JP2003181616A - 給湯装置および給湯方法 - Google Patents

給湯装置および給湯方法

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JP2003181616A
JP2003181616A JP2001383315A JP2001383315A JP2003181616A JP 2003181616 A JP2003181616 A JP 2003181616A JP 2001383315 A JP2001383315 A JP 2001383315A JP 2001383315 A JP2001383315 A JP 2001383315A JP 2003181616 A JP2003181616 A JP 2003181616A
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ladle
molten metal
hot water
water supply
deceleration
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JP2001383315A
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Akihiko Tsuda
彰彦 津田
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイカストマシンに金属溶湯を給湯する際
に、ラドルから金属溶湯が流出せず、かつ、搬送時間の
短い給湯装置および給湯方法を提供する。 【解決手段】 給湯装置1は、金属溶湯を収容するラド
ル2と、ラドル2の姿勢を変更可能に保持して搬送する
搬送手段と、ラドル2の姿勢を変更する姿勢変更手段
と、当該姿勢変更手段に回転力を伝達するサーボモータ
とを有し、搬送手段と姿勢変更手段との協働によりラド
ル2で所定量の金属溶湯を汲み出してダイカストマシン
の溶湯供給位置へ搬送する際に、ラドル2の加減速によ
って生じるラドル2の開口部2aからの金属溶湯の流出
を防止する向きに予めラドル2の姿勢を制御する制御指
令を姿勢変更手段に出力する制御手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカストマシン
のスリーブに金属溶湯を供給する給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカストマシンは、通常、一対の固定
金型と移動金型、これら固定金型および移動金型をそれ
ぞれ保持する固定ダイプレートおよび移動ダイプレー
ト、タイバーを伸長させて固定金型と移動金型とを型締
する型締装置、固定金型と移動金型との間に形成される
キャビティに金属溶湯を射出する射出装置、金属溶湯を
射出装置に供給する給湯装置などを備えている。このよ
うなダイカストマシンでは、固定金型と移動金型とが型
締された状態において、射出装置のスリーブに所定量の
金属溶湯を供給し、スリーブに嵌合するプランジャチッ
プによって金属溶湯をキャビティ内に射出、充填するこ
とにより、ダイカスト製品を成形する。
【0003】図10は、ダイカストマシンの射出装置の
周辺の概略構成を示す図である。図10に示すように、
射出装置101は、移動金型102と固定金型103と
の間に形成されたキャビティDに連通するように、固定
金型103の背部に設置された筒状のスリーブ104
と、スリーブ104に嵌合するプランジャチップ120
と、プランジャチップ120を駆動するシリンダ装置1
30とを備えている。プランジャチップ120は、プラ
ンジャロッド121の先端に連結され、このプランジャ
ロッド121はピストンロッド132にカップリング1
22によって連結されている。シリンダ装置130は、
ピストン131を内蔵しており、このピストン131に
ピストンロッド132が連結されている。スリーブ10
4への金属溶湯MLの供給は、ラドル(ladle:ひしゃ
く)110を用いて供給口104aを通じて行われる。
【0004】上記のようなダイカストマシンに用いられ
る給湯装置においては、ラドル110はその傾斜姿勢に
応じた量の金属溶湯MLを溶湯池から汲み上げる。
【0005】汲み上げた金属溶湯MLを収容するラドル
110は、スリーブ104の供給口104aの近傍に搬
送される。搬送が終了したのち、図10のようにラドル
110を傾けて開口部110aを供給口104a方向に
向けることで、スリーブ104内に所望量の金属溶湯M
Lを供給する。
【0006】これまでは、ラドル110の姿勢変更は、
上記の溶湯池からの金属溶湯MLの汲み上げと、スリー
ブ104への供給時にのみ用いられており、スリーブ1
04までの搬送時にはラドル110の姿勢変更機能は用
いられていないことが大部分であった。例えば実開昭5
0−121013号公報、実開昭50−121014号
公報、特公平4−18938号においては、溶湯供給位
置への搬送中にラドルの姿勢を変化させる旨が記載され
ている。しかし、これらはいずれも、ラドルを溶湯供給
位置まで搬送したのち、給湯を開始するまでの時間を短
縮するためのものであって、ラドルの溶湯供給位置まで
の搬送時間そのものの短縮が目的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ラドルを用いて金属溶
湯をダイカストマシンのスリーブに供給する給湯装置に
おいては、ラドルの搬送時間の短縮は、金属溶湯の冷却
を防ぎ、金属溶湯およびダイカスト製品の品質保持等の
観点で重要である。しかしながら、搬送時間短縮のため
にラドルを高速走行させると、ラドルから金属溶湯が流
出し易くなる。例えば、図11(a)に示すように、ラ
ドル110を基準である水平位置から姿勢を変更するこ
となく、位置P11、P12の順で搬送し、溶湯供給位
置P13において停止させる。図11(b)のラドル1
10の断面図において、溶湯供給位置P13でのラドル
停止時の金属溶湯MLの状態が示されている。搬送時間
短縮のために減速時間を短くすると、ラドルの停止時
に、金属溶湯MLに作用する慣性力により金属溶湯面が
ラドル110の進行方向側に盛り上がり、その結果、ラ
ドル110の収容部110bの開口部110aから金属
溶湯MLの一部が流出する。
【0008】金属溶湯MLの一部がスリーブ104の外
に流出すると、ダイカスト製品を製造する現場の環境が
低下し易い。また、給湯装置が設置されている床等の作
業現場に金属溶湯が存在すると、作業の進行の妨げにな
る可能性もある。さらに、流出によりスリーブ104に
供給する金属溶湯の量が変化するため、ダイカスト製品
の品質に影響を与えるおそれがある。
【0009】ラドルからの金属溶湯の流出を防止するた
めには、金属溶湯が流出し易い位置付近でラドルの走行
速度を落とすしかなく、これがラドルの搬送時間および
鋳造サイクルタイムの短縮のための障害となっていた。
【0010】本発明は上述の問題に鑑みてなされたもの
であって、ラドルを用いて金属溶湯を汲み上げ、その金
属溶湯を溶湯供給位置まで搬送する際に、ラドルからの
金属溶湯の流出を防止しつつ搬送時間の短縮を可能と
し、作業環境の悪化を防ぎ、ダイカスト製品の品質の向
上を可能とする給湯装置を提供することを目的としてい
る。また、本発明は、ラドルを用いて金属溶湯を汲み上
げ、その金属溶湯を溶湯供給位置まで搬送する際に、ラ
ドルからの金属溶湯の流出を防止しつつ搬送時間の短縮
を可能とし、作業環境の悪化を防ぎ、ダイカスト製品の
品質の向上を可能とする給湯方法を提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、本発
明の目的を達成するための給湯装置は、金属溶湯を収容
するラドルと、当該ラドルをその姿勢を変更可能に保持
して搬送する搬送手段と、前記ラドルの姿勢を変更する
姿勢変更手段とを有し、前記搬送手段と前記姿勢変更手
段との協働により前記ラドルで所定量の金属溶湯を汲み
出し、成形装置の溶湯供給位置へ搬送して供給する給湯
装置であって、前記ラドルの搬送中に、当該ラドルの加
減速によって生じる当該ラドルの開口部からの金属溶湯
の流出を防止する向きに予め前記ラドルの姿勢を制御す
る制御指令を前記姿勢変更手段に出力する制御手段を有
する。
【0012】好適には、前記給湯装置は、前記制御手段
に用いる制御指令として、撮像手段から得られる前記ラ
ドルによる液体の搬送状況の撮像データに基づいて、前
記ラドルの加減速時に当該加減速によって生じる前記ラ
ドルの開口部からの金属溶湯の流出を防止する向きに前
記ラドルの姿勢を変更する制御指令を作成する制御指令
作成手段をさらに有する。
【0013】また、本発明の給湯方法は、ラドルにより
所定量の金属溶湯を汲み上げ、搬送手段により当該ラド
ルを成形装置の溶湯供給位置に搬送する給湯動作を行う
給湯方法であって、前記ラドルの搬送時に、当該ラドル
の加減速によって生じる当該ラドルの開口部からの金属
溶湯の流出を防止する向きに予め前記ラドルの姿勢を制
御することを特徴とする。
【0014】好適には、本発明の給湯方法においては、
前記ラドルによる液体の搬送状況を事前に撮像し、得ら
れた撮像データに基づいて、前記ラドルの加減速時に当
該加減速によって生じる前記ラドルの開口部からの金属
溶湯の流出を防止する向きに前記ラドルの姿勢を変更す
る制御指令を作成し、前記制御指令に基づいて、前記給
湯動作を行う。
【0015】本発明では、姿勢変更手段により空のラド
ルの保持姿勢を変更し、搬送手段によりラドルを金属溶
湯内に浸漬する。その後、搬送手段によりラドルを金属
溶湯から引き上げることで、ラドルの保持姿勢に応じた
量の金属溶湯がラドルの収容部に汲み取られる。保持姿
勢に応じた量の金属溶湯を収容したラドルは、搬送手段
により成形装置の溶湯供給位置に搬送される。その際、
ラドルには、例えば搬送開始の加速時、および搬送終了
の減速時に加速度が生じる。これらの加減速によりラド
ル内の金属溶湯には慣性力が作用し、金属溶湯はラドル
の開口部から飛び出そうとする。姿勢変更手段は、制御
手段からの制御指令を受けて、ラドルの開口部が金属溶
湯に作用する慣性力の向きと反対方向を向くようにラド
ルの保持姿勢を変更する。ラドルの収容部が前記慣性力
を受け止める姿勢となることで、金属溶湯の開口部から
の流出が防がれる。
【0016】また、本発明では、実際に金属溶湯をラド
ルに入れて搬送させる前に、ラドルによる液体の搬送状
況が撮像手段により撮像される。撮像手段により得られ
た撮像データに基づいて、ラドルの収容部が金属溶湯に
作用する慣性力を受け止める向きにラドルの姿勢を変化
させる制御指令が作成される。実際に金属溶湯を収容し
て搬送する場合には、ラドルは、制御指令作成手段が予
め作成したこの制御指令に従ってその姿勢を制御されな
がら、溶湯供給位置まで搬送される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して述べる。図1は本発明の一実施形態
に係る給湯装置の構成を示す正面図であり、図2は図1
の給湯装置を矢印Aの方向から見た側面図である。
【0018】図1および図2に示す給湯装置1は、図示
しない射出装置のスリーブ104の近傍に配置されてい
る。また、スリーブ104に対して所定の位置に、金属
溶湯MLを収容する溶湯池150が配置されている。給
湯装置1は、ラドル2と、このラドル2を保持しスリー
ブ104と溶湯池150との間で搬送する搬送装置3
と、搬送装置3を駆動制御するための制御装置51と、
制御装置51において用いられる制御指令を作成するた
めのコンピュータ71を有する。
【0019】搬送装置3は、第1アーム11と、第2ア
ーム14と、第3アーム20と、第4アーム17と、第
5アーム21と、図2に示すように、フレーム5に固定
されたサーボモータ56および57とを備えている。サ
ーボモータ57は、出力軸が減速機を介して回転伝達軸
18に連結されている。このサーボモータ57は、ドラ
イバ53を介して制御装置51に接続されている。
【0020】サーボモータ56は、出力軸が減速機を介
して第1アーム11に連結されている。このサーボモー
タ56は、ドライバ54を介して制御装置51に接続さ
れている。
【0021】第1アーム11は、サーボモータ56の回
転によって、回転軸12を中心にして、図1に示す矢印
1およびB2の方向に旋回する。なお、フレーム5の第
1アーム11の近傍には、複数のリミットスイッチ41
および42が設けられており、第1アーム11の最大旋
回範囲は、複数のリミットスイッチ41および42の配
置によって規定された旋回範囲となっている。
【0022】第1アーム11の先端部は、第2アーム1
4の長手方向の中途部に連結軸13を介して回転自在に
連結されている。この連結軸13は、第1アーム11お
よび第2アーム14のいずれにも回転自在に保持されて
いる。
【0023】第3アーム20は、前述の回転伝達軸18
に回転自在に連結されており、この第3アーム20は回
転伝達軸18を中心に鉛直平面内で旋回する。第3アー
ム20の先端部は、第2アーム14の一端部に連結軸1
5を介して回転自在に連結されている。
【0024】第4アーム17は、第3アーム20と同様
に、回転伝達軸18に回転自在に連結されており、この
第4アーム17は回転伝達軸18を中心に鉛直平面内で
旋回する。第4アーム17の先端部は、第5アーム21
の一端部に回転伝達軸19を介して回転自在に連結され
ている。この回転伝達軸19は、第4アーム17および
第5アーム21のいずれにも回転自在に保持されてい
る。
【0025】第2アーム14の他端部は、第5アーム2
1の長手方向の中途部に連結軸16を介して回転自在に
連結されている。
【0026】第5アーム21の先端部には、回転伝達軸
22が回転自在に保持されており、この回転伝達軸22
にラドル2が連結されている。
【0027】ラドル2は、耐熱性の材料、例えばセラミ
ックスで形成されており、上端側に開口部2aを有して
おり、内部に金属溶湯の収容部2bを有している。ま
た、ラドル2の開口部2a側の一端が回転伝達軸22に
連結されており、回転伝達軸22を中心に鉛直平面内で
回転可能になっている。
【0028】図3は第4アーム17の内部構造を示す図
である。図3に示すように、回転伝達軸18の外周に
は、プーリ61が固定されており、一方、回転伝達軸1
9の外周にもプーリ61と同一の外径を有するプーリ6
2が固定されている。プーリ61とプーリ62との間に
は、歯付ベルト63が巻回されている。従って、回転伝
達軸18が回転することによりプーリ61が回転する
と、プーリ62もプーリ61の回転角度と同じ回転角度
だけ回転する。なお、第4アーム17の内部で長手方向
に沿って2か所に設けられた部材64は、歯付ベルト6
3の外周に当接することによって、歯付ベルト63の張
力を調整する張力調整部材である。
【0029】図4は第5アーム21の内部構造を示す図
である。図4に示すように、回転伝達軸19の外周に
は、スプロケット32が固定されている。一方、回転伝
達軸22の外周にも、スプロケット32と同一の外径の
スプロケット30が固定されている。スプロケット32
の外周には、チェーン33が噛合しており、スプロケッ
ト30の外周には、チェーン31が噛合している。
【0030】チェーン33の両端部には、それぞれ連結
ロッド34が連結されている。これらの連結ロッド34
は、チェーン31の両端部にそれぞれ連結された張力調
整部35にそれぞれ連結されている。張力調整部35
は、連結ロッド34とチェーン31の端部との間の距離
を調整可能となるように構成されている。一例として
は、張力調整部35は軸の内部に雌ねじが形成された雌
ねじ軸37と、これに螺合するボルトなどから構成され
る。
【0031】上記のスプロケット32とスプロケット3
0との間の回転伝達は、スプロケット32とスプロケッ
ト30が同じ外径を有することから、回転伝達軸19が
回転することによりスプロケット32が回転すると、同
じ角度でスプロケット30が回転する。
【0032】上記構成の搬送装置3において、サーボモ
ータ57の回転力は、減速機を介して回転伝達軸18に
伝達される。回転伝達軸18に伝達された回転力は、プ
ーリ61、歯付ベルト63およびプーリ62を通じて回
転伝達軸19に伝達される。回転伝達軸19に伝達され
た回転力は、スプロケット32、チェーン33、連結ロ
ッド34、張力調整部35、チェーン31およびスプロ
ケット30を通じて、回転伝達軸22に伝達される。こ
の回転伝達軸22の回転により、ラドル2の保持姿勢が
変更される。上記の、サーボモータ57から回転伝達軸
22までの機構が、本発明の姿勢変更手段の一実施態様
を構成している。
【0033】一方、サーボモータ56を回転させて、図
1に示したように、矢印B1の向きに第1アーム11が
旋回すると、相互に連結された第2アーム14、第3ア
ーム20、第4アーム17および第5アーム21が連動
して旋回する。この旋回により、第5アーム21の先端
に設けられた回転伝達軸22ならびにラドル2が、溶湯
池150からスリーブ104に向けて搬送される。ラド
ル2の搬送の軌跡は、ラドル2を保持している回転伝達
軸22の中心2cの軌跡として表すことにする。本実施
形態においては、中心2cは、図1に示される軌跡Lm
に沿って移動する。この軌跡Lmは、リンク機構の構成
により予め定まり、不変である。また、サーボモータ5
6を反転させると、ラドル2はスリーブ104側から軌
跡Lmを遡って溶湯池150側に搬送される。
【0034】上記の軌跡Lmに沿ってラドル2が移動す
る際に、第3アーム20は回転伝達軸18を中心に回転
する。この回転が歯付ベルト63を介して回転伝達軸1
9に伝達され、回転伝達軸19が回転する。この回転伝
達軸19の回転は、スプロケット32、チェーン33、
連結ロッド34、張力調整部35、チェーン31および
スプロケット30を通じて、回転伝達軸22に伝達され
る。さらに、軌跡Lmに沿ってラドル2が移動する際
に、第5アーム21は第3アーム20に対して回転す
る。この第3アーム20に対する回転も、最終的には回
転伝達軸22の回転に変換される。このため、第1アー
ム11が旋回し、軌跡Lmに沿ってラドル2が移動する
際には、第3アーム20および第5アーム21の姿勢変
化に応じて、回転伝達軸22も回転し、ラドル2の姿勢
が一定に保たれる。
【0035】制御装置51は、上記のサーボモータ5
6,57の駆動制御を行う。この制御装置51は、軌跡
Lmに沿った所望のスピード(加減速パターン)でラド
ル2を搬送し、搬送中の位置に応じた変更角度(姿勢変
更パターン)でラドル2を回転させるために予め用意さ
れたプログラムに従って、制御指令を各ドライバ53,
54に出力する。
【0036】各ドライバ54,53は、入力された制御
指令に従って、各サーボモータ56,57を駆動する駆
動電流をサーボモータ56,57にそれぞれ出力する。
各サーボモータ56,57の駆動電流および回転位置
は、各ドライバ54,53にフィードバックされ、各ド
ライバ54,53はこれらの情報に基づいて各サーボモ
ータ56,57が制御指令に追従するように駆動する。
【0037】高温の金属溶湯MLを搬送するラドル2は
高温となるため、ラドル2の近傍に例えば精密な回転角
度センサを配設し、ラドル2の回転角度を測定すること
は困難である。しかし、上記のようなアームに組み込ん
だ伝達機構によりラドル2を駆動し、サーボモータ57
の回転位置のフィードバック情報を利用することによ
り、ラドル2の回転角度を入手することができる。ま
た、サーボモータ56の回転位置のフィードバック情報
を利用することにより、ラドル2の搬送中の位置も入手
可能である。
【0038】上記制御装置51に接続されるコンピュー
タ71の機能および当該コンピュータ71を用いた姿勢
変更パターンの作成方法については、後ほど詳述する。
【0039】以下、本実施形態における制御動作の一例
を、図5に示す動作線図を用いて述べる。図5(a),
(b)にサーボモータ56,57の動作線図がそれぞれ
示されている。ラドル2によって金属溶湯MLを汲み上
げる際には、まず、制御装置51は、姿勢変更パターン
で指定されている角度分、ラドル2の姿勢を変更させる
制御指令を、ドライバ53を介してサーボモータ57に
対して出力する(区間E1)。次いで、制御装置51
は、溶湯池150の金属溶湯ML内にラドル2を浸漬さ
せる制御指令を、ドライバ54を介してサーボモータ5
6に出力する(区間E2)。所定量の金属溶湯MLがラ
ドル2の収容部2bに収容されたことが確認されたら、
ラドル2を溶湯池150から引き上げる制御指令をサー
ボモータ56に出力する(区間E3)。その後、ラドル
2の姿勢を水平状態に戻す制御指令をサーボモータ57
に出力する(区間E4)。
【0040】以上の動作により金属溶湯MLがラドル2
に汲み取られたら、制御装置51はラドル2をスリーブ
104側の溶湯供給位置まで搬送させる制御指令をサー
ボモータ56に出力する(区間E5〜E8)。ラドル2を
減速させる区間E8においては、ラドル2から金属溶湯
MLが流出しないように、水平状態から角度θ分、ラド
ル2の姿勢を下方に変更する制御指令をサーボモータ5
7に出力する。
【0041】ラドル2が溶湯供給位置に到達すると、制
御装置51は、サーボモータ56の駆動を停止してラド
ル2の搬送を停止する。さらに、ラドル2を回転させて
金属溶湯MLをスリーブ104に供給する制御指令をサ
ーボモータ57に出力する(区間E9)。ラドル2を上
記のように回転させた姿勢を一定時間保持することで、
金属溶湯MLがスリーブ104へ流し込まれる(区間E
10)。
【0042】次に、上記構成の給湯装置1によるスリー
ブ104への給湯動作の一例について、図5(a),
(b)のサーボモータの動作線図に加えて、それに対応
するラドル2の動きを模式的に示した図5(c)〜
(e)を利用して述べる。なお、以下では、図1におい
て第1アーム11が矢印B1の方向に旋回する向きをサ
ーボモータ56の正転方向、ラドル2が矢印B5の方向
に回転する向きをサーボモータ57の正転方向とする。
また、スリーブ104へのラドル2の進行方向を、ラド
ル2の速度、加速度の正方向とする。
【0043】ラドル2で金属溶湯MLを汲み取る際に
は、まず、回転伝達軸22を中心にして、空のラドル2
を水平状態から角度θ0だけ下方に傾くようにサーボモ
ータ57を反転駆動させる。次いで、第1アーム11が
矢印B2の方向に旋回するようにサーボモータ56を反
転駆動して搬送装置3を動作させる。これにより、ラド
ル2は溶湯池150に蓄えられている金属溶湯ML内に
浸漬される。前述のように、搬送装置3は、サーボモー
タ56の回転のみによって、機構的にラドル2の姿勢を
一定に保ちながらラドル2を下降させる。
【0044】ラドル2が十分に金属溶湯ML内に浸漬し
たあとで、サーボモータ56を正転して搬送装置3を駆
動することにより、ラドル2を金属溶湯MLから引き上
げる。この場合にも、搬送装置3はその機構により、上
記の傾斜姿勢を保ったままラドル2を上昇させる。図5
の区間E2,E3においてこの様子が描かれている。この
結果、ラドル2により、その回転角度θ0に応じた量の
金属溶湯MLが汲み取られる。
【0045】金属溶湯MLを汲み上げたラドル2は、サ
ーボモータ57の正転駆動により略水平姿勢に戻され
る。この後、サーボモータ56を正転駆動することのみ
で、リンク機構により、ラドル2は前述の軌跡Lmに沿
って、図5(c),(d)に示されるように加速された
のち等速運動されて、スリーブ104の溶湯供給位置近
傍まで搬送される。この場合にも、図5の区間E5〜E7
に示されるように、ラドル2の略水平姿勢は機構的に保
たれる。
【0046】区間E8はラドル2を停止させるための減
速区間であり、ラドル2は下降運動を伴って減速され
る。従って、ラドル2には図5(d)のように最も大き
な負の加速度が生じる。ラドル2の収容部2b内の金属
溶湯MLには、上方および進行方向側に慣性力が作用
し、ラドル2の開口部2aから流出し易くなる。区間E
8においては、図6(a)に示すように、ラドル2は水
平状態にある位置P51から、サーボモータ57の反転
駆動により、位置P52に示されるように開口部2aを
進行方向反対側に徐々に傾けながら、溶湯供給位置P5
3において搬送を停止される。位置P53におけるラド
ル2の水平方向からの最終的な回転角度はθであり、こ
れは収容部2bから金属溶湯MLが流れ出さない範囲内
であるとする。これにより、金属溶湯MLの流出を防止
することが可能になる。
【0047】詳細には、溶湯供給位置P53においてラ
ドル2の搬送を停止させると、減速に起因する慣性力に
よって、金属溶湯面がラドル2の進行方向側に盛り上が
り、金属溶湯MLはラドル2から飛び出そうとする。し
かし、図6(b)に示す通り、開口部2aが進行方向反
対側を向くようにラドル2を傾斜させると、収容部2b
が金属溶湯MLに作用する慣性力を受け止める姿勢にな
る。その結果、金属溶湯MLがラドル2から流出するこ
とを防止することができる。
【0048】位置P53に到着して停止したラドル2
は、サーボモータ57の正転駆動により、図1に示した
ように矢印B3方向へ回転されることで水平状態へ戻さ
れる。その後さらに矢印B3方向へ大きく回転させら
れ、ラドル2に収容された金属溶湯MLがスリーブ10
4の供給口104aから流し込まれる。
【0049】以上のように、本実施形態によれば、ラド
ル2の加減速に起因して金属溶湯MLに作用する慣性力
と反対方向に開口部2aが向くようにラドル2の保持姿
勢を変更するので、金属溶湯MLがラドル2の開口部2
aから流出することを防ぐことができる。これにより、
ダイカストマシンへ供給される金属溶湯の量が均一化さ
れ、ダイカスト製品の品質の向上が可能となる。また、
ラドル2の搬送速度を増加して加減速が大きくなったと
しても、金属溶湯MLに作用する慣性力を、収容部2b
で受け止めることができる。従って、ラドル2の搬送速
度の増加が可能であり、ラドル2の搬送時間を短縮する
ことができる。さらに、ラドル2の搬送時間の短縮によ
り、金属溶湯MLの冷却を防止し、金属溶湯およびダイ
カスト製品の品質を向上させることが可能である。
【0050】本実施形態の給湯装置1では、区間E8
おいてのみ搬送中のラドル2の保持姿勢を変更したが、
ラドル2の姿勢は、その他の区間においても変更でき
る。例えば、搬送開始直後である区間E5においては、
ラドル2は水平方向においてスリーブ104とは反対方
向に動く。従って、角度θ0より小さい範囲でラドル2
を矢印B4方向に回転させておけば、搬送動作の速度を
増加させても、位置P53における場合と同様に、金属
溶湯MLがスリーブ104方向に流出することを防ぐこ
とができる。ラドル2がスリーブ104方向に動き始め
る前から、ラドル2を予め水平状態に戻す、もしくは矢
印B5方向に回転させておけば、今度は金属溶湯MLが
ラドル2の進行方向反対側に流出することを防ぐことが
できる。
【0051】区間E7においては、ラドル2は等速直線
運動を行うように指令される。従って、収容部2b内の
金属溶湯MLには大きな慣性力は作用しないので、ラド
ル2が水平状態のままでも金属溶湯MLの流出の可能性
は低い。しかし、区間E7の内から予めラドル2の開口
部2aを進行方向反対側に向けておけば、区間E8にお
いて改めてラドル2を矢印B4方向に回転させる手間が
省ける。また、その回転動作もゆるやかに行うことがで
きる。その結果、ラドル2自身の回転動作に起因して生
じる振動により金属溶湯MLが乱れてラドル2からこぼ
れ易くなることを低減できる。
【0052】上記実施形態において、ラドル2の姿勢変
更パターンの決定方法は、重要な課題である。例えば、
ラドル2および金属溶湯MLの動きをモデル化して、理
論解析によりラドル2からの金属溶湯MLの流出のない
姿勢変更パターンを求める方法が考えられる。しかし、
この手法ではラドル2の収容部の形状や金属溶湯MLの
粘度、搬送速度等、考慮すべきパラメータが多く複雑で
困難である。以下では、給湯装置の実動作に基づいて上
記姿勢変更パターンを求める方法について述べる。
【0053】図7は姿勢変更パターンを作成するための
コンピュータ71の機能ブロック図である。コンピュー
タ71は、画像処理部72と、判断部73と、指令・決
定部74と、入出力部75を有する。コンピュータ71
は、本発明における制御指令作成手段の一実施態様であ
る。
【0054】コンピュータ71は、入出力部75を介し
て制御装置51に接続されている。コンピュータ71
は、実動作に基づいて姿勢変更パターンを作成する場合
には、後述する撮像手段70にも入出力部75を介して
接続される。指令・決定部74は、入出力部75を介し
て制御装置51に指令信号を出力し、搬送装置3によ
り、所定量の液体を収容したラドルを所望の加減速パタ
ーンで搬送させる。また、指令・決定部74は撮像手段
70に撮像開始・終了指令信号を出力する。
【0055】ラドルによる液体の搬送状況は、撮像手段
70により撮像され、画像処理部72へ送信される。画
像処理部72は、撮像手段70が撮像した画像を、コン
ピュータ71により処理できるような撮像データに変換
する。この撮像データは、図示しないメモリ等の記憶手
段に記憶しておくことが可能である。
【0056】判断部73は、画像処理部72により得ら
れた撮像データに基づいて、ラドル内の液体が流出した
か否かを判断する。指令・決定部74は、判断部73に
おける判断結果を利用して、搬送の際にラドルからの液
体の流出がなくなるような姿勢変更パターンを決定す
る。決定された姿勢変更パターンは、ラドル2により実
際に金属溶湯MLを搬送する場合の姿勢変更パターンと
して用いられる。
【0057】制御装置51は、上記のようにして作成さ
れた姿勢変更パターンに基づいて制御指令を作成し、サ
ーボモータ57によりラドルの回転角度を制御する。
【0058】図8は、給湯装置の実動作に基づいてラド
ルの姿勢変更パターンを作成する方法を説明するための
図である。姿勢変更パターンを作成する場合には、給湯
装置1においてラドル2の代わりに、ラドル2と同じ形
状の透明な試験用ラドル200を用いる。試験用ラドル
200は、ラドル2と同じく第5アーム21の先端部の
回転伝達軸22に連結される。試験用ラドル200は、
例えば透明なプラスチックで形成されており、収容部2
bに収容している液体の搬送状況をラドル200の外部
から認識可能になっている。
【0059】収容部2bに収容される液体としては、高
温の金属溶湯MLではなく、取り扱いを容易とするため
に、常温で擬似的に金属溶湯MLの性質を再現する試料
液SLが用いられる。この試料液SLは、例えば、増粘
剤および着色剤の添加により、金属溶湯MLとほぼ同じ
粘度を有し、画像処理し易いように着色されている水で
ある。
【0060】試験用ラドル200による試料液SLの搬
送状況は、例えばCCDカメラのような撮像手段70に
より撮像される。撮像手段70は、図8に示すように、
回転伝達軸22の試験用ラドル200が連結されている
端部と反対側の端部に、延長部材2dを介して取り付け
られる。撮像手段70および延長部材2dは回転伝達軸
22に対して固定されており、試験用ラドル200と一
体となって回転する。
【0061】撮像手段70は、試験用ラドル200によ
る試料液SLの搬送状況を、透明な試験用ラドル200
の側面から撮像する。上記のように、撮像手段70は延
長部材2dおよび回転伝達軸22を介して試験用ラドル
200と一体化しており、試験用ラドル200の回転動
作と同期して搬送状況を撮像する。従って、試験用ラド
ル200が水平状態で写るように撮像手段70を取り付
けておけば、搬送装置3と試験用ラドル200がどのよ
うに動いても、撮像画面中の試験用ラドル200の姿勢
は常に水平状態のままである。これにより、回転伝達軸
22を中心とした鉛直平面内での試験用ラドル200内
の試料液SLの動きを入手することができる。
【0062】以下、給湯装置の実動作に基づいてラドル
の姿勢変更パターンを自動的に決定する方法の一例を、
図9のフローチャートを参照して述べる。姿勢変更パタ
ーン作成時には、まず、試験用ラドル200に、実際に
搬送する金属溶湯MLの量と略同量の試料液SLを入れ
ておく。試料液SLは、搬送装置3を駆動させて汲み上
げる必要はない。試験用ラドル200に試料液SLを所
定量収容した後、指令・決定部74は制御装置51に指
令信号を出力し、最初に予め規定されているラドルの姿
勢変更パターンに従って、試験用ラドル200の搬送を
開始する(ステップST1)。なお、搬送開始位置は、
以下で説明する撮像開始地点での試験用ラドル200の
加減速パターンが、実際の金属溶湯MLの搬送時とほぼ
同じであるようになっていれば、金属溶湯MLを汲み上
げる溶湯池150が配置されている場所に限らず、どこ
でもよい。
【0063】試験用ラドル200は、撮像開始地点まで
は略水平姿勢を保ったまま搬送される。撮像開始地点
は、溶湯供給位置近傍の、試験用ラドル200が減速さ
れ試料液SLの流出が発生する可能性がある場所から所
定距離だけ搬送開始位置側であるとする。撮像開始地点
を過ぎると、試験用ラドル200は、最初に規定されて
いる姿勢変更パターンに従って、開口部2aが進行方向
反対側に徐々に向くように回転させられながら搬送され
る。
【0064】撮像開始地点に試験用ラドル200が到着
すると、指令・決定部74は撮像手段70に撮像開始指
令を出力して、上記の試験用ラドル200の回転時の搬
送状況を撮像し始める(ステップST2)。撮像手段7
0により、搬送状況が所定のサンプリングタイム毎の撮
像データとして、図示しないメモリに記憶される。
【0065】試験用ラドル200が搬送停止位置に到着
すると、制御装置51からの指令信号を受けて、搬送装
置3は試験用ラドル200の搬送を停止する(ステップ
ST3)。搬送停止位置は、実際に金属溶湯MLをスリ
ーブ104に流し込む溶湯供給位置である。
【0066】指令・決定部74は、試験用ラドル200
の搬送が終了すると、撮像手段70に撮像停止指令を出
力して、撮像を終了させる(ステップST4)。なお、
前述のように、サーボモータ56の回転位置はドライバ
54を介して制御装置51にフィードバックされてい
る。これにより、試験用ラドル200の搬送位置を入手
可能である。搬送開始からの時刻も、図示しないタイマ
により入手可能である。従って、ステップST2〜ST
4を経ることで、コンピュータ71は、時刻および当該
時刻における試験用ラドル200の搬送位置とリンクさ
れた、サンプリングタイム毎に撮像されたの複数の撮像
データを入手する。また、コンピュータ71には、試験
用ラドル200の回転角度の情報も、サーボモータ57
の回転位置としてフィードバックされる。
【0067】画像処理部72は、上記撮像データに対し
て、判断部73によって試料液SLの動きを判断可能な
ように、例えば2値化等の画像処理を行う(ステップS
T5)。
【0068】判断部73は、画像処理された撮像データ
に基づいて、試料液SLの液面が、例えば図6(b)に
示すようなラドルの所定の基準位置CLを、ラドルの開
口部2a側に越えたか否かを判断する(ステップST
6)。基準位置CLは、例えば、撮像手段70による撮
像画面において、座標情報として設定する。前述のよう
に、撮像画面中での試験用ラドル200の姿勢は水平状
態のままであるので、画面中の基準位置CLも移動させ
る必要がない。従って、試料液SLの液面が基準位置C
Lを超過したか否かを容易に判断することができる。ま
た、基準位置CLの変更も容易である。基準位置CLを
ラドルの開口部2aに近すぎる位置に設定すると、搬送
時の振動やラドル自身の回転に起因して生じる振動等の
外乱により試料液が流出する可能性が生じる。そのた
め、基準位置CLは、ラドルの開口部2bからラドルの
底部側にある程度の余裕をもって設定される。
【0069】試料液SLの液面が基準位置CLを越えた
と判断されると、指令・決定部74は、試験用ラドル2
00の姿勢変更パターンを変更する(ステップST
7)。姿勢変更パターンを変更する際には、例えば、試
験用ラドル200の姿勢変更量および変更タイミング
を、所定量だけ変更させる。
【0070】この後、試験用ラドル200は指令・決定
部74からの指令を受けた搬送装置3により搬送開始位
置まで戻され(ステップST8)、上記の変更された姿
勢変更パターンに基づいて、ステップST1以下の手順
が繰り返される。
【0071】上記の手順は、ステップST6において、
試料液SLの液面が基準位置CLを越えず、かつ、ラド
ルの開口部の進行方向反対側から試料液SLが流出して
いないと判断されるまで繰り返される。試料液SLの液
面が基準位置CLを越えなくなったと判断されたら、指
令・決定部74は、そのときに用いられていた試験用ラ
ドル200の姿勢変更パターンを、ラドル2による金属
溶湯MLの実際の搬送に用いる姿勢変更パターンに採用
する(ステップST9)。上記のようにして決定された
姿勢変更パターンは、入出力部75を介して制御装置5
1に送信される(ステップST10)。制御装置51
は、送信された姿勢変更パターンに基づいて、実際に金
属溶湯MLを搬送する際のラドル2の姿勢制御を行う。
【0072】以上のように、本実施形態においては、撮
像手段70およびコンピュータ71を用いることで、ラ
ドルを所望の加減速パターンで搬送する際に、試料液S
Lが流出しないようなラドルの姿勢変更パターンを、自
動的に生成する。これにより、ラドルの姿勢制御のため
の制御指令を人手により作成する手間を省くことができ
る。また、金属溶湯の粘度や、ラドルの収容部の形状が
変化したとしても、計算機による複雑なシミュレーショ
ン等の解析を行うことなく、簡便に、ラドルから金属溶
湯が流出しない姿勢変更パターンを作成することができ
る。
【0073】本発明は、上述した実施形態に限定されな
い。例えば、上記の実施形態のような専用のリンク走行
式の本発明の搬送手段だけでなく、例えば多関節ロボッ
トのような汎用の産業用ロボットを本発明の搬送手段と
して用いてもよい。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、ラドルから金属溶湯が
流出することを防止しつつ、金属溶湯の搬送時間および
鋳造サイクルタイムを短縮し、作業環境の悪化を防ぎ、
成形品の品質を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る給湯装置の構成を示
す正面図である。
【図2】図1の給湯装置を図1の矢印Aの向きから見た
側面図である。
【図3】第4アーム17の内部構造を示す図である。
【図4】第5アーム21の内部構造を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る給湯装置の制御動作
の一例を示す動作線図である。
【図6】図6(a)はスリーブ104近傍でのラドル2
の搬送動作を示す図であり、図6(b)は図6(a)の
位置P53における金属溶湯MLの状態を示すためのラ
ドル2の断面図である。
【図7】コンピュータ71の内部機能を示す機能ブロッ
ク図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る姿勢変更パターンの
作成方法における構成を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る姿勢変更パターンの
作成方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】ダイカストマシン射出装置の周辺の概略構成
を示す図である。
【図11】図11(a)は従来の給湯装置によるスリー
ブ104近傍でのラドル110の搬送動作を示す図であ
り、図11(b)は図11(a)の位置P13における
金属溶湯MLの状態を示すためのラドル110の断面図
である。
【符号の説明】
1…給湯装置 2…ラドル 11…第1アーム 12…回転軸 13,15,16…連結軸 14…第2アーム 17…第4アーム 18,19,22…回転伝達軸 20…第3アーム 21…第5アーム 30,32…スプロケット 31,33…チェーン 34…連結ロッド 35…張力調整部 51…制御装置 53,54…ドライバ 56,57…サーボモータ 61,62…プーリ 63…歯付ベルト 70…撮像手段 71…コンピュータ 72…画像処理部 73…判断部 74…指令・決定部 200…試験用ラドル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属溶湯を収容するラドルと、当該ラドル
    をその姿勢を変更可能に保持して搬送する搬送手段と、
    前記ラドルの姿勢を変更する姿勢変更手段とを有し、前
    記搬送手段と前記姿勢変更手段との協働により前記ラド
    ルで所定量の金属溶湯を汲み出し、成形装置の溶湯供給
    位置へ搬送して供給する給湯装置であって、 前記ラドルの搬送中に、当該ラドルの加減速によって生
    じる当該ラドルの開口部からの金属溶湯の流出を防止す
    る向きに予め前記ラドルの姿勢を制御する制御指令を前
    記姿勢変更手段に出力する制御手段を有する給湯装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段に用いる制御指令として、撮
    像手段から得られる前記ラドルによる液体の搬送状況の
    撮像データに基づいて、前記ラドルの加減速時に当該加
    減速によって生じる前記ラドルの開口部からの金属溶湯
    の流出を防止する向きに前記ラドルの姿勢を変更する制
    御指令を作成する制御指令作成手段をさらに有する請求
    項1に記載の給湯装置。
  3. 【請求項3】ラドルにより所定量の金属溶湯を汲み上
    げ、搬送手段により当該ラドルを成形装置の溶湯供給位
    置に搬送する給湯動作を行う給湯方法であって、 前記ラドルの搬送時に、当該ラドルの加減速によって生
    じる当該ラドルの開口部からの金属溶湯の流出を防止す
    る向きに予め前記ラドルの姿勢を制御する給湯方法。
  4. 【請求項4】前記ラドルによる液体の搬送状況を撮像
    し、 得られた撮像データに基づいて、前記ラドルの加減速時
    に当該加減速によって生じる前記ラドルの開口部からの
    金属溶湯の流出を防止する向きに前記ラドルの姿勢を変
    更する制御指令を作成し、 前記制御指令に基づいて、前記給湯動作を行う請求項3
    に記載の給湯方法。
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