JP2003183939A - 微細炭素繊維及びそれを含む組成物 - Google Patents

微細炭素繊維及びそれを含む組成物

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JP2003183939A JP2002259406A JP2002259406A JP2003183939A JP 2003183939 A JP2003183939 A JP 2003183939A JP 2002259406 A JP2002259406 A JP 2002259406A JP 2002259406 A JP2002259406 A JP 2002259406A JP 2003183939 A JP2003183939 A JP 2003183939A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂、ゴム等複合材のフィラー、半導体材
料、触媒、あるいはガス吸蔵材料として適した微細炭素
繊維を提供すること。 【解決手段】 筒状の炭素層が重なり合い多層構造の年
輪構造をなし、その中心軸が空洞構造である微細炭素繊
維であって、その炭素繊維の多層構造が繊維の外側に拡
大し又は肉厚化した瘤状部を有し、又は、その炭素繊維
が外側に拡大した部分が繰返して存在して繊維の外径が
繊維長に沿って変動しており、外径約1〜500nm、
アスペクト比約10〜15000である微細炭素繊維を
提供する。好適には、炭素繊維表面に存在する瘤状部を
含めた繊維径d’と瘤状部以外の炭素繊維径dとの比
d’/dが約1.5より大きく約10以下であり、また
炭素繊維の繰返し拡大した部分の外径d”とそれ以外の
炭素繊維径dとの比d”/dは、約1.05より大きく
約3以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特異な構造を持つ微
細炭素繊維とそれを含む組成物に関し、特に樹脂、ゴム
等複合材のフィラー、半導体材料、触媒、あるいはガス
吸蔵材料として適した微細炭素繊維、及びそれを含む組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、その高強度、高弾性率、高
導電性等の優れた特性から各種の複合材料に使用されて
いる。従来から応用されてきた優れた機械的特性ばかり
でなく、炭素繊維あるいは炭素材料に備わった導電性を
生かし、近年のエレクトロニクス技術の発展に伴い、電
磁波シールド材、静電防止材用の導電性樹脂フィラーと
して、あるいは樹脂への静電塗装のためのフィラーとし
ての用途が期待されてきている。また、炭素材料として
の化学的安定性、熱的安定性と微細構造との特徴を生か
し、フラットディスプレー等の電界電子放出材料として
の用途が期待されている。
【0003】従来の炭素繊維は、PAN、ピッチ、セル
ロース等の繊維を熱処理し炭化することにより製造する
いわゆる有機系カーボンファイバーとして生産されてい
る。これらを繊維強化複合材のフィラーとして用いる場
合、母材との接触面積を大きくするために、径を細くす
ること、長さを長くすること等が補強効果を上げるため
に望ましい。また、母材との接着性を改善するために
は、炭素繊維の表面が滑らかでなく、ある程度荒れてい
る方が好ましく、このために空気中で高温に晒し酸化さ
せたり、表面にコーティングを施こしたり等の表面処理
が行なわれている。
【0004】しかし、これらの炭素繊維は、その原料と
なる有機繊維の糸径が5〜10μm程度であり、径の小
さい、炭素繊維の製造は不可能であった。また、径に対
する長さの比(アスペクト比)に限界があり、細くてア
スペクト比の大きい炭素繊維が要望されていた。
【0005】また、自動車ボディーへの樹脂の使用、あ
るいは電子機器への樹脂・ゴム等の使用に関しては、金
属並の導電性を要求され、これに伴い、フィラー材とし
ての炭素繊維もこれら各種導電性塗料、導電性樹脂など
の要求を満たすために導電性を上げる必要が出てきた。
【0006】そのための手段として、黒鉛化することで
これら特性を向上させる必要があり、このために更に高
温での黒鉛化処理が行なわれるのが通例である。しか
し、この黒鉛化処理によっても金属並の導電性は得られ
ず、これを補うために配合量を多くすると加工性や機械
的特性が低下するという問題が生じ、繊維自体の更なる
導電性の改良、繊維の細径化による強度の向上等が必要
とされてきた。
【0007】その後、1980年代後半に、これら有機
系繊維と製法を全く異にするものとして、気相法炭素繊
維(Vapor Grown Carbon Fibe
r;以下VGCFと略す。)が研究されるようになっ
た。
【0008】このVGCFは、炭化水素等のガスを有機
遷移金属系触媒の存在下で気相熱分解することによって
直径1μm以下、数100nmまでの炭素繊維が得られ
ることが知られている。
【0009】たとえば、ベンゼン等の有機化合物を原料
とし、触媒としてのフェロセン等の有機遷移金属化合物
をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、基盤
上に生成させる方法(特開昭60−27700号公
報)、浮遊状態でVGCFを生成させる方法(特開昭6
0−54998号公報)、あるいは反応炉壁に成長させ
る方法(特許2778434号)等が開示されている。
【0010】これら製法によれば、比較的細くて導電性
に優れ、アスペクト比の大きいフィラー材に適した炭素
繊維が得られるようになり、100〜200nm程度の
径で、アスペクト比10〜500程度のものが量産化さ
れ、導電性フィラー材として樹脂用フィラーや鉛蓄電池
の添加材等に使用されるようになった。
【0011】これらVGCFは、形状や結晶構造に特徴
があり、炭素六角網面の結晶が年輪状に円筒形に巻かれ
積層した構造を示し、その中心部には極めて細い空洞部
を有する繊維である。
【0012】また、このVGCFよりも更に細い炭素繊
維として、飯島らによりヘリウムガス中でアーク放電に
より炭素電極を蒸発させた煤の中から、多層カーボンナ
ノチューブが発見された。この多層カーボンナノチュー
ブの直径は、1nm〜30nmであり、VGCFと同様
に炭素六角網面の結晶が繊維の軸を中心に年輪状に幾重
にも重なり円筒状に閉じられており、その中心部に空洞
径を有する微細炭素繊維である。
【0013】このアーク放電を使用する方法について
は、その製法から量産には向かず実用化には至っていな
い。
【0014】一方、気相法によるものは大きなアスペク
ト比、高導電性の可能性があり、この方法を改良し、よ
り細い炭素繊維を製造しようとする試みがなされてい
る。米国特許第4663230号、特公平3−6460
6号公報では、約3.5〜70nmの径でアスペクト比
100以上の黒鉛質からなる円柱状の炭素フィブリルが
開示されている。その構造は、規則的に配列した炭素原
子の連続層が多層にわたり円柱軸に対し同心的に配列さ
れ、炭素原子の各層のC軸がフィブリルの円柱軸に実質
的に直交しており、全体に熱分解により析出する熱炭素
被膜を含まず、滑らかな表面を持っているものである。
【0015】同様に、特開昭61−70014号公報に
は、10〜500nmでアスペクト比2〜30000の
気相法による炭素繊維が紹介されており、熱分解炭素層
の厚みが直径の20%以下であることが記されている。
【0016】上述のこれらの炭素繊維は、いずれも表面
が滑らかなため接着性、濡れ性、親和性に乏しく、複合
材料として用いる場合には表面を十分酸化処理する等の
表面処理が必要になってくる。また、ガス吸蔵材料とし
て用いる場合には、空洞が多い方がよい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、導
電性の良い特に500nm以下のフィラー材として樹脂
等への接着性の良い微細な炭素繊維を量産規模で得るこ
と、また、ガス吸蔵性に優れた炭素繊維材料を得ること
が目的である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために下記を提供するものである。 (1)筒状の層状炭素が重なり合い多層構造の年輪構造
をなし、その中心軸が空洞構造である微細炭素繊維であ
って、その炭素繊維の多層構造が繊維の外側に拡大し又
は肉厚化した瘤状部を有し、炭素繊維本体の外径が約1
〜500nm、アスペクト比が約10〜15000であ
ることを特徴とする微細炭素繊維。 (2)炭素繊維表面に存在する瘤状部を含めた繊維径
d’と瘤状部以外の炭素繊維径dとの比d’/dが約
1.5より大きく約10以下であることを特徴とする上
記(1)に記載の微細炭素繊維。 (3)炭素繊維表面に存在する瘤状部の内部が空洞構造
である、あるいは瘤状部の内部に炭素粒子や炭素を含む
か若しくは金属あるいは金属化合物を含むことを特徴と
する上記(1)(2)に記載の微細炭素繊維。 (4)炭素繊維表面に存在する瘤状部が、炭素繊維軸に
沿った円筒状炭素であることを特徴とする上記(1)
(2)に記載の微細炭素繊維。 (5)筒状の層状炭素繊維が重なり合い多層構造の年輪
構造をなし、その中心軸が空洞構造である微細炭素繊維
であって、その炭素繊維が外側に拡大した部分が繰返し
て存在して繊維の外径が繊維長に沿って変動しており、
炭素繊維の拡大した部分の外径d”とそれ以外の炭素繊
維径dとの比d”/dが、約1.05より大きく約3以
下であり、炭素繊維の外径が約1〜500nm、アスペ
クト比が約10〜15000であることを特徴とする微
細炭素繊維。 (6)炭素繊維の多層構造の内部に空隙が生じて多層構
造が部分的に肉厚になっていることを特徴とする上記
(5)記載の微細炭素繊維。 (7)炭素繊維径の拡大した部分の長さが炭素繊維径d
の約2〜200倍であることを特徴とする上記(5)
(6)記載の微細炭素繊維。 (8)外径約1〜500nm、アスペクト比約10〜1
5000の微細炭素繊維中に、上記(1)〜(7)に記
載の微細炭素繊維が約5〜95質量%を占める微細炭素
繊維。 (9)上記(1)〜(8)に記載の微細炭素繊維が樹脂
またはゴムに含まれる微細炭素繊維組成物。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、導電性の良い、外径約500nm以下
のフィラー材として樹脂等への接着性の良い、微細な炭
素繊維を得るために、微細なVGCFの製造条件をいろ
いろの変えて検討を進める中で、或る製造条件下で、従
来知られていない形態の微細な炭素繊維が得られ、これ
が導電性が高く、また樹脂等への接着性にも優れてお
り、さらにはガス吸蔵特性に優れた炭素繊維材料を与え
得ることを見出したものである。本発明の微細炭素繊維
は基本的に微細なVGCFを製造しようとする過程に得
られる1形態の炭素繊維であると理解される。
【0020】本発明の微細炭素繊維について説明する。
本発明の微細炭素繊維の特徴を添付図面(図1〜図6)
を用いて説明する。本発明の微細炭素繊維は、従来の微
細炭素繊維と同様に繊維径約1〜500nm程度、好ま
しくは約5〜200nm、アスペクト比約10〜150
00、好ましくは約10〜10000の微細炭素繊維を
本体とし、その本体は円筒状の炭素層が重なり合い多層
構造(年輪構造)をなし、その中心軸が空洞構造のもの
であるが、その途中に以下に説明するような瘤状部を有
するか又は繊維径が繰返し変動することを特徴とするも
のである。
【0021】図1を参照すると、空洞構造2を有する微
細炭素繊維1の途中で円筒状の多層炭素層の径が大きく
なった部分3が存在し、瘤状部の内部は空洞4をなして
いる。瘤状部3の多層炭素層の厚さは微細炭素繊維本体
1の多層炭素層の厚さと実質的に同じであるが、あるい
はそれより厚くあるいは薄くてもよい。特に黒鉛化前の
微細炭素繊維では空洞部に触媒金属粒子(金属炭化物粒
子)あるいは炭素片又は炭素中空微粒子が含まれている
場合が見られる。この場合は、限定するわけではない
が、例えば、微細炭素繊維が成長する過程で多数の触媒
金属粒子を取り込み内部に触媒金属粒子(金属炭化物粒
子)等が含まれた微細炭素繊維が生成し、そのような炭
素繊維を黒鉛化するときに、内部の触媒金属粒子(金属
炭化物粒子)等が気化し、それら触媒粒子の影響で微細
炭素繊維の黒鉛化がより進み、平面構造をとろうとして
多層炭素層を外側に拡大させる力が働いて図1に示すよ
うな形状の瘤状部が形成された可能性がある。
【0022】なお、本発明では以下の場合も同じである
が、瘤状部の最大径d’は微細炭素繊維本体の径dより
大きく、一般的には約1.5〜10倍の範囲内であり、
より好ましくは約2〜6倍である。
【0023】図2を参照すると、繊維の外観は図1の場
合と類似であるが、瘤状部5は多層炭素層の厚さが外側
に拡大する形で形成されている。即ち、多層炭素層が形
成されているから、繊維の内部の空洞構造6は微細炭素
繊維本体1の空洞構造2と実質的に同じであると考えら
れるが、電子顕微鏡では炭素の円筒状のものが積層した
構造が確認される。この場合は、一旦通常の微細炭素繊
維が成長した後、何らかの製造条件のために、その成長
後の微細炭素繊維の一部の表面から多層炭素層が成長し
て太い微細炭素繊維の部分、即ち、瘤状部5が形成され
たものと考えられる。おそらくは微細炭素繊維の黒鉛化
段階で繊維の外側に向かって瘤状に多層炭素層が成長し
たものと考えられる。しかし、微細炭素繊維が成長する
過程で、多層炭素層の成長はそのまま継続されながら、
何らかの製造条件の変化のために成長中の微細炭素繊維
の外側にも併行して新たな多層炭素層が成長して太い微
細炭素繊維が形成された後、その特殊な成長条件が終了
し、元の製造条件に戻って元の微細炭素繊維が再び成長
して図2の如き瘤状部が形成されたものでもよい。
【0024】図3を参照すると、微細炭素繊維の途中に
瘤状部が存在するが、その形状は一定ではなく、径が拡
張あるいは縮小する角度及び長さがいろいろであり、ま
た瘤状部の途中の径が一定の部分の長さもいろいろであ
り、しかもその形状が軸対称でない場合もあるが、要す
るに、微細炭素繊維の途中に多層炭素層が微細炭素繊維
本体と異なる形で、通常は微細炭素繊維本体より径が拡
大して、成長して瘤状部を形成したものである。この瘤
状部の特徴は、あくまでも、多層炭素層から構成された
微細炭素繊維と同質の炭素の結晶組織が微細炭素繊維か
ら異常な方向にまた異常な太さで結晶成長して形成され
たものであることである。従来、微細炭素繊維の外側に
強制的に炭素微粒子を凝集付着させることが提案されて
いるが、本発明の微細炭素繊維はそれとは異なるもので
ある。電子顕微鏡で観察すると、瘤状部は炭素結晶の成
長方向はいろいろであるが、微細炭素繊維から連続して
成長しており、微粒子が凝集付着したものではないこと
が確認される。なお、図3の如く一定しない形状の瘤状
部の場合にも、微細炭素繊維の内部には空洞構造が存在
するものと考えられる。微細炭素繊維の空洞部に触媒金
属粒子(金属炭化物粒子)あるいは炭素片又は炭素中空
微粒子が含まれていてもよい。
【0025】この形状の微細炭素繊維は、微細炭素繊維
が成長する過程で、微細炭素繊維の成長先端部に触媒金
属粒子(金属炭化物粒子)等が介在し、微細炭素繊維の
成長が継続されたり、温度の局部的低下のため成長速度
が遅くなったりして、繊維軸に対して種々の方向に成長
が起こり、その後元の成長速度に戻って元の微細炭素繊
維が形成されたものでもよい。さらには、そのようにし
て触媒金属粒子(金属炭化物粒子)等が空洞部に残存す
る微細炭素繊維を黒鉛化するときに、触媒金属粒子(金
属炭化物粒子)等が気化し、その気化の際に繊維の形状
が変形たり、また同時に多層炭素層の表面に新たな炭素
層が成長して多層炭素層の厚みが増加したりして、図3
に示すような複雑な形状の瘤状部を形成したものもあ
る。あるいは図2の場合のように焼成時に炭素繊維の外
側の一部に炭素層が選択的に成長したものもあると考え
られる。いろいろな原因が複合して形成されている可能
性が高い。
【0026】図4の微細炭素繊維では、微細炭素繊維の
途中から短い微細炭素繊維が分岐成長したような形の瘤
状部が存在する。分岐状の瘤状部の内部にも空洞構造あ
るいはその痕跡が見られる。分岐状の瘤状部の形状ある
いは径は図4の場合だけではなく、異なっていてもよ
い。しかしその場合にも瘤状部の外径d’は微細炭素繊
維本体の径dの10倍以内である点で分岐した繊維とは
区別される。この場合は、微細炭素繊維の成長の起点で
ある触媒金属粒子が何らかの影響で分割し、一方は本来
の繊維の成長に、もう一方が瘤状部の成長に関与したと
考えられる。上記の如く、微細炭素繊維の瘤状部の空洞
内は、空洞のままでも、また触媒金属粒子(金属炭化物
粒子)あるいは炭素片又は炭素中空微粒子が存在しても
よい。
【0027】図5の微細炭素繊維は、図4と同様に、複
数の触媒金属粒子が関与し、空洞を伴った瘤状部を成長
すると考えられる。
【0028】また、瘤状部の長さは特に限定されず、一
般的には微細炭素繊維の径dの約2〜30倍程度が多い
が、それ以上でもよい。
【0029】図6の微細炭素繊維では、炭素繊維の繊維
径が外側に拡大している部分だけを模式的に示すが、繊
維径拡大部の径d”は瘤状部の径d’と異なり、殆どが
dの約3倍以内であり、普通には約2倍以内であり、か
つ、dより大きく、約1.05倍以上、好ましくは約
1.1倍以上、さらに好ましくは約1.2倍以上であ
り、そしてこの種の炭素繊維は1本の炭素繊維の繊維長
に沿ってこのような繊維径拡大部が繊維径の約2〜20
0倍、好ましくは約2〜50倍の長さで繰返し存在して
繊維径が太くなったり細くなったり変動している。図7
にこのような微細炭素繊維(繊維径約50nm)につい
て繊維長に沿って繊維径とともに、透過型電子顕微鏡写
真において図6に示した如く微細炭素繊維の下側側壁
(1)と上側側壁(2)の多層炭素層の厚さ及び空洞構
造部の径(中空径)を測定したデータを示す。微細炭素
繊維の外径が繊維長に沿って2倍程度以内の範囲で変動
していること、また多層炭素層の厚さが変動しているが
下側側壁(1)と上側側壁(2)の厚さは対応せずどち
らか一方だけが拡大している場合が多いことが認めら
れ、そして、中空径も変動はあるが、多層炭素層の厚さ
の変動の方が中空径の変動より大きく、しかも多層炭素
層の厚さの変動と繊維径の変動とはよく対応しているこ
とが認められる。従って、少なくともこの微細炭素繊維
では繊維径の変動は主として多層炭素層の厚さが変動に
基づくものであると考えられる。さらに微細炭素繊維の
透過型電子顕微鏡観察によれば、多層炭素層の厚さが肉
厚になっている部分において多層炭素層間に空隙が存在
することが認められ、限定するわけではないが、多層炭
素層間に空隙が生じたことが炭素繊維径拡大の原因であ
ると考えられる。また、繊維径が太くなった部分の長さ
は一般的に繊維径の約2〜200倍、通常は約2〜50
倍、さらには約2〜30倍であるが、特に限定されず、
また約200倍以上のものが含まれていてもよい。
【0030】以上、本発明の微細炭素繊維の瘤状部およ
び繰返す繊維径拡大部の代表的な形状を説明したが、本
発明では、微細炭素繊維それ自体の結晶組織の延長とし
ての瘤状部(外径d’≦約10d)が存在するか又は繰
返される外形拡大部(約1.05d≦外径d”≦約3d
程度)が存在して繊維径が繊維長に沿って変動する微細
炭素繊維であって、繊維径が約1〜500nm、アスペ
クト比が約10〜15000の微細炭素繊維であればよ
い。中心軸の空洞部の内径は一定でなくてもよい。ま
た、炭素層によって構成される炭素繊維の先端部や周囲
に不定形炭素が存在しても、本発明の微細炭素繊維は影
響されない。
【0031】本発明の微細炭素繊維の上記のような形態
は、従来の各種気相法による炭素繊維では報告されてお
らず、新規なものである。
【0032】これら本発明の微細炭素繊維は、従来の炭
素繊維に対し瘤状部又は繊維径変動が存在し、異形をし
ているので、異形内部空間に水素等のガスを吸蔵しやす
い構造であり、また導電性フィラー等として使用した場
合、異形表面での樹脂等への接着性が向上する効果があ
る。
【0033】また、本微細炭素繊維を約5質量%以上さ
らに約5〜95質量%、好ましくは約10〜70質量
%、特に約10〜50質量%を含むとその構造の特徴に
より、内部空間が大きいので水素等のガスの吸蔵量を増
加できる効果があり、また導電性フィラー等として使用
して樹脂等への接着性が向上する効果がある。また、透
過型電子顕微鏡による観察にて微細炭素繊維の構造は確
認できるが、本発明の微細炭素繊維を微細炭素繊維全体
を基準に約3〜80体積%さらに、約5〜70体積%、
好ましくは約10〜50体積%含むと水素等のガスの吸
蔵量を増加できる効果があり、また導電性フィラー等と
して使用して樹脂等への接着性などが向上する効果があ
る。
【0034】本発明の微細炭素繊維は、外径が約1〜5
00nmで、アスペクト比約10〜15000の微細で
長い繊維が得られるので、フィラー材として多量に添加
が可能であり補強効果に優れるものであり、またガス吸
蔵性にも優れるものである。
【0035】以下に本発明の微細な炭素繊維を製造する
ために好適な方法について説明する。本発明のような微
細炭素繊維は遷移金属触媒を用いて有機化合物、特に炭
化水素類を熱分解することにより微細炭素繊維を得るこ
とができる。この得られた微細炭素繊維は、好ましく
は、その表面に付着したタールなどを除くため、約90
0〜1300℃で熱処理を行う。そして、更には、それ
を約2000〜3500℃、好ましくは約2500〜3
500℃の熱処理を行ってグラファイト化している。
【0036】即ち、微細炭素繊維は遷移金属触媒を用い
て有機化合物、特に炭化水素類を熱分解することにより
得ることができる。
【0037】炭素繊維の原料となる有機化合物は、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、
ナフタレン、フェナントレン、シクロプロパン、シクロ
ペンテン、シクロヘキサン有機化合物や揮発油、灯油等
あるいはCO、天然ガス、メタン、エタン、エチレン、
アセチレン、ブタジエン等のガス及びそれらの混合物も
可能である。中でもベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族化合物が特に好ましい。
【0038】有機遷移金属化合物は、触媒となる遷移金
属を含むものである。遷移金属としては、周期律表第I
Va,Va,VIa,VIIa,VIII族の金属を含
む有機化合物である。中でもフェロセン、ニッケルセン
等の化合物が好ましい。触媒としての有機遷移金属化合
物の含有量としては、有機化合物の炭素量に対して約
0.5〜15質量%、好ましくは約1〜10質量%、よ
り好ましくは約2〜8質量%が良い。
【0039】本発明によれば、反応装置の形態、反応
系、反応条件のほか、特に有機化合物と触媒となる有機
遷移金属化合物の種類と量、さらには助触媒の種類と量
を或る種の条件などに選択、制御することにより、本発
明の瘤状部又は繊維径変動を有する微細炭素繊維を得る
ことができることが見出された。
【0040】特に有機化合物と触媒となる有機遷移金属
化合物の種類として、一般的に、有機化合物としてベン
ゼン、トルエン、アセチレン、エチレン、ブタジエンあ
るいはそれらの混合物から選択したものと、有機遷移金
属化合物としてニッケロセンあるいはフェロセンとを組
み合わせることが好ましく、中でもベンゼンとフェロセ
ンを組合せることが、本発明の目的のためには好適であ
る。
【0041】本発明では、限定するものではないが、さ
らに助触媒として硫黄化合物を用い、特にその使用量を
従来よりも多くした場合に、特異的に有利に本発明の瘤
状部又は繊維径変動を有する微細炭素繊維を得ることが
できた。硫黄化合物の形態は特に制限は無く、炭素源で
ある有機化合物に溶解するものなら良く、その硫黄化合
物としてチオフェンや各種チオールあるいは、無機硫黄
等が用いられる。硫黄化合物の使用量は硫黄原子を基準
にして、有機化合物(炭化水素などの炭素原料)に対し
て約0.01〜5質量%、好ましくは、約0.03〜5
質量%、さらに好ましくは約0.5〜4質量%が良い。
硫黄が少ないと微細炭素繊維の成長が遅く、瘤状部又は
繊維径変動の生成がみられない。一方、硫黄が多すぎる
と微細炭素繊維の成長が短くなり、短い繊維しか得られ
ない。
【0042】また、そのほかでは原料供給量が多いと瘤
状部又は繊維径変動が発生しやすいことが分かってお
り、その目安としては原料を標準状態でガス換算したと
き(原料)/(キャリアーガス)≧約0.03の流量の
場合に瘤状部又は繊維径変動が生成しやすかった。
【0043】このように、反応系、特に有機化合物と触
媒となる有機遷移金属化合物の種類と量、さらには助触
媒の種類と量などを選択、制御することにより、特定の
結晶組織及び形状の瘤状部又は繊維径変動を有する微細
炭素繊維を製造することができるということは従来知ら
れておらず、またこの新規な微細炭素繊維の有用性も知
られていなかったものであり、本発明によりこの新規な
構造の微細炭素繊維が提供されることは、産業上有用な
ものである。
【0044】キャリヤーガスとしては、通常水素ガスを
はじめとする還元性のガスが使用される。キャリヤーガ
スを予め約500〜1300℃に加熱しておくことが好
ましい。加熱する理由は、反応時に触媒の金属の生成と
炭素化合物の熱分解による炭素源の供給を一致させ、反
応を瞬時に起こすようにして、より微細な炭素繊維が得
られるようにするためである。キャリアーガスを原料と
混合した際に、キャリアーガスの加熱温度が約500℃
未満では、原料の炭素化合物の熱分解が起こりにくく、
約1300℃をこえると炭素繊維の径方向の成長が起こ
り、径が太くなりやすい。
【0045】キャリアーガスの使用量は、炭素源である
有機化合物1.0モル部に対し約1〜70モル部が適当
である。炭素繊維の径は、炭素源とキャリアーガスの比
率を変えることにより、制御することが出来る。
【0046】原料は、炭素源の有機化合物に遷移金属化
合物及び助触媒の硫黄化合物を溶解し調整する。そして
原料は液体のままキャリアーガスで噴霧して反応炉へ供
給することも出来るが、キャリアーガスの一部をパージ
ガスとして気化させて反応炉へ供給し反応させることも
出来る。繊維径の細い炭素繊維を得る場合は原料は気化
して反応炉へ供給した方が好ましい。
【0047】反応炉は、通常縦型の電気炉を使用する。
反応炉温度は約800〜1300℃、好ましくは約10
00〜1300℃である。所定の温度に昇温した反応炉
へ、原料液とキャリアーガスあるいは原料を気化させた
原料ガスとキャリアーガスとを供給し、反応させ炭素繊
維を得る。
【0048】このようにして反応炉に吹き込まれたガス
が熱分解し、有機化合物は炭素源となり、有機遷移金属
化合物は触媒の遷移金属粒子となり、この遷移金属粒子
を核とした微細炭素繊維の生成が行われる。
【0049】得られた微細炭素繊維は、さらに、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気化で、約900〜1
500℃の熱処理を行い、更に約2000〜3500℃
の熱処理を行う、あるいは、反応により得られた状態の
微細炭素繊維を不活性ガス雰囲気化、直接約2000〜
3500℃の熱処理を行うことが好ましい。
【0050】反応により得られた状態の微細炭素に、あ
るいはその微細炭素繊維を不活性ガス雰囲気下で約90
0〜1500℃の熱処理を行った後に、炭化ホウ素(B
C)、酸化ホウ素(B)、元素状ホウ素、ホウ
酸(HBO)、ホウ酸塩等のホウ素化合物と混合し
て、更に不活性ガス雰囲気下約2000〜3500℃で
熱処理を行ってもよい。ホウ素化合物の添加量は、用い
るホウ素化合物の化学的特性、物理的特性に依存するた
めに限定されないが、例えば炭化ホウ素(BC)を使
用した場合には、微細炭素繊維に対して約0.05〜1
0質量%、好ましくは約0.1〜5質量%の範囲が良
い。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例をあげて説明する。 (実施例)概略図の図8に示すように縦型加熱炉11
(内径170mm、長さ1500mm)の頂部に、原料
気化器15を通して気化させた原料を供給する原料供給
管14と、キャリアーガス供給配管16を取りつけた。
原料供給管14からは、フェロセン4質量%、チオフェ
ン3質量%(硫黄原子換算1.1質量%)溶解したベン
ゼンを気化させ200℃に保って30g/分で供給し、
キャリアーガスとして水素を用い、180リットル/分
で供給し反応させた。
【0052】この反応で得られた微細炭素繊維をAr
(アルゴン)雰囲気下1300℃で熱処理し、更に13
00℃処理品をAr雰囲気下2800℃で熱処理し、熱
処理工程での質量回収率90%で微細炭素繊維を得た。
【0053】得られた微細炭素繊維の透過型電子顕微鏡
写真を図9〜図13に示す。図9〜図13のいずれで
も、微細炭素繊維本体は炭素原子からなる筒状の炭素層
が重なりあった多層構造であり、その中心軸が空洞構造
である。繊維の外径は10〜100nm程度で、アスペ
クト比が約10以上の繊維であった。
【0054】図9では、例えば図に矢印で示した部分
に、図3の模式図の如く繊維表面に凹凸と瘤の連続した
部位が見られる。この矢印部分の連続的複合瘤状部は、
その径あるいは太さ(繊維横断面方向寸法)は本体繊維
径の8倍程度、その瘤状部の長さは本体繊維径の3倍程
度である。なお写真の矢印部分の下にも別の連続的複合
瘤状部が見られる。
【0055】図10では、図の矢印*1の部分では、図
1の模式図の如く繊維の一部が太くなっており、その太
さ(繊維横断面方向寸法)が本体繊維径の3倍程度、そ
の部分の長さは本体繊維径の2倍程度であるが、この瘤
状部の炭素層は本体繊維部分と同様に整然としているこ
とが見られる。また。図の矢印*2の部分では、図3の
模式図の如く繊維表面に凹凸と瘤が連続して入り組んで
いる部位が見られる。この部分の複合瘤状部はその径
(繊維横断面方向寸法)が本体繊維径の3倍程度であ
り、その瘤状部の内部に炭素粒子が見られる。また、図
の矢印*3の部分では、図4,5の模式図の如く、本体
繊維径に対して太さが2倍程度の瘤が片側についたもの
が見られる。
【0056】図11では、微細炭素繊維の一部で繊維が
太くなっている。その部分(瘤状部)は円筒状で、太さ
(径)が微細炭素繊維本体の4倍程度、長さが本体の繊
維径の20倍程度である。さらに拡大した観察から、瘤
状部は途中に形状が一部変形(欠損形状)しているが、
瘤状部は炭素層が整然と成長して形成されたものである
ことが観察された。また、従って、瘤状部の中心には空
洞が存在するものと推察された。
【0057】図12では、図6の模式図に示す繊維の一
部が太くなった微細炭素繊維が見られる。その太さ(繊
維横断面方向寸法)が本体繊維径の1.3倍程度であ
り、その部分の長さは、本体繊維径の5倍程度である。
【0058】図13は図12と同じ微細炭素繊維の一部
の高倍率電子顕微鏡写真であるが、図13では、微細炭
素繊維の中空径に変動が見られ、炭素繊維径が太くなっ
た部分が見られる。図12に示すような形態の1本の微
細炭素繊維の繊維長に沿って測定した繊維径のデータを
図7に示す。一本の微細炭素繊維の繊維長に沿って繊維
径が変動しているが、繰返される繊維径が太くなった部
分の繊維径は、上記の如く、本体繊維径の1.05〜2
倍程度、その部分の長さは本体繊維径の2〜200倍程
度の長さであった。図9〜図13に示した上記特徴を持
った繊維が全繊維の半数以上であった。
【0059】(比較例)概略図の図8に示すように縦型
加熱炉11(内径170mm、長さ1500mm)の頂
部に、原料気化器15を通して気化させた原料を供給す
る原料供給管14と、キャリアーガス供給配管16を取
りつけた。原料供給管14からは、フェロセン4質量
%、チオフェン0.5質量%(硫黄原子換算0.2質量
%)溶解したトルエンを気化させ200℃に保って15
g/分で供給し、キャリアーガスとして水素を用い、1
80リットル/分で供給し反応させた。
【0060】この反応で得られた微細炭素繊維をAr
(アルゴン)雰囲気下1300℃で熱処理し、更に13
00℃処理品をAr雰囲気下2800℃で熱処理し質量
回収率96%で微細炭素繊維を得た。透過電子顕微鏡で
観察したが、均一な繊維径をもち、瘤状部がない以外は
実施例の微細炭素繊維と同様の微細炭素繊維であった。
【0061】(複合材調製)実施例及び比較例で得られ
た微細炭素繊維を用いてポリアセタールとの複合材を調
整し、複合材の引張強度及び体積固有抵抗を測定した。
結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から、反応条件を選択することによ
り、微細炭素繊維の形状を変えることができ、その効果
は、樹脂との接着性に優れた微細炭素繊維を得ることが
できることが確認された。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、従来の炭素繊維や気相
法炭素繊維と異なり、外径が約1〜500nmであり、
そのアスペクト比が約10〜15000で、炭素繊維に
瘤状部を有しあるいは繊維径が繰返して変動することを
特徴とする微細炭素繊維を提供でき、気体の吸蔵性材
料、樹脂用導電性フィラーなどとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微細炭素繊維の構造を説明するための
模式断面図である。
【図2】本発明の微細炭素繊維の構造を説明するための
模式断面図である。
【図3】本発明の微細炭素繊維の構造を説明するための
模式断面図である。
【図4】本発明の微細炭素繊維の構造を説明するための
模式断面図である。
【図5】本発明の微細炭素繊維の構造を説明するための
模式断面図である。
【図6】本発明の微細炭素繊維の構造を説明するための
模式断面図である。
【図7】本発明の微細炭素繊維の繊維長に沿った繊維
径、多層炭素層厚および中空径を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例に示す製造のための装置の概略
図である。
【図9】実施例の微細炭素繊維の透過電子顕微鏡写真で
ある。
【図10】実施例の微細炭素繊維の透過電子顕微鏡写真
である。
【図11】実施例の微細炭素繊維の透過電子顕微鏡写真
である。
【図12】実施例の微細炭素繊維の透過電子顕微鏡写真
である。
【図13】実施例の微細炭素繊維の透過電子顕微鏡写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G146 AA11 AB08 AC02A AC02B AC03A AC03B AD37 BA12 BC08 BC25 BC42 CA08 CA09 DA03 4J002 AA001 AC001 CB001 DA016 FA046 FD116 GQ00 GQ02 4L037 CS03 FA02 FA04 FA20 PA09 PA13 UA04 UA14 UA20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の層状炭素が重なり合い多層構造の
    年輪構造をなし、その中心軸が空洞構造である微細炭素
    繊維であって、その炭素繊維の多層構造が繊維の外側に
    拡大し又は肉厚化した瘤状部を有し、炭素繊維本体の外
    径が約1〜500nm、アスペクト比が約10〜150
    00であることを特徴とする微細炭素繊維。
  2. 【請求項2】 炭素繊維表面に存在する瘤状部を含めた
    繊維径d’と瘤状部以外の炭素繊維径dとの比d’/d
    が約1.5より大きく約10以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載の微細炭素繊維。
  3. 【請求項3】 炭素繊維表面に存在する瘤状部の内部が
    空洞構造である、あるいは瘤状部の内部に炭素粒子や炭
    素を含むか若しくは金属あるいは金属化合物を含むこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の微細炭素繊維。
  4. 【請求項4】 炭素繊維表面に存在する瘤状部が、炭素
    繊維軸に沿った円筒状炭素であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の微細炭素繊維。
  5. 【請求項5】 筒状の層状炭素繊維が重なり合い多層構
    造の年輪構造をなし、その中心軸が空洞構造である微細
    炭素繊維であって、その炭素繊維が外側に拡大した部分
    が繰返して存在して繊維の外径が繊維長に沿って変動し
    ており、炭素繊維の拡大した部分の外径d”とそれ以外
    の炭素繊維径dとの比d”/dが約1.05より大きく
    約3以下であり、炭素繊維の外径が約1〜500nm、
    アスペクト比が約10〜15000であることを特徴と
    する微細炭素繊維。
  6. 【請求項6】 炭素繊維の多層構造の内部に空隙が生じ
    て多層構造が部分的に肉厚になっていることを特徴とす
    る請求項5記載の微細炭素繊維。
  7. 【請求項7】 炭素繊維径の拡大した部分の長さが炭素
    繊維径dの約2〜200倍であることを特徴とする請求
    項5又は6記載の微細炭素繊維。
  8. 【請求項8】 外径約1〜500nm、アスペクト比約
    10〜15000の微細炭素繊維中に、請求項1〜7記
    載のいずれか1項に記載の微細炭素繊維が約5〜95質
    量%を占める微細炭素繊維。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微
    細炭素繊維が樹脂またはゴムに含まれることを特徴とす
    る微細炭素繊維組成物。
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