JP2003180742A - 生理用タンポンのアプリケータ - Google Patents

生理用タンポンのアプリケータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理用タンポンの膣腔への挿入操作中に、ア
プリケータに付着した経血で手や衣服が汚れること確実
に防止することができる生理用タンポンのアプリケータ
を提供すること。 【解決手段】 前後両端部に開口部22、24を有し且
つ内部に生理用タンポンの収容部20を有する筒状部材
2と、筒状部材2の開口部24に挿入され、生理用タン
ポンを後方から押して開口部22から押し出す押出部材
3とを備えている。筒状部材2に筒状部材2の外周との
間で経血溜めSを形成する鍔部4を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理用タンポンを
膣腔へ挿入するときに使用されるアプリケータに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アプリ
ケータを用いて膣腔へ生理用タンポンを挿入し、その挿
入後にアプリケータを膣腔から引き出すと、膣腔内に存
する経血がアプリケータの表面に付着する。アプリケー
タは一般にプラスチック製であるか、又はプラスチック
がコート若しくはラミネートされた板紙製であることか
ら撥水性があり、その表面に付着した経血は吸収されな
いままの状態となる。これが原因で、アプリケータの使
用時にアプリケータ表面に付着した経血がアプリケータ
表面を流れ落ち、手や衣服が汚れることが多い。
【0003】生理用タンポンの装着時における手の汚れ
防止を課題とした技術としては、例えば、特開平8−1
17283号公報に記載の技術が知られている。この技
術は、アプリケータの外筒の周面から径方向外側に延出
するストッパーを設け、該ストッパーに径方向の左右上
下を識別可能な手段を備えているものである。しかしな
がら、このアプリケータを使用した場合には、鍔部の幅
が狭くなっていたり、鍔部が斜めに傾斜してるため経血
がストッパーから容易にはみ出てしまい、汚れ防止とし
ては不十分であった。また、鍔部が均等に延出していな
いため、鍔部の向きを確認してアプリケータを膣腔へ挿
入しなければならず、煩わしかった。
【0004】従って、本発明の目的は、生理用タンポン
の膣腔への挿入操作中に、アプリケータに付着した経血
で手や衣服が汚れることを確実に防止することができる
生理用タンポンのアプリケータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前後両端部に
開口部を有し且つ内部に生理用タンポンの収容部を有す
る筒状部材と、該筒状部材の前記後端部の開口部に挿入
され、前記生理用タンポンを後方から押して前記前端部
の開口部から押し出す押出部材とを備えた生理用タンポ
ンのアプリケータにおいて、前記筒状部材に該筒状部材
の外周面との間で経血溜めを形成する鍔部を有している
生理用タンポンのアプリケータを提供することにより前
記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の生理用タンポンのア
プリケータ(以下、単にアプリケータともいう。)を、
その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明
する。なお、以下の説明では、アプリケータ内に生理用
タンポン(以下、単にタンポンともいう。)が収容され
た状態のアプリケータに基づいて説明する。
【0007】図1及び図2は、本発明のアプリケータの
一実施形態を模式的に示したものである。これらの図に
おいて、符号1はアプリケータ、10はタンポンを示し
ている。
【0008】図1及び図2に示すように、アプリケータ
1は、共に円筒状の部材である外筒(筒状部材)2及び
内筒(押出部材)3を備えている。外筒2及び内筒3
は、例えばプラスチック製であるか、又はプラスチック
スがコート若しくはラミネートされた板紙製である。
【0009】外筒2は、前側に大径部2Aを有し、後側
に大径部2Aに連設され大径部2Aより縮径した小径部
2Bを有している。本実施形態では、外筒2の大径部2
Aの内部がタンポン10の収容部20となっている。大
径部2Aの外径は10〜20mmであることが好まし
い。大径部の2Aの長さは、40〜70mmであること
が好ましい。小径部2Bの外径は、後述の経血溜めを形
成するための十分な空間が得られる点から、大径部2A
の外径の50〜80%程度あることが好ましい。小径部
2Bの長さは、10〜30mmであることが好ましい。
特に、小径部2Bの後方部は、アプリケータ使用時の摘
み部となるため、後述する鍔部4の延出基部から小径部
2Bの後端部までの長さは5〜25mmであることが好
ましい。
【0010】アプリケータ1は、外筒2の小径部2Bに
当該小径部2Bの外周面21との間で経血溜めSを形成
する鍔部4を有している。鍔部4は、小径部2Bの外周
に一体的に形成されている。また、鍔部4は、外筒2の
径方向外側に均等に延出し、前方に進むにつれてその径
が拡開するように湾曲して形成されている。鍔部4をこ
のように前方に進むにつれてその径が拡開するように設
けることで、経血の流れ落ちを止めて経血溜めに経血を
溜めることができるようにするとともに、アプリけータ
1使用時に前記小径部2Bが摘み易いようになしてあ
る。鍔部4の先端の小径部(外周面21)からの高さ
は、鍔部4を経血の流れ落ちを止めて経血溜めに経血を
溜めるように機能させる観点から1〜15mmであるこ
とが好ましく、2〜6mmであることがより好ましい。
また、鍔部4の前後方向の長さ(延出基部から先端部ま
での長さ)は、経血の流れ落ちを止めて経血溜めに経血
を溜めるように機能させる観点から5〜20mmである
ことが好ましく、10〜15mmであることがより好ま
しい。
【0011】鍔部4は、その先端部が内側に返された逆
流防止用の返し部40を有しており、前記経血溜めSに
溜まった経血の逆流を防止できるように構成されてい
る。
【0012】鍔部4の内面41には吸液材5が配されて
いる。吸液材5は、経血の吸収・保持が可能な材料から
構成されていれば、その種類、形態に特に制限はない
が、成形性や経血の吸収・保持の観点から、紙や不織布
等の繊維材料から構成されるシートや、ウレタンやスポ
ンジ等の発泡材料から構成されるシート状のものを用い
ることが好ましい。
【0013】吸液性シート5として紙が用いられる場合
には、その吸液性能を阻害しないようにする観点から、
防水処理されていない紙を用いることが好ましい。ま
た、吸液性能を高める観点から、嵩高な紙、例えばティ
ッシュペーパーなどのクレープ加工された紙を用いるこ
とが好ましい。また、経血の吸収によって離解しない程
度の耐水性が必要であり、この観点から湿潤紙力増強剤
などの薬剤が添加された紙を用いることも好ましい。紙
の坪量は、50〜500g/m2、特に250〜300
g/m2であることが、十分な吸液性能や強度の確保の
点から好ましい。
【0014】吸液性シート5として不織布を用いる場合
には、各種製造方法によって製造された不織布、例えば
エアスルー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不
織布等の不織布を用いることができる。該不織布は一般
に疎水性の樹脂から構成される繊維を原料としているこ
とから、吸液性能を高める目的で、親水化処理した不織
布を用いることが好ましい。不織布の坪量は、1〜10
0g/m2、特に20〜50g/m2であることが、十分
な吸液性能や強度の確保の点から好ましい。
【0015】外筒2は、前端部が半球殻状に形成されて
おり、該前端部に設けられた放射状のスリットによって
開口する開口部22を有している。開口部22は、前記
スリットによって形成された湾曲する複数の可撓性の片
部23を有している。また、外筒2は、後端部にも開口
部24を有しており、その周縁にはフランジ25が形成
されている。
【0016】外筒2の内部にはタンポン10が収容され
ている。タンポン10は、その後端から延出する引き出
し用のひも11を有しており、ひも11は、内筒3内を
通ってアプリケータ1の外部に延出している。
【0017】前記内筒3は、タンポン10を後方から押
して前記外筒3の前端側の開口部22から押し出す部材
である。内筒3は、細長い円筒状の部材であり、その前
後両端に開口部30、31を有している。内筒3の外径
は、前記外筒2における小径部2Bの内径と略一致して
いるか又は若干小くなっている。内筒3は、外筒2の後
端側の開口部24に摺動可能に挿入される。内筒3の開
口部30には、その周縁にフランジ32が形成されてお
り、内筒3が外筒2から引き出された状態にあるとき
に、フランジ32は、外筒2における大径部2Aと小径
部2Bとの連設部に係止されるように構成されている。
これによって、外筒2からの内筒3の抜けを防止できる
ように構成されている。
【0018】外筒2の収容部20に収容されるタンポン
10は、従来公知のものである。例えば、タンポン10
は、レーヨン繊維、コットン繊維又はこれらの混合物な
どの吸液性材料から構成されている。そしてタンポン1
0は、これら吸液性材料からなるシート材を複数枚重ね
ロール状に巻き上げた後に円柱状に圧縮成形して得られ
たものである。
【0019】上記構成のアプリケータ1においては、タ
ンポン10の膣腔内への挿入するときには、タンポン1
0が内筒3の先端によって後方から押され、押されたタ
ンポン10が外筒2先端の片部22を押し開いて当該外
筒2の外部へ露出する。
【0020】タンポンの膣腔への挿入操作中に、アプリ
ケータ1に付着した経血は、鍔部4と小径部2Bの外周
面21とで形成される経血溜めSにおいて吸収・保持さ
れる。
【0021】以上説明したように、本実施形態のアプリ
ケータ1によれば、タンポン10を膣腔内へ挿入すると
きに手が汚れること確実に防止することができ、タンポ
ン10の挿入操作及びアプリケータ1の挿入・取り出し
操作を衛生的に行うことができる。また、鍔部4が外筒
2の径方向外側に均等に延出しているため、タンポン1
0の膣腔内への挿入するときに鍔部4の向きを考慮せず
にすむため、挿入操作をスムーズに行うことができる。
【0022】本発明は前記実施形態に制限されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更する
ことができる。
【0023】例えば、図3に示す実施形態のアプリケー
タ1’のように、大径部2Aを構成する部材と、小径部
2Bを構成する部材とを接合して外筒2を設け、小径部
2Bの先端部に鍔部4を一体成形したものとすることも
できる。この実施形態の場合には、鍔部4の先端の大径
部2A(外周面26)からの高さは、鍔部4を経血の流
れ落ちを止めて経血溜めに経血を溜めるように機能させ
る観点から1〜15mmであることが好ましく、2〜6
mmであることがより好ましい。
【0024】また、鍔部の形態は、前記実施形態のアプ
リケータ1、1’の形態に制限されるものではなく、前
記筒状部材に該筒状部材の外周面との間で経血溜めを形
成する形態であれば、例えば、筒状部材の径方向外側に
フランジ状に延出し且つその周縁部から前方に延出する
周壁部を有する形態とすることもできる。
【0025】また、本発明のアプリケータは、前記実施
形態におけるように、外筒2に大径部と小径部を設け、
該小径部の外周に当該小径部の外周との間に経血溜めを
形成する鍔部を形成することが好ましいが、全長が同じ
太さの筒状部材で外筒を構成し、その外周面との間に経
血溜めを形成する鍔部を形成することもできる。
【0026】また、鍔部は、前記実施形態におけるよう
に、外筒に一体的に形成することが好ましいが、外筒と
は別部材の鍔部を外筒に接合して形成することもでき
る。
【0027】また、鍔部は、前記実施形態におけるよう
に、先端部に返し部を有していることが好ましいが、返
し部は省略することもできる。
【0028】また、アプリケータの外筒の外周面を不織
布や紙等の吸液性シートで被覆することにより、更に手
や衣服の汚れを防ぐようにすることもできる。
【0029】また、外筒2における大径部2Aの外周面
全域に亘って被覆することが好ましいが、外周面全体を
被覆してなくてもよい。この場合、例えば、細長い短冊
状の吸液性シートを複数枚用い、斯かる形状の吸液性シ
ートを、その長手方向が外筒2における大径部2Aの長
手方向と一致するように、大径部2Aの周方向に所定間
隔をおいて接合固定することが好ましい。
【0030】また、外筒2全体をパルプモールド法によ
って一体的に製造し、外筒2のうち、大径部2Aの外周
面以外の部位を防水処理することで、防水処理されてい
ない該外周面にのみ吸液性を付与することもできる。
【0031】また、前記実施形態においては、外筒は、
その前端から後端に亘りその径が同じ形状のものであっ
たが、これに代えて、外筒として、最大径部を有し、前
端から後端に向かって径が漸次増大して前記最大径部に
達し、更に後端に向かって漸次減少していく形状のもの
を用いてもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明のアプリケータによれば、生理用
タンポンの膣腔への挿入操作中に、アプリケータに付着
した経血で手や衣服が汚れること確実に防止することが
でき、タンポンの挿入操作及びアプリケータの挿入・取
り出し操作を衛生的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生理用タンポンのアプリケータの一実
施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明の生理用タンポンのアプリケータの他の
実施形態を模式的に示す断面図(図2相当図)である。
【符号の説明】
1、1’ 生理用タンポンのアプリケータ 2 外筒(筒状部材) 20 収容部 21 外周面 22、24 開口部 3 内筒(押出部材) 4 鍔部 40 返し部 41 内面 5 吸液材 10 生理用タンポン 11 ひも S 経血溜め

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後両端部に開口部を有し且つ内部に生
    理用タンポンの収容部を有する筒状部材と、該筒状部材
    の前記後端部の開口部に挿入され、前記生理用タンポン
    を後方から押して前記前端部の開口部から押し出す押出
    部材とを備えた生理用タンポンのアプリケータにおい
    て、 前記筒状部材に該筒状部材の外周面との間で経血溜めを
    形成する鍔部を有している生理用タンポンのアプリケー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記鍔部は、前記筒状部材の径方向外側
    に均等に延出している請求項1記載の生理用タンポンの
    アプリケータ。
  3. 【請求項3】 前記鍔部は、前方に進むにつれて拡開す
    るように形成されている請求項1又は2記載の生理用タ
    ンポンのアプリケータ。
  4. 【請求項4】 前記鍔部の内面に吸液材が配されている
    請求項1〜3の何れかに記載の生理用タンポンのアプリ
    ケータ。
  5. 【請求項5】 前記鍔部は、先端部が内側に返された逆
    流防止用の返し部を有している請求項1〜4の何れかに
    記載の生理用タンポンのアプリケータ。
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