JP2003178761A - 複合電極用活性炭およびそれを用いた電極材 - Google Patents

複合電極用活性炭およびそれを用いた電極材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】複合電極、特に亜鉛−臭素電池の正極、即ち臭
素極において高電流密度でも高い放電電位を得ることが
できる材料および電極材を得る。 【解決手段】全酸性基量が0.2以上2.0meq/g
以下である活性炭であり、かつXPS表面分析より求め
た酸素と二重結合した炭素原子数が全表面炭素原子数に
対して2%以上であることを特徴とする活性炭を用い、
これを50重量%以上含有した紙状物を複合電極として
導電性プレートに接合し亜鉛−臭素2次電池の正極とし
て用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合電極用活性炭、
特に亜鉛−臭素二次電池の正極即ち臭素極に使用される
複合電極用活性炭とそれを用いる電極材に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】金属−ハロゲン二次電池、例えば亜鉛−臭
素二次電池は正極において、臭素イオンを臭素に酸化す
ることによって充電し臭素を臭素イオンに還元し放電す
る。かかる二次電池において正極即ち臭素極は、電池の
エネルギー効率に影響を与える放電時の臭素の還元反応
を迅速に、かつ有効に反応させる反応場としての機能と
電子を効率的に流通させる集電体としての機能を要求さ
れている。従来、正極電極材料として白金が用いられて
きたが高価であるために、導電性粉末カーボンと樹脂の
混合物を加熱成形した導電性プラスチック板や炭素焼結
板が用いられている。しかしこれらの電極では放電の電
位が低く、放電時間が短くなるため充放電のエネルギー
効率は低かった。白金電極は臭素の反応速度こそ速いも
のの反応場や集電体としての機能には不足していたため
である。
【0003】この問題を解決する方法として、電極表面
積を多くし臭素との反応面積を多くとり集電体としての
導電性の機能を得るために導電性プラスチック板を電極
基材とし、活性炭を表面に接合したり電極基材に練りこ
んで使用されている。これは複合電極と呼ばれ特開昭5
9−29385号には多孔質炭素繊維の織物、編地状布
を電極基材に接合して使用する例が提案されている。ま
た紙状の繊維状活性炭を接合して使用する例があり、特
開昭59−163765号においては繊維状活性炭の細
孔、即ち細孔直径30〜1000オングストロームの細
孔容積が0.1cc/g以上である非常に細孔容積の大
きい繊維状活性炭を紙状にし、電極基材に接合して使用
されることが提案されている。また特開平05−239
720号には繊維状活性炭表面に窒素原子を含有した電
極材を複合電極に用いることを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記繊維状活性炭の紙
状物は、繊維状活性炭の織布、編地に比べて安価に製造
することが出来るので紙状物を電極基材に接合し正極と
して使用することは電池の価格を下げることからも有用
である。しかしこうした紙状の電極材は上述の織布、編
地に比べ依然として高電流密度での電位が低かった。こ
れは基本的に紙状の電極材は電極基材との接合性が悪い
ため接触抵抗が増加しさらに反応場が織布、編地に比べ
少ないことから分極値が増加するためである。
【0005】本発明者はかかる事情に鑑み、反応に寄与
する活性炭の表面と臭素の吸着性やプラスチック電極と
の接着性について鋭意検討した結果、高電流密度でも高
い放電電位を得ることができる金属−ハロゲン二次電池
の電極材料を提供するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 全酸性基量が0.2以上2.0meq/g以下である
活性炭であり、かつXPS表面分析より求めた酸素と二
重結合した炭素原子数が全表面炭素原子数に対して2%
以上であることを特徴とする複合電極用活性炭。 活性炭が繊維状であることを特徴とする記載の複合
電極用活性炭。 活性炭の比表面積は500〜2000m2/gである
ことを特徴とする、記載の複合電極用活性炭。 に記載の活性炭を50重量%以上含有し構成さ
れた紙状物であることを特徴とする電極材。 である。以後詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における活性炭は有機質を
炭化、賦活して得られたものである。原料として使用さ
れる有機質とはおがくずなどの木質系、籾殻、豆類、や
しがらなどの植物系、フェノール樹脂、石炭があり、ま
た繊維状であればセルロース系、フェノールノボラック
系、ポリアクリロニトリル系、芳香族ポリアミド系、ポ
リビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、石油または
石炭ピッチ系が用いられている。活性炭に活性炭は電極
との接触面積や活性炭同士の接触性から幾何表面積を広
く出来る繊維状であることが好ましい。また炭化、およ
び賦活の方法としては一般に公知である方法が使用でき
る。また場合によっては公知である賦活触媒を用いて賦
活してもよい。繊維状活性炭の繊維直径は平均で12μ
m以下、さらには10μm以下がより好ましい。
【0008】本発明における酸性基とは活性炭表面の水
酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、ヒド
ロキシアミノ基(−NH−OH)、ヒドロキシイミノ基
(=N−OH)を意味する。本発明に使用される活性炭
の酸性基の量は単位重量あたり0.2meq/g以上
2.0meq/g以下であり、望ましくは0.3meq
以上1.5meq/g以下、さらに望ましくは0.4m
eq/g以上1.0meq/g以下のものである。これ
により繊維状活性炭と電解液との濡れ性が向上し、繊維
状活性炭の表面を有効に利用される。しかし単位重量当
たり2.0meq/g以上の活性炭を用いた場合、電極
との接合時安定した接合がなされず接触抵抗が増加して
電位の低下を招くため好ましくなく、反対に0.2me
q/g以下の場合繊維状活性炭と電解液との濡れ性が悪
化し、実質的に反応に供する面積が減少してしまうため
臭素を有効に吸着できず分極値が増加、電位が低下し好
ましくない。
【0009】また本発明における酸素と二重結合した炭
素原子数とはXPS表面分析(解析方法は後述する)に
よって検出される活性炭表面のキノン基を意味し、全表
面炭素原子数に対する割合としてあらわす(%、以下C
=O/C比という)。活性炭の表面のC=O基導入によ
って電極との接着性の向上が図られ電極との導電性が増
加する。従ってC=O/C比が2.0%以上、好ましく
は2.2%以上より好ましくは2.5%以上の活性炭を
用いることにより、電極との接触抵抗を低減し高い電流
密度においても安定な電位を維持することが可能とな
る。しかし2.0%未満である場合、電極との接触性が
低下し抵抗が高くなるため好ましくない。
【0010】上記した如き所定の酸性基量を有しかつC
=O/C比の高い活性炭は前記記載の原料を炭化、賦活
した後、0.01torr以上の酸素分圧を有する酸素
雰囲気下で700〜1000℃の温度で重量収率にして
50〜99%の範囲になるように酸化することによって
得られる。重量収率が50%未満になると表面のエッチ
ングが進行し、接触抵抗の上昇をまねくので好ましくな
い。また、酸化方法としては700℃以上の高い温度で
短時間酸化処理することによって酸性基の生成を抑制し
C=O/C比の高い酸化処理を行うことが可能である。
また700℃未満の低い温度領域での酸化はC=O基の
生成に対して酸性基の生成が優先されるため好ましくな
い。また低温で酸化処理する場合活性炭中にアルカリ金
属類あるいはアルカリ土類金属塩を数100ppm程度
含有せしめることによってこの酸性基の生成を抑制する
ことが出来る。このようにして得られた活性炭の比表面
積は臭素の反応場を確保することから500〜2200
2/gであることが望ましくさらには700〜200
0m2/gがより好ましい。
【0011】上述の如き作成された活性炭は紙層形成に
一定の強度を得るため他の1種類以上の有機、無機材料
と共に目付量が25g/m2以上、厚みが0.15mm
以上になるように抄紙する。なお、特に強度を必要とし
ないのであればこれに限定されるものではない。なお紙
状物中の繊維状活性炭の含有量は50重量%以上望まし
くは55重量%以上、より望ましくは60重量%以上で
ある。活性炭の含有率が50%未満である場合臭素との
反応面積が減少し高電流密度で安定した放電特性が得ら
れないため好ましくない
【0012】紙状物として活性炭と同時に用いられる他
の材料としてはパルプ、骨材の他、必要であればデンプ
ン、ポリビニルアルコールのようなバインダーの他に粘
剤、界面活性剤、離型剤、消泡剤、凝集剤等の各種添加
剤を加えてもよい。使用されるパルプは耐水性、耐薬品
性に優れるポリエチレン、ポリプロピレンの合成パルプ
が望ましいが再生セルロース系、アクリル系、ポリアミ
ド系のパルプの他天然パルプを用いてもよい。骨材とし
ては耐水性、耐薬品性に優れるポリエチレン、ポリプロ
ピレンのチョップドファイバーやこれらの層状繊維(シ
ースコア繊維)が望ましいが直鎖および/または芳香族
ポリアミド系、ポリエステル、フェノールノボラック、
ポリアクリロニトリル系の有機質繊維のほかガラス繊
維、石綿、石英、アルミナの各種無機繊維が使用でき
る。これらパルプ、骨材は紙層形成後一定の強度が得ら
れるものであればよく、先述に記載された素材に限定さ
れない。
【0013】電極基材と紙状物との接合は、カーボンブ
ラックや炭素繊維などのカーボンを主体とした導電性物
質を30重量%以上となるように、ポリエチレン樹脂粉
末と均一に混合し、樹脂軟化点より10℃高めに設定し
た金型の底に一定の厚みになるように敷いた後、熱プレ
スして厚さ1.0mm、大きさ10cm平方の導電性電
極基材として作成したものに加圧、加熱下で圧着する。
【0014】次に本発明において用いる酸性基量、比表
面積、C=O/C比、および電極電位の測定方法につい
て述べる。
【0015】(1) 酸性基量:酸性基を含有している活性
炭を12時間以上1規定の塩酸水溶液で洗浄し充分に水
洗した後乾燥して約0.5gを採取し、120℃で12
時間真空乾燥して秤量し、60mlの1/100NのN
aOH水溶液に浸漬して25℃で10時間振とうした。
この液をガラスろ過器でろ過しろ液を25ml正確に分
取して1/100NのHCl標準液により逆滴定した。
滴定の際にはフェノールフタレインを指示薬として用い
た。空試験も同様にして行い、数式1により活性炭の単
位重量当たりの酸性基量を求めた。
【0016】
【数1】
【0017】式中Dは1/100NのHCl標準液の滴
定量から空試験での滴定量を引いた量(ml)、Kは1
/100NのHCl標準液の規定度、Wは活性炭の重量
(g)である。
【0018】(2) 比表面積:12時間以上1規定の塩酸
水溶液で洗浄し充分に水洗し乾燥させた活性炭を約0.
1g採取し、120℃で12時間乾燥して秤量し、液体
窒素の沸点(−195.8℃)における窒素ガスの吸着
量を相対圧を0.0から0.2の範囲で徐々に高めなが
ら数点測定し、B.E.Tプロットにより単位重量当た
りの比表面積(m2/g)を求めた。
【0019】(3) C=O/C比:ESCA、あるいはX
PSと略称されているX線光電子分光法により12時間
以上1規定の塩酸水溶液で洗浄し充分に水洗し乾燥せし
めた活性炭表面のC=O/C比を測定する。測定装置は
島津ESCA750、解析にはESCAPAC760を
用いた。6mmφに広げた導電性ペーストにサンプル活
性炭を貼り付け加熱試料台に載せて試料を120℃で加
熱しながら3時間以上真空脱気した後測定を行った。線
源にはMgKα線(1253.6eV)を用い、装置内
真空度は1.33×10-5Paの条件で試料表面の分析
を行った。なおここで言う表面とは試料の最外層から数
十オングストロームまでの深さ領域を意味する。
【0020】測定はC1Sピークに対して行いESCA
PAC760を用いて各ピーク面積を求める。得られた
面積をJ.H.Scofieldによる補正法に基づい
て補正解析しピーク面積を求める。さらにC1Sピーク
に対してピーク形状が各構造におけるケミカルシフトに
なるように分離し、酸素と2重結合している炭素のピー
ク面積を決定し、全表面炭素に対する面積比を百分率
(%)で算出する。
【0021】(4) 電極の電位:本発明の複合電極用活性
炭を実施例に基づいて湿式抄紙して電極材を得る。これ
を正極、即ち亜鉛−臭素電池の臭素極として充放電電位
を評価する。電極材は5cmにカットし5cm角厚み
1.0mmの電極基材の上に載せ、5cm角×1.1m
m厚が成型可能な金型に入れ160℃にて5分間加圧接
合する。出来上がった接合電極は直径16mmの打ち抜
きポンチで打ち抜きリード線をつけて電位測定装置に設
置する。このときの電極面積は打ち抜いた電極の幾何面
積(2.0cm2)電解液は濃度3モル/リットルの臭
化亜鉛溶液中に臭素0.2モルを溶解させたものであ
り、ゼロから10mA/secの速度で500mA(2
50mA/cm2)までプラス方向の電位をかけ−10
mA/secで放電電位が300mVになるまで放電し
た。対極には99.99%の圧延亜鉛板を使用し、測定
温度は25℃、参照極として飽和カロメル電極を用い
た。
【0022】臭素極のゼロmAの時点の電位をVopenと
し、300mA(150mA/cm 2)のときの電位を
Viとし、VopenとViとの差を充電電位差とし
た。さらにマイナス300mA(150mA/cm2
のときの電位をViiとし、VopenとViiとの差
を放電電位差とした。充電電位差は臭化物イオンが臭素
に変化する場合に生ずる電位差であり臭素イオンが過剰
に供給されているのでこの電位差は基本的に電極の接触
抵抗のみに影響する。放電の電位差は臭素が少ないので
前記の接触抵抗に分極値が加算されたものである。
【0023】なお、上記電位の測定に用いた装置の説明
図を図に示す。図において、1は臭素極であり、2は亜
鉛板対極であり、3はルギンキャピラリーであり、4は
電圧計であり、5は電源であり、6は電流計であり、7
は電解液である。
【0024】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を説明するがこ
れに限定されるものではない。
【0025】実施例1 単繊維繊度2.2dTex、長さ8mmの再生セルロー
ス繊維にリン酸1水素アンモニウムを10重量%を添着
し、空気中350℃で30分加熱し炭化繊維を作製し
た。続いて窒素気流下で850℃まで約400℃/時の
速度で昇温し昇温後水蒸気濃度15体積%の雰囲気で6
0分間保持することによって賦活し繊維状活性炭を得
た。さらに空気中、900℃で30秒間熱処理した。こ
うして得られた繊維状活性炭の酸性基量は0.8meq
/g、C=O/C比は5.1%、比表面積は1250m
2/gであった。
【0026】この繊維状活性炭を乾燥重量にして67重
量%分採取し、これに7重量%のポリプロピレン単繊維
チョップドファイバー、21重量%のポリエチレン製合
成パルプ、5重量%のポリエチレン−ポリプロピレン芯
鞘繊維を加えて湿式抄紙し目付量33g/m2、厚み
0.25mmの紙状物を作成した。この紙状物を先述の
プラスチック電極基材と接合し電極を得た。この様にし
て得られた電極の充放電電位差を表1に示す。
【0027】実施例2 単繊維繊度2.2dTex、長さ54mmのポリアクリ
ロニトリル繊維を原料とし、空気中260℃で30分加
熱し耐炎化し炭化繊維を得た。続いて窒素気流下で90
0℃まで400℃/時の速度で昇温し昇温後水蒸気濃度
15体積%の雰囲気で60分間保持することによって賦
活し繊維状活性炭を得た。さらに空気中、900℃で1
分間熱処理した。こうして得られた繊維状活性炭の酸性
基量は0.6meq/g、C=O/C比は2.8%、比
表面積は785m2/gであった。
【0028】この繊維状活性炭をカッターミルで粉砕し
た後、乾燥重量にして67重量%分採取し、これに7重
量%のポリプロピレン単繊維チョップドファイバー、2
1重量%のポリエチレン製合成パルプ、5重量%のポリ
エチレン−ポリプロピレン芯鞘繊維を加えて湿式抄紙し
目付量31g/m2、厚み0.22mmの紙状物を作成
した。この紙状物を先述のプラスチック電極基材と接合
し電極を得た。 この様にして得られた電極の充放電電
位差を表1に示す。
【0029】実施例3 単繊維繊度2.2dTex、長さ51mmの再生セルロ
ース繊維にリン酸1水素カルシウム10重量%を添着
し、窒素気流下350℃で30分加熱し炭化繊維を作製
した。続いて窒素気流下で920℃まで約400℃/時
の速度で昇温し昇温後水蒸気濃度15体積%の雰囲気で
60分間保持することによって賦活し繊維状活性炭を得
た。さらに空気中、900℃で30秒間熱処理した。こ
うして得られた繊維状活性炭の酸性基量は1.0meq
/g、C=O/C比は6.5%、比表面積は1620m
2/gであった。
【0030】この活性炭をミルで粉砕した後、これを乾
燥重量にして60重量%分採取し、これに12重量%の
ポリプロピレン単繊維チョップドファイバー、6重量%
のポリエチレン製合成パルプ、2重量%のポリビニルア
ルコールのバインダーを加えて目付量33g/m2、厚
み0.21mmの紙状物を作成した。この紙状物を先述
のプラスチック電極基材と接合し電極を得た。 この様
にして得られた電極の充放電電位差を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例4 単繊維繊度2.2dTex、長さ62mmのフェノール
ノボラック繊維を原料とし、リン酸1水素カルシウム1
0重量%を添着し窒素気流下で850℃まで400℃/
時の速度で昇温し昇温後水蒸気濃度15体積%の雰囲気
で60分間水蒸気賦活処理をおこない繊維状活性炭を得
た。この活性炭を920℃で40秒間空気中で酸化処理
した。こうして得られた活性炭の酸性基量は1.2me
q/g、C=O/C比は7.3%、比表面積は1155
2/gであった。
【0033】この繊維状活性炭をカッターミルで粉砕し
た後、これを乾燥重量にして80重量%分採取し、これ
に12重量%のポリプロピレン単繊維チョップドファイ
バー、6重量%のポリエチレン製合成パルプ、2重量%
のポリビニルアルコールのバインダーを加えて目付量4
2g/m2、厚み0.22mmの紙状物を作成した。こ
の紙状物を先述のプラスチック電極基材と接合し電極を
得た。 この様にして得られた電極の充放電電位差を表
1に示す。
【0034】比較例1 単繊維繊度2.2dTex、長さ8mmの再生セルロー
ス繊維にリン酸1水素アンモニウムを10重量添着し、
空気中350℃で30分加熱し炭化繊維を作製した。続
いて窒素気流下で850℃まで約400℃/時の速度で
昇温し昇温後水蒸気濃度15体積%の雰囲気で60分間
保持することによって賦活し繊維状活性炭を得た。こう
して得られた繊維状活性炭の酸性基量は0.2meq/
g、C=O/C比は.0.6%、比表面積は1188m
2/gであった。
【0035】この繊維状活性炭を乾燥重量にして67重
量%分採取し、これに7重量%のポリプロピレン単繊維
チョップドファイバー、21重量%のポリエチレン製合
成パルプ、5重量%のポリエチレン−ポリプロピレン芯
鞘繊維を加えて湿式抄紙し目付量33g/m2、厚み
0.25mmの紙状物を作成した。この紙状物を先述の
プラスチック電極基材と接合し電極を得た。 この様に
して得られた電極の充放電電位差を表1に示す。
【0036】比較例2 単繊維繊度2.2dTex、長さ8mmの再生セルロー
ス繊維にリン酸1水素アンモニウムを10重量添着し、
空気中350℃で30分加熱し炭化繊維を作製した。続
いて窒素気流下で850℃まで約400℃/時の速度で
昇温し昇温後水蒸気濃度15体積%の雰囲気で60分間
保持することによって賦活し繊維状活性炭を得た。空気
中、450℃で8分間熱処理した。こうして得られた繊
維状活性炭の酸性基量は2.4meq/g、C=O/C
比は5.4%、比表面積は1450m2/gであった。
【0037】この繊維状活性炭を乾燥重量にして67重
量%分採取し、これに7重量%のポリプロピレン単繊維
チョップドファイバー、21重量%のポリエチレン製合
成パルプ、5重量%のポリエチレン−ポリプロピレン芯
鞘繊維を加えて湿式抄紙し目付量33g/m2、厚み
0.25mmの紙状物を作成した。この紙状物を先述の
プラスチック電極基材と接合し電極を得た。 この様に
して得られた電極の充放電電位差を表1に示す。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の活性炭およ
び電極材料は活性炭の単位重量あたりの酸性基量を所定
量に抑えつつかつC=O基をを多く付与することによっ
て集電板との接触性が向上し、かつ有効に臭素を吸着す
るので高電流密度においても安定した電圧を得ることの
できる電極を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極の電位特性に用いる装置の模式図
【図2】XPS表面分析で測定されるC1Sピークの結
合構造別分離図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 HB03 HB05 5H017 AA07 CC03 EE06 EE09 HH00 HH01 HH04 5H032 AA04 AS03 AS12 CC14 HH00 HH01 HH04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全酸性基量が0.2以上2.0meq/g
    以下でかつXPS表面分析より求めた酸素と二重結合し
    た炭素原子数が全表面炭素原子数に対して2%以上であ
    ることを特徴とする複合電極用活性炭。
  2. 【請求項2】活性炭が繊維状であることを特徴とする請
    求項1記載の複合電極用活性炭。
  3. 【請求項3】活性炭の比表面積は500〜2200m2
    /gであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか
    に記載の複合電極用活性炭。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の複合電
    極用活性炭を50重量%以上含有し構成された紙状物で
    あることを特徴とする電極材。
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