JP2003182125A - プリンタ - Google Patents

プリンタ

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JP2003182125A
JP2003182125A JP2001388100A JP2001388100A JP2003182125A JP 2003182125 A JP2003182125 A JP 2003182125A JP 2001388100 A JP2001388100 A JP 2001388100A JP 2001388100 A JP2001388100 A JP 2001388100A JP 2003182125 A JP2003182125 A JP 2003182125A
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Koichi Hirabayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドの発熱による記録リボンの溶
断を防止することにあり、特に、プレヒート時の記録リ
ボンの溶断防止に好適なサーマルプリンタを提供するこ
と。 【解決手段】 サーマルヘッドを記録媒体への印刷を行
う記録位置と、前記記録媒体を搬送するために、前記記
録位置よりもプラテンローラから離隔した中間位置と、
前記中間位置よりもプラテンローラから離隔した退避位
置と、の間で移動させ、プレヒート時には、退避位置に
サーマルヘッドを位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリンタ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱溶融式記録または熱昇華式記録を行う
熱転写方式のサーマルプリンタによれば、印画紙等の記
録媒体の記録面上に、インクが施された記録リボンを配
置し、記録媒体の搬送と記録リボンの供給及び巻取りを
行いつつ、所定印画圧を記録面上に印加し、サーマルヘ
ッドによる印画形成を行なうように構成されている。
【0003】このようなサーマルプリンタでは、静電気
等により記録リボンがサーマルヘッドに付着し、溶断す
る場合がある。特開2000−85172号公報の「昇
華型熱転写プリンタ」によれば、印画すべき画像濃度が
一定値を超えるとサーマルヘッドの発熱部への通電を制
限することで、記録リボンが記録媒体に貼り付くのを防
止して記録リボンの溶断防止を図る技術が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな記録リボンの溶断防止は、印刷時のみならずサーマ
ルヘッドを加温するプレヒート時にも生じ得る。ここ
で、従来のサーマルプリンタは、サーマルヘッドを印刷
時と記録媒体の搬送時とで移動させ、記録媒体の搬送時
にはサーマルヘッドが記録媒体に接触しないように移動
させている。そして、従来のサーマルプリンタでは、サ
ーマルヘッドをプレヒートする場合、記録媒体の搬送時
の位置にサーマルヘッドを移動させて行っていたのが現
状である。
【0005】しかし、記録媒体の搬送時の位置は、専ら
記録媒体の搬送を主目的としているため、印刷時の位置
と大きく異なるものではなく、サーマルヘッドと記録リ
ボンとの間の距離も大きく異なるものではない。このた
め、プレヒート時にサーマルヘッドに記録リボンが付着
して、溶断する場合があった。
【0006】従って、本発明の目的は、サーマルヘッド
の発熱による記録リボンの溶断を防止することにあり、
特に、プレヒート時の記録リボンの溶断防止に好適なサ
ーマルプリンタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、サーマ
ルヘッドと、前記サーマルヘッドに対向して配置された
プラテンと、を備え、前記サーマルヘッドと前記プラテ
ンとの間に記録媒体と記録リボンとを介在させ、前記記
録媒体を印刷するサーマルプリンタであって、前記サー
マルヘッドを、前記記録媒体への印刷を行う記録位置
と、前記記録媒体を搬送するために、前記記録位置より
も前記プラテンから離隔した中間位置と、前記中間位置
よりも前記プラテンから離隔した退避位置と、の間で移
動させるサーマルヘッド移動手段を設けたことを特徴と
するサーマルプリンタが提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な一実施形態
について、添付の図面を参照して述べる。 <サーマルプリンタの構成>図1(a)は、使用状態を
示した本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタ10
0の外観斜視図、(b)は前面カバー111を引き出し
た様子を示したサーマルプリンタ100の外観斜視図で
ある。
【0009】本図において、サーマルプリンタ100
は、図示のように壁面Wを背面とした棚板T上に設置す
ることで、占有設置面積を極力少なくしている。また、
サーマルプリンタ100は、図示のような箱状に形成さ
れるとともに、その前面外装面102において前後方向
に引き出し自在となるように前面カバー111が設けら
れており、この前面カバー111の下方に配設されたハ
ンドル111hを操作することで、図1(b)に図示のよ
うに前面カバー111を手前側に引き出す状態にするこ
とができるように構成されている。
【0010】この図1(b)に図示の状態において、サ
ーマルプリンタ100の本体側の基部を形成する破線図
示の本体基部1、2間の空間内に収納されているロール
紙RPを露出する状態してから記録媒体であるロール紙
RPの交換を行うように構成されている。また、このロ
ール紙RPは外周面側が印画面となるように例えば10
0mの長尺記録紙が巻回されて準備される。
【0011】また、図示のようにサーマルプリンタ10
0はこの前面外装面102と上面外装面101と、両側
の側面外装面103、103を形成しており、デジカメ
等からのデジタルデータが入力されるパソコンなどの画
像データ処理装置200に接続されて使用される。
【0012】以上の構成により、ロール紙RPの外周面
となる記録面上に後述する記録リボンを配置し、ロール
紙RPの正逆方向の搬送動作と記録リボンの供給及び巻
取り動作とを行う。そして、印画圧を記録面上に印加し
て、後述するサーマルヘッドへの通電によりこれを発熱
させて、各色毎の印画形成を順次行うことでカラー印画
を行い、印画形成後に、カッター装置で所定サイズに切
断し、前面カバー111の上方に設けられた排出口5か
ら前方に向けて排出する。なお、前面カバー111の上
部において着脱自在に設けられた収納箱14内に収納す
るように構成されている。この収納箱14は、取り出し
易さを考慮して図示のように上方と前方に大きく開口し
ている。
【0013】一方、上面外装面101には大きな開口面
積を有する開口部101aが図示のように形成されてい
る。通常は、この開口部101aを開閉蓋体110で図
示のように塞ぐとともに、後述の記録リボンの交換時と
サーマルヘッドの点検時においてこの開閉蓋体110を
開くように構成されている。
【0014】このために、この開閉蓋体110は、上面
外装面101の奥側を支点として開閉自在に設けられて
おり、また、開閉蓋体110を、上記の本体基部1、2
に対する係止状態(図1(a)の状態)と非係止状態と
にするための係止機構が設けられている。
【0015】この係止機構は、開閉蓋体110の前側に
設けられた蓋体ハンドル110hを、前方向に移動する
ことで係止状態が解除される。また、図示の位置に開閉
蓋体110を手で回動することで自動的に係止状態にな
るように構成されている。
【0016】以上の構成により、ユーザは全ての操作を
前面となる前面外装面102側から行えることになる。
この結果、図示のように壁面Wに近づけた棚板T上にサ
ーマルプリンタ100を配設することができ、かつ側面
外装面103に隣接して不図示の他の機器を配置しても
一向に構わないことから、設置面積を有効利用できるこ
とになる。
【0017】次に、図2は、サーマルプリンタ100へ
のロール紙RPと記録リボン支持体120の着脱の様子
を示すために一部を破断して示した外観斜視図である。
【0018】本図において、図1で既に説明済みの構成
部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、
開閉蓋体110には一対の主回動部材20が蓋体基部と
なる部材を兼ねて設けられている。
【0019】また、上記の蓋体ハンドル110hには係
止部材97が平行移動可能に設けられており、図1
(a)に図示の状態では開閉蓋体110は不図示のバネ
の移動動作により、本体基部1、2の内壁に夫々植設さ
れたピン44、44に対する係止状態になるようにして
いる。
【0020】以上の構成において、蓋体ハンドル110
hを手前側に引くと、閉蓋体110の係止部材97のピ
ン44、44に対する係止状態が解除されて、開閉蓋体
110に固定された主回動部材20、20がヒンジの回
動軸体22を回動中心にして不図示のトーションバネの
力で矢印D1方向に回動できる状態となり、不図示のス
トッパーで停止する状態になるように構成されている。
【0021】この状態で、開口部101aの前面側から
記録リボン支持体120を矢印D2方向に移動して案内
部材140、140の第1溝部140a、第2溝部14
0bに対して後述の摺動部材であるピンを挿通するよう
にしてセットする。
【0022】また、記録リボンRは供給スプール3と巻
取りスプール4とに夫々巻回した状態で準備される。こ
の記録リボンRは、長尺の記録ロール紙RPの印画に必
要となる所定分のY(イエロー)、M(マゼンタ)、C
(シアン)と保護層となるオーバーコートの各記録層を
備えており、ロール紙RPの交換とともに交換すること
ができるようにして、交換忘れを防止できるようにして
いる。
【0023】このように準備された記録リボンRの供給
スプール3と巻取りスプール4とを記録リボン支持体1
20のベース60の左右壁面において固定された4個の
軸受63にセットすることで、供給スプール3と巻取り
スプール4を記録リボン支持体120に対する両支持状
態に軸支できるようになる。
【0024】この記録リボン支持体120は、上記のベ
ース60の左右壁面を立ち曲げ加工した板金製または所
定樹脂材料を用いた射出成形品として準備されるととと
もに、本体基部1、2に夫々固定された案内部材140
の第1溝部140aと第2溝部140bに個別に入り込
む一対の第1ピン61と一対の第2ピン62とを側壁に
おいて図示のように固定している。
【0025】また、上記の軸受63の内の1つの近傍に
は、ギア7aを設けたトルクリミッター7がベース60
の内側の側壁に固定されており、供給スプール3を軸受
63にセットしたときに、供給スプール3に固定された
ギア64がトルクリミッター7のギア7aに対して噛合
する状態で軸支される状態になることで、印画時におけ
る記録リボンRの巻取り及び供給時において、記録リボ
ンRのバックテンションを与えることができるようにし
ている。
【0026】また、上記の主回動部材20、20の間の
空間部分にはサーマルヘッド10が設けられており、図
示のようにサーマルヘッド10の発熱部10aが外部に
露出した状態で点検作業が簡単に行えるようにしてい
る。
【0027】一方、前面カバー111を手前側に引き出
すことで、前面外装面102から突出する状態して、比
較的に重量のあるロール紙RPの装填作業を非力な女性
でも簡単に行えるようにしている。このために、ロール
紙RPを回転自在にする回転軸体を軸支する一対の軸受
26を設けた基部50の底面には、左右一対の棒体52
(図2では手前側のみ図示)が図示のように奥側に延設
するように固定されている。
【0028】そして、これらの棒体52をサーマルプリ
ンタ本体側の本体基部1、2間の底面において所定間隔
で固定されたブッシュ51、51で往復移動可能かつロ
ール紙RP他の荷重を支持した図示の片支持状態にでき
るようにしている。このようにして、図示の位置に基部
50が引き出されると、左右一対の回動部材55の端部
で軸支されたアイドルローラ33と駆動ローラ32が外
部に表れる状態となるので、これらのローラ32、33
間にロール紙RPの巻端を簡単にセットできるようにな
る。
【0029】一方、本体基部1、2の奥側には、破線図
示の電源部300と制御部400とが一個所に集中的に
配設されており、上記の画像データ処理装置200から
の画像データを処理してサーマルヘッド10への所定通
電並びに各制御を不図示の配線を介して行なうように構
成されている。
【0030】<記録リボン支持体120の案内>次に、
図3は図2のX-X線矢視断面図であって、記録リボン
支持体120の着脱を行う様子を示している。同図に示
すように、開閉蓋体110を開くと案内部材140の全
体が現れることとなり、記録リボン支持体120の交換
が可能となる。
【0031】本図において、既に説明済みの構成部品に
ついては同様の符号を附して説明を割愛すると、記録リ
ボン支持体120を矢印D2方向に出し入れ可能にする
ために、樹脂材料等を用いて製造される案内部材140
には記録リボン支持体120の両側面の前端側に固定さ
れた第1ピン61が摺動しつつ案内される第1溝部14
0aと、記録リボン支持体120の両側面の後端側に固
定された第2ピン62が摺動しつつ案内される第2溝部
140bとが形成されている。
【0032】第1溝部140aは、少なくともその中間
部位において略水平方向に延在しており、底部140d
に至る部分で斜めに下がっている。従って、本実施形態
の場合、記録リボン支持体120は、略水平方向にサー
マルプリンタ100内へ導入することにより装填され
る。また、底部140dは記録リボン支持体の装填位置
を規定している。
【0033】一方、サーマルプリンタ100の前面側に
開口した、第1溝部140aと第2溝部140bの各開
口部は次第に広がる形状となっており、記録リボン支持
体120を簡単に導入することができる。これら各開口
部は、記録リボン支持体120が導入される、案内部材
140の導入端部を構成している。
【0034】このように本実施形態では、記録リボン支
持体120を、サーマルプリンタ100の前面側から略
水平方向に導入することで装填することが可能である。
この構成の利点は以下の点にある。
【0035】第1には、サーマルプリンタ100の一部
を大きく展開させる必要が無くなり、簡単に記録リボン
支持体120を装填できることである。第2には、サー
マルプリンタ100が比較的狭い場所に設置されていて
も記録リボン支持体120の交換が簡便なことにある。
これは、一般的なプリンタの設置箇所を考慮すると、側
面や上面或いは背面と比べて、プリンタの前面は、壁等
の障害物が少なく、作業空間が確保できるからである。
【0036】特に、本実施形態の場合、サーマルプリン
タ100により印刷された印刷物をその前面から排出す
るようにしているので、サーマルプリンタ100の前面
空間が空きの状態で設置されることが予想されるため、
ほとんどの場合、記録リボン支持体120を交換するた
めの作業空間が得られるであろう。
【0037】以上の構成により、記録リボン支持体12
0を完全に外部に取り外してから、記録リボンRを記録
リボン支持体120の上から図示のようにセットした後
に、記録リボン支持体120を奥側に移動することで、
第1ピン61が第1溝部140aの底部140dに、ま
た第2ピン62が第2溝部140bの底部140hにそ
れぞれ落下し、記録リボン支持体120を装填位置に配
置することができる。
【0038】以上は、サーマルプリンタ100から記録
リボン支持体120が完全に外部に取り外し可能である
ことを述べた。しかしながら、サーマルプリンタ100
を上記の棚板T上の狭い場所に設置した場合には、記録
リボン支持体120を取り出した後に一時的に仮置きす
るための場所の確保ができない。
【0039】そこで、記録リボン支持体120をサーマ
ルプリンタ100から完全に取り外さず、案内部材14
0の途中で一時停止させ、記録リボン支持体120に支
持されている記録リボンRのみを交換するようにするこ
ともできる。以下、この構成を図4、図5を参照して述
べる。
【0040】図4は、記録リボン支持体120の平面図
である。また、図5は、図2のX-X線矢視断面相当図
であって、記録リボン支持体120が片支持される様子
を示した図である。
【0041】図4、図5において、既に説明済みの構成
部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、
供給スプール3の軸体3aの一端側にはギア64が固定
されており、軸体3aをベース60の左右壁面に固定さ
れた軸受63により軸支するとともに、このギア64に
対してトルクリミッター7のギア7aが噛合して上記の
印画時における記録リボンRの巻取り及び供給時におい
て、記録リボンRのバックテンションを与えるようにし
ている。
【0042】また、巻取りスプール4の軸体4aは、軸
受63により両軸支状態にされており、記録リボンRを
図示のように張設するようにしてセットされている。
【0043】一方、ベース60には一対の鍔部60aが
図示のように外側に曲げ加工されており、これらの鍔部
60aを上記の案内部材140の上面に形成される摺動
面140c上で摺動するように構成されている。
【0044】また、図5(b)において、案内部材14
0の第1溝部140aには、記録リボン支持体120
を、記録リボンの供給及び巻取りを行う装填位置まで案
内する途中で一時的に停止させるバネ部材から構成され
た停止機構部141が設けられている。
【0045】この停止機構部141は、記録リボン支持
体120を手前がわに移動する途中で第1ピン61に対
して図5(b)に図示のように当接するので、引出し力
が一時的に大きくなるのでユーザは片支持状態にできる
ことを知る。すなわち、ベース60の鍔部0aが案内部
材140の摺動面140cで保持され、かつ第1ピン6
1が第1溝部140a中で保持される片支持状態になっ
たことが分かるので、この位置で記録リボンRのみの交
換を行うことができる。
【0046】このために、サーマルプリンタ100がご
く狭い場所に設置され、記録リボン支持体120を取り
出した後に一時的に仮置きするための場所の確保ができ
ない場合であっても記録リボンRの交換作業を行うこと
ができる。以上の交換作業の後に、図5(a)に示した
位置に移動して交換作業を終える。
【0047】次に、図6は、サーマルプリンタ100の
要部構成を示すために本体基部1を破断して示した正面
図であり、上記の記録リボン支持体120を装填した後
の様子を示している。
【0048】本図において、既に説明済みの構成部品に
ついては同様の符号を附して説明を割愛すると、本体基
部1と本体基部2は紙面表裏方向に延びる不図示の連結
部材を介して互いに固定されており、本体基部1、2の
間において空間部を形成して、上記の開閉蓋体110を
図示の位置における係止状態にするとともに、破線図示
の記録リボンRを巻回した供給スプール3と巻取りスプ
ール4とを設けた記録リボン支持体120を本体基部
1、2の間における上記の装填位置に装填している。
【0049】一方、ロール紙RPはロール紙軸体25を
回転中心に設けており、このロール紙軸体25を上記の
基部50に固定されたロール紙軸受26で回動自在かつ
上方から着脱自在に設けており、上記のようにロール紙
RPがセットされた後に供給位置にセットされ、アイド
ルローラ33と駆動ローラ32の間のニップ部でロール
紙RPの巻端を挟持するとともに、図示の左側を記録面
として矢印d2方向に送られるにともない、ロール紙R
Pが引っ張られて矢印d1方向に回動するように構成さ
れている。
【0050】続いて、ロール紙の巻端は、第1のガイド
部材36a、36bで案内され、方向転換ローラ29の
外周面に設けられた第2のガイド部材37と方向転換ロ
ーラ29の外周面の間の隙間において矢印d3方向に案
内されることで方向転換される。この方向転換によりロ
ール紙RPの先端は前面外装面102に向かう。
【0051】その後、後述するように滑り止め面を有し
た駆動ローラ30とアイドルローラ31の間のニップ部
に送られ、第3のガイド部材36で案内されてサーマル
ヘッド10とプラテンローラ11の間を通過する状態に
される。
【0052】次に、上ガイド部材39と下ガイド部材3
8の間に送られ、ロータリカッター装置40に入るよう
にされて、切断後に矢印d4方向に送り出されて排出口
5から外部にかけて切断シートSとして排出される。
【0053】図7は、駆動系を表した図である、図6及
び図7を参照して、上記の各駆動ローラ30、32はプ
ーリギア47、48から動力伝達される。このために共
通のステッピングモータ59のモータプーリ59aには
歯付ベルト70が張設されている。また、各駆動ローラ
に追動するアイドルローラには不図示の圧接機構が設け
られており、特に、駆動ローラ30とアイドルローラ3
1間のニップ部ではスリップを完全に防止した正逆方向
の搬送を行うことで、1画面分のYMC各色の印画形成
を行うように構成されている。
【0054】次に、サーマルヘッド10に対向して、本
体基部1、2には、例えば耐熱弾性ラバーからなるプラ
テンローラ11が回転自在に軸支されている。なお、プ
ラテンローラ11に代えて、例えば耐熱弾性ラバーから
なる板状の平板プラテン(不図示)を設けてもよい。
【0055】このサーマルヘッド10は、印刷動作時に
配置される動作位置と、サーマルヘッド10のプレヒー
ト時に配置される退避位置と、の間で移動するように副
回動部材12に固定されている。ここで、動作位置は、
更に、ロール紙RPに対して印刷をする時に配置される
記録位置と、ロール紙RPを搬送する場合に配置される
中間位置と、を含む。
【0056】記録位置では、サーマルヘッド10はプラ
テンローラ11に圧接した状態にあり、サーマルヘッド
10とプラテンローラ11との間には、ロール紙RP及
び記録リボンRが挟まれている。そして、サーマルヘッ
ド10の熱により記録リボンRのインクが昇華してロー
ル紙RPが印刷される。
【0057】中間位置では、サーマルヘッド10がプラ
テンローラ11から離隔しており、ロール紙RPが円滑
に搬送される隙間が形成される。退避位置では、サーマ
ルヘッド10がプラテンローラ11から更に離隔してお
り、サーマルヘッド10に記録リボンRが貼り付くこと
を防止する位置にある。
【0058】次に、副回動部材12を回動駆動してサー
マルヘッド10を移動させるために、副回動部材12は
主回動部材20に設けられたアーム軸体13回りに回動
自在に設けられており、この副回動部材12をアーム軸
体13回りにカムモータ18により回動することで、サ
ーマルヘッド10を上述した3つの位置に移動するよう
に構成されている。
【0059】サーマルヘッド10の上面と主回動部材2
0の間に固定される梁部材17との間には、複数の圧縮
コイルバネ15が設けられている。これらの複数の圧縮
コイルバネ15は、後述するように圧縮することで発生
する圧縮力により副回動部材12を図7の矢印方向に回
動する状態にすることで、サーマルヘッド10の発熱部
10aを上記のプラテンローラ11に対する当接状態に
維持する。
【0060】この副回動部材12を上記の複数の圧縮コ
イルバネ15の圧縮力に抗して退避位置に駆動するため
に、上記のカムモータ18は主回動部材20に固定され
ており、歯付きベルト87で後述するカムを駆動するよ
うに構成されている。このようにして主要な機構を開閉
蓋体110に設けたサブアッセイ単位で構成して、印画
に必要な印画圧をプラテンローラ11とサーマルヘッド
10の発熱部10aの間において発生できるように構成
されている。
【0061】また、記録リボンRはベースフィルム上に
印画面の1枚分の面積分に相当する面積の各インク層が
敷設されており、加法混色により総べての色を再現でき
る三原色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)の固形インク層に加えて保護層を形成するオーバ
ーコート層が形成されている。
【0062】そして、サーマルヘッド10が記録位置に
おいて発熱部10aへの通電を行うときに、記録リボン
Rのベースフィルムが発熱部10a側に位置し、かつプ
ラテンローラ11の上にロール紙を介在させて印画を可
能にしている。また、各インク層に対応した位置には、
不図示の光学式センサで検出される被検出部となるセン
スマークが夫々印刷などにより形成されている。
【0063】一方、上記の記録リボン支持体120をセ
ットした状態で、供給スプール3にはトルクリミッター
7が連結されており、図示の軸支状態において供給スプ
ール3に形成されたギアが噛合することでトルクリミッ
ター7により、リボン巻取り動作時における適度なバッ
クテンション(張力)を供給スプール3に発生させるよ
うにしている。
【0064】また、図6に図示のように、リボン交換体
が装填位置にセットされた状態において、巻取りスプー
ル4にはリボン駆動モータ9のギアが噛合しており、図
示の軸支状態において巻取りスプール4に形成された不
図示の歯部にリボン駆動モータ9からの動力伝達を行う
ギアの歯部が噛合することで巻取り動作を行うように構
成されている。
【0065】以上で、供給スプール3と巻取りスプール
4の間で記録リボンRがサーマルヘッド10の発熱部1
0aに展開される状態となるので、熱昇華式記録または
熱転写式記録方式による記録が可能となる。すなわちサ
ーマルヘッド10の発熱部10aを通過する破線図示の
状態に記録リボンRを位置させることで、リボン駆動モ
ータ9への通電に伴い巻取りスプール4の巻取りにより
記録リボンRを供給スプール3から矢印r1方向に供給
する一方で、矢印r2方向に巻き取るようにできる。 <アイドルローラ31の構成>次に、記録媒体の搬送ロ
ーラであるアイドルローラ31について述べる。
【0066】上述したように印画のためにロール紙RP
を正逆方向に搬送するために駆動ローラ30には滑り止
め面が形成される。このような滑り止めとしては、例え
ば、駆動ローラ30の周面に凹凸を設けることが上げら
れる。
【0067】この駆動ローラ30に対向配置されるアイ
ドルローラ31は、カラー印画を行うために、ロール紙
RPを駆動ローラ30とアイドルローラ31間のニップ
部で確実に保持して、正逆方向に搬送する必要がある。
【0068】すなわち、アイドルローラ31は、駆動ロ
ーラ30と共にロール紙RPを滑ることなく確実に搬送
することが要求されると共に、ロール紙RPに形成され
た画像がアイドルローラ31の周面に転写されないこと
も要求される。本実施形態では、これらの要求を満たす
ために、アイドルローラ31の周面の材料として、超高
分子量ポリエチレン(UHMWPE、 Ultra-high mole
cular wight polyethylene)である「サンファン(商品
名、旭化成株式会社)」や「ポリペンコ U−PE(商
品名、日本ポリペンコ株式会社)」等、または高分子量
ポリエチレンを採用している。この材料を用いることに
より、ロール紙RPの搬送を確実にすると共に、転写も
防止することができる。
【0069】図8(a)は、駆動ローラ30とアイドル
ローラ31の間のニップ部にロール紙RPを挟んだ様子
を示し、各ローラを長手方向に見た正面図、また図8
(b)は(a)のX-X線矢視図、(c)はニップ部の
要部拡大図である。
【0070】先ず、図8(c)において、駆動ローラ3
0の外周面には、ロール紙RPの印画面の裏面に対して
一部が食い込むように形成された突起部30bが無数に
形成して凹凸を設けており、この駆動ローラ30を上記
のように駆動するときに搬送ずれを一切防止して搬送す
るようにしている。また、アイドルローラ31の外周面
は、例えば、重量平均分子量が100万から500万の
超高分子量ポリエチレンまたは高分子量ポリエチレンか
ら成型または形成されている。さらに、アイドルローラ
31の外周面は鏡面仕上げされている。
【0071】以上の構成により、例えば、最初のY色層
の熱昇華式記録後に、完全に固化が終了しておらず不安
定状態になっている印画形成部がアイドルローラ31の
外周面に転写することを防止することができる。
【0072】次に、図8(a)において、上記の基部
1、2の間において、駆動ローラ30とアイドルローラ
31を回動自在に軸支するために、各ローラの芯金30
a、31aには軸受30k、31kが挿入されており、
図示の状態においてロール紙RPの厚さ分以下の間隙g
を維持するように設けられている。
【0073】以上の構成により、ロール紙RPをニップ
部で挟持しつつ正逆方向に搬送することで、搬送ずれを
防止した搬送を可能にしている。
【0074】なお、重量平均分子量が100万から50
0万の超高分子量ポリエチレンは、重量平均分子量が2
万から30万の高密度ポリエチレンに比べて、表面密度
がより密であるので、転写のみならず一切の汚れを防止
する効果がある。
【0075】次に、駆動ローラ30の外周面には上記の
ように無数の突起部30bが形成されているので、ロー
ル紙RPが間隙gに介在していない状態では、アイドル
ローラ31の外周面に突き刺さってしまい損傷してしま
う。
【0076】そこで、図8(b)に図示のようにアイド
ルローラ31の芯金31aを軸支する軸受31kを支持
部材41に固定し、この支持部材41を基部に対してス
タッド41aにおいて回動軸支し、かつ支持部材41の
一端に引っ張りバネ42を設け、他端において基部に固
定されるストッパー43に当接する当接部41bを形成
することで、ロール紙RPの搬送を行わないときにはア
イドルローラ31の外周面が駆動ローラ30に形成され
た凹凸の突起部30bから隔離させるようにしている。
また、引っ張りバネ42は、図8(c)に示したよう
に、ロール紙RPの印画面の裏面に対して突起部30b
の一部が食い込むための力を発生することができる。
【0077】以上説明した構成によれば、従来より多く
使用されている耐磨耗性に優れた高硬度のシリコンラバ
ーローラとの比較において、転写が防止され、良好な印
画形成を行うことができる。
【0078】続いて、図9は、サーマルプリンタの動作
説明のための模式図であり、(a)は共通のステッピング
モータ59により駆動ローラ30、32が矢印方向の正
方向に駆動され、これらに追動するアイドルローラ3
1、33が駆動される様子を示し、(b)は、共通のステ
ッピングモータ59により駆動ローラ30、32が矢印
方向の逆方向に駆動され、これらに追動するアイドルロ
ーラ31、33が駆動される様子を示している。
【0079】本図において、既に説明済みの構成部品に
ついては同様の符号を附して説明を割愛すると、上記の
ようにサーマルヘッド10を駆動するカムモータ18と
リボン駆動モータ9とロータリカッター装置40は電源
部300と制御部400に接続される不図示のドライバ
部に夫々接続されており、後述する印画形成のための制
御を行うように構成されている。
【0080】そして、サーマルヘッド10がプラテンロ
ーラ11から離れ、記録リボンRの頭出しが行われた後
に、ロール紙RPが上記のように搬送されることで、巻
端がロータリーカッター装置40の切断位置まで送られ
る次に、印画動作が開始されて、カムモータ18への通
電により、サーマルヘッド10がプラテンローラ11上
に記録リボンRを介在して当接され、記録リボンRの巻
取り動作に同期して、ロール紙RPが逆方向に搬送され
る。これに同期してサーマルヘッド10への所定通電が
行われて最初の色の印画形成が開始され、さらに逆方向
に搬送することで、1画面分の印画が終了する。
【0081】これに続き、駆動ローラ30とアイドルロ
ーラ31間のニップ部で確実に保持して、正逆方向に搬
送することでカラー印画に必要となる3回分の往復駆動
を行う。
【0082】具体的には、サーマルプリンタ100の起
動が行われると、カムモータ18への通電が制御部40
0から指示されて、図9(a)に図示の退避位置にサーマ
ルヘッド10を移動し、プレヒートする。続いて、印画
初期状態にするためのイニシャライズルーチンに進み、
リボン駆動モータ9への通電が行われて記録リボンRの
巻取りが開始され、ステッピングモータ59の高速駆動
が行われる。
【0083】これに続いて、記録リボンRのY色層の開
始位置を検出する頭出しと、ロール紙RPの正方向の搬
送により1画面分の長さ分の後端部位が、プラテンロー
ラ11のニップ部での挟持状態になったことが判断され
るまで継続されて、頭出しと挟持状態になったことが不
図示のセンサで検出されて終了する。
【0084】これに続き、カムモータ18への通電が行
われて、図9(b)に図示の状態である印画の可能な記録
位置になるようにサーマルヘッド10を移動する。
【0085】次に、最初の色のY層の印画動作が開始さ
れて、リボン駆動モータ9とサーマルヘッド10への色
分解された制御信号による通電とステッピングモータ5
9への通電が同期して行われ、印画形成がロール紙RP
を逆方向に搬送しつつ行われる。このとき、ステッピン
グモータ59への通電はマイクロステップ駆動とすると
良い。これに続き、1色分の印画形成が終了したと判断
されると、カムモータ18への通電が行われてサーマル
ヘッド10が中間位置に戻される。以上でY色層の印画
が終了し、ステッピングモータ59への駆動が行われて
高速度で正方向に搬送される。
【0086】そして、YMC層の印画が終了し、1画面
分の印刷が終了すると、サーマルヘッド10は退避位置
に戻り、プレヒートされる。また、ステッピングモータ
59への駆動が行われ、高速度でロール紙RPの搬送が
行われて、ロータリーカッター装置40に対して1画面
分の搬送が終了したか否かが判断される。終了したと判
断されるとカッター装置40への通電により切断され、
切断後に排出口5から収納箱14の中に排出される。
【0087】このように構成されるサーマルプリンタ1
00は業務用として最適であり、例えばデジカメから直
接印画するようにした有料の街頭設置用の記録装置とし
て使用できることになる。ここで、上記の構成に限定さ
れず、ロール紙RPの搬送を行いつつ印画形成する記録
装置には全て適用可能であり、印画は上記のカラー印画
に限定されず、例えばモノクロ用でもよいことは言うま
でもなく、この場合には黒層の印画動作のみでよいので
さらなる高速化が実現可能となる。<記録リボンの溶断
防止>上述した通り、サーマルプリンタ100はプレヒ
ート時において退避位置に移動するために、記録リボン
Rの貼り付きを防止して、その溶断を防止し得る。しか
し、更に確実に記録リボンRの貼り付きを防止するため
に、サーマルプリンタ100は以下の構成を備える。
【0088】図10は、記録リボン隔離機構の概略構成
を示した外観斜視図である。本図において、既に説明済
みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛
すると、サーマルヘッド10の発熱部10aは、基部
1、2間において回動自在に軸支されたプラテンローラ
11の外周面に対向して位置するように上記の副回動部
材12に図示のように固定されている。
【0089】また、副回動部材12は図示のように左右
一対の部材として形成されており、主回動部材20に固
定されたアーム軸体13周りに回動するように設けられ
ており、図7を参照して述べたように梁部材17とサー
マルヘッド10との間に設けられた複数の圧縮コイルバ
ネ15の圧縮力で図示の位置に戻るように構成されてい
る。つまり、副回動部材12が回動駆動されてプラテン
ローラ11に対してサーマルヘッド10が当接する状態
から、さらに副回動部材12が回動駆動されて圧縮コイ
ルバネ15が所定距離分圧縮する力により印画圧を発生
するように構成されている。
【0090】副回動部材12にはカム83、83に摺接
する摺接面12b、12bが一体形成されており、カム
83の回動に追動して副回動部材12をアーム軸体13
周りに回動駆動するように構成されている。
【0091】これらのカム83、83を固定した軸体8
1は主回動部材20間において回動自在に軸支されてい
る。この軸体81には歯付きプーリ86が固定されてお
り、主回動部材20に固定された上記のカムモータ18
の出力軸に固定された歯付きプーリ18aとこの歯付き
プーリ86間に歯付きベルト87を噛合するように張設
して、カム83の駆動を行うことでサーマルヘッド10
を退避位置と記録位置とこれらの間の中間位置で停止さ
せる。また、軸体81には主回動部材20に固定された
センサ85により検出されるドグ84が固定されてい
る。
【0092】一方、図中の一点鎖線で示した記録リボン
Rは、図示のように発熱部10aを通過する展開状態と
なるので、サーマルヘッド10を退避位置に移動したと
きに発熱部10aから隔離させる棒状の軸体95が、サ
ーマルヘッド10と記録リボンRとの間に介在するよう
に設けられている。この軸体95は、サーマルヘッド1
0が図9(a)に示した退避位置へ移動するさいの駆動
力の分力で駆動するように構成されている。
【0093】この分力で軸体95を駆動するために、左
右一対の副回動部材12に穿設された長孔部12aにお
いて回動軸支される第1軸体91を回動軸とした、左右
一対の第1部材90、90と、主回動部材20において
軸体96により回動軸支される一対の第2部材94、9
4とにおいて、記録リボンRの幅方向に軸体95を固定
している。そして、これらの第1部材90、90と第2
部材94、94の間に引っ張りバネ93、93を張設し
ている。
【0094】以上の構成により、図11の記録リボン隔
離機構の動作説明のための外観斜視図において、カムモ
ータ18への通電により歯付きプーリ18aが矢印B1
方向に回動され、歯付きベルト87により軸体81が駆
動されて、矢印B2方向に夫々のカム83、83の駆動
が行われる。副回動部材12の各摺接面を押圧すること
で副回動部材12をアーム軸体13を回動中心として矢
印B方向に移動させることでサーマルヘッド10を退避
位置と記録位置とこれらの間の中間位置で停止させるよ
うにする。特に、中間位置から退避位置に移動するとき
に、記録リボンRを発熱部10aから引き離す軸体95
が矢印B4方向に回動駆動される。
【0095】つまり、左右一対の第1部材90、90
は、左右一対の副回動部材12に穿設された長孔部12
a、12aにおいて回動軸支される第1軸体91を回動
軸としているので、副回動部材12が矢印B方向に回動
されることで、矢印B3方向に回動される。
【0096】一方、軸体95を固定した一対の第2部材
94、94は、主回動部材20において軸体96により
回動軸支されており、これらの第1部材90、90と第
2部材94、94の間に引っ張りバネ93、93が図示
のように張設されていることから、軸体95が矢印B4
方向に回動駆動されることになる。
【0097】また、左右一対の第1部材90、90は、
左右一対の副回動部材12に穿設された長孔部12a、
12aで回動軸支される第1軸体91を回動軸としてい
るので、副回動部材12が記録位置と中間位置の間で回
動駆動される間は、上記の第1軸体91が長孔部12
a、12aの長手方向に移動して左右一対の第1部材9
0、90は回動されないように構成されており、副回動
部材12が中間位置から退避位置にかけて回動駆動され
ると第1軸体91が長孔部12a、12aの一端に停止
して左右一対の第1部材90、90を矢印B3方向に回
動するようにしている。
【0098】図12(a)〜(c)は、記録リボン隔離
機構の動作説明のための正面図である。本図において、
既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して
説明を割愛して説明すると、(a)は、カムモータ18
の駆動により副回動部材12が回動駆動されてサーマル
ヘッド10の発熱部10aがロール紙(不図示)と記録
リボンRを介在させてプラテンローラ11上に印画圧を
発生した状態で位置した記録位置にしている様子を示し
ており、この状態をセンサ84によるドグ83の位置検
出で行ない制御部に送る。
【0099】また、(b)において、カムモータ18の
駆動により副回動部材12が回動駆動されてサーマルヘ
ッド10の発熱部10aがロール紙(不図示)と記録リ
ボンRを介在させてプラテンローラ11上に位置した中
間位置にしている様子を示しており、この状態はセンサ
84でドグ83の位置検出を行うことで制御部に知らさ
れる。この中間位置において、次の印画のための準備を
行う。
【0100】そして、(c)において、カムモータ18
の駆動により副回動部材12が矢印B方向に大きく回動
駆動されてサーマルヘッド10の発熱部10aがロール
紙(不図示)と記録リボンRを介在させてプラテンロー
ラ11上に位置した退避位置にしている様子を示してお
り、この状態はセンサ84でドグ83の位置検出を行う
ことで制御部に知らされる。この退避位置において、次
の印画のためのサーマルヘッドへのプレヒート通電が行
われる。このとき、図10、11を参照して述べたよう
に軸体95が記録リボンRをサーマルヘッド10の発熱
部10aから隔離する。
【0101】図13と図14は記録リボン隔離機構の制
御例を示した動作説明のフローチャートである。図13
において、ロール紙RPと記録リボンRの準備が整い、
ステップS1において最初の色のY色層の記録動作の開
始命令が制御部から送られると、ステップS2に進みカ
ムモータ18の起動が行われて、ステップS3で副回動
部材12の回動駆動がなされて図12(a)に示した記
録位置までカムモータ18を駆動して、ステップS4で
センサ85によるドグ84の検出により記録位置になっ
たと判断されると、ステップS5でカムモータ18が停
止される。
【0102】続いて、ステップS6でサーマルヘッド1
0への通電とロール紙RPの搬送と記録リボンRのY色
層の供給及び巻取りにより印画を行なうことで最初の色
の印画を行ない、ステップS7でこの最初の色の印画が
終了したと判断されるとステップS8でカムモータ18
の起動が行われて、ステップS9、S10で副回動部材
12が回動駆動され、センサ85によるドグ84の検出
で、図12(b)に示す中間位置に位置で停止するよう
に制御する。この中間位置で、次の色の印画準備のため
のロール紙と記録リボンの頭出しが行われる。続いて、
ステップS11で次の色層のM層の印画動作の準備を行
う。以下、ステップS1からS10を繰り返し実行して
カラー印画を終了することで、次の印画開始を待つ。
【0103】次に、図14の記録リボン隔離機構の次の
印画開始を待つ制御例を示した動作説明のフローチャー
トにおいて、次の印画開始を待つために副回動部材12
を退避位置に回動駆動するために、ステップS20にお
いてカムモータ18の起動が行われて、ステップS21
で図12(c)に示した待機位置に回動するまでカムモ
ータ18を駆動して、ステップS22でセンサ85によ
るドグ84の検出により退避位置になったと判断される
と、ステップS23でカムモータ18が停止される。
【0104】続いて、ステップS24でサーマルヘッド
10へのプレヒート通電が行われ、これに前後してステ
ップS25で記録リボンRを発熱部10aから引き離す
ように軸体95が上記の回動駆動されることで記録リボ
ンRの溶融による切断が防止されるとともに、次の印画
に要する時間短縮を可能に、ステップS26で次の印画
を待って終了する。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
サーマルヘッドの発熱による記録リボンの溶断を防止さ
れ、特に、プレヒート時の記録リボンの溶断防止を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は使用状態を示した本発明の一実施形態
に係るサーマルプリンタ100の外観斜視図、(b)は
前面カバー111を引き出した様子を示したサーマルプ
リンタ100の外観斜視図である。
【図2】サーマルプリンタ100へのロール紙RPと記
録リボン支持体120の着脱の様子を示すために一部を
破断して示した外観斜視図である。
【図3】図2のX-X線矢視断面図であって、記録リボ
ン支持体120の着脱を行う様子を示している。
【図4】記録リボン支持体120の平面図である。
【図5】図2のX-X線矢視断面相当図であって、記録
リボン支持体120が片支持される様子を示した図であ
る。
【図6】サーマルプリンタ100の要部構成を示すため
に本体基部1を破断して示した正面図であり、記録リボ
ン支持体120を装填した後の様子を示している。
【図7】サーマルプリンタ100の駆動系を示した正面
図である。
【図8】(a)は、駆動ローラ30とアイドルローラ3
1の間のニップ部にロール紙RPを挟んだ様子を示した
各ローラを長手方向に見た正面図、(b)は(a)のX
-X線矢視図、(c)はニップ部の要部拡大図である。
【図9】(a)はステッピングモータ59により駆動ロー
ラが矢印方向の正方向に駆動され、これらに追動するア
イドルローラが駆動される様子を示した模式図であり、
(b)は、ステッピングモータ59により駆動ローラが矢
印方向の逆方向に駆動され、これらに追動するアイドル
ローラが駆動される様子を示した模式図である。
【図10】記録リボン隔離機構の概略構成を示した外観
斜視図である。
【図11】記録リボン隔離機構の動作説明のための外観
斜視図である。
【図12】(a)〜(c)は、記録リボン隔離機構の動
作説明のための正面図である。
【図13】記録リボン隔離機構の制御例を示した動作説
明のフローチャートである。
【図14】記録リボン隔離機構の制御例を示した動作説
明のフローチャートである。
【符号の説明】
1、2 本体基部 3 供給スプール 4 巻取りスプール 5 排出口 7 トルクリミッター 9 リボン駆動モータ 10 サーマルヘッド 11 プラテンローラ 12 副回動部材 15 圧縮コイルバネ 17 梁部材 18 カムモータ 20 主回動部材 30 駆動ローラ 30b 突起部(凹凸) 32 駆動ローラ 31 アイドルローラ 33 アイドルローラ 40 ロータリーカッター装置 50 基部(ロール紙用) 56 回動支点 59 ステッピングモータ 60 ベース 61 第1ピン(摺動部材) 62 第2ピン(摺動部材) 63 軸受 83 カム 84 ドグ 85 センサ 90 第1部材 91 第1軸体 93 引っ張りバネ 94 第2部材 95 軸体 120 記録リボン支持体 140 案内部材 140a 第1溝部 140b 第2溝部 RP ロール紙 R 記録リボン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドと、前記サーマルヘッド
    に対向して配置されたプラテンと、を備え、前記サーマ
    ルヘッドと前記プラテンとの間に記録媒体と記録リボン
    とを介在させ、前記記録媒体を印刷するサーマルプリン
    タであって、 前記サーマルヘッドを、前記記録媒体への印刷を行う記
    録位置と、前記記録媒体を搬送するために、前記記録位
    置よりも前記プラテンから離隔した中間位置と、前記中
    間位置よりも前記プラテンから離隔した退避位置と、の
    間で移動させるサーマルヘッド移動手段を設けたことを
    特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記サーマルヘッド移動手段は、 前記サーマルヘッドのプレヒート時に、前記サーマルヘ
    ッドを前記退避位置に移動することを特徴とする請求項
    1に記載のサーマルプリンタ。
  3. 【請求項3】 更に、 前記サーマルヘッドが前記退避位置にある場合に、前記
    サーマルヘッドと前記記録リボンとを隔離する隔離手段
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載のサーマルプ
    リンタ。
  4. 【請求項4】 前記隔離手段が、 前記サーマルヘッドと前記記録リボンとの間に介在する
    軸を含むことを特徴とする請求項3に記載のサーマルプ
    リンタ。
  5. 【請求項5】 前記サーマルヘッド移動手段は、 前記サーマルヘッドの移動と連動して前記軸を移動させ
    る機構を含み、 該機構は、前記サーマルヘッドを前記退避位置へ移動さ
    せる途中で前記軸を前記サーマルヘッドと前記記録リボ
    ンとの間に移動させることを特徴とする請求項4に記載
    のサーマルプリンタ。
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