JP2003176294A - 6配位ルテニウムまたはオスミウム金属カルベンメタセシス触媒 - Google Patents

6配位ルテニウムまたはオスミウム金属カルベンメタセシス触媒

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JP2003176294A JP2001382281A JP2001382281A JP2003176294A JP 2003176294 A JP2003176294 A JP 2003176294A JP 2001382281 A JP2001382281 A JP 2001382281A JP 2001382281 A JP2001382281 A JP 2001382281A JP 2003176294 A JP2003176294 A JP 2003176294A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規な6配位メタセシス触媒ならびにその調製
方法およびその使用方法を提供する。 【解決手段】本発明の触媒は、下記式のものである。 ここで、Mはルテニウムまたはオスミウムであり、X、
1は、同一または異なっており、それぞれ独立してア
ニオン配位子であり、L、L1およびL2は同一であるか
または異なっており、それぞれ独立して任意の中性電子
供与体配位子であり、少なくとも1つのL、L1'、L2
がN−複素環カルベン配位子であり、RおよびR1は同
一であるか、または異なっており、それぞれ独立して水
素であるか、またはC1〜C20の各種置換基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】メタセシス触媒は、例えば米国特許第5
312940号、同第5342909号、同第5728
917号、同第5750815号、同第5710298
号および同第5831108号ならびにPCT公開公報
第WO97/20865号および同第WO97/291
35号にすでに記載されている(これらはいずれも、本
明細書に援用される)。これらの刊行物は、いくつかの
有利な特性を有する明瞭な単一の成分であるルテニウム
触媒またはオスミウム触媒について記載している。例え
ばこれらの触媒は、各種官能基に対して耐容性であり、
従来知られているメタセシス触媒より活性が高い。最
近、米国特許出願第09/539840号、同第09/
576370号およびPCT公開公報第WO99/51
344号(これらの各内容は本明細書に援用される)に
記載のようなイミダゾリジンまたはトリアゾリジン配位
子などのN−複素環カルベン(NHC)配位子を金属−
カルベン錯体に組み込むことで、これら触媒のすでに有
利な特性を改善することが認められている。予想外かつ
驚くべき結果として、すでに確立されている5配位触媒
構造から6配位触媒構造に構造を変えることで、触媒の
特性が大幅に構造することが認められている。例えば、
本発明のこれらの6配位触媒によって、閉環メタセシス
(「RCM」)反応だけでなく、クロスメタセシス
(「CM」)反応、非環式オレフィン類の反応および開
環メタセシス重合(「ROMP」)反応などの他のメタ
セシス反応においても、活性および選択性が高くなっ
た。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明は、新規な6配位
メタセシス触媒ならびにその調製方法およびその使用方
法に関する。本発明の触媒は、下記式のものである。
【化15】 式中、Mはルテニウムまたはオスミウムであり;Xおよ
びX1は同一であるか、または異なっており、それぞれ
独立してアニオン配位子であり;L、L1′およびL2
同一であるか、または異なっており、それぞれ独立して
任意の中性電子供与体配位子であり;1つ以上のL、L
1′およびL2がN−複素環カルベン配位子であり;か
つ、RおよびR1はそれぞれ独立して水素またはC1〜C
20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニ
ル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20
ルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキ
シカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C 1〜C20アル
キルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニル
のうちから選択される置換基である。任意に、Rまたは
1置換基はそれぞれ、C1〜C10アルキル、C1〜C10
アルコキシおよびアリールのうちから選択される1つ以
上の部分で置換されていてもよく、それらの各部分はさ
らに、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキ
シおよびフェニルから選択される1つ以上の基で置換さ
れていてもよい。さらに、いずれの触媒配位子も、1つ
以上の官能基を有し得る。好適な官能基の例としては、
水酸基、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒ
ド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニ
トロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソ
シアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カー
バメートおよびハロゲンなどがあるが、これらに限定さ
れるものではない。好ましい実施態様において、L2
よびL1′はピリジンであり、LはホスフィンまたはN
−複素環カルベン配位子である。N−複素環カルベン配
位子の例としては以下のものなどがある。
【化16】 式中、R、R1、R6、R7、R8、R9、R10およびR11
はそれぞれ独立して、水素またはC1〜C20アルキル、
2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリー
ル、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキ
シ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニル
オキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボ
ニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスル
ホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルのうちか
ら選択される置換基である。任意に、R、R 1、R6、R
7、R8、R9、R10およびR11の各置換基は、C1〜C10
アルキル、C 1〜C10アルコキシおよびアリールからな
る1つ以上の部分で置換されていてもよく、それらの各
部分はさらに、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5
アルコキシおよびフェニルから選択される1つ以上の基
で置換されていてもよい。さらに、いずれの触媒配位子
もさらに、1つ以上の官能基を有し得る。好適な官能基
の例としては、水酸基、チオール、チオエーテル、ケト
ン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミ
ン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カー
ボネート、イソシアネート、カルボジイミド、カルボア
ルコキシ、カーバメートおよびハロゲンなどがあるが、
これらに限定されるものではない。上記6配位ルテニウ
ムまたはオスミウム触媒にNHC配位子を組み込むこと
で、これら錯体の特性が大幅に向上することが認められ
ている。このNHCに基づく6配位錯体は極めて活性が
高いことから、必要な触媒量は大幅に低減される。
【発明の実施の形態】本発明は概して、オレフィンメタ
セシス反応で使用されるルテニウムおよびオスミウムカ
ルベン触媒に関する。より詳細には本発明は、6配位ル
テニウムおよびオスミウムカルベン触媒ならびにその調
製方法および使用方法に関するものである。本明細書に
おいて「触媒」および「錯体」という用語は互換的に使
用される。
【0003】未修飾のルテニウムおよびオスミウムカル
ベン錯体は、米国特許第5312940号、同第534
2909号、同第5728917号、同第575081
5号および同第5710298号に記載されており、そ
れらはいずれも本明細書に援用される。これらの特許に
開示されているルテニウムおよびオスミウムカルベン錯
体はいずれも、形の上では+2酸化状態の金属中心を有
し、電子数が16であり、5配位である。これらの触媒
は下記一般式のものである。
【化17】 式中、Mはルテニウムまたはオスミウムであり、Xおよ
びX1はそれぞれ独立してアニオン配位子であり、Lお
よびL1はそれぞれ独立して任意の中性電子供与体配位
子であり、RおよびR1同一であるか、または異なって
おり、それぞれ独立して水素またはC1〜C20アルキ
ル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリ
ール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキ
シ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニル
オキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボ
ニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスル
ホニルおよびC1〜C2 0アルキルスルフィニルのうちか
ら選択される置換基である。任意に、RまたはR1の各
置換基は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシお
よびアリールのうちから選択される1つ以上の部分によ
って置換されていてもよく、それらの各部分はまた、ハ
ロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよび
フェニルから選択される1つ以上の基によって置換され
ていてもよい。さらに、いずれの触媒配位子もさらに、
1つ以上の官能基を有し得る。好適な官能基の例として
は、水酸基、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデ
ヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、
ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イ
ソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カ
ーバメートおよびハロゲンなどがあるが、これらの限定
されるものではない。
【0004】本発明の触媒は、それがRuまたはOs錯
体であるという点で同様である。しかしながら、これら
の錯体では、金属は形式上+2酸化状態であり、電子数
が18であって、6配位である。その触媒は以下の一般
式を有する。
【化18】 式中、Mはルテニウムまたはオスミウムであり、Xおよ
びX1同一であるか、または異なっており、それぞれ独
立してアニオン配位子であり、L、L1′およびL2は同
一であるか、または異なっており、それぞれ独立して任
意の中性電子供与体配位子であり、RおよびR1は同一
であるか、または異なっており、それぞれ独立して水素
またはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2
〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレ
ート、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキ
シ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2
〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチ
オ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アル
キルスルフィニルのうちから選択される置換基である。
任意に、RまたはR1の各置換基はC1〜C10アルキル、
1〜C10アルコキシおよびアリールのうちから選択さ
れる1つ以上の部分で置換されていてもよく;その各部
分はさらにハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アル
コキシおよびフェニルから選択される1つ以上の基で置
換されていてもよい。さらに、いずれの触媒配位子も、
1つ以上の官能基を有し得る。好適な官能基の例として
は、水酸基、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデ
ヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、
ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イ
ソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カ
ーバメートおよびハロゲンなどがあるが、これらに限定
されるものではない。
【0005】6配位錯体は、公知の5配位錯体に勝るい
くつかの長所を提供する。例えば6配位錯体は、配位的
に飽和していることから、固体状態での空気安定性が相
対的に高い。ピリジン類などの別の配位子は反応活性で
あることから、これらの錯体はホスフィン系の5配位化
学種より早く開始する。開始が遅いということは、実際
にはごく少量の錯体しか触媒的に活性ではないため、加
えた錯体の多くが浪費されることを意味している。相対
的に早い開始剤を用いると、触媒投入が低減される。さ
らに、理論に拘束されるものではないが、ホスフィン類
に関して反応活性な配位子の再結合による6配位錯体の
成長(propogation)が遅くなるということ
が多分散性につながるものと考えられる。さらに、配位
的に飽和した化学種は5配位体より良好に結晶化する。
さらに、6配位錯体における配位子(例:ピリジンおよ
び塩素)の反応活性により、その錯体では従来はでは得
られなかった錯体を得ることができ、種々の経路によっ
て得ることができる比較的純度の高いある種の錯体が得
られる。例えば、ホスフィン配位子としてトリフェニル
ホスフィンを有する5配位ベンジリデンは、6配位錯体
を用いて、より高収率およびより高純度で得ることがで
きる。ホスフィン配位子としてP(p−CF 3643
を有する5配位ベンジリデンは、既存の経路では得られ
ない。理論に拘束されるものではないが、それは、より
弱い供与体配位子でより強い供与体配位子を置換する必
要があるためであると考えられる。6配位錯体のアニオ
ン配位子の置換は、相当する5配位化学種(例:ホスフ
ィン結合したもの)よりかなり速度が大きい。理論に拘
束されるものではないが、これは、アニオン配位子置換
に先だって、配位子解離が必要であるために生じるもの
と考えられる。そこで、中性電子供与体配位子の解離が
迅速である錯体は、より急速な置換を受ける。
【0006】本発明の触媒は、開環メタセシス重合(R
OMP)、閉環メタセシス(RCM)、ADMETおよ
びクロスメタセシスにおいても有用である。これらメタ
セシス反応を介するオレフィンの合成および重合につい
ては、例えば、2001年6月25日出願の「官能化お
よび非官能化オレフィンの合成(Synthesiso
f Functionalized and Unfu
nctionalized Olefins)」と題さ
れた米国特許出願09/891144号および米国特許
出願09/491800号(これら各出願の内容は本明
細書に援用される)に記載されている。本発明の触媒の
好ましい実施態様は、以下の一般式に示したように、金
属中心に結合した1つ以上のNHC配位子を有する。
【化19】 本発明の触媒の好ましい実施態様では、R置換基は水素
であり;R1置換基は、C1〜C20アルキル、C2〜C20
アルケニルおよびアリールのうちから選択される。さら
に好ましい実施態様では、R1置換基は、C1〜C5アル
キル、C1〜C5アルコキシ、フェニルおよび官能基のう
ちから選択される1つ以上の部分で任意に置換されたフ
ェニルまたはビニルであり得る。特に好ましい実施態様
においてR1は、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、−N
2、−NMe2、メチル、メトキシおよびフェニルのう
ちから選択される1つ以上の部分で置換されたフェニル
またはビニルである。最も好ましい実施態様においてR
1置換基は、フェニルまたは−C=C(CH32であ
る。R1がビニルの場合、その触媒は下記一般式のもの
である。
【化20】 式中、M、L、L1、L1′、L2、X、X1およびRは上
記で定義した通りである。R′およびR″は好ましくは
独立して水素またはフェニルであるが、RまたはR1
ついて挙げた基のいずれかから選択することができる。
【0007】本発明の触媒の好ましい実施態様におい
て、XおよびX1はそれぞれ独立して、水素、ハライド
またはC1〜C20アルキル、アリール、C1〜C20アルコ
キシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケト
ネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシ
レート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルス
ルホネート、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキ
ルスルホニルまたはC1〜C20アルキルスルフィニルの
基のうちの1つである。任意にXおよびX1は、C1〜C
10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびアリールのう
ちから選択される1つ以上の部分で置換されていてもよ
く;それらの各部分はさらに、ハロゲン、C 1〜C5アル
キル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルから選択され
る1つ以上の基で置換されていてもよい。より好ましい
実施態様において、XおよびX1はハライド、ベンゾエ
ート、C1〜C5カルボキシレート、C1〜C5アルキル、
フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチ
オ、アリールおよびC1〜C5アルキルスルホネートであ
る。さらに好ましい実施態様において、XおよびX1
それぞれ、ハライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH
2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、
(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、
トシレート、メシレートまたはトリフルオロメタンスル
ホネートである。最も好ましい実施態様において、Xお
よびX1はそれぞれ塩素である。
【0008】L、L1、L1′およびL2は、適切な単座
配位または多座配位の中性電子供与体配位子であること
ができる。多座配位の中性電子供与体配位子には例え
ば、2座配位、3座配位および4座配位の中性電子供与
体配位子などがある。本発明の触媒の好ましい実施態様
において、L、L1、L1′およびL2はそれぞれ独立し
て、ホスフィン、スルホン化ホスフィン(sulfon
ated phosphine)、ホスファイト、ホス
フィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビン、エー
テル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボ
キシル、ニトロシル、ピリジンおよびチオエーテルまた
はそれらのいずれかの誘導体のうちから選択される。
L、L1、L1′およびL2の少なくとも一つは、N−複
素環カルベン配位子であってもよい。好ましい実施態様
には、L1′およびL2がいずれも同一または異なったN
HC配位子である錯体などがある。
【0009】好ましい実施態様において、L、L1、L
1′およびL2のうちの少なくとも一つが式PR345
のホスフィンであり、式中においてR3、R4およびR5
はそれぞれ独立して、アリールまたはC1〜C10アルキ
ル、特には1級アルキル、2級アルキルまたはシクロア
ルキルである。さらに好ましい実施態様では、L、
1、L1′およびL2のうちの少なくとも一つがそれぞ
れ、−P(シクロヘキシル) 3、−P(シクロペンチ
ル)3、−P(イソプロピル)3および−P(フェニル)
3のうちから選択される。さらに好ましくは、L、L1
1′およびL2のうちの少なくとも一つがNHC配位子
である。好ましい実施態様には、LがNHCであり;L
1がP(シクロヘキシル)3または−P(シクロペンチ
ル)3であり;L1′およびL2がそれぞれ、任意に芳香
族であり得る複素環配位子であるか、または共に2座配
位子を形成しているものなどがある。好ましくはL1′
およびL2はそれぞれ独立して、ピリジンまたはピリジ
ン誘導体である。
【0010】NHC配位子の例としては、下記一般式の
配位子などがある。
【化21】 式中、R、R1、R′、R”、R6、R7、R8、R9、R
10およびR11はそれぞれ独立して、水素またはC1〜C
20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニ
ル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
アルコキシ、C 2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20
ルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキ
シカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アル
キルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニル
のうちから選択される置換基である。任意に、R、
1、R6、R7、R8、R9、R10およびR11の各置換基
は、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびア
リールのうちから選択される1つ以上の部分によって置
換されていてもよく;それらの各部分はさらに、ハロゲ
ン、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシおよびフェ
ニルから選択される1つ以上の基によって置換されてい
てもよい。さらに、いずれの触媒配位子もさらに、1つ
以上の官能基を有し得る。好適な官能基の例としては、
水酸基、チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒ
ド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミド、ニ
トロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネート、イソ
シアネート、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カー
バメートおよびハロゲンなどがあるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0011】好ましい実施態様において、R6、R7、R
8およびR9は独立して、水素、フェニルのうちから選択
されるか、または一体となって、C1〜C10アルキル、
1〜C10アルコキシ、アリールならびに水酸基、チオ
ール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、
エーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン
酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カ
ルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメートおよび
ハロゲンのうちから選択される官能基のうちから選択さ
れる1つ以上の部分によって任意に置換されていてもよ
いシクロアルキルまたはアリールを形成しており;R10
およびR11はそれぞれ独立して、C1〜C5アルキル、C
1〜C5アルコキシ、アリールならびに水酸基、チオー
ル、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エ
ーテル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン
酸、ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、カ
ルボジイミド、カルボアルコキシ、カーバメートおよび
ハロゲンのうちから選択される官能基によって任意に置
換されていてもよいC1〜C10アルキルまたはアリール
である。
【0012】より好ましい実施態様において、R6およ
びR7はいずれも水素またはフェニルであるか;または
6およびR7が一体となって、シクロアルキル基を形成
しており;R8およびR9は水素であり;R10およびR11
はそれぞれ置換または未置換アリールである。理論に拘
束されるものではないが、相対的に嵩高いR10およびR
11基は、熱安定性などの特性が改善された触媒を生じる
と考えられる。特に好ましい実施態様においては、R10
およびR11は同一であり、それぞれ独立して下記式のも
のである。
【化22】 式中、R12、R13およびR14はそれぞれ独立して、水
素、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシ、アリー
ルまたは水酸基、チオール、チオエーテル、ケトン、ア
ルデヒド、エステル、エーテル、アミン、イミン、アミ
ド、ニトロ、カルボン酸、ジスルフィド、カーボネー
ト、イソシアネート、カルボジイミド、カルボアルコキ
シ、カーバメートおよびハロゲンから選択される官能基
である。特に好ましい実施態様において、R12、R13
よびR14はそれぞれ独立して、水素、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、水酸基およびハロゲンのうち
から選択される。最も好ましい実施態様では、R12、R
13およびR14は同一であって、それぞれメチルである。
【0013】これらの錯体で、R6、R7、R8およびR9
はそれぞれ独立して、水素であるか、またはC1〜C20
アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニ
ル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20
ルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキ
シカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アル
キルスルホニルおよびC 1〜C20アルキルスルフィニル
のうちから選択される置換基である。イミダゾリジン配
位子は、イミジゾール−2−イリデン配位子とも称され
る。
【0014】中性電子供与体配位子の他の例には例え
ば、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ビピリ
ジン、ピコリルイミン、γ−ピラン、γ−チオピラン、
フェナントロリン、ピリミジン、ビピリミジン、ピラジ
ン、インドール、クマロン、チオナフテン、カルバゾー
ル、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ピラゾー
ル、イミダゾール、ベンズイミダゾール、オキサゾー
ル、チアゾール、ジチアゾール、イソオキサゾール、イ
ソチアゾール、キノリン、ビスキノリン、イソキノリ
ン、ビスイソキノリン、アクリジン、クロメン、フェナ
ジン、フェノキサジン、フェノチアジン、トリアジン、
チアントレン、プリン、ビスイミダゾールおよびビスオ
キサゾールなどの未置換または置換ヘテロアレーン類か
ら誘導される配位子などがある。
【0015】置換基の例としては、OH、ハロゲン、C
(O)ORs1、OC(O)Rs4、C(O)Rs2、ニト
ロ、NH2、シアノ、SO3y、OSO3y、NR20
3y、N=N−Rs2、C1〜C12アルキル、C2〜C12
アルケニル、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロア
ルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C12〜C11複素
環アルキル、C2〜C11複素環アルケニル、C6〜C10
リール、C6〜C10アリールオキシ、C5〜C9ヘテロア
リール、C5〜C9ヘテロアリールオキシ、C7〜C11
ラルキル、C7〜C11アラルキルオキシ、C6〜C10ヘテ
ロアラルキル、C 8〜C11アラルケニル、C7〜C10ヘテ
ロアラルケニル、モノアミノ、ジアミノ、スルホニル、
スルホンアミド、カルバミド、カーバメート、スルホヒ
ドラジド、カルボヒドラジド、カルボヒドロキサム酸残
基およびアミノカルボニルアミドがあり;Rs1は水素、
y、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C3
12シクロアルキル、C2〜C11複素環アルキル、C6
10アリール、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11
ラルキルまたはC6〜C10ヘテロアラルキルであり;R
s4は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニ
ル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C11複素環アルキ
ル、C16〜C10アリール、C5〜C19ヘテロアリール、
7〜C11アラルキルまたはC6〜C10ヘテロアラルキル
であり;Rs2およびRs20は、水素、C1〜C12アルキ
ル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シクロアルキル、
3〜C12シクロアルケニル、C2〜C11複素環アルキ
ル、C1〜C11複素環アルケニル、C6〜C10アリール、
5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11アラルキル、C6
10ヘテロアラルキル、C8〜C11アラルケニルまたは
7〜C10ヘテロアラルケニルであり;アルキル、アル
ケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニ
ル、複素環アルキル、複素環アルケニル、アリール、ア
リールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキ
シ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキ
ル、アラルケニルおよびヘテロアラルケニルはまた、未
置換であるか上記の置換基のいずれかによって置換され
ており;yは1であって、かつMは1価の金属である
か;またはyは1/2であり、かつMは2価の金属であ
る。
【0016】本発明の説明の文脈において、金属および
対応するカチオンとは、例えばLi、NaまたはKなど
のアルカリ金属;例えばMg、CaまたはSrなどのア
ルカリ土類金属またはMn、Fe、ZnまたはAg、な
らびに対応するカチオンを指す。リチウムイオン、ナト
リウムイオンおよびカリウムイオンが、それらの塩とと
もに好ましい。NH2、モノアミノ、ジアミノ、カルバ
ミド、カーバメート、カルボヒドラジド、スルホンアミ
ド、スルホヒドラジドおよびアミノカルボニルアミドは
好ましくはR8C(O)(NH)pN(R9)−−、−−
C(O)(NH)pNR89、R8OC(O)(NH)p
N(R9)−−、R840NC(O)(NH)pN(R9
−−、−−OC(O)(NH)pNR89、−−N(R
40)C(O)(NH)pNR89、R8S(O)2(N
H)pN(R9)−−;−−S(O)2(NH)pNR
89;R840NS(O)2N(R9)−−、または−−
NR40S(O)2NR89の基に相当し;R8、R9およ
びR40は互いに独立して、水素、OH、C1〜C12アル
キル、C1〜C12アルケニル、C3〜C12シクロアルキ
ル、C3〜C12シクロアルケニル、C2〜C11複素環アル
キル、C2〜C11複素環アルケニル、C6〜C10アリー
ル、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C16アラルキル、
2〜C6アルケニレンおよびC6〜C10アリールを有す
るC8〜C16アラルケニル、C6〜C15ヘテロアラルキ
ル、C6〜C15ヘテロアラルケニルまたはジ−C6〜C1 0
アリール−C1〜C6アルキルまたはR8′9′Nであ
り;R8′およびR9′は互いに独立して、水素、OH、
SO3y、OSO3y、C1〜C12アルキル、C3〜C12
シクロアルキル、C2〜C11複素環アルキル、C6〜C10
アリール、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11アラル
キル、C6〜C10ヘテロアラルキル、C2〜C6アルケニ
レンおよびC6〜C10アリールを有するC8〜C16アラル
ケニルまたはジ−C6〜C10アリール−C1〜C6アルキ
ルであり、それらは未置換であるか、またはOH、ハロ
ゲン、C(O)ORs1、OC(O)Rs4、C(O)
s2、ニトロ、NH2、シアノ、SO3y、OSO
3y、NR20SO3y、C1〜C12アルキル、C2〜C12
アルケニル、C1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロア
ルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C2〜C11複素環
アルキル、C2〜C11複素環アルケニル、C6〜C10アリ
ール、C6〜C10アリールオキシ、C5〜C9ヘテロアリ
ール、C5〜C9ヘテロアリールオキシ、C7〜C11アラ
ルキル、C7〜C11アラルキルオキシ、C6〜C10ヘテロ
アラルキル、C8〜C11アラルケニル、C7〜C10ヘテロ
アラルケニル、モノアミノ、ジアミノ、スルホニル、ス
ルホンアミド、カルバミド、カーバメート、スルホヒド
ラジド、カルボヒドラジド、カルボヒドロキサム酸残基
およびアミノカルボニルアミドのうちからの1つ以上の
置換基によって置換されており;Rs1は水素、Zy、C1
〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シク
ロアルキル、C2〜C11複素環アルキル、C6〜C10アリ
ール、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11アラルキル
またはC6〜C10ヘテロアラルキルであり;Rs4は、水
素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C3
12シクロアルキル、C2〜C11複素環アルキル、C6
10アリール、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11
ラルキルまたはC6〜C10ヘテロアラルキルであり;R
s2は、水素、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニ
ル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケ
ニル、C2〜C11複素環アルキル、C2〜C11複素環アル
ケニル、C6〜C10アリール、C5〜C9ヘテロアリー
ル、C7〜C 11アラルキル、C6〜C10ヘテロアラルキ
ル、C8〜C11アラルケニルまたはC7〜C10ヘテロアラ
ルケニルであり;かつアルキル、アルケニル、アルコキ
シ、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環アルキ
ル、複素環アルケニル、アリール、アリールオキシ、ヘ
テロアリール、ヘテロアリールオキシ、アラルキル、ア
ラルキルオキシ、ヘテロアラルキル、アラルケニルおよ
びヘテロアラルケニルはまた、未置換であるか上記の置
換基のいずれかによって置換されており;pは0または
1であり、かつyは1であり、かつZは1価の金属であ
るか、またはyは1/2であり、かつZは2価の金属で
あり;またはNR89または−−NR8′9′またはR
840N−−の場合にR8およびR9、またはR8′および
9′、またはR8およびR40は一体となって、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、−−(CH22−−O−−
(CH22−−、−−(CH22−−S−−(CH22
−−または−−(CH22−−NR7−−(CH22
−であり;R7は、H、C1〜C6アルキル、C7〜C11
ラルキル、C(O)Rs2またはスルホニルである。
【0017】スルホニル置換基は例えば、式R10−−S
2−−のものであり;R10は、C1〜C12アルキル、C
3〜C12シクロアルキル、C2〜C11複素環アルキル、C
6〜C10アリール、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11
アラルキルまたはC6〜C10ヘテロアラルキルであり;
それらは未置換であるか、またはOH、ハロゲン、C
(O)ORs1、OC(O)Rs4、C(O)Rs2、ニト
ロ、NH2、シアノ、SO3y、OSO3y、NR20
3y、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C
1〜C12アルコキシ、C3〜C12シクロアルキル、C3
12シクロアルケニル、C2〜C11複素環アルキル、C2
〜C11複素環アルケニル、C6〜C10アリール、C6〜C
10アリールオキシ、C5〜C9ヘテロアリール、C5〜C9
ヘテロアリールオキシ、C7〜C11アラルキル、C6〜C
10ヘテロアラルキル、C8〜C11アラルケニル、C7〜C
10ヘテロアラルケニル、モノアミノ、ジアミノ、スルホ
ニル、スルホンアミド、カルバミド、カーバメート、ス
ルホンヒドラジド、カルボヒドラジド、カルボヒドロキ
サム酸残基およびアミノカルボニルアミドのうちから選
択される1つ以上の置換基によって置換されており;R
s1は、水素、Zy、C1〜C12アルキル、C2〜C12アル
ケニル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C 11複素環ア
ルキル、C6〜C10アリール、C5〜C9ヘテロアリー
ル、C7〜C11アラルキルまたはC6〜C10ヘテロアラル
キルであり;Rs4は、水素、C1〜C12アルキル、C2
12アルケニル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C11
複素環アルキル、C6〜C10アリール、C5〜C9ヘテロ
アリール、C7〜C11アラルキルまたはC6〜C10ヘテロ
アラルキルであり;Rs2およびR20は、水素、C1〜C
12アルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シクロア
ルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C2〜C11複素環
アルキル、C2〜C11複素環アルケニル、C6〜C10アリ
ール、C5〜C9ヘテロアリール、C7〜C11アラルキ
ル、C6〜C10ヘテロアラルキル、C8〜C11アラルケニ
ルまたはC7〜C10ヘテロアラルケニルであり;アルキ
ル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロ
アルケニル、複素環アルキル、複素環アルケニル、アリ
ール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリー
ルオキシ、アラルキル、ヘテロアラルキル、アラルケニ
ルおよびヘテロアラルケニルはまた、未置換であるか、
または上記置換基のいずれかによって置換されており;
yは1であり、かつZは1価の金属であるか;またはy
は1/2であり、かつZは2価の金属である。好ましい
中性電子供与体配位子は例えば、下記の群のヘテロアレ
ーン類から誘導される。
【化23】 より好ましい化合物群は、L2およびL1′が互いに独立
して、未置換であるか、またはC1〜C12アルキル、C2
〜C11複素環アルキル、C5〜C9ヘテロアリール、ハロ
ゲン、モノアミノ、ジアミノおよび−C(O)Hのうち
からの1つ以上の置換基によって置換されたピリジルで
ある場合に形成される。その例としては以下のものがあ
る。
【化24】 別の好ましい化合物群は、L2およびL1′が一体となっ
てビピリジル、フェナントロリニル、ビチアゾリル、ビ
ピリミジニルまたはピコリルイミンであり;それらは未
置換であるか、またはC1〜C12アルキル、C6〜C10
リールおよびシアノのうちからの1つ以上の置換基によ
って置換されており;置換基アルキルおよびアリールは
未置換であるか、またはC1〜C12アルキル、ニトロ、
モノアミノ、ジアミノおよびニトロ−またはジアミノ−
置換−−N=N−C6〜C10アリールのうちからの1つ
以上の置換基によって置換されている場合に形成され
る。例としては以下のものがある。
【化25】 さらに好ましくは、L2およびL1′はそれぞれ独立し
て、以下のもののうちから選択される。
【化26】 式中、Rは水素またはC1〜C20アルキル、C2〜C20
ルケニル、C2〜C20アルキニル、アリール、C1〜C20
カルボキシレート、C1〜C20アルコキシ、C 2〜C20
ルケニルオキシ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリー
ルオキシ、C2〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20
アルキルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1
〜C20アルキルスルフィニルのうちから選択される置換
基のうちから選択される。任意にR基は、C1〜C10
ルキル、C1〜C10アルコキシおよびアリールのうちか
ら選択される1つ以上の部分によって置換されていても
よく;それらの各部分はさらに、ハロゲン、C1〜C5
ルキル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルから選択さ
れる1つ以上の基によって置換されていてもよい。さら
に、いずれの複素環もさらに1つ以上の官能基を有し得
る。好適な官能基の例としては、水酸基、チオール、チ
オエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテ
ル、アミン、イミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、ジ
スルフィド、カーボネート、イソシアネート、カルボジ
イミド、カルボアルコキシ、カーバメートおよびハロゲ
ンなどがあるが、これらに限定されるものではない。好
ましくはRは、C1〜C20アルキル、アリール、エーテ
ル、アミン、ハライド、ニトロ、エステルおよびピリジ
ルのうちから選択される。
【0018】好ましくは、錯体1〜4を用いて、本発明
の錯体の好ましい実施態様5〜29を調製する。
【化27】 上記においてsIMESは下記のものである。
【化28】 最も好ましくは、LはNHC、好ましくはイミダゾリジ
ン配位子であり、L2およびL1′はピリジンである。
【0019】本発明のカルベン錯体は、集積されていて
もよい。例えば本発明の1態様は、以下の一般構造の触
媒である。
【化29】 式中、M、L、L1、L1′、L2、X、X1、RおよびR
1は上記で定義した通りである。
【0020】上記の全てのカルベン錯体において、L、
1、L1′、L2、X、X1、RおよびR1のうちの1以
上が、L、L1、L1′、L2、X、X1、RおよびR1
少なくとも1つの他のものに結合されて、2座配位子ま
たは多座配位子列を形成していてもよい。
【0021】合成:
【0022】一般に本発明の触媒は、ピリジンなどの過
剰の中性電子供与体配位子を、下記式の構造を有する前
述の5配位金属カルベン触媒錯体と接触させることによ
って調製される。
【化30】
【0023】式中、M、X、X1、L、L1、RおよびR
1は上記で定義した通りであり;第3の中性電子供与体
配位子が金属中心に結合している。図式1には、本発明
の6配位金属カルベン錯体の形成のための一般的合成を
示してある。
【化31】 図式中、M、X、X1、L、L1、L1′、L2、Rおよび
1は前記で定義した通りである。
【0024】好ましい実施態様の合成を図式2に示す。
【化32】 図式1および2に示したように、過剰の配位子L2存在
下で、5配位錯体はL1配位子を失い、配位子L2および
1′が金属中心に結合する。配位子L2およびL
1′は、例えば(過剰のピリジンを使用した場合)ピリ
ジンなどの同じ化合物であるか、または一体となって2
座配位子を形成し得る。これに代わって、L1およびL
1′が同一であり、その場合、5配位化合物は過剰のL2
存在下で必ずしもL1配位子を失わない。
【0025】本発明の錯体はまた、下記一般式の集積型
カルベン錯体であり得る。
【化33】 式中、M、X、X1、L、L1、L1′、L2、RおよびR
1は前記で定義した通りである。これら化合物の合成
は、原料化合物がそれぞれ5配位ビニリデンまたは5配
位クムレンとなる以外、図式1に従う。そのビニリデン
類の好ましい実施態様の合成を図式3に示してある。
【化34】 本発明の方法によって合成される他の好ましい化合物に
は、L2およびL1′が2座配位子を形成しているものな
どがある。
【化35】 本発明の6配位触媒錯体は、合成上の有用性および触媒
反応における有用性を提供するものである。理論に拘束
されるものではないが、これらの錯体は、例えばピリジ
ンおよび塩素配位子などの置換的に反応活性な配位子を
有し、新規なルテニウム金属カルベン錯体合成のための
多用途の開始物質として役立つ。塩素配位子は、対応す
る5配位ホスフィン系錯体よりも反応活性である。前述
のように、XおよびX1は任意のアニオン配位子であ
る。好ましくはXおよびX1は、塩素、臭素、ヨウ素、
Tp、アルコキシド、アミドおよびチオレートのうちか
ら選択される。ピリジン配位子は、相当する5配位ホス
フィン系錯体におけるホスフィンより反応活性が高い。
やはり前述のように、L、L1、L1′およびL2は、N
HC配位子などの任意の中性電子供与体配位子であり得
る。配位子の大きさに応じて、1個または2個の中性配
位子(NHCに加えて)が金属中心に結合し得る。
【0026】興味深いことに、本発明の触媒錯体は、メ
タセシス反応またはNHC配位子に基づく錯体の形成の
双方で使用され得る。図式4に示したように、6配位錯
体は中性電子供与体配位子を失って、5配位触媒錯体を
生成することができる。その反応を過剰のL2存在下で
他の形で進行させて、6配位錯体を生成することもでき
る。
【化36】 5配位錯体はまた、L1配位子を失って、メタセシス活
性4配位化学種を形成し得る(図式5)。
【化37】 図式5に示したように、L1配位子はまた、4配位化学
種に結合して、5配位錯体を形成し得る。
【0027】4配位化学種は次に、図式6に示したよう
に、オレフィン存在下の場合には重合を開始し得るか、
または保護化されたNHC−配位子存在下の場合にはN
HC−配位子に基づく5配位錯体を形成し得る(図式
7)。
【化38】 NHC配位子に基づく5配位錯体は次に、L配位子を失
ってメタセシス活性4配位化学種を形成し、オレフィン
存在下で重合反応開始を進行させ得る(図式8)。
【化39】 留意すべき点として、6配位錯体は配位子交換を受け
て、NHCを別の中性電子供与体配位子で置き換えるこ
とにより、NHC配位子に基づく6配位錯体とすること
ができる(図式9)。
【化40】 以上の全ての図式において、M、X、X1、L、L1、L
1′、L2、R、R1、R6、R7、R8、R9、R10、R11
およびRyは前記で定義した通りである。
【0028】大過剰の(約100当量)のピリジンと錯
体1とを反応させると、赤から明緑色へと急速な色変化
が起こり、得られた溶液を冷(−10℃)ペンタンに移
し入れることで、ビスピリジン付加物(ImesH2
(Cl)2(C55N)2Ru=CHPh(31)の沈殿
が生じる。錯体31はペンタンで数回洗浄することによ
り精製することができ、CH2Cl2、ベンゼンおよびT
HFに可溶の空気安定性緑色固体として単離される。こ
の手順は、錯体31を収率80〜85%で与え、数グラ
ムの規模で容易に行われる。
【0029】室温における31の飽和ベンゼン溶液への
ペンタン気相拡散によって、X線結晶構造決定に好適な
結晶を成長させた。結晶分析の収集データおよび精査パ
ラメータを表1にまとめてある。
【0030】
【表1】 図1に錯体31のラベル表示した図を示してあり、代表
的な結合長および結合角を表2に示してある。
【0031】
【表2】 ビスピリジン付加物のいくつかの構造異性体を想定でき
るが、固体状態構造からは、ピリジンがシス形で結合し
て、ベンジリデンおよびN−複素環カルベン配位子に対
してトランスの配位位置を占めていることがわかる。
1.873(4)ÅというRu=C(1)(ベンジリデ
ン炭素)の結合長は、(Cl)2(PCy32Ru=C
HPh[d(Ru=Cα)=1.838(2)Å]およ
び錯体1[d(Ru=Cα)=1.835(2)Å]を
含む5配位ルテニウムオレフィンメタセシス触媒の場合
よりわずかに長い。31におけるその長いRu=Cα
合は恐らく、ピリジン配位子の存在によるものである。
2.033(4)ÅというRu−C(38)(N−複素
環カルベン)の結合長は、錯体1の結合長より約0.0
5Å短く、それは恐らく、PCy3と比較してピリジン
が相対的に大きさが小さく、トランスの影響があまり強
くないためである。Ru−C(1)およびRu−C(3
8)の結合距離における0.15Åの差は、前者の共有
結合性および後者のルテニウム−カルベン結合の供与性
を強調する。興味深いことに、これら2種類のRu−N
結合距離は0.15Åより大きく異なっており、ベンジ
リデン配位子がN−複素環カルベンよりかなり大きいト
ランスの影響を与えることを示している。
【0032】錯体1とピリジンの間の反応の速度論を調
べて、この配位子置換の機構を確認した。錯体1(0.
88Mトルエン溶液)と過剰のピリジン−d5(0.1
8〜0.69M)との反応では、150nmの赤方偏移
可視MLCT吸収があり、この変換後にUV−visス
ペクトル測定を行うことができる。開始物質の消失(5
02nm)を20℃でモニタリングし、全ての場合につ
いて、データは5半減期にわたって一次速度論に適合し
た。kobsと[C5D5N]のプロットを図2に示して
ある。このデータは、高濃度のピリジンであっても良好
な線形適合(R 2=0.999)を示しており、この直
線のy切片(1.1×10-3)は非常にゼロに近い。錯
体1におけるホスフィン解離の速度定数(kB)を、31
P磁化移動実験によって測定したところ、20℃でkB
は4.1×10-5-1である。このkB値は、1におけ
る解離配位子交換の速度に上限を与えるものであり、ピ
リジン置換における実測速度定数は明らかにkBより3
桁高い。これらの結果を総合すると、ピリジンによるP
Cy3の置換は、20°Cで5.7×10-2-1- 1
いう2次速度定数を有する会合機構によって進行するこ
とを示している。顕著に対照的な点として、オレフィン
基質による1のホスフィン配位子の置換(オレフィンメ
タセシス反応における開始事象)は解離機構を介して起
こる。
【0033】錯体31の初期反応性の調査は、双方のピ
リジン配位子が置換的に反応活性であることを示してい
る。例えば、ベンジリデン31は1.1当量のPCy3
と直ちに反応してピリジンを放出し、錯体1を再生す
る。この平衡は、過剰のC55Nを加えることでピリジ
ン付加物の方へ戻すことができるが、減圧下で揮発分を
除去すると容易に再形成される。
【0034】31とPCy3の反応が容易であること
は、ピリジンを他の進入配位子によって置換可能である
ことを示唆しており、ビスピリジン錯体と非常に多様な
ホスフィン類との反応によって、一般式(Imes
2)(PR3)(Cl)2Ru=CHPhの新たなルテ
ニウムベンジリデン類を得るための簡単かつ多様な経路
が得られることが明らかになった。31と1.1当量の
PR3との化合により、緑色から赤/褐色への色変化及
び相当するPR3付加物の形成が生じる。残留ピリジン
は減圧下で除去することができ、ルテニウム生成物は、
数回のペンタン洗浄および/またはカラムクロマトグラ
フィーによって精製される。この配位子置換は、PPH
3、PBn3およびP(n−Bu)3などの多様なアルキ
ル−およびアリール置換ホスフィンについて良好に進行
して、錯体32、33および34を生じる。
【化41】 さらに、本発明の方法を用いて、パラ置換トリフェニル
ホスフィン誘導体35、36および37(それぞれ、パ
ラ置換基CF3、ClおよびOMeを有する)を調製す
ることができる。錯体35の合成がし易いことは、P
(p−CF36 43が極めて電子不足のホスフィンで
あることから(χ=20.5cm-1)、特に特筆すべき
点である。トリアリールホスフィンルテニウム錯体3
2、35〜37は、それらがオレフィンメタセシス反応
において、親錯体1よりほぼ2桁反応活性が高いことか
ら、貴重な触媒である。
【0035】ピリジン置換反応においては、進入ホスフ
ィン配位子に対しては、立体的制限および電子的制限の
双方があるように思われる。例えば錯体31は、P(o
−トリル)3と反応して安定な生成物を生成しないが、
恐らくそれは進入配位子が禁制的な大きさであるためと
思われる。P(o−トリル)3の円錐角は194°であ
るが、PCy3(31のピリジンに良好に置換すること
が示されている比較的大きいホスフィンの一つ)の円錐
角は170°である。さらに、電子不足のホスフィンP
(C663は、強制的な条件下であっても31とは反
応を示さない。この配位子は、P(p−CF3643
(χ=20.5cm-1)よりかなり低い電子供与能力を
有し(χ=33.6cm-1)、やはりPCy3より大き
い円錐角を有する(θ=184°)。
【0036】本明細書に記載の方法は、錯体(NHC)
(PR3)(Cl)2Ru=CHPhを得るための従来の
合成経路に対して大幅な改善を提供するものである。こ
れら化合物の以前の調製では、ビスホスフィン前駆体
(PR32(Cl)2Ru=CHPhとNHC配位子と
の反応を行っていた。この変換は多くの場合(特にNH
Cが小さい場合)収率が低く、各PR3配位子を有する
ルテニウム前駆体を並行して合成する必要があった。さ
らに、PPh3(θ=145°;χ=13.25c
-1;pKa=2.73)より小さく、電子供与性の低
いPR3配位子を有するビスホスフィン開始物質は調製
することができず、以前の調製方法によって利用可能な
錯体には厳しい制限がある。
【0037】31の塩素配位子も、親錯体1の配位子よ
りかなり反応活性が高い。例えば21は、NaIと室温
で2時間以内に定量的に反応して、(ImesH2
(I)2(C55N)Ru=CHPh(38)を与え
る。それとは対照的に、1とNaIとの間の反応は、同
一条件下で完結するのに約8時間を要する。興味深いこ
とに、1HNMRスペクトル測定で、ジヨージド(di
iode)錯体38はピリジン配位子を1個のみ有する
が、類縁のジクロリド体31は2当量のピリジンに配意
することを示している。38におけるヨージド配位子が
比較的大きいことおよび金属中心での電子親和性が低い
こと(31と比較して)がいずれも、この系における5
配位錯体の形成に寄与するものと考えられる。
【0038】錯体31はさらに、KTp[Tp=トリス
(ピラゾリル)ボレート]と25℃で1時間以内に定量
的に反応して、明緑色の生成物Tp(ImesH2
(Cl)Ru=CHPh(39)を生じるが、錯体1と
KTpとの間の類似の反応は極めて遅い(後者の反応
は、室温で数日後であっても50%未満しか完了しな
い)。減圧下で溶媒除去し、次に濾過を行い、ペンタン
およびメタノールで数回洗浄することで、空気および水
分に対して安定な固体として39が得られる。予備1
NMR調査でも、31と過剰量のKOt−Buとの化合
によって、4配位ベンジリデンである(ImesH2
−(OtBu)2Ru=CHPh(40)が室温で10分
以内に定量的に生成することが示される。それとは対照
的に、1とKOt−Buとの間で40を形成する反応
は、35℃で数日後であっても完了しない。錯体40
は、1のオレフィンメタセシス反応に関与する14−電
子中間体である(IMesH2)(Cl)2Ru=CHP
hのモデルと考えることができる。
【0039】本発明は、(IMesH2)(Cl)2(P
Cy3)Ru=CHPh(1)から(IMesH2)(C
l)2(C55N)2Ru=CHPh(31)を高収率で
調製する手順を提供する。1とオレフィン基質との反応
とは対照的にこの配位子置換は、会合機構によって進行
する。錯体31はホスフィン類と容易に反応して、本明
細書に記載の新たな錯体を入手可能とする。錯体31は
さらに、KOt−Bu、NaIおよびKTpと反応し
て、新たな4配位、5配位または6配位のルテニウムベ
ンジリデン類を与える。本発明の方法は、構造的に多様
な配位子配列を有する新たなルテニウムオレフィン系メ
タセシス触媒の開発を促進する上で有用である。
【0040】オレフィンメタセシス 本発明の錯体は、オレフィンメタセシス反応、特に重合
反応において有用である。これらの触媒は、各種メタセ
シス反応で使用することができ、その反応には、鎖状お
よび非鎖状環状オレフィンの開環メタセシス重合、非環
状ジエン類の閉環メタセシス、非環状ジエンメタセシス
重合(「ADMET」)、自己メタセシス反応(sel
f−metathesis reaction)および
クロスメタセシス反応、アルキン重合、カルボニルオレ
フィン化、不飽和ポリマーの解重合、テレキーリックポ
リマーの合成およびオレフィン合成などがあるが、これ
らに限定されるものではない。
【0041】本発明で使用される最も好ましいオレフィ
ンモノマーは置換または未置換ジシクロペンタジエン
(DCPD)である。各種のDCPD供給者および純度
を用いることができ、それにはリオンデル(Lyond
ell)108(純度94.6%)、ベリスコル(Ve
liscol)UHP(純度99+%)、B.F.グッ
ドリッチ・ウルトレン(登録商標)(Goodrich
Ultrene)(純度97%および99% )およ
びヒタチ(純度99+%)などがある。他の好ましいオ
レフィンモノマーには、トリマー類、テトラマー類、ペ
ンタマー類などの他のシクロペンタジエンオリゴマー
類;シクロオクタジエン(COD;デュポン(DuPo
nt));シクロオクテン(COE、アルファ・エーサ
ー(AlfaAesar));シクロヘキセニルノルボ
ルネン(シェル(Shell));ノルボルネン(アル
ドリッチ(Aldrich));無水ノルボルネンジカ
ルボン酸(無水ナジック);ノルボルナジエン(エルフ
・アトケム(Elf Atochem));ならびにブ
チルノルボルネン、ヘキシルノルボルネン、オクチルノ
ルボルネン、デシルノルボルネンなどの置換ノルボルネ
ン類などがある。好ましくはオレフィン部分には、炭素
数3〜200のモノまたはジ置換オレフィンおよびシク
ロオレフィンなどがある。最も好ましくは、メタセシス
活性オレフィン部分には、例えばシクロペンテン類、シ
クロブテン類、シクロヘプテン類、シクロオクテン類、
[2.2.1]ビシクロヘプテン類、[2.2.2]ビ
シクロオクテン類、ベンゾシクロブテン類、シクロペン
テン類、トリマー,テトラマー,ペンタマーなどのシク
ロペンタジエンオリゴマー類;シクロヘキセン類などの
置換または未置換の環状または多環式のオレフィン類な
どがある。さらには、そのような組成物には、1つ以上
の炭素原子が、ハロゲン類、擬似ハロゲン類(pseu
dhalogens)、アルキル、アリール、アシル、
カルボキシル、アルコキシ、アルキル−およびアリール
チオレート、アミノ、アミノアルキルなどのラジカル部
分から誘導される置換基を有する骨格または1つ以上の
炭素原子が例えばケイ素、酸素、硫黄、窒素、リン、ア
ンチモンまたはホウ素によって置き換わっている骨格を
備えることも明らかである。例えばそのオレフィンは、
チオール、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、エステ
ル、エーテル、アミン、アミド、ニトロ、カルボン酸、
ジスルフィド、カーボネート、イソシアネート、ホスフ
ェート、ホスファイト、サルフェート、サルファイト、
スルホニル、カルボジイミド、カルボアルコキシ、カー
バメート、ハロゲンまたは擬似ハロゲンなどの1つ以上
の基で置換されていてもよい。同様にオレフィンは、C
1〜C20アルキル、アリール、アシル、C1〜C20アルコ
キシド、アリールオキシド、C3〜C20アルキルジケト
ネート、アリールジケトネート、C1〜C20カルボキシ
レート、アリールスルホネート、C1〜C20アルキルス
ルホネート、C1〜C20アルキルチオ、アリールチオ、
1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アルキル
スルフィニル、C1〜C20アルキルホスフェート、アリ
ールホスフェートなどの1つ以上の基で置換されていて
もよく、これらの部分は置換されていても未置換であっ
てもよい。
【0042】これらのオレフィンモノマーは、単独で用
いることができるか、または種々の組合せで互いに混合
して、オレフィンモノマー組成物の特性を調節し得る。
例えば、シクロペンタジエンダイマーおよびトリマーの
混合物では融点が下がり、純粋なポリDCPDと比較し
て機械的強度および剛性の向上した硬化オレフィン共重
合体が得られる。別の例として、COD、ノルボルネン
またはアルキルノルボルネン共単量体を組み込むと、比
較的柔軟かつ弾力性のある硬化オレフィン共重合体が得
られる傾向がある。メタセシス反応から形成されるポリ
オレフィン組成物は、熱硬化を受けやすく、添加剤、安
定剤、速度調節剤、硬化および/または靭性調節剤、充
填剤ならびに炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維
(例:ケブラー(Kevlarおよびトワロン(Twa
ron;登録商標))、ポリエチレン繊維(例:スペク
トラ(Spectra;登録商標)およびダイネー(D
yneema;登録商標))、ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール繊維(例:ザイロン(Zylon;
登録商標))、ポリベンゾアミダゾール繊維(PBI)
(これらに限定されるものではない)およびそれらの混
成物および他のポリマー繊維などの繊維に対して耐容性
である。
【0043】メタセシス反応では、任意に製剤補助剤を
用い得る。公知の補助剤には、帯電防止剤、酸化防止剤
(一次酸化防止剤、二次酸化防止剤またはそれらの混合
物)、セラミック類、光安定剤、可塑剤、染料、顔料、
充填剤、強化繊維、潤滑剤、接着促進剤、増粘剤および
離型促進剤などがある。光学的特性、物理的特性、機械
的特性、および電気的特性を向上させるための充填剤の
例としては、粉末、ビーズおよび繊維状のガラスおよび
石英、金属および半金属酸化物、炭酸塩類(例:MgC
3、CaCO3)、ドロマイト、金属硫酸塩(例:石膏
および重晶石)、天然および合成ケイ酸塩(例:ゼオラ
イト類、珪灰石および長石類)、炭素繊維、ならびにプ
ラスチックの繊維または粉末などがある。
【0044】本発明のカルベン錯体を用いるメタセシス
反応から得られるポリオレフィン組成物のUVおよび酸
化耐性は、一次酸化防止剤(例:立体障害フェノール類
など)、二次酸化防止剤(例:有機ホスファイト類、チ
オエステル類など)、光安定剤(例:立体障害アミン系
光安定剤またはHALS)および、2000年2月4日
出願の米国特許出願第09/498120号(この内容
は、本明細書に援用される)に記載の紫外線吸収剤
(例:ヒドロキシベンゾフェノン系吸収剤、ヒドロキシ
フェニルベンゾトリアゾール系吸収剤など)などの各種
安定化添加剤を加えることで向上させることができる。
【0045】一次酸化防止剤の例としては、例えば4,
4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェノール)(エタノックス(Ethanox)702
(登録商標);アルベマーレ社(Albemarle
Corporation))、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス (3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(エタノックス
330(登録商標);アルベマーレ社)、オクタデシル
−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオナート(イルガノックス1
076(登録商標);チバガイギー(Ciba−Gei
gy))およびペンタエリスリトールテトラキス(3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオナート)(イルガノックス(登録商標)
1010;チバガイギー)などがある。二次酸化防止剤
の例としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)ホスファイト(イルガフォス(Irgafo
s)(登録商標)168;チバガイギー)、1:11
(3,6,9−トリオキサウデシル)ビス(ドデシルチ
オ)プロピオナート(ウィングステイ(Wingsta
y)(登録商標)SN−1;グッドイヤー(Goody
ear))などがある。光安定剤および光吸収剤の例と
しては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1−ジメチ
ルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチル
マロナート(チヌビン(Tinuvin)(登録商標)
144HALS;チバガイギー)、 2−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジtertペン
チルフェノール(チヌビン(登録商標)328吸収剤;
チバガイギー)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−
(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル
(チヌビン(登録商標)327吸収剤;チバガイギ
ー)、2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)ベンゾ
フェノン(キマスソルブ(Chimassorb)(登
録商標)81吸収剤;チバガイギー)などがある。
【0046】さらに、例えばトリフェニルホスフィン
(TPP)、トリシクロペンチルホスフィン、トリシク
ロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、
トリアルキルホスファイト類、トリアリールホスファイ
ト類、混合ホスファイト類または米国特許第59395
04号および米国特許出願第09/130586号(こ
れらの各内容は、本明細書に援用される)に記載のもの
などの他のルイス塩基のような好適な速度調節剤をオレ
フィンモノマーに加えて、必要に応じて重合速度を遅延
または促進することができる。
【0047】得られるポリオレフィン組成物ならびにそ
れから調製される部材および物品は、例えば反応射出成
形(RIM)、樹脂トランスファー成形(RTM)およ
びVARTM(真空RTM)およびSCRIMP(シー
マン(Seemann)複合樹脂注入成形法)などの真
空を用いる変法、開放鋳造(open castin
g)、回転成形、遠心成形、フィラメントワインディン
グおよび機械加工などの各種方法で加工することができ
る。これらの加工組成物は当業界では公知である。各種
成形および加工法については、例えばPCT公開公報第
WO97/20865号に記載されており、その開示内
容は本明細書に援用される。
【0048】このメタセシス反応は、溶媒の存在下また
は非存在下で行うことが可能である。この重合反応で使
用可能な溶媒の例としては、重合条件下で好ましくは不
活性である有機溶媒、プロトン性溶媒または水系溶媒な
どがある。そのような溶媒の例としては、芳香族炭化水
素類、塩素化炭化水素類、エーテル類、脂肪族炭化水素
類、アルコール類、水またはそれらの混合物などがあ
る。好ましい溶媒には、ベンゼン、トルエン、p−キシ
レン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼ
ン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル、ペンタン、メタノール、エタノール、水または
それらの混合物などがある。より好ましくは、溶媒はベ
ンゼン、トルエン、p−キシレン、塩化メチレン、ジク
ロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ペンタン、メタノ
ール、エタノールまたはそれらの混合物である。最も好
ましくは溶媒は、トルエンまたはベンゼンおよび塩化メ
チレンの混合物である。重合反応で形成されるポリマー
の溶解度は、溶媒の選択および得られるポリマーの分子
量によって決まる。
【0049】本発明の錯体は、それら触媒の活性レベ
ル、安定性、溶解度および回収の容易さを調節および微
調整することにおいて柔軟性を持たせることができる良
好な配位子環境を有する。カルベン化合物の溶解度は、
当業界で公知の疎水性または親水性配位子を適切に選択
することで制御することができる。触媒の所望の溶解度
は、主に反応基質および反応生成物の溶解度によって決
まる。
【0050】本発明の金属カルベン錯体は、反応に加え
る錯体の全てではないにしてもほとんどを消費させるだ
けの高い開始速度を示している。従って、メタセシス反
応で浪費される触媒が少ない。それとは対照的に、従来
の5配位開始剤は、反応完結後にも残留する比較的多量
の抽出可能物(すなわち、未重合モノマー)を有してい
た。成長速度も、前記2種類のピリジン配位子が存在す
ることで遅延される。高い開始速度および低い成長速度
により、従来の5配位錯体で得られるものと比較して、
狭い多分散性を有するポリマーが得られる。さらに、加
熱によって開始速度が上昇することが確認されている。
5配位錯体の熱的開始は米国特許第6107420号に
記載されており、その内容は本明細書に援用される。本
発明の触媒を用いるメタセシス重合の開始および/また
は速度は、本発明の触媒をオレフィンと接触させること
と、反応混合物を加熱することとを有する方法によって
制御される。驚くべき予想外の結果として、本発明の触
媒の熱的開始のTmaxは、従来の5配位触媒のTmaxより
かなり高い。理論に拘束されるものではないが、製造さ
れる部品または物品が充填系のタイプ(例:強化充填
剤、繊維、ビーズなどを含む系)である場合には、メタ
セシス触媒を用いる反応において、その充填材料が熱シ
ンクとして働き得るという点でそれは重要である。従来
の5配位触媒を用いると、充填系から生じる熱シンクの
影響のために、後硬化が必要となる場合があった。5配
位触媒を用いる過酸化物架橋剤存在下でのROMP重合
は、米国特許第5728785号(この開示内容は本明
細書に援用される)に記載されている。それとは対照的
に、本発明の6配位触媒を用いる反応の方がかなり多く
の内部熱を発生する。この高いTmaxによって、後硬化
の必要性が低減される。さらに、架橋を促進するために
過酸化物またはラジカルを加える場合であっても、ラジ
カル機構を使用する部分での架橋度は、従来の5配位メ
タセシス触媒を用いて得られる部分と比較して高い。さ
らに、半減期は最高温度によって決まる。本発明の触媒
を用いると、半減期がかなり低下することから、必要な
触媒量が減り、商業的にかなり有利となる。理論に拘束
されるものではないが、Tmaxが高いということは、R
OMP反応において、より多くの環が開環し、硬化度が
高くなることを示している。Tmaxが高くなると、抽出
可能物がほとんどゼロとなり、ほとんど全ての反応可能
な分子が反応することを示している。例えばビニリデン
類は、アルキリデン類より高温での安定性が高いという
点で有利である。反応混合物に保護NHC(例:米国仮
出願第60/288680号および同第60/2783
11号(これらの各内容は本明細書に援用される)に記
載のImes配位子を加えると、ピーク発熱に大幅な上
昇が認められる。さらに、ピークに達するまでの時間が
大幅に短縮される。高いピーク発熱は、より多くの触媒
が重合に利用可能であることを意味し、抽出可能物がゼ
ロに近いことを示している。従って本発明の触媒は、充
填剤および添加剤存在下であっても、より良好な変換
率、より良好な特性を有する。
【0051】明瞭を期して、特に好ましい実施態様を参
照しながら、本発明の具体的説明を行う。しかしながら
理解すべき点として、これらの実施態様および実施例
は、説明のみを目的としたものであり、本発明の範囲を
限定するものではない。
【0052】実施例 一般的手順 有機金属化合物の取り扱いは、乾燥アルゴン雰囲気下ま
たは窒素充填真空雰囲気ドライボックス(O2<2pp
m)中で、標準的なシュレンク(Schlenk)法を
用いて行った。NMRスペクトラムは、バリアン・イノ
バ(Varian Inova)(1Hに関しては49
9.85MHz;31Pに関しては202.34MHz;
13Cに関しては125.69MHz)またはバリアン・
マーキュリー(Varian Mercury)300
1Hに関しては299.817;31Pに関しては12
1.39MHz;13Cに関しては74.45MHz)で
記録した。31PNMRスペクトラムは、外部標準として
3PO4(δ=0ppm)を用いて基準とした。UV−
ビススペクトラムは、HP8452Aダイオード−アレ
イ分光光度計で記録した。
【0053】材料および方法 溶媒精製カラムに通すことで、ペンタン、トルエン、ベ
ンゼンおよびベンゼン−d6を乾燥させた。CaH2から
の真空移動によってピリジンを乾燥させた。全てのホス
フィン類およびKTpは、市販入手先から入手し、入荷
した状態で使用した。ルテニウム錯体1は、文献の手順
に従って調製した。
【0054】(IMesH2)(C1282)(Cl)2
Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
1,10−フェナントロリン(0.85g、2モル当
量)を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反
応混合物を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した
が、その間に暗紫色から茶橙色への色変化が認められ
た。反応混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し
入れたところ、茶橙色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、
冷ペンタン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(I
MesH2)(C1282)(Cl)2Ru=CHPh5
を茶橙色粉末(1.7g、収率96%)として得た。
【0055】(IMesH2)(C54BrN)2(C
l)2Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
3−ブロモピリジン(1.50g、4モル当量)を加え
た。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に暗
紫色から明緑色への色変化が認められた。反応混合物を
冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、明
緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20m
Lで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH2)(C5
4BrN)2(Cl)2Ru=CHPh6を明緑色粉末
として得た(1.8g、収率86%)。
【0056】(IMesH2)(C91222(Cl)
2Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−ピロリジノピリジン(1.40g、4モル当量)を
加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に、
暗紫色から明緑色への色変化が認められた。反応混合物
を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、
明緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20
mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH2
(C91222(Cl)2Ru=CHPh7を明緑色粉
末として得た(1.9g、収率93%)。
【0057】1HNMR(300MHz、CD2
2):δ19.05(s、1H、CHPh)、8.3
1(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.6Hz)、
7.63(d、2H、オルトCH、JHH=8.4H
z)、7.49(t、1H、パラCH、J HH=7.4H
z)、7.33(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.
9Hz)、7.10(t、2H、メタCH、JHH=8.
0Hz)、7.03(brs、2H、MesCH)、
6.78(brs、2H、MesCH)、6.36
(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.3Hz)、6.
05(d、2H、ピリジンCH、J HH=6.9Hz)、
4.08(brd、4H、NCH2CH2N)、3.30
(m、4H、ピロリジンCH2)、3.19(m、4
H、ピロリジンCH2)、2.61〜2.22(多重ピ
ーク、18H、MesCH3)、2.02(m、4H、
ピロリジンCH2)、1.94(m、4H、ピロリジン
CH2)。
【0058】例:DCPD(約24%のトリマー化DC
PD含有)塊75gを、(IMesH2)(C9
1222(Cl)2Ru=CHPh=0.0151gを
用いて、開始温度約24.2℃にて、DCPD:Ru比
を約30,000:1として重合させた。結果:最高温
度(Tmax)に達するまでの時間=194秒。Tmax=2
08.9℃。熱機械分析(TMA)によって測定したガ
ラス転移温度=165o C。残留モノマー%(室温にて
トルエン抽出)=1.23%。
【0059】(IMesH2)(C67N)2(Cl)2
Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−メチルピリジン(0.88g、4モル当量)を加え
た。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に、
暗紫色から明緑色への色変化が認められた。反応混合物
を冷(約0℃)ペンタン75mLに移しいれたところ、
明緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20
mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH2
(C67N)2(Cl)2Ru=CHPh8を明緑色粉末
(1.5g、収率84%)として得た。
【0060】(IMesH2)(C10822(Cl)
2Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)に溶かし、トルエン(10mL)お
よび4,4′−ビピリジン(0.74g、2モル当量)
を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混
合物を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その
間に、暗紫色から茶橙色への色変化が認められた。反応
混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたと
ころ、茶橙色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタ
ン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH
2)(C10822(Cl)2Ru=CHPh9を茶橙
色粉末(1.4g、収率71%)として得た。
【0061】1HNMR(500MHz、CD2
2):δ19.15(s、1H、CHPh)、8.7
3〜8.68(多重ピーク、8H、ピリジンCH)、
7.63〜6.77(多重ピーク、17H、ピリジンC
H、パラCH、メタCH、MesCH)、4.08(b
rd、4H、NCH2CH2N)、2.61〜2.24
(多重ピーク、18H、MesCH3)。
【0062】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C108
22(Cl)2Ru=CHPh=0.0153gを用
いて、DCPD:Ru比を約30,000:1として、
開始温度約24.2℃で重合させた。結果:最高温度
(Tmax)に達するまでの時間=953秒。Tmax=12
4.2℃。
【0063】(IMesH2)(C71022(Cl)
2Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−ジメチルアミノピリジン(1.18g、4モル当
量)を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反
応混合物を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。
その間に、暗紫色から明緑色への色変化が認められた。
反応混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れ
たところ、明緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペ
ンタン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMe
sH2)(C71022(Cl)2Ru=CHPh10
を明緑色粉末(1.9g、99%収率)として得た。
【0064】1HNMR(500MHz、CD2
2):δ19.10(s、1H、CHPh)、8.1
8(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.5Hz)、
7.64(d、2H、オルトCH、JHH=7.5H
z)、7.48(t、1H、パラCH、J HH=7.0H
z)、7.38(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.
5Hz)、7.08(t、2H、メタCH、JHH=7.
5Hz)、7.00(brs、2H、MesCH)、
6.77(brs、2H、MesCH)、6.49
(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.0Hz)、6.
15(d、2H、ピリジンCH、J HH=7.0Hz)、
4.07(brd、4H、NCH2CH2N)、2.98
(s、6H、ピリジンCH3)、2.88(s、6H、
ピリジンCH3)、2.61〜2.21(多重ピーク、
18H、MesCH3)。
【0065】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C710
22(Cl)2Ru=CHPh=0.0141gを用
い、DCPD:Ru比(約30、000:1)および開
始温度約24.2℃で重合させた。結果:最高温度(T
max)に達するまでの時間=389秒。Tmax=175.
3℃。
【0066】(IMesH2)(C1082)(Cl)2
Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
2,2′−ビピリジン(0.74g、2モル当量)を加
えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物
を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間
に、紫色から暗褐色−赤色への色変化が認められた反応
混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたと
ころ、茶赤色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタ
ン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH
2)(C1082)(Cl)2Ru=CHPh11を茶赤
色粉末(0.7g、収率41%)として得た。
【0067】(IMesH2)(C65NO)2(Cl)
2Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
2−ピリジンカルボキシアルデヒド(1.01g、4モ
ル当量)を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージ
し、反応混合物を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌
した。その間に、暗紫色から暗青色への色変化が認めら
れた。反応混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移
し入れたところ、暗青色固体が沈殿した。沈殿を濾過
し、冷ペンタン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、
(IMesH2)(C65NO)2(Cl)2Ru=CH
Ph12を暗青色粉末(1.3g、収率70%)として
得た。
【0068】(IMesH2)(C119N)2(Cl)2
Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−フェニルピリジン(1.50g、4モル当量)を加
えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物
を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間
に、暗紫色から暗緑色への色変化が認められた。反応混
合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたとこ
ろ、暗緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン
20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMes
2)(C119N)2(Cl)2Ru=CHPh13を暗
緑色粉末(2.0g、収率97%)として得た。
【0069】1HNMR(500MHz、CD2
2):δ19.23(s、1H、CHPh)、8.7
4(brs、2H、ピリジン)、7.91(brs、2
H、ピリジン)、7.70〜7.08(多重ピーク、1
9H、オルトCH、パラCH、メタCH、ピリジン)、
6.93(brs、2H、MesCH)6.79(br
s、2H、MesCH)、4.05(brs、4H、N
CH2CH2N)、2.62〜2.29(多重ピーク、1
8H、MesCH3)。
【0070】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C119
N)2(Cl)2Ru=CHPh=0.0153gを用
い、DCPD:Ru比(約30、000:1)および開
始温度約13.4℃で重合させた。
【0071】結果:最高温度(Tmax)に達するまでの
時間=145秒。Tmax=202.2℃。熱機械分析
(TMA)によって測定したガラス転移温度=168
℃。残留モノマー%(室温にてトルエン抽出)=1.1
7%。
【0072】(IMesH2)(C181222(C
l)2Ru=CHPhの合成 錯体1(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
2,2′−ビキノリン(1.21g、2モル当量)を加
えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物
を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間
に、暗紫色から茶紫色へのわずかな色変化が認められ
た。反応混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し
入れたところ、茶紫色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、
冷ペンタン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(I
MesH2)(C181222(Cl)2Ru=CHPh
14を茶紫色粉末(1.8g、収率93%)として得
た。
【0073】(IMesH2)(C55N)2(Cl)2
Ru=CHPhの合成 錯体1(1.1g、1.3mmol)をトルエンに溶か
し、ピリジン(10mL)を加えた。反応液を10分間
撹拌した。その間に、ピンクから明緑色への色変化が認
められた。反応混合物をカニューレによって、冷(約0
℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、緑色固体が
沈殿した。沈殿を濾過し、ペンタン20mLで4回洗浄
し、真空乾燥して、(IMesH2)(C55N)2(C
l)2Ru=CHPhを緑色粉末(0.75g、収率8
0%)として得た。C66/ペンタンからの再結晶とそ
れに続く真空乾燥によって、元素分析用サンプルを調製
した。これらのサンプルは、恐らくは減圧下でのピリジ
ン喪失により、モノピリジン付加物(IMesH2
(C55N)(Cl)2Ru=CHPhとして分析され
る。
【0074】1HNMR(C66):∂19.67
(s、1H、CHPh)、8.84(brs、2H、ピ
リジン)、8.39(brs、2H、ピリジン)、8.
07(d、2H、オルトCH、JHH=8Hz)、7.1
5(t、1H、パラCH、JHH=7Hz)、6.83〜
6.04(広い多重ピーク、9H、ピリジンおよびMe
sCH)、3.37(brd、4H、CH2CH2)、
2.79(brs、6H、MesCH3)、2.45
(brs、6H、MesCH3)、2.04(brs、
6H、MesCH3)。
【0075】13C{1H}NMR(C66):∂31
4.90(m、Ru=CHPh)、219.10(s、
Ru−C(N)2)、152.94、150.84、1
39.92、138.38、136.87、135.9
9、134.97、131.10、130.11、12
9.88、128.69、123.38、51.98、
51.37、21.39、20.96、19.32。 C33373Cl2Ruの元素分析 計算値:C、61.20;H、5.76;N、6.49 実測値:C、61.25;H、5.76;N、6.5
8。
【0076】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C55
N)2(Cl)2Ru=CHPh=0.0127gを用
い、DCPD:Ru比(約30,000:1)および開
始温度約12.1℃で重合させた。結果:最高温度(T
max)に達するまでの時間=173秒。Tmax=201.
9℃。熱機械分析(TMA)によって測定したガラス転
移温度=164℃。残留モノマー%(室温にてトルエン
抽出)=1.05%。
【0077】重合例:ヘキシルノルボルネン塊50g
を、(IMesH2)(C55N)2(Cl)2Ru=C
HPh=0.0068gを用い、HxN:Ru比(約3
0,000:1)および開始温度約12.2℃で重合さ
せた。結果:最高温度(Tmax)に達するまでの時間=
99秒。Tmax=140.7℃。
【0078】(PCp3)(C1282)(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体2(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
1,10−フェナントロリン(1.01g、2モル当
量)を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反
応混合物を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。
その間に、暗紫色から赤色−褐色の色変化が認められ
た。反応混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し
入れたところ、赤色−褐色固体が沈殿した。沈殿を濾過
し、冷ペンタン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、
(PCp3)(C1282)(Cl)2Ru=CH−CH
=C(CH3215を赤色−褐色粉末(1.8g、収率
98%)として得た。
【0079】(PCp3)(C54BrN)2(Cl)2
Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体2(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
3−ブロモピリジン(1.76g、4モル当量)を加え
た。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に、
暗紫色から緑色への色変化が認められた。反応混合物を
冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、緑
色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20mL
で4回洗浄し、真空乾燥して、(PCp3)(C54
rN)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH3216
を緑色粉末(0.2g、収率10%)として得た。
【0080】(PCp3)(C55N)2(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体2(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
ピリジン(0.88g、4モル当量)を加えた。反応フ
ラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を約20℃〜
25℃で約12時間撹拌した。その間に、暗紫色から緑
色への色変化が認められた。反応混合物を冷(約0℃)
ペンタン75mLに移し入れたところ、緑色固体が沈殿
した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20mLで4回洗浄
し、真空乾燥して、(PCp3)(C55N)2(Cl)
2Ru=CH−CH=C(CH3217を緑色粉末
(0.6g、収率34%)として得た。
【0081】(PCp3)(C67N)2(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体2(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−メチルピリジン(1.04g、4モル当量)を加え
た。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に、
暗紫色から明緑色への色変化が認められた。反応混合物
を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、
明緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20
mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(PCp3)(C6
7N)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH3218
を明緑色粉末(1.4g、収率75%)として得た。
【0082】(PCy3)(C1282)(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体3(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
1,10−フェナントロリン(0.91g、2モル当
量)を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反
応混合物を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。
その間に、暗紫色から橙褐色への色変化が認められた。
反応混合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れ
たところ、橙褐色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペ
ンタン20mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(PCy
3)(C1282)(Cl)2Ru=CH−CH=C(C
3219を橙褐色粉末(1.7g、収率97%)とし
て得た。
【0083】(PCy3)(C54BrN)2(Cl)2
Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体3(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
3−ブロモピリジン(1.58g、4モル当量)を加え
た。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に、
暗紫色からの大幅な色変化は認められなかった。反応混
合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたとこ
ろ、紫色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン2
0mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(PCy3)(C5
4BrN)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH3
220を紫色粉末(1.4g、収率67%)として得
た。
【0084】(PCy3)(C119N)2(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体3(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−フェニルピリジン(1.55g、4モル当量)を加
えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物
を約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間
に、暗紫色から褐色への色変化が認められた。反応混合
物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたとこ
ろ、褐色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン2
0mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(PCy3)(C
119N)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH32
21を褐色粉末(1.6g、収率77%)として得た。
【0085】(PCy3)(C67N)2(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体3(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−メチルピリジン(0.93g、4モル当量)を加え
た。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を
約20℃〜約25℃で約12時間撹拌した。その間に、
暗紫色から緑色への色変化が認められた。反応混合物を
冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、緑
色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20mL
で4回洗浄し、真空乾燥して、(PCy3)(C6
7N)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH3222
を緑色粉末(1.6g、収率91%)として得た。
【0086】(PCy3)(C55N)2(Cl)2Ru
=CH−CH=C(CH32の合成 錯体3(2.0g)をトルエン(10mL)に溶かし、
ピリジン(0.79g、4モル当量)を加えた。反応フ
ラスコをアルゴンでパージし、反応混合物を約20℃〜
約25℃で約12時間撹拌した。その間に、暗紫色から
明緑色への色変化が認められた。反応混合物を冷(約0
℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、明緑色固体
が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20mLで4回
洗浄し、真空乾燥して、(PCy3)(C55N)2(C
l)2Ru=CH−CH=C(CH3223を明緑色粉
末(1.4g、収率83%)として得た。
【0087】(IMesH2)(C119N)2(Cl)2
Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体4(1.5g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−フェニルピリジン(1.13g、4モル当量)を加
えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物
を約20℃〜約25℃で約2時間撹拌した。その間に、
褐色から緑色への色変化が認められた。反応混合物を冷
(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、緑色
固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20mLで
4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH2)(C119
N)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH3224を
緑色粉末(0.9g、収率58%)として得た。
【0088】(IMesH2)(C91222(Cl)
2Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体4(1.5g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−ピロリジノピリジン(1.08g、4モル当量)を
加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合
物を約20℃〜約25℃で約2時間撹拌した。その間
に、褐色から緑色への色変化が認められた。反応混合物
を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたところ、
緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン20m
Lで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH2)(C9
1222(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH32
25を緑色粉末(1.0g、収率65%)として得た。
【0089】1HNMR(300MHz、CD2
2):δ19.05(d、1H、CH−CH=C(C
32、JHH=11Hz)、8.14(brs、2H、
ピリジンCH)、7.69(d、1H、CH−CH=C
(CH32、JHH=11Hz)、7.36(d、2H、
ピリジンCH、JHH=6.0Hz)、7.04(s、2
H、MesCH)、6.81(s、2H、MesC
H)、6.36(brs、2H、ピリジンCH)、6.
12(d、2H、ピリジンCH、JHH=6.0Hz)、
4.06(md、4H、NCH2CH2N)、3.29
(brs、4H、ピロリジンCH2)、3.23(br
s、4H、ピロリジンCH2)、2.55〜2.12
(多重ピーク、18H、MesCH3)、2.02(b
rs、4H、ピロリジンCH2)、1.97(brs、
4H、ピロリジンCH2)、1.10(s、3H、CH
−CH=C(CH32)、1.08(s、3H、CH−
CH=C(CH32)。
【0090】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C912
22(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH32
0.0147gを用い、DCPD:Ru比(約30,0
00:1)および開始温度約24.7℃で重合させた。
結果:最高温度(Tmax)に達するまでの時間=181
秒。Tmax=200.9℃。熱機械分析(TMA)によ
って測定したガラス転移温度=144℃。残留モノマー
%(室温にてトルエン抽出)=3.93%。
【0091】(IMesH2)(C10822(Cl)
2Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体4(1.5g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4,4′−ビピリジン(0.57g、2モル当量)を加
えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反応混合物
を約20℃〜約25℃で約2時間撹拌した。その間に、
褐色からの大幅な色変化は認められなかった。反応混合
物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたとこ
ろ、褐色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン2
0mLで4回洗浄し、真空乾燥して、(IMesH2
(C10822(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH
3226を褐色粉末として得た(1.0g、収率64
%)
【0092】(IMesH2)(C71022(Cl)
2Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体4(1.5g)をトルエン(10mL)に溶かし、
4−ジメチルアミノピリジン(0.89g、4モル当
量)を加えた。反応フラスコをアルゴンでパージし、反
応混合物を約20℃〜約25℃で約2時間撹拌した。そ
の間に、褐色から緑色への色変化が認められた。反応混
合物を冷(約0℃)ペンタン75mLに移し入れたとこ
ろ、緑色固体が沈殿した。沈殿を濾過し、冷ペンタン2
0mLで4回洗浄し真空乾燥して、(IMesH2
(C71022(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH
3227を緑色粉末(0.9g、収率63%)として得
た。
【0093】1HNMR(500MHz、CD2
2):δ19.10(d、1H、CH−CH=C(C
32、JHH=11.5Hz、)、8.18(brs、
2H、ピリジンCH)、7.69(d、1H、CH−C
H=C(CH32、JHH=11.5Hz)、7.41
(brs、2H、MesCH)、6.49(brs、2
H、ピリジンCH)、6.24(brs、2H、Mes
CH)、4.06(brm、4H、NCH2CH2N)、
2.99(s、6H、ピリジンCH3)、2.59
(s、6H、ピリジンCH3)、2.36〜2.12
(多重ピーク、18H、MesCH3)、1.07
(s、3H、CH−CH=C(CH32)、1.06
(s、3H、CH−CH=C(CH32)。
【0094】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C710
22(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH32
0.0138gを用い、DCPD:Ru比(約30,0
00:1)および開始温度約24.2℃で重合させた。
結果:最高温度(Tmax)に達するまでの時間=200
秒。Tmax=200.9℃。熱機械分析(TMA)で測
定したガラス転移温度=145℃。残留モノマー%(室
温にてトルエン抽出)=4.57%。
【0095】重合例:ヘキシルノルボルネン塊50g
を、(IMesH2)(C71022(Cl)2Ru=
CH−CH=C(CH32=0.0074gを用い、H
xN:Ru比(約30,000:1)および開始温度約
16.2℃で重合させた。結果:最高温度(Tmax)に
達するまでの時間=182秒。Tmax=141.7℃。
【0096】(IMesH2)(C55N)2(Cl)2
Ru=CH−CH=C(CH32の合成 錯体4(0.5g)をトルエン(10mL)に溶かし、
ピリジン(10mL)を加えた。反応フラスコをアルゴ
ンでパージし、反応混合物を約20℃〜約25℃で約1
2時間撹拌した。その間に、褐色から褐色−緑色への色
変化が認められた。反応混合物を冷(約0℃)ペンタン
75mLに移し入れたところ、緑色固体が沈殿した。沈
殿を濾過し、冷ペンタン20mLで4回洗浄し、真空乾
燥して、28(IMesH2)(C55N)2(Cl)2
Ru=CH−CH=C(CH32を緑色結晶(0.2
g、収率47%)として得た。
【0097】1HNMR(300MHz、CD2
2):δ? 19.19(d、1H、Ru=CH−CH
=C(CH32、JHH=10.8Hz)、8.60〜
6.85(多重ピーク、15H、ピリジン、MesC
H、Ru=CH−CH=C(CH32、4.07(m、
4H、NCH2CH2N)、2.58〜2.27(多重ピ
ーク、12H、MesCH3)、2.31(s、3H、
MesCH3)、2.19(s、3H、MesCH3)、
1.09(s、3H、CH−CH=C(CH32)、
1.08(s、3H、CH−CH=C(CH32)。
【0098】重合例:DCPD(約24%のトリマー化
DCPD含有)塊75gを、(IMesH2)(C55
N)2(Cl)2Ru=CH−CH=C(CH32=0.
0123gを用い、DCPD:Ru比(約30、00
0:1)および開始温度約12.5℃で重合させた。結
果:最高温度(Tmax)に達するまでの時間=129
秒。Tmax=197.1℃。熱機械分析(TMA)で測
定したガラス転移温度=157℃。残留モノマー%(室
温にてトルエン抽出)=2.13%。
【0099】(IMesH2)(C55N)2(Cl)2
Ru=CHPh(31)の合成 錯体1(4.0g、4.7mmol)に溶かし、トルエ
ン(10mL)およびピリジン(30mL、0.37m
ol)を加えた。反応液を10分間撹拌した。その間
に、赤色から明緑色への色変化が認められた。反応混合
物をカニューレによって、冷(−10℃)ペンタン10
0mLに移し入れたところ、緑色固体が沈殿した。沈殿
を濾過し、ペンタン50mLで4回洗浄し、真空乾燥し
て、31を緑色粉末(2.9g、収率85%)として得
た。C66/ペンタンからの再結晶とそれに続く真空乾
燥によって、元素分析用サンプルを調製した。これらの
サンプルは、恐らくは減圧下でのピリジン喪失によっ
て、モノピリジン付加物(IMesH2)(C55N)
(C1)2Ru=CHPhとして分析される。
【0100】1HNMR(C66):δ19.67
(s、1H、CHPh)、8.84(brs、2H、ピ
リジン)、8.39(brs、2H、ピリジン)、8.
07(d、2H、オルトCH、JHH=8Hz)、7.1
5(t、1H、パラCH、JHH=7Hz)、6.83−
6.04(br多重ピーク、9H、ピリジン、MesC
H)、3.37(brd、4H、CH2CH2)、2.7
9(brs、6H、MesCH3)、2.45(br
s、6H、MesCH3)、2.04(brs、6H、
MesCH3)。
【0101】C{1H}NMR(C66):δ314.
90(m、Ru=CHPh)、219.10(s、Ru
−C(N)2)、152.94、150.84、13
9.92、138.38、136.87、135.9
9、134.97、131.10、130.11、12
9.88、128.69、123.38、51.98、
51.37、21.39、20.96、19.32。 C33373C12Ruの元素分析 計算値:C、61.20;H、5.76;N、6.49; 実測値:C、61.25;H、5.76;N、6.58。
【0102】ホスフィン錯体:IMesH2)(PP
3)(Cl)2Ru=CHPh(41)の代表的な合成
【0103】錯体31(150mg、0.21mmo
l)およびPPh3(76mg、0.28mmol)を
ベンゼン(10mL)中で混合し、10分間撹拌した。
溶媒を減圧下で除去し、得られた褐色残留物をペンタン
20mLで4回洗浄し、真空乾燥した。錯体41を褐色
粉末として得た(125mg、73%収率)。
【0104】31P{1H}NMR(C66):δ37.
7(s)。1HNMR(C78):δ19.60(s、
1H、Ru=CHPh)、7.70(d、2H、オルト
CH、JHH=8Hz)、7.29〜6.71(多重ピー
ク、20H、PPh3、パラCH、メタCHおよびMe
sCH)、6.27(s、2H、MesCH)、3.3
9(m、4H、CH2CH2)、2.74(s、6H、オ
ルトCH3)、2.34(s、6H、オルトCH3)、
2.23(s、3H、パラCH3)、1.91(s、3
H、パラCH3)。
【0105】13C{1H}NMR(C66):δ30
5.34(m、Ru−CHPh)、219.57(d、
Ru−C(N)2、JCP=92Hz)、151.69
(d、JC P=4Hz)、139.68、138.35、
138.10、138.97、137.78、135.
89135.21、135.13、131.96、13
1.65、131.36、130.47、129.8
3、129.59(d、JCP=2Hz)、129.1
5、128.92、128.68、128.00、5
2.11(d、JCP=4Hz)、51.44(d、JCP
=2Hz)、21.67、21.35、21.04、1
9.21。 C46472Cl2PRuの元素分析 計算値:C、66.50;H、5.70;N、3.37; 実測値:C、66.82;H、5.76;N、3.29。
【0106】(IMesH2)(OtBu)2Ru=CH
Ph(42)の合成 窒素下にNMR管中にて、錯体31(7.5mg、0.
010mmol)およびKOtBu(3mg、0.02
7mmol)をC66(0.6mL)中で混合した。反
応混合物を15〜20分間放置した。その間に、緑色か
ら暗赤色への色変化が認められた。そして、30分後に
NMRスペクトラムを記録した。
【0107】1HNMR(C66):δ16.56
(s、1H、Ru=CHPh)、7.63(d、2H、
オルトCH、JHH=7Hz)、7.2〜7.1(多重ピ
ーク、3H、メタCHおよびオルトCH)、6.97
(s、4H、MesCH)、3.43(s、4HCH2
CH2)、2.59(s、12H、オルトCH3)、2.
29(s、6H、パラCH3)、1.18(s、18
H、tBu)。
【0108】Tp(IMesH2)(Cl)Ru=CH
Ph(43)の合成 KTp(87mg、0.34mmol)および錯体31
(125mg、0.17mmol)をCH2C12(10
mL)中で混合し、1時間撹拌した。ペンタン(20m
L)を加えて塩を沈殿させ、反応液をさらに30分間撹
拌し、次にカニューレ濾過した。得られた明緑色溶液を
濃縮し、固体残留物をペンタン(2×10mL)および
メタノール(2×10mL)で洗浄し、真空乾燥して、
43(84mg、収率66%)を分析的に純粋な緑色粉
末として得た。
【0109】1HNMR(CD2C12):δ18.73
(s、1H、Ru=CHPh)、7.87(d、1H、
Tp、JHH=2.4Hz)、7.41(d、1H、T
p、J HH=2.1Hz)、7.35〜7.30(多重ピ
ーク、3H、TpおよびパラCH)、7.08(d、1
H、Tp、JHH=1.5Hz)、6.82(brs、5
H、MesCH、オルトCHおよびメタCH)、6.2
4(brs、3H、MesCH)、6.16(t、1
H、Tp、JHH=1.8Hz)5.95(d、1H、T
p、JHH=1.5Hz)、5.69(t、1H、Tp、
HH=2.4Hz)、5.50(t、1H、Tp、JHH
=1.8Hz)、3.77(brd、4H、CH2
2)、2.91〜0.893(広い多重ピーク、18
H、オルトCH3、パラCH3)。
【0110】13C{1H}(CD2C12):δ324.
29(m、Ru=CHPh)、220.57(s、Ru
−C(N)2)、151.50、146.08、14
5.39、142.07、137.94、136.5
7、134.41、133.18、130.60(b
r)、129.55、127.98、106.41、1
05.19、104.51、53.77(br)、2
1.26、20.32(br)。 C37428ClBRuの元素分析 計算値:C、59.56;H、5.67;N、15.02; 実測値:C、59.20;H、5.67;N、14.72。
【0111】1とC55Nとの反応の速度論 ゴム隔壁を取り付けたキュベット内で、1(0.88m
M)のトルエン(1.6mL)溶液を調製した。この溶
液をUV−vis分光光度計内で20℃にて熱平衡状態
とした。無希釈のピリジン−d5(25〜100μL)
をマイクロシリンジを用いて加え、開始物質の消失(5
02nm)をモニタリングすることで、反応速度を追跡
した。各試験について、データを5半減期にわたって収
集し、一次指数関数に適合させた。指数関数曲線適合に
ついての代表的なR2値は0.999より大きかった。
【0112】31のX線結晶構造 表1に、結晶、強度収集(collection)およ
び精査の詳細をまとめた。選択した結晶を、パラトン−
N(Paratone−N)オイルを用いてガラス繊維
に載せ、結晶ロジック(Crystal Logic)
CL24低温装置を搭載したブルカー(Bruker)
SMART 1000 CCD面積検出器に移した。
7種類のψ値でのω−走査によってデータを収集し、次
にSAINTで処理した。吸収および減衰の補正は行わ
なかった。SELXTLを用いて(直接法およびその後
の差フーリエマップによって)解を求め、構造を精査し
た(F2についての全マトリクス最小二乗)。不斉単位
に2つの分子がある。全ての非水素原子について異方的
に精査を行った。結合元素のUeqに基づくUiso値を用
いて、水素原子を計算位置に配置した。一つの分子につ
いての適切な結合の長さおよび角度を表2に示してあ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月28日(2002.2.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 錯体31のラベルを表示した図。
【図2】 kobsとC5D5Nのプロットを示す図。
フロントページの続き (71)出願人 501484275 サイムテック リミテッド ライアビリテ ィー カンパニー CYMETECH,LLC アメリカ合衆国 77340 テキサス州 ハ ンツビル ステート ハイウェイ セブン ティーファイブ サウス 7629 (72)発明者 ロバート エイチ.グラブス アメリカ合衆国 91030 カリフォルニア 州 サウス パサデナ スプルース スト リート 1700 (72)発明者 ジェニファー エイ.ラブ アメリカ合衆国 91106 カリフォルニア 州 パサデナ エス.ホリストン アベニ ュー 222 ナンバー204 (72)発明者 ジェイスン エル.ムーア アメリカ合衆国 77340 テキサス州 ハ ンツビル ボーデン ロード 10 アパー トメント イー (72)発明者 メラニー エス.サンフォード アメリカ合衆国 08536 ニューヨーク州 プレインスボロー ディアー クリーク ドライブ 1014 (72)発明者 ティナ エム.トルンカ アメリカ合衆国 91101 カリフォルニア 州 パサデナ サウス ノール アベニュ ー 278 アパートメント 2 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC70A BC70B BC73A BE05A BE06A BE06B BE07A BE10A BE10B BE13A BE13B BE14A BE21A BE22A BE25A BE26A BE26B BE33A BE33B BE34A BE37A BE37B BE38A BE38B BE43A CB25 CB35 CB38 CB44 DA02 FA01 4H006 AA01 AA03 AB40 AC29 4H050 AA01 AA03 AB40 WB11 WB17 WB21

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式の化合物。 【化1】 [式中、 Mはルテニウムまたはオスミウムであり;XおよびX1
    は同一であるか、または異なっており、それぞれ独立し
    てアニオン配位子であり;L、L1′およびL2は同一で
    あるか、または異なっており、それぞれ独立して任意の
    中性電子供与体配位子であり;少なくとも1つのL、L
    1′およびL2がN−複素環カルベン配位子であり;Rお
    よびR1は同一であるか、または異なっており、それぞ
    れ独立して水素であるか、またはC1〜C20アルキル、
    2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリー
    ル、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキ
    シ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニル
    オキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボ
    ニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスル
    ホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルのうちか
    ら選択される置換または未置換の置換基である]
  2. 【請求項2】 RまたはR1置換基の少なくとも一方
    が、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびア
    リールのうちから選択される少なくとも1つの部分で置
    換されており、前記部分が置換されているか、または未
    置換である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 前記部分が、ハロゲン、C1〜C5アルキ
    ル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルのうちから選択
    される1つ以上の基で置換されている請求項2に記載の
    化合物。
  4. 【請求項4】 Rが水素であり;かつR1が、C1〜C20
    アルキル、C2〜C2 0アルケニルおよびアリールのうち
    から選択される請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1が、フェニルまたはビニルである請
    求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 XおよびX1がそれぞれ独立して、水
    素、ハライドであるか、またはC1〜C20アルキル、ア
    リール、C1〜C20アルコキシド、アリールオキシド、
    3〜C20アルキルジケトネート、アリールジケトネー
    ト、C1〜C20カルボキシレート、アリールスルホネー
    ト、C1〜C20アルキルスルホネート、C1〜C20アルキ
    ルチオ、C1〜C20アルキルスルホニルまたはC1〜C20
    アルキルスルフィニルのうちから選択され;XおよびX
    1がそれぞれ独立して置換されているか、または未置換
    である請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 XおよびX1のうちの少なくとも一方
    が、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルコキシおよびア
    リールのうちから選択される1つ以上の部分で置換され
    ており;前記部分が置換されているか、または未置換で
    ある請求項6に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 前記部分が、ハロゲン、C1〜C5アルキ
    ル、C1〜C5アルコキシおよびフェニルのうちから選択
    される1つ以上の基で置換されている請求項7に記載の
    化合物。
  9. 【請求項9】 XおよびX1がそれぞれ独立して、ハラ
    イド、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C1
    〜C5アルキル、フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C1
    〜C5アルキルチオ、アリールおよびC1〜C5アルキル
    スルホネートのうちから選択される請求項1に記載の化
    合物。
  10. 【請求項10】 XおよびX1がそれぞれ独立して、ハ
    ライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(C
    33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(C
    32CO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メ
    シレートまたはトリフルオロメタンスルホネートのうち
    から選択される請求項9に記載の化合物。
  11. 【請求項11】 L、L1′およびL2がそれぞれ独立し
    て、単座配位、2座配位または4座配位中性電子供与体
    配位子のうちから選択される請求項1に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 L、L1′およびL2がそれぞれ独立し
    て、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイ
    ト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビ
    ン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシ
    ド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジンおよびチオエ
    ーテル、N−複素環カルベン配位子またはそれらからの
    任意の誘導体のうちから選択される請求項11に記載の
    化合物。
  13. 【請求項13】 L1′およびL2がいずれも、同一また
    は異なったN−複素環カルベン配位子である請求項1に
    記載の化合物。
  14. 【請求項14】 前記N−複素環カルベン配位子が下記
    のもののうちから選択される請求項1に記載の化合物。 【化2】 [式中、R、R1、R6、R7、R8、R9、R10およびR
    11はそれぞれ独立して、水素であるか、またはC1〜C
    20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニ
    ル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
    アルコキシ、C 2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20
    ルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキ
    シカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アル
    キルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニル
    のうちから選択される置換または未置換の置換基であ
    る]
  15. 【請求項15】 LがN−複素環カルベン配位子であ
    り、かつL1′およびL2がそれぞれ複素環配位子である
    請求項1に記載の化合物。
  16. 【請求項16】 L1′およびL2のうちの少なくとも一
    方が芳香族である請求項15に記載の化合物。
  17. 【請求項17】 L1′およびL2が一体となって2座配
    位子を形成している請求項15に記載の化合物。
  18. 【請求項18】 L1′およびL2の少なくとも一方が、
    フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ビピリジ
    ン、ピコリルイミン、γ−ピラン、γ−チオピラン、フ
    ェナントロリン、ピリミジン、ビピリミジン、ピラジ
    ン、インドール、クマロン、チオナフテン、カルバゾー
    ル、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ピラゾー
    ル、イミダゾール、ベンズイミダゾール、オキサゾー
    ル、チアゾール、ジチアゾール、イソオキサゾール、イ
    ソチアゾール、キノリン、ビスキノリン、イソキノリ
    ン、ビスイソキノリン、アクリジン、クロメン、フェナ
    ジン、フェノキサジン、フェノチアジン、トリアジン、
    チアントレン、プリン、ビスイミダゾールおよびビスオ
    キサゾールのうちから選択される未置換または置換ヘテ
    ロアレーンである請求項1に記載の化合物。
  19. 【請求項19】 L1′およびL2のうちの少なくとも一
    方が、未置換または置換ピリジン、あるいは未置換また
    は置換ピリジン誘導体である請求項18に記載の化合
    物。
  20. 【請求項20】 前記未置換または置換ヘテロアレーン
    が下記のもののうちから選択される請求項18に記載の
    化合物。 【化3】
  21. 【請求項21】 L1′およびL2のうちの少なくとも一
    方が、下記のものから選択される未置換または置換複素
    環である請求項1に記載の化合物。 【化4】 [式中、RはC1〜C20アルキル、アリール、エーテ
    ル、アミド、ハライド、ニトロ、エステル、ピリジルの
    うちから選択される]
  22. 【請求項22】 下記式の化合物。 【化5】 [式中、Mはルテニウムであり;XおよびX1はそれぞ
    れ独立して、ハライド、CF3CO2、CH3CO2、CF
    2CO2、(CH33CO、(CF32(CH3)C
    O、(CF3)(CH32CO、PhO、MeO、Et
    O、トシレート、メシレートまたはトリフルオロメタン
    スルホネートのうちから選択され;LはN−複素環カル
    ベン配位子であり;L1′およびL2は同一であるか、ま
    たは異なっており、それぞれ置換または未置換ヘテロア
    レーンであり;Rは水素であり;R1はC1〜C20アルキ
    ル、C2〜C20アルケニルおよびアリールのうちから選
    択される]
  23. 【請求項23】 XおよびX1がそれぞれClであり;
    Lが(IMesH2)であり;L1′およびL2がそれぞ
    れ独立してピリジンまたはピリジン誘導体であり;Rが
    水素であり;R1がフェニルまたはビニルである請求項
    22に記載の化合物。
  24. 【請求項24】 下記のもののうちから選択される化合
    物。 【化6】 [上記式中、sIMESは 【化7】 である]
  25. 【請求項25】 環状または非環状オレフィンのメタセ
    シス方法において、前記オレフィンを下記式の化合物と
    接触させることからなる方法。 【化8】 [式中、 Mはルテニウムまたはオスミウムであり;XおよびX1
    は同一であるか、または異なっており、それぞれ独立し
    てアニオン配位子であり;L、L1′およびL2は同一で
    あるか、または異なっており、それぞれ独立して任意の
    中性電子供与体配位子であり;少なくとも1つのL、L
    1′およびL2がN−複素環カルベン配位子であり;Rお
    よびR1は同一であるか、または異なっており、それぞ
    れ独立して水素であるか、またはC1〜C20アルキル、
    2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、アリー
    ル、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20アルコキ
    シ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20アルキニル
    オキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキシカルボ
    ニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アルキルスル
    ホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニルのうちか
    ら選択される置換または未置換の置換基である]
  26. 【請求項26】 Mがルテニウムであり;XおよびX1
    がそれぞれ独立して、ハライド、CF3CO2、CH3
    2、CFH2CO2、(CH33CO、(CF32(C
    3)CO、(CF3)(CH32CO、PhO、Me
    O、EtO、トシレート、メシレートまたはトリフルオ
    ロメタンスルホネートのうちから選択され;LがN−複
    素環カルベン配位子であり;L1′およびL2が同一であ
    るか、または異なっており、かつそれぞれ置換または未
    置換ヘテロアレーンであり;Rが水素であり;R1がC1
    〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルおよびアリール
    のうちから選択される請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 XおよびX1がそれぞれClであり;
    Lが(IMesH2)であり;L1′およびL2がそれぞ
    れ独立してピリジンまたはピリジン誘導体であり;Rが
    水素であり;R1がフェニルまたはビニルである請求項
    26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 環状オレフィンの開環メタセシス重合
    のための方法において、前記オレフィンを下記式の化合
    物と接触させることからなる方法。 【化9】 [式中、 XおよびX1はそれぞれ独立して、ハライド、CF3CO
    2、CH3CO2、CFH2CO2、(CH33CO、(C
    32(CH3)CO、(CF3)(CH32CO、Ph
    O、MeO、EtO、トシレート、メシレートまたはト
    リフルオロメタンスルホネートのうちから選択され;L
    はN−複素環カルベン配位子であり;L1′およびL2
    同一であるか、または異なっており、それぞれ置換また
    は未置換ヘテロアレーンであり;Rは水素であり;R1
    はC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルおよびアリ
    ールのうちから選択される]
  29. 【請求項29】 前記オレフィンが、置換または未置換
    ノルボルネンまたはノルボルネン誘導体である請求項2
    8に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記オレフィンが、置換または未置換
    ジシクロペンタジエンである請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 下記式の化合物。 【化10】 [式中、 Mはルテニウムまたはオスミウムであり;XおよびX1
    は同一であるか、または異なっており、それぞれ独立し
    てアニオン配位子であり;L、L1′およびL2は同一で
    あるか、または異なっており、それぞれ独立して任意の
    中性電子供与体配位子であり;Rは、水素であるか、ま
    たはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2
    20アルキニル、アリール、C1〜C20カルボキシレー
    ト、C1〜C20アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキ
    シ、C2〜C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2
    〜C20アルコキシカルボニル、C1〜C20アルキルチ
    オ、C1〜C20アルキルスルホニルおよびC1〜C20アル
    キルスルフィニルのうちから選択される置換または未置
    換の置換基であり;R1は置換または未置換C2〜C20
    ルケニルである]
  32. 【請求項32】 R1が置換または未置換ビニルである
    請求項31に記載の化合物。
  33. 【請求項33】 ルテニウムまたはオスミウム6配位メ
    タセシス触媒を合成するための方法であって、少なくと
    も1つのN−複素環カルベン配位子を有するルテニウム
    またはオスミウム5配位金属カルベンメタセシス触媒と
    中性電子供与体配位子とを接触させることからなる方
    法。
  34. 【請求項34】 前記触媒が下記式の化合物である請求
    項33に記載の方法。 【化11】 [式中、 Mはルテニウムまたはオスミウムであり;XおよびX1
    は同一であるか、または異なっており、それぞれ独立し
    てアニオン配位子であり;L、L1′およびL2は同一で
    あるか、または異なっており、それぞれ独立して任意の
    中性電子供与体配位子であり;かつ少なくとも1つの
    L、L1′およびL2がN−複素環カルベン配位子であ
    り;RおよびR1は同一であるか、または異なってお
    り、それぞれ独立して水素であるか、またはC1〜C20
    アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニ
    ル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
    アルコキシ、C2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20
    ルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキ
    シカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アル
    キルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニル
    のうちから選択される置換または未置換の置換基であ
    る]
  35. 【請求項35】 Rが水素であり;R1が、C1〜C20
    ルキル、C2〜C20アルケニルおよびアリールのうちか
    ら選択される請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 R1が、フェニルまたはビニルである
    請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 XおよびX1がそれぞれ独立して、ハ
    ライド、ベンゾエート、C1〜C5カルボキシレート、C
    1〜C5アルキル、フェノキシ、C1〜C5アルコキシ、C
    1〜C5アルキルチオ、アリールおよびC1〜C5アルキル
    スルホネートのうちから選択される請求項33に記載の
    方法。
  38. 【請求項38】 XおよびX1がそれぞれ独立して、ハ
    ライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2CO2、(C
    33CO、(CF32(CH3)CO、(CF3)(C
    32CO、PhO、MeO、EtO、トシレート、メ
    シレートまたはトリフルオロメタンスルホネートのうち
    から選択される請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 L、L1′およびL2がそれぞれ独立し
    て、単座配位、2座配位または4座配位中性電子供与体
    配位子のうちから選択される請求項33に記載の方法。
  40. 【請求項40】 L、L1′およびL2がそれぞれ独立し
    て、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、ホスファイ
    ト、ホスフィナイト、ホスホナイト、アルシン、スチビ
    ン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシ
    ド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジンおよびチオエ
    ーテル、N−複素環カルベン配位子またはそれらからの
    任意の誘導体のうちから選択される請求項33に記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 L1′およびL2がいずれも、同一また
    は異なったN−複素環カルベン配位子である請求項40
    に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記N−複素環カルベン配位子が下記
    のもののうちから選択される請求項40に記載の方法。 【化12】 [式中、R、R1、R6、R7、R8、R9、R10およびR
    11はそれぞれ独立して、水素であるか、またはC1〜C
    20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニ
    ル、アリール、C1〜C20カルボキシレート、C1〜C20
    アルコキシ、C 2〜C20アルケニルオキシ、C2〜C20
    ルキニルオキシ、アリールオキシ、C2〜C20アルコキ
    シカルボニル、C1〜C20アルキルチオ、C1〜C20アル
    キルスルホニルおよびC1〜C20アルキルスルフィニル
    のうちから選択される置換もしくは未置換の置換基であ
    る]
  43. 【請求項43】 LがN−複素環カルベン配位子であ
    り、L1′およびL2がそれぞれ複素環配位子である請求
    項33に記載の方法。
  44. 【請求項44】 L1′およびL2が、フラン、チオフェ
    ン、ピロール、ピリジン、ビピリジン、ピコリルイミ
    ン、γ−ピラン、γ−チオピラン、フェナントロリン、
    ピリミジン、ビピリミジン、ピラジン、インドール、ク
    マロン、チオナフテン、カルバゾール、ジベンゾフラ
    ン、ジベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、
    ベンズイミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ジチ
    アゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、キノリ
    ン、ビスキノリン、イソキノリン、ビスイソキノリン、
    アクリジン、クロメン、フェナジン、フェノキサジン、
    フェノチアジン、トリアジン、チアントレン、プリン、
    ビスイミダゾールおよびビスオキサゾールのうちから選
    択される未置換または置換ヘテロアレーンである請求項
    33に記載の方法。
  45. 【請求項45】 L1′およびL2のうちの少なくとも一
    方が、置換または未置換ピリジン、あるいは置換または
    未置換ピリジン誘導体である請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 L1′およびL2のうちの少なくとも一
    方が、下記のもののうちから選択される未置換または置
    換複素環である請求項33に記載の方法。 【化13】 [式中、RはC1〜C20アルキル、アリール、エーテ
    ル、アミド、ハライド、ニトロ、エステル、ピリジルの
    うちから選択される]
  47. 【請求項47】 下記式のルテニウムまたはオスミウム
    6配位メタセシス触媒を合成するための方法であって、
    1つ以上のN−複素環カルベン配位子を有するルテニウ
    ムまたはオスミウム5配位金属カルベンメタセシス触媒
    と中性電子供与体配位子とを接触させることからなる方
    法。 【化14】 [式中、 Mはルテニウムであり;XおよびX1はそれぞれ独立し
    て、ハライド、CF3CO2、CH3CO2、CFH2
    2、(CH33CO、(CF32(CH3)CO、(C
    3)(CH32CO、PhO、MeO、EtO、トシ
    レート、メシレートまたはトリフルオロメタンスルホネ
    ートのうちから選択され;LはN−複素環カルベン配位
    子であり;L1′およびL2は同一であるか、または異な
    っており、かつそれぞれ置換または未置換ヘテロアレー
    ンであり;Rは水素であり;R1はC1〜C20アルキル、
    2〜C20アルケニルおよびアリールのうちから選択さ
    れる]
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