JP3895860B2 - 汚水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は汚水処理装置に関し、さらに詳しくは、屎尿廃水源(水洗便所)や生活廃水源(台所、風呂場、洗面所など)から出た汚水に含まれるリン酸を特定の金属イオンと反応させ、水不溶性リン酸塩にして沈殿除去するための汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の汚水処理装置としては、従来、次のようなものが知られている。
【0003】
すなわち、屎尿廃水源や生活廃水源から流入した汚水に第1段の嫌気処理を行うための第1嫌気濾床槽と、この槽から流入した汚水に第2段の嫌気処理を行うための第2嫌気濾床槽と、この槽から流入した汚水に好気処理を行うための好気濾床槽と、この槽から流入した処理水を貯蔵する処理水槽と、この槽における処理水を第1嫌気濾床槽へ返送する返送路とを備え、この返送路に、水不溶性リン酸塩形成用金属片とそれよりも貴なる金属片とを導通状態に配置し、両金属片間に電圧を印加して電気化学的にリン酸塩形成用金属イオンを溶出させ、リン酸を沈殿除去するようにした汚水処理装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような汚水処理装置にあっては、使用者の長期不在などの理由で廃水源から第1嫌気濾床槽へ長時間にわたり汚水が流入しない場合において、前記金属イオンの溶出がまったくまたはほとんど不要であるにもかかわらず、電圧の印加された前記金属片からは常に同イオンが溶出する。その結果、リン酸と反応する他に水酸基と反応して水不溶性の金属化合物の汚泥となり、この汚泥が余分に堆積していく。
【0005】
このような場合が度重なると、金属片の寿命の点や、堆積汚泥の引抜き処理の点などでかなり不経済になるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、処理すべき汚水が所定時間、汚水処理装置へ流入しないときには水不溶性リン酸塩形成用金属イオンの溶出を制限して、汚水中のリン酸を安定的かつ効率的に除去することのできる汚水処理装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、廃水源から流入した汚水に嫌気処理を行うための嫌気濾床槽、またはこの嫌気濾床槽から流入した汚水に好気処理を行うための好気濾床槽で処理された後の汚水に含まれるリン酸を除去するための汚水処理装置であって、
前記嫌気濾床槽または好気濾床槽で処理された後の汚水に水不溶性リン酸塩形成用金属イオンを供給するための金属イオン供給部とを備え、
さらに、前記廃水源の流入側もしくは流出側にすでに他の用途で設けられておりあるいは新たに設けられ、前記廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入の有無を監視するための監視部と、この監視部に接続されその監視結果に応じて前記金属イオン供給部を制御するための制御部とを備え、
前記金属イオン供給部は、汚水中のリン酸を除去する鉄イオンまたはアルミニウムイオンを電気分解により溶出させるための少なくとも一組の電極を含み、
前記制御部は、前記廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入があるとの前記監視部からの信号に基づいて、前記電極へ電流を流すように制御して前記電極から鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させ、前記廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入があるとの前記監視部からの信号が所定時間ないことに基づいて、前記電極への電流を低下させるが停止させずに、前記電極の不動態化を防止する電流密度となる電流を前記電極へ流すように制御する、ことを特徴とする汚水処理装置が提供される。
【0008】
嫌気濾床槽は、屎尿廃水や生活廃水の中に混入していて浄化処理できない夾雑物を沈澱分離させて除去する。嫌気濾床槽には嫌気性微生物の濾床である嫌気濾床が設けられており、その濾床に嫌気性微生物を棲息させることで嫌気処理を行う。
【0009】
嫌気濾床槽は1つでもよく、複数でもよい。後者の場合は、複数段の嫌気処理を行うことになる。
【0010】
好気濾床槽には好気性微生物の濾床である好気濾床が設けられており、その濾床に好気性微生物を棲息させることで、嫌気濾床槽において嫌気処理を受けた後に同槽から流入した汚水に好気処理を行う。
【0011】
金属イオン供給部は、嫌気濾床槽または好気濾床槽における高濃度のリン酸イオンを水不溶性化する目的で、嫌気濾床槽または好気濾床槽で処理された後の汚水に水不溶性リン酸塩形成用金属イオンを供給する。
【0012】
この金属イオンとしては例えば、鉄イオンやアルミニウムイオンなどがある。これらのイオンは、汚水中のリン酸(オルトリン酸)イオンと反応して、水不溶性リン化合物(Fe(OH)x (PO4 )y またはAl(OH)x (PO4 )y )となって凝集し沈殿する。
【0013】
監視部は、廃水源の流入側もしくは流出側に他の用途で使用される設備ないし器具の一部としてすでに設けられており、あるいはこの汚水処理装置に新たに設けられるものである。監視部としては、廃水源から嫌気濾床槽への汚水の流入量を計量する流量計や水流の有無を検出する水流検出計などが用いられる。これらは廃水源の流入側に設けてもよく、流出側に設けてもよい。流入側に設けると、廃水の悪影響を受けることがないため、動作不良や故障などのおそれを少なくすることができる。
【0016】
汚水収納槽には、電気分解処理に供される汚水が収納される。電極は、例えば長方形板状のものが2枚一組で所定組配され、電気分解により鉄イオンまたはアルミニウムイオンを汚水収納槽に溶出させる。電源は、各組の電極に接続され、これに電気分解のための定電流を供給する。
【0017】
金属イオン供給部は、鉄イオンまたはアルミニウムイオンを電気分解により溶出させるための少なくとも一組の電極を含む。一組の電極は例えば、両方とも鉄及びアルミニウムのうちの1つから、または一方が鉄及びアルミニウムのうちの1つから他方が不溶性金属から構成される。前者の場合は、所望により電極の極性反転を行うことで電極の不動態化を防止することができる。また、後者の場合は、鉄及びアルミニウムのうちの1つから構成された電極をアノードとし、不溶性金属から構成された電極をカソードとする。ここで、不溶性金属から構成された電極としては、例えば銀や白金などの電極がある。また、一組の電極は例えば、把手部のある電気絶縁性スペーサなどに固定され、相互の間隔が一定に保たれているのが好ましい。
【0018】
前記監視部の例としては、台所、風呂場、洗面所、水洗便所などの廃水源へ導かれた水道管に新たに設けた流量計や、すでに設けられている水道メータの動きを検出するために新たに設けた反射型光センサ、風呂場の水道水流入管や排水管または水洗便所の給水タンクに新たに設けた水流検出器(水流の有無を検出する)などがある。これらの監視部により、簡便かつ確実に汚水流入の有無を監視することができる。
【0019】
制御部は、前記の流量計や光センサなどに、ケーブルや信号変換器などを介して電気的に接続される。制御部は、廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入があるとの監視部からの信号に基づいて、電極へ電流を流すように制御して電極から鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させる。一方、廃水源から嫌気濾床槽への汚水の流入があるとの監視部からの信号が所定時間ないことに基づいて、電極への電流を低下させるが停止させずに、電極の不動態化を防止する電流密度となる電流を電極へ流すように制御する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1つの実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0022】
図1に示すように、本発明の1つの実施の形態に係る汚水処理装置D1 は金属イオン供給部100を備えてなる。金属イオン供給部100は、1つの汚水収納槽1と、4組の電極2・3と、各組の電極2・3に電流を供給するための直流電源(図示略)と、4個の電極保持体4とを備えてなる。
【0023】
図2に示すように、汚水収納槽1は平面形状がほぼ方形の箱からなり、屎尿廃水や生活廃水などの処理すべき汚水が収納される。汚水収納槽1の対向側壁の上部には、汚水流入口1a及び汚水流出口1bが形成されている。また、汚水収納槽1の底には、左右方向に延びる2本の底部位置決め棒5が設けられている。そして、これらの底部位置決め棒5の内側には、縦方向に延びる合計6本の左右位置決め棒6が設けられている。
【0024】
各組の電極2・3はいずれも長方形板状の鉄製であり、汚水中のリン酸を除去する鉄イオンを電気分解により溶出させる。図3及び図4に拡大して示すように、一組の電極2・3は、これらの上端に取り付けられた塩化ビニル樹脂製の電気絶縁性スペーサ7により、それらの間隔が一定に保たれている。スペーサ7には把手部7aが設けられている。
【0025】
電極2・3の上端には接続用端子8が設けられている。これらの端子8はリード線9を介してコネクタ10に接続されている。コネクタ10は前記電源に接続される。なお、一組の電極2・3と、1つのスペーサ7と、2つの端子8と、2つのリード線9と、1つのコネクタ10とからなる集合体を説明の便宜上、電極体11と称する。
【0026】
図3及び図4に拡大して示すように、電極保持体4は、平面形状が長方形の箱状のものであり、ポリプロピレン樹脂製である。電極保持体4の左右両側壁は、隣り合う電極保持体4どうしを仕切るための電気絶縁性仕切板4aにされている。電極保持体4の前後両端は、ともに長方形の汚水流入口4b及び汚水流出口4cにされている。
【0027】
また、電極保持体4の上下両面は、周縁部を残して中央が長方形に切り欠かれて、それぞれ電極着脱口4d及び曝気口4eにされている。さらに、電極保持体4の左右幅(2つの仕切板4aの外面どうしの間隔)は、汚水収納槽1内における、隣り合う2つの左右位置決め棒6どうしの間隔にほぼ等しくされている。
なお、電極保持体4の上面における2つの円形孔4fは、スペーサ7を電極保持体4の上面にネジ止めするためのものである。
【0028】
このように構成された電極保持体4は、汚水収納槽1内に取出し可能に配される。すなわち、槽内に設けられた底部位置決め棒5及び左右位置決め棒6により定位置にゆるやかに固定される。
【0029】
また、電極体11は、電極保持体4に電極着脱口4dから嵌め込まれてスペーサ7が電極保持体4にネジ止めされることで、電極保持体4に着脱可能に保持される。したがって、電極2・3の点検や交換の作業を簡単かつ短時間に行うことができる。また、一組の電極2・3及び電極保持体4の2つの仕切板4aは、互いに平行になっている。したがって、電極保持体4内の汚水中の浮遊物質(SS)は各電極2・3の電極面に沿って汚水流入口4aから汚水流出口4bの方へ滞りなく流れる。
【0030】
図1及び図2に示すように、電極保持体4の底面中央は、左右方向へ延びる凹溝部1cにされている。そして、この凹溝部1cに1つの曝気管12が嵌められている。
【0031】
曝気管12は、この汚水処理装置D1 が備える曝気装置の一部である。すなわち、この曝気装置は、汚水収納槽1外に設けられた給気用ブロア(図示略)と、このブロアに接続されて槽内へ延びる給気管(図示略)と、この給気管に接続されて槽底部に配された曝気管12とを備えてなる。
【0032】
電極保持体4の曝気口4eを通して曝気管12から曝気を行うことにより、電極2・3及び仕切板4aの洗浄の効果をいっそう上げることができる。
【0033】
図5に示すように、この汚水処理装置D1 は小型合併処理浄化槽101に組み込まれている。
【0034】
浄化槽101の内部は、屎尿廃水と生活廃水との混合した汚水が流入する流入管102の側から、汚水処理ずみの水を外部へ放流する放流管103の側にかけて、汚水浄化処理の工程順に応じて複数の槽が区画形成された槽構造にされている。
【0035】
104は流入管102側の最前部に区画形成された第1嫌気濾床槽である。この第1嫌気濾床槽104では、屎尿廃水や生活廃水の中に混入していて浄化処理できない夾雑物を沈澱分離させて除去する。
【0036】
第1嫌気濾床槽104には嫌気性微生物の濾床である嫌気濾床105が設けられており、嫌気濾床105に微生物を棲息させることで嫌気処理を行うようにされている。嫌気濾床105は、流入水や逆洗廃水が一時的に流入した際の水流によって沈澱物が巻き上げられて浮遊物質となって次の槽へ流出するのを抑えて、次の槽の負荷を下げることができる。
【0037】
106は第1嫌気濾床槽104に隣接して区画形成された次の第2嫌気濾床槽である。第2嫌気濾床槽106では、嫌気濾床107に嫌気性微生物を棲息させることで嫌気処理を行うようにされている。
【0038】
108は第2嫌気濾床槽106に隣接して区画形成された次の生物膜濾過槽である。
【0039】
第1嫌気濾床槽104と第2嫌気濾床槽106とは垂直な隔壁109で仕切られている。隔壁109の上部には、隔壁109を貫通する移流口110が開口形成されている。そして、移流口110に移流管111が嵌められている。
【0040】
第2嫌気濾床槽106と次の生物膜濾過槽108とは垂直な隔壁112で仕切られている。隔壁112の上部には、隔壁112を貫通する移流口113が開口形成されている。そして、移流口113に移流管114が嵌められている。第1嫌気濾床槽104から移流管111を通って第2嫌気濾床槽106へ移流してきた汚水は、嫌気濾床107を下降流で通過した後、移流管114を通って次の生物膜濾過槽108へ送り込まれる。
【0041】
第2嫌気濾床槽106に設けられた嫌気濾床107により、ある程度のSSが捕捉される。捕捉されたSSは、徐々に嫌気分解されて溶解性のものになっていったり、第2嫌気濾床槽106の底に汚泥として貯留されたりする。また、嫌気濾床107では有機性の窒素がアンモニア性の窒素に嫌気分解される。
【0042】
生物膜濾過槽108には、好気性微生物の濾床である好気濾床115が設けられており、好気濾床115に好気性微生物を棲息させることで好気処理を行うようにされている。生物膜濾過槽108の底部付近には、曝気装置の曝気管116が横設状態に配されている。曝気装置は、曝気管116から空気を吹き出すことで、生物膜濾過槽108の好気濾床115に棲息する好気性微生物に酸素を供給する。
【0043】
117は生物膜濾過槽108に隣接して区画形成された次の処理水槽である。処理水槽117では、生物膜濾過槽108で好気処理され、濾過されて移流してきた処理水を静置貯蔵する。
【0044】
118は処理水槽117の上部に区画形成された消毒槽である。消毒槽118は、処理水槽117で処理された後の上澄み水を消毒処理して、放流管103から外部へ排出するようにされている。
【0045】
生物膜濾過槽108と次の処理水槽117とは垂直な隔壁119で仕切られている。隔壁119の上部には、隔壁119を貫通する移流口120が開口形成されている。そして、移流口120に移流管121が嵌められている。第2嫌気濾床槽106から移流管114を通って生物膜濾過槽108へ移流してきた汚水は、好気濾床115を下降流で通過した後、移流管121を通って次の処理水槽117へ送り込まれる。
【0046】
処理水槽117の上部から第1嫌気濾床槽104の上部にかけて、処理水中の上澄み水を返送するための返送管122が配されている。そして、処理水槽117からリフト管123により汲み上げられた上澄み水は、分水計量装置124、返送管122を経て汚水処理装置D1 に送られてリン除去処理に供された後に、第1嫌気濾床槽104へ戻される。
【0047】
図5において、125は汚水処理装置D1 が備えている制御部を、126は電源をそれぞれ示している。電源126は、汚水収納槽1の内部に配された電極2・3に電気分解のための電流を供給する。127は汚水収納槽1の外部に設けられた給気用ブロアを示す。ブロア127は、汚水収納槽1の内部の電極2・3及び仕切板4aに曝気を施すことでこれらの面を洗浄するための曝気装置の一部である。
【0048】
浄化槽101に流入する廃水(リン濃度5mg/リットル)の量を1日1200リットルとし、浄化槽101内の循環流量は6000リットルとする。このとき、汚水収納槽1の内部に配された電極2・3には電流を約650mA流す(鉄イオンの溶出量はモル比Fe/P=1.0〜2.5になるように制御すればよい)。
【0049】
各電極体11の電極間距離は25mmとされ、電極間電圧は常にモニターできるようにされている。なお、電流密度は電極2・3の浸漬面積を変化させることで変更できる。
【0050】
制御部125は、前記鉄イオン溶出のために電解する際の電流密度を0.2〜0.8mA/cm2 に維持して定電流電解を行うように、また1〜12時間ごとに1回の電極極性反転を指示するように、制御する。
【0051】
図5において、128は風呂場に設置された浴槽、129は水洗便所、130は水洗便所129の給水タンクを示している。浴槽128及び給水タンク130は、1本の水道管131から枝分かれした流入管134・135から給水されるようになっている。浴槽128の排水管136と水洗便所129の排水管137とは1本化されて、浄化槽101の流入管102に接続されている。
【0052】
水道管131には監視部としての超音波流量計132が取り付けられている。この流量計132は、水道管131を水道水が流れているかどうかを判断するためのものであり、信号変換器133を介して制御部125に接続されている。
【0053】
制御部125は、金属イオン供給部100の電源126をON・OFF制御し、それによって、所定時間内に廃水源である浴槽128や水洗便所129から第1嫌気濾床槽104への汚水の流入があるときには鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させ、流入がないときにはこれらのイオンの溶出を停止させるように機能する。制御部125はさらに、電解中の電流密度や電極極性反転時間をも制御する。なお、汚水処理装置D1 は電解中の電極間電圧が25V以上になったときは、それを外部へ報知する視覚的報知部及び聴覚的報知部(いずれも図示略)をさらに備えている。
【0054】
図6に、この汚水処理装置D1 が組み込まれた浄化槽101のフローチャートを示す。
【0055】
電流密度0.8mA/cm2 、電極極性反転時間1時間で汚水処理装置D1 の電解がスタートする。そして、24時間のうちに水道管131を水道水が流れているかどうかを流量計132により判断する。
【0056】
そして、流量計132により求められた水道水の流量に変化がなければ、浄化槽101への汚水の流入が24時間ないので、電解による鉄イオンの溶出を抑制するかもしくはゼロにする。しかし、鉄イオンの溶出を抑制するとしても、電解電流を下げるだけでは電流密度が小さくなり、電極2・3の不動態化が起きる。一方、鉄イオンの溶出をゼロにしたまま電極2・3を放っておくと不動態化が起こり、次に鉄イオンを溶出させようとしてもうまく作動しない。
【0057】
本発明者らの実験から、電流密度が0.3mA/cm2 以上であれば、極性反転時間を30分以上にすれば不動態化は起きず、電流密度が0.2mA/cm2 未満では、極性反転時間を6時間以上にすれば不動態化は起きないことがわかっている。
【0058】
そこで、流量計132により求められた水道水の流量に24時間変化がなければ、電流密度を0.2mA/cm2 に下げて、また極性反転時間を12時間にして電解を行う。このときの電流は244mAになる。このような電解により、鉄イオンの溶出は、電極2・3の不動態化を有効に防止するための必要最小限の量になる。
【0059】
汚水処理装置D1 はまた、電解中の電極間電圧が25V以上になったときは、汚水処理装置D1 の管理者などが誤って感電するおそれを防止するために、視覚的報知部及び聴覚的報知部によりそのことを外部へ報知警告する。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、監視部の監視結果に応じて水不溶性リン酸塩形成用金属イオンの溶出を適切量に制御することで、汚水中のリン酸を安定的かつ効率的に除去することができる。さらに、廃水源からの汚水の流入がなく、金属イオンの溶出を制限する場合において、電極の不動態化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る汚水処理装置の分解斜視図である。
【図2】図1の汚水処理装置の一部を上面から見た構成説明図である。
【図3】図1の汚水処理装置の構成部材である電極体及び電極保持体の斜視図である。
【図4】図3の電極体及び電極保持体の分解斜視図である。
【図5】図1の汚水処理装置が組み込まれた合併処理浄化槽の内部と、この浄化槽に接続された2つの廃水源の配設状態とを説明する構成説明図である。
【図6】図5の浄化槽のフローチャートである。
【符号の説明】
1 汚水収納槽
2 電極
3 電極
D1 汚水処理装置
100 金属イオン供給部
101 合併処理浄化槽
104 第1嫌気濾床槽
106 第2嫌気濾床槽
108 好気濾床槽
125 制御部
126 電源
132 超音波流量計(監視部)
Claims (1)
- 廃水源から流入した汚水に嫌気処理を行うための嫌気濾床槽、またはこの嫌気濾床槽から流入した汚水に好気処理を行うための好気濾床槽で処理された後の汚水に含まれるリン酸を除去するための汚水処理装置であって、
前記嫌気濾床槽または好気濾床槽で処理された後の汚水に水不溶性リン酸塩形成用金属イオンを供給するための金属イオン供給部とを備え、
さらに、前記廃水源の流入側もしくは流出側にすでに他の用途で設けられておりあるいは新たに設けられ、前記廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入の有無を監視するための監視部と、この監視部に接続されその監視結果に応じて前記金属イオン供給部を制御するための制御部とを備え、
前記金属イオン供給部は、汚水中のリン酸を除去する鉄イオンまたはアルミニウムイオンを電気分解により溶出させるための少なくとも一組の電極を含み、
前記制御部は、前記廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入があるとの前記監視部からの信号に基づいて、前記電極へ電流を流すように制御して前記電極から鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させ、前記廃水源から前記嫌気濾床槽への汚水の流入があるとの前記監視部からの信号が所定時間ないことに基づいて、前記電極への電流を低下させるが停止させずに、前記電極の不動態化を防止する電流密度となる電流を前記電極へ流すように制御する、ことを特徴とする汚水処理装置。
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