることが最も好まし
い。樹脂スキン層5と樹脂繊維複合成形体3の内部は、
組成差による明確な境界を有する必要はなく、繊維材料
の含有率の傾斜があっても良い。いずれにしても、樹脂
繊維複合成形体表面において熱可塑性樹脂を主成分とす
る樹脂スキン層が形成されていることが重要である。樹
脂スキン層を設けることにより、耐吸湿性、コンクリー
ト離型性、表面平滑性、端部強度性が特に優れた面木を
提供することができる。なお、中空部4の内壁表面6に
樹脂スキン層を形成することはさらに好ましい。耐吸湿
性が良くなるからである。
材の製造方法について説明する。まず、天然パルプ、一
旦抄紙加工した成紙を寸法調整した際に発する端材等の
非塗工紙及び非塗工古紙のうち少なくとも一種類を、粉
砕機(例えばCONDUX社製 CSカッター)で10
0メッシュパスさせ、粉砕を行ない、粉砕された繊維材
料を製造する。
樹脂及び必要に応じて各種添加成分が配合するように樹
脂繊維複合組成物のペレットを製造する。配合は、繊維
材料の含有率が51〜80重量%となるように行う。
ては、公知の手段、例えばリボンブレンダー、高速ミキ
サー、押出機、ミキシングロール等が使用できる。な
お、ペレット製造時においても酸化を防止するために減
圧下で混合することが好ましい。
防止剤である。相溶化剤は、熱可塑性樹脂と繊維材料表
面との密着性を高めると共に分散性を向上させるために
添加する。酸化防止剤は繊維材料の酸化を防止し、高温
成形による焦げによる着色を防止するために添加する。
これらの目的を達成するため、適宜選択して用いる。
用いて、押出機のスクリュ部全体を減圧下で加熱溶融混
練せしめながらダイから押出成形する。押出機のスクリ
ュ部全体を減圧下で加熱溶融混練せしめながらダイから
押出成形した場合、減圧下の加熱であるため樹脂は低融
点で溶融し、パルプと良く混ざり、コゲ等もなく成形が
良好に行われる。
物質の指標として全塩素量及び有機塩素量を取上げてい
る。全塩素量は三菱化成製、塩素・硫黄分析装置TSX
−10型を用いて、検体約10mgを燃焼させ、電量滴
定による塩化物イオンの定量により求めた。この測定に
より有機塩素、無機塩素を問わず紙中の塩素量が求めら
れる。有機塩素量は、全塩素量から無機塩素量を差し引
いた値を用いた。無機塩素量は、試料5gを熱水抽出
し、抽出液中の塩素イオンをイオンクロマトグラフ法に
より測定して求めた。
が、本発明はこれらに限定されるものでない。 (実施例1)ECFパルプの上質古紙を粉砕機(CON
DUX社製 CSカッター)で100メッシュパスの繊
維材料を得た。得られた繊維材料とポリプロピレン樹脂
を繊維材料が55重量%となる割合で混合し、さらに酸
化防止剤(イルガノックス1010(チバガイギー
製))を加えて、高速ミキサー・押出機にて混練造粒し
樹脂繊維複合組成物のペレットを得た。その後、押出機
のスクリュ部全体を減圧下で加熱溶融混練せしめながら
ダイから押出成形して図1の形状の面木を製造した。
P(三洋化成製 ユーメックス1010))を加えた以
外は実施例1と同様にして図1の形状の面木を製造し
た。
トを得たのち、押出機のスクリュ部全体を減圧下で加熱
溶融混練せしめながらダイから押出成形する際の押出成
形条件を実施例1の条件よりも高温高速で押出し成形す
ることにより、図2の形状の面木のように、面木の樹脂
繊維複合成形体の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹
脂スキン層を形成した。
料として、一旦ECFパルプを使用して抄紙加工した成
紙を寸法調整した際に発する端材等の非塗工紙を用いた
以外は実施例1と同様にして面木を製造した。
から無機填料を除去したものを用いた以外は実施例1と
同様にして面木を製造した。
料として天然パルプを用いた以外は実施例1と同様にし
て面木を製造した。
料として、実施例1のECFパルプの上質古紙、実施例
4の一旦抄紙加工した成紙を寸法調整した際に発する端
材等の非塗工紙及び実施例6の天然パルプをそれぞれ粉
砕したものを等重量で配合したものを用いた以外は実施
例1と同様にして面木を製造した。
を押出機のスクリュ部全体を減圧下で加熱溶融混練せし
めながらダイから押出成形して図1の形状の面木を製造
した。
を比較例2とした。
繊維材料とポリプロピレン樹脂を繊維材料が45重量%
となる割合で混合した以外は同様にして、面木を製造し
た。
繊維材料とポリプロピレン樹脂を繊維材料が85重量%
となる割合で混合した以外は同様にして、面木を製造し
た。
本物性を測定し、表2にまとめた。なお、成形収縮率に
おいて自社法とは、縦8cm横8cm厚さ0.3cmの射出成
形金型の寸法に対する比として測定した。
製コンクリートパネルを用いて、コンクリート構造物を
製造し、下記の評価を行ない、結果を表3にまとめた。 (耐アルカリ性)コンクリートのアルカリ成分により、
目視で面木の劣化がない場合には○、劣化がある場合に
は×とした。 (耐薬品性)剥離剤を塗布することにより、目視で面木
の劣化がない場合には○、劣化がある場合には×とし
た。 (釘うち適性)面木に釘を打ち、釘の保持力が充分な場
合には○、実用上問題ないがやや弱いときは△、保持力
がなく釘が抜ける場合は×とした。 (耐吸湿性)ねじれ、ひけ、膨らみ等の変形が全く生じ
ない場合は◎、殆ど生じない場合には○、変形が生じた場
合は×とした。 (寸法安定性)面木によりできた面の精度が設計どおり
出ている場合は○、実用上問題ないがやや精度に劣る場
合を△、精度が不充分な場合は×とした。 (コンクリートとの離型性)離型したときに面木にコン
クリートが全く付着していない場合は◎、殆ど付着して
いない場合は○、付着する場合は×とした。 (表面平滑性)離型した時のコンクリート面の平滑性が
目視で特に良い場合は◎、良い場合は○、曇りがある等
の悪い場合は×とした。 (低帯電性)面木に木の切り粉等が付着しにくい場合は
○、殆ど付着しておらず実用上問題とならない場合は
△、付着しやすい場合は×とした。 (焼却時の分別の必要性)焼却時に木製コンクリートパ
ネルと分別回収が不要な場合を○、必要な場合には×と
した。 (焼却時の黒煙発生の有無)面木の端部を着火して、黒
煙発生の有無を目視で評価した。黒煙が発生しない場合
を○、黒煙がわずかに発生する場合を△、黒煙が発生す
る場合を×とした。 (焼却炉の損傷)焼却炉の損傷は、発熱カロリーとプラ
スチック燃焼時の液だれによる。発熱カロリーは表2に
示したので、本評価は、液だれの有無を目視して評価し
た。液だれを起こさない場合を○、液だれを起こす場合
を×とした。
て、ECFパルプを用いた場合には、塩素含有が非常に
少ないので塩素起因の有毒ガスは発生しないと判断し
た。
較した場合、実施例1及び2は、発熱カロリーが小さく、
寸法安定性が良く、曲げ強度、曲げ弾性率が大きい。
面木、目地棒等の建築用型枠剤として要求される特性を
バランス良く有していた。また、押出機のスクリュ部全
体を減圧下で加熱溶融混練せしめながらダイから押出し
成形することで、混練効率が高く、分散性が良好で、かつ
繊維材料の酸化劣化及び酸化劣化による着色化を防止す
ることができた。
湿性、コンクリートとの離型性及び表面平滑性が特に優
れていた。さらに実施例3は、面木の端部における強度
が大きく、端部において亀裂が生ずることがなかった。
分散することがなく、繊維材料と熱可塑性樹脂との高い
密着性が得られた。また型枠材表面からの無機填料の転
出がなく、コンクリートの表面平滑性に優れていた。
分別回収が必要である。寸法安定性がやや劣る。また、
液だれを生じ、発熱カロリーも大きいので焼却炉を損傷
しやすい。
であり、面木、目地棒等の建築用型枠剤として要求され
る特性をバランス良く満たしていない。
る。
離型性、表面平滑性が劣る。
棒等の建築用型枠剤についても同様の結果を得た。
性、溶剤系の剥離剤等に対する耐薬品性、釘うち適性等
の基本特性、並びに耐吸湿性、耐変形性、高寸法安定
性、コンクリート良離型性、表面平滑性及び低帯電性を
同時にバランス良く備え、かつ紙と同様に扱える、すなわ
ち木製コンクリートパネルと分別回収することなく焼却
することができ、その焼却時に有害ガスや黒煙を発生せ
ず、しかも焼却炉を傷めにくい面木、目地棒等の建築用
型枠材を提供することができた。
ても塩素系有害ガスを発生しない、環境負荷の少ない面
木、目地棒等の建築用型枠材を提供することができた。
ンクリート離型性、表面平滑性、端部強度性が特に優れ
た面木、目地棒等の建築用型枠材を提供することができ
た。
を発生せず、且つ焼却炉を傷めるほどの発熱カロリーを
発生しない面木、目地棒等の建築用型枠材、或いは回収
漏れがあったとしても自然分解可能な面木、目地棒等の
建築用型枠材を提供することができた。
可塑性樹脂との密着性を高め、また型枠材表面からの無
機填料の転出を低下させることが可能な面木、目地棒等
の建築用型枠材を提供することができた。
く、分散性が良好で、かつ繊維材料の酸化劣化及び酸化劣
化による着色化を防止することが可能な目地棒等の建築
用型枠材の製造方法を提供することができた。
て、(a)は斜視図、(b)はA-A断面図を示すもので
ある。
形態を示す概略図であって、(a)は斜視図、(b)は
B-B断面図を示すものである。
Claims (6)
- 【請求項1】粉砕された天然パルプ、粉砕された非塗工
紙及び粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種類か
らなる繊維材料を熱可塑性樹脂に分散させた樹脂繊維複
合成形体であって、該樹脂繊維複合成形体は前記繊維材
料を51〜80重量%含有することを特徴とする面木、
目地棒等の建築用型枠材。 - 【請求項2】前記繊維材料中の全塩素含有量が500p
pm以下であり、かつ有機塩素量が150ppm以下で
あることを特徴とする請求項1記載の面木、目地棒等の
建築用型枠材。 - 【請求項3】前記樹脂繊維複合成形体は、前記熱可塑性
樹脂を主成分とする樹脂スキン層を表面に形成したこと
を特徴とする請求項1又は2記載の面木、目地棒等の建
築用型枠材。 - 【請求項4】前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂又
は生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1、2又
は3記載の面木、目地棒等の建築用型枠材。 - 【請求項5】前記繊維材料は、無機填料をほとんど除去
せしめたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載
の面木、目地棒等の建築用型枠材。 - 【請求項6】粉砕された天然パルプ、粉砕された非塗工
紙及び粉砕された非塗工古紙のうち少なくとも一種類か
らなる繊維材料の含有率が51〜80重量%となるよう
に該繊維材料と熱可塑性樹脂と各種添加成分を配合した
樹脂繊維複合組成物のペレットを用いて、押出機のスク
リュ部全体を減圧下で加熱溶融混練せしめながらダイか
ら押出し成形することを特徴とする面木、目地棒等の建
築用型枠材の製造方法。
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