JP2003174108A - 光通信用パッケージ及びその製造方法 - Google Patents

光通信用パッケージ及びその製造方法

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JP2003174108A
JP2003174108A JP2001373444A JP2001373444A JP2003174108A JP 2003174108 A JP2003174108 A JP 2003174108A JP 2001373444 A JP2001373444 A JP 2001373444A JP 2001373444 A JP2001373444 A JP 2001373444A JP 2003174108 A JP2003174108 A JP 2003174108A
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metal
optical communication
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conductor pattern
metal conductor
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Hideaki Itakura
秀明 板倉
Toru Uenishi
徹 上西
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Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal SMI Electronics Device Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝送基板の上面側への低温ろう材の這い上が
りを防止する光通信用パッケージ及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 キャビティ部14を形成する金属製の枠
体11と、取付部15に接合された側壁部17、及び台
座部18を有する金属製アダプター16を有し、側壁部
17には同軸コネクター19を接続するための挿通孔2
0を有すると共に、台座部18にはキャビティ部14内
に突出するコネクター芯線23の一方の側部と接続させ
るための低温ろう材25を介して接合されたセラミック
製の伝送基板24を有する光通信用パッケージ10にお
いて、テーパ部28に伝送基板24の上面、底面に形成
された金属導体パターン26b、26cの導通のための
金属導体パターン26dを有する中空ビア27を有し、
これには低温ろう材25のろう流れを阻害する金属薄膜
層29を金属導体パターン26d上に有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光通信用の半導体
素子を収容するための光通信用パッケージに係り、より
詳細には、同軸コネクターのコネクター芯線の一方の側
部を接続するための伝送基板を有する光通信用パッケー
ジ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザーダイオード等の発光素子からの
光波を搬送波として用いるような光通信用の半導体素子
を収容するための光通信用パッケージには、本体がセラ
ミック製や金属製のものがある。図4(A)、(B)は
それぞれ従来の光通信用パッケージの平面図、C−C’
線断面図を示し、例えば、従来の金属製の光通信用パッ
ケージ50は、底体51が放熱性に優れたCu−W(銅
タングステン)やCu−Mo−Cu(銅モリブデン銅の
接合板)等の金属部材で、枠体52がセラミックと熱膨
張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品
名「Kovar(コバール)」)や42アロイ(Fe−
Ni系合金)等の金属部材で形成されている。底体51
と枠体52とで、内部に半導体素子を搭載するためのキ
ャビティ部53を形成する。また、光通信用パッケージ
50は、枠体52の一側壁に穿孔された貫通孔に、K
V、42アロイ又はステンレス系等の金属部材からな
り、光ファイバーの光の入出口となる金属製固定部材5
4を挿入しろう付け接合している。
【0003】また、光通信用パッケージ50は、金属製
固定部材54が接合された枠体52の側壁に隣接する側
壁に穿設された窓枠状切り欠き部に、アルミナ(Al
)等のセラミック材からなるフィードスルー
基板56を接合している。このフィードスルー基板56
は、キャビティ部53側に形成される導体配線パターン
55aから枠体52の外側にかけて導通して形成される
導体配線パターン55bを備えている。そして、Niめ
っきを施した後、外側部分の導体配線パターン55bに
は、外部からの電気的接続をするためのKVや42アロ
イ等の金属部材からなる外部接続端子57をろう付け接
合している。
【0004】また、光通信用パッケージ50は、フィー
ドスルー基板56を設けた側壁と対向する枠体52の側
壁に穿設された取付部58に、同軸コネクター59を接
合するための挿通孔60を備えたKVや42アロイ等か
らなる金属製のアダプター61を接合している。同軸コ
ネクター59は、コネクター芯線62を有し、挿通孔6
0に挿入し接合されている。コネクター芯線62の一方
の側部は、アダプター61の台座部63上に、低温ろう
材で接合された伝送基板65の信号用の金属導体パター
ン64aと接合している。また、この伝送基板65に
は、アルミナ等のセラミックグリーンシートにスルーホ
ールがパンチングプレス等によって穿孔された後、スル
ーホールの壁面にも金属導体パターン64dが設けら
れ、上面と、底面に設けられた金属導体パターン64
b、64cが電気的に導通状態になるように形成してい
る(図5(A)、(B)参照)。また、光通信用パッケ
ージ50は、枠体52の上方に接合し、半導体素子を実
装した後、蓋体(図示せず)を接合してキャビティ部5
3内を気密に封止するための金属製のシールリング66
を有する。
【0005】この光通信用パッケージ50には、キャビ
ティ部53に半導体素子が搭載され、半導体素子と、フ
ィードスルー基板56のキャビティ部53側の導体配線
パターン55aとボンディングワイヤ等で接続し、外部
接続端子57と、半導体素子とを導通状態にする。ま
た、半導体素子と、伝送基板65の金属導体パターン6
4aとボンディングワイヤ等で接続し、同軸コネクター
59と、半導体素子とを導通状態にしたり、金属導体パ
ターン64bと接続し、グランドとして用いている。更
に、光ファイバー部材を金属製固定部材54に接合した
後、シールリング66の上面に金属等からなる蓋体を接
合することで光半導体装置が形成される。そして、この
光半導体装置は、固定用孔67を介してねじでボード等
にねじ止め固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の光通信用パッケージ及びその製造方法
は、次のような問題がある。図5(A)は、従来の光通
信用パッケージのアダプターと伝送基板の接合部の拡大
平面図、図5(B)は、図5(A)のD−D’線拡大断
面図を示し、セラミック基材からなる伝送基板65は、
枠体52の取付部58にAg−Cuろう等の高温ろう材
で接合した金属製のアダプター61の台座部63上に、
Au−Snろうや、Au−Geろう等の低温ろう材68
で接合される。この伝送基板65には、スルーホール壁
面に金属導体パターン64dを設けた中空ビア69を形
成し、上面と底面のグランド用の金属導体パターン64
b、64cを導通状態とした高周波特性対応のための構
造が形成されている。この伝送基板65においては、伝
送基板65の台座部63への接合時に、低温ろう材68
が中空ビア69に形成された金属導体パターン64dを
介して伝送基板65の上面側のグランド用の金属導体パ
ターン64bに這い上がり、光通信用の半導体素子とボ
ンディングワイヤで接続するためのワイヤボンド領域7
0を汚すので、ワイヤボンドができなくなる問題が発生
している。本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもの
であって、伝送基板の上面側への低温ろう材の這い上が
りを防止する光通信用パッケージ及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る光通信用パッケージは、内部に光通信用の半導体素
子を搭載するためのキャビティ部を形成する金属製の枠
体と、枠体の一側壁に穿設された取付部に接合された側
壁部及び側壁部に一体化され、枠体のキャビティ部に配
置される台座部を有する金属製アダプターを有し、側壁
部には同軸コネクターを接続するための挿通孔を有する
と共に、台座部にはキャビティ部内に突出する同軸コネ
クターのコネクター芯線の一方の側部と接続させるため
の低温ろう材を介して接合されたセラミック製の伝送基
板を有する光通信用パッケージにおいて、伝送基板は断
面視してテーパ部に伝送基板の上面及び底面に形成され
た金属導体パターンの導通のための金属導体パターンを
有する中空ビアを有し、中空ビアには低温ろう材のろう
流れを阻害する金属薄膜層をテーパ部の金属導体パター
ン上に有する。これにより、低温ろう材が中空ビアを介
して伝送基板の上面へ這い上がるのを防止することがで
きるので、ワイヤボンド領域は汚染がなく、正常なワイ
ヤボンドを行うことができる。
【0008】ここで、中空ビアのテーパ部は、台座部と
接合する側が大きく形成されているのがよい。これによ
り、接合時に巻き込まれる気泡が中空ビアを介して排出
しやすくなるので、伝送基板の浮き上がりを防止するこ
とができる。また、低温ろう材が這い上がる方向に孔径
が細くなり抵抗が大きくなるので、更に、低温ろう材の
上面側への這い上がりを防止することができる。
【0009】前記目的に沿う本発明に係る光通信用パッ
ケージの製造方法は、光通信用の半導体素子を搭載する
ためのキャビティ部に金属製アダプターの台座部が設け
られ、同軸コネクターのコネクター芯線の一方の側部を
接続するためのセラミック製の伝送基板の底面側を台座
部に低温ろう材を用いて接合する光通信用パッケージの
製造方法において、伝送基板の底面側となるセラミック
焼結体の底面側からレーザ加工して、断面視してセラミ
ック焼結体の底面側が大きい開口部、セラミック焼結体
の底面側と対向する上面側が小さい開口部のテーパ部か
らなるビア孔を穿孔する工程と、セラミック焼結体の上
面側の表面、底面側の表面、及びテーパ部に金属導体パ
ターンを形成する工程と、セラミック焼結体の底面側の
金属導体パターンの表面に、テーパ部の大きい開口部を
開口して露出させるフォトレジスト膜を配設し、テーパ
部の金属導体パターン上に、低温ろう材のろう流れを阻
害する金属薄膜層をスパッタで形成する工程と、フォト
レジスト膜を除去した伝送基板の底面側を台座部に低温
ろう材を用いて接合する工程とを有する。これにより、
セラミック焼結体の大きい開口部からスパッタで容易に
テーパ部に金属薄膜層を形成することができるので、伝
送基板の上面側への低温ろう材の這い上がりを防止した
光通信用パッケージを効率よく作製することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本
発明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)はそ
れぞれ本発明の一実施の形態に係る光通信用パッケージ
の平面図、A−A’線断面図、図2(A)、(B)はそ
れぞれ同光通信用パッケージのアダプターの台座部と伝
送基板の接合部の拡大平面図、B−B’線断面図、図3
(A)〜(E)はそれぞれ同光通信用パッケージの製造
方法の説明図である。
【0011】図1(A)、(B)に示すように、本発明
の一実施の形態に係る光通信用パッケージ10は、金属
製の枠体11と、ボード等に取り付けるための固定用孔
12(この実施の形態では4個)を備えた金属製の底体
13とをろう付け接合して、内部に光通信用の半導体素
子を搭載するためのキャビティ部14を有している。枠
体11の一側壁には、キャビティ部14に連通して切り
欠いて形成した取付部15が設けられている。この取付
部15には、KVや42アロイ等の金属部材からなるア
ダプター16の側壁部17がAg−Cuろう等の高温ろ
う材を用いて接合されている。このアダプター16は、
側壁部17に一体化され、キャビティ部14に配置され
る台座部18を有している。また、側壁部17には、同
軸コネクター19を接続するための挿通孔20を有して
いる。挿通孔20には、Au−Snろうや、Au−Ge
ろう等からなる低温ろう材で接合された同軸コネクター
19を有している。同軸コネクター19は、KVや、4
2アロイ等の金属部材からなる金属製筒体21の筒内中
央部に、金属製筒体21の軸心を合わせて、高融点ガラ
ス等の絶縁部材22で長さ方向の中央部で接合されたコ
ネクター芯線23を有する。
【0012】図2(A)、(B)に示すように、アダプ
ター16の台座部18上には、セラミックからなる伝送
基板24を、コネクター芯線23のキャビティ部14内
に突出する一方の側部の下側に配置し、一端面部をアダ
プター16の側壁部17に実質的に隙間を無くして当接
させ、底面側をAu−Snろうや、Au−Geろう等か
らなる低温ろう材25で接合して有している。この伝送
基板24は、同軸コネクター19を介して高周波信号を
流すときの高周波対応のために、例えば、マイクロスト
リップ線路、コプレナ線路、グランデッドコプレナ線路
等の構造(本実施の形態ではグランデッドコプレナ線路
構造で説明)を有した信号用の金属導体パターン26a
と、グランド用の金属導体パターン26bを有してい
る。伝送基板24の上面側の中央部に、コネクター芯線
23の軸線方向に合わせて設けられた信号用の金属導体
パターン26aには、コネクター芯線23の一方の側部
がAu−Snろうや、Au−Geろう等からなる低温ろ
う材で接合されている。また、伝送基板24の上面側に
は、平面視して信号用の金属導体パターン26aを挟ん
で両側に絶縁間隔部を設けてグランド用の金属導体パタ
ーン26bが設けられ、更に、底面側にも、全面にわた
ってグランド用の金属導体パターン26cが設けられ、
そして、上面と、底面を貫通する貫通孔の壁面に金属導
体パターン26dを形成した中空ビア27によって、上
面側と、底面側のグランド用の金属導体パターン26
b、26cが導通状態に形成されている。
【0013】中空ビア27には、断面視してテーパ部2
8を有し、テーパ部28に設けられた金属導体パターン
26dの表面には、金属薄膜層29を有している。この
金属薄膜層29は、Au−Snろうや、Au−Geろう
等からなる低温ろう材25が溶融した時のろう流れを阻
害するCrや、Ni等からなる金属で形成されている。
このろう流れを阻害する金属薄膜層29によって、伝送
基板24をアダプター16の台座部18に低温ろう材2
5で接合しても、中空ビア27から低温ろう材25が伝
送基板24の上面側に這い上がるのを防止することがで
きる。そして、信号用の金属導体パターン26aと、グ
ランド用の金属導体パターン26bの上面側は、光通信
用の半導体素子とそれぞれボンディングワイヤで接続す
るのに用いられる。
【0014】中空ビア27のテーパ部28は、アダプタ
ー16の台座部18に接合する側の開口径が大きく形成
されているのがよい。大きい開口径部から接合時に巻き
込まれる気泡が排出されやすくなり、伝送基板24の浮
き上がりを防止することができる。また、低温ろう材の
這い上がりに対しては、ろう材が這い上がる方向に孔径
が小さくなって這い上がり抵抗が大きくなる側に作用す
るので、更に、這い上がりを防止することができる。
【0015】なお、光通信用パッケージ10は、アダプ
ター16が接合される枠体11の側壁に対向する側壁
に、セラミックからなるフィードスルー基板30を有す
る。フィードスルー基板30は、パッケージの内外部を
導通する導体配線パターン31a、31bを備え、枠体
11に設けられたキャビティ部14に連通する窓枠状切
り欠き部32に嵌合され、Ag−Cuろう等の高温ろう
材で接合されている。枠体11の外側の導体配線パター
ン31bには、外部接続端子33がバタフライ型にろう
付け接合され、キャビティ部14側の導体配線パターン
31aは、光通信用の半導体素子とボンディングワイヤ
で接続されるのに用いられる。
【0016】また、枠体11のアダプター16及びフィ
ードスルー基板30が接合されていない一方の側壁部に
は、キャビティ部14に連通する貫通孔34が設けられ
ており、この貫通孔34に、光ファイバーの光の入出口
となり、KV、42アロイ又はステンレス系等の金属部
材からなる金属製固定部材35が挿入され、ろう付け接
合されて有している。また、枠体11の上方には、Ag
−Cuろう等からなる高温ろう材で接合したKVや、4
2アロイ等の金属部材からなるシールリング36が設け
られている。このシールリング36は、半導体素子を実
装した後、蓋体(図示せず)を接合してキャビティ部1
4内を気密に封止するために用いられる。
【0017】光通信用パッケージ10には、キャビティ
部14内に光通信用の半導体素子が実装され、KVや、
42アロイ等の金属部材から形成されるキャップ(蓋
体)がシールリング36にAu−Snろうや、Au−G
eろう等からなる低温ろう材でろう付け接合される。そ
して、金属製固定部材35に光ファイバー部材が取り付
けられて、光通信用の半導体デバイスとして使用され
る。
【0018】次いで、本発明の一実施の形態に係る光通
信用パッケージ10の製造方法を説明する。セラミック
と熱膨張係数が近似するKVや、42アロイ等の金属魂
を切削したり、パイプ状を輪切りにしてから押し曲げて
枠体11を形成する。更に、この枠体11の側壁には、
キャビティ部14に連通する実質的に矩形状の切り欠き
からなる窓枠状切り欠き部32を枠体11の上端部から
切り欠いて形成する。また、窓枠状切り欠き部32に対
向する枠体11の側壁には、キャビティ部14に連通す
る実質的に矩形状に枠体11の上端部から切り欠いた取
付部15を形成する。更に、窓枠状切り欠き部32、及
び取付部15が形成されていない枠体11の一側壁に
は、キャビティ部14に連通する実質的に円形からなる
貫通孔34を穿孔して形成する。一方、半導体素子から
の発熱を放熱するのに優れる銅タングステンや、銅モリ
ブデン銅の接合部材等の金属板から形成され、ボード等
の取り付け部材にねじで取り付けるための固定用孔12
を備えた底体13を形成する。枠体11と底体13は、
Niめっきを施した後、接合部に高温ろう材の一例であ
る、Ag−Cuろう等を挟んで加熱し、ろう付け接合す
る。これにより、光通信用のレーザーダイオード、フォ
トダイオード等の半導体素子を内部に搭載するためのキ
ャビティ部14が形成される。
【0019】窓枠状切り欠き部32には、セラミックか
らなるフィードスルー基板30の窓枠状切り欠き部32
との接合面に形成された導体パターンにNiめっきを施
した後、接合部にAg−Cuろう等の高温ろう材を挟ん
で加熱し、フィードスルー基板30をろう付け接合す
る。また、枠体11の外側部分に形成された導体配線パ
ターン31bには、Niめっきを施した後、外部接続端
子33が接合部にAg−Cuろう等の高温ろう材を挟ん
で加熱し接合される。なお、このフィードスルー基板3
0を形成するアルミナ等のセラミックは、例えば、先
ず、アルミナ粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の
焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチルフタレート
等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及びトル
エン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に
混練し、脱泡して粘度2000〜40000cpsのス
ラリーを作製する。次いで、ドクターブレード法等によ
って、例えば、厚み0.25mmのロール状のシートを
形成し、適当なサイズの矩形状に切断したセラミックグ
リーンシートを作製する。そして、フィードスルー基板
30は、複数枚のセラミックグリーンシートにタングス
テンや、モリブデン等の高融点金属を用いて導体配線パ
ターン31a、31b等を形成し、複数枚を積層し、約
1550℃の還元雰囲気中で、セラミックと高融点金属
を同時焼成して作製している。
【0020】取付部15には、KVや、42アロイ等の
金属材を切削加工等によって側壁部17と台座部18が
直角に交わるように一体的に形成し、側壁部17に同軸
コネクター19を接続するための小径孔と大径孔からな
る段差部を設けた挿通孔20を有する金属製のアダプタ
ー16を、その表面にNiめっきを施した後、Ag−C
uろう等の高温ろう材を接合部に挟んで加熱し、ろう付
け接合する。同軸コネクター19は、KVや、42アロ
イ等の金属部材を切削加工やプレス成形加工等によって
形成した金属製筒体21の筒中に、高融点ガラス等の絶
縁部材22でコネクター芯線23の長さ方向の中心部を
接合固定して作製する。この同軸コネクター19を、ア
ダプター16の挿通孔20にAu−Snろうや、Au−
Geろう等からなる低温ろう材でろう付け接合する。
【0021】貫通孔34には、KVや、42アロイ等の
金属塊から、切削加工等によって外径部分及び空洞孔を
形成した金属製固定部材35との接合面にNiめっきを
施した後、接合部にAg−Cuろう等の高温ろう材を挟
んで加熱し、金属製固定部材35をろう付け接合する。
この金属製固定部材35には、キャビティ部14に半導
体素子が実装された後、半導体素子との間で光信号を送
受するための光ファイバー部材(図示せず)がAu−S
n等の低温ろう材で接合されたり、YAG等のレーザ溶
接で接合される。
【0022】枠体11の上方には、KVや、42アロイ
等からなる金属製のシールリング36にNiめっきを施
した後、Ag−Cuろう等の高温ろう材を接合部に挟ん
で加熱し、ろう付け接合する。なお、上記の高温ろう材
のろう付け接合は、それぞれを一度に、又は複数回に分
けてろう付けすることができる。
【0023】次いで、図3(A)〜(E)を参照して、
キャビティ部14に配設されたアダプター16の台座部
18上に接合して設けられ、同軸コネクター19のコネ
クター芯線23の一方の側部を接続するためのセラミッ
クからなる伝送基板24の製造方法を詳細に説明する。
伝送基板24を形成するアルミナ等のセラミックは、上
述のフィードスルー基板30に用いられるセラミックグ
リーンシートと同様のセラミックグリーンシートを適当
なサイズの矩形状に切断して用いている。このセラミッ
クグリーンシートを、必要に応じて複数枚を重ね合わ
せ、温度と圧力をかけて積層した後、複数個の伝送基板
24が焼成後に得られるように、焼成収縮を見込んだ焼
成前の外形寸法に合わせて分割用の溝を形成する。この
セラミックグリーンシートは、約1550℃で焼成して
セラミック焼結体37を作製する。次いで、伝送基板2
4の底面側となる側に炭酸ガスレーザ等を用いて照射
し、上面側と底面側のグランド用の金属導体パターン2
6b、26cとを接続するための、断面視してセラミッ
ク焼結体37の底面側が大きい開口部、セラミック焼結
体の上面側が小さい開口部のテーパ部28からなるビア
孔を穿孔する(図3(A)参照)。
【0024】次に、セラミック焼結体37の上面側の表
面、底面側の表面、及びテーパ部28には、Ti、P
d、Au等からなる金属導体パターン26a、26b、
26c、26dが、セラミック焼結体37の上面側、及
び底面側にスパッタや、蒸着法等で金属薄膜を付着させ
ることで形成される。この金属導体パターン26a、2
6b、26c、26dは、上面側に信号用の金属導体パ
ターン26a、及びグランド用の金属導体パターン26
bを設け、底面側にグランド用の金属導体パターン26
cを設け、テーパ部28を有するビア孔に上面側と底面
側とのグランド用の金属導体パターン26b、26cを
接続するための金属導体パターン26dを形成している
(図3(B)参照)。なお、上面側の信号用の金属導体
パターン26aと、上面側のグランド用の金属導体パタ
ーン26bの間の絶縁間隔部は、スパッタや、蒸着等を
行う前にフォトリソグラフィ法で予め絶縁間隔部にレジ
スト膜を形成しておき、スパッタや、蒸着等を行った後
に、レジスト膜を除去して形成している。
【0025】次に、伝送基板24の底面側となるグラン
ド用の金属導体パターン26c上に、フォトリソ法でビ
ア孔のテーパ部28の大きい開口部を開口して露出させ
るフォトレジスト膜38を形成した後、底面側にスパッ
タ39を行っている(図3(C)参照)。このスパッタ
39によって、低温ろう材25の接合溶融時のろう流れ
を阻害できる、例えば、Crや、Ni等からなる金属薄
膜層29を、テーパ部28の金属導体パターン26d、
及びフォトレジスト膜38上に形成している(図3
(D)参照)。次いで、フォトレジスト膜38をグラン
ド用の金属導体パターン26cから除去することで、テ
ーパ部28の金属導体パターン26d上のみに金属薄膜
層29を形成した中空ビア27を有する伝送基板24を
作製する。
【0026】この伝送基板24は、底面側のグランド用
の金属導体パターン26cの表面をアダプター16の台
座部18上に、一端面部をアダプター16の側壁部17
に当接させ、台座部18との間に、Au−Snろうや、
Au−Geろう等からなる低温ろう材25を介して載置
させ、低温ろう材25を加熱し溶融させてろう付け接合
している。また、伝送基板24の上面側の信号用の金属
導体パターン26aには、同軸コネクター19のコネク
ター芯線23のキャビティ部14内に突出する一方の側
部を当接させ、Au−Snろうや、Au−Geろう等か
らなる低温ろう材25でろう付け接合している。なお、
上記の低温ろう材のろう付け接合は、それぞれを一度
に、又は複数回に分けてろう付けすることができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1及びこれに従属する請求項2記
載の光通信用パッケージは、伝送基板には断面視してテ
ーパ部に伝送基板の上面及び底面に形成された金属導体
パターンの導通のための金属導体パターンを有する中空
ビアを有し、中空ビアには低温ろう材のろう流れを阻害
する金属薄膜層をテーパ部の金属導体パターン上に有す
るので、低温ろう材の中空ビアを介しての伝送基板の上
面側への這い上がりをなくし、ワイヤボンド領域の汚染
を防止して、正常なワイヤボンドを行うことができる。
【0028】特に請求項2記載の光通信用パッケージ
は、中空ビアのテーパ部が台座部と接合する側が大きく
形成されているので、接合時に巻き込まれる気泡が中空
ビアを介して排出しやすくなり、伝送基板を浮き上がる
のを防止することができる。また、低温ろう材が這い上
がる方向に孔径が細くなって抵抗が大きくなる方向とな
り、上面側への這い上がりを防止することができる。
【0029】請求項3記載の光通信用パッケージの製造
方法は、伝送基板の底面側となるセラミック焼結体の底
面側からレーザ加工して、断面視してセラミック焼結体
の底面側が大きい開口部、セラミック焼結体の底面側と
対向する上面側が小さい開口部のテーパ部からなるビア
孔を穿孔する工程と、セラミック焼結体の上面側の表
面、底面側の表面、及びテーパ部に金属導体パターンを
形成する工程と、セラミック焼結体の底面側の金属導体
パターンの表面に、テーパ部の大きい開口部を開口して
露出させるフォトレジスト膜を配設し、テーパ部の金属
導体パターン上に、低温ろう材のろう流れを阻害する金
属薄膜層をスパッタで形成する工程と、フォトレジスト
膜を除去した伝送基板の底面側を台座部に低温ろう材を
用いて接合する工程とを有するので、セラミック焼結体
の大きい開口部からスパッタで容易にテーパ部に金属薄
膜層を形成することができ、伝送基板の上面側への低温
ろう材の這い上がりを防止した光通信用パッケージを効
率よく作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形
態に係る光通信用パッケージの平面図、A−A’線断面
図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同光通信用パッケー
ジのアダプターの台座部と伝送基板の接合部の拡大平面
図、B−B’線断面図である。
【図3】(A)〜(E)はそれぞれ同光通信用パッケー
ジの製造方法の説明図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ従来の光通信用パッ
ケージの平面図、C−C’線断面図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ従来の光通信用パッ
ケージのアダプターと伝送基板の接合部の拡大平面図、
D−D’線断面図である。
【符号の説明】
10:光通信用パッケージ、11:枠体、12:固定用
孔、13:底体、14:キャビティ部、15:取付部、
16:アダプター、17:側壁部、18:台座部、1
9:同軸コネクター、20:挿通孔、21:金属製筒
体、22:絶縁部材、23:コネクター芯線、24:伝
送基板、25:低温ろう材、26a、26b、26c、
26d:金属導体パターン、27:中空ビア、28:テ
ーパ部、29:金属薄膜層、30:フィードスルー基
板、31a、31b:導体配線パターン、32:窓枠状
切り欠き部、33:外部接続端子、34:貫通孔、3
5:金属製固定部材、36:シールリング、37:セラ
ミック焼結体、38:フォトレジスト膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 AA01 DA06 DA35 5F044 AA07 5F073 BA02 FA28 FA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に光通信用の半導体素子を搭載する
    ためのキャビティ部を形成する金属製の枠体と、該枠体
    の一側壁に穿設された取付部に接合された側壁部及び該
    側壁部に一体化され、前記枠体のキャビティ部に配置さ
    れる台座部を有する金属製アダプターを有し、前記側壁
    部には同軸コネクターを接続するための挿通孔を有する
    と共に、前記台座部には前記キャビティ部内に突出する
    前記同軸コネクターのコネクター芯線の一方の側部と接
    続させるための低温ろう材を介して接合されたセラミッ
    ク製の伝送基板を有する光通信用パッケージにおいて、 前記伝送基板は断面視してテーパ部に前記伝送基板の上
    面及び底面に形成された金属導体パターンの導通のため
    の金属導体パターンを有する中空ビアを有し、該中空ビ
    アには前記低温ろう材のろう流れを阻害する金属薄膜層
    を前記テーパ部の前記金属導体パターン上に有すること
    を特徴とする光通信用パッケージ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光通信用パッケージにお
    いて、前記中空ビアの前記テーパ部は、前記台座部と接
    合する側が大きく形成されていることを特徴とする光通
    信用パッケージ。
  3. 【請求項3】 光通信用の半導体素子を搭載するための
    キャビティ部に金属製アダプターの台座部が設けられ、
    同軸コネクターのコネクター芯線の一方の側部を接続す
    るためのセラミック製の伝送基板の底面側を前記台座部
    に低温ろう材を用いて接合する光通信用パッケージの製
    造方法において、 前記伝送基板の底面側となるセラミック焼結体の底面側
    からレーザ加工して、断面視して前記セラミック焼結体
    の底面側が大きい開口部、前記セラミック焼結体の底面
    側と対向する上面側が小さい開口部のテーパ部からなる
    ビア孔を穿孔する工程と、 前記セラミック焼結体の上面側の表面、底面側の表面、
    及び前記テーパ部に金属導体パターンを形成する工程
    と、 前記セラミック焼結体の底面側の前記金属導体パターン
    の表面に、前記テーパ部の前記大きい開口部を開口して
    露出させるフォトレジスト膜を配設し、前記テーパ部の
    前記金属導体パターン上に、前記低温ろう材のろう流れ
    を阻害する金属薄膜層をスパッタで形成する工程と、 前記フォトレジスト膜を除去した前記伝送基板の底面側
    を前記台座部に前記低温ろう材を用いて接合する工程と
    を有することを特徴とする光通信用パッケージの製造方
    法。
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