JP2000315570A - 誘導加熱用クラッド材およびその製造方法 - Google Patents

誘導加熱用クラッド材およびその製造方法

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JP2000315570A
JP2000315570A JP11124293A JP12429399A JP2000315570A JP 2000315570 A JP2000315570 A JP 2000315570A JP 11124293 A JP11124293 A JP 11124293A JP 12429399 A JP12429399 A JP 12429399A JP 2000315570 A JP2000315570 A JP 2000315570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感温磁性材が本来有している磁気特性を有効
に利用することができる、温度制御性に優れた誘導加熱
用クラッド材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の誘導加熱用クラッド材は、温度
によって透磁率が変化する感温磁性材2と良熱伝導金属
材3とが接合されたクラッド材1である。前記クラッド
材1を構成する感温磁性材2のキュリー点の前後におけ
る透磁率の最大値を100、最小値を1としたとき、当
該感温磁性材2のキュリー点における透磁率の温度変化
率dμ/dTが10以上とされたものである。感温磁性
材2としてはFe−Ni−Cr合金等のキュリー点が4
0〜600℃のものがよく、一方良熱伝導金属材3とし
てはAlあるいはCuを主成分とする金属が好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、感温磁性材と良熱
伝導金属材とをクラッドした誘導加熱用クラッド材およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導加熱を利用した電磁調理器、加熱器
等に使用される加熱・保温プレート、鍋、内釜、容器等
は、例えば特開平4−220990号公報、特開平4−
242093号公報に記載されているように、温度によ
って透磁率が変化する感温磁性材と良好な熱伝導性を有
するアルミニウム等の金属材とが接合された誘導加熱用
クラッド材によって形成されており、このクラッド材は
70%以上の圧下率で冷間圧接することにより製造され
ていた。
【0003】前記感温磁性材は、キュリー点付近で透磁
率が急激に変化し、キュリー点を十分に超えた温度では
非磁性体化し、誘導加熱コイルからの交番磁界による渦
電流損が低減し、加熱出力が低下することから、自己温
度制御が可能であり、この種の加熱部材として好適な材
料である。もっとも、感温磁性材はそれ自体の熱伝導率
が低いため、単独で使用すると温度分布が不均一になる
ので、感温磁性材には熱伝導性に優れたアルミニウムな
どの金属材がクラッドされる訳である。因みに、38wt
%Ni−8wt%Cr−Fe合金で形成された感温磁性材
の熱伝導率は0.03cal/cm・s ・℃程度であり、一方
アルミニウムの熱伝導率は0.56cal/cm・s ・℃程度
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、誘導加
熱部材の均熱性を確保するには、感温磁性材単独では無
理であり、これに良熱伝導金属材をクラッドすることが
必須となるのであるが、本発明者は誘導加熱用クラッド
材の品質を調査する過程で、クラッド後の感温磁性材は
クラッド前のものに比して温度制御性が急激に低下する
ことを見い出した。磁気特性の観点から温度制御性の低
下の原因を述べたところ、キュリー点における透磁率の
温度変化率dμ/dTがクラッドによって急激に低下す
ることがわかった。
【0005】すなわち、図3(A) 、(B) はクラッド前後
における感温磁性材の温度に対する透磁率の測定結果を
示すグラフであるが、図3(A) に示すように、クラッド
前ではキュリー点における透磁率μの温度変化率dμ/
dTが大きいものでも、同図(B) に示すように、クラッ
ド後には前記dμ/dTが急激に低下するようになる。
例えば、38wt%Ni−8wt%Cr−Fe合金からなる
感温磁性材の場合、クラッド前に加工歪みを除去する磁
性焼鈍を施した感温磁性材のキュリー点におけるdμ/
dTは10以上であるが、従来レベルの圧下率で圧接し
たクラッド材を構成する感温磁性材のキュリー点におけ
るdμ/dTは6程度に低下してしまう。ただし、前記
dμ/dTの値は、キュリー点の前後における透磁率の
最大値を100、最小値を1としたときの相対的な透磁
率に対する値である。
【0006】このように、クラッド後の感温磁性材はキ
ュリー点におけるdμ/dTが急激に低下し、感温磁性
材の温度変化に対する温度制御性が著しく劣化するよう
になり、本来の磁気特性を犠牲にした状態での使用を余
儀なくされている。
【0007】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、感温磁性材が本来有している磁気特性を有効に利用
することができる、温度制御性に優れた誘導加熱用クラ
ッド材、およびその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、感温磁性材と
良熱伝導金属材とを圧接する際の圧下率とキュリー点に
おけるdμ/dTとの関係について鋭意研究したとこ
ろ、従来レベルの圧下率では圧下に伴う加工歪によりd
μ/dTが急激に劣化することが見い出された。本発明
はかかる知見に基づいて完成されてものである。すなわ
ち、請求項1に記載した本発明の誘導加熱用クラッド材
は、温度によって透磁率が変化する感温磁性材と良熱伝
導金属材とが接合されたクラッド材であって、前記クラ
ッド材を構成する感温磁性材のキュリー点の前後におけ
る透磁率の最大値を100、最小値を1としたとき、当
該感温磁性材のキュリー点における透磁率の温度変化率
dμ/dTが10以上とされたものである。
【0009】この発明のクラッド材によれば、クラッド
材を構成する感温磁性材のキュリー点における相対的な
透磁率の温度変化率すなわちdμ/dTが10以上であ
るので、キュリー点付近での温度変化に対して透磁率が
速やかに変化するため、感温磁性材を通る磁束ひいては
渦電流損が速やかに変化し、これによって温度変化に対
する優れた応答性が得られるため、温度制御性に優れ
る。前記dμ/dTは大きいほどよく、好ましくは15
以上、より好ましくは20以上とするのがよい。
【0010】前記dμ/dTは、キュリー点の前後にお
ける透磁率の最大値を100、最小値を1としたときの
相対的な透磁率に対する値であり、最小値は非磁性状態
を示し、比透磁率が1であることに対応させたものであ
る。本発明において、dμ/dTを透磁率の相対値に対
して求めることとしたのは、透磁率は感温磁性材の成
分、測定条件によって大きく異なり、また本発明は透磁
率の絶対値が問題なのではなく、温度に対する変化が問
題であるので、透磁率の相対値に対するdμ/dTを規
定することにしたものである。なお、透磁率の最大値、
最小値は通常(キュリー点−100)℃から(キュリー
点+50)℃の温度範囲で現れるので、実際的には、こ
の温度範囲で測定すればよい。なお、本発明では感温磁
性材における温度変化に対する変化量として相対化した
透磁率を採ったが、磁束密度B、重量、あるいは電磁誘
導によって感温磁性材に誘導される電圧の最大値を10
0、最小値を1とする相対値に対する温度変化率を採っ
ても同様である。
【0011】また、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載した誘導加熱用クラッド材において、感温磁性
材が40〜600℃のキュリー点を有する感温磁性金属
であり、良熱伝導金属材がAlを主成分とするAl基金
属あるいはCuを主成分とするCu基金属で形成された
ものである。
【0012】この発明によると、感温磁性材としてその
キュリー点が40〜600℃のものを用いるので、調理
温度として好適な温度範囲での温度制御を実現すること
ができる。このようなキュリー点を備えた感温磁性材と
しては、例えばFe−Ni合金(好ましくはNi≧30
wt%)、Fe−Ni−Cr合金(好ましくはNi:30
〜65wt%、好ましくはCr≦20wt%)、Ni−Cu
合金(好ましくはCu≧35wt%以上)あるいは純Ni
をあげることができる。
【0013】一方、Alを主成分とするAl基金属ある
いはCuを主成分とするCu基金属は市場に多量に供給
され、低コストで熱伝導性に優れるため、これらの金属
を用いることにより、温度均一性に優れた、低コストの
クラッド材を容易に得ることができる。Al基金属の場
合は軽量化にも資することができる。前記Al基金属と
しては純Alのほか、好ましくはAlを90wt%以上含
有する各種のAl合金を用いることができる。また、前
記Cu基金属としては、純Cuのほか、好ましくはCu
を90wt%以上含有する各種のCu合金を用いることが
できる。
【0014】また、請求項3に記載した発明は、請求項
1または2に記載した誘導加熱用クラッド材において、
感温磁性材の厚さが0.03〜0.5mmであり、良熱伝
導金属材の厚さが0.3〜6.0mmとされたものである
【0015】前記感温磁性材の厚さは、薄過ぎると漏れ
磁束が多くなって有効磁束が減少し、発熱量が不足する
ようになり、また加工コスト高を招来する。このため、
感温磁性材の厚さの下限を0.03mm、好ましくは0.
1mmとする。一方、磁束は表皮効果により表層部に集中
するため、磁束が通る浸透深さ以上の厚さは不要であ
り、また素材コスト高を招来する。このため、感温磁性
材の厚さの上限を0.5mm、好ましくは0.3mmとす
る。
【0016】一方、良熱伝導金属材の厚さは、薄過ぎる
と大気中へ逸散する熱量に比して伝導する熱量が少ない
ため、熱伝導が不十分となり、クラッド材の温度均一性
が劣化するようになる。このため、良熱伝導金属材の厚
さの下限を0.3mm、好ましくは0.6mmとする。一
方、厚過ぎると、均熱性は向上するが、圧接が困難にな
り、また材料コストも上昇する。このため、良熱伝導金
属材の厚さの上限を6.0mm、好ましくは4.0mmとす
る。
【0017】請求項4〜7は、前記誘導加熱用クラッド
材の好適な製造方法を示すものであり、請求項4に記載
された誘導加熱用クラッド材の製造方法は、温度によっ
て透磁率が変化する感温磁性材に対してその再結晶温度
以上、融点未満の温度で加熱して加工歪を除去する磁性
焼鈍を施した後、この感温磁性材と良熱伝導金属材とを
圧下率1〜15%で1×10-1Torr以下の真空下で圧接
するものである。
【0018】この発明によると、感温磁性材は圧接前に
再結晶温度以上、融点未満の温度で加熱して加工歪を除
去する磁性焼鈍が施されているので、キュリー点におけ
る透磁率の温度変化率dμ/dTの劣化のない、その感
温磁性材の本来有する磁気特性を利用することができ
る。そして、この感温磁性材と良熱伝導金属材とを圧下
率1〜15%で真空下で圧接するので、圧接による加工
歪が加わっても、その量が少ないので、透磁率の最小値
〜最大値を1〜100に相対化した透磁率のキュリー点
における温度変化率dμ/dTが10以上の良好な磁気
特性を備えたクラッド材を容易に製造することができ
る。
【0019】本発明で行う圧接方法としては、一対のロ
ール間に重ね合わせた素材を通すことによって圧接する
ロール圧接が実施容易で、生産性に優れるため、好適で
ある。圧接の際の圧下率は、1%未満では真空下といえ
ども接合力が不足し、接合が困難になる。一方、15%
を超えると、冷間での圧下であるため、加工歪が増大
し、増大した加工歪により前記dμ/dTが10未満に
低下するようになる。このため、圧下率の下限を1%、
好ましくは2%、より好ましくは4%とし、またその上
限を15%、好ましくは13%、より好ましくは10%
とする。また、圧接の際の圧力(真空度)は、素材の圧
接界面を清浄にすると共に圧接時に酸素等の気体の巻き
込みを防止して良好な接合を得るには低い程良いが、必
要以上に低くすることは設備コストの上昇を招く割りに
は接合力が向上しない。このため、本発明では圧接中の
圧力を1×10-1Torr以下、好ましくは1×10-2Torr
以下とする。
【0020】また、請求項5に記載された誘導加熱用ク
ラッド材の製造方法は、温度によって透磁率が変化する
感温磁性材に対してその再結晶温度以上、融点未満の温
度で加熱して加工歪を除去する磁性焼鈍を施した後、こ
の感温磁性材と良熱伝導金属材とを圧下率10〜40%
で、かつ200〜500℃の温度下で圧接するものであ
る。
【0021】この発明によると、感温磁性材は圧接前に
再結晶温度以上、融点未満の温度で加熱して加工歪を除
去する磁性焼鈍が施されているので、キュリー点におけ
る透磁率の温度変化率dμ/dTの劣化のない、その感
温磁性材の本来有する磁気特性を利用することができ
る。そして、この感温磁性材と良熱伝導金属材とを圧下
率10〜40%で所定温度の下で温間圧接するので、圧
接による加工歪が加わっても、加熱下の圧下であり、加
工歪の生成が抑制されるため、透磁率の最小値〜最大値
を1〜100に相対化した透磁率のキュリー点における
温度変化率dμ/dTが10以上の良好な磁気特性を備
えたクラッド材を容易に製造することができる。
【0022】本発明で行う圧接方法としては、一対のロ
ール間に重ね合わせた素材を通すことによって圧接する
ロール圧接が実施容易で、生産性に優れるため、好適で
ある。圧接の際の圧下率は、10%未満では加熱下とい
えども接合力が不足し、接合が困難になる。一方、40
%を超えると、温間圧接であっても、加工歪が過大にな
り、前記dμ/dTが10未満に低下するようになる。
このため、圧下率の下限を10%、好ましくは15%、
より好ましくは20%とし、またその上限を40%、好
ましくは35%、より好ましくは30%とする。また、
圧接の際の温度は、200℃未満では40%の圧下率で
も圧接が困難であり、一方500℃を超えると接合力が
劣化するようになったり、接合力の向上効果が飽和する
ようになる。例えば、良熱伝導金属材としてAlを主成
分とするAl基金属(Al≧90wt%)を用いる場合で
はFeAl3 などの金属間化合物を生成し、接合力が劣
化するようになり、またCuを主成分とするCu基金属
(Cu≧90wt%)を用いる場合では加熱による接合力
の向上効果が飽和するようになる。このため、圧接温度
の下限を200℃、好ましくは300℃とし、その上限
を500℃、好ましくは450℃とする。なお、良熱伝
導金属材として前記Al基金属を用いる場合、高温では
表面酸化が促進されるため、400℃超の温度下での圧
接を行う場合、窒素ガス等の非酸化性雰囲気下で行うの
がよい。
【0023】また、請求項6に記載した発明は、請求項
4または5に記載した製造方法において、感温磁性材が
40〜600℃のキュリー点を有する感温磁性金属であ
り、良熱伝導金属材がAlを主成分とするAl基金属あ
るいはCuを主成分とするCu基金属で形成されたもの
である。この発明によると、請求項2で記載したよう
に、調理温度として好適な温度範囲で温度制御すること
ができ、また低コストで、温度均一性に優れたクラッド
材を製造することができる。
【0024】本発明の感温磁性材、Al基金属、Cu基
金属の具体例は請求項2と同様である。Fe−Ni合
金、Fe−Ni−Cr合金、Ni−Cu合金あるいは純
Niの場合、再結晶温度は700℃以上であり、融点は
概ね1450℃超であるので、感温磁性材に施す磁性焼
鈍の焼鈍温度は下限を700℃、好ましくは800℃と
し、上限を1450℃、好ましくは1350℃とすれば
よい。磁性焼鈍の焼鈍時間は、加工歪が除去された再結
晶組織が得られるように設定すればよく、好ましくは1
0min 以上、より好ましくは15min 以上にするのがよ
い。また、生産性向上の観点からは、4hr以内、好ま
しくは3hr以内とするのがよい。なお、感温磁性材お
よび良熱伝導金属材の厚さは、好ましくは圧接後の厚さ
が、請求項3に記載したように、感温磁性材では0.0
3〜0.5mm、良熱伝導金属材では0.3〜6.0mmに
なるように、圧下率を考慮して素材厚さを設定すればよ
い。
【0025】また、請求項7に記載した発明は、請求項
4〜6のいずれか1項に記載した製造方法において、感
温磁性材と良熱伝導金属材とを圧接後、前記感温磁性材
あるいは前記良熱伝導金属材のうちの低い方の融点未満
の温度にて拡散焼鈍するものである。
【0026】この発明によると、感温磁性材と良熱伝導
金属材とは、圧接後さらに拡散焼鈍されるので、接合力
が向上し、製造したクラッド材のプレス成形性が優れた
ものになる。なお、拡散焼鈍は、通常のように、圧接後
の複合材を搬送する際、搬送ラインに設けたトンネル炉
にて実施すればよく、加熱時間は搬送速度にもよるが、
概ね3min 以下とされる。
【0027】
【実施例】感温磁性金属(38wt%Ni−8wt%Cr−
Fe合金、キュリー点172℃)のフープ材をバッチ式
焼鈍炉にて1000℃にて30min 保持する磁性焼鈍を
行い、加工歪みを完全に除去して再結晶組織とした後、
感温磁性材に、99.9%の純Alあるいは99.9%
の純Cuのフープ材を重ね合わせて、下記表1の接合方
法、圧下率にてロール圧接を行い、その後、同表に示す
所定の試料に対して焼鈍を行い、図1に示すように、
0.1mm厚さの感温磁性材2に1.0mm厚さの良熱伝導
金属材(実施例では純Al又は純Cu)3が接合された
誘導加熱用クラッド材1を製造した。また、比較のた
め、前記感温磁性材に純Al板をろう付けしたクラッド
材も製造した。なお、圧接後の焼鈍について、試料No.
5および6は接合力の向上を企図した拡散焼鈍である。
【0028】各クラッド材1から幅20mm、長さ30mm
の条材を切り取り、その回りに測定用コイル(1次コイ
ル、2次コイル)を付設し、これを加熱炉内に設置し、
室温からキュリー点+50℃まで温度を徐々に上げ、1
次コイルに基準電流を流した際に2次コイルに誘導され
た電圧を各温度ごとに測定し、この電圧を基にして透磁
率を求め、その最大値を100、最小値を1としてキュ
リー点における相対的な透磁率の温度変化率dμ/dT
を求めた。
【0029】また、上記クラッド材1を200φmmの大
きさに切断し、これを用いて温度制御試験を以下の要領
で実施した。図2に示すように、高周波コイル11の上
に前記クラッド材1からなる加熱保温プレートを設置
し、その上に非磁性容器(ステンレス鋼容器)12を載
置した。この容器12に食用油13を満たし、前記コイ
ル11に周波数30kHz、最大電力1200Wのイン
バータ電源を接続し、容器12内の食用油13の温度を
測定した。電圧印加直後は食用油13の温度は急速に上
昇するが、やがてキュリー点付近で一定温度に落ちつ
く。この定常状態における温度制御範囲を測定し、±5
℃内に温度制御された場合を優良◎、±10℃内に温度
制御された場合を良○、±10℃内から外れた場合を不
良×とした。これらの測定結果を表1に併せて示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1より、発明例のクラッド材では、キュ
リー点におけるdμ/dTが25以上であり、圧接後に
磁性焼鈍を施すことなく、良好な温度制御性が得られて
おり、特に低圧下率で真空圧接したものでは優れた温度
制御性が得られた。
【0032】一方、比較例のNo. 4〜6は、圧下率が7
0%と高いため、dμ/dTが6程度に止まり、温度制
御性もよくない。なお、ろう付けにより接合したNo. 7
は、dμ/dTは高い値が得られ、温度制御性も優れて
いるが、発明例に比して製造コストが高く、生産性に劣
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の誘導加熱用クラッド材によれ
ば、感温磁性材のキュリー点における相対的な透磁率の
dμ/dTを10以上としたので、感温磁性材の本来の
磁気特性を有効に利用することができ、良好な温度制御
性を得ることができる。また、本発明の製造方法によれ
ば、磁性焼鈍を施した感温磁性材と良熱伝導金属材とを
所定の圧下率にて圧接すればよいので、製造が容易で、
量産性、生産性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる誘導加熱用クラッド材の要部断
面図である。
【図2】実施例で行った、誘導加熱用クラッド材の温度
制御試験の実施要領説明図である。
【図3】クラッド前の感温磁性材の透磁率の温度による
影響を説明したグラフ(A) 、および従来の誘導加熱用ク
ラッド材を構成する感温磁性材の透磁率の温度による影
響を示すグラフ(B) である。
【符号の説明】
1 クラッド材 2 感温磁性材 3 良熱伝導金属材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/00 303 C22C 38/00 303Z C22F 1/04 C22F 1/04 A 1/08 1/08 A // C22F 1/00 627 C22F 1/00 627 660 660D 691 691B 694 694A B23K 103:10 103:12 (72)発明者 野田 英利 大阪府吹田市南吹田2丁目19番1号 住友 特殊金属株式会社吹田製作所内 Fターム(参考) 3K051 AB04 AC34 AD02 AD04 AD26 CD44 4B055 AA09 BA09 BA22 CA01 CB16 CC43 FB02 FB05 FB06 FC06 FC08 FC16 FE04 FE06 4E067 AA05 AA07 BB02 BD02 DB01 DC05 EA00 EB11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度によって透磁率が変化する感温磁性
    材と良熱伝導金属材とが接合されたクラッド材であっ
    て、 前記クラッド材を構成する感温磁性材のキュリー点の前
    後における透磁率の最大値を100、最小値を1とした
    とき、当該感温磁性材のキュリー点における透磁率の温
    度変化率dμ/dTが10以上である誘導加熱用クラッ
    ド材。
  2. 【請求項2】 感温磁性材が40〜600℃のキュリー
    点を有する感温磁性金属であり、良熱伝導金属材がAl
    を主成分とするAl基金属あるいはCuを主成分とする
    Cu基金属である請求項1に記載した誘導加熱用クラッ
    ド材。
  3. 【請求項3】 感温磁性材の厚さが0.03〜0.5mm
    であり、良熱伝導金属材の厚さが0.3〜6.0mmであ
    る請求項1又は2に記載した誘導加熱用クラッド材。
  4. 【請求項4】 温度によって透磁率が変化する感温磁性
    材に対してその再結晶温度以上、融点未満の温度で加熱
    して加工歪を除去する磁性焼鈍を施した後、この感温磁
    性材と良熱伝導金属材とを圧下率1〜15%で1×10
    -1Torr以下の真空下で圧接する誘導加熱用クラッド材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 温度によって透磁率が変化する感温磁性
    材に対してその再結晶温度以上、融点未満の温度で加熱
    して加工歪を除去する磁性焼鈍を施した後、この感温磁
    性材と良熱伝導金属材とを圧下率10〜40%で、かつ
    200〜500℃の温度下で圧接する誘導加熱用クラッ
    ド材の製造方法。
  6. 【請求項6】 感温磁性材が40〜600℃のキュリー
    点を有する感温磁性金属であり、良熱伝導金属材がAl
    を主成分とするAl基金属あるいはCuを主成分とする
    Cu基金属である請求項4または5に記載した誘導加熱
    用クラッド材の製造方法。
  7. 【請求項7】 感温磁性材と良熱伝導金属材とを圧接
    後、前記感温磁性材あるいは前記良熱伝導金属材のうち
    の低い方の融点未満の温度にて拡散焼鈍する請求項4〜
    6のいずれか1項に記載した誘導加熱用クラッド材の製
    造方法。
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