JP2003180192A - 鶏卵の選別充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある鶏卵サイズに割り当てられた集合場所及
び充填装置を他の鶏卵サイズの割り当てに変更する割り
当て変更が簡単にでき、しかも各集合場所及び各充填装
置におけるパック生産計画に柔軟に対応できる鶏卵の選
別充填装置を提供する。 【解決手段】 鶏卵を重量区分別に分配する分配コンベ
ヤと、分配コンベヤから分配された鶏卵を受け取り所定
の容器に充填する充填装置とを備えた鶏卵の選別充填装
置において、少なくとも１つの重量区分には集合場所が
複数設けられており、分配コンベヤの単位時間当たりの
処理能力は少なくとも１つの充填装置の単位時間当たり
の処理能力を上回り、分配コンベヤは、集合場所が複数
設けられている同一鶏卵サイズの鶏卵を複数の集合場所
のいずれの集合場所に分配すべきかを予め定められた各
集合場所の優先順位に従って行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鶏卵の選別充填装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、鶏卵の選別充填装置は、搬送コ
ンベヤ、計量器、移し替え器、分配コンベヤ、集合場所
及び充填装置を備えている。鶏卵は、搬送コンベヤによ
り複数列で整然と搬送され、搬送コンベヤの排出端で計
量器による重量測定の後、分配コンベヤに移し替えられ
る。移し替えられた鶏卵は測定された重量値に基づく重
量区分（通常は、２Ｌ、Ｌ、Ｍ、ＭＳの４サイズと規格
外の大サイズと小サイズの合計６種類）毎に、所定の集
合場所に分配放出され、充填装置により所定の容器に充
填される。

【０００３】いま、分配コンベヤの搬送分配能力が毎時
６万卵、各集合場所の充填装置の充填処理能力が毎時３
万卵とする。前記６種類のサイズはＬ、Ｍサイズを中心
に正規分布を形成しているが、特定サイズの瞬間最大分
配密度が充填装置の充填処理能力の上限である毎時３万
卵の速度を越えなければ、分配コンベヤは全ての被選別
鶏卵を滞りなく各集合場所に分配放出することができ
る。しかし、現実には、分配コンベヤによって搬送され
る鶏卵が複数個連続して同一サイズであることはしばし
ば見受けられる。同一サイズの鶏卵が連続して集中的に
分配される場合の対処法としては、多く出現すると予測
される同一サイズの鶏卵の集合場所及び充填装置を複数
用意しておく方法が一般的である。例えば、Ｌサイズの
鶏卵が多く出現すると予測されるときには，Ｌサイズの
集合場所及び充填装置を複数用意しておくことにより、
Ｌサイズの鶏卵の連続的な分配放出に対処することがで
きる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の対処の仕方には次のような問題点がある。

【０００５】例えば，分配コンベヤから分配放出される
Ｌサイズの鶏卵の集合場所及び充填装置を２ヶ所用意し
た場合、Ｌサイズの鶏卵はこの２ヶ所の集合場所で均等
な割合で分配放出される。そのため、その後、Ｌサイズ
の鶏卵の発生頻度が減少し、Ｍサイズの鶏卵の発生頻度
が著しく増加した場合にも装置全体を停止させずに選別
包装を継続して行うためには、２ヶ所あるＬサイズの鶏
卵の集合場所及び充填装置のうち、１ヶ所をＭサイズの
鶏卵の集合場所及び充填装置に変更するのが望ましい。
しかし、従来のように、Ｌサイズの鶏卵を２ヶ所の集合
場所に均等な割合で分配放出していたのでは、そのうち
の１ヶ所をＭサイズの鶏卵の集合場所及び充填装置に変
更することは事実上困難である。

【０００６】また、一般に鶏卵を収容する包装容器やラ
ベルは出荷先によって形状や表示が異なる。いま、Ｌサ
イズの鶏卵の集合場所及び充填装置が複数、例えば２ヶ
所用意されており、一方の集合場所及び充填装置ではＡ
社の１０個詰パック（パック容器に鶏卵を１０個収納し
たもの）を５００個、他方の集合場所及び充填装置では
Ｂ社の１０個詰パックを１０００個それぞれ生産しなけ
ればならないものとする。Ａ社の１０個詰パックの生産
の方に緊急性が認められるならば、Ａ社の１０個詰パッ
クを生産する集合場所にＬサイズの鶏卵を優先して分配
放出するのが望ましい。しかしながら、従来のように、
Ｌサイズの鶏卵を２ヶ所の集合場所に均等な割合で分配
放出していたのではパック生産計画に柔軟に対処でき
ず、緊急性の認められるＡ社の１０個詰パック生産が納
期に遅れるなどの不都合が生じる。

【０００７】さらに、各集合場所で使用される容器（パ
ック）は一般に出荷先により異なるため、容器の構造、
形状等の違いから各集合場所の容器充填処理に要する時
間に相違が生じることがある。ところが、前記のように
例えば、Ｌサイズの鶏卵を２ヶ所の集合場所に均等な割
合で分配放出していたのでは、各集合場所において各容
器の充填所要時間の相違を考慮して合理的に充填包装を
行うということは不可能である。

【０００８】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、１つの目的はある鶏卵サイズに割り
当てられた集合場所及び充填装置を他の鶏卵サイズに割
り当てるための割り当て変更が簡単にできる装置を提供
することであり、また他の目的は各集合場所及び各充填
装置におけるパック生産計画に柔軟に対応できる装置を
提供することであり、さらに他の目的は各充填装置にお
いて各パック容器の充填所要時間の相違等を考慮して合
理的に充填包装を行うことができる装置を提供すること
である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項１の発明は、鶏卵を等階級別に所定の集合場
所に分配する分配手段と、分配手段から分配された鶏卵
を受け取り所定の容器に充填する充填手段とを備えた鶏
卵の選別充填装置において、少なくとも１つの等階級に
は集合場所が複数設けられており、分配手段の単位時間
当たりの処理能力は少なくとも１つの充填手段の単位時
間当たりの処理能力を上回り、分配手段は、集合場所が
複数設けられている同一等階級の鶏卵を前記複数の集合
場所のいずれの集合場所に分配すべきかを予め定められ
た各集合場所の優先順位に従って行うものである。

【００１０】請求項１の発明によると、同一等階級の鶏
卵は集合場所の優先順位に従って各集合場所に分配され
るので、ある鶏卵サイズに割り当てられた集合場所を他
の鶏卵サイズに割り当てるための割り当て変更が容易に
でき、また各集合場所におけるパック生産計画にも柔軟
に対応できる。

【００１１】請求項２の発明は、鶏卵を等階級別に所定
の集合場所に分配する分配手段と、分配手段から分配さ
れた鶏卵を受け取り所定の容器に充填する充填手段とを
備えた鶏卵の選別充填装置において、少なくとも１つの
等階級には集合場所が複数設けられており、分配手段の
単位時間当たりの処理能力は少なくとも１つの充填手段
の単位時間当たりの処理能力を上回り、分配手段は、集
合場所が複数設けられている同一等階級の鶏卵を前記複
数の集合場所のいずれの集合場所に分配すべきかを予め
定められた各集合場所の分配比率に従って行うものであ
る。

【００１２】請求項２の発明によると、同一等階級の鶏
卵は各集合場所の分配比率に従って各集合場所に分配さ
れるので、各集合場所及び各充填装置におけるパック生
産計画に柔軟に対応できる。

【００１３】請求項３の発明は、請求項１に記載の鶏卵
の選別充填装置において、分配手段が予め定められた前
記優先順位に従って鶏卵を所定の各集合場所へ分配でき
なくなった場合に備えて、その場合における分配手段の
動作を予め設定できるものである。

【００１４】請求項３の発明によると、各集合場所へ所
定の優先順位に従って分配できなくなる場合に備えて分
配手段の動作が予め設定されているので、そのような緊
急事態にも適切に対応できる。

【００１５】請求項４の発明は、請求項２に記載の鶏卵
の選別充填装置において、分配手段が予め定められた前
記分配比率に従って鶏卵を所定の各集合場所へ分配でき
なくなった場合に備えて、その場合における分配手段の
動作を予め設定できるものである。

【００１６】請求項４の発明によると、各集合場所へ所
定の分配比率に従って分配できなくなる場合に備えて分
配手段の動作が予め設定されているので、そのような緊
急事態にも適切に対応できる。

【００１７】請求項５の発明では、請求項３または４に
記載の鶏卵の選別充填装置において、予め設定できる分
配手段の動作が分配手段の動作停止である。

【００１８】請求項５の発明によると、各集合場所へ所
定の優先順位や分配比率に従って鶏卵を分配できなくな
るという緊急事態に分配手段の動作停止で対処でき、こ
れにより前記緊急事態から生じる不都合の拡大を防止す
ることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。本発明はこれ
らの例に何ら限定されない。

【００２０】（実施の形態１）図１は鶏卵の選別充填装
置の概略平面図である。複数列の鶏卵Ｅを整然と搬送す
る搬送コンベヤ７の排出端には計量器８が各列に配設さ
れており、各鶏卵列の鶏卵Ｅの重量を計量する。計量済
みの鶏卵Ｅは、移し替え装置９により分配手段としての
分配コンベヤ２に移し替えられて搬送される。分配コン
ベヤ２の処理能力は毎時６万卵とする。１は、分配コン
ベヤ２の搬送方向と直交する方向に容器３を搬送する容
器コンベヤ４を備えた集合場所であり、集合場所１には
分配コンベヤ２から鶏卵Ｅを受け取り、所定の容器３に
鶏卵Ｅを充填する充填手段としての充填装置５が設けら
れている。

【００２１】ところで、計量器８により鶏卵Ｅの重量が
計量されるとその重量データに基づき重量区分の選別が
行われるが、本実施例において鶏卵Ｅは２Ｌ、Ｌ、Ｍ、
ＭＳ、規格外の大及び規格外の小の６区分に分けられ
る。分配コンベヤ２で搬送される各サイズの鶏卵は、所
定の集合場所１においてシャッタ６の開放により分配放
出され、所定の充填装置５により容器３に充填される。
本実施例では、２Ｌサイズの鶏卵Ｅは集合場所１Ａで分
配放出され、充填装置５Ａにより容器３に充填され、Ｍ
サイズの鶏卵Ｅは集合場所１Ｄで分配放出され、充填装
置５Ｄにより容器３に充填され、ＭＳサイズの鶏卵Ｅは
集合場所１Ｅで分配放出され、充填装置５Ｅにより容器
３に充填され、規格外の大の鶏卵Ｅは集合場所１Ｆで分
配放出され、充填装置５Ｆにより容器３に充填され、規
格外の小の鶏卵Ｅは集合場所１Ｇで分配放出され、充填
装置５Ｇにより容器３に充填される。ただ、当該親鶏の
日齢等から発生頻度が高いと予想されるＬサイズの鶏卵
Ｅについては、集合場所１Ｂ及び充填装置５Ｂと集合場
所１Ｃ及び充填装置５Ｃというように２ヶ所設けてあ
る。各充填装置の処理能力は毎時３万卵とする。なお、
本実施例と異なり、同一サイズの鶏卵の集合場所１及び
充填装置５は、３ヶ所以上であってもよい。この場合に
は、第１順位、第２順位、第３順位……というように優
先順位を定めればよい。

【００２２】本実施例においてＬサイズの鶏卵Ｅは、Ｌ
サイズの鶏卵Ｅの集合場所として設けられている２ヶ所
の集合場所のうち、集合場所１Ｂの方に優先的に分配放
出されるように設定されている。すなわち、Ｌサイズの
鶏卵Ｅは、充填装置５Ｂの処理能力を上限として上流側
の集合場所１Ｂに可能な限り分配放出され、そこに分配
放出できなかったＬサイズの鶏卵Ｅだけを下流側の集合
場所１Ｃに分配放出するように制御されている。

【００２３】したがって、Ｌサイズの鶏卵Ｅの発生頻度
が高く、分配コンベヤ２によりＬサイズの鶏卵Ｅが連続
的に分配放出されるときは、まず、充填装置５Ｂの処理
能力を上限として上流側の集合場所１Ｂに可能な限り分
配放出され、そこに分配放出できなかったＬサイズの鶏
卵Ｅだけが下流側の集合場所１Ｃに分配放出される。そ
の後、Ｌサイズの鶏卵Ｅの発生頻度が低い割合（５０％
未満）で推移すれば、Ｌサイズの鶏卵Ｅは上流側の集合
場所１Ｂに全て分配放出され、下流側の集合場所１Ｃに
は分配放出されない。

【００２４】下流側の集合場所１Ｃへの分配放出が所定
の時間行われないと、制御装置（図示せず）は表示装置
（図示せず）に対し、集合場所１ＣをＬサイズ以外の鶏
卵Ｅの集合場所に変更すべき旨を作業員に告知する表示
信号を出力する。表示装置としては、音声で告知するス
ピーカ等で構成されるものであっても、これに代えて又
はこれと共にランプ、液晶等の視覚に訴えるもので構成
されてもよい。

【００２５】また、集合場所１Ｃに新たに分配放出すべ
き鶏卵Ｅのサイズについては、制御装置側でサイズ別の
発生分布状況等を考慮して発生頻度が高い（あるいは今
後高くなる）と判断した特定の鶏卵サイズを具体的に提
案してもよいが、特定のサイズを具体的に提案せず、単
に集合場所１Ｃに新たに分配放出すべき鶏卵Ｅのサイズ
を変更すべき旨を告知するようにしてもよい。後者の場
合、作業員は、今後供給される鶏卵群の親鶏の日齢等か
ら判断して発生頻度が高くなると予測されるサイズをも
って集合場所１Ｃに新たに分配放出される鶏卵のサイズ
と指定してもよい。

【００２６】いずれにしてもそのような告知を受けて作
業員が集合場所１Ｃへの分配放出鶏卵のサイズ変更を決
意した場合、作業員は集合場所１Ｃの分配放出停止釦
（図示せず）を押す。これにより、制御装置（図示せ
ず）に対し集合場所１Ｃへの鶏卵の分配放出を停止する
分配放出停止信号が出力され、集合場所１Ｃへの鶏卵Ｅ
の分配放出が停止される。分配放出の停止は，集合場所
１Ｃへの分配放出のみとするのが好ましいが、全ての集
合場所１への分配放出が停止されるようにしてもよい。

【００２７】次に、作業員は、サイズ設定手段（図示せ
ず）により集合場所１Ｃへ新たに分配放出すべき鶏卵Ｅ
のサイズを新たに設定する。ここでは、Ｍサイズを新た
に設定したものとする。また、一般に、鶏卵Ｅをパック
詰めして市場に出荷する際の鶏卵の容器３は鶏卵のサイ
ズ毎に異なるので、作業員は、集合場所１Ｃへの鶏卵の
分配放出停止中にＭサイズの容器３の準備等を行うこと
になる。

【００２８】Ｍサイズへのサイズ変更に伴う容器３の取
り替え等の受け入れ準備が全て完了すれば、作業員は、
集合場所１Ｃの分配放出開始釦（図示せず）を押す。こ
れにより、制御装置に対し、集合場所１Ｃへの鶏卵の分
配放出を開始する分配放出開始信号が出力され、集合場
所１ＣへＭサイズの鶏卵の分配放出が新たに開始され
る。

【００２９】このように本発明によれば、同一サイズの
鶏卵Ｅに対し２ヶ所の集合場所１が用意されている場合
に、鶏卵サイズの発生頻度の変化等に応じて集合場所１
を他のサイズの鶏卵Ｅの集合場所に変更することが容易
にできる。

【００３０】また、Ｌサイズの鶏卵Ｅに関し、集合場所
１Ｂ及び充填装置５ＢではＡ社の１０個詰パックを５０
０個、集合場所１Ｃ及び充填装置５ＣではＢ社の１０個
詰パックを１，０００個それぞれ生産する計画で、しか
もＡ社の５００個の生産の方に緊急性が認められる場合
に、Ａ社の１０個詰パックを生産する集合場所１Ｂの方
にＬサイズの鶏卵Ｅを優先的に分配放出すれば、早期に
Ａ社の１０個詰パックの生産を完了することができる．

【００３１】（実施の形態２）次に、同一サイズの鶏卵
Ｅを分配放出する集合場所１が複数あり、その複数の各
集合場所１に分配放出すべき同一サイズの鶏卵の分配比
率を定め、同一サイズの鶏卵Ｅをその分配比率に従って
複数の集合場所に分配放出する実施例について説明す
る。

【００３２】いま、Ｌサイズの鶏卵Ｅを分配放出する集
合場所として集合場所１Ｂと集合場所１Ｃとがあり、集
合場所１ＢにおいてはＣ社の１０個詰パック５００個、
集合場所１ＣにおいてはＤ社の１０個詰パック１，００
０個をそれぞれ生産しなければならないとする。そし
て、一方のＬサイズのパック生産が他方のＬサイズのパ
ック生産に緊急性において優先するという関係にない場
合には、集合場所１Ｂと集合場所１Ｃに対するＬサイズ
の鶏卵の分配放出比率は生産パック数の比率で行うのが
合理的である。本実施例の場合、集合場所１Ｂと集合場
所１Ｃにおける生産個数の比率は１：２であるから、Ｌ
サイズの鶏卵Ｅを１：２の割合で集合場所１Ｂと集合場
所１Ｃに分配放出すると、集合場所１ＢにおけるＣ社の
１０個詰パック５００個と集合場所１ＣにおけるＤ社の
１０個詰パック１，０００個はほとんど同時に生産を完
了するので、生産完了次第同時に出荷することができて
便利である。

【００３３】また、Ｌサイズの鶏卵Ｅを分配放出する集
合場所として集合場所１Ｂと集合場所１Ｃとがあり、集
合場所１ＢにおいてはＥ社の１０個詰パック２００個、
集合場所１ＣにおいてはＦ社の１０個詰パック６００個
を生産しなければならない場合に、容器３の構造、形状
等により各集合場所における容器３の充填所要時間に差
異が生じるならば、分配比率はそれを考慮したものにし
てもよい。例えば、Ｅ社の容器３の特殊な構造から集合
場所１Ｂにおける容器３の充填の方が集合場所１Ｃにお
ける容器３の充填よりも多く時間がかかる場合には、集
合場所１Ｂと集合場所１Ｃに分配する分配比率を生産パ
ック個数の比率である１：３ではなく、容器３の充填所
要時間を考慮したもの、例えば１：４としてもよい。

【００３４】（別実施形態）実施の形態１において、Ｌ
サイズの鶏卵Eを上流側の集合場所１Ｂに可能な限り分
配放出し、そこに分配放出できなかったＬサイズの鶏卵
Ｅだけを下流側の集合場所１Ｃに分配放出するように設
定した場合、下流側の充填装置５Ｃにも処理能力上の限
界が存するので、下流側の集合場所１Ｃにも分配放出で
きず、その結果、分配放出先のないＬサイズの鶏卵が発
生することがある。そこで、このような事態に備えるた
め、予め予備の集合場所１を設けておいてもよい。

【００３５】ただ、この予備の集合場所１が他のサイズ
の鶏卵Ｅにとっても予備の集合場所１となるいわゆる共
通の予備の集合場所１として設けられているならば、本
来の集合場所１に分配放出できない複数のサイズの鶏卵
Ｅがこの予備の集合場所１に分配放出されることにな
る。

【００３６】しかし、このように同一集合場所１に複数
サイズの鶏卵Ｅを混在させると事後処理として、当該集
合場所に集合した鶏卵Ｅを再度サイズ選別行程に流す必
要がある。したがって、このような方法はあくまで緊急
避難的なものであって、共通の集合場所１に複数サイズ
の鶏卵Ｅを大量に分配放出させることは必ずしも望まし
いことではない。そこで、予備の集合場所へ分配放出さ
れた鶏卵が所定数以上発生したときは、分配コンベヤ２
そのものが停止するようにしておいてもよい。

【００３７】また、実施の形態２において、複数の集合
場所１に分配放出すべき同一サイズの鶏卵Ｅの分配比率
を定め，同一サイズの鶏卵Ｅをその分配比率に従って複
数の集合場所１に分配放出するように設定した場合でも
当該同一サイズの鶏卵Ｅが多数連続して搬送されてくる
と本来の集合場所１だけでは処理できないという事態が
生じる。その場合も、前記と同様に対処すればよい。

【００３８】さらに、これまでの実施例では等階級の選
別基準の例としては重量区分をあげて説明してきたがこ
れに代えて、又はこれと併用して例えば、血液混入卵
（血液が混入している鶏卵）、ひび卵（卵殻にひびのあ
る鶏卵）等の異常の有無及び程度を選別基準としてもよ
い。

【００３９】なお、これまでの実施例では各集合場所１
に充填装置５をそれぞれ設け、分配コンベヤ２から放出
された鶏卵Ｅを充填装置５で受け取り、容器３に充填す
るものであった。しかし、これに代えて分配コンベヤ２
から放出される鶏卵Ｅを一旦収容容器に受け取り、鶏卵
Ｅを収容した収容容器を集合場所下流に搬送し、所定位
置で容器３に充填するようにしてもよい。その際、充填
装置は複数の集合場所に共通のものであってもよい。

【００４０】

【発明の効果】本発明によると、ある鶏卵サイズに割り
当てられた集合場所及び充填装置を他の鶏卵サイズの割
り当てに変更する割り当て変更が簡単にでき、しかも、
各集合場所及び充填装置におけるパック生産計画に柔軟
に対応でき、さらに、各充填装置において、各パック容
器の充填所要時間の相違等を考慮した合理的な充填包装
を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る鶏卵の選別充填装置の概略平面図
である。

【符号の説明】

１、１Ａ〜１Ｇ…集合場所、２…分配コンベヤ、３…容
器、４…容器コンベヤ ５、５Ａ〜５Ｇ…充填装置、

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鶏卵を等階級別に所定の集合場所に分配す
   る分配手段と、分配手段から分配された鶏卵を受け取り
   所定の容器に充填する充填手段とを備えた鶏卵の選別充
   填装置において、少なくとも１つの等階級には集合場所
   が複数設けられており、分配手段の単位時間当たりの処
   理能力は少なくとも１つの充填手段の単位時間当たりの
   処理能力を上回り、分配手段は、集合場所が複数設けら
   れている同一等階級の鶏卵を前記複数の集合場所のいず
   れの集合場所に分配すべきかを予め定められた各集合場
   所の優先順位に従って行う鶏卵の選別充填装置。
2. 【請求項２】鶏卵を等階級別に所定の集合場所に分配す
   る分配手段と、分配手段から分配された鶏卵を受け取り
   所定の容器に充填する充填手段とを備えた鶏卵の選別充
   填装置において、少なくとも１つの等階級には集合場所
   が複数設けられており、分配手段の単位時間当たりの処
   理能力は少なくとも１つの充填手段の単位時間当たりの
   処理能力を上回り、分配手段は、集合場所が複数設けら
   れている同一等階級の鶏卵を前記複数の集合場所のいず
   れの集合場所に分配すべきかを予め定められた各集合場
   所の分配比率に従って行う鶏卵の選別充填装置。
3. 【請求項３】請求項１に記載の鶏卵の選別充填装置にお
   いて、分配手段が予め定められた前記優先順位に従って
   鶏卵を所定の各集合場所へ分配できなくなった場合に備
   えて、その場合における分配手段の動作を予め設定でき
   る鶏卵の選別充填装置。
4. 【請求項４】請求項２に記載の鶏卵の選別充填装置にお
   いて、分配手段が予め定められた前記分配比率に従って
   鶏卵を所定の各集合場所へ分配できなくなった場合に備
   えて、その場合における分配手段の動作を予め設定でき
   る鶏卵の選別充填装置。
5. 【請求項５】請求項３または４に記載の鶏卵の選別充填
   装置において、予め設定できる分配手段の動作が分配手
   段の動作停止である鶏卵の選別充填装置。