JP2003180313A - 強制加熱殺菌方法及び強制加熱殺菌装置 - Google Patents

強制加熱殺菌方法及び強制加熱殺菌装置

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JP2003180313A JP2001390202A JP2001390202A JP2003180313A JP 2003180313 A JP2003180313 A JP 2003180313A JP 2001390202 A JP2001390202 A JP 2001390202A JP 2001390202 A JP2001390202 A JP 2001390202A JP 2003180313 A JP2003180313 A JP 2003180313A
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品の種類に適した温度で短時間の加熱殺菌
処理を行い、処理に要するエネルギー消費量と人件費を
減らし、低塩分濃度で保存料を添加せずに食品の保存性
を向上させ、処理に使う装置を小さく低廉にできる強制
加熱殺菌方法及び強制加熱殺菌装置を提供すること。 【解決手段】 食品を入れる殺菌槽10と、殺菌槽10
に供給する液体の加熱装置22と、加熱された液体を殺
菌槽10内の食品に噴出する噴出装置30とからなる強
制加熱殺菌装置1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の殺菌方法及
び殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の市販されている容器詰めされた食
品は保存を容易にし食中毒等を防止するために殺菌処理
されている。この殺菌処理においては、食品を容器詰め
して密閉した後に容器を高温の熱水中に維持して加熱す
ることや、防腐剤などの保存料を食品に添加することが
行われている。また、食品中の塩分濃度を大きくするこ
とで雑菌の繁殖や腐敗を防止しつつ保存することも行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、容器詰
めされた食品を容器ごと高温の熱水中に維持して加熱殺
菌処理する場合、容器中の食品がその中心まで所定の殺
菌処理温度に達するには数十分以上の長い時間が必要で
あるという不具合があった。すなわち、熱水中で最初に
容器が加熱され、その後に熱水からの熱が容器を介して
容器内の食品に伝わるが、容器内に食品とともに液体が
入っている場合でもこの容器内の液体には対流循環が殆
ど生じず、容器内の食品全体になかなか熱が伝わらなか
った。また、容器を熱水中で加熱する場合、加熱初期の
容器の温度が低い段階では容器に熱を伝達して低温とな
った水層が容器の周囲に生じて熱水から効率的に熱が容
器へ伝わらなかった。
【0004】また、熱水中で長時間にわたって加熱殺菌
処理するので、温度と時間の管理が困難であるという問
題があった。これに伴って、長時間加熱によるエネルギ
ー消費量が大きく、作業時間も長いため人件費も大きく
なるといった問題も生じていた。更に、食品の種類によ
っては長時間高温で加熱殺菌処理すると品質の変化や劣
化が生じるという問題があった。これに対処するために
食品中の塩分濃度を高くしたり保存料を添加しても、健
康志向が高まっている昨今では塩分摂取量を気にかける
消費者にかかる食品は受け入れられず、また、保存料の
人体に対する悪影響を気遣う消費者からかかる食品は敬
遠されるという問題があった。
【0005】また、1回当たりの処理に要する加熱時間
が長いため大量の食品を加熱殺菌処理するには1回当た
りに処理する食品の量を多くせざるを得ず、加熱殺菌装
置が大型化して装置の設置場所が広くなってしまうとと
もに、装置の価格も高くなってしまうという問題もあっ
た。特に、トレー容器に食品を見栄え良く並べてこれを
密閉してから加熱殺菌処理する場合は、トレー容器中に
空間部分がかなり存在しており中の食品を所定の殺菌処
理温度にするまでに相当な時間がかかり、大量処理のた
めには多くのトレー容器を並べる必要があり装置を大型
で高価なものとせざるを得なかった。
【0006】本発明は、上記した従来の技術の問題点を
除くためになされたものであり、その目的とするところ
は、短時間の加熱で食品を目的温度にして加熱殺菌処理
を行うことにあり、また、加熱殺菌処理に要するエネル
ギー消費量を少なくすることにあり、また、必要な人員
を減らして人件費を押えることにあり、また、食品の種
類に応じた温度で加熱殺菌処理を行うことにあり、ま
た、塩分濃度高めたり保存料を添加することなく雑菌の
発生や繁殖を防止して食品の保存性を向上することにあ
り、また、加熱殺菌処理に使う装置を小さくし、装置の
価格も低廉とすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、その課題を解
決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明
は、食品及び加熱した液体を殺菌槽の中で攪拌すること
により食品を所定温度まで加熱した後、当該食品を容器
に密封する強制加熱殺菌方法であることを特徴とする。
食品と加熱した液体を殺菌槽に入れると、食品の温度は
液体の温度よりも低いために食品の周囲の液体の温度は
低下する。しかし、液体を攪拌することと部分的に低温
度となった液体は他の高い温度の液体部分と混ざり合
い、食品の周囲に低温度の液体層が形成されることが防
止される。したがって、食品の表面は常に高い温度の液
体と直接接触しており、液体から食品へ熱が効率良く伝
達され、食品を短時間で加熱殺菌処理の所定温度にでき
る。所定温度まで加熱され雑菌が死滅した食品を容器中
に密閉して安全に保存できる。
【0008】請求項2の発明は、前記液体を加熱装置と
殺菌槽との間で循環させるとともに、当該液体を殺菌槽
に供給するに際して少なくとも液体の一部を食品に向け
て噴出することにより前記攪拌を行う請求項1に記載の
強制加熱殺菌方法であることを特徴とする。加熱装置と
殺菌槽との間で液体を循環させると、液体を繰り返して
食品の加熱に使用できるので必要な液体の量を少なくで
きるとともに、食品に熱を伝達した後にまだ大きな熱量
が残存する液体を加熱するので液体の加熱に必要な熱量
を小さくでき、液体に残存する熱を廃棄することなく再
び食品の加熱に使用できる。また、加熱した液体を食品
に噴出すると、食品表面に接触して温度が下がった液体
はその後から噴出される高い温度の液体によって食品表
面から押し流されてしまい、食品表面には常に高い温度
の液体が直接接触していることとなり、液体から食品へ
熱が効率良く伝達される。
【0009】請求項3の発明は、前記食品を漬物とし、
前記液体を調味液とした請求項1又は請求項2に記載の
強制加熱殺菌方法であることを特徴とする。この方法に
よって、漬物を加熱した調味液によって短時間で所定温
度まで加熱して殺菌でき、殺菌処理した食品を容器中に
密閉して安全に保存できる。請求項4の発明は、食品を
入れる殺菌槽と、当該殺菌槽に供給する液体を加熱する
加熱装置と、当該加熱装置により加熱された液体の少な
くとも一部を前記殺菌槽内の食品に噴出する噴出装置と
からなる強制加熱殺菌装置であることを特徴とする。
【0010】液体を加熱装置で加熱することで食品と接
触する液体を常に所定温度に維持することができ、この
所定温度に維持された液体を噴出装置から殺菌槽の中の
食品へ向けて噴出することで、殺菌槽中で食品と液体は
攪拌されて食品は常に所定温度の液体と接触しているこ
ととなる。したがって、本装置によって請求項1に記載
の強制加熱殺菌方法を使用できる。請求項5の発明は、
前記殺菌槽と前記加熱装置と前記噴出装置とを、これら
の順に前記液体が循環する循環路により連結した請求項
4に記載の強制加熱殺菌装置であることを特徴とする。
【0011】液体を循環路を介して殺菌槽と加熱装置と
噴出装置の間を循環させることができるとともに、液体
は殺菌槽で食品に熱を伝達して一旦温度が下がるが、こ
の温度が下がった液体を加熱装置に送り加熱し、噴出装
置から再び殺菌槽中の食品に噴出して食品を加熱でき
る。したがって、本装置によって請求項2に記載の強制
加熱殺菌方法を使用できる。請求項6の発明は、前記殺
菌槽に食品を整列状態に保持する網を着脱自在に設けた
請求項4又は請求項5に記載の強制加熱殺菌装置である
ことを特徴とする。
【0012】最初に食品を整列させてから加熱殺菌処理
する場合に整列した食品は噴出された液体から圧力を受
けて動こうとするが、網で食品を押えることで食品が動
いて整列が乱れることを防止できる。したがって、容器
に食品を整列させてから加熱殺菌処理をして直ちに容器
を密封しても、所定の整列状態にある容器詰めされた食
品が得られる。また、網は着脱が自在であるので、殺菌
槽の中に整列させた食品を容器ごと容易に出し入れでき
る。
【0013】請求項7の発明は、前記噴出装置の噴出位
置及び噴出方向を可変に構成した請求項4ないし請求項
6のいずれか一項に記載の強制加熱殺菌装置であること
を特徴とする。加熱殺菌処理の前後で殺菌槽に食品を出
し入れしなければならないが、噴出装置の噴出位置が食
品の出し入れ作業の妨げとなる場合であってもその位置
を変えて妨げとならないようにできる。また、噴出装置
の噴出方向を変えることができるので、殺菌槽の中の食
品の状態に応じて液体を効率良く噴出することができ
る。
【0014】請求項8の発明は、前記食品を漬物とし、
前記液体を調味液とした請求項4ないし請求項7のいず
れか一項に記載の強制加熱殺菌装置であることを特徴と
する。本装置によって請求項3に記載の強制加熱殺菌方
法を使用でき、漬物を加熱した調味液によって短時間で
目的温度まで加熱して殺菌でき、殺菌処理した食品を容
器中に密閉して安全に保存できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。まず、図1ないし図6を参照して本発明
の構成を説明する。強制加熱殺菌装置1の槽5が図示し
ない基台上に設置されている。図1ないし図3に示すよ
うに、槽5は二重壁構造を有する上方が開放したステン
レス製の容器であり、二重壁の間には保温材11が充填
されている。
【0016】槽5の内側底面からやや上方に平板状の隔
壁16が溶着されており、この隔壁16より上側が殺菌
槽10、下側が加熱室20を構成する。隔壁16には後
述の調味液が殺菌槽10から加熱室20へ流れる図示し
ない通水孔が形成されている。また、ステンレス製の受
け容器12が隔壁16上にある台座に支えられて殺菌槽
10内に設置されている。受け容器12は上面が開放し
ている網籠である。受け容器12内にはステンレス製の
網14が着脱自在に配置されており、必要に応じて網1
4が受け容器12内に入れられた食品を上から押える。
【0017】更に、加熱室20は電熱線を熱源とする発
熱体22を有し、後述する噴出装置30と管32aによ
ってつながっている。発熱体22は前記通水孔とこの配
管への出口との間に位置する。発熱体22は調味液をお
よそ摂氏50度ないし摂氏90度まで加熱昇温できる出
力を有する。そして、加熱室20の配管出口近傍に温度
センサ24が設けられている。温度センサ24は図示し
ない制御装置を介して発熱体22とつながっており、前
記配管出口から流出する調味液を一定の温度に維持す
る。
【0018】また、槽5の左右側面(正面から見て左
右)の上縁沿いにそれぞれ回転軸52が回転自在に軸支
されている。各回転軸52はその長さが槽5の側面の幅
とほぼ同じであり、軸方向中央を境としてそれぞれ逆方
向の螺子山が形成されている。図4に示すように各螺子
山部分は直方体のガイド54の下部を螺合し貫通して支
承しており、後述する噴出部44の左右の端部がそれぞ
れ回転軸52上でガイド54の上部を貫通して支承され
ている。ガイド54の上方からハンドルを上端に有する
ボルト64が螺合して貫通しており、噴出部44の端部
はボルト64の先端と当たって固定されている。
【0019】また、各回転軸52は一方の端部に取りつ
けられたプーリ66aとベルト68aによってつながっ
ている。更に、一方の回転軸52はプーリ66aと重ね
て取りつけられたプーリ66bとベルト68bによって
槽5の外部に設けられた左右両方向に回転可能なモータ
70とつながっている。すなわち、モータ70が回転す
ると各回転軸52が同時に同方向に回転する構造となっ
ている。各回転軸52と螺合するそれぞれ2つのガイド
54は回転軸52の回転に伴って相互に接近し、又は離
れる方向へ移動する。
【0020】また、槽5の外部にある噴出装置30は前
記管32aに連結されたポンプ34、ポンプ34の吐出
側に連結された管32b、この管32bの先端に連続す
る可撓管40及びこれに更に連続する噴出部44とから
構成されており、ポンプ34は加熱室20から吸引した
調味液を可撓管40を経て噴出部44へ加圧して吐出し
循環させる。ポンプ34の吐出口から伸びる管32bの
先端は二方向に分かれてゴム又は合成樹脂製の2本の可
撓管40にそれぞれ連なっている。可撓管40の先端は
それぞれ回転自在に自在継手42を介して前記噴出部4
4の後端に連なっている。噴出部44はその先端が閉塞
したステンレス製の管であり、長さは槽5の左右方向の
幅よりやや長い。図5に示すように、両端を除く噴出部
44は円形断面の管を上下方向から少しつぶして、下側
部分に曲率半径が大きくてなだらかに外側に湾曲する下
面が形成されている。そして、図6に示すように、前記
下面には噴出部44の内から外へ貫通する多数のノズル
47が開口して形成されている。
【0021】本発明は上記のように構成されており、次
にその作用について説明する。まず、モータ70を駆動
して各回転軸52を一方向に回転させ、各ガイド54と
ともに各噴出部44を回転軸52の端部まで移動させ
て、殺菌槽10の上方を開放する。このとき、図3にお
いて実線及び一点鎖線で示すように可撓管40は噴出部
44の移動に伴って適宜その形状が変形する。次に、加
熱殺菌処理する図示しない漬物を同じく図示しないトレ
ー容器の上に整列させ、トレー容器ごと漬物を受け容器
12内に並べる。殺菌槽10内の受け容器12の上方は
開放しているので、噴出部44がこの並べる作業の妨げ
とはならない。受け容器12内では漬物が殺菌槽10の
開放した上面に向けてトレー容器上で露出している。
【0022】次に、殺菌処理温度よりやや高い温度まで
他の装置を用いて別途予熱した調味液を槽5に注ぎ込
み、加熱室20及び殺菌槽10を調味液で満たし、発熱
体22の電源を投入する。調味液の液位は後述の加熱殺
菌処理の実行中に受け容器12内の漬物の表面がほぼ隠
れる程度とすることが望ましい。そして、受け容器12
内の漬物の上に網14をのせて覆い、漬物の位置と姿勢
を安定させる。なお、殺菌処理温度はおよそ摂氏50度
から摂氏90度の範囲内であり、加熱殺菌処理対象の種
類や大きさに応じて適切な温度を選定する。漬物の場
合、殺菌処理温度をおよそ摂氏55度とし、前記制御装
置によって調味液を摂氏50度から60度の間に維持す
ることが望ましい。
【0023】そして、モータ70を先程とは逆方向に回
転させて各噴出部44を移動する。図2において一点鎖
線で示すように、噴出部44が回転軸52の端部から4
分の1ほど中央寄りの位置まで移動させることが望まし
いが、受け容器12内の漬物の状態によって適宜その位
置を変更する。また、ボルト64をゆるめて噴出部44
の端部の固定を解放し、噴出部44を軸周りに回転させ
てノズル47を受け容器12内の漬物の方向に向け、再
びボルト64により各噴出部44の端部を固定する。但
し、受け容器12内の漬物の状態によって適宜ノズル4
7の向きを変更する。
【0024】以上で、加熱殺菌処理の準備が終了し、加
熱殺菌処理に移る。まず、ポンプ34を稼動させて調味
液の循環を開始する。調味液は加熱室20からポンプ3
4によって吸引、加圧されて可撓管40を経て噴出部4
4のノズル47から受け容器12内の漬物に向かって噴
出される。一方の噴出部44を通る調味液は受け容器1
2内のおよそ正面側半分にある漬物に噴出され、他方の
噴出部44を通る調味液は受け容器12内のおよそ背面
側半分にある漬物に噴出される。ノズル47が形成され
ている下面はなだらかな湾曲面となっているためにノズ
ル47の向きは広角に広がっており、調味液は噴出部4
4の両側に広がって噴出する。ノズル47から噴出され
る調味液はポンプ34で加圧されているので漬物に勢い
良く当たるが、漬物は網14で押えられているので調味
液の圧力がトレー容器上の漬物の整列状態を乱すことは
ない。噴出されて漬物表面と接触した調味液は熱を漬物
に伝達して漬物の温度を上昇させ、自身は熱を失って温
度が低下する。同時にトレー容器も調味液から熱を得て
温度が上昇する。温度が低下した調味液は後から連続し
て噴出される高温の調味液によって殺菌槽10の底へ押
し流され漬物の周囲に留まらない。したがって、漬物は
常に高温の調味液と接触し熱を伝達される。殺菌槽10
の底に流れた調味液は、加熱室20内の調味液がポンプ
34で吸引されるのに伴って加熱室20へ前記通水孔か
ら流れ込む。
【0025】加熱室20内に流入した調味液は温度が少
し低下しているが発熱体22によって昇温される。発熱
体22は加熱室20の配管出口と通水孔の間に位置する
ので、加熱室20に流入した調味液は発熱体22の近傍
を通過して加熱されてからポンプ34へ流出する。温度
センサ24がこの流出する調味液の温度を計測してお
り、温度センサ24の測定結果は前記制御装置へ送られ
て発熱体22の出力が調整され、加熱室20から流出す
る調味液の温度は常に摂氏50度から60度の間に維持
される。このように調味液を加熱して強制加熱殺菌装置
1内を循環させて漬物を所定温度まで昇温させて漬物の
加熱殺菌処理がなされる。
【0026】漬物全体が殺菌処理温度に達したならば、
ポンプ34を止め、噴出部44を回転軸52の端部の上
まで移動させて受け容器12の上方を開放し、網14を
漬物の上から除去し、受け容器12からトレー容器ごと
漬物を取り出し、トレー容器を蓋で密封する。なお、受
け容器12からトレー容器と漬物を取り出してトレー容
器を蓋で密封するまでの間に、大気中の浮遊菌が漬物や
トレー容器を汚染するおそれがある場合には、密封後に
漬物をトレー容器ごと熱水中に維持し、およそ摂氏55
度の殺菌処理温度まで加熱して二次的殺菌処理を行う。
トレー容器内の漬物は殺菌槽10内での加熱殺菌処理さ
れた直後なのでほぼ殺菌処理温度に近い温度となってお
り、熱水中での加熱を短時間行えばトレー容器と漬物は
再び殺菌処理温度に達して二次的殺菌処理は完了する。
一般に容器詰めされた漬物についてはおよそ5分間熱水
中で二次的殺菌処理すれば足りる。
【0027】次に、発明者が本発明に係る強制加熱殺菌
方法を用いて漬物(浅漬け)の加熱殺菌処理をした試験
結果を示す。試験では漬物の中心部分が殺菌処理温度に
達するまでの時間及び加熱殺菌処理した漬物が保存に耐
えられる期間を調べた。加熱殺菌処理する漬物には野沢
菜漬けにした一口大の野沢菜、白菜漬けにした一口大の
白菜及びぬか漬けにして一口大の拍子切りにした胡瓜を
用い、調味液は主に水、酒、味醂、水飴、塩、及び砂糖
より調製し、野沢菜と白菜に使用する調味液については
白だし醤油を加えた。加熱前の漬物は室温(摂氏15
度)とし、殺菌処理温度は摂氏55度とし、調味液の予
熱温度は摂氏60度とし、処理中の調味液の温度は摂氏
55度に維持した。
【0028】試験の結果、漬物の中心部分の温度が摂氏
55度に達するまでの所要時間は、野沢菜において30
秒ないし40秒、白菜において1分10秒、胡瓜におい
て1分ないし1分10秒であった。中心部分の温度が摂
氏55度に達した後に漬物を容器に詰めて密封し、更
に、摂氏55度で5分間の二次的殺菌処理を行い室温で
放置した。放置期間を1月間から12月間まで1月単位
で分けて処理した漬物をそれぞれ試食したところ、12
月間放置した後であっても漬物にかびの発生や変質はな
く味覚において劣ることなく食用に供することができる
ことを確認した。なお、本実施の形態においては漬物を
加熱殺菌処理することとしたが、他の食品について加熱
殺菌処理できることは勿論である。たとえば、生野菜、
加工された野菜、生果実、加工された果実、惣菜、水産
品などを処理することができる。
【0029】また、加熱殺菌処理する食品をトレー容器
に整列させた漬物としたが、漬物だけを受け容器12内
に入れて加熱殺菌処理した後に漬物を容器詰めすること
が可能であることも勿論である。但し、漬物をトレー容
器上に整列させずに漬物だけを受け容器12内に入れる
場合には漬物を網14で押える必要はない。更に、受け
容器12が網籠であるとしたが、多孔を有する板で受け
容器12を形成することも可能である。
【0030】また、発熱体22は電熱線を熱源とした
が、スチームや熱水を熱源とすることも可能である。ま
た、調味液の液位は加熱殺菌処理の実行中に受け容器1
2内の漬物の表面がほぼ隠れる程度とすることが望まし
いとしたが、受け容器12内の漬物の表面が調味液の液
面より上に表れていてもよい。また、漬物の場合、殺菌
処理温度をおよそ摂氏55度とし、調味液を摂氏50度
から60度の間に維持することが望ましいとしたが、漬
物や容器の大きさと種類によってこれらの温度を適宜選
定することができることは勿論である。特に、摂氏65
度よりも高い温度で加熱すると変質などを生じ易い食品
については、摂氏50度から65度の間の温度域で温度
を適宜選定することができる。
【0031】また、二次的殺菌のための加熱処理の時間
はおよそ5分間で足りるとしたが、この時間は漬物や容
器の大きさと種類によって一定ではなく、5分間に限定
されるものではない。
【0032】
【発明の効果】本発明は、上記のような強制加熱殺菌方
法及び強制加熱殺菌装置であるので、以下のような効果
がある。請求項1ないし請求項8の発明においては、食
品及び加熱した液体を殺菌槽の中で攪拌して食品を所定
温度まで加熱するので、短時間の加熱で食品を目的温度
にして加熱殺菌処理を行うことができる。また、短時間
で加熱殺菌処理できるので、エネルギー消費量を少なく
し、作業人員を減らして人件費を押えることができる。
更に、1回当たりに加熱殺菌処理する食品の量が多くな
くても一定時間に多数回の加熱殺菌処理を行って多量の
食品について加熱殺菌処理できるので、加熱殺菌処理に
使う装置を小さくし、装置の価格も低廉とすることがで
きる。また、食品の種類に応じた温度で加熱殺菌処理を
行うことができ、塩分濃度高めたり保存料を添加するこ
となく雑菌の発生や繁殖を防止して食品の保存性を向上
することができる。
【0033】請求項2、請求項3、請求項5ないし請求
項8の発明においては、液体を循環させて食品を加熱
し、食品を加熱した後の液体に残存する熱を廃棄しない
ので、エネルギー消費量をより少なくし、必要な人員を
より減らして人件費を押えることができる。すなわち、
本発明は短時間の加熱で食品を目的温度にして加熱殺菌
処理を行うことができ、また、加熱殺菌処理に要するエ
ネルギー消費量を少なくすることができ、また、必要な
人員を減らして人件費を押えることができ、また、食品
の種類に応じた温度で加熱殺菌処理を行うことができ、
また、塩分濃度高めたり保存料を添加することなく雑菌
の発生や繁殖を防止して食品の保存性を向上することが
でき、また、加熱殺菌処理に使う装置を小さくし、装置
の価格も低廉とすることができる強制加熱殺菌方法及び
強制加熱殺菌装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る強制加熱殺菌装置の
正面図である。
【図2】強制加熱殺菌装置の上面図である。
【図3】強制加熱殺菌装置の右側面図である。
【図4】図2のA−A線縦断面部分図である。
【図5】噴出部の縦断面図である。
【図6】噴出部の下面図である。
【符号の説明】
1 強制加熱殺菌装置 5 槽 10 殺菌槽 11 保温材 12 受け容器 14 網 16 隔壁 20 加熱室 22 発熱体 24 温度センサ 30 噴出装置 32 管 34 ポンプ 40 可撓管 42 自在継手 44 噴出部 47 ノズル 52 回転軸 62 ガイド 64 ボルト 66 プーリ 68 ベルト 70 モータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品及び加熱した液体を殺菌槽の中で攪
    拌することにより食品を所定温度まで加熱した後、当該
    食品を容器に密封することを特徴とする強制加熱殺菌方
    法。
  2. 【請求項2】 前記液体を加熱装置と殺菌槽との間で循
    環させるとともに、当該液体を殺菌槽に供給するに際し
    て少なくとも液体の一部を食品に向けて噴出することに
    より前記攪拌を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    強制加熱殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記食品を漬物とし、前記液体を調味液
    としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    強制加熱殺菌方法。
  4. 【請求項4】 食品を入れる殺菌槽と、当該殺菌槽に供
    給する液体を加熱する加熱装置と、当該加熱装置により
    加熱された液体の少なくとも一部を前記殺菌槽内の食品
    に噴出する噴出装置とからなることを特徴とする強制加
    熱殺菌装置。
  5. 【請求項5】 前記殺菌槽と前記加熱装置と前記噴出装
    置とを、これらの順に前記液体が循環する循環路により
    連結したことを特徴とする請求項4に記載の強制加熱殺
    菌装置。
  6. 【請求項6】 前記殺菌槽に食品を整列状態に保持する
    網を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項4又は請
    求項5に記載の強制加熱殺菌装置。
  7. 【請求項7】 前記噴出装置の噴出位置及び噴出方向を
    可変に構成したことを特徴とする請求項4ないし請求項
    6のいずれか一項に記載の強制加熱殺菌装置。
  8. 【請求項8】 前記食品を漬物とし、前記液体を調味液
    としたことを特徴とする請求項4ないし請求項7のいず
    れか一項に記載の強制加熱殺菌装置。
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