JP2003181652A - 被誘導加熱部材用クラッド板およびその製造方法ならびに誘導加熱調理器用被加熱調理具 - Google Patents

被誘導加熱部材用クラッド板およびその製造方法ならびに誘導加熱調理器用被加熱調理具

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JP2003181652A
JP2003181652A JP2001378933A JP2001378933A JP2003181652A JP 2003181652 A JP2003181652 A JP 2003181652A JP 2001378933 A JP2001378933 A JP 2001378933A JP 2001378933 A JP2001378933 A JP 2001378933A JP 2003181652 A JP2003181652 A JP 2003181652A
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alloy
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induction heating
clad plate
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JP2001378933A
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Toshiyuki Okui
利行 奥井
Masahiro Aoki
正紘 青木
Shingo Iwasaki
信吾 岩崎
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍋形状への深絞り成形性に優れ、さらには有
機被覆による保護処理を施さなくても良好な手入れ性や
耐久性を実現可能な鍋の素材となるクラッド板とその製
造方法を提供する。 【解決手段】 一方の面から他方の面に向かって順に、
保護層、均熱層、発熱層の各層が圧延によりクラッド化
され、深絞り成形により誘導加熱調理具を製作すること
を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被誘導加熱部材用
クラッド板に関する。特に、本発明は、誘導加熱調理器
用被加熱調理具の素材として適用した場合に、調理具と
して要求される良好な手入れ性および耐久性を実現可能
とする被誘導加熱部材用クラッド板に関する。また、深
絞り成形を行う際に生じるイヤリングによる歩留まり低
下を抑制することができる被誘導加熱部材用クラッド板
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般住宅における居住者の高齢
化、または高層ビルへ入る住宅や店舗の増加により、火
災に関して安全性の高い調理器具の需要が急増してい
る。誘導加熱( IH) 調理器は、加熱方式として燃焼ガ
ス等による火を使わないことから、火気に対する安全性
の高い調理器として注目されている。また誘導加熱調理
器具の中でも、使用する鍋に感温磁性材料を使用したも
のは、例えば材料の感温特性を天ぷら油の引火点よりも
低い温度に設定する事により、天ぷら調理中の鍋を加熱
したまま放置しても過剰に加熱されることがなく、天ぷ
ら油火災を有効に防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】感温特性を有する誘導
加熱調理器用鍋の製造方法としては、感温磁性金属層を
含むクラッド板を素材として深絞り成形する方法が最も
効率が良い。しかし材料の深絞り成形性が悪いと、成形
途中で割れが発生したり、イヤリングと呼ばれる現象に
より製品歩留まりが悪化したりする問題がある。
【0004】特開2001−18075 号公報には、温度によっ
て透磁率が変化する感温磁性材と、良熱伝導金属材と、
前記感温磁性材と前記良熱伝導金属材との熱膨張率の差
によって生じる熱変形を防止する熱変形防止材とが同順
序で接合された誘導加熱用クラッド材とその製造方法が
開示されている。
【0005】しかし、これは加熱板であって、被加熱調
理具それ自体を構成するものではない。特開2001−1807
4 号公報には、感温磁性体と良熱伝導金属材としてのア
ルミニウムとのクラッド材が開示されているが、これ
は、鍋用の素材と言いながら、深絞り成形性に関する記
述がなく、内側の面がアルミニウムまたはアルミニウム
合金となるため、手入れ性や耐久性の点でも問題であ
る。
【0006】これ以外で従来技術の提案する素材は、い
ずれも1種の発熱体としての加熱板としての構成を明ら
かにするに過ぎず、絞り成形用素材としての材料の提案
ではない。
【0007】例えば、特許2917526 号公報には、非磁性
金属製鍋の加熱コイルに対向した位置に感温磁性金属を
一体成形し、また感温磁性金属の厚みを常温における渦
電流浸透深さ以上でかつ高温での渦電流浸透深さ以下と
して構成する技術が開示されている。
【0008】特開平10−261480号公報には、鍋などの調
理具の底部に熱良導体からなる均熱層と、感温ステンレ
ス鋼からなる発熱層との3層をろう付け接合する技術が
開示されている。
【0009】これらはいずれも誘導加熱調理器用鍋の加
熱部位の材料構成に関するものであるが、クラッド板を
素材として深絞り成形により鍋などの調理具本体を構成
するための材料ではない。また、前述の特開2001−1807
4 号公報と同様に、手入れ性や耐久性の改善を実現可能
とする鍋用素材に関する記載がない。
【0010】ところで、実際に使用される鍋の内面に
は、手入れ性や耐久性を良好に保つ目的から、フッ素樹
脂加工に代表される有機被覆が施される場合がある。し
かし特開平11−99064 号公報に記載されている様に、電
磁誘導加熱調理器用の鍋ではフッ素樹脂の耐熱温度を超
えた温度へ一旦加熱されるとフッ素樹脂が剥がれてしま
うなど耐久性に問題があり、300 ℃を超える温度へ加熱
可能な高出力の調理具に対して安心して使用できる有機
被覆の実現は困難である。
【0011】さらには近年の環境保護への指向性を考慮
すると、有機被覆は可能な限り使用しないことが望まし
い。そのため有機被覆による保護処理を施さなくても良
好な手入れ性や耐久性を実現可能とする鍋用素材の開発
が望まれている。
【0012】ここに、本発明の課題は、上述のような従
来技術の問題点を解決すべく、誘導加熱調理器用被加熱
調理具の素材として適用した場合に、食材と接する面に
有機被覆による保護処理を施さなくとも調理具として要
求される良好な手入れ性や耐久性を実現可能とする、調
理具の素材として好適な被誘導加熱部材用クラッド板お
よびその製造方法を提供することにある。また、鍋形状
等の深絞り成形を行う際に生じるイヤリングによる歩留
まり低下を抑制することができる被誘導加熱部材用クラ
ッド板およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、先ず第一に、本
発明者らは、種々の鋼種について、食材に対する耐食性
が、鍋の手入れ性および耐久性におよぼす影響を調査し
た。その結果に基づいて食材に接する面に適した鋼種を
限定し、その選定されたいくつかの鋼種に対して、今度
は、さらに深絞り成形性の評価に有効な延性とランクフ
ォード値に注目して、クラッド板を構成する素材の加工
履歴を適切に管理し、また製造方法を特定することによ
り3層構造のクラッド板を深絞り成形により鍋などの形
状に成形した場合の歩留まりを大幅に改善できることを
知り、本発明を完成するに至った。
【0014】ここに、本発明は次の通りである。 (1) 一方の面から他方の面に向かって順に、保護層、均
熱層、発熱層を備えるクラッド板であって、前記保護層
は、質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0 %以下、Mn:
1.0 %以下、Cr:14〜18%、Cu:0.2 〜1.0 %、Nb:0.
2 〜1.0 %を含有するフェライト系ステンレス鋼からな
ることを特徴とする被誘導加熱部材用クラッド板。
【0015】(2) 前記発熱層は、ランクフォード値の異
方性Δr値の絶対値が0.3 以下であるFe−Ni系合金板も
しくはFe−Ni−Cr系合金板を素材として形成されたもの
であり、前記均熱層は、AlもしくはAl合金からなること
を特徴とする上記(1) に記載の被誘導加熱部材用クラッ
ド板。
【0016】(3) 一方の面から他方の面に向かって順
に、保護層、均熱層、発熱層を備えるクラッド板であっ
て、前記保護層は、ランクフォード値の異方性Δr値の
絶対値が0.3 以下であるオーステナイト系ステンレス鋼
板を素材として形成されたものであり、前記均熱層はAl
もしくはAl合金からなり、前記発熱層は、ランクフォー
ド値の異方性Δr値の絶対値が0.3 以下であるFe−Ni系
合金板もしくはFe−Ni−Cr系合金板を素材として形成さ
れたものであることを特徴とする被誘導加熱部材用クラ
ッド板。
【0017】(4) 一方の面から他方の面に向かって順
に、保護層、均熱層、発熱層を備えるクラッド板であっ
て、各層が圧延によりクラッド化された、深絞り成形に
より誘導加熱調理器用被加熱調理具を構成することを特
徴とするクラッド板。
【0018】(5) 保護層の素材であるフェライト系ステ
ンレス鋼板と、均熱層の素材であるAl板もしくはAl合金
板と、発熱層の素材であるFe−Ni系合金板もしくはFe−
Ni−Cr系合金板とを順次積層して接合圧延を行うクラッ
ド板の製造方法であって、前記フェライト系ステンレス
鋼板は、質量%でC:0.05%以下、Si:1.0 %以下、M
n:1.0 %以下、Cr:14〜18%、Cu:0.2 〜1.0 %、N
b:0.2 〜1.0 %を含有するフェライト系ステンレス鋼
からなり、前記接合圧延は、250 ℃以上430 ℃以下の温
度で総板厚に対して10%以上となる圧下率で圧延するも
のであることを特徴とする被誘導加熱部材用クラッド板
の製造方法。
【0019】(6) 前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−
Cr系合金板は、ランクフォード値の異方性Δr値の絶対
値が0.3 以下であることを特徴とする上記(5) に記載の
被誘導加熱部材用クラッド板の製造方法。
【0020】(7) 前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−
Cr系合金板を、最終の冷間圧延工程の圧下率を20〜70%
として複数の冷間圧延工程により熱間圧延焼鈍板を冷間
圧延して製造することを特徴とする上記(6) に記載の被
誘導加熱部材用クラッド板の製造方法。
【0021】(8) 保護層の素材であるオーステナイト系
ステンレス鋼板と、均熱層の素材であるAl板もしくはAl
合金板と、発熱層の素材であるFe−Ni系合金板もしくは
Fe−Ni−Cr系合金板とを順次積層して接合圧延を行うク
ラッド板の製造方法であって、前記オーステナイト系ス
テンレス鋼板および前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni
−Cr系合金板は、ランクフォード値の異方性Δr値の絶
対値が0.3 以下であり、前記接合圧延は、250 ℃以上43
0 ℃以下の温度で総板厚に対して10%以上となる圧下率
で圧延するものであることを特徴とする被誘導加熱部材
用クラッド板の製造方法。
【0022】(9) 前記オーステナイト系ステンレス鋼板
および/または前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−Cr
系合金板を、最終の冷間圧延工程の圧下率を20〜70%と
して複数の冷間圧延工程により熱間圧延焼鈍板を冷間圧
延して製造することを特徴とする上記(8) に記載の被誘
導加熱部材用クラッド板の製造方法。
【0023】(10)前記接合圧延を行った後に、300 ℃以
上650 ℃以下の温度で熱処理を行うことを特徴とする上
記(5) 〜(9) の何れかに記載の被誘導加熱部材用クラッ
ド板の製造方法。
【0024】(11)上記(1) 〜(4) の何れかに記載の被誘
導加熱部材用クラッド板を深絞り成形して得られる誘導
加熱調理器用被加熱調理具。ここでランクフォード値の
面内異方性Δr 値とは、後述の(1) 式にて規定される値
である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明を、被誘導加熱部材が誘導
加熱調理器用の鍋である場合を例にとって、添付図面を
参照しながら、その実施の形態について詳述する。
【0026】感温特性を有する誘導加熱調理器に用いる
鍋用のクラッド板は、感温磁性金属からなる発熱層と熱
伝導に優れた非磁性金属からなる均熱層から構成され
る。このとき発熱層は鍋成形後の鍋の外面に相当する。
【0027】さらに本発明例に係るクラッド板では、鍋
が食材と接する内面側に、耐食性に優れたステンレス鋼
からなる保護層を有する。本発明にかかる深絞り成形に
よる鍋用素材を図1に模式的に示す。つまり、本発明に
かかる深絞り成形用素材は、図1に示す様に発熱層・均
熱層・保護層の3層を順に重ね合わせたクラッド板の構
成を持つ。
【0028】誘導加熱調理器は、調理台の真上に交流磁
場を発生させる。このとき、調理台の上に強磁性体の調
理具が存在すると、その調理具の内部には外部からの交
流磁場と同じ周期で増減する強い磁界が生じる。この磁
界による電磁誘導から渦電流が発生し、その結果生じる
ジュール発熱が調理具の熱源となり、調理具の内容物が
加熱されるのである。本例における調理具は鍋である。
【0029】発熱層を構成する感温磁性金属は、常温で
は強磁性体であるが、材料温度が一定温度を超えると急
激に磁性を失って常磁性体となる特徴を有する材料であ
る。そして、この特徴を感温特性と呼ぶ。この様な感温
磁性材料を誘導加熱調理器の上で加熱した場合、材料温
度が一定温度を超えて常磁性体になると、材料内部に生
じる磁界が急激に減少し、これに伴なって加熱効率が低
下する。この特性を利用して鍋の過剰加熱を防止するこ
とができる。
【0030】材料が磁性を失って感温特性を発揮する温
度は、実際の調理を考慮すると、食品を保温する場合に
は60℃〜80℃程度の温度が適切であり、水の存在下での
煮炊きにおいては水の沸点である100 ℃を若干上回る温
度が適切である。また食用油を使用した炒め物や天ぷら
においてはそれぞれの調理対象に応じて適切な温度が決
定される。最高温度としては油の発火温度である370 ℃
〜405 ℃の近辺が実現できれば十分である。そこで、本
発明に使用する感温磁性材料の磁性消失温度は60℃〜40
0 ℃とすることが好ましい。
【0031】材料が磁性を失って感温特性を発揮する温
度の調整は、主に材料の化学組成を調整してキュリー温
度を変化させる事により実現される。感温磁性金属とし
ては、60℃〜400 ℃の範囲に磁性消失温度を持つ金属で
あれば何を使用しても良いが、工業的な製造性、ならび
に磁性消失温度調整の容易さを考慮すると、Fe-Ni 系合
金もしくはFe-Ni-Cr系合金を使用することが望ましい。
【0032】感温磁性金属として有用なFe-Ni 系合金や
Fe-Ni-Cr系合金は、一般に熱伝導性が悪い。そのため感
温磁性金属のみで構成された鍋では、誘導加熱調理器に
おいて磁場を発生するコイルの直上部分のみが加熱され
て温度むらを生じ、焦げ付きが発生し易い。そこで熱伝
導に優れる非磁性金属を均熱層として付加し、鍋全体が
均一に加熱される様にする必要がある。ここで均熱層と
しては、熱伝導に優れる金属であって非磁性であれば何
を使用しても良いが、クラッド板の製造性を考慮すると
AlもしくはAl合金を使用することが望ましい。
【0033】均熱層として使用するAlもしくはAl合金
を、そのまま鍋の内面に使用する場合には調理後の手入
れ性や耐久性に劣る場合がある。このため従来はフッ素
樹脂に代表される有機被覆による保護が行われていた
が、有機被覆についても上述の様に高温での耐久性、ま
たは環境保護の面で問題点があった。
【0034】調理後の手入れ性や耐久性を良好に保つた
めには、保護層として、食材に対する耐食性に優れ、ま
た高強度である材質を、鍋が食材と接する面に配置する
事が有効である。食材に対する耐食性に劣る材質では、
鍋の手入れ後に残留した食材由来の塩分等により発銹し
て変色したり、またこれを起点として調理中に焦げ付き
を招いたりする。また低強度の材質を用いた場合には、
調理中に調理用具と接触したり、また手入れ時に研磨粉
や金属たわしを用いたりする事によって発生した微細な
傷に食材が停留し、発銹起点となったり、焦げ付きの原
因となる。
【0035】上記の保護層に適切な材質として、一般耐
食性に優れ、高強度であるステンレス鋼に注目し、食材
に対する耐食性および強度に関する検討を行った結果、
一般的なオーステナイト系ステンレス鋼では、食材に対
する耐食性および材料強度についていずれも良好な結果
が得られることが分かった。
【0036】またフェライト系ステンレス鋼では、強度
面に問題はないものの、化学組成によっては食材に対す
る耐食性に劣る場合があり、化学組成を限定する必要が
あることが判明した。本発明において、保護層としてフ
ェライト系ステンレス鋼を用いる場合の化学組成は、C
≦0.05%、Si≦1.0 %、Mn≦1.0 %、Cr:14〜18%、C
u:0.2 〜1.0 %、Nb:0.2 〜1.0 %を含むものであ
り、この鋼種は、深絞り成形性を良好に保つとともに食
材に対する耐食性に優れることが分かった。
【0037】次に、本発明において鋼組成を上述のよう
に規定した理由を説明する。 C:金属組織において未固溶のCr炭化物を生成する元素
であり、含有量を減少させる事によって耐食性および成
形性が向上する。このため含有量を0.05%以下に限定し
た。
【0038】Si:一定量の添加により耐食性が向上する
が、あまり多くなると硬質化して延性を失い、成形性に
悪影響をおよぼすため、1.0 %以下の範囲とした Mn:ステンレス鋼の溶製時に脱酸元素として加えられる
他、熱間加工性に悪影響をおよぼすSを硫化物として固
定する働きがあるため一定量含有させることが望まし
い。しかし、過剰に含有させると熱間加工性や延性が低
下する。このため1.0 %以下の範囲とした。
【0039】Cr:一般に含有量を増すと耐食性が向上す
るが、あまり多くなると硬質化して延性を失い、成形性
に悪影響をおよぼすため、その含有量を14〜18%に限定
した。
【0040】Cu:一定量の添加により特に深絞り成形性
が向上するが、あまり多く含有しても効果が飽和する。
このため0.2 〜1.0 %の範囲とした。 Nb:Cを安定化して有害なCr炭化物の生成を抑止し、耐
食性および成形性を向上させる元素であるが、あまり多
く含有しても効果が飽和する。このため0.2 〜1.0 %の
範囲とした。
【0041】なお、残部は実質的にFeおよび不可避的不
純物である。ここで「実質的に」とは、本願発明の効果
を損なわない範囲で他の元素が添加される場合を含む意
味である。
【0042】上述のように、鍋が食材と接する内面側に
配置する保護層として、一般的なオーステナイト系ステ
ンレス鋼、もしくは化学組成を限定したフェライト系ス
テンレス鋼を用いる事によって、有機被覆による保護処
理を施さなくても調理後の手入れ性や耐久性を良好に保
つことができる。
【0043】この様なクラッド板の製造方法は、工業的
な製造性を考慮すると、圧延機を用いた接合圧延による
方法が最も効率良く望ましい。深絞り成形に適するよう
に十分に各構成素材同士を接合させるためには、各構成
素材をあらかじめ250 ℃以上430 ℃以下の温度に加熱
し、総板厚としての圧延率が10%以上となる接合圧延を
行う。加熱温度が250 ℃よりも低いと接合面の化学的活
性が充分に得られず接合しない。また430 ℃を超えると
特に感温磁性材料の接合面に酸化皮膜が形成されて金属
同士の接合が阻害される。また総板厚としての圧延率が
10%以下である場合には接合の起動力となる物理的なエ
ネルギーが不足して接合しない。
【0044】次にクラッド板から鍋形状へ成形する際の
深絞り成形性について説明する。深絞り成形性を良好に
保つには、クラッド板の延性とランクフォード値を適切
に調整することが必要である。
【0045】このうち延性が小さいと、深絞り成形にお
いて材料が十分に展伸せず、割れ破断を生じるため、延
性は深絞り成形時に割れ破断を発生しない程度に高い方
が良い。クラッド板の延性を表す伸び値は各構成素材の
伸び値の板厚構成による加重平均でほぼ表されるから、
接合圧延によってクラッド板を製造した後に、少なくと
も一種類の構成素材を軟化焼鈍することにより延性が向
上する。
【0046】本発明例に係るクラッド板の場合には均熱
層を構成するAlもしくはAl合金の軟化温度が最も低い事
から、圧延接合したクラッド鋼板に対して少なくとも均
熱層の軟化温度である300 ℃を超える温度にて熱処理を
行う事により延性を増大でき、深絞り成形時の割れ破断
を抑制できる。なお、熱処理温度の上限は、Alもしくは
Al合金の融点となる650 ℃以下とする。熱処理による軟
化は極短時間で実現されるため、熱処理時間は特に限定
しない。
【0047】ランクフォード値 (r値) は、板材を一軸
引張り変形した場合の、厚み方向歪み量に対する幅方向
歪み量の比で表され、絞り成形可能な深さに関係する値
である。ここでr値は、板材の圧延方向に対して0 °、
45°、90°のそれぞれの方向への一軸引張り変形に対し
て異方性を生じる事がある。この様な異方性が生じる
と、深絞り成形後の材料にイアリングと呼ばれる絞り高
さの不均一が生じる。イアリングが生じると絞り高さの
不均一な部分は不要部分として切除せねばならず、歩留
まりの低下を招く。このため良好な深絞り成形性を得る
ためには、特にr値の異方性を小さく管理することが有
効である。
【0048】本発明に係るクラッド板において、発熱層
として使用するFe-Ni 系合金もしくはFe-Ni-Cr系合金、
さらには保護層として使用するオーステナイト系ステン
レス鋼は、いずれもオーステナイト組織を持つ鋼であ
る。本発明者らはクラッド板でのイアリング発生抑止方
法について種々検討を行った結果、これらオーステナイ
ト組織を持つ鋼についてr値の異方性の絶対値を0.3 以
下に管理する事により、クラッド板でのイアリング発生
が抑止可能であることを見出した。これらオーステナイ
ト組織を持つ鋼は、その他の構成材、つまり均熱層とし
て使用されるAlもしくはAl合金、および保護層として使
用するフェライト系ステンレス鋼に比べて絞り成形可能
な深さが最も浅いため、クラッド板の深絞り成形におい
ては最も成形限界に近くなる。このためオーステナイト
組織を持つ構成素材におけるr値の異方性が当該クラッ
ド板の深絞り成形におけるイアリングの発生に支配的な
影響をおよぼすものと考えられる。
【0049】図2にはオーステナイト組織を持つ金属の
例としてFe-42Ni 合金について、製造工程における加工
履歴がr値の異方性におよぼす影響について示した。こ
こでr値の異方性は、r値の異方性 = (0°方向と90
°方向でのr値の平均値) − (45°方向でのr値) によ
って表す。
【0050】図2の結果より、熱間圧延焼鈍板の状態か
ら1回の冷間圧延と軟化焼鈍を経て製造された合金板よ
りも、冷間圧延と軟化焼鈍を2回繰り返した合金板の方
がr値の異方性が少なくなることが分かる。また冷間圧
延と軟化焼鈍を2回繰り返した場合でも、最終の冷間圧
延率が20%以下もしくは80%以上になると、r値の異方
性が急激に増大することが分かる。このため、発熱層と
して使用するFe-Ni 系合金もしくはFe-Ni-Cr系合金、お
よび保護層として使用するオーステナイト系ステンレス
鋼については、その製造工程として熱間圧延焼鈍板の状
態から冷間圧延と軟化焼鈍とを2回以上経て製造し、さ
らに最終の冷間圧延率を30%〜70%として製造する。こ
れにより、r 値の異方性Δr を0.3 以下の適正範囲とす
ることができる。
【0051】ここに、本明細書において使用する用語に
ついてまとめて説明すると次の通りである。本発明にお
いて、「発熱層」および「均熱層」の材質は特定しない
が、それらはすでに公知のように、「発熱層」は、所定
温度にキュリー温度を有する感温磁性金属からなる。キ
ュリー温度は60〜400 ℃にあることが好ましい。材質と
して、Fe−Ni系合金、Fe−Ni−Cr系合金が好適である。
【0052】「均熱層」は、熱伝導性に優れた非磁性金
属からなる。材質としては、Al、Al合金、Cu、Cu合金が
好適である。また、「Δr」とは、ランクフォード値の
面内異方性を示し、次式で規定される。
【0053】 Δr= (rL −2rc +rT ) /2 ・・・・・・・(1) rL :圧延方向で測定したランクフォード値 rc :圧延方向に対して45°方向で測定したランクフォ
ード値 rT :圧延直角方向で測定したランクフォード値
【0054】本発明における「冷間圧延工程」とは、軟
化焼鈍工程により区切られた、冷間圧延を行う一連の工
程をいう。したがって、軟化焼鈍を行うことなしに複数
の冷間圧延を行うことは、たとえ冷間圧延が複数のライ
ンで分けて行われる場合であっても1つの冷間圧延工程
とみなす。
【0055】かくして、本発明により、誘導加熱調理器
用被加熱調理具の素材として適用した場合に、食材と接
する面に有機被覆による保護処理を施さなくとも調理具
として要求される良好な手入れ性や耐久性を実現可能と
する、調理具の素材として好適な被誘導加熱部材用クラ
ッド板が得られる。また、本発明の好適態様によれば、
鍋形状等の深絞り成形を行う際に生じるイヤリングによ
る歩留まり低下を抑制することができる被誘導加熱部材
用クラッド板が得られる。
【0056】
【実施例】本例では、具体的に本発明の範囲内の3層ク
ラッド板を製造し、これに深絞りを行って電磁加熱調理
用の鍋を製作した。
【0057】表1には、調理後の手入れ性や耐久性を良
好に保つための保護層として各種ステンレス鋼を使用し
た実施例として、食材に対する耐食性を評価するための
塩水蒸発乾固試験の結果と、調理後の手入れ性や耐久性
を総合的に評価するために行った薄切り牛肉調理試験の
結果とを示す。
【0058】塩水蒸発乾固試験は、各種ステンレス鋼に
ついて板厚が0.5mm の薄板を底部の半径が40mmのカップ
状に成形して供試材とし、これに3%NaCl水溶液50mlを
注いでホットプレート上で蒸発乾固させた後水洗する操
作を50回繰り返し、発銹が生じる繰り返し回数を目視評
価するものである。
【0059】また薄切り牛肉調理試験は、各種ステンレ
ス鋼を保護層として用いた鍋について、試験開始前に金
属たわしを用いて手で鍋の内面を5分間研磨した後、市
販の誘導加熱調理器を用い、調理用のタレに漬けこんだ
薄切り牛肉100gを調理して、水洗、乾燥する操作を
10回繰り返し、焦げ付き性、水洗時の汚れ落ち性を目
視評価するものである。この試験に用いた鍋は、その素
材となるクラッド板の構成として板厚0.5mm のFe−42Ni
合金からなる発熱層と、板厚1.0mm の工業用純アルミニ
ウム合金からなる均熱層、板厚0.5mm の各種ステンレス
鋼からなる保護層で構成したものを用い、これを底部内
径150mm 、高さ100mm の鍋形状へ成形したものを使用し
た。
【0060】これらの結果を表1にまとめて示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1の結果より、塩水蒸発乾固試験の結果
と、薄切り牛肉調理試験の結果は良く対応し、また本発
明範囲内のステンレス鋼では調理後の手入れ性や耐久性
が良好であった。試験番号6と7で示す結果は、本発明
にて限定した化学組成の範囲に当てはまらないフェライ
ト系ステンレス鋼を使用した例であるが、これらはいず
れも食材に対する耐食性に劣るために、繰り返し調理後
に発銹や変色を生じ、さらにSUS430鋼を用いた場合では
焦げ付きが発生したことから、調理後の手入れ性や耐久
性が良好とは言えず、保護層として適切でないことが分
かる。
【0063】次に、表2には、種々の構成素材を用い、
また製造条件を変化させてクラッド板への接合圧延を行
った実施例の結果を示す。評価は、接合圧延後に各構成
素材同士が接合したか否かの目視評価による。
【0064】
【表2】
【0065】これらの結果から、本発明で規定した製造
条件による接合圧延では、いずれも接合が可能であるこ
とが分かる。試験番号7で示す結果は、発熱層と保護層
について、接合圧延前の加熱温度が本発明による範囲よ
りも低かったため、接合に必要な化学的活性が得られず
接合しなかったことを示す。また試験番号8で示す結果
は、発熱層と均熱層について加熱温度が本発明による範
囲を超えて高かったため、接合面に形成された酸化皮膜
が阻害要因となって接合しなかったことを示す。試験番
号9で示す結果は、総板厚としての圧延率が少ないため
に接合しなかったことを示す。
【0066】次に、表3には、各々製造履歴の異なる種
々の構成素材からなるクラッド板を鍋形状へ深絞り成形
した実施例を示す。使用したクラッド板の板厚構成とし
ては板厚0.5mm の発熱層と、板厚1.0mm の均熱層、板厚
0.5mm の保護層となるように調整した。評価方法は、直
径300 mmの円盤状に切断したクラッド板を、内径150mm
の円筒形状へ絞り切る試験を行い、割れ破断の有無を目
視評価すると共に、イヤリングに起因する成形深さの不
均一が生じた場合には、その深さの偏差の最大値が10mm
以下である場合を適正範囲として評価した。
【0067】結果は表3にまとめて示す。
【0068】
【表3】
【0069】表3の結果より、本発明の範囲内のクラッ
ド板は、深絞り成形性が良好であることが明らかであ
る。試験番号4から7で示した結果から分かるように、
いずれも構成素材として用いたオーステナイト組織を持
つ金属について、その製造履歴において熱間圧延焼鈍板
以降の冷間圧延回数もしくは最終の冷間圧延率が本発明
の範囲を外れるため、深絞り成形に際して絞り深さの不
均一を発生し深絞り成形性に劣る。また試験番号8で示
した結果から分かるように、接合後の熱処理温度が、本
発明範囲よりも低いため成形中に割れ破断を生じ深絞り
成形性に劣る。また試験番号9、10で示した結果は、保
護層として本発明範囲外の化学組成を持つフェライト系
ステンレス鋼を用いた場合の結果であるが、これから
は、これらの深絞り成形性が考慮されていない鋼種を使
用した場合にも割れ破断を発生して深絞り成形性に劣る
ことが分かる。
【0070】
【発明の効果】本発明により、誘導加熱調理器用被加熱
調理具の素材として適用した場合に、調理具として要求
される良好な手入れ性および耐久性を実現可能とする、
調理具の素材として好適な被誘導加熱部材用クラッド板
が得られる。本発明の好適態様によれば、鍋形状等の深
絞り成形を行う際に生じるイヤリングによる歩留まり低
下を抑制することができる被誘導加熱部材用クラッド板
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるクラッド板の構成を示す模式的説
明図である。
【図2】Fe-42Ni 合金について、製造工程における加工
履歴がr値の異方性におよぼす影響について示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21B 3/00 B21B 3/00 J 3/02 3/02 B21D 51/18 B21D 51/18 A G C21D 9/46 C21D 9/46 Z C22C 38/00 302 C22C 38/00 302Z 38/26 38/26 H05B 6/12 314 H05B 6/12 314 // B23K 103:04 B23K 103:04 103:20 103:20 (72)発明者 岩崎 信吾 新潟県上越市港町2丁目12番1号 株式会 社住友金属直江津内 Fターム(参考) 3K051 AB05 AD40 CD44 4B055 AA09 BA13 BA29 BA56 CA01 FB02 FB05 FC06 4E067 AA03 AA05 BD01 BD03 DC03 DC06 DD02 EB00 EB11 4K037 EA04 EA05 EA12 EA13 EA15 EA19 EA20 EA21 EA27 EB02 EB06 EB07 EB09 EB15 FA01 FB01 FC01 FF00 FG00 FG01 FJ04 HA04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面から他方の面に向かって順に、
    保護層、均熱層、発熱層を備えるクラッド板であって、
    前記保護層は、質量%で、C:0.05%以下、Si:1.0 %
    以下、Mn:1.0 %以下、Cr:14〜18%、Cu:0.2 〜1.0
    %、Nb:0.2〜1.0 %を含有するフェライト系ステンレ
    ス鋼からなることを特徴とする被誘導加熱部材用クラッ
    ド板。
  2. 【請求項2】 前記発熱層は、ランクフォード値の異方
    性Δr値の絶対値が0.3 以下であるFe−Ni系合金板もし
    くはFe−Ni−Cr系合金板を素材として形成されたもので
    あり、前記均熱層は、AlもしくはAl合金からなることを
    特徴とする請求項1に記載の被誘導加熱部材用クラッド
    板。
  3. 【請求項3】 一方の面から他方の面に向かって順に、
    保護層、均熱層、発熱層を備えるクラッド板であって、
    前記保護層は、ランクフォード値の異方性Δr値の絶対
    値が0.3 以下であるオーステナイト系ステンレス鋼板を
    素材として形成されたものであり、前記均熱層はAlもし
    くはAl合金からなり、前記発熱層は、ランクフォード値
    の異方性Δr値の絶対値が0.3 以下であるFe−Ni系合金
    板もしくはFe−Ni−Cr系合金板を素材として形成された
    ものであることを特徴とする被誘導加熱部材用クラッド
    板。
  4. 【請求項4】 一方の面から他方の面に向かって順に、
    保護層、均熱層、発熱層を備えるクラッド板であって、
    各層が圧延によりクラッド化された、深絞り成形により
    誘導加熱調理器用被加熱調理具を構成することを特徴と
    するクラッド板。
  5. 【請求項5】 保護層の素材であるフェライト系ステン
    レス鋼板と、均熱層の素材であるAl板もしくはAl合金板
    と、発熱層の素材であるFe−Ni系合金板もしくはFe−Ni
    −Cr系合金板とを順次積層して接合圧延を行うクラッド
    板の製造方法であって、前記フェライト系ステンレス鋼
    板は、質量%でC:0.05%以下、Si:1.0 %以下、Mn:
    1.0 %以下、Cr:14〜18%、Cu:0.2 〜1.0 %、Nb:0.
    2 〜1.0 %を含有するフェライト系ステンレス鋼からな
    り、前記接合圧延は、250 ℃以上430 ℃以下の温度で総
    板厚に対して10%以上となる圧下率で圧延するものであ
    ることを特徴とする被誘導加熱部材用クラッド板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−Cr
    系合金板は、ランクフォード値の異方性Δr値の絶対値
    が0.3 以下であることを特徴とする請求項5に記載の被
    誘導加熱部材用クラッド板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−Cr
    系合金板を、最終の冷間圧延工程の圧下率を20〜70%と
    して複数の冷間圧延工程により熱間圧延焼鈍板を冷間圧
    延して製造することを特徴とする請求項6に記載の被誘
    導加熱部材用クラッド板の製造方法。
  8. 【請求項8】 保護層の素材であるオーステナイト系ス
    テンレス鋼板と、均熱層の素材であるAl板もしくはAl合
    金板と、発熱層の素材であるFe−Ni系合金板もしくはFe
    −Ni−Cr系合金板とを順次積層して接合圧延を行うクラ
    ッド板の製造方法であって、前記オーステナイト系ステ
    ンレス鋼板および前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−
    Cr系合金板は、ランクフォード値の異方性Δr値の絶対
    値が0.3 以下であり、前記接合圧延は、250 ℃以上430
    ℃以下の温度で総板厚に対して10%以上となる圧下率で
    圧延するものであることを特徴とする被誘導加熱部材用
    クラッド板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記オーステナイト系ステンレス鋼板お
    よび/または前記Fe−Ni系合金板もしくはFe−Ni−Cr系
    合金板を、最終の冷間圧延工程の圧下率を20〜70%とし
    て複数の冷間圧延工程により熱間圧延焼鈍板を冷間圧延
    して製造することを特徴とする請求項8に記載の被誘導
    加熱部材用クラッド板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記接合圧延を行った後に、300 ℃以上
    650 ℃以下の温度で熱処理を行うことを特徴とする請求
    項5〜9の何れかに記載の被誘導加熱部材用クラッド板
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4の何れかに記載の被誘導加
    熱部材用クラッド板を深絞り成形して得られる誘導加熱
    調理器用被加熱調理具。
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