JP2003183067A - 塗材用原料組成物 - Google Patents

塗材用原料組成物

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    • C04B2111/00482Coating or impregnation materials
    • C04B2111/00508Cement paints

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水と混練し、塗工した後に得られる塗膜が空
気中の有機溶剤を吸着することができ、その塗膜の強度
が高いものであり、さらに、調湿性、断熱性を持ち、乾
燥しながら空気中の炭酸ガスを有効に吸収することがで
きる塗工作業性に優れた塗材用原料組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 塗材用原料組成物は、珪藻土と、水硬性
材料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤とを含有するも
のである。好ましくは、水硬性材料がポルトランドセメ
ントであり、気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスタ
ーのうちいずれか1種以上を含むものであり、さらに、
光触媒を含有するものがより好ましいものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物の内外装
に用いられる珪藻土仕上材としての塗材用原料組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような塗材用原料組成物とし
ては、特開平10−245255号公報に示すようなも
のがある。この塗材用原料組成物は、消石灰及び珪藻土
を主成分とし、無機質混和材、骨材、増粘剤及び接着補
助剤として再乳化型粉末樹脂を含有している。この塗材
用原料組成物は、無機質材料、天然有機物から構成され
るため、揮発性有機溶剤を発生させないものであり、水
と混練し、塗工した後に得られる塗膜は、高透湿性及び
湿度調節機能を有し、カビ及び異臭の発生を抑制するも
のである。
【0003】また、特開平11−12066号公報に示
す塗材用原料組成物は、消石灰、白セメント及び粉末状
焼成白色珪藻土を含有しているものであり、水と混練し
たスラリーは、ボード、パネル、壁などに塗工するとき
に、その粘りにより、刷毛、塗装ローラ又は吹付け塗装
において、塗装作業中にダレが生じない効果を有する。
そして、塗工した後に得られる塗膜は、粉末状焼成白色
珪藻土の有する多孔質組成のために調湿作用が発揮され
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、空気中の有機溶
剤による大気汚染が問題となっている。ところが、特開
平10−245255号公報及び特開平11−1206
6号公報に記載の塗材用原料組成物は、湿度調節機能が
あり、揮発性有機溶剤を発生させないものではあるが、
空気中の有機溶剤を積極的に吸着することが少ないもの
であった。また、水硬性材料が組成物に含まれていない
ことから、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜は、
強度が弱いものである。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜
が空気中の有機溶剤を吸着することができ、その塗膜の
強度が高いものであり、さらに、調湿性、断熱性を持
ち、乾燥しながら空気中の炭酸ガスを有効に吸収するこ
とができる塗工作業性に優れた塗材用原料組成物を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の塗材用原料組成物は、珪
藻土と、水硬性材料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤
とを含有するものである。
【0007】請求項2に記載の発明の塗材用原料組成物
は、請求項1に記載の発明において、水硬性材料がポル
トランドセメントであり、気硬性材料が消石灰、ドロマ
イトプラスターのうちいずれか1種以上を含むものであ
る。
【0008】請求項3に記載の発明の塗材用原料組成物
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、さら
に、光触媒を含有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て、詳細に説明する。この発明は、珪藻土と、水硬性材
料と、気硬性材料と、化学物質吸着剤を含有するもので
ある。
【0010】珪藻土は、珪藻の遺骸からなる珪酸質の堆
積物であり、これを乾燥、粉砕し、セメントと同程度の
微粒子になるものを使用することが多い。その主成分
は、珪酸質であり、断熱効果・耐火能力に優れ、化学的
にも安定である。その表面には、無数の微細な孔(0.
1〜0.2μm)が、円形や針状に規則正しく配列して
いる。
【0011】珪藻土は、この微細で超多孔質な構造のた
め比表面積がきわめて大きく、優れた吸着性能を有する
ものである。その吸着性能によって、建物空間中の湿度
が高い場合に水分を多孔質で吸着し、湿度が低い場合に
水分を放出する調湿性がある。また、珪藻土の無数の微
細な孔にある空気により、断熱効果のある塗膜を得るこ
とができる。さらに、ホルムアルデヒドをはじめとする
揮発した有機溶剤を吸着するものでもある。
【0012】前記珪藻土は、塗材用原料組成物中に、
3.0〜40.0重量%の範囲で含有することが好まし
い。3.0重量%未満の場合は、塗材用原料組成物に対
する含有割合が少なく珪藻土の有する吸着性、調湿性及
び断熱性が低下することがある。40重量%を越える場
合は、珪藻土を結合させる水硬性材料及び気硬性材料が
不足し、水と混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度
が弱いものとなることがある。
【0013】また、塗材用原料組成物を建築物の内部に
施工する内装用の場合には、20.0〜40.0重量%
含有するものが良い。内装用の場合は、外装用に比べ塗
膜が薄いため、20.0重量%未満の場合には、塗材用
原料組成物に対する含有割合が少なく珪藻土の有する吸
着性、調湿性及び断熱性が低下することがある。
【0014】水硬性材料は、塗材用原料組成物の結合材
として用いられるものであり、塗工した後に得られる塗
膜の強度を高めるためることができるものである。この
水硬性材料には、混合材を混合しない単味セメント、混
合材を混合した混合セメント及び特殊セメントなどの水
と反応して硬化する水硬性セメントを挙げることができ
る。
【0015】単味セメントには、ポルトランドセメン
ト、、アルミナセメント、超速硬セメントなどがある。
また、ポルトランドセメントには、普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトラン
ドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポ
ルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントとが
ある。混合セメントには、高炉セメント、シリカセメン
ト、ポゾランセメント、フライアッシュセメント、膨張
性セメント及び左官用セメントなどがあり、特殊セメン
トには、耐酸セメント、コロイドセメント、油井セメン
トなどがある。
【0016】水硬性セメントは、水を加えることによっ
て水和反応を起こし、硬化を始め、表面エネルギーによ
る引き合う力により強度が上がり、更に水素結合力によ
る引き合う力も加わり、一層強い強度が得られる。そし
て、塗材用原料組成物に含有させることによって、水と
混練し、塗工した後に得られる塗膜の強度を高めること
ができるものである。この発明においては、これらを単
独に用いても良く、混合させて使用しても良いが、ポル
トランドセメントが、大量に製造され、安価で、容易に
用いることができるため好ましい。また、塗材用原料組
成物に調色を行う場合には、白色である白色ポルトラン
ドセメントを用いることが好ましく、調色の幅を広げる
ことができる。
【0017】前記水硬性材料は、塗材用原料組成物中
に、10.0〜40.0重量%の範囲で含有するのが好
ましい。10重量%未満の場合、水と混練し、塗工した
後に得られる塗膜に十分な強度が得られないことがあ
る。一方、40重量%を超える場合では、相対的に他の
材料の含有量が少なくなり、前述した珪藻土、後述する
気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発揮され
ないことがある。
【0018】気硬性材料は、上記水硬性材料のように水
と反応して硬化するものではなく、水と混練した後、乾
燥しながら硬化するものであり、塗材用原料組成物の結
合材の1つとして用いられるものである。水硬性材料を
含有した塗材用原料組成物は、水と混練した後、水和反
応を始める。そのため、塗工することが可能な時間を調
整することが困難な場合が生じる。しかし、この気硬性
材料を塗材用原料組成物に用いることにより、水と混練
した塗材用原料組成物の硬化速度を調整することがで
き、塗工可能時間を調整することができ、塗工作業性を
向上させることができ、塗膜の強度を向上させることが
できる。
【0019】気硬性材料には、消石灰、焼石膏、無水石
膏、マグネシアセメント及びドロマイトプラスターを挙
げることができ、1又は2以上用いることができる。前
記気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのいずれ
かのうち1種以上を用いることが好ましい。
【0020】消石灰、ドロマイトプラスターは、水と混
練した後、空気中で乾燥しながら硬化し、さらに、大気
中の炭酸ガスと反応し徐々に完全に硬化するものであ
る。気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのいず
れかのうち1種以上を用いることにより、塗工された塗
膜周囲の炭酸ガスを吸着することができ、その濃度を低
くすることができる。
【0021】消石灰、ドロマイトプラスターを塗材用原
料組成物に用いることにより、水と混練した塗材に適度
な粘りのある粘性が与え、保水性及び吸水性の有るもの
となり、塗工作業性がより向上するものとなる。さら
に、焼石膏では、15〜45μmで、消石灰では、50
〜200μm、そしてドロマイトプラスターでは、5〜
20μmの粒子径を多く含んでいる。これら気硬性材料
を2種類以上含有することによって、組み合わされる粒
度の幅が広がることによって、水と混練したとき、適度
な粘性を得られ、塗工作業性がより向上する。
【0022】前記気硬性材料は、塗材用原料組成物中
に、2.0〜30.0重量%の範囲で含有するのが好ま
しい。2.0重量%未満の場合では、塗材用原料組成物
と水とを混練したスラリーは、良好な作業性が得られな
いことがある。一方、30.0重量%を超える場合で
は、相対的に他の材料の含有量が少なくなり、前述した
珪藻土、気硬性材料及び後述する化学物質吸着剤の効果
が十分に発揮されないことがある。
【0023】次に、化学物質吸着剤とは、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒドをはじめとする揮発した有機溶
剤やアンモニアガスなどを有害物質を選択的に吸着する
ものである。この化学物質吸着剤を加えることにより、
より一層吸着作用を向上させることができる。また、前
記化学物質吸着剤は、前述した珪藻土に比べ、一度吸着
した化学物質を放出することが少なく、さらに、珪藻土
の吸着効果を低減させることができるため、珪藻土のも
う一つの作用である調湿効果向上させることができる。
【0024】前記化学物質吸着剤には、トリポリリン酸
ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、ア
ルミナケイ酸塩、活性炭、ゼオライトなどの無機系のも
のとピノバンクシン、アロマデンドリン、エンゲリチン
などのフラバノール類のもの、ケンフェロール、トリホ
リン、アストラガリンなどのフラボノール類のもの、ア
ビエチン酸、グリオキサール等の有機系ものなどがあ
る。これらの化学物質吸着剤のうち、吸着したい対象と
するものにより選択することができ、対象とするものが
複数ある場合などには、2種以上用いてもなんら問題は
ない。
【0025】しかし、この発明の塗材用原料組成物は、
無機系の珪藻土と水硬性材料と気硬性材料と主成分とす
るものであることから、無機系粉末の化学物質吸着剤が
好ましい。無機系粉末であるトリポリリン酸ニ水素アル
ミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、アルミナケイ
酸塩、活性炭、ゼオライトを用いることより、塗材用原
料組成物との混練性が良いものとなる。
【0026】無機系粉末の化学物質吸着剤は、粒径が1
0μm以下の微粉末である。これらの微粉末は細孔を有
しているため、この細孔による物理吸着作用と金属の触
媒作用による化学吸着作用により吸着効果がもたらされ
る。無機系消臭剤は微粉末であり、大きい表面積を有し
ているので効率的な吸着効果が得られる。より好ましい
無機系粉末の化学物質吸着剤としてトリポリリン酸ニ水
素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウムが挙げら
れる。有害物質の吸着性に優れ、塗材用原料組成物によ
り形成された塗膜は、耐水性等の塗膜物性を低下させる
ことがない。
【0027】化学物質吸着剤の含有量は、吸着したい有
害物質の量にもよるが、塗材用原料組成物中に、その有
効成分で0.5〜10.0重量%の範囲で含有すること
が好ましい。化学物質吸着剤の含有量が0.5重量%よ
り少ない場合では、十分な有害物質の吸着効果が得られ
ないことがある。また、10.0重量%より多い場合に
は、有害物質の吸着効果の向上を期待することができな
いことがある。
【0028】さらに、光触媒を含有することが好まし
い。光触媒とは、光触媒活性を有する無機酸化物等をい
い、これらはバンド・ギャップを有する半導体粒子であ
る。そのバンド・ギャップ以上のエネルギーを持つ光
(例えば、太陽光や人工照明光の紫外線)が光触媒に照
射されると光励起により生成した電子と正孔が半導体粒
子表面に移動し、その強い酸化能力を発生する。
【0029】従って、これに接する細菌やホルマリン、
ホルムアルデヒドなどを分解する機能を発揮するもので
ある。該無機酸化物としては、TiO、RuO、Co
O、Ce、Cr、Rh、V
ZnO等が挙げられる。TiOなる酸化チタンには正
方結晶型に属するルチル型、アナターゼ型と、斜方結晶
系に属するブルッカイト型の3種類の結晶型があるが、
光触媒活性を有する酸化チタンとしてはアナターゼ型の
酸化チタンである。光触媒の添加によって、ホルムアル
デヒドをはじめとする有機溶剤を分解することができ
る。特に取り扱いが容易であり、経済性の点からTiO
が好適である。
【0030】光触媒は、塗材用原料組成物中に、5.0
重量%以下含有するのが好ましい。光触媒の含有量が
5.0重量%を超える場合、有機溶剤を分解する効果は
充分に発揮できるが、本来の塗材用原料組成物の構成さ
れる材料の成分が少なくなり、得られる塗膜の性能が低
下するとともに、塗材用原料組成物のコストが上昇す
る。
【0031】上記以外の成分として、以下に示す粉末状
樹脂、充填材及び粉末状増粘剤などを加えても良い。粉
末状樹脂とは、水を加えて撹拌することで再乳化し、エ
マルションを形成する粉末状の合成樹脂である。この粉
末状樹脂は、合成樹脂より形成されるエマルションを噴
霧乾燥したものである。
【0032】前記粉末状樹脂を塗材用原料組成物に添加
することによって、水と混練したスラリーの下地に対す
る接着性が向上し、塗工した後に得られる塗膜に対し、
ひび割れ防止性、防水性、耐磨耗性及び耐候性を向上さ
せる効果を有する。粉末樹脂としては、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、飽和カルボン酸のビニルエステル、
アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系モノマ
ー、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン、塩化ビニ
ル、スチレン、ダイアセトンアクリルアミドなどから適
宜選択されたモノマー混合物を共重合してなる合成樹脂
より選択できる。粉末状樹脂は、再乳化性の面から重合
時にポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を保護コ
ロイドとして乳化重合したものが好ましい。
【0033】粉末状樹脂は、塗材用原料組成物中に、
0.5〜10.0重量%の範囲で含有するのが好まし
い。0.5重量%未満の場合では、塗膜の接着性を向上
させることができない場合がある。一方、10.0重量
%を超える場合では、塗膜の調湿性、吸着性を阻害する
ことがある。また、塗膜の強度の向上が期待できないこ
とがある。また、外装用に用いる場合には、強度をより
向上させるために、その含有量を5.0重量%以下とす
るのが好ましい。5.0重量%を越える場合には、塗膜
の耐水性を低下させることがある。
【0034】充填材とは、塗材原料組成物の粒度分布を
調整することができ、そのことにより水と混練したスラ
リーの作業性を向上させることができ、塗工した後に得
られる塗膜の強度を高め、さらに、乾燥収縮による塗膜
の割れを防ぐものであり、好ましく用いられる。充填材
には、珪砂、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、シラスバ
ルーン、セルベンのほか、御影石、大理石、花崗岩など
の天然石、マイカ粉などが挙げられる。これらのうち天
然石としては、砕粒され、砕粒状にしたものが使用され
る。これらの充填材は、少なくとも1種より選択し、用
いることができる。
【0035】前記充填材は、塗材用原料組成物中に、1
0.0〜80.0重量%の範囲で含有することが好まし
い。10.0重量%未満の場合には、塗工した後に得ら
れる塗膜が収縮によって割れが生じることがある。一
方、80.0重量%を越える場合には、水硬性材料及び
気硬性材料の含有割合が少なくなり、水と混練し、塗工
した後に得られる塗膜の強度が弱いものとなる。
【0036】さらに、内装用の場合には、10.0〜6
0.0重量%含有するのが好ましい。この範囲内で有れ
ば、比較的薄膜である内装での塗膜であっても、割れが
生じにくく、塗膜強度のあるものが得られる。また、外
装用の場合には、40.0〜80.0重量%含有するの
が好ましい。この範囲内で有れば、比較的厚膜である外
装での塗膜であっても、割れが生じにくく、塗膜強度の
あるものが得られる。
【0037】粉末増粘剤は、塗材用原料組成物と水とを
混練したスラリーのこて塗り作業性を向上させることが
できるため好ましく用いられる。この粉末増粘剤には、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビ
ニルアルコール等の合成高分子物質、澱粉類、海藻類、
ゼラチン類、アルギン酸ソーダ等の天然高分子物質のも
のがあり、これらから適宜選択し、用いることができ
る。
【0038】この発明の塗材用原料組成物は、上記のよ
うなものをミキサーなどにより均一に混合させ得られ
る。そして、上記塗材用原料組成物に対し、適宜水を添
加し、混練することによって塗材としてのスラリーとな
る。水の添加量は、塗材用原料組成物の種類、使用時の
気温、湿度及び作業条件によって、変えることができ
る。
【0039】前記塗材は、適度な粘性を有するものであ
り、このスラリーは、鏝などを用いて、建築物の内外壁
に塗工する。この塗工する膜厚は、内装用で1.5〜
2.5mm、外装用で5〜15mm程度になるようにす
る。このスラリーは、水硬性材料及び気硬性材料を有す
ることによって、6〜24時間後には凝結し、水硬性材
料を有することによって、硬化が進み、十分な強度を発
揮することができる。
【0040】この得られた塗膜は、珪藻土を含有するこ
とによって、建物空間中の湿度が高い場合に水分を吸着
し、湿度が低い場合に水分を脱着する調湿性が発現され
る。さらに、珪藻土の有する無数の微細な孔によって、
空気層が形成され、塗膜の厚みに応じて断熱性が発揮さ
れる。水硬性材料を用いることによって、より高い強度
が発揮される。また、化学物質吸着剤によって、ホルム
アルデヒドをはじめとする有機溶剤を吸着する。さら
に、光触媒の添加によって、ホルムアルデヒドをはじめ
とする有機溶剤を分解する効果が発揮される。
【0041】以上のように、この実施形態によれば次の
ような効果が発揮される。 ・ 珪藻土と、水硬性材料と、気硬性材料と、化学物質
吸着剤とを含有するものであることにより、水と混練
し、塗工した後に得られる塗膜が空気中の有機溶剤を吸
着することができ、その塗膜の強度が高いものであり、
さらに、調湿性、断熱性を持ち、乾燥しながら空気中の
炭酸ガスを有効に吸収することができる塗工作業性に優
れたものである。
【0042】・ 水硬性材料がポルトランドセメントで
あり、気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのう
ちいずれか1種以上を含むものであることにより、安価
で、容易に用いることができ、塗工された塗膜周囲の炭
酸ガスを吸着することができ、その濃度を低くすること
ができる。 ・ さらに、光触媒を含有するものであることにより、
これに接する細菌やホルマリン、ホルムアルデヒドなど
を分解する機能を発揮するものである。
【0043】・ 前記珪藻土が塗材用原料組成物中に、
3.0〜40.0重量%の範囲で含有することにより、
珪藻土の有する吸着性、調湿性及び断熱性が低下するこ
となく、珪藻土を結合させる水硬性材料及び気硬性材料
が不足することなく、水と混練し、塗工した後に得られ
る塗膜の強度があるものである。 ・ 前記水硬性材料が塗材用原料組成物中に、10.0
〜40.0重量%の範囲で含有することにより、水と混
練し、塗工した後に得られる塗膜に十分な強度が得られ
るものであり、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤
の効果が十分に発揮されるものである。
【0044】・ 気硬性材料を2種類以上含有すること
により、組み合わされる粒度の幅が広がることによっ
て、水と混練したとき、適度な粘性を得られ、塗工作業
性がより向上するものである。 ・ 前記気硬性材料が塗材用原料組成物中に、2.0〜
30.0重量%の範囲で含有することにより、塗材用原
料組成物と水とを混練したスラリーは、良好な作業性が
得られ、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果
が十分に発揮されるものである。
【0045】・ 前記化学物質吸着剤が無機系粉末であ
ることにより、塗材用原料組成物との混練性が良いもの
となる。 ・ 前記化学物質吸着剤の含有量が塗材用原料組成物中
に、その有効成分で0.5〜10.0重量%の範囲で含
有することにより、十分な有害物質の吸着効果が得られ
るものである。
【0046】・ 前記光触媒が塗材用原料組成物中に、
5.0重量%以下含有することにより、有機溶剤を分解
する効果は充分に発揮でき、本来の塗材用原料組成物の
構成される材料の成分が少なくなることがなく、得られ
る塗膜の性能が低下しないものである。 ・ さらに、粉末状樹脂を塗材用原料組成物に添加する
ことにより、水と混練したスラリーの下地に対する接着
性が向上し、塗工した後に得られる塗膜に対し、ひび割
れ防止性、防水性、耐磨耗性及び耐候性を向上させるこ
とができるものである。
【0047】・ 前記粉末状樹脂が塗材用原料組成物中
に、0.5〜10.0重量%の範囲で含有することによ
り、塗膜の接着性を向上させることができ、塗膜の調湿
性、吸着性を阻害することがなく、塗膜の強度の向上が
期待できるものである。・ さらに、充填材を用いるこ
とにより、塗材原料組成物の粒度分布を調整することが
でき、そのことにより水と混練したスラリーの作業性を
向上させることができ、塗工した後に得られる塗膜の強
度を高め、さらに、乾燥収縮による塗膜の割れを防ぐも
のである。
【0048】・ 前記充填材が塗材用原料組成物中に、
10.0〜80.0重量%の範囲で含有することによ
り、塗工した後に得られる塗膜が収縮によって割れが生
じることがすくなく、水と混練し、塗工した後に得られ
る塗膜の強度のあるものとなる。・ さらに、粉末増粘
剤を含有させることにより、塗材用原料組成物と水とを
混練したスラリーのこて塗り作業性を向上させることが
できるものである。
【0049】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づきより詳細に
説明する。なお、吸着試験及び光触媒による分解確認試
験については、次のように行なった。吸着試験及び光触
媒による分解確認試験の試験体は、塗工作業性を確認し
た後、硬化した塗工板を縦50mm、横50mmに切り
出し、試験体とした。
【0050】吸着試験は、試験体サンプルを3リットル
の容量を持つ袋に入れ脱気した後、濃度調整を行なった
悪臭ガスを前記袋に注入し、試験を開始した。そして、
一定時間毎にガス検知管にて悪臭ガスの残存濃度を測定
し、残存濃度がゼロになるまでの時間を計測し、実験結
果とした。
【0051】用いた悪臭ガスは、アンモニアガス、ホル
ムアルデヒドのガスで、各々、初期濃度20ppmとし
た。光触媒による分解確認試験は、前記ホルムアルデヒ
ドガスの吸着試験については、光源照射下及び光源照射
なしでの試験を行ない、その差を比較した。光源は蛍光
灯(0.04mW/cm)を用いた。
【0052】実施例1では、珪藻土が20.0重量%、
水硬性材料としての白色ポルトランドセメントが25.
0重量%、気硬性材料としてのドロマイトプラスターが
15.0重量%、消石灰が5.0重量%、化学物質吸着
剤としてのトリポリリン酸ニ水素アルミニウムが5.0
重量%を含有し、さらに、光触媒としての二酸化チタン
が5.0重量%、骨材として珪砂を20.0重量%、粉
末状樹脂のポリビニルアルコールを2.0重量%、その
他の添加剤として粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料
を3.0重量%混合させた塗材用原料組成物を用いた。
【0053】この塗材用原料組成物に水を80.0重量
%添加し、混練しスラリーを得た。そして、このスラリ
ーを、塗膜が2mmになるように縦1800mm、横9
00mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なっ
た。その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬化後、得
られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したところ、爪が
入らず、十分な強度を有していた。水滴を塗板にたらし
吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。
【0054】さらに、前記塗工板を縦50mm、横50
mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルム
アルデヒド、で吸着性を確認した。初期濃度20ppm
のアンモニアガスは25分後にガス検知管では検知でき
ないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルム
アルデヒドは12分後にガス検知管では検知できないレ
ベルまで吸着された。螢光灯でホルムアルデヒドの分解
性を確認したところ、ホルムアルデヒドの分解が確認で
きた。
【0055】実施例2は、実施例1に比較して、光触媒
としての二酸化チタンの含有していないものであった。
実施例2では、珪藻土が25.0重量%、水硬性材料と
しての白色ポルトランドセメントが25.0重量%、気
硬性材料としてのドロマイトプラスターが15.0重量
%、消石灰が5.0重量%、化学物質吸着剤としてのト
リポリリン酸ニ水素アルミニウムが5.0重量%を含有
し、さらに、骨材として珪砂を20.0重量%、粉末状
樹脂のポリビニルアルコールを2.0重量%、その他の
添加剤として粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料を
3.0重量%混合させた塗材用原料組成物を用いた。
【0056】この塗材用原料組成物に水を80.0重量
%添加し、混練しスラリーを得た。そして、このスラリ
ーを、塗膜が2mmになるように縦1800mm、横9
00mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なっ
た。その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬化後、得
られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したところ、爪が
入らず、十分な強度を有していた。水滴を塗板にたらし
吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。
【0057】さらに、前記塗工板を縦50mm、横50
mmに切り出し、試験体とし、アンモニアガス、ホルム
アルデヒド、で吸着性を確認した。初期濃度20ppm
のアンモニアガスは25分後にガス検知管では検知でき
ないレベルまで吸着され、初期濃度20ppmのホルム
アルデヒドは12分後にガス検知管では検知できないレ
ベルまで吸着された。しかし、光触媒としての二酸化チ
タンを含有していないため、螢光灯でホルムアルデヒド
の分解性を確認したところ、ホルムアルデヒドの分解
は、確認できなかった。
【0058】実施例3は、実施例1及び実施例2と比較
して、気硬性材料に石膏プラスターを用いた。実施例3
では、珪藻土が25.0重量%、水硬性材料としての白
色ポルトランドセメントが25.0重量%、気硬性材料
としての石膏プラスターが20.0重量%、さらに、骨
材25.0重量%、粉末状樹脂3.0重量%、他に粉末
状増粘剤、粉末状分散剤及び顔料を2.0重量%混合さ
せたものである。この塗材用原料組成物に水を80.0
重量%添加し、混練した。そしてこのスラリーを、塗膜
が2mmになるように縦1800mm、横900mmの
石綿スレート表面に金ゴテで塗工を行なった。
【0059】その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬
化後、得られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したとこ
ろ、爪が入らず、十分な強度を有していた。水滴を塗板
にたらし吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。
さらに、前記塗工板を縦50mm、横50mmに切り出
し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、
で吸着性を確認した。初期濃度20ppmのアンモニア
ガスは30分後にガス検知管では検知できないレベルま
で吸着され、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは
15分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着
された。
【0060】さらに、実施例4の塗材用原料組成物は、
主に外装に用いられるものであり、、上記実施例1〜実
施例3の塗材用原料組成物に比べ、塗膜が10mmでの
試験を行った。実施例4では、珪藻土が15.0重量
%、水硬性材料としての白色ポルトランドセメントが1
0.0重量%、気硬性材料としてのドロマイトプラスタ
ーが3.0重量%、消石灰が1.0重量%、化学物質吸
着剤としてのトリポリリン酸ニ水素アルミニウムが3.
0重量%を含有し、さらに、光触媒としての二酸化チタ
ンが2.0重量%、骨材として珪砂を60.0重量%、
粉末状樹脂のポリビニルアルコールを3.0重量%、そ
の他の添加剤として粉末状増粘剤、粉末状分散剤及び顔
料を3.0重量%混合させたものである。この塗材用原
料組成物に水を15%重量添加し、混練した。そしてこ
のスラリーを、塗膜が10mmになるように縦1800
mm、横900mmの石綿スレート表面に金ゴテで塗工
を行なった。
【0061】その結果、塗工作業性は良く、塗り付け硬
化後、得られた塗膜の強度を爪で引っかき確認したとこ
ろ、爪が入らず、十分な強度を有していた。水滴を塗板
にたらし吸水性を確認したところ、すぐに吸水された。
さらに、前記塗工板を縦50mm、横50mmに切り出
し、試験体とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、
で吸着性を確認した。
【0062】初期濃度20ppmのアンモニアガスは3
0分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着さ
れ、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは15分後
にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。
塗膜表面を加熱し、断熱性を確認したところ、後に述べ
る比較例5と比べて熱の伝わりが遅く、断熱性が確認で
きた。
【0063】次に、比較例1として、実施例1の塗材用
原料組成物から珪藻土を除き、その重量分骨材を増量し
たものを用いた。また、比較例2として、実施例1の塗
材用原料組成物から水硬性材料を除き、その重量分骨材
を増量したものを用い、比較例3として、実施例1の塗
材用原料組成物から気硬性材料を除き、その重量分骨材
を増量したものを用いた。さらに、比較例4として、実
施例1の塗材用原料組成物から化学物質吸着剤を除き、
その重量分骨材を増量したものを用いた。
【0064】これら比較例1〜比較例4の塗材用原料組
成物に水を80重量%添加し、混練しスラリーを得た。
そして、このスラリーを、塗膜が2mmになるように縦
1800mm、横900mmの石綿スレート表面に金ゴ
テで塗工を行なった。比較例1のものでは、塗工後、硬
化した塗板に、水滴をたらし吸水性を確認したところ、
実施例1〜実施例4のものに比較して、吸水し難いもの
であった。比較例2のものでは、塗工後、硬化した塗板
を爪で引っかき、塗膜の強度を確認したところ、爪が入
り、実施例と比較して、塗膜強度がないものであった。
比較例3のものでは、実施例に比較し、塗工作業性が劣
るものであった。
【0065】比較例4のものでは、実施例と同様に、前
記塗工板を縦50mm、横50mmに切り出し、試験体
とし、アンモニアガス、ホルムアルデヒド、で吸着性を
確認した。初期濃度20ppmのアンモニアガスは32
分後にガス検知管では検知できないレベルまで吸着さ
れ、初期濃度20ppmのホルムアルデヒドは16分後
にガス検知管では検知できないレベルまで吸着された。
この結果、実施例に比べ、吸着効果が劣るものであっ
た。
【0066】さらに、比較例5として、実施例4の塗材
用原料組成物から珪藻土を除き、その重量分骨材を増量
したものを用いた。この比較例5の塗材用原料組成物よ
り形成された塗膜を実施例4と同様に塗膜表面を加熱
し、断熱性を確認したところ、実施例4と比べて熱の伝
わりが速く、、断熱性が無いものであった。
【0067】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記珪藻土が塗材用原料組成物中に、3.0〜4
0.0重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項
1ないし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成
物。このことにより、珪藻土の有する吸着性、調湿性及
び断熱性が低下することなく、珪藻土を結合させる水硬
性材料及び気硬性材料が不足することなく、水と混練
し、塗工した後に得られる塗膜の強度があるものであ
る。
【0068】・ 前記水硬性材料が塗材用原料組成物中
に、10.0〜40.0重量%の範囲で含有することを
特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
塗材用原料組成物。このことにより、水と混練し、塗工
した後に得られる塗膜に十分な強度が得られるものであ
り、珪藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十
分に発揮されるものである。
【0069】・ 気硬性材料を2種類以上含有すること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
の塗材用原料組成物。このことにより、組み合わされる
粒度の幅が広がることによって、水と混練したとき、適
度な粘性を得られ、塗工作業性がより向上するものであ
る。
【0070】・ 前記気硬性材料が塗材用原料組成物中
に、2.0〜30.0重量%の範囲で含有することを特
徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗
材用原料組成物。このことにより、塗材用原料組成物と
水とを混練したスラリーは、良好な作業性が得られ、珪
藻土、気硬性材料及び化学物質吸着剤の効果が十分に発
揮されるものである。
【0071】・ 前記化学物質吸着剤が無機系粉末であ
ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
に記載の塗材用原料組成物。このことにより、塗材用原
料組成物との混練性が良いものとなる。
【0072】・ 前記化学物質吸着剤の含有量が塗材用
原料組成物中に、その有効成分で0.5〜10.0重量
%の範囲で含有することを特徴とする請求項1ないし請
求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。このこと
により、十分な有害物質の吸着効果が得られるものであ
る。
【0073】・ 前記光触媒が塗材用原料組成物中に、
5.0重量%以下含有することを特徴とする請求項1な
いし請求項3のいずれかに記載の塗材用原料組成物。こ
のことにより、有機溶剤を分解する効果は充分に発揮で
き、本来の塗材用原料組成物の構成される材料の成分が
少なくなることがなく、得られる塗膜の性能が低下しな
いものである。
【0074】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の塗材用原料組成物によれば、水と混練し、塗工した
後に得られる塗膜が空気中の有機溶剤を吸着することが
でき、その塗膜の強度が高いものであり、さらに、調湿
性、断熱性を持ち、乾燥しながら空気中の炭酸ガスを有
効に吸収することができる塗工作業性に優れたものであ
る。
【0075】請求項2に記載の発明の塗材用原料組成物
によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、安価
で、容易に用いることができ、塗工された塗膜周囲の炭
酸ガスを吸着することができ、その濃度を低くすること
ができる。
【0076】請求項3に記載の発明の塗材用原料組成物
によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に
加え、これに接する細菌やホルマリン、ホルムアルデヒ
ドなどを分解する機能を発揮することができるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/04 C04B 28/04 // C04B 103:00 103:00 103:14 103:14 (72)発明者 倉橋 宏幸 岐阜県各務原市松本町2丁目457番地 菊 水化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA05 PB03 PB05 PB08 PB13 PC04 PC11 PE04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪藻土と、水硬性材料と、気硬性材料
    と、化学物質吸着剤とを含有することを特徴とする塗材
    用原料組成物。
  2. 【請求項2】 水硬性材料がポルトランドセメントであ
    り、気硬性材料が消石灰、ドロマイトプラスターのうち
    いずれか1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記
    載の塗材用原料組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、光触媒を含有する請求項1又は
    請求項2に記載の塗材用原料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100800031B1 (ko) 2005-11-30 2008-01-31 (주)원건축사사무소 카본계 흡착재를 포함하는 친환경 미장용 모르타르 및 그제조방법
DE102009020555A1 (de) * 2009-05-08 2010-11-11 Ardex Gmbh Verfahren zur Verminderung gasförmiger Schwefelbestandteile aus der Raumluft, hervorgerufen durch Emissionen aus Baustoffen
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