JP2003183564A - 塗料用及び/又はインキ用配合組成物 - Google Patents

塗料用及び/又はインキ用配合組成物

Info

Publication number
JP2003183564A
JP2003183564A JP2001386514A JP2001386514A JP2003183564A JP 2003183564 A JP2003183564 A JP 2003183564A JP 2001386514 A JP2001386514 A JP 2001386514A JP 2001386514 A JP2001386514 A JP 2001386514A JP 2003183564 A JP2003183564 A JP 2003183564A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
composition
modified
copolymer
unsaturated carboxylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001386514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3908029B2 (ja
Inventor
Takeshi Amari
武司 甘利
Yoshiyuki Iwase
慶幸 岩瀬
Yoshikazu Kutsuwa
義和 轡
Koichi Nishijima
孝一 西嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd filed Critical Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
Priority to JP2001386514A priority Critical patent/JP3908029B2/ja
Publication of JP2003183564A publication Critical patent/JP2003183564A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3908029B2 publication Critical patent/JP3908029B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のエチレン共重合体及びその変性体
をビヒクルとする、流動性、顔料との濡れ性、乾燥性等
が優れ、基材に対する密着性、柔軟性に優れた塗膜を形
成する塗料及びインキを提供する。 【解決手段】 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又
はその金属塩とエチレン・不飽和カルボン酸エステル共
重合体を不飽和カルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸
及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステルから選ばれる酸
で変性した変性体との混合成分及び植物油、あるいはこ
れらエチレン重合体成分を植物油で変性した植物油変性
エチレン共重合体成分及び植物油を配合した塗料用及び
/又はインキ用配合組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料やインキのビ
ヒクルとして好適であるエチレン共重合体及びその変性
体の用途に関する。さらに詳しくは、塗料やインキのビ
ヒクルとして配合した場合、流動性、顔料との濡れ性、
乾燥性が優れ、基材に対する密着性、柔軟性に優れた塗
膜を形成する塗料やインキに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に植物油ベースの油性塗料及びイン
キは、硬化ロジン、エステルガム、フェノール樹脂、マ
レイン酸樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂(フタル酸樹
脂を含む)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリウレタン樹脂などのような天然樹脂、合成樹
脂及びそれらの変性合成樹脂などを単独で、又は(半)
乾性油と高温で加熱縮合させたものをビヒクルとして使
用し、これに乾燥促進剤を加え、石油系溶剤で希釈して
調製されている。とくにアルキッド樹脂と乾性油や半乾
性油などから調製されるものは油変性アルキッド樹脂と
して知られており、これをビヒクルとする塗料は、建築
物、橋梁、船舶、車両、航空機などの塗装に広く使用さ
れている。例えば亜麻仁油変性フタル酸樹脂をビヒクル
とする塗料は、硬さ、密着性、光沢などが優れており、
鉄骨構造物用の調合ペイントや鉄骨下塗り用の錆び止め
ペイントとして使用されている。
【0003】ところでこのような目的に使用される塗料
としては、塗装作業に関わる流動性、顔料との濡れ性、
乾燥性、基材に対する密着性、塗膜の柔軟性などが優れ
ることが求められているが、従来使用されてきた油変性
フタル酸樹脂をビヒクルとする塗料は、これらの点にお
いて、とくに基材に対する密着性、柔軟性及び乾燥性に
おいて充分満足すべきものとはいえなかった。インキに
ついても、顔料との濡れ性、乾燥性、基材に対する密着
性、柔軟性において充分満足すべきものとは言えなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこのた
め、従来汎用の油性塗料における一層の性能向上を目指
し、ビヒクルとして使用する油変性樹脂における樹脂の
種類を変更させることによってその解決を図るべく検討
を行った。その結果、(半)乾性油等に相溶しにくく、
したがって塗料用配合樹脂として好ましくないと思わ
れ、過去に使用されていなかった不飽和カルボン酸基及
び/又は不飽和カルボン酸エステル基を有する単量体と
エチレンの共重合体又はその金属塩を相溶させる方法を
見出し、塗料及びインキの添加剤として配合することに
より、数々の優れた特性を見出すに至った。
【0005】したがって本発明の目的は、油性塗料及び
インキに特定のエチレン共重合体成分を配合することに
より、優れた特性を発揮できるように改善された性質を
有する塗料及びインキを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、エチ
レンと不飽和カルボン酸、その金属塩及びそのエステル
から選ばれる少なくとも1種の単量体との共重合体ある
いはその変性体からなるエチレン共重合体成分(A)を
配合することを特徴とする塗料用及び/又はインキ用配
合組成物及びそれを用いた塗料及び/又はインキに関す
る。エチレン共重合体成分(A)としては、とくにエチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体又はその金属塩(C)
とエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を不飽
和カルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸及び不飽和ジ
カルボン酸ハーフエステルから選ばれる酸で変性した変
性体(B)の混合成分であることが好ましい。このよう
な塗料用及び/又はインキ用配合組成物は、好ましくは
植物油をビヒクルとして含有する。
【0007】本発明はまた、エチレン・不飽和カルボン
酸共重合体又はその金属塩(C)及び/又はエチレン・
不飽和カルボン酸エステル共重合体を不飽和カルボン酸
無水物、不飽和ジカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸ハ
ーフエステルから選ばれる酸で変性した変性体(B)を
植物油(D)で変性した植物油変性エチレン共重合体成
分を配合することを特徴とする塗料用及び/又はインキ
用配合組成物及びそれを用いた塗料又はインキに関す
る。このような塗料およびインキにおいても、別途、植
物油をビヒクルとして含むものであってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の塗料用及び/又はインキ
用配合組成物においては、エチレンと不飽和カルボン
酸、その金属塩及びそのエステルから選ばれる少なくと
も1種の単量体との共重合体あるいはその変性体からな
るエチレン共重合体成分(A)が配合される。このよう
なエチレン共重合体成分(A)として具体的には、エチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体(エチレンと不飽和カ
ルボン酸の2元共重合体やエチレンと不飽和カルボン酸
と不飽和カルボン酸エステルの3元共重合体)又はその
金属塩であるアイオノマー(C)、エチレン・不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体、これらの酸変性体などを挙
げることができる。
【0009】上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを挙げること
ができる。これらの中では、アクリル酸又はメタクリル
酸の使用が最も好ましい。
【0010】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とし
ては、上述のように不飽和カルボン酸エステルを共重合
成分とする3元共重合体であってもよい。前記不飽和カ
ルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどを例示する
ことができる。これらの中では、アクリル酸またはメタ
クリル酸のエステルを使用するのが好ましい。エチレン
・不飽和カルボン酸共重合体としてはまた、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸
化炭素、二酸化硫黄などの他の単量体が共重合されたも
のであってもよい。
【0011】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体にお
ける重合組成としては、好ましくはエチレン含量が50
〜98重量%、とくに60〜95重量%、不飽和カルボ
ン酸含量が2〜30重量%、とくに5〜25重量%、不
飽和カルボン酸エステル及びその他の単量体が0〜30
重量%、とくに0〜20重量%の範囲である。該共重合
体におけるエチレン含量があまりに少なくなると、塗料
に使用したときの流動性、塗膜の乾燥性、耐水性などが
損なわれるようになる一方で、その含量があまりに多く
なりすぎると、顔料との親和性、植物油との相溶性、塗
膜の密着性などが損なわれるようになる。上記共重合体
における不飽和カルボン酸成分は、塗料の流動性、顔料
との親和性、植物油との相溶性、塗膜の密着性、乾燥性
などを向上させるのに効果的であるが、あまりその含量
が多くなりすぎると塗膜の耐水性が損なわれるようにな
る。
【0012】このようなエチレン・不飽和カルボン酸共
重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得る
ことができる。
【0013】本発明のエチレン共重合体成分(A)とし
ては、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカル
ボキシル基の一部または全部を金属塩にしたアイオノマ
ーとして使用することができる。アイオノマーを構成す
る金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムな
どの1価金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、
コバルト、マンガン、鉛、鉄などの多価金属などの塩を
例示することができる。とくに塗料用途においては、塗
膜硬化促進効果を有する金属、例えば、カルシウム、亜
鉛、銅、コバルト、マンガン、鉛、鉄などを陽イオンと
するアイオノマーを使用するのが好ましく、カルシウ
ム、亜鉛、コバルト、マンガンを陽イオンとするものが
最も好ましい。このようなアイオノマーを使用すること
により、少量の配合で優れた添加効果を発揮することが
できる。但し、アイオノマーとして中和度があまり高す
ぎるものを使用すると、均一な塗料用及び/又はインキ
用配合組成物を得ることが難しくなるので、中和度が1
〜60モル%、とくに5〜50モル%のものを使用する
のが好ましい。
【0014】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又は
そのアイオノマー(C)としてはまた、190℃、21
60g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜20
00g/10分、とくに0.5〜500g/10分程度
のものを使用するのが好ましい。
【0015】本発明のエチレン共重合体成分(A)とし
ては、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を
使用することもできる。ここに該共重合体中における不
飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオ
クチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸イソブチルのような不飽和カル
ボン酸エステルなどである。このような共重合体は、好
ましくは高温、高圧下のラジカル共重合によって得られ
るものである。上記共重合体においては、不飽和エステ
ル含量が10〜60重量%、とくに20〜50重量%の
ものを使用するのが好ましい。
【0016】本発明におけるエチレン共重合体成分
(A)として、上述したようなエチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体、又はその金属塩であるアイオノマー、エ
チレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各重
合体は、酸変性体として使用することができる。とくに
エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を使用す
る場合には、不飽和カルボン酸無水物、不飽和ジカルボ
ン酸及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステルから選ばれ
る酸で変性して使用することが望ましい。このようなエ
チレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体の酸変性体
(B)は、ベースポリマーであるエチレン・不飽和カル
ボン酸エステル共重合体に不飽和カルボン酸無水物、不
飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸ハーフエステ
ルから選ばれる酸をグラフト重合する方法、あるいはベ
ースポリマーに不飽和ジカルボン酸又はその無水物をグ
ラフトしたのち、ハーフエステル化する方法などによっ
て得ることができる。
【0017】また上記酸変性体のグラフト化剤として使
用することができる不飽和カルボン酸無水物、不飽和ジ
カルボン酸あるいは不飽和ジカルボン酸のハーフエステ
ルとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラ
ヒドロフタル酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水
物、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することがで
きるが、最も安価で変性効果の優れた無水マレイン酸の
使用が最も好ましい。酸変性体は、ベースポリマーであ
る共重合体の溶融条件下、あるいは該共重合体を適当な
溶剤に溶解あるいは懸濁して、有機過酸化物のようなラ
ジカル開始剤を使用し、酸をグラフト重合することによ
って容易に得ることができる。
【0018】例えば上記有機過酸化物としては、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチル
パーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサ
イド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオ
キシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、p−メ
ンタンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、
1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼンなどを使用することができる。これら有機
過酸化物は、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重
合体に対して、0.1〜2重量%程度の割合で使用され
る。
【0019】酸変性体(B)におけるこれら変性剤の酸
のグラフト量としては、酸の種類によっても異なるが、
0.1〜5重量%、とくに0.5〜3重量%程度のもの
がよい。酸変性体(B)としてはまた、190℃、21
60g荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜2
000g/10分、とくに0.5〜500g/10分程
度のものを使用するのが好ましい。
【0020】上記したエチレン・不飽和カルボン酸共重
合体又はそのアイオノマー(C)及びエチレン・不飽和
カルボン酸エステル共重合体の酸変性体(B)はそれぞ
れ単独で使用するよりもこれらを併用するか、あるいは
それぞれを植物油で変性して使用することが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノ
マー(C)及びエチレン・不飽和カルボン酸エステル共
重合体の酸変性体(B)を併用する場合には、重量比で
(C)/(B)が5/95〜95/5、好ましくは10
/90〜40/60、とくに好ましくは10/90〜3
0/70の範囲である。これら(C)及び(B)を併用
する場合においては、塗料用及び/又はインキ用配合組
成物を形成する材料に別々に添加することできるし、あ
るいは予めドライブレンドして配合することができる
が、とくに両者をメルトブレンドしてから配合すること
が好ましい。このメルトブレンドにおいてはまた、有機
過酸化物を共存させることにより、動的な架橋を伴いな
がらメルトブレンドすることもできる。このような有機
過酸化物としては、上記例示のようなものを使用するこ
とができる。またその使用量は(B)及び(C)の両者
に対し、一般には0.1〜2重量%の割合とするのがよ
い。(B)及び(C)をメルトブレンドして使用するこ
とにより、両者を塗料又はインキ中に、より一層均一に
分散させることができるので、これらの添加効果を一層
顕著に発揮させることができる。
【0021】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又は
そのアイオノマー(C)及び/又はエチレン・不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体の酸変性体(B)を植物油
(D)で変性するには、(C)及び/又は(B)の溶融
条件下、有機過酸化物を作用させて架橋変性する方法が
採用される。例えば、(C)及び/又は(B)と(D)
の合計量基準で、前記したような有機過酸化物を0.0
1〜2重量%程度、好ましくは0.1〜1重量%程度使
用し、180〜300℃程度の温度で攪拌又は混練する
ことによって植物油変性エチレン共重合体を得ることが
できる。(C)及び/又は(B)と(D)の使用比率
は、[(C)+(B)]/(D)(重量比)で2/98
〜98/2、好ましくは5/95〜90/10、とくに
好ましくは5/95〜30/70の範囲である。
【0022】本発明の塗料用及び/又はインキ用配合組
成物においては、ビヒクルとして、好ましくは植物油が
併用される。ビヒクルとして使用可能な植物油あるいは
上記植物油変性エチレン共重合体の原料に使用可能な植
物油としては、亜麻仁油、エノ油、桐油、大豆油、サフ
ラワー油、ひまし油、くるみ油、麻の実油、綿実油、ト
ール油、やし油などの天然油を例示することができる。
これら天然油には、塗料やインキの硬化に関与する有効
成分として不飽和脂肪酸のエステル、例えば9−ヘキサ
デセノイック酸、9−オクタデセノイック酸、9,12
−オクタデカディエノイック酸、9,12,15−オク
タデカトリエノイック酸、9,11,13−オクタデカ
トリエノイック酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデセ
ノイック酸、4−オキソー9,11,13−オクタデカ
トリエノイック酸などの不飽和脂肪酸のエステルが1種
又は2種以上含まれている。
【0023】植物油としてはまた、これら天然油を熱処
理、異性化、脱水、マレイン化、重合、共重合、再エス
テル化、エポキシ化、溶媒分離などの処理を施した変性
油などを使用することもできる。このような変性油の例
としては、亜麻仁油、大豆油などの異性化、マレイン
化、エポキシ化、スチレンとの共重合、ひまし油の脱
水、亜麻仁油の触媒処理、再エステル化、シクロペンタ
ジエンとの共重合などで得られる変性油を例示すること
ができる。また植物油としては、食用油の廃油も使用す
ることができる。
【0024】本発明の塗料用及び/又はインキ用配合組
成物において、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又
はそのアイオノマー(C)及び/又はエチレン・不飽和
カルボン酸エステル共重合体の酸変性体(B)と植物油
(D)を併用する場合には、[(B)+(C)]/
(D)が重量比で5/95〜30/70、とくに10/
90〜20/80と範囲となるような割合とするのが好
ましい。またエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又は
そのアイオノマー(C)及び/又はエチレン・不飽和カ
ルボン酸エステル共重合体の酸変性体(B)を植物油
(D)で変性した植物油変性エチレン共重合体と植物油
(D)を併用する場合には、(B)+(C)の合計量に
対する植物油変性エチレン共重合体中の植物油(D)成
分と別途加える植物油(D)の合計量の比が、重量比で
5/95〜30/70、とくに10/90〜20/80
と範囲となるような割合とするのが好ましい。
【0025】本発明の塗料用及び/又はインキ用配合組
成物においては、上記のようなエチレン共重合体成分
(A)及び/又は植物油変性エチレン共重合体成分、必
要に応じ植物油(D)が配合される。これに加えて、希
釈剤、顔料、その他ビヒクル、可塑剤、乾燥促進剤、皮
張り防止剤、色別れ防止剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、
増粘剤、たれ防止剤、沈降防止剤、安定剤、紫外線吸収
剤、艶消し剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、難燃剤な
どのその他添加剤から選ばれる少なくとも1種を配合す
ることができる。
【0026】希釈剤としては、トルエン、キシレン、ヘ
キサン、ヘプタン、ミネラルスピリット、ソルベントナ
フサ、テトラリン、軽油、灯油、スピンドル油のような
炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、イソブチルアルコール、nブタノール、sec
−ブタノール、t−ブタノール、メチルイソブチルカル
ビノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールの
ようなアルコール系溶剤、セロソルブ、メチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジオキサンなどのエーテルアル
コール又はエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イ
ソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブのような
エステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤、メチレンク
ロライド、トリクレン、パークロルエチレン、2−ニト
ロプロパンのような塩素化あるいはニトロ化炭化水素溶
剤、テルペン系溶剤などを例示することができる。
【0027】顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、アン
チモン白、塩基性硫酸鉛、鉛白、リトポン、カーボンブ
ラック、黒鉛、鉄黒、弁柄、モリブデンオレンジ、酸化
鉄黄、黄鉛、クロム黄、チタン黄、クロムグリーン、コ
バルトグリーン、群青、紺青、マンガンバイオレット、
各種ピグメントレッド、各種ピグメントイエロー、フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニングリーンのような着
色顔料、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、
沈降性炭酸マグネシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイ
トカーボンのような体質顔料、ジンククロメート、リン
酸亜鉛、リン酸アルミニウムなどの防食顔料などを例示
することができる。
【0028】その他ビヒクルとして、ロジン、ロジン変
性マレイン酸樹脂等の天然樹脂、マレイン酸樹脂、アル
キッド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオ
レフィン、石油樹脂などの合成樹脂を挙げることができ
る。
【0029】可塑剤としては、各種のフタル酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、アジピン酸エステル、セ
バシン酸エステルなどのエステル系可塑剤、リン酸トリ
クレジルのようなリン酸系可塑剤、エポキシ誘導体など
を挙げることができる。
【0030】乾燥促進剤としては、コバルト、マンガ
ン、鉛、ジルコニウムなどの酸化物やカルボン酸塩、有
機過酸化物が一般的であり、とくにこれら金属のナフテ
ン酸塩が好適に使用できる。また皮張り防止剤は、塗料
表面での酸化反応を防止して表面に皮が張るのを防ぐも
ので、例えばオキシム化合物が使用される。色別れ防止
剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤などとしては、各種界面活
性剤を使用することができる。増粘剤、たれ防止剤、沈
降防止剤などとしては、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸亜鉛、有機ベントナイト、ホワイトカーボン
などを使用することができる。さらにつや消し剤として
は、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレンワックス
などを使用することができる。
【0031】難燃剤としては、塩化パラフィン、塩化ジ
フェニル、燐酸アンモニウム、燐酸トリフェニル、炭酸
マグネシウム、珪酸鉛、硼酸鉛、硼酸亜鉛、三酸化アン
チモン、酸化ジルコニウム、硫化アンチモンなどを挙げ
ることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。尚、実施例及び比較例におけるインキ用及び塗
料用配合組成物の調製に使用した原料は、次の通りであ
る。
【0033】[原料] (1)エチレン共重合体 エチレン・アクリル酸共重合体(アクリル酸含量20重
量%、メルトフローレート(MFR)300g/10
分) (2)アイオノマー エチレン・アクリル酸共重合体亜鉛アイオノマー(アク
リル酸含量20重量%、中和度10モル%、MFR30
0g/10分) (3)酸変性体 無水マレイン酸グラフトエチレン・アクリル酸エチル共
重合体(アクリル酸エチル含量35重量%、MFR30
g/10分のエチレン・アクリル酸エチル共重合体に
1.0重量%の無水マレイン酸をグラフトしたもの) (4)油変性エチレン共重合体 亜麻仁油、上記(1)エチレン共重合体及び有機過酸化
物(2,5−ジメチルー2,5−ビス(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシンー3)を重量比60:40:0.5の
割合で混合し、その混合物1.0kgを200℃で1時
間加熱攪拌して調製した均一な亜麻仁油変性エチレン共
重合体
【0034】(5)メルトブレンド物A 上記(1)エチレン共重合体と(3)酸変性体を3:7
の割合でメルトブレンドしたもの (6)メルトブレンド物B 上記(2)アイオノマーと(3)酸変性体を3:7の割
合でメルトブレンドしたもの (7)メルトブレンド物C 上記(1)エチレン共重合体と(3)酸変性体と有機過
酸化物(2,5−ジメチルー2,5−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシンー3)を重量比40:60:1.
0の割合で配合したものを、L/Dが32の65mmφ
単軸押出機を用い、230℃で動的架橋して調製したメ
ルトブレンド物
【0035】 [実施例1] [印刷インキ用ワニス配合組成物] インキ用ワニスの配合組成とその調製方法を以下に示す。。 重量部(仕込み量) 亜麻仁油4号ワニス 70(1050g) ピグメントイエロー 20(300g) 油変性エチレン共重合体 10(150g) 上記に示した所定量の各成分を、190℃で3本ロール
ミルを使用し、練肉後、翼型ミキサー(3L)に移し、
1000rpmで10分間混練してインキ用ワニスを調
製した。このインキ用ワニス配合組成物は均一であり、
ゲル状に近いものであった。硬化したものは高い粘弾性
を示した。
【0036】 [実施例2] [凸版輪転インキ用配合組成物] 活字印刷用インキの配合組成とその調製方法を以下に示す。 重量部(仕込み量) カーボンブラック 15(225g) フタロシアニンブルー(α型) 5(75g) 石油樹脂(軟化点50℃) 15(225g) メルトブレンド物A 30(450g) 亜麻仁油 30(450g) スピンドル油 1号 30(450g) 所定量のカーボンブラック、フタロシアニンブルー、石
油樹脂及び亜麻仁油を加え、バタフライミキサー(5
L)で混合する。次に3本ロールミルに移し、室温にて
練肉し、最後に丸缶(3L)に移し、翼型ミキサーで攪
拌しながらスピンドル油を徐々に添加し、活字印刷用イ
ンキ配合組成物を調製した。インキ配合組成物はムラが
なく均一で、表面は光沢があった。
【0037】 [実施例3] [原色版インキ用配合組成物] 写真集や美術書などの印刷インキ配合は、次の組成で行った。 重量部(仕込み量) カーボンブラック 20(300g) ビクトリアピュアブルー BO レーキ 5(75g) 亜麻仁油変性アルキッド樹脂 18(270g) メルトブレンド物B 10(150g) 亜麻仁油 30(450g) 軽油 3号 10(150g) カルナウパろう 5(75g) ドライヤー 2(30g) 実施例2と同じ装置を用い、所定量のカーボンブラッ
ク、ビクトリアピュアブルー BO レーキ、亜麻仁油
変性アルキッド樹脂、メルトブレンドB及び亜麻仁油を
バタフライミキサーで最初に混合し、次いで3本ロール
ミルに移し、練肉する。練肉途中でカルナウパろうを添
加し、練肉後丸缶に移した。翼型ミキサーで攪拌しなが
ら軽油とドライヤーを添加し、原色版インキ用配合組成
物を調製した。インキ用配合組成物は均一で、亜鉛アイ
オノマーを含有したメルトブレンド物の影響でクイック
セットであった。
【0038】 [実施例4] [ゴム凸版油性インキ配合組成物] 段ボール、重袋などのクラフト紙印刷用油性インキを、次の配合組成で調合し た。 重量部(仕込み量) レーキッドC 5(75g) チタン白 25(375g) ロジン変性フェノール樹脂 15(225g) メルトブレンド物C 7(105g) 亜麻仁油 40(600g) 木ろう 5(75g) ドライヤー 3(45g) 実施例2と同じ装置を用い、所定量のレーキッドC、チ
タン白、ロジン変性フェノール樹脂、メルトブレンドC
及び亜麻仁油を最初にバタフライミキサーで混合し、次
いで3本ロールミルに移し、練肉する。練肉途中で木ろ
うを添加し、練肉後丸缶に移した。翼型ミキサーで攪拌
しながらドライヤーを添加し、油性インキ配合組成物を
調製した。油性インキ配合組成物は均一で、タレもな
く、印刷後の折り曲げに対して、ひび割れ、剥離もなか
った。
【0039】 [実施例5] [枚葉紙用インキ配合組成物] 平版インキで最も薄い膜厚みで印刷されるインキ配合組成物は、以下の通りに 調製した。 重量部(仕込み量) ジスアゾエロー AAMX 25(375g) 亜麻仁油変性アルキド樹脂 20(300g) メルトブレンド物B 10(150g) 亜麻仁油 25(375g) 軽油 特3号 15(225g) 木ろう 4(60g) ドライヤー 1(15g) 実施例2と同じ装置を用い、所定量のジスアゾエロー、
亜麻仁油変性アルキッド樹脂、メルトブレンドB及び亜
麻仁油を最初にバタフライミキサーで混合し、次いで3
本ロールミルに移し、練肉する。練肉途中で木ろうを添
加し、練肉後丸缶に移した。翼型ミキサーで攪拌しなが
ら軽油とドライヤーを添加し、枚葉紙用インキ配合組成
物を調製した。インキ配合組成物は均一で光沢があり、
枚葉紙印刷後の薄膜乾燥もスムースに進行していた。
【0040】[比較例1]実施例1の配合組成中、油変
性エチレン共重合体成分を除いて、3本ロールミルを使
用し、油ワニスインキを調合した。得られたインキ配合
組成物は均一であるが、硬化後、柔軟性は認められなか
った。
【0041】[比較例2]実施例2の配合組成におい
て、メルトブレンド物Aを除いた以外は実施例2を繰り
返した。このインキは実施例2同様、均一であったが、
ビヒクルが石油樹脂と亜麻仁油のみのため柔軟性がなか
った。
【0042】[比較例3]実施例3の配合組成におい
て、メルトブレンド物Bを除いた以外は、実施例3を繰
り返した。実施例3同様に均一系ではあったが、クイッ
クセットに 分の遅延が観測された。実施例3における
亜鉛アイオノマーを含むメルトブレンド物のゲル化(酸
化重合促進)効果が判明した。
【0043】[比較例4]実施例4の配合組成におい
て、メルトブレンド物Cを除いた以外は、実施例4を繰
り返した。配合物は均一であるが、印刷後の折り曲げに
対し、ひび割れと一部基材との接着不良により、剥離が
見られた。
【0044】[比較例5]実施例5のインキ配合組成物
において、メルトブレンド物Bを除いた以外は、実施例
5を繰り返した。得られた配合組成物は、実施例5のも
のに比較して柔らかく、印刷後もセットがやや遅かっ
た。この結果、実施例5におけるメルトブレンド物B配
合による増粘効果と乾燥促進が確認できた。
【0045】 [実施例6] [ボイル油配合組成物] 油性塗料のビヒクルのベースであるボイル油調製時における粘度調節のため、 増粘剤としてメルトブレンド物Aを配合した例を示す。 重量部(仕込み量) えの油 40.0(400g) 亜麻仁油 50.6(506g) メルトブレンド物A 5.0(50g) ナフテン酸コバルト 0.1(1g) ナフテン酸カルシウム 0.3(3g) 軽油 3号 4.0(4g) 予め、所定量のえの油、亜麻仁油及びメルトブレンド物
Aを丸缶容器(3L)に入れ、翼型ミキサーで攪拌しな
がら昇温し、250℃になった時点から1時間混合し
た。ペレット状のメルトブレンド物Aはその間に完全に
溶解した。室温まで放冷後、所定量のナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸カルシウム及び軽油を添加混合し、粘稠
で均一なボイル油を得た。
【0046】 [実施例7] [金属塗装用フェノール樹脂ワニス] 金属塗装用塗料における塗膜の柔軟性、接着性改良を行う目的で、メルトブレ ンド物Bを配合した例を示す。 重量部(仕込み量) ロジン変性フェノール樹脂 17.2(172g) メルトブレンド物B 5.0(50g) 桐油 32.5(325g) カーボンブラック 0.3(3g) ナフテン酸コバルト 0.1(1g) ミネラルスピリット 30.4(304g) トルエン 14.5(145g) 3Lニーダーを使用し、所定量のロジン変性フェノール
樹脂、メルトブレンド物B、桐油及びカーボンブラック
を先に仕込み、混練しながらトルエンを徐々に添加し、
最後にナフテン酸コバルトとミネラルスピリットを配合
して均一な金属塗料用塗料を調合した。得られた塗料
は、軟鋼板に30μmの厚みに塗布後、室温にて6時間
乾燥した。その後、塗布して軟鋼板の90度折り曲げを
行ったが、剥離、ひび割れなど観察されなかった。
【0047】 [実施例8] [鉄骨構造物用合成樹脂調合ペイント配合組成物] メルトブレンド物Cを、増粘性及び柔軟性付与の目的で、鉄骨構造物用合成樹 脂調合ペイントに配合した例を示す。 重量部(仕込み量) 亜麻仁油変性フタル酸樹脂ワニス 49.0(490g) メルトブレンド物C 5.0(50g) 亜麻仁ボイル油 1.196(11.96g) 大豆ボイル油 4.0(40g) ミネラルスピリット 2.0(20g) 弁柄 10.0(100g) 炭酸カルシウム 25.0(250g) 皮張り防止剤(メチルエチルケトオキシム) 0.3(3g) 色別れ防止剤(シリコーン油) 0.004(0.04g) 乾燥促進剤 ナフテン酸カルシウム 1.5(15g) ナフテン酸マンガン 1.0(10g) ナフテン酸コバルト 1.0(10g) 乾燥促進剤を最後に配合する以外は、実施例7の操作を
繰り返した。このようにして得た上記組成の調合ペイン
トを鋼板に70μm厚みに塗布した場合、垂れ現象もな
く、10時間後の塗膜は折り曲げに対して柔軟性を示し
た。
【0048】 [実施例9] [鉄骨下塗用錆止めペイント配合組成物] メルトブレンド物Aを、柔軟性と接着性付与の目的で、錆止めペイントとして の鉄骨下塗用塗料に配合した例を示す。 重量部(仕込み量) 大豆油変性フタル酸樹脂ワニス 5.0(50g) メルトブレンド物A 5.0(50g) 亜麻仁ボイル油 25.0(250g) ミネラルスピリット 3.9(39g) 弁柄 8.0(80g) 炭酸カルシウム 51.0(510g) 皮張り防止剤(メチルエチルケトオキシム) 0.2(2g) 乾燥促進剤 ナフテン酸カルシウム 1.3(13g) ナフテン酸マンガン 0.3(3g) ナフテン酸コバルト 0.3(3g) 乾燥促進剤を最後に配合する以外は、実施例7の操作を
繰り返した。このようにして得た上記組成の錆止めペイ
ントを鋼板に70μm厚みに塗布した場合、垂れ現象も
なく、24時間後の塗膜は折り曲げに対して柔軟性を示
した。
【0049】[比較例6]実施例6の配合組成物中で、
メルトブレンド物Aの成分を除いた配合処方で、実施例
6を繰り返した。得られたボイル油は均一であったが、
粘調さが無く、そのままでは、油ワニスのベ−ス材料と
して使用できない状態であった。さらに、高温(300
℃付近)での加熱重合(架橋)時間が必要であった。実施
例6におけるメルトブレンド物Aの増粘効果を確認する
と共に、クッキング時間を効率良く短縮をできることも
確認した。
【0050】[比較例7]実施例7の配合組成物中で、
メルトブレンド物Bをエステルガム(ロジングリセリン
エステル)で置き換える以外は、実施例7の操作を繰り
返した。得られた塗料を、軟鋼板に30μmの厚みで塗
布後、室温にて6時間、自然乾燥した。その後、塗布し
た軟鋼板の90度折り曲げを行った結果、部分的にヒビ
割れが発生した。実施例7におけるメルトブレンドBに
よる塗膜の柔軟性と接着性の改良効果を確認した。
【0051】[比較例8]実施例8の配合組成物中で、
メルトブレンド物Cの成分量を亜麻仁油変性フタル酸樹
脂ワニス追加分に置き換える、すなわち、亜麻仁油変性
フタル酸樹脂ワニスの配合割合を49%から54%にす
る以外は、実施例8の配合で調合を行った。得られた調
合ペイントを鋼板に塗布した際、垂れ気味の現象があ
り、垂れ防止剤(ステアリン酸アルミニウムなど)の添
加が必要であった。また自然乾燥後の塗膜は、折り曲げ
に対し、部分的ヒビ割れを起こした。
【0052】[比較例9]実施例9の配合組成物中で、
メルトブレンド物Aの成分量を大豆油変性フタル酸樹脂
ワニス追加分に置き換える、すなわち、大豆油変性フタ
ル酸樹脂ワニスの配合割合を5%から10%にする以外
は、実施例9の配合で調合を行った。得られた調合ペイ
ントを鋼板に塗布した際、垂れ気味の現象があり、垂れ
防止剤(ステアリン酸アルミニウムなど)の添加がやは
り必要であった。また自然乾燥後の塗膜は、折り曲げに
対し、比較例8同様、部分的ヒビ割れを起こした。
【0053】
【発明の効果】本発明の塗料用及び/又はインキ用配合
用組成物からなる塗料および/又はインキは、流動性、
顔料との濡れ性、乾燥性が優れ、基材に対する密着性、
柔軟性に優れた塗膜ないしはインキ層を形成することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西嶋 孝一 千葉県市原市有秋台東1−1 Fターム(参考) 4J038 BA202 CB061 CB071 CB141 CB161 CG011 CG031 CG071 CG081 CG141 CP021 NA12 NA24 4J039 AD01 AD09 AD10 AD22 AF07 EA12 EA43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと不飽和カルボン酸、その金属
    塩及びそのエステルから選ばれる少なくとも1種の単量
    体との共重合体あるいはその変性体からなるエチレン共
    重合体成分(A)を配合することを特徴とする塗料用及
    び/又はインキ用配合組成物。
  2. 【請求項2】 上記変性体が、エチレン・不飽和カルボ
    ン酸エステル共重合体を不飽和カルボン酸無水物、不飽
    和ジカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル
    から選ばれる酸で変性した変性体(B)である請求項1
    記載の塗料用及び/又はインキ用配合組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン共重合体成分(A)が、エチレ
    ン・不飽和カルボン酸共重合体又はその金属塩(C)と
    エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体を不飽和
    カルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸及び不飽和ジカ
    ルボン酸ハーフエステルから選ばれる酸で変性した変性
    体(B)の混合成分である請求項1又は2記載の塗料用
    及び/又はインキ用配合組成物。
  4. 【請求項4】 上記混合成分が、(C)と(B)のメル
    トブレンド物である請求項3記載の塗料用及び/又はイ
    ンキ用配合組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又
    はその金属塩(C)及び/又はエチレン・不飽和カルボ
    ン酸エステル共重合体を不飽和カルボン酸無水物、不飽
    和ジカルボン酸及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル
    から選ばれる酸で変性した変性体(B)を植物油(D)
    で変性した植物油変性エチレン共重合体成分を配合する
    ことを特徴とする塗料用及び/又はインキ用配合組成
    物。
  6. 【請求項6】 上記植物油変性エチレン共重合体成分
    が、(C)及び/又は(B)2〜98重量部に対して
    (D)が98〜2重量部の割合で変性されたものである
    請求項6記載の塗料用及び/又はインキ用配合組成物。
  7. 【請求項7】 植物油(D)を配合することを特徴とす
    る請求項1〜6記載の塗料用及び/又はインキ用配合組
    成物。
  8. 【請求項8】 (B)、(C)、(D)各成分の割合
    が、重量比で(C)/(B)≦40/60、[(B)+
    (C)]/(D)≦30/70の範囲である請求項5〜
    7記載の塗料用及び/又はインキ用配合組成物。
  9. 【請求項9】 顔料、その他ビヒクル、希釈剤及びその
    他添加剤から選ばれる少なくとも1種が配合されてなる
    請求項1〜8記載の塗料用及び/又はインキ用配合組成
    物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載の配合組成物を含む
    塗料及び/又はインキ。
JP2001386514A 2001-12-19 2001-12-19 塗料用及び/又はインキ用配合組成物 Expired - Fee Related JP3908029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001386514A JP3908029B2 (ja) 2001-12-19 2001-12-19 塗料用及び/又はインキ用配合組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001386514A JP3908029B2 (ja) 2001-12-19 2001-12-19 塗料用及び/又はインキ用配合組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003183564A true JP2003183564A (ja) 2003-07-03
JP3908029B2 JP3908029B2 (ja) 2007-04-25

Family

ID=27595650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001386514A Expired - Fee Related JP3908029B2 (ja) 2001-12-19 2001-12-19 塗料用及び/又はインキ用配合組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3908029B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3908029B2 (ja) 2007-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2930433B2 (ja) 新規な非水系分散液
CN1529718A (zh) 可紫外线固化的非氯化助粘剂
JPH02286724A (ja) ポリオレフィン系樹脂用水性プライマー組成物
JPS61101577A (ja) 水性顔料分散液
US5425997A (en) Fatty acid modified alkyd coatings with improved substrate adhesion
JP2003183564A (ja) 塗料用及び/又はインキ用配合組成物
JP4712421B2 (ja) ビニル変性エポキシエステル樹脂の水分散体の製造方法、及び当該水分散体を用いた水性塗料組成物
JPS63150304A (ja) 紫外線硬化性樹脂
JP5023557B2 (ja) 水性変性ポリオレフィン樹脂組成物
JP4068273B2 (ja) インキ組成物
JPH0441194B2 (ja)
JPS63278973A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP2893755B2 (ja) 塗料またはインキ用添加剤
JP3999434B2 (ja) 再利用可能な常温硬化型水性塗料組成物
JP2001072723A (ja) 変性ポリオレフィン樹脂組成物
JP2002030218A (ja) (半)乾性油組成物及びその用途
JPH0517265B2 (ja)
US5520955A (en) Aqueous spot fillers and their use in processes for the preparation of multi-layer coatings
JP2519989B2 (ja) 電着塗料用組成物
JP2013189593A (ja) 印刷インキ組成物用樹脂、印刷インキ組成物及び印刷インキ組成物用樹脂の製造方法
CN1072706A (zh) 可用水稀释的风干粘合剂的制备方法和它们的应用
JP2003176380A (ja) 重合体組成物およびコーティング材
CN1997716B (zh) 水性涂料用树脂组合物、水性涂料以及水性涂料用树脂组合物的制造方法
CN101035815A (zh) 改性氯化羧基化聚烯烃及其作为增粘剂的用途
JP2001261759A (ja) 水性樹脂組成物及びそれを用いた水性塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070117

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110126

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120126

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130126

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140126

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees