JP2003181455A5 - - Google Patents

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【発明の名称】汚水処理方法および汚水浄化槽
【特許請求の範囲】
【請求項1】金属電極から電気化学的に金属イオンを溶出させることで汚水中に含まれるリンを除去する汚水処理方法であって、
前記金属電極の表面に流動性の担体あるいは濾材を擦り付け、または衝突させ、これによって当該金属電極に付着した生物膜、あるいは当該金属電極表面の不動態皮膜を剥離洗浄するように構成したことを特徴とする汚水処理方法。
【請求項2】金属電極から電気化学的に金属イオンを溶出させることで汚水中に含まれるリンを除去する脱リン用金属電極が配設された汚水浄化槽であって、前記脱リン用の金属電極は、当該金属電極表面に流動性の担体あるいは濾材を擦り付け、または衝突させ、これによって当該金属電極の付着物、あるいは当該金属電極表面の不動態被膜を剥離洗浄可能に構成されていることを特徴とする汚水浄化槽。
【請求項3】請求項2に記載の汚水浄化槽であって、多数の流動性担体を流動させる散気装置が配置された処理領域を有するとともに、前記金属電極は、当該散気装置の上方に配置されていることを特徴とする汚水浄化槽。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水中に含まれるリンを電気化学的に除去する汚水処理の脱リン方法と、脱リン用金属電極を備えた好気性処理槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、汚水処理装置の汚水中に含まれるリンを、電気化学的に金属電極から金属イオンを溶出させる電気溶解法によりリン除去する手法の研究が進み、当該金属電極から溶出した金属イオンが、汚水中のリン酸イオンと凝集反応して不溶性のリン酸化合物として沈殿分離させることで、安定且つ長期間に亘って効率良くリン除去され、電気的に金属イオン溶出量を手軽に調整できる点で、優れていることが実証されている。
【0003】
それに付随して、特開平7−108296号公報の図9や、図10に示す鉄溶解装置や、特開平10−43781号公報、特開平10−66995号公報、特開平10−128370号公報、特開平11−90466号公報等においては、電気溶解法によるリン除去手段が多数提案されるに至っている。
【0004】
例えば、特開平7−108296号公報の図9や、図10及び図13に示す脱リン装置や、特開平10−43781号公報や、特開平10−66995号公報に示す汚水処理装置(以下、前者という)の場合には、汲み上げた二次処理水を返送する循環経路中に鉄溶解・溶出槽を設け、当該溶出槽に浸漬した鉄板に通電処理することにより、当該鉄板電極を腐食溶解させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前者の脱リン装置の場合には、汚水処理槽の槽上方部の空間スペースに溶出槽を組み込むことにしているため、その為の空間スペースを確保せねばならないことから、汚水処理槽の嵩高が大きなものとなる。それでは、近時における汚水処理槽の小型コンパクト化の要請に反することになる。その上、長期間に亘る処理水の循環に伴い、鉄板電極の表面に不動態皮膜が形成されることで、次第に鉄イオンの溶出が不安定になる。そこで、鉄溶解性能を保持する観点から、当該溶出槽に投入した鉄板電極の表面被膜を洗浄するため、専用の散気管を当該溶出槽に配管している。
【0006】
このような課題を解決するに、前記公報の内、前記特開平10−128370号公報の図2や、特開平11−90466号公報に示す汚水処理装置(以下、後者という)の場合には、汚水処理装置における活性汚泥槽や膜処理槽の活性汚泥中に、鉄板やアルミニウム等の金属電極を組み込み、通電処理することにより金属イオンを溶出させると共に、散気装置からの散気撹拌により活性汚泥処理しつつ、凝集処理するようにしている。
【0007】
ところが、後者の場合には、汚泥脱リン処理の進行に伴って、金属電極に生物膜が付着したり、電極表面に不動態皮膜が形成されることで、金属イオンの溶出量が不安定になる。それを、活性汚泥の散気撹拌に伴う槽内流の程度では、効率良く除去できないため、やがて金属電極の溶解性能の低下を招くことになる。それが為、金属電極を槽内から定期的に引き上げて、人為的に電極表面の生物膜を洗浄したり、表面皮膜を剥離する等の維持管理を必須とすることになる。それでは、この種の脱リン用金属電極を備え、リン除去性能に優れる汚水処理槽の普及を阻害する要因ともなる。
【0008】
本発明は、汚水処理の分野において、金属イオンの溶出性能をコンスタントに維持、発揮できる合理的な脱リン技術を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく、請求項1の発明として、金属電極から電気化学的に金属イオンを溶出させることで汚水中に含まれるリンを除去する汚水処理方法であって、前記金属電極の表面に流動性の担体あるいは濾材を擦り付け、または衝突させ、これによって当該金属電極に付着した生物膜、あるいは当該金属電極表面の不動態皮膜を剥離洗浄するように構成したことを特徴とする汚水処理方法が構成される。
【0010】
これにより、汚水処理時に、脱リン用金属電極の溶解・溶出性能をコンスタントに維持し、法定点検時や消耗した金属電極の交換時以外における、人為的な維持管理を不要なものとする。
【0011】
また請求項2に記載の発明として、金属電極から電気化学的に金属イオンを溶出させることで汚水中に含まれるリンを除去する脱リン用金属電極が配設された 汚水浄化槽であって、前記脱リン用の金属電極は、当該金属電極表面に流動性の担体あるいは濾材を擦り付け、または衝突させ、これによって当該金属電極の付着物、あるいは当該金属電極表面の不動態被膜を剥離洗浄可能に構成されていることを特徴とする汚水浄化槽が構成される。
【0012】
これにより、汚水浄化槽において、脱リン用金属電極の溶解・溶出性能をコンスタントに維持し、法定点検時や消耗した金属電極の交換時以外における、人為的な維持管理を不要なものとする。
【0013】
また請求項3に記載の発明として、上記請求項2に記載の汚水浄化槽につき、多数の流動性担体を流動させる散気装置が配置された処理領域を有するよう構成するとともに、金属電極を当該散気装置の上方に配置してもよい。このように構成すれば、散気装置の散気攪拌作用によって流動状態とされた処理領域中の担体を金属電極に擦り付け、あるいは衝突させ、これによって当該金属電極表面の付着物等を合理的に除去し、溶解・溶出性能を確実に確保することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図1と図2に示す汚水浄化槽Tの概要図と、本発明の要部を示す図3の斜視図等に基づいて説明する。
汚水浄化槽Tの内部は、図1と図2に示すように、汚水が流入する流入管1側から、処理水の放流管2側にかけて、汚水処理の工程順に応じて複数の処理槽に区画形成され、具体的には、夾雑物除去槽Aと、嫌気濾床槽Bと、生物濾過槽Cと、処理水槽Dと、消毒槽Eとの各処理槽を備えている。
【0015】
夾雑物除去槽Aでは、流入管1からの流入汚水を流入バッフル3を介して槽内へ降流させ、流入汚水に混入する夾雑物や油脂分などを嫌気状態下で固液分離し、当該夾雑物や二次処理されて返送される不溶性・難溶性のリン酸化合物を槽底部に沈殿処理すると共に、その嫌気処理水を移流バッフル4を昇流させ、次の嫌気濾床槽Bとの隔壁5の上方部の移流開口6から、当該嫌気濾床槽Bへ移流するようにしている。
【0016】
嫌気濾床槽Bの槽内中央部付近には、上下に比較的目の粗い多孔ネット7を配設し、その内部に球状濾材8を収容した嫌気濾床Rが浸漬状態で設置され、当該嫌気濾床Rには嫌気性微生物が生息して活動するようにしている。そこで、移流開口6から嫌気濾床槽Bの槽内へ流入した嫌気処理水は、前記嫌気濾床Rを通過することにより嫌気性微生物により嫌気処理された上で、底部室9へと降流する。この嫌気処理水は、清掃口を兼ねる移流バッフル10を昇流し、生物濾過槽Cとの隔壁11の上方部の移流開口12から次の生物濾過槽Cへと移流する。
【0017】
ここで、本発明の要部を構成する脱リン装置Pを組み込んでなる生物濾過槽Cの構造を説明する。13は生物濾過槽Cの上方部に配設した流動床担体Xの浮上防止用ネット、14は生物濾過槽Cの下方部に配設した流動床担体Xの沈降防止用ネットであって、生物濾過槽Cの上下位置の内壁面に突設した係合段部15に取り付けられ、これにて上下ネット13,14の間に処理室Fが区画形成される。
【0018】
Sは散気装置であって、上下ネット13,14の間で下部ネット14寄りの位置に配管され、その散気用送気管16を一方の隔壁11寄りの位置に沿って鉛直上方へ配管し、その上端部を散気用送気本管17に配管し、その基端部の送気口18に散気用ブロワ(図示せず)との連結管が配管され、常時、送気している。
【0019】
Xは合成樹脂製で中空円筒状の流動床担体であって、具体的には、その内外径が12〜14mmφ程度の円筒形状で、その高さが14〜15mm程度、肉厚が1mm程度に成形され、その比重が水より若干大きい程度の1.08±0.07に比重調整されている。
【0020】
Gは生物濾過槽Cの底部室20に配管した逆洗装置であって、その逆洗用送気管21を、他方の処理水槽Dと区画するコ字状の隔壁22の内壁面に沿って鉛直上方へ配管され、その上端部を逆洗用送気本管23に配管し、その基端部の送気口24に逆洗用ブロワ(図示せず)との連結管が配管される。この逆洗用ブロワは、タイマーなどにより1日当たり1回程度の割合で間欠的に駆動制御され、通常、汚水流入の少ない真夜中の時間帯に、数分間から十数分間程度に亘って駆動するようにしている。
【0021】
次に、脱リン装置Pの本体構成を、図4(a)、(b)に基づいて説明する。35は間隔を隔てて対向した陰陽一対の金属電極であって、具体的には、鉄やアルミニウム、マグネシウム等の板状、棒状等の導電性ある金属により形成され、その一方が陽極35a、他方が陰極35bとして機能し、その対極間に直流又は交流いずれかの電流が印加される。36は合成樹脂製のホルダーであって、前記金属電極35の上端部に挟着されて固定している。37は金属電極35の上方部に穿設した複数の通孔であって、前記ホルダー36に穿設した通孔38と貫通状態としている。39はホルダー36の両端部に形成した係合段部である。40は金属電極35の電源、41は陰陽一対の金属電極35と電源40との間を結線する電源コードである。
【0022】
そこで、脱リン装置Pを前記した生物濾過槽Cに組み込むには、当該生物濾過槽Cにおける上部ネット13の左右位置に矩形状の取付口を形成し、当該取付口から脱リン装置Pにおける陰陽一対の金属電極35を落とし込み、ホルダー36の係合段部39を上部ネット13の端部に係合して掛架支持する。後は、金属電極35と電源40との間に電源コード41を結線する。これにより、脱リン装置Pにおける金属電極35が、生物処理槽Cの区画室Fに垂下形成され、生物処理槽Cの好気処理水中に浸漬されて電気溶解に供される。
【0023】
25は逆洗処理された汚泥水の返送用エアリフト管であって、隔壁22の背面部の一側位置に立設され、その下端部の流入口26を底部室20に臨ませ、返送用エアリフト管25の隣接位置にエアリフト用送気管27が配管され、その下端部を返送用エアリフト管25の下端位置に接続し、その上端部を逆洗用送気本管23に配管している。
【0024】
28は生物濾過槽Cで二次処理された処理水の循環用エアリフト管であって、隔壁22の背面部の他側位置に立設され、その下端部の流入口29を隔壁22の下端部に形成した移流開口30の付近に臨ませ、更には、当該循環用エアリフト管28に隣接させてエアリフト送気管31を配管し、その下端部を循環用エアリフト管28の下部寄りの位置に接続し、その上端部を散気用送気本管17に配管している。
【0025】
32は返送用エアリフト管25の上端部に配管した逆洗処理水の汚水返送管、33,34は、循環用エアリフト管28の上端部に配管した循環量計量装置と循環返送管であって、槽上方部の左右両側位置に間隔を隔てて配管され、その先端部を夾雑物除去槽Aの流入バッフル3に各々臨ませており、逆洗時には、返送用エアリフト管25から汲み上げた汚泥処理水を、また、常時は、循環用エアリフト管28から汲み上げた好気処理水を夾雑物除去槽Aへ返送する。
【0026】
而して、生物濾過槽Cに流入した一次処理水は、図5に示すように散気装置Sからの散気撹拌作用により、当該散気装置Sの上部側の好気処理ゾーンMにある流動床担体Xを常時、緩やかに流動させ、当該流動床担体Xの表面や内部に付着した好気性微生物により好気処理され、有機物の酸化分解がされることで生物処理され、また、流動する流動床担体Xが、処理室Fの上層部に浸漬された金属電極35の表面に衝突したり、接触しながら散気撹拌される。
【0027】
同時に、電源40から金属電極35への通電により、当該金属電極35の陽極35a側から金属イオンが溶出し、流動している汚水と混じり合うことで撹拌混合されると共に、金属イオンが処理水中のリン酸イオンと凝集反応して不溶性・難溶性のリン酸化合物に変化し、それが細かいSS粒子となって穏やかに沈殿分離する。その際、陽陰一対の金属電極35の対極間には、直流又は交流のいずれかの電流が印加されるが、それが直流電流の場合には、その極性を定期的に反転することで、金属電極35の表面の不動態皮膜の形成が抑制される。
【0028】
前記のように、散気撹拌により生物学的に処理され、不溶性リン酸化合物を含む好気処理水は、前記散気装置Sから下部側に充填された流動床担体Xによる濾過処理ゾーンNにおいて、当該好気処理水に含まれる浮遊物質や、流動床担体Xから剥離した過剰な生物膜や、不溶性リン酸化合物を含むSS分等が補足されることで、物理的な濾過処理がなされる。この濾過処理ゾーンNを通過した二次処理水は、生物濾過槽Cの底部室20へ降流した上で、隔膜22の下端部の左右両側位置に形成した移流開口30を潜流して、次の処理水槽Dへ送り出される。
【0029】
通常、汚水流入のない真夜中になると、逆洗用ブロア(図示せず)が駆動し、底部室20の逆洗装置Gから曝気が噴出する。すると、図6に示すように、先ず、濾過処理ゾーンNの流動床担体Xが、逆洗装置Gからの曝気作用により一気に流動を開始し、当該濾過処理ゾーンNの流動床担体Xの間や担体内部に蓄積された汚泥分や不溶性リン酸化合物を含むSS分が流動化し、しかも、それが通常の散気撹拌作用に比して強力な曝気撹拌作用を受けて流動接触が行われることで、濾過処理ゾーンNの流動床担体Xに対する逆洗処理がなされる。同時に、槽内に形成される激しい逆洗流により、処理室Fの上方部に浸漬支持された金属電極35の表面に、流動床担体Xが繰り返し激しく衝突したり、金属電極35の表面に擦り付けられ、これにより、金属電極35の表面付着物や金属電極35に形成された不動態皮膜が剥離洗浄される。
【0030】
剥離した生物膜、汚泥分や不溶性リン酸化合物等のSS等を含む逆洗処理水は、返送用エアリフト管25の流入口26から汲み上げられると共に、循環用エアリフト管28の流入口29からも汲み上げられ、それぞれ汚水返送管32と循環返送管34から夾雑物除去槽Aへ返送されて脱窒とその再処理に供され、また、不溶性リン酸化合物を含むSSは、当該夾雑物除去槽Aに汚泥となって沈殿することで貯留され、これにより生物濾過槽Cの二次処理水に対するリン除去がなされる。
【0031】
尚、濾過処理ゾーンNの流動床担体Xの一部は、散気装置Sの上部側へ浮上して旋回流動し、また、好気処理ゾーンMの流動床担体Xの一部が散気装置Sの下部側へ沈降流動することで、濾過処理ゾーンNと好気処理ゾーンMの流動床担体Xが適度に混じり合って混在状態となり、再び、散気装置Sによる散気撹拌が好気処理ゾーンMにおいて行われ、過処理ゾーンNでの濾過処理がなされる。従って、逆洗装置Gによる曝気撹拌が繰り返されることにより、濾過処理ゾーンNと好気処理ゾーンMの流動床担体Xが上下に適度に入れ替えられ、これにより流動床担体Xに対する処理機能の役割交換がされることで、生物濾過槽Cの処理室Fにおける流動床担体Xの閉塞防止や濾過処理ゾーンNの嫌気性化を効果的に阻止する。
【0032】
前記のように、脱窒・脱リンされて生物濾過槽Cの底部室20に降流した二次処理水は、次の処理水槽Dとの移流開口30を潜流したう上で処理水槽Dへ流入し、その上澄み液が消毒槽Eで消毒処理された上で、放流管2から放流される。
【0033】
【その他の実施形態】
前記した第1の実施形態の場合には、散気装置Sと逆洗装置Gを備えた担体流動構造の生物濾過槽Cに、脱リン装置Pを組み込んだ場合について説明したが、図7に示す第2の実施形態の場合には、第1の実施形態における逆洗装置Gの位置に散気装置Sを配管し、第1の実施形態における処理室Fの中間部に配管した散気装置Sを撤去した、流動床担体Xによる好気性処理槽T1としている。また、脱リン装置Pにおける金属電極35は、第1の実施形態の場合と同様に、流動床担体Xを充填した処理室Fの上部ネット13に掛架支持されることで、汚水中に浸漬状態に支持している。
【0034】
この場合には、好気性処理槽T1における上下ネット13,14で区画した処理室Fに充填した流動床担体Xを、その底部室20に配管した散気装置Sからの散気により散気撹拌して流動化させることで生物処理が行われる。同時に、脱リン装置Pにおける金属電極35から金属イオンが溶出し、流動している汚水と混じり合うことで撹拌混合されると共に、当該金属イオンが汚水中のリン酸イオンと凝集反応して不溶性リン酸化合物に変化し、それが細かいSS粒子となって穏やかに沈殿分離する。また、リン除去されて底部室20へ降流した二次処理水は、隔壁22下端の潜流口42から次の沈殿槽Kで送り出され沈殿処理に供される。従って、第2の実施形態の場合にも、散気撹拌によって形成される槽内流により、処理室Fの上方部に浸漬支持した金属電極35の表面に、流動床担体Xが繰り返し衝突したり、金属電極35の表面に接触する状態が形成され、金属電極35の表面付着物や金属電極35の表面に形成された不動態皮膜の剥離洗浄がなされる。尚、第1の実施形態と構成をほぼ同じくする部分については、それと同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0035】
また、図8に示す第3の実施形態の場合には、汚水を二次処理する好気性処理槽T2の槽内に比較的比重の重い、直径数mm程度のセラミック製濾材Y又はアンスラサイト、砂等の濾材Yを下部ネット14上に充填して濾過層43を形成し、その下部の底部室20には散気装置Sを配管している。そこで、散気装置Sからの散気により、濾過層43の濾材Y相互の間隙を伝って空気泡が浮上することで、好気性微生物による生物処理と濾過層43での濾過処理が行われる。好気性処理層T2で濾過処理された二次処理水は、通常、潜流管44の末端部にセットした水中ポンプ45を介して次の処理水槽Dへ送り出され、また、好気性処理槽T2の逆洗時には、前記水中ポンプ45が作動して当該処理水槽Dの処理水を吸い込み、潜流管44を逆流させて底部室20から噴出させ、前記濾過層43の濾材Yを上昇させて曝流撹拌することで、濾材Yに対する逆洗が行われる。この場合にも、前記した第1・第2の実施形態と同様に、脱リン装置Pが好気性処理槽T2の上層部に浸漬状態に垂下支持されているので、逆洗に伴う曝流により濾材Yが金属電極35の表面に激しく衝突したり、擦り付けられ、これにより電極表面の付着物や不動態皮膜等の剥離洗浄が行われる。この第3の実施例の場合において、本発明の第1の実施形態と同一の構成部分については、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、汚水処理の分野において、金属イオンの溶出性能をコンスタントに維持、発揮できる合理的な脱リン技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚水処理槽の全体概要を示す側面図である。
【図2】汚水処理槽の平面図である。
【図3】生物濾過槽に、その配管系と脱リン装置を組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図4】脱リン装置を示す図であって、(a)はその斜視図、(b)は側面図である。
【図5】生物濾過槽における散気時の旋回流動状況を示す図である。
【図6】逆洗時の旋回流動状況を示す図である。
【図7】担体流動構造の好気性処理槽と、沈殿槽を備えた二次処理装置の第2の実施形態を示す概要図である。
【図8】濾材により濾過層を形成した好気性処理槽と、水中ポンプ付きの処理水槽を備えた二次処理装置の第3の実施形態を示す概要図である。
【符号の説明】
T 汚水浄化槽
A 夾雑物除去槽
B 嫌気濾床槽
C 生物濾過槽
D 処理水槽
E 消毒槽
F 処理室
S 散気装置
X 流動床担体
G 逆洗装置
R 嫌気濾床
M 好気処理ゾーン
N 濾過処理ゾーン
P 脱リン装置
T1,T2 好気性処理槽
K 沈殿槽
Y 濾材
1 流入管
2 放流管
3 流入バッフル
4,10 移流バッフル
5,11,22 隔壁
6,12,30 移流開口
7 多孔ネット
8 球状濾材
9,20 底部室
13 上部ネット
14 下部ネット
15 係合段部
16,21,27,31 送気管
17,23 送気本管
18,24 送気口
25,28 エアリフト管
26,29 流入口
32 汚水返送管
33 計量装置
34 循環返送管
35 金属電極
36 ホルダー
37,38 通孔
39 係合段部
40 電源
41 電源コード
43 濾過層
44 潜流管
45 水中ポンプ
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