JP2003177131A - 生物学的な結合親和性を検出する方法 - Google Patents
生物学的な結合親和性を検出する方法Info
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Abstract
する方法であって、ハイスループット検出に適した方法
を提供すること。 【解決手段】 レセプターと被検物質との結合親和性を
検出する方法であって、レセプターと該レセプターに対
する既知のリガンドとが結合可能な所定の溶液中で、レ
セプターに対して、該レセプターに対する既知の蛍光標
識リガンドと被検物質とを競合的に反応させる工程と、
前記反応後の溶液中における、レセプターと複合体を形
成した結合型蛍光標識リガンドと、複合体を形成してい
ない遊離型蛍光標識リガンドの存在比を計測し、これを
指標として被検物質のレセプターに対する結合親和性を
評価する工程とを具備することを特徴とする方法。
Description
和性を検出する方法に関し、好適には、レセプターと被
検物質との結合親和性を検出する方法に関する。本発明
の検出方法は、大量の被検物質の中から、該被検物質が
特異結合することが推測される結合対物質(例えばレセ
プター)に実際に作用しシグナルを誘発する物質を、迅
速にスクリーニングする際(即ち、ハイスループットス
クリーニングを行う際)に特に有用である。
は、種々の被検物質について、その結合の有無および/
または量を評価することによって行われる。かかる被検
物質として、例えば、特定のリガンドと、該リガンドが
特異結合するレセプターとによるレセプター・リガンド
反応を利用した検出方法が知られている。
からの低分子化合物、あるいはペプチドなどをシグナル
として選択的に受容する機能的蛋白質であり、リガンド
とは、レセプターに特異的に受容される物質である。外
界からの刺激に対する生体の様々な応答反応は、細胞内
におけるレセプター・リガンド結合反応を介したシグナ
ル伝達によっておこなわれていることが近年明らかにな
ってきている。
細胞核内に存在するものの主に2群に分けられる。細胞
膜上に存在するものは膜レセプターと呼ばれ、ペプチ
ド、神経伝達物質等の水溶性物質をリガンドとして受容
することにより、自身の立体構造を変化させたり、G蛋
白質等の他の蛋白質や酵素の活性化を促したりして、細
胞内の様々な応答反応を誘導する。膜レセプターには、
アセチルコリンレセプターなどの神経伝達を担うもの、
EGFレセプターのような細胞増殖シグナル伝達を担う
もののほか、免疫応答や細胞分化あるいは炎症応答シグ
ナル伝達を担うサイトカインレセプター、TNFレセプ
ターなど、数百種類以上にのぼるレセプターが存在し、
神経伝達、免疫応答、細胞増殖・分化などの非常に重要
な生体反応を制御している。ゆえに、膜レセプターに結
合し得る物質は、生体に対して様々な応答反応を誘起し
得ると考えられ、創薬における有用物質スクリーニング
での重要なターゲットとなっている。
と呼ばれるレセプター群は、脂溶性ホルモンやビタミン
などの低分子化合物をリガンドとして特異的に受容する
ことにより、直接的に様々な遺伝子群の転写を調節する
転写制御因子として機能する。核内レセプターには、エ
ストロゲンレセプター、グルココルチコイドレセプター
などの、いわゆるステロイドレセプターなどが挙げら
れ、エストロゲン等のリガンドを受容することによりダ
イレクトに蛋白質合成を誘導する。ゆえに、核内レセプ
ターに結合し得る化合物は、生体に対して直接的に、様
々な薬理作用を持つことが期待でき、それら化合物を、
高効率で探索することが、創薬場面において最重要課題
となっている。
生物に対し生殖器官発達異常等の重大な悪影響を与える
として問題となっている内分泌攪乱化学物質も、多く
が、核内レセプターに特異的に受容されるリガンドとし
て機能する物質であり、生体内に摂取されることによ
り、生体本来のリガンドとは無関係な偽のシグナルを発
することにより悪影響を及ぼすことが明らかになってき
た。特に、今まで知られている内分泌攪乱化学物質のお
よそ9割が、核内レセプターのひとつであるエストロゲ
ンレセプターのリガンドとして働くことから、膨大な数
にのぼる既存の化学物質全てについて、まずエストロゲ
ンレセプターのリガンドとなり得るか否か、すなわち同
レセプターと結合するか否かについてスクリーニングす
る必要性が認識され、世界規模で大規模なスクリーニン
グが進行中である。
ングにおいても、内分泌攪乱化学物質スクリーニングに
おいても、ある化学物質が(以下、被検物質という)、
膜レセプター、あるいは核内レセプターに結合し得るか
どうか、すなわちリガンドとして作用するか否かを、多
種類の検体につき、ハイスループットに検出可能なスク
リーニング手法が強く望まれている。
グに望まれる要件としては、 ・被検物質のレセプターに対する結合能の有無を、特異
的に検出できること ・多種類の被検物質について、容易に検査できること ・検出までの過程でアッセイ系に添加した物質の分離
(いわゆるB/F分離)・洗浄等の煩雑な操作を必要とし
ないこと ・検出に必要とされる時間が短時間であること ・アッセイ系に用いる試薬等は容易に入手・操作でき、
コストもなるべく安価であること ・さらに、特に創薬の分野では、被検物質が製造・合成
過程で極少量しか得られないことも多く、そのような極
少量の物質についても、充分にアッセイ可能であること 等が挙げられる。
応を検出する方法として、従来、最も一般的に用いられ
ている手法は、いわゆるレセプター結合アッセイと呼ば
れる手法である。
に対し、「被検物質」と「放射性同位元素(RI)あ
るいは蛍光物質により標識した同レセプターの既知のリ
ガンド」を競合的に反応させる。その後、洗浄等の操作
を行い、反応系から未反応の標識リガンドを分離・除去
し、反応系に含まれるレセプターに結合したの標識リ
ガンド量を、放射性同位元素量あるいは蛍光量を測定し
て計測する。これにより、最終的にの被検物質の結合
能の有無および強弱を検出する方法である。単純な方法
であり、実験系も組みやすいと考えられるが、RIを用い
る場合特別の施設必要とすること、また計測の前段階
で、洗浄あるいはカラム精製等の手段により、結合・非
結合の分子の分離・選別(いわゆるB/F分離)を必要と
することから、ハイスループットスクリーニングに望ま
れる要件を満たしていない。
を検出する手法としてよく用いられるものに、表面プラ
ズモン共鳴を利用した手法がある。この手法では、標的
レセプター分子あるいは被検物質を適切な基盤上に固定
したセンサーチップを作製し、これに被検物質あるいは
レセプターを添加して、レセプター・被検物質間の相互
作用の状態を、チップ上の質量変化を指標として経時的
に検出する。よって従来のレセプター結合アッセイのよ
うに、競合反応のための標識既知リガンドを添加する必
要がなく、また経時的に被検物質・レセプター間の相互
作用をモニターできるため、結合速度定数や解離定数を
算出することができ、被検物質・リガンド間の結合親和
性の強さも評価できる利点がある。一方、この手法では
標的レセプター分子あるいは被検物質を適切な基盤上に
固定することが不可欠であるが、レセプターのような多
種多様な蛋白質分子あるいは被検物質すべてについて、
生理的機能を保持したまま基盤に固相化するのは技術的
に困難である。よってハイスループットスクリーニング
に望まれるような、多種のレセプターについて容易にス
クリーニングすることは困難と考えられる。さらに競合
反応を必要としないかわりに、被検物質のチップ基盤へ
の吸着などの非特異反応が起こった場合には、被検物質
のレセプターへの結合性の正確な評価が不可能となる問
題点もある。
とせず、かつレセプターを固相化する必要もなく、被検
物質とレセプター間の結合親和性を評価できる手法が開
発された(特表平11-502608:生体高分子の適応度を評
価するための方法および装置)。この手法では、被検物
質自体を蛍光標識して標的レセプターと反応させ、両者
の結合の有無を、反応の前後で、蛍光標識被検物質の反
応液中での拡散時間を計測することにより検出する。
て、蛍光標識被検物質の拡散速度の計測は、FCS(Fl
uorescence Correlation Spectroscopy)と呼ばれる装
置を用いて実施する。FCSは、レーザ照射により反応
溶液中に設定されるf(10-15)Lオーダーの微小な共
焦点領域において、蛍光標識した標的分子の媒質中にお
けるゆらぎ運動を測定し、自己相関関数(Autocorrelat
ion function)を用いて、個々の標的分子の微小運動を
測定する技術である。FCSを用いれば、計測領域内で
異なる拡散速度で運動する蛍光分子群の個々の群成分に
関し、それぞれの拡散時間と、同拡散時間をもつ群成分
の、計測領域内蛍光分子集団全体に占める割合を算出す
ることができる。よって、被検物質を蛍光標識すること
により、同物質のおこす他分子との相互作用、例えばレ
セプターとの複合体形成や、核酸との相互作用による分
子運動の変化等を、拡散時間の変化を指標として数秒の
計測で検出することが可能となる。
これを細胞内あるいは試験間内の標的レセプターに添加
し反応させる。被検物質がレセプターと結合した場合に
は、比較的低分子の被検物質が、分子量の大きなレセプ
ター蛋白質と複合体を形成するため、見かけ上の分子量
が増大して溶液中での拡散速度が遅くなると予想でき、
これを指標して、被検物質のレセプターへの結合性を検
出する。
ターと結合している被検物質と、未結合のものとを、両
者の拡散時間の差を指標として別々に検出できるため、
未反応の標識被検物質を反応液中から分離・除去する工
程は必要なく、したがってレセプターあるいは被検物質
を固相化する必要もない。また既知のリガンドを競合物
として添加する必要もない。さらにFCSによる計測で
は、数十μLの反応液しか必要とせず、また反応溶液中
の蛍光標識分子の拡散時間は数秒で計測可能であり、ハ
イスループットな検出系としての要件をある程度満たす
優れた手法であるといえる。
とが不可欠な要件となっている。ここで、多種類の被検
物質をスクリーニングする場合、分子構造に影響を与え
ずに、それら全ての被検物質につき蛍光標識することは
非常な困難とコストがかかると予想される。これらの手
間を考えると、この手法もハイスループットスクリーニ
ングに適用するには重大な難点があるといえる。さらに
競合反応を用いないことから、被検物質が凝集等の分子
量の変化を伴う非特異的反応を起こした場合、レセプタ
ー・被検物質間の結合反応がおこったのか、非特異的な
凝集反応がおこったのか区別が困難である。このこと
は、被検物質のレセプターに対する結合能の有無を特異
的に検出するという要件を充分に満たせないこととな
る。
生細胞を使用するような手法、すなわちリガンド受容に
ともなうレセプター同士の2量体化を発光によって検出
する酵母 two-hybrid 法、さらに、特に核内レセプター
に関して、レセプター・リガンド反応の最後の部分、す
なわち2量体が特定のDNA配列に結合し誘導される遺
伝子発現を発光により検出する、酵母または培養細胞を
用いたレポーターアッセイ等が知られている。しかし、
いずれも酵母、培養細胞等の生物を材料とするため、コ
ストと手間がかかりハイスループットスクリーニングに
は不向きである。
質がリガンドとなり得るか否かをハイスループットに検
出するためのスクリーニング手法としては、上記したよ
うな要件を充分満たしていないのが現状である。
明は、被検物質のレセプターへの結合親和性を検出する
方法であって、ハイスループット検出に適した方法を提
供することを目的とする。なお本明細書において、「ハ
イスループット検出」とは、多数の同一または異なる被
検物質に由来する反応の有無または量の決定を短時間に
行うことをいう。また、「ハイスループットスクリーニ
ング」とは、「ハイスループット検出」の実行によって
特定の被検物質による反応が有った場合または或る一定
量以上の反応量が得られた場合を、そうでない場合を含
む多数の結果から短時間に選別することをいう。
リーニングに必要な要件、すなわち、 ・被検物質のレセプターに対する結合能の有無を、特異
的に検出できること ・多種類の被検物質について、容易に検査できること 検出までの過程でアッセイ系に添加した物質の分離(い
わゆるB/F分離)・洗浄等の煩雑な操作を必要としない
こと ・検出に必要とされる時間が短時間であること ・アッセイ系に用いる試薬等は容易に入手・操作でき、
コストもなるべく安価であること ・さらに、特に創薬の分野では、被検物質が製造・合成
過程で極少量しか得られないことも多く、そのような極
少量の物質についても、充分にアッセイ可能であること を満たしながら、被検物質のレセプター結合性を、迅
速、高感度に検出可能なスクリーニング手法を提供する
ことを目的とする。
ていた競合反応を敢えて採用し、鋭意検討の結果、競合
反応を適切な反応方法と測定方法と組み合わせることに
よって、上述の問題を克服できるという立証が出来たこ
とに基づくものである。すなわち、本発明は、上記課題
を解決するため以下の手段を採用する。
方法であって、被検物質と、該被検物質が特異結合する
ことが推測される結合対物質と、該結合対物質と特異結
合し得ることが既知の標識された競合物質とを、予め前
記競合物質が前記結合対物質と結合した状態において前
記被検物質を反応させることにより、競合的に反応させ
る工程と、前記競合反応の有無および/または量を、前
記競合物質に標識した標識物質の溶液中での状態変化に
基づいて評価する工程とを具備することを特徴とする方
法。
方法であって、被検物質が特異結合することが推測され
る結合対物質の既知量と、該結合対物質と特異結合し得
ることが既知の標識された競合物質の既知量とを結合反
応させる工程と、前記結合反応後の、前記競合物質に標
識した標識物質の溶液中での状態を測定する工程と、前
記反応後の溶液中で、被検物質を競合的に反応させる工
程と、前記競合反応後の、前記競合物質に標識した標識
物質の溶液中での状態を測定する工程と、前記競合反応
の有無および/または量を、前記競合物質に標識した標
識物質の溶液中での状態変化に基づいて評価する工程と
を具備することを特徴とする方法。
学的な結合親和性を検出する方法であって、前記評価工
程が、結合対物質と複合体を形成した結合型標識競合物
質と、複合体を形成していない遊離型標識競合物質との
存在比の変化に基づいて評価する工程であることを特徴
とする方法。
和性を検出する方法であって、所定の反応後の溶液中に
おける、結合対物質と複合体を形成した結合型標識競合
物質と、複合体を形成していない遊離型標識競合物質と
の存在比を、前記両タイプの競合物質の拡散時間の差異
を指標として、前記両タイプの競合物質が共存する該所
定の反応後の溶液中で、計測することを特徴とする方
法。
和性を検出する方法であって、所定の反応後の溶液中に
おける、結合対物質と複合体を形成した結合型標識競合
物質と、複合体を形成していない遊離型標識競合物質と
の存在比を、自己相関関数により算出することを特徴と
する方法。
の生物学的な結合親和性を検出する方法であって、前記
競合物質が、リガンド、抗体、抗原、核酸、酵素、アレ
ルゲン、およびタンパク質から成る群より選択されるこ
とを特徴とする方法。
の生物学的な結合親和性を検出する方法であって、前記
結合対物質が、核内レセプターまたは膜レセプターであ
って、前記競合物質が、該結合対物質と特異結合し得る
ことが既知の標識されたリガンドであることを特徴とす
る方法。
検出する方法は、被検物質と、該被検物質が特異結合す
ることが推測される結合対物質と、該結合対物質と特異
結合し得ることが既知の標識された競合物質とを、予め
前記競合物質が前記結合対物質と結合した状態において
前記被検物質を反応させることにより、競合的に反応さ
せる工程と、前記競合反応の有無および/または量を、
前記競合物質に標識した標識物質の溶液中での状態変化
に基づいて評価する工程とを具備することを特徴とす
る。
ド反応を適用した場合を例にして詳細に説明する。しか
し、本発明は以下の説明に限定されることなく、適用し
得る被検物質の種類に応じて当業者の技術知識でもって
適切に変更することが可能である。すなわち、本発明の
方法は、抗原抗体反応、核酸のハイブリダイゼーション
反応等、任意の生物学的な結合反応に適用することがで
き、前記競合物質として、リガンド、抗体、抗原、核
酸、酵素、アレルゲン、またはタンパク質等を使用する
ことができる。
物質との結合親和性を検出する方法は、レセプターと該
レセプターに対する既知のリガンドとが結合可能な所定
の溶液中で、レセプターに対して、該レセプターに対す
る既知の蛍光標識リガンドおよび被検物質を競合的に反
応させる第一の工程と、前記反応後の溶液中における、
レセプターと複合体を形成した結合型蛍光標識リガンド
と、複合体を形成していない遊離型蛍光標識リガンドの
存在比を計測し、これを指標として被検物質のレセプタ
ーに対する結合親和性を評価する第二の工程とを具備す
ることを特徴とする。
ンドと被検物質との競合反応を利用するものである。競
合反応後の溶液中において、既知の標識リガンドは、レ
セプターと複合体を形成した状態または複合体を形成し
ていない状態の何れかの状態で存在するため、第二の工
程は、各状態の存在比を指標として、レセプターに対す
る被検物質の結合親和性を評価するものである。
ター、被検物質、およびレセプターに対する既知のリガ
ンドについて説明する。
とは、任意のレセプターを意味し、生体内でリガンドを
受容し、その受容シグナルにより生体内の種々の応答反
応を引き起こすものであれば特に限定されない。
として、細胞核内に存在する核内レセプター、および細
胞膜上に存在する膜レセプターが挙げられる。核内レセ
プターには、エストロゲンレセプター(ER)をはじめ、
プロゲステロンレセプター(PR)、甲状腺ホルモンレセ
プター(TR)、グルココルチコイドレセプター(GR)などが
含まれる。膜レセプターには、アセチルコリンレセプタ
ー等のいわゆるイオンチャンネルレセプター、上皮増殖
因子レセプター(以下、EGFレセプターという)等の
酵素内在型レセプターや、サイトカインレセプター、腫
瘍壊死因子レセプター(TNFレセプター)などの酵素
共役型レセプター、アドレナリンレセプターなどのG蛋
白共役型レセプターなどが含まれる。
は、上記レセプターに結合し、生体内の応答反応を引き
起こすことが疑われる如何なる化学物質、ペプチド等を
も使用することができる。
発明において、レセプターに対する既知のリガンドと
は、レセプターに結合することが知られているリガンド
を意味し、好ましくは、レセプターが本来受容するリガ
ンドである。例えば、レセプターとしてEGFレセプタ
ーを使用した場合、該レセプターに対する既知のリガン
ドとして、上皮増殖因子(EGF)を使用することがで
きる。あるいは、EGFレセプターに結合することが知
られているトランスフォーミング増殖因子α(TGF−
α)等のEGFファミリーを使用することもできる。
しては、光学的に追跡出来る信号を発するものであれば
任意であるが、好ましくは定量し得る安定な信号を発生
する各種色素が好ましく、特に、微小物質の存在を個別
に測定し得る蛍光色素が好ましい。既知リガンドを標識
する物質として、好ましくは、検出可能な蛍光を発する
任意の蛍光物質を使用することができる。例えば、既知
リガンドを標識する蛍光物質として、フルオレセインイ
ソチオシアネート(FITC)、ローダミン、TAMRA、Cy3
(アマシャム ファルマシア社)、Cy5(アマシャム フ
ァルマシア社)等、さまざまな蛍光色素を用いることが
可能である。リガンドの蛍光標識は、既知の手法により
行うことができる。
セプターに対して、該レセプターに対する既知の蛍光標
識リガンドと被検物質とを競合的に反応させる第一の工
程について説明する。
対する既知のリガンドとが結合可能な所定の溶液中で行
われる。「レセプターと該レセプターに対する既知のリ
ガンドとが結合可能な所定の溶液」とは、レセプターと
既知リガンドとが結合可能な溶液であれば特に限定され
ず、例えば、20mM リン酸あるいは50mM HEP
ESバッファー等を使用することができる。
該レセプターに対する既知の蛍光標識リガンド、および
被検物質を、所定の条件下で維持することにより、レセ
プターに対して、既知の蛍光標識リガンドと被検物質と
の競合反応が起こる。ここで所定の条件(温度、pH、
反応時間等)は、レセプターの種類等に応じて適宜設定
することができる。また、反応溶液中に添加する蛍光標
識リガンド量は、最終濃度 0.1nM〜100nM程度にな
る量がよく、さらに好ましくは、1〜数10nM程度が
よい。また、添加するレセプター量は、前述の所定の溶
液中でレセプターと該レセプターに対する既知の蛍光標
識リガンドとを結合反応させた際に、該溶液中の全レセ
プターの少なくとも約50%が、蛍光標識リガンドと結
合している状態を作り出すことが可能な量であることが
好ましい。
レセプターに対する既知の蛍光標識リガンド、および被
検物質は、それぞれ所定の溶液中に適切な濃度にて維持
されるが、一般に、レセプターは、10-11〜10-9
M、該レセプターに対する既知の蛍光標識リガンドは、
10-10〜10-7 M(0.1〜100nM)、被検物質は、数
nM〜数百nMの濃度にて維持される。
応が起こる。
得ない場合、被検物質はレセプターと反応せず、既知の
蛍光標識リガンドのみがレセプターと反応する。そのた
め、レセプターと複合体を形成した蛍光標識リガンド
(以下、結合型蛍光標識リガンドという)と、レセプタ
ーと複合体を形成していない蛍光標識リガンド(以下、
遊離型蛍光標識リガンドという)とが平衡状態で存在す
ることとなる。
となり得る場合、被検物質と蛍光標識リガンドの両方が
レセプターと反応し複合体を形成する。そのため、被検
物質と蛍光標識リガンドとの競合反応が起こり、被検物
質がリガンドとなり得ない場合と比べて、蛍光標識リガ
ンドは、結合型蛍光標識リガンドの形で存在する比率が
減少し、遊離型蛍光標識リガンドの存在比率が増加する
こととなる。
予め、レセプターと既知の蛍光標識リガンドとを、所定
の溶液中、所定の条件下で一定時間維持して反応させ、
その後、被検物質を加えて競合的に反応させることによ
り行う。各反応を行う溶液、条件については、上述のと
おりである。
ンドとを予め反応させる時間は、レセプターと既知の蛍
光標識リガンドとが結合した状態を作り出すのに充分な
時間、すなわち、レセプターと既知の蛍光標識リガンド
との結合・解離反応が平衡状態に達した状態を作り出す
のに充分な時間であることが望ましい。
ガンドとの結合・解離反応が平衡状態に達した状態」と
は、レセプターと複合体を形成した蛍光標識リガンド
(結合型蛍光標識リガンド)と、レセプターと複合体を
形成していない蛍光標識リガンド(遊離型蛍光標識リガ
ンド)とが平衡状態で存在する状態をいう。
ンドとを予め反応させる時間は、30分〜数時間であ
り、被検物質を加えて競合的に反応させる時間は、30
分〜数時間である。
のリガンドとなり得る場合、被検物質の添加後に、既知
の蛍光標識リガンドとの競合反応がおこる。そのため、
既知の蛍光標識リガンドのレセプターからの遊離がおこ
り、被検物質添加の前後で、溶液中の結合型蛍光標識リ
ガンドの比率が減少し、遊離型蛍光標識リガンドの存在
比率が増加することになる。
となり得ない場合、被検物質を加えて既知の蛍光標識リ
ガンドと競合させても、被検物質は反応液中に含まれる
レセプターと反応せず、なんの競合反応もおこらない。
そのため、被検物質添加の前後で、溶液中の結合型蛍光
標識リガンドと、遊離型蛍光標識リガンドそれぞれの存
在比率は変化しないことになる。
標識リガンドとを反応させて、レセプターと蛍光標識リ
ガンドとの結合・解離反応が平衡状態に達した状態をつ
くっておくことは、レセプターに対する被検物質の結合
親和性を検出する上で好ましい。ただし、予めレセプタ
ーと既知の標識リガンドとを結合させ、被検物質の競合
作用により、レセプター・リガンド複合体からリガンド
を遊離させて、被検物質の結合親和性を検出する場合、
被検物質添加の前後で、結合型蛍光標識リガンドと遊離
型蛍光標識リガンドの存在比率をそれぞれ計測する必要
がある。
載されるとおり、EGFレセプター膜分画の65μg/
mL溶液に、既知の蛍光標識リガンド(ローダミン標識
EGF)を50ng/mL(7.35nM)になるよう
に添加し、室温で30分間インキュベートした後、被検
物質(非蛍光標識EGF)を0〜200ng/mLにな
るように添加し、さらに室温で30分間インキュベート
することにより行うことができる。
液に反応成分のセットを浮遊状態で含んでなる反応液
を、適宜の液体保持手段、例えば、試験管、ウエル、キ
ュベット、溝、管、平板、多孔体等に保持することがで
きる。ここで、液体保持手段の形状、材質、サイズ等
は、分注、攪拌、インキュベート、測定、搬送等の各種
検出ステップの一部または全てを迅速に行うように選択
するのが好ましい。例えば、FCSによる測定は、光学
的な焦点レベルの極微小な領域を測定場所とするので、
非常に小型の液体収容手段で有り得る。特に、光学的測
定による検出においては、測定用の光ビームがなるべく
反応成分と直接的に関係するように、液体保持手段は、
測定ビームが入射および/または出射するための開口部
を有するのが好ましい。
で、前記競合反応後の溶液中における、結合型蛍光標識
リガンドと遊離型蛍光標識リガンドの存在比を計測し、
これを指標として被検物質のレセプターに対する結合親
和性を評価する第二の工程について説明する。
ンドと未結合の遊離型蛍光標識リガンドの存在比は、好
ましくはその分子量の差に基づいて、任意の方法で計測
することが可能である。本発明においては、結合型蛍光
標識リガンドと遊離型蛍光標識リガンドの存在比を、そ
の分子量の差に基づく拡散時間の差を利用し、FCS
(Fluorescence correlation spectroscopy)の手段を
用いて計測することが好ましい。
リガンドを、このように分子量の差に基づいて計測した
場合、両タイプのリガンドを、それぞれ反応溶液中の構
成成分から分離しなくても、別々に検出可能である。即
ち、結合型蛍光標識リガンドと遊離型蛍光標識リガンド
の両者が共存する反応後の溶液を用いて、両者を分離す
る工程を経なくても別々に検出することができる。
光標識リガンドと遊離型蛍光標識リガンドが、その分子
量の差に基づく拡散時間の差により、FCSで別々に検
出されたことが示されている。
用いて計測した場合を説明する。ただし本発明が、以下
の方法に限定されないことはいうまでもない。
光標識リガンドとを反応させ、その後、被検物質を加え
て競合的に反応させることにより行う。その競合反応後
の溶液中における、結合型蛍光標識リガンドと遊離型蛍
光標識リガンドの存在比を、以下のとおりFCSを用い
て計測する。
既知量の「該レセプターに対する既知の蛍光標識リガ
ンド」とを、溶液中で充分時間(例えば、1時間)イン
キュベートし反応させ、「標的レセプター」と「蛍
光標識リガンド」の結合・解離反応が平衡状態に達した
状態の溶液を作製する。
リガンド」および「遊離型蛍光標識リガンド」それぞ
れの拡散時間、および存在比をFCSにて予め計測して
おく。
を添加し、一定時間(例えば、1時間)インキュベート
して競合的に反応させる。ここで、もし被検物質が、標
的レセプターに対し結合親和性をもつリガンドとして作
用するものであれば、反応溶液中には、競合反応によ
り、レセプターとの複合体から遊離してきた「遊離型
蛍光標識リガンド」の存在割合が増加するはずである。
いた「結合型蛍光標識リガンド」および「遊離型蛍
光標識リガンド」それぞれの拡散時間を固定値として設
定してFCS計測を実施し自己相関関数を設定すれば、
反応溶液中の「結合型蛍光標識リガンド」および「
遊離型蛍光標識リガンド」それぞれの存在割合を算出で
き、競合反応によりどの程度の蛍光標識リガンドが遊離
してきたかを検出することが可能となる。ここで、あら
かじめ反応溶液に添加した「標的レセプター」および
「蛍光標識リガンド」の量は、既知一定量であるか
ら、競合反応により遊離してきた蛍光標識リガンド量を
計測することで、被検物質の該レセプターへの結合親和
性の強度を評価することができる。
ー」に対し、既知量の「該レセプターに対する既知の
蛍光標識リガンド」と「被検物質」とを溶液中で競合
的に反応させ、競合反応前後での、溶液中に存在する
「結合型蛍光標識リガンド」および「遊離型蛍光標
識リガンド」の存在比の変化を指標として被検物質・レ
セプター間の結合を検出し、標的リガンドに対する被検
物質の結合親和性を評価するものである。この方法によ
れば、競合反応を利用しているため、被検物質のレセプ
ターに対する結合能の有無および結合親和性を特異的に
検出することができる。
は、競合反応により溶液中に遊離してきた既知の蛍光標
識リガンドの存在割合を計測することにより検出可能な
ため、従来例 特表平11-502608で必要とされた、手間
およびコストのかかる被検物質の蛍光標識を行う必要は
ない。さらに、「結合型蛍光標識リガンド」および
「遊離型蛍光標識リガンド」は、あらかじめ計測して
おいたそれぞれの拡散時間を指標として、同一溶液中で
区別して計測可能であるため、計測前の煩雑な分離・洗
浄工程を特に必要とせず、また、レセプター分子を基盤
上に固相化する必要もない。
ば、拡散時間の計測は、数秒から数十秒で充分である。
また、必要とされる反応溶液も数十マイクロリットルで
充分である。従って、多種類の被検物質について、それ
が微量であっても迅速かつ高感度にアッセイできるとい
う利点を有する。
液中での「結合型蛍光標識リガンド」および「遊離
型蛍光標識リガンド」の存在の割合の変化を、被検物質
を添加した直後から経時的に測定することが可能であ
り、割合の変化の速さから、被検物質のレセプターに対
する親和性(解離定数KDあるいは結合定数KA)だけでな
く、反応速度論的パラメータ(結合速度定数ka、解離速
度定数kd)の情報も得ることが可能で、より詳細な結合
親和性の評価が可能である。さらには、すべての計測を
反応溶液中で反応をおこさせながら実施可能であること
から、たとえばpH、あるいは温度等の反応条件を反応途
中で変化させ、それにともなう結合の変化も、同一サン
プルで計測可能である。
れることなく、種々の変更が可能である。例えば、上述
した例では、測定方法としてFCSを利用した場合につ
いて説明したが、被検物質と競合的に結合反応し得る標
識された既知の競合物質(例えばリガンド)の結合状態
を、競合物質が溶液中に遊離しているか、結合対物質
(例えばレセプター)と複合体を形成しているかによっ
て、異なる状態の変化として、標識物質からの信号に基
づき識別し得るような各種測定手段、例えば画像解析
法、FIDA(Fluorescence Intensity Distribution
Analysis)、FIMDA(Fluorescence Intensity Mul
tiple Distribution Analysis)等によっても測定でき
る。
する利点としては、溶液を移動させる必要がないので、
時間変化を容易に評価できる点が挙げられ、場合によっ
ては、更に同一または異なる生物学的反応を追加したり
繰り返すことができるので、多様な反応結果を評価でき
る点で好ましい。
物質を任意の割合で結合対物質と結合した状態で、親和
性の検出を正確に行うことができるので、簡単な操作で
信頼性の高い検出結果が得られる。
した状態でも一定の手順で所望の評価を行えるので、大
量数を高速に実行できるとともに、自動化にも適してい
る。
いるレセプターや膜内に不動化しているレセプターにつ
いて説明したが、被検物質によって結合対物質を溶液中
に浮遊または不動化させた状態で使用してもよく、場合
によっては反応容器や人工微粒子等の固相支持体に対し
て結合対物質を固定したものを用いてもよい。
型蛍光標識既知リガンド分子の同一溶液中での拡散時間
の計測]レセプターとしてEGFレセプター膜分画(パ
ーキンエルマー社 ヒト由来A431細胞調整品)を65μg/
mLに調製し、このレセプター溶液に既知リガンドとして
rhodamin標識EGF(モレキュラープローブス(Molecul
ar Probes)社、Cat# E-3481)を約50nMになるよう添加
し室温でインキュベートした。このサンプル溶液50μL
につき、FCS装置により拡散時間の計測を実施した。
その結果を図1に示す。レセプター結合型蛍光標識EG
Fと非結合型(遊離型)EGFは、異なる拡散時間をも
ち、同一溶液中で明確に区別可能であった。
EGF)との競合反応による、EGFレセプターへの被
検物質の結合親和性の測定]つぎに、実施例1の溶液
に、被検物質のモデルとして、非蛍光標識のEGF(Pr
omega社、Cat# G5021)を添加してインキュベートし、
競合的に反応させた後、溶液中のレセプター結合型蛍光
標識リガンド、および遊離型蛍光標識リガンドの存在の
割合の変化をFCSにて計測した。サンプル溶液の調製
では、まずEGFレセプター膜分画65μg/mL溶液に対
し、蛍光標識リガンドとしてrhodamin標識EGFを最終
濃度50ng/mL(7.35nM)になるよう添加し、室温で30分
インキュベートし結合させた。次にこの溶液に、被検物
質として、非蛍光標識EGFを0〜200ng/mLの濃度範囲
で添加し、さらに室温で30分インキュベートして競合反
応させた。これらのサンプル溶液50μLにつきFCSに
よる計測を実施し、同一溶液中でレセプター結合型およ
び非結合(遊離)型蛍光標識リガンドの存在割合を計測
した。結果を図2および図3に示す。被検物質のモデル
とした非蛍光標識EGFの添加量の増加に伴い、結合型
リガンド分子の減少と、非結合(遊離)型リガンド分子
の増加が観察され、非検物質として添加したEGFが、
確かにEGFレセプターに結合能をもつことを明らかに
検出できた。
被検物質との競合反応を利用しているため、被検物質の
レセプターに対する結合能の有無を特異的に検出するこ
とができる。また、被検物質のレセプターに対する結合
親和性についても、「結合型蛍光標識リガンド」および
「遊離型蛍光標識リガンド」の存在比を計測することに
より評価することができる。
の検出系であるため、簡便であり、ハイスループット検
出に適している。
識リガンド」と「遊離型蛍光標識リガンド」を、好まし
くはその分子量の差に基づいて、両タイプのリガンドが
共存する溶液を用いて検出することが可能である。その
ため、両タイプのリガンドを分離したり、アッセイ系に
添加した物質を分離・洗浄したりする必要がなく、反応
溶液をそのまま計測用溶液とすることができる。よっ
て、煩雑な分離・洗浄の工程を特に必要としない。また
本発明は、レセプターを固相化する必要もなく、多種類
の被検物質を逐一標識する必要もないという利点を有す
る。
び「遊離型蛍光標識リガンド」の存在比を、分子量の差
に基づく拡散時間の差によりFCSで計測すれば、計測
時間は数秒から数十秒で充分であり、必要とされる反応
溶液も数十マイクロリットルで充分である。そのため、
多種類の被検物質について、それが微量であっても迅速
かつ高感度にアッセイを行うことが可能であり、本発明
の効果は、より顕著なものとなる。
ループットスクリーニングに必要な要件を満たすもので
あり、微量かつ多種類の被検物質につき、レセプターへ
の結合親和性を、迅速、高感度かつ特異的に検出するこ
とが可能である。
遊離型蛍光標識リガンドのそれぞれの拡散時間を同一溶
液中で計測した結果を示す図。
量の増加に対して、EGFレセプター結合型蛍光標識リ
ガンドと遊離型蛍光標識リガンドの存在比が変化する様
子を示す図。
量の増加に対して、EGFレセプター結合型蛍光標識リ
ガンドの比率が減少する様子を示す図。
Claims (7)
- 【請求項1】 生物学的な結合親和性を検出する方法で
あって、 被検物質と、該被検物質が特異結合することが推測され
る結合対物質と、該結合対物質と特異結合し得ることが
既知の標識された競合物質とを、予め前記競合物質が前
記結合対物質と結合した状態において前記被検物質を反
応させることにより、競合的に反応させる工程と、 前記競合反応の有無および/または量を、前記競合物質
に標識した標識物質の溶液中での状態変化に基づいて評
価する工程とを具備することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 生物学的な結合親和性を検出する方法で
あって、 被検物質が特異結合することが推測される結合対物質の
既知量と、該結合対物質と特異結合し得ることが既知の
標識された競合物質の既知量とを結合反応させる工程
と、 前記結合反応後の、前記競合物質に標識した標識物質の
溶液中での状態を測定する工程と、 前記反応後の溶液中で、被検物質を競合的に反応させる
工程と、 前記競合反応後の、前記競合物質に標識した標識物質の
溶液中での状態を測定する工程と、 前記競合反応の有無および/または量を、前記競合物質
に標識した標識物質の溶液中での状態変化に基づいて評
価する工程とを具備することを特徴とする方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の生物学的な結
合親和性を検出する方法であって、 前記評価工程が、結合対物質と複合体を形成した結合型
標識競合物質と、複合体を形成していない遊離型標識競
合物質との存在比の変化に基づいて評価する工程である
ことを特徴とする方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の生物学的な結合親和性
を検出する方法であって、 所定の反応後の溶液中における、結合対物質と複合体を
形成した結合型標識競合物質と、複合体を形成していな
い遊離型標識競合物質との存在比を、前記両タイプの競
合物質の拡散時間の差異を指標として、前記両タイプの
競合物質が共存する該所定の反応後の溶液中で、計測す
ることを特徴とする方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の生物学的な結合親和性
を検出する方法であって、 所定の反応後の溶液中における、結合対物質と複合体を
形成した結合型標識競合物質と、複合体を形成していな
い遊離型標識競合物質との存在比を、自己相関関数によ
り算出することを特徴とする方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載の生物
学的な結合親和性を検出する方法であって、 前記競合物質が、リガンド、抗体、抗原、核酸、酵素、
アレルゲン、およびタンパク質から成る群より選択され
ることを特徴とする方法。 - 【請求項7】 請求項1〜5の何れか1項に記載の生物
学的な結合親和性を検出する方法であって、 前記結合対物質が、核内レセプターまたは膜レセプター
であって、前記競合物質が、該結合対物質と特異結合し
得ることが既知の標識されたリガンドであることを特徴
とする方法。
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