JP3802184B2 - 汚水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚水処理装置に関し、さらに詳しくは、屎尿廃水と生活廃水との混合した汚水からリン酸を除去するための脱リン処理装置が組み込まれた、合併処理浄化槽などの汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の脱リン処理装置としては、特開平7−108296号(C02F 3/30)公報や特開平3−89998号(C02F 3/12,1/58,11/00)公報に開示されたものが知られている。
【0003】
前者は、嫌気濾床槽または沈殿分離槽と、ばっ気槽と、沈殿槽と、消毒槽とを、この順に配置した汚水処理装置において、ばっ気槽内の汚水をポンプによって汲み上げ、鉄溶解装置を介して嫌気濾床槽または沈殿分離槽に戻すようにした汚水処理装置に組み込まれた脱リン処理装置である。
【0004】
後者は、流量調整槽または沈殿分離槽などの液受槽と、生物処理槽と、汚泥濃縮槽とを備え、生物処理槽から液受槽に至る経路の少なくとも1箇所に、不溶性リン酸塩形成金属とそれよりも貴なる金属を導通状態に配置し、あるいは不溶性リン酸塩形成金属を一対以上配置するとともにそれらの間に電圧を印加して、電気化学的に不溶性リン酸形成金属イオンを液中に供給してリンを除去するようにした装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者にあっては、鉄を溶出していけば鉄が消耗されていくため、鉄の補充をする必要がある。しかし、汚水処理装置(浄化槽)は概ね屋外で地中に埋められているため、鉄の有無の点検のためには屋外に出て、浄化槽から鉄電極を地上まで引き出すかまたは浄化槽の中を覗きこまなければならず面倒である。かといって点検せずにすますと、鉄溶解装置における電極としての鉄がなくなってリン酸を除去しないことになり、浄化槽が本来のリン除去の目的を果たさなくなるという問題がある。
【0006】
後者にあっては、陽極側の不溶性リン酸塩形成金属から液中に金属イオンが溶け込んでいくため、同金属の補充をする必要があることから、前者の場合と同様の問題がある。
【0007】
しかしながら、前者にも後者にも、浄化槽から鉄電極または不溶性リン酸塩形成金属を地上まで引き出すかまたは浄化槽の中を覗きこむことなく鉄電極または不溶性リン酸塩形成金属の点検時期を判断することのできる手段や部材は備えられていない。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、安定した電極の溶解を行い、また電極の取り換えや保守などのための電極の点検の時期が簡単に判る、リン酸除去のための脱リン処理装置が組み込まれた汚水処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点によれば、処理水中のリン酸を除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させる少なくとも一対の電極と、これらの電極から電気分解された処理水中の前記イオンの濃度を検出するためのイオン濃度検出部と、電極の点検時期を報知するための報知部とを備え、イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たないときに報知部が前記報知を行うことを特徴とする汚水処理装置が提供される。
【0010】
電極は、電気分解により鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する。これらのイオンは、排水中のリン酸(オルトリン酸)と反応して、難溶性リン化合物(Fe(OH)X(PO4yまたは(Al(OH)X(PO4y)となって凝集し沈殿する。電極間には電気分解のための電流が印加される。所望により設けられる制御部は、電極間に印加する電流の制御を行うことにより、イオンの溶出量を制御する。
【0011】
一対の電極は例えば、両方とも鉄及びアルミニウムのうちの1つから、または一方が鉄及びアルミニウムのうちの1つから他方が不溶性金属から構成される。前者の場合は、所望により電極の極性反転を行うことで、電極からのイオン溶出が起こらなくなる電極の不動態化を防止することができる。また、後者の場合は、鉄及びアルミニウムのうちの1つから構成された電極を陽極とし、不溶性金属から構成された電極を陰極とする。ここで、不溶性金属から構成された電極としては、例えば銀や白金などの電極がある。
【0012】
この汚水処理装置にはさらに、特徴あるイオン濃度検出部と報知部とが設けられている。
【0013】
このイオン濃度検出部は、電気分解の進行に伴って流出した処理水中の鉄イオンまたはアルミニウムイオンの濃度を検出する。このイオン濃度検出部は例えば、前記イオンが電気分解された処理水をためるための検出槽と、この検出槽に配設されたイオン濃度センサとからなる。
【0014】
検出槽は例えば、処理水が流れる流出管を介して流れ込む処理水を一時的に溜めるようなものである。
【0015】
処理水中の鉄イオン濃度を検出するセンサとしては例えば、鉄酸化細菌の酸化能力を利用して第一鉄イオンを含む溶液中の酸素濃度の変化を検知することにより第一鉄イオン濃度を測定する、既知のセンサなどが好ましく用いられる。処理水中のアルミニウムイオン濃度の検出については、アルミニウムイオンを直接検出する手法がないため、アルミニウム電極に含有される不純物の量を測ることによりアルミニウムイオン濃度を間接的に検出する。すなわち、アルミニウムに含有される不純物としては鉄や銅などがあるが、これらの元素についてはそれぞれに適したイオン溶出用電極があるため、そのような電極の元素量を測ることでアルミニウムイオン濃度を算出する。なお、銅イオン濃度センサとしては例えば、銅イオン選択性電極及び濃度分析制御装置を備えてなる既知のセンサなどが好ましく用いられる。
【0016】
報知部は電極の交換時期を報知する。報知部は例えば、視覚的報知部及び聴覚的報知部のうちの少なくとも一方からなる。すなわち報知部は、LEDランプなどの視覚的報知部やブザーなどの聴覚的報知部の両方または一方からなる。
【0017】
イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たないときには、報知部が前記報知を行う。すなわち、前記イオンの濃度が所定値に満たないことをイオン濃度検出部が検出し、その検出結果が所望により設けられる制御部に入力されると、制御部が報知部に電極の点検時期を報知するような指示を出力して使用者に知らせる。この汚水処理装置の使用者から連絡を受けた管理者(施工業者や保守管理業者など)が電極を点検しその取り換えや保守などをすることで、イオン溶出を継続することができる。
【0018】
本発明の別の観点によれば、処理水中のリン酸を除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させる少なくとも一対の電極と、これらの電極から電気分解された処理水中の前記イオンの濃度を検出するためのイオン濃度検出部と、電極の点検時期を報知するための報知部と、電気分解時の電極間電圧を検出する電圧検出部とを備え、電極から溶出する前記イオンの量を一定にするために電極間電圧を前記イオンの量に応じて上昇させるとともに、イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たず、かつ、電圧検出部により検出した電極間電圧が基準値以上であるときに、報知部が前記報知を行うことを特徴とする汚水処理装置が提供される。
【0019】
この汚水処理装置には、前記のイオン濃度検出部及び報知部に加えてさらに、特徴ある電圧検出部が設けられている。この電圧検出部は電気分解時の電極間電圧を検出する。すなわち、電気分解の進行に伴って電極からイオンが溶出し続ける結果、電極はその表面積が徐々に減少していく。このとき、単位時間当たりの溶出イオン量を一定にするためには電極間電圧を上昇させる必要がある。そして、電極の表面積が一定の値にまで減少すると、電極間電圧がかなり高い値まで上昇しており感電のおそれがある上、必要量のイオン溶出が起こらなくなるおそれがある。そこで、電圧検出部を設けることにより、電極間電圧が基準値以上になったときに電極の点検時期を報知するようにしたのである。電圧検出部としては例えば、両電極間に接続された電圧センサなどが用いられる。
【0020】
イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たず、かつ、電圧検出部により検出した電極間電圧が基準値以上であるときには、報知部が前記報知を行う。すなわち、前記イオンの濃度が所定値に満たないことをイオン濃度検出部が検出し、その検出結果に基づいて、所望により設けられる制御部が単位時間当たりの溶出イオン量を所定値まで上げるために電極間電圧を上昇させたときに、その電極間電圧が基準値以上であると電圧検出部が検出すると、制御部は報知部に電極の点検時期を報知するような指示を出力して使用者に知らせる。この汚水処理装置の使用者から連絡を受けた管理者が電極を点検しその取り換えや保守などをすることで、イオン溶出を継続することができる。
【0021】
制御部による制御の一例は、イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たず、かつ電圧検出部により検知した電極間電圧が25V以上であるときに、報知部に電極の点検時期を報知するような制御を行うものである。前記のように、定電流電気分解の進行に伴って電極の表面積が一定の値にまで消耗すると、電極間電圧がかなり高い値まで上昇しており感電のおそれがある上、必要量のイオン溶出が起こらなくなるおそれがある。そこで、前記イオンの濃度が所定値に満たずかつ電極間電圧が25V以上になるとこれらのおそれが起きるとみなして、電極の点検時期を報知するようにしたのである。
【0022】
本発明のさらに他の観点によれば、前記の各種のリン除去性能を有する汚水処理装置が提供される。例えば、脱リン処理装置が合併処理浄化槽の生物膜濾過槽(ばっき槽)やこれに隣接する次の処理水槽(沈殿槽)の上部などに配され、処理水槽から夾雑物除去槽(第1嫌気濾床槽)へ戻される処理水からリン酸を除去するように構成された合併処理浄化槽が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の2つの実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、これらによって本発明が限定されるものではない。
【0024】
実施の形態1
図1に示すように、本発明の1つの実施の形態に係る脱リン処理装置D1 は、流量調整機能のある汚水処理装置としての小型合併処理浄化槽1に組み込まれて用いられている。
【0025】
この浄化槽1の内部は、屎尿廃水と生活廃水との混合した汚水が流入する流入管2の側から、汚水処理ずみの水を外部へ放流する放流管3の側にかけて、汚水浄化処理の工程順に応じて複数の槽が区画形成された槽構造にされている。
【0026】
4は流入管2側の最前部に区画形成された夾雑物除去槽である。この夾雑物除去槽4では、屎尿廃水や生活廃水の中に混入されており浄化処理できない夾雑物を沈殿分離させて除去する。
【0027】
夾雑物除去槽4の流入管2側には流入ガイド5が区画形成されている。この流入ガイド5と流入管2との間には、流入水を夾雑物除去槽4の下方へ向かって案内する角筒状あるいは円筒状の降流通路6が形成されている。
【0028】
また、夾雑物除去槽4には嫌気性微生物の濾床である嫌気濾床7が設けられており、その嫌気濾床7に微生物を棲息させることで嫌気処理を行うようにされている。嫌気濾床7は、流入水や逆洗廃水が一時的に流入した際の水流によって沈殿物が巻き上げられて浮遊物質となって次の槽へ流出するのを抑えて、次の槽の負荷を下げることができる。
【0029】
8は夾雑物除去槽4に隣接して区画形成された次の嫌気濾床槽である。この嫌気濾床槽8では、嫌気濾床9に嫌気性微生物を棲息させることで嫌気処理を行うようにされている。
【0030】
10は嫌気濾床槽8に隣接して区画形成された次の生物膜濾過槽である。この生物膜濾過槽10には好気性微生物の濾床である好気濾床11が設けられており、その好気濾床11に好気性微生物を棲息させることで好気処理を行うようにされている。
【0031】
12は生物膜濾過槽11に隣接して区画形成された次の処理水槽である。この処理水槽12では、生物膜濾過槽11で好気処理され、濾過されて移流してきた処理水を静置貯蔵する。
【0032】
13は処理水槽12の上部に区画形成された消毒槽である。この消毒槽13は通常、処理水槽12で処理された後の上澄み水を消毒処理して、放流管3から外部へ排出するようにされている。
【0033】
夾雑物除去槽4と嫌気濾床槽8とは垂直な隔壁14で仕切られている。この隔壁14の上部には、隔壁14を貫通する移流口15が開口形成されている。そして、この移流口15に角筒状あるいは円筒状の移流管16が嵌められている。この移流管16は、その下端が夾雑物処理槽4の嫌気濾床7の下部に位置しており、清掃口を兼ねている。
【0034】
嫌気濾床槽8と次の生物膜濾過槽10とは中間隔壁17で仕切られている。この中間隔壁17の嫌気濾床槽8側には上昇流通路18が固定状に設けられている。夾雑物除去槽4から移流管16を通って嫌気濾床槽8へ移流してきた汚水は、嫌気濾床9を下降流で通過した後、上昇流通路18を通って上昇する。
【0035】
上昇流通路18の上部には定量ポンプ(図示略)の取水口が設けられている。定量ポンプは嫌気濾床槽8から生物膜濾過槽10へ一定量の汚水を移送する。すなわち、汚水は取水口から定量ポンプ内に取り込まれて次の生物膜濾過槽10へ一定量送り込まれる。
【0036】
嫌気濾床槽8における嫌気濾床9で、ある程度の浮遊物質(SS)が捕捉される。捕捉されたSSは、徐々に嫌気分解されて溶解性のものになっていったり、嫌気濾床槽8の底に汚泥として貯留されたりする。また、嫌気濾床9では有機性の窒素がアンモニア性の窒素に嫌気分解される。
【0037】
生物膜濾過槽10の底部付近には、散気装置21の散気管22が横設状態に配されている。この散気装置21は、その散気管22から空気を吹き出すことで、生物膜濾過槽10の好気濾床11に棲息する好気性微生物に対する酸素供給機能を果す。
【0038】
生物膜濾過槽10における好気濾床11には濾材が配置してあり、この濾材に付着した微生物が、BOD成分等を分解したりSS化したりして濾材に捕捉する。生物膜濾過槽10は物理的な濾過作用も有しており、ここでもSSを捕捉する。また、生物膜濾過槽10では、窒素を硝酸に変える硝酸菌や亜硝酸菌の働きでアンモニア性窒素を硝酸性窒素に変える。
【0039】
生物膜濾過槽10と次の処理水槽12との間には隔壁23が設けられている。この隔壁23の下部には連通部24が設けられている。そして、この連通部24により、生物膜濾過槽10と処理水槽12とは連通している。
【0040】
処理水槽12では、連通部24を通して生物膜濾過槽10から流入した処理水が沈殿物と上澄み水とに分離される。処理水槽12の底部は、そこに堆積した沈殿物を連通部24を通して生物膜濾過槽10へ戻すために、一定角度で傾斜した構造にされている。
【0041】
生物膜濾過槽10の底部と夾雑物除去槽4の上部とは、垂直部25aと水平部25bとからなるL字状の第1返送管25により連通している。第1返送管25の垂直部25aの内側には第1給気管31aが配されている。この第1給気管31aは、エアリフトポンプ29を構成する槽外のブロア30に、エアリフト用給気管31を介して接続されている。そして、ブロア30から供給された空気を第1給気管31aから吹き出すことにより、生物膜濾過槽10の底部に堆積した汚泥を第1返送管25に吸い込んで、夾雑物除去槽4へ戻すようになっている。
【0042】
一方、処理水槽12における処理水中の上澄み水は、リフト管32の内部に配されかつ給気管31に連通する第2給気管31bから吹き出される空気によって、リフト管32から汲み上げられる。なお、第1給気管31aと第2給気管31bとは切換弁により、いずれか一方に切り換えできるようにされている。
【0043】
処理水槽12の上部から夾雑物除去槽4の上部にかけて、処理水中の上澄み水を常時返送するための循環路26が設けられている。この循環路26には、処理水槽12から水の流れの順に、分水計量装置27、脱リン処理装置D1 、夾雑物除去槽への流入口28が設けられている。そして、リフト管32から汲み上げられた前記上澄み水は、分水計量装置27、脱リン処理装置D1 を経た後に、循環路26を介して夾雑物除去槽4の降流通路6の上部に戻される。
【0044】
分水計量装置27は処理水槽12の上部に設置され、正・背面板部と左右の側面板部と底板部とから矩形箱状の有底構造に一体形成されている。この箱内部は、流入室と、分水室と、両者の間の中間室とに区画されている。
【0045】
流入室には、エアリフトポンプ29のリフト管32から汲み上げられた前記上澄み水を流入させる流入管が設置されている。流入室と中間室とは、下部側を連通可能に開口形成した隔壁で仕切られ、流入室に流入した処理水を潜流させて中間室へ移流させるようにしている。
【0046】
分水室は、第1分水室と第2分水室との2室に区分されている。そして、第1分水室と中間室との隔壁は、下端が底板に固定され上端がV字状に開放されている。第2分水室と中間室との隔壁は、下端が底板に固定され上端が凹字状に開放されている。そして、この凹字状に開放された隔壁には、その開放寸法を調節することのできる溢流堰板が取り付けられている。
【0047】
第1分水室には、処理水を循環路26へ流出させるための流出管が接続され、第2分水室には、処理水を生物膜濾過槽10へ流出させるための流出管が接続されている。したがって、流入室に流入した処理水は、中間室を経て、溢流堰板の高さ調整により、2つの分水室で循環路と生物膜濾過槽とへ分水される。
【0048】
図2に拡大して示すように、脱リン処理装置D1 は、溶出槽39と、この溶出槽39に配された長方形板状の4組の鉄電極40・41と、これらの電極40・41間に電流を印加する直流電源42と、制御部43と、スイッチ44とを備えている。なお、電極40・41は陽極も陰極もともに鉄が用いられている。
【0049】
溶出槽39には、流出管37から流出した処理水が溜められる。4組の鉄電極40・41は、電気分解によりリン酸と反応する鉄イオンを溶出させる。制御部43は、これらの電極40・41間に印加する電流の制御を行うことにより溶出槽39での前記イオンの溶出量を制御する。
【0050】
溶出槽39は、生物膜濾過槽10の上部に設けられており、正・背面板部と左右の側面板部と底板部とから矩形箱状の有底構造に一体形成されている。正・背面板部にはそれぞれ、流入管部と流出管部が設けられている。
【0051】
図2に示すように、溶出槽39には、電極40・41にばっ気を行うためのばっ気管45と、このばっ気管45に給気するための槽外のブロア46とが取り付けられている。
【0052】
この脱リン処理装置D1 にはさらに、特徴あるイオン濃度検出部60と報知部63とが設けられている。
【0053】
このイオン濃度検出部60は、溶出槽39の下流側に連通状に隣接された検出槽61と、この検出槽61に配設された鉄イオン濃度センサ62とからなる。検出槽61は、電気分解されて溶出槽39から流出した処理水を溜める。鉄イオン濃度センサ62は、検出槽61に一定量溜められた処理水に下部が浸されて、その処理水中の鉄イオンの濃度を検出する。
【0054】
鉄イオン濃度センサ62は、鉄酸化細菌の酸化能力を利用して第一鉄イオンを含む溶液中の酸素濃度の変化を検知することにより第一鉄イオン濃度を測定するものが用いられている。
【0055】
報知部は63は視覚的報知部としてのLEDランプからなる。この報知部63は電極40・41の点検時期を報知する。すなわち、鉄イオン濃度センサ62により検出した鉄イオンの濃度が所定値に満たないときには、制御部43が報知部63に前記報知の指示を行う。すなわち、鉄イオンの濃度が所定値に満たないことを鉄イオン濃度センサ62が検出し、その検出結果が制御部43に入力されると、制御部43が報知部63に電極40・41の点検時期を報知するような指示を出力する。
【0056】
図3に基づいてさらに詳しく説明する。溶出槽39の処理水収容容積は500ミリリットルである。この溶出槽39へ流入する処理水の流量を0.5リットル/分とし、リン酸イオン濃度を15mg/リットル(全リン濃度T−Pでは5mg/リットル)として行う。処理水が溶出槽39へ流入すると電極40・41に通電される。通常運転では、Fe/P=1.0〜2.0になるように電極40・41に電流(定電流)を流す。1例では、Fe/P=1.5のときに電流を381mA流す。
【0057】
この制御では、一定時間(1〜24時間、1例では12時間)、通常運転した後に通電を約2分間(溶出槽39の処理水収容容積や鉄イオン濃度の安定時間などから決定された)OFFする。そして、そのOFFの間に、検出槽61に溜められた処理水の鉄イオン濃度C1 を鉄イオン濃度センサ62で測定する。
【0058】
その後、電極40・41への通電を再開する。このときの通電電流は通常運転の2倍とする。そして、約5分後(溶出槽39の処理水収容容積や鉄イオン濃度の安定時間や反応時間などから決定された)に、鉄イオン濃度センサ62で同処理水の鉄イオン濃度C2 を測定する。
【0059】
次に制御部43がC1 及びC2 の値を比較する。そして、C2 −C1 が1.0mg/リットル以上であれば、通常運転を一定時間行うように制御部43が指示をする。一方、C2 −C1 が1.0mg/リットル未満であれば、電極40・41への通電をOFFにするとともに、報知部63にLEDランプの点灯を指示することで、電極40・41の点検時期になった旨を報知する(警告表示ON)。
【0060】
溶出槽39では電極40・41から鉄イオンFe2+が溶解し、ばっ気管45により酸素を処理水中に供給する。Fe2+は、溶存酸素を利用して酸化処理されてFe3+になりながら夾雑物除去槽4へ送られ、オルトリン酸PO4 3-と反応して難溶性のリン酸鉄塩Fe(OH)x (PO4 )となる。そして、このリン酸鉄塩Fe(OH)x (PO4 )は、夾雑物除去槽4に存在するSS分を核にして凝集し、大きなフロックになり、沈殿して槽底部に堆積する。
【0061】
夾雑物除去槽4の槽底部に堆積した、脱リン汚泥分を含む夾雑物は、夾雑物除去槽4の嫌気濾床7のない部分から、バキュームカーにより定期的に(通常、1年当たり1回程度の割合で)汲み出される。
【0062】
実施の形態2
本発明の他の1つの実施の形態に係る脱リン処理装置D2 も、前記の脱リン処理装置D1 と同様に、流量調整機能のある汚水処理装置としての小型合併処理浄化槽に組み込まれて用いられている(図示略)。
【0063】
図4に示すように、この脱リン処理装置D2 における電源42と電極40・41との間には、電気分解時の電極間電圧を検出する電圧検出部としての電圧センサ53が並列に配されている。この脱リン処理装置D2 の他の部分の構成は脱リン処理装置D1 のそれと同様である。
【0064】
鉄イオン濃度センサ62により検出した鉄イオンの濃度が所定値に満たず、かつ、電圧センサ53により検出した電極間電圧が基準値以上であるときには、制御部43が報知部63にLEDランプの点灯を指示する。
【0065】
図5に基づいてさらに詳しく説明する。処理水が溶出槽39へ流入すると電極40・41に通電される。通常の運転では、Fe/P=1.5となるように電流を流す。そして、一定時間(12時間)、通常運転した後に、検出槽61に溜められた処理水の鉄イオン濃度を鉄イオン濃度センサ62で測定する。
【0066】
測定された鉄イオン濃度が1.0mg/リットル以上であれば、電極間電圧を下げて通常運転を一定時間行うように制御部43が指示をする。
【0067】
一方、測定された鉄イオン濃度が1.0mg/リットル未満であれば、電極間電圧を下げることなく通常運転を一定時間行うように制御部43が指示をする。そして、このときの電流値が初期電流値の3分の2より大きいときは、そのまま通常運転を継続する。逆に、このときの電流値が初期電流値の3分の2以下であれば、電極間電圧を上昇させるように制御部43が指示をする。
【0068】
そして、電圧センサ53により検出した電極間電圧が25V(基準値)以上であるときには、制御部43が報知部63にLEDランプの点灯を指示することで、電極40・41の点検時期になった旨を報知する(警告表示ON)。
【0069】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、安定した電極の溶解を行い、また電極の取り換えや保守などのための電極の点検の時期が容易に判るという効果を奏する。
【0070】
請求項2の発明によれば、安定した電極の溶解を行い、また電極の取り換えや保守などのための電極の点検の時期が容易に判るという効果を奏する。
【0071】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明が奏する前記効果を簡単で安価な部材により確保することができる。
【0072】
請求項4の発明によれば、報知部が視覚的報知部及び聴覚的報知部のうちの少なくとも一方からなるので、請求項1または2の発明が奏する前記効果を簡単で安価な部材により確保することができる。
【0073】
請求項5の発明によれば、電極間電圧の基準値が25Vであるので、請求項2の発明が奏する前記効果に加えて、感電のおそれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施の態様に係る脱リン処理装置が組み込まれた小型合併処理浄化槽の垂直縦断面図である。
【図2】図1の脱リン処理装置の一部を拡大した垂直横断面図である。
【図3】図1の脱リン処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の他の1つの実施の態様に係る脱リン処理装置の一部を拡大した垂直横断面図である。
【図5】図4の脱リン処理装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
39 溶出槽
40 電極
41 電極
42 電源
43 制御部
53 電圧センサ(電圧検出部)
60 イオン濃度検出部
61 検出槽
62 鉄イオンセンサ
63 報知部

Claims (5)

  1. 処理水中のリン酸を除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させる少なくとも一対の電極と、これらの電極から電気分解された処理水中の前記イオンの濃度を検出するためのイオン濃度検出部と、電極の点検時期を報知するための報知部とを備え、
    イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たないときに報知部が前記報知を行うことを特徴とする汚水処理装置。
  2. 処理水中のリン酸を除去するための鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させる少なくとも一対の電極と、これらの電極から電気分解された処理水中の前記イオンの濃度を検出するためのイオン濃度検出部と、電極の点検時期を報知するための報知部と、電気分解時の電極間電圧を検出する電圧検出部とを備え、
    電極から溶出する前記イオンの量を一定にするために電極間電圧を前記イオンの量に応じて上昇させるとともに、イオン濃度検出部により検出した前記イオンの濃度が所定値に満たず、かつ、電圧検出部により検出した電極間電圧が基準値以上であるときに、報知部が前記報知を行うことを特徴とする汚水処理装置。
  3. イオン濃度検出部が、電気分解された処理水を溜めるための検出槽と、この検出槽に配設されたイオン濃度センサとからなる請求項1または2記載の汚水処理装置。
  4. 報知部が視覚的報知部及び聴覚的報知部のうちの少なくとも一方からなる請求項1または2記載の汚水処理装置。
  5. 電極間電圧の基準値が25Vである請求項2記載の汚水処理装置。
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