JP2003183468A - ふっ素ゴム成形体及びその製造方法 - Google Patents
ふっ素ゴム成形体及びその製造方法Info
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Abstract
物質を含まず、適当な硬さを兼ね備えるふっ素ゴム成形
体を提供する 【解決手段】 テトラフルオロエチレン-プロピレン系
共重合体からなるふっ素ゴムのラテックスと、ふっ素樹
脂のラテックスとを混合し、得られた混合ラテックスを
凝固、洗浄、乾燥後、所望の形状に成形して電離放射線
を照射し、ふっ素ゴムからなる連続相と、平均粒径1μ
m以下のふっ素樹脂粒状物からなる分散相とからなるふ
っ素ゴム成形体を得る。
Description
関し、特にクリーン環境用に好適なふっ素ゴム成形体に
関する。
グなどのゴム製のシール材料には、外部を汚染しない特
性が求められる。ここでいうクリーン環境とは、半導体
製造装置、半導体搬送装置、食品製造装置、食品移送
器、食品貯蔵器用、医療部品などである。これらクリー
ン環境では、熱や薬品によってゴムが劣化し、ゴム成分
が脱落して汚染原因となることが懸念されるため、耐熱
性と耐薬品性が求められる。そこで、クリーン環境では
耐熱性と耐薬品性に優れたふっ素ゴムが多く使用されて
いる。例えば、特公昭61-8086号公報に記載されている
テトラフルオロエチレン-プロピレン系共重合体は耐熱
性と耐薬品性が良好で、半導体製造装置用に適したふっ
素ゴムとして得られている。
柔らかすぎる場合は、フランジに挟んだときの面圧が低
くなるために十分なシール性が発現せず、しかもハンド
リングが困難となり、さらに粘着性があるため、フラン
ジへの粘着によってシール材料の交換が困難となる。ま
た、シール材料として使用されるゴムが硬すぎる場合
は、フランジに挟んだとき、フランジ面の微細な凹凸に
ゴムが追従できないため、十分なシール性が発現しな
い。このように、シール材料として使用されるゴムは、
適切な硬さに設定する必要がある。
素ゴムでは、従来では、ふっ素ゴムにカーボンブラック
や金属塩、金属酸化物、金属水酸化物および/または珪
素化合物からなる無機の充填剤を配合して適切な硬さに
調整している。しかし、ふっ素ゴムにカーボンブラック
を配合した場合は、ゴムが黒色となってしまうため、ク
リーン環境では敬遠される傾向がある。また、ふっ素ゴ
ムに無機の充填剤を配合した場合は、金属塩等が異物と
なり、クリーン環境の汚染原因となるため好ましくな
い。
混合機や加圧ニーダーなどの密閉型混合機で、ゴムと樹
脂とを混合してふっ素ゴムと樹脂との複合体を作製し、
これをシール材料に用いることも行われている。例え
ば、特開昭51-145582号公報には、ふっ素ゴムとポリビ
ニリデンフルオライドとを密閉型の混合機で溶融混練し
て機械的強度と熱収縮性とを向上させたふっ素ゴム組成
物が記載されている。しかし、ふっ素ゴムとふっ素樹脂
とが均一に混合されず、外観が悪いだけでなく、引張り
強さも実用レベルに達していない。
として、特開2000-143919号公報には、過酸化物架橋が
可能なふっ素ゴムと過酸化物架橋が可能なふっ素樹脂と
をラテックスのままブレンドすることで、耐油性を向上
させたふっ素ゴム組成物が記載されている。しかし、こ
のふっ素ゴム組成物では、ふっ素樹脂が過酸化物架橋サ
イトとしてヨウ素基や臭素基によって変性されており、
ヨウ素基や臭素基によって、ふっ素樹脂本来の耐薬品性
が損なわれるという問題がある。また、ヨウ素や臭素に
よって、成形品が着色するためクリーン環境では敬遠さ
れる傾向にある。
の樹脂は耐熱性と耐薬品性が不十分であり、ふっ素樹脂
以外の樹脂とふっ素ゴムの複合体をクリーン環境で使用
するには問題がある。
よび/またはポリオールおよび/またはポリアミンの存在
下で加熱することによる架橋も知られている。しかし、
過酸化物による架橋はポリマーにヨウ素基や臭素基や不
飽和結合などの架橋サイトが必要であり、架橋サイトに
よる耐薬品性の低下と着色の問題がある。ポリオールお
よび/またはポリアミンによる架橋は、受酸剤として、
酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属酸化物
または金属水酸化物または金属塩が必須であり、これら
金属物質が汚染の原因となり好ましくない。
技術では、クリーン環境に好適な要件である、耐薬品性
に優れ、明色で、汚染の原因となる物質を含まず、適当
な硬さを兼ね備えるふっ素ゴム成形体を得ることは困難
であった。
る上記問題を解決し、特に半導体製造装置、半導体搬送
装置、食品製造装置、食品移送器、食品貯蔵器用、医療
部品のクリーン環境に好適なふっ素ゴム成形体を提供す
ることにある。
を行った結果、ふっ素樹脂のラテックスとふっ素ゴムで
あるテトラフルオロエチレン-プロピレン系共重合体の
ラテックスとを所定割合にて混合し、電離放射線照射に
より架橋することで、ふっ素ゴムを連続相とし、平均粒
径1μm以下のふっ素樹脂粒状物を分散相とするふっ素
ゴム成形体が得られ、このふっ素ゴム成形体は、硬さが
適当で、汚染源となる金属酸化物等を含まず、耐薬品性
が良好で、白色もしくは透明であり、クリーン環境で好
適に使用し得るものであることを見出した。
明は、ふっ素ゴムがテトラフルオロエチレン-プロピレ
ン系共重合体であり、ふっ素ゴム連続相と平均粒径1μ
m以下の粒状ふっ素樹脂分散相とからなり、電離放射線
照射により架橋されていることを特徴とするふっ素ゴム
成形体を提供する。
とテトラフルオロエチレン-プロピレン系共重合体ふっ
素ゴムのラテックスとを混合し、得られた混合ラテック
スを凝固させ、洗浄、乾燥して所望の形状に成形して電
離放射線を照射して架橋させることを特徴とするふっ素
ゴム成形体の製造方法を提供する。
らなることを特徴とする、半導体製造装置用または半導
体搬送装置用ゴム材料、食品製造装置用または食品移送
器用または食品貯蔵器用ゴム材料、医療部品ゴム材料、
を提供する。
する。
であるテトラフルオロエチレン-プロピレン系共重合体
ふっ素ゴムのラテックスとふっ素樹脂のラテックスとを
用いる。ラテックスは、ミセルの大きさが1μm以下、
通常、サブミクロンオーダーとなっており、これを液状
のまま混合して相互に分散させることにより、均一な分
散状態のふっ素ゴム組成物を得ることが出来る。ふっ素
ゴムとふっ素樹脂とを一般的な混練機を用いて混合した
場合、ゴムと樹脂との均一分散が困難であることから、
ふっ素ゴム成形体としたときに良好な物性が発現しない
が、本発明のようにふっ素ゴムのラテックスとふっ素樹
脂のラテックスとを用いることにより、均一分散が可能
になる。
ラフルオロエチレン-プロピレン系共重合体を使用す
る。ここで、テトラフルオロエチレン-プロピレン系共
重合体とは、テトラフルオロエチレンとプロピレンを主
成分とする共重合体である。このテトラフルオロエチレ
ンとプロピレンのモル比合計が、全モノマーモル比合計
の60%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは95%以
上であればよい。テトラフルオロエチレン-プロピレン
系共重合体は耐熱性と耐薬品性に優れたポリマーであ
り、クリーン環境で好適に使用される。
ば、特公昭61-8086号公報に記載されているテトラフル
オロエチレン-プロピレン系共重合体をそのまま使用す
ることも出来る。
トラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデ
ンフルオライド共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン共重合
体等を使用できるが、これらに限定されない。中でも、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
ビニリデンフルオライド共重合体及びポリテトラフルオ
ロエチレンが、耐薬品性に優れたふっ素ゴム成形体を与
える。
のものを使用することが出来る。また、モノマー原料を
乳化重合して合成したふっ素樹脂ラテックスを使用して
も良い。
ず、上記したふっ素ゴムのラテックスとふっ素樹脂のラ
テックスとを混合し、これを凝固させる。
成形体のミクロ構造を模式的に示す図であるが、ふっ素
ゴム(a)からなる連続相に、ふっ素樹脂からなる粒状
物(b)が凝集することなく均一に分散して分散相を形
成している。ふっ素ゴムは軟質材料であり、ふっ素樹脂
は硬質材料であることから、ふっ素ゴムとふっ素樹脂と
の配合比率により、得られるふっ素ゴム成形体の硬さを
調整することができる。即ち、ふっ素樹脂からなる粒状
物(b)の配合比率が小さくなると、粒状物(b)同士
の間隔が広がり、ふっ素ゴム成形体は全体として柔らか
くなる。一方、ふっ素樹脂からなる粒状物(b)の配合
比率が大きくなると、図2に示すように、粒状物(b)
同士が凝集して分散相が形成されず、ふっ素ゴム成形体
は全体として硬くなる。また、分散相が形成されなくな
ると、ふっ素ゴム成形体が不均質となり、硬さ以外の物
性も劣るようになる。
て、ふっ素ゴムの配合比率を25〜99質量%とし、ふ
っ素樹脂の配合比率を75〜1質量%とすることによ
り、図1に示したような、ふっ素樹脂からなる粒状物
(b)が凝集することなく、ふっ素ゴム(a)からなる
連続相中に均一に分散したミクロ構造を維持し、更にこ
の範囲内で配合比率を調整して適度の硬さを得ることが
できる。より好ましくは、ふっ素ゴムの配合比率が40
〜95質量%で、ふっ素樹脂の配合比率が60〜5質量
%であり、最も好ましくは、ふっ素ゴムの配合比率が5
5〜90質量%で、ふっ素樹脂の配合比率が45〜10
質量%である。
装置用のシール材料は、JIS K6253デュロメータ硬さタ
イプA(以下、硬さタイプAとする)で45〜95の範囲
であることが好ましいとされている。硬さタイプAで4
5未満のものはハンドリングが困難となり、また粘着性
があるため、フランジへの粘着によってシール材料の交
換が困難となる。また、硬さタイプAで95を超えるも
のは、フランジ面の微小凹凸に追従できずシール性が低
下する。このような硬さも、上記したふっ素ゴムの配合
比率25〜99質量%の範囲内で調整することにより実
現できる。特に、ふっ素ゴムの配合比率を40〜95質
量%、とりわけ55〜90質量%とすることにより、優
れたシール性能を有するシール材料が得られる。
のラテックスとの混合には各種のミキサーを用いること
ができ、例えば、プロペラミキサー、タービンミキサ
ー、パドルミキサー、往復回転式ミキサー、パイプライ
ンミキサー、渦巻きポンプ、アンカーミキサー、ゲート
ミキサー、リボンミキサー、ホモミキサー、超音波ミキ
サー、高圧式ホモジナイザーなどが挙げられるが、ミキ
サーはこれらに限定されない。
脂のラテックスとの混合物を凝固させる方法としては、
塩析、酸凝固、高分子凝集剤凝固、スチーム凝固、凍結
凝固、感熱凝固、溶剤凝固など各種手法を採ることが出
来るが、凝固方法はこれらに限定されない。例えば、塩
化カルシウム、硫酸アルミニウムで塩析をすればよい。
また、これら手法を併用することも可能である。
水洗後、乾燥して水分を除去して原料ゴム組成物とす
る。さらに原料ゴム組成物を好ましい形状に成形し、電
離放射線を照射してふっ素ゴムを架橋させる。ふっ素ゴ
ムに臭素基やヨウ素基や不飽和結合などの過酸化物架橋
サイトを設けた場合は、耐薬品性の低下、着色の問題が
ある。ポリオールおよび/またはポリアミンによる架橋
は、受酸剤として、酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ムなどの金属酸化物または金属水酸化物または金属塩が
必須であり、これら金属物質が汚染の原因となる。これ
に対して電離放射線による架橋では、架橋剤や受酸剤を
必要としないことから、得られるふっ素ゴム成形体は、
架橋剤や受酸剤由来の汚染源となる金属塩や金属酸化物
を含有せず、耐薬品性も良好となり、更には着色するこ
ともないため、クリーン環境に好適なものとなる。
態をほぼ維持し、即ち平均粒径1μm以下の粒状物とな
ってふっ素ゴム成形体内に均一に分散して存在する。そ
のため、得られるふっ素ゴム形成体は、上記した適度の
硬さを有することに加えて、ふっ素ゴムのみの成形体及
びふっ素樹脂のみの成形体と比較して引張り強さなどの
物性が良好となる。これは予想されない現象である。
は間接に空気を電離する能力を持つ電磁波または粒子線
であれば本発明に適用可能であり、例えばα線、重陽子
線、陽子線、ベータ線、中性子線、ガンマ線、エックス
線、電子線が挙げられるが、これらに限定されない。本
発明においては、特にガンマ線が好適に使用される。ガ
ンマ線は、透過力が高いため凝固物が均一に架橋され
る。また、ガンマ線を照射する場合は、真空または不活
性ガス雰囲気で行うことが好ましい。酸素雰囲気中で
は、ふっ素ゴムが分解する場合があり、好ましくない。
した場合、ふっ素ゴムの架橋と分解とが同時に起こる。
そして、照射量が多すぎる場合には分解の方が顕著とな
り、ふっ素ゴム成形体の物性が低下する。また、照射量
が少なすぎる場合には、架橋不足のために耐熱性が低下
する。本発明においては、電離放射線の照射総量を好ま
しくは20kGy以上500kGy以下、より好ましく
は40kGy以上350kGy以下、さらに好ましくは
60kGy以上300kGy以下とする。
に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるもの
ではない。
量2L、耐圧強度50kg/cm2のステンレス鋼製オートクレ
ーブに、1014mlのイオン交換水、116gのt-ブタノール、
5.8gのC8F17COONH 4、34.8gのNaHPO4・12H2O、2.5gのNaO
Hを仕込んだ後、過硫酸アンモニウム11.6gを添加した。
その後、予め調製した0.058gのFeSO4・7H2O、0.069gの
エチレンジアミン4酢酸2ナトリウムを水50gに溶解した
水溶液を加えてオートクレーブを閉じた。次いで、オー
トクレーブ内を減圧し、続いて窒素ガスで30kg/cm2に加
圧、パージした。再びオートクレーブ内を減圧した後、
温度を22℃に調節した。そして、C2F4モノマー139gおよ
びC3H6モノマー7g(C2F4/C3H6モル比93/7)を仕込み、CH2
(OH)SO2Na(8.7質量%)およびNaOH(1質量%)を含む脱酸素
イオン交換水溶液を、定量ポンプで、毎時2.4mlの割合
でオートクレーブ内に添加した。尚、このときのpHは9.
5である。また、オートクレーブ内の圧力低下を補うよ
うに、C2F4/C3F6混合ガス(モル比56/44)を連続的に供給
して反応圧力を25kg/cm2に維持した。12時間重合させた
後、ポリマー濃度25.6質量%のテトラフルオロエチレン-
プロピレン系共重合体からなるふっ素ゴムのラテックス
を得た。これを、ふっ素ゴムラテックスとする。
エム製THV340C(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体、ポリ
マー濃度50%)を使用した。これを、ふっ素樹脂ラテック
スとする。そして、ふっ素ゴムラテックスとふっ素
樹脂ラテックスとを、固形分質量比でふっ素ゴム/ふ
っ素樹脂=80/20にて合計で300g、1LのPP製容器に投入
し、プロペラミキサーを用いて300rpmで30秒間攪拌して
ブレンドラテックスを得た。
カルシウム溶液500gの中に投入して塩析凝固させた。塩
析凝固したポリマーを水洗い洗浄後、乾燥して原料ゴム
組成物を得た。
スで100mm×100mm×2mmのシート状に成形し、これに窒
素雰囲気中でガンマ線を合計線量80kGyで照射して架橋
を行い、架橋成形体を得た。
の各試験及び(4)外観観察を行った。 (1)硬さ試験 架橋成形体について、JIS K6253に準じて硬さ試験を実
施した。 (2)引張り試験 架橋成形体について、JIS K6251に準じて引張り試験を
実施した。 (3)分散状態観察 液体窒素で架橋成形体を凍結して破断させ、破断面を走
査型電子顕微鏡で5000倍の倍率で観察した。走査型電子
顕微鏡写真から、分散相の直径をノギスで測定し、各写
真について100個の分散相の直径を平均して平均粒径を
求めた。 (4)外観観察 架橋形成体を肉眼で観察し、色相が均一なものを外観良
好(○)、不均一なものを外観不良(×)とした。
クス及びふっ素樹脂ラテックスを用い、固形分質量
比をふっ素ゴム/ふっ素樹脂=65/35とした他は、実施例
1と同様の操作を行い、架橋成形体を得た。得られた架
橋成形体は白色で、全体的が均一な性状であり、外観は
良好であった。また、架橋成形体について同様の試験を
行った。
クス及びふっ素樹脂ラテックスを用い、固形分質量
比を、ふっ素ゴム/ふっ素樹脂=50/50とした他は、実施
例1と同様の操作を行い、架橋成形体を得た、得られた
架橋成形体は白色で、全体的に均一な性状であり、外観
は良好であった。また、架橋成形体について同様の試験
を行った。更に、得られた架橋成形体の電子顕微鏡写真
を図3に示すが、ふっ素樹脂からなる粒状物が凝集する
ことなく、均一に分散していることがわかる。
クスの代わりに、旭硝子製アフロンPTFE AD911(テト
ラフルオロエチレンラテックス)を用いた。このアフロ
ンPTFE AD911をふっ素樹脂ラテックスとする。凍結凝
固により原料ゴム組成物を得た他は、実施例1と同様の
操作を行い、架橋成形体を得た。得られた架橋成形体は
白色で、全体的に均一な性状であり、外観は良好であっ
た。また、架橋成形体について同様の試験を行った。
160kGyとした他は、実施例1と同様の操作を行い、架橋
成形体を得た。得られた架橋成形体は白色で、全体的に
均一な性状であり、外観は良好であった。また、架橋成
形体について同様の試験を行った。
クスのみを凝固した他は、実施例1と同様の操作を行
い、架橋成形体を得た。得られた架橋成形体は透明で、
全体的に均一な性状であり、外観は良好であった。ま
た、架橋成形体について同様の試験を行った。
クスのみを凝固した他は、実施例1と同様の操作を行
い、架橋成形体を得た。得られた架橋成形体は透明で、
全体的に均一な性状であり、外観は良好であった。ま
た、架橋成形体について同様の試験を行った。
クスのみを凝固し、5%塩化カルシウム溶液で塩析凝固
し、水洗い洗浄、乾燥してふっ素ゴムを得た。ふっ素樹
脂ラテックスのみを凝固し、5%塩化カルシウム溶液で
塩析凝固し、水洗い洗浄、乾燥してふっ素樹脂を得た。
各々乾燥したふっ素ゴムとふっ素樹脂を質量比でふっ素
ゴム/ふっ素樹脂=65/35となるように混合し、これをゴ
ム練りロールを用いて常温で混練してふっ素ゴム組成物
原料を得た。そして、実施例1と同様の操作を行い、架
橋成形体を得た。得られた架橋成形体は、肉眼でもふっ
素樹脂とふっ素ゴムとが分離していることが確認され、
色相が均一ではなく、外観が劣っていた。また、架橋成
形体について同様の試験を行った。
結果を、表1にまとめて示す。
脂とをそれぞれラテックスの状態でブレンドし、電離放
射線架橋することにより、硬さタイプAで45〜95の
適度な硬さを有するふっ素ゴム成形体が得られる。ま
た、ふっ素ゴムのみの成形体及びふっ素樹脂のみの成形
体と比較して、引張り強さなどの物性が良好である。
テトラフルオロエチレン-プロピレン系共重合体ふっ素
ゴムのラテックスとふっ素樹脂のラテックスとを混合
し、凝固、洗浄、乾燥して所望の形状に成形し、電離放
射線架橋させることにより、平均粒径1μm以下のふっ
素樹脂粒状物がふっ素ゴム中に均一に分散し、適度の硬
さを有するふっ素ゴム成形体が得られる。また、このふ
っ素ゴム成形体は、色相が白色であり、外部汚染の原因
となる金属塩や金属酸化物を含まないため、特に半導体
製造装置、半導体搬送装置、食品製造装置、食品移送
器、食品貯蔵器用、医療部品などのクリーン環境におい
て好適に使用できる。
素樹脂との配合比率が本発明の範囲内にある場合のミク
ロ構造を模式的に示した図である。
比率が本発明の範囲よりも大きい場合のミクロ構造を模
式的に示した図である。
た電子顕微鏡写真である。
Claims (7)
- 【請求項1】 ふっ素ゴムがテトラフルオロエチレン-
プロピレン系共重合体であり、ふっ素ゴム連続相と平均
粒径1μm以下の粒状ふっ素樹脂分散相とからなり、電離
放射線照射により架橋されていることを特徴とするふっ
素ゴム成形体。 - 【請求項2】 テトラフルオロエチレン-プロピレン系
共重合体のふっ素ゴムのラテックスとふっ素樹脂のラテ
ックスを混合して凝固した後に所定形状に成形し、電離
放射線を照射して架橋させる請求項1記載のふっ素ゴム
成形体。 - 【請求項3】 ふっ素ゴムの配合比率が25〜99質量
%で、ふっ素樹脂の配合比率が75〜1質量%である請
求項1または2記載のふっ素ゴム成形体。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のふっ素ゴ
ム成形体からなることを特徴とする半導体製造装置用ま
たは半導体搬送装置用ゴム材料。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のふっ素ゴ
ム成形体からなることを特徴とする食品製造装置用また
は食品移送器用または食品貯蔵器用ゴム材料。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のふっ素ゴ
ム成形体からなることを特徴とする医療部品用ゴム材
料。 - 【請求項7】 ふっ素樹脂のラテックスとテトラフルオ
ロエチレン-プロピレン系共重合体ふっ素ゴムのラテッ
クスとを混合し、得られた混合ラテックスを凝固させ、
洗浄、乾燥して所望の形状に成形し、電離放射線を照射
して架橋させることを特徴とするふっ素ゴム成形体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001381474A JP2003183468A (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | ふっ素ゴム成形体及びその製造方法 |
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