JP2005317590A - 多数個取り配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セラミック母基板を各配線基板領域に分割する際に、貫通孔の内面に被着されたメタライズ層が剥がれることのない多数個取り配線基板を提供すること。
【解決手段】 多数個取り配線基板は、四角枠状の配線基板領域3が縦横に配列形成されたセラミック母基板2の主面に配線基板領域3の境界に沿って分割溝9が設けられるとともに、内面の全面にメタライズ層6が被着された複数個の貫通孔4が分割溝9をまたがるようにして形成されている多数個取り配線基板であって、メタライズ層6は、貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚い。
【選択図】 図2

Description

本発明は、広面積のセラミック母基板に各々が半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための小型の配線基板となる多数の配線基板領域を縦横の並びに一体的に配列形成して成る多数個取り配線基板に関するものである。
従来、LSIや水晶振動子等の電子部品を搭載し収容するための小型の配線基板は、上面の中央部に電子部品を収容する凹部を有する絶縁基体と、凹部の内側から絶縁基体の側面にかけて導出された配線導体と、絶縁基体の側面に、配線導体の導出端部分に接続するようにして形成されたメタライズ層(側面導体)とを具備する。なお、この側面のメタライズ層は、通常、絶縁基体の側面に、上下方向に形成された溝の内面に被着形成される。
この小型の配線基板は、一般に、このような配線基板となる四角形状の配線基板領域を、セラミック母基板に縦横に配列形成して成る多数個取り配線基板の形態で形成され、セラミック母基板を各配線基板領域の境界に沿って分割することにより製作されている。
多数個取り配線基板は、図3(a),(b)にそれぞれ平面図およびY−Y’線での断面図で示すように、例えば酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料から成る二層の絶縁層を積層してなるセラミック母基板32の主面中央部に、電子部品を搭載するための凹部31が形成された配線基板領域33が複数縦横に配列形成されて成る構造である。
各配線基板領域33の境界に沿って分割溝39が形成されており、この分割溝39にまたがるようにして横断面が円形状等の貫通孔34が複数個形成され、貫通孔34の内面にはメタライズ層36が被着されている。
メタライズ層36は、例えば、凹部31の内面から貫通孔34にかけて導出された配線導体35と接続され、隣り合う配線基板領域33の間で互いの配線導体35同士を電気的に接続する機能や、配線導体35を絶縁基体の下面側に導出する機能等を有している。
隣り合う配線基板領域33の間で、互いに配線導体35同士を電気的に接続するのは、配線導体35の露出表面に酸化防止等のためのめっき層を電解めっき法で被着させるような場合に、めっき用の電流を各配線基板領域33の配線導体35に通電し供給すること等のためである。
また、通常、セラミック母基板32の各配線基板領域33の下面の外周にはメタライズ層36と接続されるようにして外部接続用導体37が形成されている。さらに、各配線基板領域33のうち、凹部31を取り囲む上面部分には、金属製の蓋体(図示せず)を接合して凹部31を封止するための、封止用メタライズ層38が形成されている。
そして、多数個取り配線基板を分割溝39に沿って分割し、各絶縁基体となる配線基板領域33毎に分割することによって、各配線基板領域33の境界上に形成された貫通孔34の内面のメタライズ層36が縦に2分割され、内面にメタライズ層36を有する溝から成る側面導体が形成された配線基板が製作される。
このような配線基板は、凹部31内に電子部品(図示せず)を収容するとともに、電子部品の電極を凹部31底面の配線導体35にボンディングワイヤや導電性接着剤を介して電気的に接続し、しかる後、封止用メタライズ層38に蓋体を凹部31を塞ぐようにして接合させ、凹部31内に電子部品を気密に収容することによって製品としての電子装置となり、この電子装置は、外部接続用導体37を外部の電気回路基板の配線導体に半田を介して接続することにより外部電気回路基板に実装されるとともに、収容する電子部品の電極が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
多数個取り配線基板は、通常、酸化アルミニウム等の原料粉末をシート状に成形したセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートともいう)を複数枚準備し、このグリーンシートの一部のものについて打ち抜き加工を施して凹部31を形成するための開口を設けるとともに、配線基板領域33の境界にまたがる貫通孔34を形成し、次に、グリーンシートの表面および貫通孔34の内面にタングステン等の金属粉末ペーストを所定の配線導体35やメタライズ層36のパターンに印刷し、その後、これらのグリーンシートを順に積層、焼成することによって製作される。
なお、貫通孔34の内面に被着したメタライズ層36の形成は、真空吸引を併用した周知のスクリーン印刷法等により行われており、例えば、印刷して貫通孔34内に充填された金属粉末ペーストをセラミック母基板32の下側から吸引して金属粉末ペーストの一部を除去することにより、金属粉末ペーストの残部を貫通孔34の内面に被着させることができる。この金属粉末ペースト(メタライズ層36)の厚みは、図4に示すように、貫通孔34の上端から下端にかけて、全周にわたってほぼ同じ厚みとなっていた。図4は、図3に示した多数個取り配線基板を分割して形成した配線基板領域33のうち、メタライズ層36(貫通孔34を二分割してできた溝39の内面に被着されている)の部分を拡大した斜視図であり、図3と同じ部位には同じ符号を付している。
特開2000−68414号公報
しかしながら、このような多数個取り配線基板は、近時の電子装置に対する小型化の要求に伴い、各配線基板領域33の大きさが数mm角程度の小さなものとなってきており、それに伴って封止用メタライズ層38の幅も、例えば300μm以下と非常に狭いものとなり、封止用メタライズ層38に対する蓋体(図示せず)の良好な接合強度を確保するためには、封止用メタライズ層38の幅が限界となってきている。そのため、さらに配線基板領域33を小さくしようとすると、配線基板領域33の境界に形成した複数個の貫通孔34の大きさ(平面視したときの寸法)を小さくしなければならなくなってきた。
貫通孔34の大きさが小さいものとなると貫通孔34の大きさに対するメタライズ層36の厚みの比率が大きくなってくる。例えば、通常、貫通孔34の内面に被着されたメタライズ層36は、その厚みが10〜15μm程度で形成されており、一方でこの貫通孔34の大きさは、150μm以下と、非常に小さくなってきている。
また、近時の電子装置の高機能化、高集積化に対応して、電子部品の電極を外部に導出するためのメタライズ層36、つまり貫通孔34の数も増加する傾向にあり、貫通孔34の大きさもさらに小さくする必要が生じてきた。
このように、各配線基板領域33の大きさが数mm角程度の小さなものとなり、貫通孔34の大きさが小さくなってくると、メタライズ層36の厚みの比率が大きくなり、またメタライズ層36が形成される1貫通孔34当たりの被着面積が小さくなり、セラミック母基板32を各配線基板領域33に個片状に分割する際に、隣り合う配線基板領域33同士の境界部分で、それぞれの配線基板領域32側に引っ張られるような方向に作用する応力が非常に大きくなるため、この応力により貫通孔34の内面に被着形成されたメタライズ層36が剥がれるという不具合が生じるようになってきた。メタライズ層36が剥がれると、このメタライズ層36に断線が生じて電子部品の電極を外部と正常に電気的接続することができなくなったり、剥がれたメタライズ層36が隣り合うメタライズ層間を電気的に短絡する等の不具合が発生したりするという電気特性上の問題点や、分割しようとする並びの配線基板領域33を確実に分割できずに割れ残りが発生し、分割作業が効率良くできないという外観,作業性の問題点が発生する。
また、セラミック母基板32を分割するときに、メタライズ層36の厚さおよび数に起因する上記応力を小さくするために、メタライズ層36の厚みを貫通孔34の内面の全面で、例えば10μm以下と薄く形成するという手段が考えられるが、この場合、メタライズ層36の厚さが全面で薄くなるので、電気抵抗の増大や、メタライズ層36の貫通孔34内面に対する被着の強度の劣化等の不具合を誘発しやすくなり、隣り合う配線基板領域33の間で互いの配線導体35同士を接続したり、配線導体35を絶縁基体の下面側に導出するために必要な電気的導通性において、不具合を生じる可能性が出てくる。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、配線基板の小型化に応じてメタライズ層が被着された貫通孔が小さくなっても、セラミック母基板を各配線基板領域に分割する際に、貫通孔の内面に被着されたメタライズ層の剥がれを効果的に防止することができるとともに、貫通孔の内面に被着されたメタライズ層の剥がれによる断線やメタライズ層間の短絡等の発生がなく、効率良く配線基板領域の分割作業を行うことが可能な多数個取り配線基板を提供することにある。
本発明の多数個取り配線基板は、四角枠状の配線基板領域が縦横に配列形成されたセラミック母基板の主面に前記配線基板領域の境界に沿って分割溝が設けられるとともに、内面の全面にメタライズ層が被着された複数個の貫通孔が前記分割溝をまたがるようにして形成されている多数個取り配線基板であって、前記メタライズ層は、前記貫通孔の内面で前記貫通孔の開口から前記分割溝の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚いことを特徴とするものである。
また、本発明の多数個取り配線基板は、好ましくは、前記セラミック母基板は、その外周部に前記配線基板領域の全体を取り囲むように捨て代領域が形成されており、該捨て代領域は、その内部に前記配線基板領域の主面に形成された配線導体に前記貫通孔を介して電気的に接続された、前記配線基板領域の全体を取り囲む枠状導体層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の多数個取り配線基板によれば、メタライズ層は、貫通孔の内面で貫通孔の開口から分割溝の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚く形成されていることから、貫通孔の開口から分割溝の最深部までのメタライズ層の厚さが厚い部位により、メタライズ層の貫通孔内面に対する被着の強度や電気伝導性等の特性を良好に確保することができる。
また、メタライズ層は、貫通孔の内面で貫通孔の開口から分割溝の最深部までの領域に形成された部位以外の残部の厚さが薄いので、セラミック母基板を分割する際、メタライズ層が引っ張られるような方向に作用する応力を小さくすることができ、メタライズ層に剥がれを生じさせることなく、隣り合う配線基板領域を良好に分割することができるとともに、貫通孔を、メタライズ層の剥がれ等を生じさせることなく縦に良好に二分割することができる。
その結果、貫通孔の内面に被着されたメタライズ層の剥がれによる断線やメタライズ層間の短絡等の発生がなく、効率良く配線基板領域の分割作業を行うことが可能な多数個取り配線基板を提供することができる。
また、本発明の多数個取り配線基板は、好ましくは、セラミック母基板は、その外周部に配線基板領域の全体を取り囲むように捨て代領域が形成されており、捨て代領域は、その内部に配線基板領域の主面に形成された配線導体に貫通孔を介して電気的に接続された、配線基板領域の全体を取り囲む枠状導体層が形成されていることから、捨て代領域によりセラミック母基板の取り扱いがより容易なものとなるとともに、その捨て代領域に形成された枠状導体層を介して、四角枠状の配線基板領域が縦横に配列形成されたセラミック母基板を電気的に一体に接続することが可能となり、例えば、配線基板領域の各配線導体に均一にめっきを被着形成することがより一層容易となる。
また、セラミック母基板の主面に前記配線基板領域の境界に沿って分割溝を形成しても、配線基板領域の配線導体と捨て代領域に形成された枠状導体層とはメタライズ層が被着された貫通孔により接続されており、分割溝の深さに関係なく安定した電気的接続を行なうことができる。
また、枠状導体層は、捨て代領域で母基板の内部に形成されているため、セラミックグリーンシートと金属粉末ペーストとの間の焼成時の収縮率の違いに起因して応力が生じたとしても、その応力はセラミック母基板(セラミックグリーンシートの積層体)の主面から離れた内部に作用することになるので、母基板の捨て代領域の主面に枠状導体層を形成した場合よりも母基板に作用する応力を小さいものとすることができることから、母基板の反りを防止することもできる。
次に、本発明の多数個取り配線基板について、添付の図面を基に詳細に説明する。図1(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X’線における断面図である。また、図2は図1に示す多数個取り配線基板を分割して形成した配線基板領域のメタライズ層部分の拡大斜視図である。図中、1は電子部品を収納するための凹部、2は四角形状の配線基板領域を縦横に配列形成したセラミック母基板、3は配線基板領域、4は配線基板領域3の境界をまたがるように形成された貫通孔、5は配線導体、6は貫通孔4の内面に被着されたメタライズ層、10は貫通孔4が二分割されることにより形成された溝である。
セラミック母基板2は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,ガラスセラミックス等のセラミック材料から成り、例えば、このようなセラミック材料から成る複数の絶縁層を積層することにより形成されている。
セラミック母基板2は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の原料粉末を有機溶剤,バインダーとともにシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを作製し、このセラミックグリーンシートに打抜き加工を施して所定の形状、寸法に加工するとともに上下に積層して積層体となし、高温(1500〜1600℃程度)で焼成することにより形成される。
セラミック母基板2には、配線基板領域3が縦横に配列され、これらの境界線に沿って分割溝9が形成されている。そして、この分割溝9に沿ってセラミック母基板2に応力を加え、破断させることにより、各配線基板領域3に分割される。
この分割溝9は、通常、セラミック母基板2の上下面に、それぞれ平面視で同じ位置となるように形成されている。これは、セラミック母基板2の各配線基板領域3をバリやカケ等の不具合を生じることなく確実に分割するためである。
このような分割溝9は、セラミック母基板2の各絶縁層となるセラミックグリーンシート積層体の上下面に、カッター刃や金型を押し当てて切り込みを入れる等の方法で形成される。また、分割溝9の深さは、分割時のクラックやバリ、カケを防止するために、セラミック母基板2のセラミック絶縁層の厚みに対して、その深さが20〜70%程度に設定されるのがよい。なお、セラミック母基板2を取り扱い中に配線基板領域3に分割されるのを防止するため、分割溝9はセラミック母基板2の厚みの中央に達しないように形成されるのがよい。
この配線基板領域3は、電子部品(図示せず)を気密に収容する機能をなし、通常、四角箱状であり、その上面中央部に電子部品を搭載するための搭載部を有しているとともに、その外周部に上面視で半円状の溝10を有している。
このような溝10は、セラミック母基板2に、分割溝9にまたがるようにして貫通孔4を形成しておくことにより形成される。つまり、各配線基板領域3に分割される際に貫通孔4も二分割されて溝10となる。
また、配線基板領域3の凹部1の内側から側面の貫通孔4にかけて配線導体5が被着されており、この配線導体5のうち凹部1の内側に露出する部位には電子部品の電極がボンディングワイヤ等を介して電気的に接続される。
配線導体5は、タングステン,モリブデン,銅,銀等の金属材料から成り、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンのペーストを配線基板領域3の各絶縁層となるセラミックグリーンシートの表面に所定パターンに印刷塗布しておき、一体焼成することにより形成することができる。
さらに、貫通孔4内の内面にはメタライズ層6が被着されており、配線導体5と同様の金属材料が用いられる。
このメタライズ層6は、隣り合う配線基板領域3の配線導体5同士を互いに電気的に接続する機能をなす。
隣り合う配線基板領域3の間で、互いに配線導体5同士を電気的に接続するのは、後述するように配線導体5の露出表面に酸化防止等のためのめっき層を電解めっき法で被着させるような場合に、めっき用の電流を各配線基板領域3の配線導体5に通電し供給すること等のためである。そのため、メタライズ層6は、貫通孔4の内周に、隣り合う配線基板領域3の間で連続させて形成する必要がある。
また、このメタライズ層6は配線導体5と外部接続用導体7とを接続するための導体としても機能し、外部接続用導体7を外部電気回路基板の回路導体に半田等を介して接続することにより内部に収容されるとともに配線導体5と接続された電子部品が、配線導体5と貫通孔4の内面に被着されたメタライズ層6と外部接続用導体7とを介して外部電気回路に電気的に接続されるようになっている。
また、配線基板領域3の上面の外周には凹部1を取り囲むようにして四角枠状の封止用メタライズ層8が被着されており、この封止用メタライズ層8はメタライズ層6の少なくとも一つに接続されている。
封止用メタライズ層8は、配線基板領域3の上に蓋体(図示せず)を接合させるための下地金属として機能し、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る四角平板状の蓋体を封止用メタライズ層8にろう材を介して接合することにより、配線基板領域3上に蓋体が接合される。なお、封止用メタライズ層8はメタライズ層6の一つに接続されていることにより、例えば電気的に接地されることが可能となる。
メタライズ層6、封止用メタライズ層8および外部接続用導体7は、配線導体5と同様の金属材料から成り、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンのペーストを配線基板領域3の各絶縁層となるセラミックグリーンシートの表面や、セラミックグリーンシートの所定位置に打抜き形成しておいた貫通孔4の内面に所定パターンに印刷塗布しておき、一体焼成することにより形成することができる。なお、貫通孔4およびメタライズ層6の形成方法については、後でより詳しく説明する。
ここで、図2に示すように、メタライズ層6は横断面において貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚くなるように形成されている。
これにより、貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの、厚さが厚い部位により、メタライズ層6の貫通孔4内面に対する被着の強度や電気伝導性等の特性を良好に確保することができる。また、メタライズ層6は、貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの領域に形成された部位以外の残部の厚さが薄いので、セラミック母基板2を分割する際、メタライズ層6が引っ張られるような方向に作用する応力を小さくすることができ、メタライズ層6に剥がれを生じさせることなく、隣り合う配線基板領域3を良好に分割することができるとともに、貫通孔4を、メタライズ層6の剥がれ等を生じさせることなく縦に二分割することができる。
その結果、貫通孔4の内面に被着されたメタライズ層6の剥がれによる断線やメタライズ層6間の短絡等の発生がなく、効率良く配線基板領域3の分割作業を行うことが可能な多数個取り配線基板2を提供することができる。
メタライズ層6は、貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部よりも深い部位までその厚さを厚くすると、そのような深い部位には分割溝9が達していないので、セラミック母基板2を破断させて分割するときの応力が大きくなり、メタライズ層6に剥がれ等の不具合を生じやすくなる。
また、メタライズ層6は、その厚い部分が貫通孔4の開口から分割溝9の最深部に達していないと、メタライズ層6の厚さの厚い部位の割合が小さくなり、メタライズ層6の貫通孔4内面に対する被着の強度が不十分となりやすい。従って、メタライズ層6は、貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚いものとしておく必要がある。
なお、配線導体5やメタライズ層6、外部接続用導体7および封止用メタライズ層8は、その露出表面にニッケル、金等のめっき層を被着させておくことが好ましい。これにより、配線導体5やメタライズ層6、外部接続用導体7および封止用メタライズ層8の酸化を効果的に防止することができるとともに、配線導体5に対するボンディングワイヤのボンディング性や、封止用メタライズ層8に対するろう材の濡れ性等を向上させることができ、より一層、電子部品の電気的接続等の信頼性に優れた配線基板を形成することが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
このようなめっき層は、多数個取り配線基板をめっき用治具で保持し、めっき液中で、治具の端子から配線導体5に電気的導通を行なってめっき用の電流を供給することにより形成される。
また、メタライズ層6は、貫通孔4の内面の同一深さにおいて同じ厚みで形成されていることが望ましい。このように、貫通孔4の内面の同一深さにおいて同じ厚みで形成されていることにより、貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの、厚さが厚い部位が貫通孔4の上下層の全面に形成されるメタライズ層としての剛性が強いものとなり、メタライズ層6の貫通孔4内面に対する被着の強度や電気伝導性等の特性を良好に確保することができる。
また、分割溝9を形成するためにセラミック母基板2となるセラミックグリーンシート積層体にカッター刃や金型を押し当てて切り込みを入れる際、そのカッター刃等のセラミックグリーンシート内への進入にともなって生じる応力に耐えうる導電性ペーストの塗布膜としての強度をより確実に確保できる。
このような各絶縁層の貫通孔4の内面に薄肉部と厚肉部とを有するメタライズ層6を形成する方法としては、例えば以下のようにして作製される。先ず、各絶縁層となるセラミックグリーンシートの所定の位置に貫通孔4となる貫通孔を形成した後、このセラミックグリーンシートを貫通孔が印刷テーブルに設けられた吸引孔と一致するように印刷テーブルに載置する。
しかる後、セラミックグリーンシートの貫通孔の上側に、スクリーン印刷用の製版に形成された楕円状の開口孔とセラミックグリーンシートの貫通孔とが重なるとともに円状の開口孔を位置決めしてスクリーン印刷用の製版を載置する。そして、タングステン等のメタライズペーストを貫通孔4に流し込みながら印刷テーブルの吸引孔からメタライズペーストの一部を吸引除去することで、貫通孔4の内面にメタライズ層6を形成することができる。
この場合、例えば、メタライズペーストの粘度や吸引の強さを調節することにより、貫通孔4の内面にメタライズペーストが残留,被着して形成されるメタライズ層6の厚さを制御することができる。つまり、メタライズペーストの粘度が高いほど、また、吸引の強さが弱いほど、貫通孔4の内面にメタライズペーストが厚く残留し、被着し易いので、メタライズ層6の厚さは厚くなる。
ここで例えば、上下層のセラミックグリーンシートの貫通孔4には粘度の高いメタライズペーストを、また中央層となるセラミックグリーンシートの貫通孔4には粘度の低いメタライズペーストを貫通孔4に流し込みながら印刷テーブルの吸引孔からメタライズペーストの一部を吸引除去することで、粘度の高いメタライズペーストを用いた上層や下層のセラミックグリーンシートの貫通孔4の内面にはメタライズペーストが厚く残留し、粘度の低いメタライズペーストを用いた中央層のセラミックグリーンシートの貫通孔4の内面にはメタライズペーストが薄く残留する。このようにして、各絶縁層の貫通孔4の内面に薄肉部と厚肉部とを有するメタライズ層6を形成することができる。
そして、これらのセラミックグリーンシートを複数枚積層して焼成することにより、上記の貫通孔が重なって貫通孔4となり、その内面には横断面において貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚くなるようにメタライズ層6が被着形成されることとなる。
この場合、貫通孔4の開口から分割溝9の最深部までの貫通孔4の内面に形成される肉厚部のメタライズ層6の厚みは、10〜20μm程度とすることが望ましい。10μm未満では、隣り合う配線基板領域3の間で互いの配線導体5同士を接続したり、配線導体5を絶縁基体の下面側に導出するために必要な電気的導通性において、不具合を生じる可能性が高くなる。また、20μmを超えると各配線基板領域3の大きさが数mm角程度の小さなものとなっており、貫通孔4もその直径が例えば約150μm程度と非常に小さく形成されているために、分割溝9を形成するためにセラミック母基板2となるセラミックグリーンシート積層体にカッター刃や金型を押し当てて切り込みを入れる等の方法において、メタライズ層6が潰れる可能性が高くなる。メタライズ層6が潰れると、貫通孔4の開口部が狭くなり、めっき液の循環が悪化して貫通孔4の内面に形成されたメタライズ層6に良好にめっき皮膜を形成できなくなるおそれがあり、また、分割溝9に沿ってセラミック母基板2を正常に分割することが難しくなるおそれがある。
好ましくは、メタライズ層6は、貫通孔4の内面で貫通孔4の開口から分割溝9の最深部よりも深い部位までに形成された厚い部位の厚さがその残部の薄い部位の厚さの2〜3倍であるのがよい。これにより、メタライズ層6の分割をより良好に行なうことができる。また、メタライズ層6の厚い部位と薄い部位との熱膨張差によって応力が生じるのを有効に抑制できる。
また、本発明の多数個取り配線基板において、セラミック母基板2は、その外周部に配線基板領域3の全体を取り囲むように捨て代領域11が形成されており、捨て代領域11は、その内部に配線基板領域3の主面に形成された配線導体5に貫通孔4を介して電気的に接続された、配線基板領域3の全体を取り囲む枠状導体層12が形成されていることが好ましい。
捨て代領域11によりセラミック母基板2の取り扱いがより容易なものとなるとともに、その捨て代領域11に形成された枠状導体層12を介して、四角枠状の配線基板領域3が縦横に配列形成されたセラミック母基板2を電気的に一体に接続することが可能となり、配線基板領域3の各配線導体5に均一にめっきを被着形成することがより一層容易となる。また、セラミック母基板2の主面に配線基板領域3の境界に沿って分割溝9を形成したとしても、配線基板領域3の配線導体5等と捨て代領域11に形成された枠状導体層12とはメタライズ層6が被着された貫通孔4により接続されており、分割溝の深さに関係なく安定した電気的接続を行なうことができる。
例えば、枠状導体層12からセラミック母基板2の側面にめっき用の引き出し線を導出形成し、この引き出し線の導出部分にめっき用治具の端子を接続することにより、枠状導体層12を介して各配線基板領域3の配線導体5にめっき用の電流を一括して供給することができる。
なお、枠状導体層12は、配線導体5と同様の金属材料により形成され、例えば、タングステンから成る場合であれば、タングステンのペーストを、積層したときに内層となるセラミックグリーンシートの表面の捨て代領域11に枠状の所定パターンに印刷塗布しておき、一体焼成することにより形成することができる。
また、捨て代領域11の内部に枠状導体層12を形成したことから、セラミックグリーンシートと金属粉末ペーストとの間の焼成時の収縮率の違いに起因して応力が生じたとしても、その応力はセラミック母基板2の表面から離れた内部に作用することになるので、母基板2の捨て代領域11の主面に枠状導体層12を形成した場合よりも母基板2に作用する応力を小さいものとすることができることから、母基板2の反りを防止することもできる。
かくして、本発明の多数個取り配線基板によれば、セラミック母基板2を各配線基板領域3に分割する際に、隣り合う配線基板領域3が両側へ引っ張られることにより発生するメタライズ層6の剥がれを効果的に防止することができることから、貫通孔4の内面のメタライズ層6の剥がれに起因する断線やショートが防止され、電気的信頼性に優れた電子装置とすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更、改良を施すことは何ら差し支えない。
(a)本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)の多数個取り配線基板のX−X’線における断面図である。 図1の多数個取り配線基板を分割して形成した配線基板領域のメタライズ層部分の拡大斜視図である。 (a)従来の多数個取り配線基板の平面図、(b)は(a)の多数個取り配線基板のY−Y’線における断面図である。 図3の多数個取り配線基板を分割して形成した配線基板領域のメタライズ層部分の拡大斜視図である。
符号の説明
2・・・・・セラミック母基板
3・・・・・配線基板領域
4・・・・・貫通孔
5・・・・・配線導体
6・・・・・メタライズ層
9・・・・・分割溝
11・・・・捨て代領域
12・・・・枠状導体層

Claims (2)

  1. 四角枠状の配線基板領域が縦横に配列形成されたセラミック母基板の主面に前記配線基板領域の境界に沿って分割溝が設けられるとともに、内面の全面にメタライズ層が被着された複数個の貫通孔が前記分割溝をまたがるようにして形成されている多数個取り配線基板であって、前記メタライズ層は、前記貫通孔の内面で前記貫通孔の開口から前記分割溝の最深部までの領域に形成された部位の厚さが、その残部の厚さよりも厚いことを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記セラミック母基板は、その外周部に前記配線基板領域の全体を取り囲むように捨て代領域が形成されており、該捨て代領域は、その内部に前記配線基板領域の主面に形成された配線導体に前記貫通孔を介して電気的に接続された、前記配線基板領域の全体を取り囲む枠状導体層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
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