JP2003183750A - 連続鋳造性に優れたスライドファスナー用銅合金 - Google Patents
連続鋳造性に優れたスライドファスナー用銅合金Info
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 白色性に優れ、ニッケルを含まないためにニ
ッケルアレルギー問題もないとともに連続鋳造性及び鋳
造品質に優れたスライドファスナー用銅合金を提供する
こと。 【解決手段】 スライドファスナーを構成する合金の組
成を、一般式：ＣｕａＺｎｂＭｎｃ（但し、ａ、ｂ、ｃ
は、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ≦２０、８≦ｃ≦１
５、不可避的元素を含み得る）で示される組成とする。
また、好ましくは、合金の組織を室温においてα相単相
であるようにすると共に、合金表面に鍍金処理を施す。
ッケルアレルギー問題もないとともに連続鋳造性及び鋳
造品質に優れたスライドファスナー用銅合金を提供する
こと。 【解決手段】 スライドファスナーを構成する合金の組
成を、一般式：ＣｕａＺｎｂＭｎｃ（但し、ａ、ｂ、ｃ
は、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ≦２０、８≦ｃ≦１
５、不可避的元素を含み得る）で示される組成とする。
また、好ましくは、合金の組織を室温においてα相単相
であるようにすると共に、合金表面に鍍金処理を施す。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本願発明は、例えばスライド
ファスナーのエレメント、止具等のスライドファスナー
構成部材に適用されるスライドファスナー用銅合金に関
し、さらに詳細には、連続鋳造性及び鋳造品質に優れた
スライドファスナー用銅合金に関する。
ファスナーのエレメント、止具等のスライドファスナー
構成部材に適用されるスライドファスナー用銅合金に関
し、さらに詳細には、連続鋳造性及び鋳造品質に優れた
スライドファスナー用銅合金に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、例えば上記スライドファスナー用
銅合金としては、その合金色調が白色である洋白等の銅
−ニッケル−亜鉛合金、または丹銅、真鍮に代表される
銅−亜鉛合金などが用いられてきた。しかしながら、洋
白はニッケルを合金元素として含むため耐食性には優れ
ているが、例えばこれをスライドファスナー用として適
用した場合に、ファスナーは皮膚に接触することが多い
ので、ニッケルアレルギーの問題が生じている。また、
丹銅、真鍮に代表される銅−亜鉛合金は、ニッケルを含
まないため、ニッケルアレルギーの問題は発生しない
が、その色調が黄色くなり、白色の合金を得ることがで
きない。
銅合金としては、その合金色調が白色である洋白等の銅
−ニッケル−亜鉛合金、または丹銅、真鍮に代表される
銅−亜鉛合金などが用いられてきた。しかしながら、洋
白はニッケルを合金元素として含むため耐食性には優れ
ているが、例えばこれをスライドファスナー用として適
用した場合に、ファスナーは皮膚に接触することが多い
ので、ニッケルアレルギーの問題が生じている。また、
丹銅、真鍮に代表される銅−亜鉛合金は、ニッケルを含
まないため、ニッケルアレルギーの問題は発生しない
が、その色調が黄色くなり、白色の合金を得ることがで
きない。
【０００３】そこで、上記問題を解決するため、本出願
人は、特開平１１−１２４６４４号公報、特開２０００
−３０３１２９号公報、特開２０００−３０３１３０号
公報及び特開２００１−３１２５号公報に開示されるニ
ッケルフリー白色銅合金を開発し特許出願した。上記各
公報に開示されるニッケルフリー白色銅合金は、Ｃｕ−
Ｚｎ−Ｍｎ系合金にＡｌ、Ｓｎ等を含有させたものであ
り、強度、硬度、加工性、耐食性に優れ、ニッケルを含
まないため、ニッケルアレルギーの問題は発生せず、外
観的にも美しい白色度を保った装飾的価値の高い合金で
ある。
人は、特開平１１−１２４６４４号公報、特開２０００
−３０３１２９号公報、特開２０００−３０３１３０号
公報及び特開２００１−３１２５号公報に開示されるニ
ッケルフリー白色銅合金を開発し特許出願した。上記各
公報に開示されるニッケルフリー白色銅合金は、Ｃｕ−
Ｚｎ−Ｍｎ系合金にＡｌ、Ｓｎ等を含有させたものであ
り、強度、硬度、加工性、耐食性に優れ、ニッケルを含
まないため、ニッケルアレルギーの問題は発生せず、外
観的にも美しい白色度を保った装飾的価値の高い合金で
ある。
【０００４】スライドファスナー等の構成部材付き被着
物は、上記合金を連続鋳造法によってワイヤとして製造
し、その後前記ワイヤー断面形状を所定の断面形状と
し、各構成部材に切断し、得られた構成部材を被着物に
装着することによって製造される。しかしながら、上記
公報に記載の合金は、前記洋白、丹銅或いは真鍮に比べ
て連続鋳造性が良好ではないために連続鋳造工程で切断
しやすく、これが生産性の低下につながり、コスト高の
原因となっていた。また、連続鋳造によって作製された
ワイヤにはダイス成分が付着している部分が存在してい
ることがあり、その部分の材料特性が他の部分とは異な
るために鋳造品質の面で良好なものではなかった。
物は、上記合金を連続鋳造法によってワイヤとして製造
し、その後前記ワイヤー断面形状を所定の断面形状と
し、各構成部材に切断し、得られた構成部材を被着物に
装着することによって製造される。しかしながら、上記
公報に記載の合金は、前記洋白、丹銅或いは真鍮に比べ
て連続鋳造性が良好ではないために連続鋳造工程で切断
しやすく、これが生産性の低下につながり、コスト高の
原因となっていた。また、連続鋳造によって作製された
ワイヤにはダイス成分が付着している部分が存在してい
ることがあり、その部分の材料特性が他の部分とは異な
るために鋳造品質の面で良好なものではなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題に鑑みて、
本願発明は、白色性に優れ、ニッケルアレルギー問題が
なく、連続鋳造性及び鋳造品質に優れたスライドファス
ナー用銅合金を提供することを目的とするものである。
本願発明は、白色性に優れ、ニッケルアレルギー問題が
なく、連続鋳造性及び鋳造品質に優れたスライドファス
ナー用銅合金を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、本発明の
前記課題を解決するべく鋭意研究を進めた結果、次のよ
うな知見を得た。 １）連続鋳造工程におけるワイヤの切断は、ダイス内で
形成される化合物が抵抗となってワイヤが切断されやす
くなっていることによって起こること。 ２）連続鋳造されたワイヤの品質が低下するのは、前記
ダイス内で形成される化合物がワイヤ表面に付着してい
ることによること。 ３）前記ダイス内で形成される化合物によって、冷却効
率が低下して内部欠陥が生じ、これが合金の特性にも影
響を及ぼしていること。 ４）ダイス内で形成される化合物は、合金の構成成分で
あるＡｌ、Ｓｎ、Ｔｉ、Ｓｉ、Ｃｒ等の酸化しやすい元
素がダイス成分と化合して形成されること。
前記課題を解決するべく鋭意研究を進めた結果、次のよ
うな知見を得た。 １）連続鋳造工程におけるワイヤの切断は、ダイス内で
形成される化合物が抵抗となってワイヤが切断されやす
くなっていることによって起こること。 ２）連続鋳造されたワイヤの品質が低下するのは、前記
ダイス内で形成される化合物がワイヤ表面に付着してい
ることによること。 ３）前記ダイス内で形成される化合物によって、冷却効
率が低下して内部欠陥が生じ、これが合金の特性にも影
響を及ぼしていること。 ４）ダイス内で形成される化合物は、合金の構成成分で
あるＡｌ、Ｓｎ、Ｔｉ、Ｓｉ、Ｃｒ等の酸化しやすい元
素がダイス成分と化合して形成されること。
【０００７】このような知見に基づいて、本発明者等
は、連続鋳造性に悪影響を及ぼし鋳造品質を低下させて
いる要因であるＡｌ、Ｓｎ、Ｔｉ、Ｓｉ、Ｃｒ等の酸化
しやすい元素を合金成分として添加しないことにより、
連続鋳造性、鋳造品の鋳肌及び部分的特性の変化のない
合金を製造することが可能であることを見出し、本件発
明を完成させたものである。
は、連続鋳造性に悪影響を及ぼし鋳造品質を低下させて
いる要因であるＡｌ、Ｓｎ、Ｔｉ、Ｓｉ、Ｃｒ等の酸化
しやすい元素を合金成分として添加しないことにより、
連続鋳造性、鋳造品の鋳肌及び部分的特性の変化のない
合金を製造することが可能であることを見出し、本件発
明を完成させたものである。
【０００８】すなわち、本発明は、下記の構成よりな
る。 （１）一般式：ＣｕａＺｎｂＭｎｃ（但し、ａ、ｂ、ｃ
は、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ≦２０、８≦ｃ≦１
５、不可避的元素を含み得る）で示される組成を有する
連続鋳造性に優れたスライドファスナー用銅合金。 （２）色調がＪＩＳ Ｚ ８７２９にて規定される色調
を示すａ＊、ｂ＊が、０＜ａ＊＜２、７＜ｂ＊＜１６で
ある上記（１）記載のスライドファスナー用銅合金。 （３）室温においてα相単相である上記（１）は（２）
記載のスライドファスナー用銅合金。 （４）上記合金が表面に鍍金処理を施してなるものであ
る上記（１）乃至（３）のいずれかに記載のスライドフ
ァスナー用銅合金。 （５）上記（１）乃至（４）記載のスライドファスナー
用銅合金からなる、スライドファスナーの構成部品であ
るエレメント。 （６）上記（１）乃至（４）記載のスライドファスナー
用銅合金からなる、スライドファスナーの構成部品であ
る止具
る。 （１）一般式：ＣｕａＺｎｂＭｎｃ（但し、ａ、ｂ、ｃ
は、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ≦２０、８≦ｃ≦１
５、不可避的元素を含み得る）で示される組成を有する
連続鋳造性に優れたスライドファスナー用銅合金。 （２）色調がＪＩＳ Ｚ ８７２９にて規定される色調
を示すａ＊、ｂ＊が、０＜ａ＊＜２、７＜ｂ＊＜１６で
ある上記（１）記載のスライドファスナー用銅合金。 （３）室温においてα相単相である上記（１）は（２）
記載のスライドファスナー用銅合金。 （４）上記合金が表面に鍍金処理を施してなるものであ
る上記（１）乃至（３）のいずれかに記載のスライドフ
ァスナー用銅合金。 （５）上記（１）乃至（４）記載のスライドファスナー
用銅合金からなる、スライドファスナーの構成部品であ
るエレメント。 （６）上記（１）乃至（４）記載のスライドファスナー
用銅合金からなる、スライドファスナーの構成部品であ
る止具
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスライドファスナ
ー用銅合金について説明する。本発明のスライドファス
ナー用銅合金は、合金組成を下記一般式で示される組成
とすることによって、本発明の目的を達成することがで
きる。 ＣｕａＺｎｂＭｎｃ （１） （但し、ａ、ｂ、ｃは、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ
≦２０、８≦ｃ≦１５、不可避的元素を含み得る）
ー用銅合金について説明する。本発明のスライドファス
ナー用銅合金は、合金組成を下記一般式で示される組成
とすることによって、本発明の目的を達成することがで
きる。 ＣｕａＺｎｂＭｎｃ （１） （但し、ａ、ｂ、ｃは、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ
≦２０、８≦ｃ≦１５、不可避的元素を含み得る）
【００１０】本発明の合金を構成する元素Ｚｎは、固溶
強化により合金の機械的性質及び加工硬化特性を向上さ
せるという効果、溶解鋳造における脱酸効果及び合金の
価格を低下させるという効果がある。Ｚｎの組成割合が
上記で規定する数値範囲より少ないと合金の低価格化が
不十分となり、合金強化が不足すると共に溶湯が酸化し
易くなって酸化物の発生が増え、鋳造性が悪くなる。ま
た、上記で規定した数値範囲より多いと結晶構造がα＋
βとなり、冷間加工性が十分に確保できなくなる。Ｚｎ
の割合ｂは、好ましくは１０＜ｂ＜２０、さらに好まし
くは１３＜ｂ＜１７の範囲が適当である。
強化により合金の機械的性質及び加工硬化特性を向上さ
せるという効果、溶解鋳造における脱酸効果及び合金の
価格を低下させるという効果がある。Ｚｎの組成割合が
上記で規定する数値範囲より少ないと合金の低価格化が
不十分となり、合金強化が不足すると共に溶湯が酸化し
易くなって酸化物の発生が増え、鋳造性が悪くなる。ま
た、上記で規定した数値範囲より多いと結晶構造がα＋
βとなり、冷間加工性が十分に確保できなくなる。Ｚｎ
の割合ｂは、好ましくは１０＜ｂ＜２０、さらに好まし
くは１３＜ｂ＜１７の範囲が適当である。
【００１１】本発明の合金を構成する元素Ｍｎは、固溶
強化により合金の機械的特性を向上させるという効果と
ともに合金の価格を低下させるという効果がある。ま
た、このＭｎをＺｎの代わりに添加することにより、耐
時季割れ性を向上させる効果と、銅合金の色調が黄色く
なり過ぎることを抑える効果がある。また、融点を下げ
る効果があり、鋳造性を向上させるとともに溶湯からの
亜鉛の蒸発を抑える働きがある。Ｍｎの組成割合が上記
で規定する数値範囲より少ないと色調が黄色くなってし
まい、逆に上記数値範囲より多いと溶解鋳造において酸
化物の発生が増えて鋳造性が悪くなり、また、結晶構造
がα+βとなり、冷間加工性が十分に確保できなくなる
とともに鋳造性が悪くなる。Ｍｎの割合ｃは、好ましく
は８＜ｃ＜１４、さらに好ましくは８＜ｃ＜１２の範囲
が適当である。
強化により合金の機械的特性を向上させるという効果と
ともに合金の価格を低下させるという効果がある。ま
た、このＭｎをＺｎの代わりに添加することにより、耐
時季割れ性を向上させる効果と、銅合金の色調が黄色く
なり過ぎることを抑える効果がある。また、融点を下げ
る効果があり、鋳造性を向上させるとともに溶湯からの
亜鉛の蒸発を抑える働きがある。Ｍｎの組成割合が上記
で規定する数値範囲より少ないと色調が黄色くなってし
まい、逆に上記数値範囲より多いと溶解鋳造において酸
化物の発生が増えて鋳造性が悪くなり、また、結晶構造
がα+βとなり、冷間加工性が十分に確保できなくなる
とともに鋳造性が悪くなる。Ｍｎの割合ｃは、好ましく
は８＜ｃ＜１４、さらに好ましくは８＜ｃ＜１２の範囲
が適当である。
【００１２】また、本発明においては、連続鋳造性に悪
影響を及ぼし鋳造品質を低下させている要因であるＡ
ｌ、Ｓｎ、Ｔｉ、Ｓｉ、Ｃｒ等の酸化しやすい元素を添
加しないことが重要である。
影響を及ぼし鋳造品質を低下させている要因であるＡ
ｌ、Ｓｎ、Ｔｉ、Ｓｉ、Ｃｒ等の酸化しやすい元素を添
加しないことが重要である。
【００１３】本発明の合金は、ＪＩＳ Ｚ ８７２９に
て規定するＬ*値、ａ*値、ｂ*値表色系色度図に基づい
て、0＜ａ*＜2、7＜ｂ*＜16の範囲内にある。なお、本
明細書でいう色調とは、ＪＩＳ Ｚ ８７２９に規定さ
れる物体色の表示方法で表現した明度指数Ｌ*（明度：
エルスター）及びクロマティクス指数ａ*（緑味〜赤
味：エースター）、ｂ*（青味〜黄味：ビースター）の
値で示される。
て規定するＬ*値、ａ*値、ｂ*値表色系色度図に基づい
て、0＜ａ*＜2、7＜ｂ*＜16の範囲内にある。なお、本
明細書でいう色調とは、ＪＩＳ Ｚ ８７２９に規定さ
れる物体色の表示方法で表現した明度指数Ｌ*（明度：
エルスター）及びクロマティクス指数ａ*（緑味〜赤
味：エースター）、ｂ*（青味〜黄味：ビースター）の
値で示される。
【００１４】また、本発明の合金の組織をα相単相から
なるものとすることにより、冷間加工性により優れた合
金を提供することができる。さらに、上記合金の表面に
鍍金処理を施すことにより、耐食性及び合金の耐変色性
に優れた合金を提供することができる。
なるものとすることにより、冷間加工性により優れた合
金を提供することができる。さらに、上記合金の表面に
鍍金処理を施すことにより、耐食性及び合金の耐変色性
に優れた合金を提供することができる。
【００１５】以下、本発明の合金の使用用途であるスラ
イドファスナーを図面に基づき具体的に説明する。図１
は、スライドファスナーの概念図であり、図１に示すよ
うにスライドファスナーは、一側端側に芯部２が形成さ
れた一対のファスナーテープ１とファスナーテープ１の
芯部２に所定の間隔をおいてかしめ固定（装着）された
エレメント３と、エレメント３の上端及び下端でファス
ナーテープ１の芯部２にかしめ固定された上止具４及び
下止具５と、対向する一対のエレメント３間に配され、
エレメント３の噛合及び開離を行うための上下方向に摺
動自在なスライダー６とからなる。なお、上記におい
て、ファスナーテープ１の芯部２にエレメント３が装着
されたものがスライドファスナーチェーン７である。
イドファスナーを図面に基づき具体的に説明する。図１
は、スライドファスナーの概念図であり、図１に示すよ
うにスライドファスナーは、一側端側に芯部２が形成さ
れた一対のファスナーテープ１とファスナーテープ１の
芯部２に所定の間隔をおいてかしめ固定（装着）された
エレメント３と、エレメント３の上端及び下端でファス
ナーテープ１の芯部２にかしめ固定された上止具４及び
下止具５と、対向する一対のエレメント３間に配され、
エレメント３の噛合及び開離を行うための上下方向に摺
動自在なスライダー６とからなる。なお、上記におい
て、ファスナーテープ１の芯部２にエレメント３が装着
されたものがスライドファスナーチェーン７である。
【００１６】また、図１に示すスライダー６は、図示さ
れていないが断面矩形状の板状体からなる長尺体を多段
階にてプレス加工を施し、所定間隔ごとに切断し、スラ
イダー胴体を作製し、さらに必要に応じてスプリング及
び引手を装着したものである。さらに、引手も断面矩形
状の板状体から、所定形状ごとに打ち抜き、これをスラ
イダー胴体にかしめ固定したものである。なお、下止具
５は、蝶棒、箱棒、箱体からなる開離嵌挿具とし、スラ
イダーの開離操作にて一対のスライドファスナーチェー
ンを分離できるようにしたものであっても構わない。
れていないが断面矩形状の板状体からなる長尺体を多段
階にてプレス加工を施し、所定間隔ごとに切断し、スラ
イダー胴体を作製し、さらに必要に応じてスプリング及
び引手を装着したものである。さらに、引手も断面矩形
状の板状体から、所定形状ごとに打ち抜き、これをスラ
イダー胴体にかしめ固定したものである。なお、下止具
５は、蝶棒、箱棒、箱体からなる開離嵌挿具とし、スラ
イダーの開離操作にて一対のスライドファスナーチェー
ンを分離できるようにしたものであっても構わない。
【００１７】図２は、図１に示されるスライドファスナ
ーのエレメント３、上止具４及び下止具５の製造方法及
びファスナーテープ１の芯部２への取付けの仕方を示す
図面である。図に示すようにエレメント３は、断面略Ｙ
字状からなる異形線８を所定寸法ごとに切断し、これを
プレス成形することにより、係合頭部９を形成し、その
後、ファスナーテープ１の芯部２へ両脚部１０をかしめ
ることにより、装着される。
ーのエレメント３、上止具４及び下止具５の製造方法及
びファスナーテープ１の芯部２への取付けの仕方を示す
図面である。図に示すようにエレメント３は、断面略Ｙ
字状からなる異形線８を所定寸法ごとに切断し、これを
プレス成形することにより、係合頭部９を形成し、その
後、ファスナーテープ１の芯部２へ両脚部１０をかしめ
ることにより、装着される。
【００１８】上止具４は、断面矩形状の矩形線１１（平
角線）を所定寸法ごとに切断し、曲げ加工により略断面
コ字状に成形し、その後、ファスナーテープ１の芯部２
へかしめることにより、装着される。下止具５は、断面
略Ｘ字状からなる異形線１２を所定寸法ごとに切断し、
その後、ファスナーテープ１の芯部２へかしめることに
より、装着される。
角線）を所定寸法ごとに切断し、曲げ加工により略断面
コ字状に成形し、その後、ファスナーテープ１の芯部２
へかしめることにより、装着される。下止具５は、断面
略Ｘ字状からなる異形線１２を所定寸法ごとに切断し、
その後、ファスナーテープ１の芯部２へかしめることに
より、装着される。
【００１９】なお、図においては、エレメント３、上下
止具４、５が、同時にファスナーテープ１に装着される
ようになっているが、実際は、ファスナーテープ１に連
続的にエレメント３を取付け、まずファスナーチェーン
を作製し、ファスナーチェーンの止具取付け領域のエレ
メント３を取り外し、この領域のエレメント３に近接し
て所定の止具４又は５を装着するものである。以上のよ
うにして製造及び取付けを行うため、スライドファスナ
ーの構成部材となるエレメント、止具は、冷間加工性に
優れた合金とする必要性がある。
止具４、５が、同時にファスナーテープ１に装着される
ようになっているが、実際は、ファスナーテープ１に連
続的にエレメント３を取付け、まずファスナーチェーン
を作製し、ファスナーチェーンの止具取付け領域のエレ
メント３を取り外し、この領域のエレメント３に近接し
て所定の止具４又は５を装着するものである。以上のよ
うにして製造及び取付けを行うため、スライドファスナ
ーの構成部材となるエレメント、止具は、冷間加工性に
優れた合金とする必要性がある。
【００２０】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるもので
はない。
明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるもので
はない。
【００２１】［実施例］原材料として、純Ｃｕ（９９．
９９％）、純Ｚｎ（９９．９％）、純Ｍｎ（９９．９
％）を使用して、成分組成がＣｕ75Ｚｎ15Ｍｎ10（質量
％）となるようにし、これを連続鋳造装置内で溶解し、
これをφ８ｍｍのカーボン製ダイスを介して連続ワイヤ
を作製した。
９９％）、純Ｚｎ（９９．９％）、純Ｍｎ（９９．９
％）を使用して、成分組成がＣｕ75Ｚｎ15Ｍｎ10（質量
％）となるようにし、これを連続鋳造装置内で溶解し、
これをφ８ｍｍのカーボン製ダイスを介して連続ワイヤ
を作製した。
【００２２】［比較例］成分組成がＣｕ83Ｚｎ4Ｍｎ12
Ａｌ1（質量％）となるようにしたことを除いては、実
施例と同様にして連続ワイヤを作製した。
Ａｌ1（質量％）となるようにしたことを除いては、実
施例と同様にして連続ワイヤを作製した。
【００２３】上記実施例及び比較例によって得られた連
続ワイヤについて、連続鋳造性、表面状態等について評
価した。
続ワイヤについて、連続鋳造性、表面状態等について評
価した。
【００２４】連続鋳造性については、上記連続鋳造装置
にて実際に数回の連続鋳造を行うことにより評価を行っ
た。比較例の合金はワイヤ重量が１００〜１５０ｋｇの
間でワイヤが切断され、実施例の合金は３００〜５００
ｋｇの間でワイヤが切断された。本発明の実施例の合金
は比較例に比べ２倍から５倍連続鋳造性優れていること
が分かった。
にて実際に数回の連続鋳造を行うことにより評価を行っ
た。比較例の合金はワイヤ重量が１００〜１５０ｋｇの
間でワイヤが切断され、実施例の合金は３００〜５００
ｋｇの間でワイヤが切断された。本発明の実施例の合金
は比較例に比べ２倍から５倍連続鋳造性優れていること
が分かった。
【００２５】また、作製されたワイヤについて、その表
面観察を行ったところ、比較例の連続ワイヤではいくつ
かのワイヤについては切断された手前の部分が黒色化し
た部分が存在していたが、実施例のワイヤにおいては、
比較例にみられる黒色化した部分は存在しなかった。
黒色化した部分について分析したところ、ダイスのカー
ボンとＡｌとの化合物であることが分かった。上記黒色
化した部分のワイヤをその部分で切断し、その断面につ
いて表面観察を行ったところ、巣などの内部欠陥が見ら
れた。また、本発明の連続ワイヤについて、組織観察を
行った結果、組織構造がα相単相であることが分かっ
た。
面観察を行ったところ、比較例の連続ワイヤではいくつ
かのワイヤについては切断された手前の部分が黒色化し
た部分が存在していたが、実施例のワイヤにおいては、
比較例にみられる黒色化した部分は存在しなかった。
黒色化した部分について分析したところ、ダイスのカー
ボンとＡｌとの化合物であることが分かった。上記黒色
化した部分のワイヤをその部分で切断し、その断面につ
いて表面観察を行ったところ、巣などの内部欠陥が見ら
れた。また、本発明の連続ワイヤについて、組織観察を
行った結果、組織構造がα相単相であることが分かっ
た。
【００２６】実施例の連続ワイヤに伸線処理及び圧延処
理を施して、図2に示される断面略Ｙ字状及び断面略Ｘ
字状及び断面略Ｙ字状の連続異形線並びに矩形線を製造
した。次に、得られた連続異形線並びに矩形線に各種冷
間加工を施して各種構成部材を得て、これをファスナー
テープに装着してスライドファスナーを製造した。製造
したスライドファスナーは、ニッケルを含まないためニ
ッケルアレルギーがないとともに外観は洋白をもとに作
製したスライドファスナーと同様に白色性に優れた上記
ＪＩＳ Ｚ ８７２９にて規定するａ*値、ｂ*値の範囲
以内のものであった。また、スライドファスナーの製造
においては、冷間加工が行いやすく、加工面での問題も
なかった。
理を施して、図2に示される断面略Ｙ字状及び断面略Ｘ
字状及び断面略Ｙ字状の連続異形線並びに矩形線を製造
した。次に、得られた連続異形線並びに矩形線に各種冷
間加工を施して各種構成部材を得て、これをファスナー
テープに装着してスライドファスナーを製造した。製造
したスライドファスナーは、ニッケルを含まないためニ
ッケルアレルギーがないとともに外観は洋白をもとに作
製したスライドファスナーと同様に白色性に優れた上記
ＪＩＳ Ｚ ８７２９にて規定するａ*値、ｂ*値の範囲
以内のものであった。また、スライドファスナーの製造
においては、冷間加工が行いやすく、加工面での問題も
なかった。
【００２７】さらに、上記スライドファスナーの製造に
おいて、連続異形線並びに矩形線を製造した後、電解鍍
金によりＣｕ−Ｓｎ合金鍍金を施し、ファスナーテープ
装着後、無電解鍍金によりＳｎ鍍金を施し、上記と同様
にスライドファスナーを製造した。得られたスライドフ
ァスナーは、ニッケルアレルギー、白色度及び加工性に
ついては上記と同様に良好であり、耐食性並びに耐変色
性について調べてみたところ、鍍金処理を行っていない
上記スライドファスナーに比べ鍍金処理による効果がよ
り顕著に表れた。
おいて、連続異形線並びに矩形線を製造した後、電解鍍
金によりＣｕ−Ｓｎ合金鍍金を施し、ファスナーテープ
装着後、無電解鍍金によりＳｎ鍍金を施し、上記と同様
にスライドファスナーを製造した。得られたスライドフ
ァスナーは、ニッケルアレルギー、白色度及び加工性に
ついては上記と同様に良好であり、耐食性並びに耐変色
性について調べてみたところ、鍍金処理を行っていない
上記スライドファスナーに比べ鍍金処理による効果がよ
り顕著に表れた。
【００２８】
【発明の効果】本発明によれば、白色性に優れ、ニッケ
ルを含まないためにニッケルアレルギー問題もなく、ま
た、連続鋳造性及び鋳造品質に優れたスライドファスナ
ー用銅合金を提供することができる。
ルを含まないためにニッケルアレルギー問題もなく、ま
た、連続鋳造性及び鋳造品質に優れたスライドファスナ
ー用銅合金を提供することができる。
【図１】スライドファスナーの概念図である。
【図２】ファスナーテープに下止具、上止具及びエレメ
ントを取り付ける仕方を説明する図である。
ントを取り付ける仕方を説明する図である。
１ ファスナーテープ
２ 芯部
３ エレメント
４ 上止具
５ 下止具
６ スライダー
７ スライドファスナーチェーン
８ 異形線
９ 係合頭部
１０ 両脚部
１１ 矩形線
１２ 異形線
Claims (6)
- 【請求項1】一般式：ＣｕａＺｎｂＭｎｃ（但し、ａ、
ｂ、ｃは、質量％で、ａは残部、１０≦ｂ≦２０、８≦
ｃ≦１５、不可避的元素を含み得る）で示される組成を
有することを特徴とする連続鋳造性に優れたスライドフ
ァスナー用銅合金。 - 【請求項２】色調がＪＩＳ Ｚ ８７２９にて規定され
る色調を示すａ*、ｂ*が、０＜ａ*＜２、７＜ｂ*＜１６
であることを特徴とする請求項１記載のスライドファス
ナー用銅合金。 - 【請求項３】室温においてα相単相であることを特徴と
する請求項１又は２記載のスライドファスナー用銅合
金。 - 【請求項４】表面に鍍金処理を施されていることを特徴
とする請求項１乃至３のいずれかに記載のスライドファ
スナー用銅合金。 - 【請求項５】 請求項１乃至４のいずれかに記載のスラ
イドファスナー用銅合金からなる、スライドファスナー
の構成部品であるエレメント。 - 【請求項６】 請求項１乃至４のいずれかに記載のスラ
イドファスナー用銅合金からなる、スライドファスナー
の構成部品である止具。
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|---|---|---|---|
| JP2001381142A JP3713233B2 (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 連続鋳造性に優れたスライドファスナー用銅合金 |
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|---|---|
| JP2003183750A true JP2003183750A (ja) | 2003-07-03 |
| JP3713233B2 JP3713233B2 (ja) | 2005-11-09 |
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| CN105686229B (zh) * | 2015-10-21 | 2018-09-18 | 福建省创越拉链科技有限公司 | 一种锌合金拉链 |
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| US2245335A (en) * | 1935-11-27 | 1941-06-10 | Frey Sim | Method of producing colored zipfastener elements |
| US2185809A (en) * | 1939-02-17 | 1940-01-02 | Bridgeport Rolling Mills Compa | Alloy |
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- 2001-12-14 JP JP2001381142A patent/JP3713233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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2002
- 2002-10-30 US US10/283,226 patent/US20030110601A1/en not_active Abandoned
- 2002-10-31 ES ES02024279T patent/ES2296866T3/es not_active Expired - Lifetime
- 2002-10-31 DE DE60224159T patent/DE60224159T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2002-10-31 EP EP02024279A patent/EP1319728B1/en not_active Expired - Lifetime
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