JP2007150276A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気密信頼性に優れ光半導体素子の動作信頼性の高い光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を提供すること。
【解決手段】パッケージは、平板状の金属製の基体1と、金属製の蓋体3と、透光性部材4と、貫通穴1aを覆って基体1の上側主面に接合された入出力端子5とを具備して成り、入出力端子5は、上側主面に貫通穴1aをまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部5-1と、第二の平板部5-2と、第一の平板部5-1よりも高い四角形状の金属板10とから成り、入出力端子5の下面の貫通穴1aの内側の部位に線路導体5aに電気的に接続されたリード端子15が取着されており、基体1は、入出力端子5の外方の基体1の外周部に全周にわたって上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部11を有している。厚肉部11によって、入出力端子5に熱応力が加わり難くなり、入出力端子5にクラック等の破損が生じ難い。
【選択図】 図1
【解決手段】パッケージは、平板状の金属製の基体1と、金属製の蓋体3と、透光性部材4と、貫通穴1aを覆って基体1の上側主面に接合された入出力端子5とを具備して成り、入出力端子5は、上側主面に貫通穴1aをまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部5-1と、第二の平板部5-2と、第一の平板部5-1よりも高い四角形状の金属板10とから成り、入出力端子5の下面の貫通穴1aの内側の部位に線路導体5aに電気的に接続されたリード端子15が取着されており、基体1は、入出力端子5の外方の基体1の外周部に全周にわたって上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部11を有している。厚肉部11によって、入出力端子5に熱応力が加わり難くなり、入出力端子5にクラック等の破損が生じ難い。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光通信等の分野に用いられる光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置に関する。
従来の光通信等の分野において高い周波数で作動する光半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を気密封止して収納した光半導体装置の例を図6に示す。図6は光半導体素子としてLDを内部に収納した光半導体装置の断面図である。同図において、101は基体、102は光半導体素子、103は金属製の蓋体、104は透光性部材、105は入出力端子、106は光ファイバである。
図6で用いられる光半導体素子収納用パッケージは、上下主面間を貫通する貫通穴101aが形成された平板状の金属製の基体101と、上端面の中央部に貫通孔103bが形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、基体101の上側主面の外周部に下端103cが接合される金属製の蓋体103と、蓋体103の貫通孔103bの開口の周囲に接合された透光性部材104と、貫通穴101aを覆って基体101の上側主面に接合された入出力端子105とを具備し、入出力端子105は、上側主面に貫通穴101aをまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部105-1と、第一の平板部105-1の一方の主面に基体101側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体105aと、四角形状の誘電体から成り、基体101側の一端面が第一の平板部105-1と同一平面内に配置されて第一の平板部105-1の一方の主面に積層された第二の平板部105-2と、第一の平板部105-1よりも高い四角形状であり、基体101側の一端面が第一の平板部105-1と面一とされて第一の平板部105-1の他方の主面に積層された金属板110とを具備しているとともに、入出力端子105の下面の貫通穴101aの内側の部位に線路導体105aに電気的に接続されたリード端子115が取着されて成る。
また、上記構成の光半導体素子収納用パッケージと、金属板110の第一の平板部105-1側の面の上端の露出部に取着されるとともに線路導体105aに電気的に接続された光半導体素子102と、透光性部材104を光半導体素子102の発光部に対向させて基体101の上側主面の外周部に下端103cが接合された蓋体103とを具備することで光半導体装置と成る(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−159277号公報
しかしながら、従来の構成においては、基体101に蓋体103を半田付けや溶接等によって接合する際に、基体101に熱が加わり、基体101と入出力端子105との接合部においては基体101と入出力端子105との間で熱膨張差による熱歪が生じていた。また、基体101に蓋体103を半田付けや溶接等によって接合した後に、基体101と蓋体103との間で熱収縮差が生じ、基体101に歪が残留してしまっていた。
そして、上記歪に起因する応力が入出力端子105の第一および第二の平板部105-1,105-2に作用して、第一および第二の平板部105-1,105-2をクラック等によって破損させてしまう場合があった。その結果、光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置の内部を気密に封止することができなくなり、内部に収容する光半導体素子102を正常かつ安定に作動させることができなくなるという問題点が発生していた。
また、基体101に歪が残留することによって、光半導体素子102の位置がずれる場合があった。その結果、光半導体素子と光ファイバとの光軸ズレが生じて、光結合効率が低下し、光半導体素子の作動性を低下させてしまうという問題点があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は気密信頼性に優れ光半導体素子の動作信頼性の高い光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置を提供することにある。
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上下主面間を貫通する貫通穴が形成された平板状の金属製の基体と、上端面の中央部に貫通孔が形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、前記基体の上側主面の外周部に前記下端が接合される金属製の蓋体と、該蓋体の前記貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材と、前記貫通穴を覆って前記基体の上側主面に接合された入出力端子とを具備して成る光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記入出力端子は、前記上側主面に前記貫通穴をまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部と、該第一の平板部の一方の主面に前記基体側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体と、四角形状の誘電体から成り、前記基体側の一端面が前記第一の平板部と同一平面内に配されて前記第一の平板部の前記一方の主面に積層された第二の平板部と、前記第一の平板部よりも高い四角形状であり、前記基体側の一端面が前記第一の平板部と同一平面内に配されて前記第一の平板部の他方の主面に積層された金属板とを具備しているとともに、前記入出力端子の下面の前記貫通穴の内側の部位に前記線路導体に電気的に接続されたリード端子が取着されており、前記基体は、前記入出力端子の外方の前記基体の外周部に全周にわたって前記上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部を有していることを特徴とする。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上下主面間を貫通する貫通穴が形成された平板状の金属製の基体と、上端面の中央部に貫通孔が形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、前記基体の上側主面の外周部に前記下端が接合される金属製の蓋体と、該蓋体の前記貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材と、前記貫通穴を覆って前記基体の上側主面に接合された入出力端子とを具備して成る光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記入出力端子は、前記上側主面に前記貫通穴をまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部と、該第一の平板部の一方の主面に前記基体側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体と、四角形状の誘電体から成り、前記基体側の一端面が前記第一の平板部と同一平面内に配されて前記第一の平板部の前記一方の主面に積層された第二の平板部と、前記第一の平板部よりも高い四角形状であり、前記第一の平板部の他方の主面に積層されているとともに、前記基体側の一端面が前記第一の平板部および前記基体の下側主面よりも下側に突出するように前記貫通穴に挿通されている金属板とを具備しているとともに、前記入出力端子の下面の前記貫通穴の内側の部位に前記線路導体に電気的に接続されたリード端子が取着されており、前記基体は、前記入出力端子の外方の前記基体の外周部に全周にわたって前記上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部を有していることを特徴とする。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記入出力端子は、前記第二の平板部の前記基体側の一端面の前記線路導体と接する部位に前記線路導体の一端部を露出させる切り欠きが設けられており、前記リード端子が前記線路導体の一端部に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記リード端子に代えて金属ボールを取着したことを特徴とする。
本発明の光半導体装置は、上記構成の光半導体素子収納用パッケージと、前記金属板の前記第一の平板部側の面の上端の露出部に取着されるとともに前記線路導体に電気的に接続された光半導体素子と、前記透光性部材を前記光半導体素子の受光部または発光部に対向させて前記基体の上側主面の外周部に下端が接合された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上下主面間を貫通する貫通穴が形成された平板状の金属製の基体と、上端面の中央部に貫通孔が形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、基体の上側主面の外周部に下端が接合される金属製の蓋体と、蓋体の貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材と、貫通穴を覆って基体の上側主面に接合された入出力端子とを具備して成り、入出力端子は、上側主面に貫通穴をまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部と、第一の平板部の一方の主面に基体側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体と、四角形状の誘電体から成り、基体側の一端面が第一の平板部と同一平面内に配されて第一の平板部の一方の主面に積層された第二の平板部と、第一の平板部よりも高い四角形状であり、基体側の一端面が第一の平板部と同一平面内に配されて第一の平板部の他方の主面に積層された金属板とを具備しているとともに、入出力端子の下面の貫通穴の内側の部位に線路導体に電気的に接続されたリード端子が取着されており、基体は、入出力端子の外方の基体の外周部に全周にわたって上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部を有していることから、基体の上側主面の外周部に蓋体の下端を半田付けや溶接等によって接合する際、蓋体の下端は基体の厚肉部に接合されるようになる。
従って、蓋体を基体に接合させる際に基体に加わる熱は、厚肉部が厚い分だけ厚さ方向に分散され易くなり、従来の厚肉部が設けられない構成に比べて、基体と入出力端子との接合部に伝わる熱を少なくすることができる。また、厚肉部が厚い分だけ、基体と蓋体の接合部から基体と入出力端子との接合部までの距離が大きくなり熱が伝わり難くなることから、従来の厚肉部が設けられない構成に比べて、基体と入出力端子との接合部に伝わる熱を少なくすることができる。その結果、基体と入出力端子との接合部において、基体と入出力端子との間で熱膨張差が生じ難くなる。
また、基体に蓋体を半田付けや溶接等によって接合した後に、基体および蓋体に熱収縮差が生じても、基体の外周部の厚肉部が補強作用をなし、基体の外周部が補強され、基体に歪が加わり難くなる。
そして、入出力端子の第一および第二の平板部に基体との熱膨張差または熱収縮差による応力が作用し難くなり、第一および第二の平板部がクラック等によって破損してしまうのを防止できる。その結果、光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置の内部を気密に封止することができ、内部に収容する光半導体素子を正常かつ安定に作動させることができる。
さらに、厚肉部により基体の外周部が補強され、基体に歪が生じ難くなることによって、光半導体素子の位置がずれるのを防止できるという作用効果を奏する。その結果、光半導体素子と光ファイバとの光軸ズレを防止して、光結合効率を良好に維持することができ、光半導体素子の作動性を良好なものとし得る。
さらに、厚肉部は基体の上側主面から突出するようにして設けられ、基体の上側主面の外周部、即ち厚肉部に蓋体を半田付けや溶接等によって接合することから、厚肉部を設けた分、光半導体素子収納用パッケージの内部の容積を大きくとることができる。また、厚肉部によって光半導体素子収納用パッケージの内部の容積を大きくとることができることから、蓋体の上端面と下端との間に位置する筒状部の高さを短くすることが可能となり、蓋体を小型化できる。
さらに、光半導体素子が作動する際に発生する熱を金属板を介して基体に伝達する効果があり、また、基体には厚肉部が設けられていることから、基体に伝達する熱は厚肉部が厚い分だけ厚さ方向に分散され易くなり、従来の厚肉部が設けられない構成に比べて、基体から効率よく外部に放散させることができ、光半導体素子の温度上昇を抑制し、光半導体素子が誤作動等するのを防止できる。
以上により、気密信頼性に優れるとともに高周波信号の伝送特性に優れ、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る光半導体素子収納用パッケージとすることができる。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージは、上下主面間を貫通する貫通穴が形成された平板状の金属製の基体と、上端面の中央部に貫通孔が形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、基体の上側主面の外周部に下端が接合される金属製の蓋体と、蓋体の貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材と、貫通穴を覆って基体の上側主面に接合された入出力端子とを具備して成り、入出力端子は、上側主面に貫通穴をまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部と、第一の平板部の一方の主面に基体側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体と、四角形状の誘電体から成り、基体側の一端面が第一の平板部と同一平面内に配されて第一の平板部の一方の主面に積層された第二の平板部と、第一の平板部よりも高い四角形状であり、第一の平板部の他方の主面に積層されているとともに、基体側の一端面が第一の平板部および基体の下側主面よりも下側に突出するように貫通穴に挿通されている金属板とを具備しているとともに、入出力端子の下面の貫通穴の内側の部位に線路導体に電気的に接続されたリード端子が取着されており、基体は、入出力端子の外方の基体の外周部に全周にわたって上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部を有していることから、基体の上側主面の外周部に蓋体の下端を半田付けや溶接等によって接合する際、蓋体の下端は基体の厚肉部に接合されるようになる。
従って、蓋体を基体に接合させる際に基体に加わる熱は、厚肉部が厚い分だけ厚さ方向に分散され易くなり、従来の厚肉部が設けられない構成に比べて、基体と入出力端子との接合部に伝わる熱を少なくすることができる。また、厚肉部が厚い分だけ、基体と蓋体の接合部から基体と入出力端子との接合部までの距離が大きくなり熱が伝わり難くなることから、従来の厚肉部が設けられない構成に比べて、基体と入出力端子との接合部に伝わる熱を少なくすることができる。その結果、基体と入出力端子との接合部において、基体と入出力端子との間で熱膨張差が生じ難くなる。
また、基体に蓋体を半田付けや溶接等によって接合した後に、基体および蓋体に熱収縮差が生じても、基体の外周部の厚肉部が補強作用をなし、基体の外周部が補強され、基体に歪が加わり難くなる。
そして、入出力端子の第一および第二の平板部に基体との熱膨張差または熱収縮差による応力が作用し難くなり、第一および第二の平板部がクラック等によって破損してしまうのを有効に防止できる。その結果、光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置の内部を気密に封止することができ、内部に収容する光半導体素子を正常かつ安定に作動させることができる。
さらに、厚肉部により基体の外周部が補強され、基体に歪が生じ難くなることによって、光半導体素子の位置がずれるのを防止できるという作用効果を奏する。その結果、光半導体素子と光ファイバとの光軸ズレを防止して、光結合効率を良好に維持することができ、光半導体素子の作動性を良好なものとし得る。
さらに、厚肉部は基体の上側主面から突出するようにして設けられ、基体の上側主面の外周部、即ち厚肉部に蓋体を半田付けや溶接等によって接合することから、厚肉部を設けた分、光半導体素子収納用パッケージの内部の容積を大きくとることができる。また、厚肉部によって光半導体素子収納用パッケージの内部の容積を大きくとることができることから、蓋体の上端面と下端との間に位置する筒状部の高さを短くすることが可能となり、蓋体を小型化できる。
さらに、光半導体素子が作動する際に発生する熱を金属板を介して基体に伝達する効果があり、また、基体には厚肉部が設けられていることから、基体に伝達する熱は厚肉部が厚い分だけ厚さ方向に分散され易くなり、従来の厚肉部が設けられない構成に比べて、基体から効率よく外部に放散させることができ、光半導体素子の温度上昇を抑制し、光半導体素子が誤作動等するのを防止できる。
また、金属板の光半導体素子が取着される上端と同一面で連続している下端が、基体の下側に突出しているので、光半導体素子収納用パッケージの下方から見える部位であるこの突出する部位を基準に蓋体等を組み立てることにより、光半導体素子収納用パッケージ内の光半導体素子との位置合わせを容易にすることができ、また、光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路基板に実装する際も、光半導体素子収納用パッケージの内部に実装された光半導体素子と外部電気回路基板との位置合わせを容易にすることができる。
また、上端に光半導体素子が取着される金属板の基体の下側に突出する部分の放熱性をよくすることで、光半導体素子から発生する熱を金属板を介して効率よく放散させることが可能となる。
以上により、気密信頼性に優れるとともに高周波信号の伝送特性に優れ、また光半導体素子の実装や外部電気回路基板への実装が容易で位置合わせ性に優れた、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る光半導体素子収納用パッケージとすることができる。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージによれば、好ましくは、入出力端子は、第二の平板部の基体側の一端面の線路導体と接する部位に線路導体の一端部を露出させる切り欠きが設けられており、リード端子が線路導体の一端部に電気的に接続されていることから、切り欠きの奥行き方向に接続されるリード端子と線路導体との接合面積を大きくできるので、リード端子を線路導体に強固に接合することができる。同時に、切り欠きにより、線路導体部分に高周波インピーダンス不整合が生ずるのを緩和できる。これによって、線路導体部分において高周波信号を極めて効率良く伝送させることができるようになる。
また、本発明の光半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、リード端子に代えて金属ボールを取着したことから、光半導体素子収納用パッケージと外部電気回路との接続部の長さを短くして接続することが容易であり、高周波信号が伝送する伝送線路長さを最小限に抑えて、接続部において生じる伝送損失を最小限に抑えることができる。
本発明の光半導体装置は、上記構成の光半導体素子収納用パッケージと、金属板の第一の平板部側の面の上端の露出部に取着されるとともに線路導体に電気的に接続された光半導体素子と、透光性部材を光半導体素子の受光部または発光部に対向させて基体の上側主面の外周部に下端が接合された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の光半導体素子収納用パッケージを用いた量産に適し、小型化できるものとなる。また、放熱性に優れ光半導体素子の動作信頼性の高いものとなる。
本発明の光半導体素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)および光半導体装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明のパッケージおよび光半導体装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
図1において、1は基体、2は光半導体素子、3は金属製の蓋体、4は透光性部材、5は入出力端子、6は光ファイバ、11は厚肉部である。これら基体1および入出力端子5で光半導体素子収納用パッケージが基本的に構成される。また、光半導体素子収納用パッケージに光半導体素子2を搭載し、透光性部材4が接合された蓋体3を気密に取着することにより光半導体装置となる。
本発明のパッケージは、図1に示すように、上下主面間を貫通する貫通穴1aが形成された平板状の金属製の基体1と、上端面の中央部に貫通孔3bが形成されているとともに下端3cが開かれた筒状とされており、基体1の上側主面の外周部に下端3cが接合される金属製の蓋体3と、蓋体3の貫通孔3bの開口の周囲に接合された透光性部材4と、貫通穴1aを覆って基体1の上側主面に接合された入出力端子5とを具備して成り、入出力端子5は、上側主面に貫通穴1aをまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部5-1と、第一の平板部5-1の一方の主面に基体1側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体5aと、四角形状の誘電体から成り、基体1側の一端面が第一の平板部5-1と同一平面内に配されて第一の平板部5-1の一方の主面に積層された第二の平板部5-2と、第一の平板部5-1よりも高い四角形状であり、基体1側の一端面が第一の平板部5-1と同一平面内に配されて第一の平板部5-1の他方の主面に積層された金属板10とを具備しているとともに、入出力端子5の下面の貫通穴1aの内側の部位に線路導体5aに電気的に接続されたリード端子15が取着されており、基体1は、入出力端子5の外方の基体1の外周部に全周にわたって上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部11を有している。
本発明の基体1は、円板状、長方形状等の平板状で外周部に全周にわたって上側主面から突出するようにして厚肉部11を有しており、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W),Cu−モリブデン(Mo)等の金属のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。なお、厚肉部11は基体1と一体として形成されていてもよいし、基体1とは別体として形成されて基体1と厚肉部11とが互いにロウ付け等によって接合されていてもよい。
基体1が厚肉部11を有していることにより、基体1の上側主面の外周部に蓋体3の下端3cを半田付けや溶接等によって接合する際、蓋体3の下端3cは基体1の厚肉部11に接合されるようになる。
従って、蓋体3を基体1に接合させる際に基体1に加わる熱は、厚肉部11が厚い分だけ厚さ方向に分散され易くなり、従来の厚肉部11が設けられない構成に比べて、基体1と入出力端子5との接合部に伝わる熱を少なくすることができる。また、厚肉部11が厚い分だけ、基体1と蓋体3の接合部から基体1と入出力端子5との接合部までの距離が大きくなり熱が伝わり難くなることから、従来の厚肉部11が設けられない構成に比べて、基体1と入出力端子5との接合部に伝わる熱を少なくすることができる。その結果、基体1と入出力端子5との接合部において、基体1と入出力端子5との間で熱膨張差が生じ難くなる。
また、基体1に蓋体3を半田付けや溶接等によって接合した後に、基体1および蓋体3に熱収縮差が生じても、基体1の外周部の厚肉部11が補強作用をなし、基体1の外周部が補強され、基体1に歪が加わり難くなる。
そして、入出力端子5の第一および第二の平板部5-1,5-2に基体1との熱膨張差または熱収縮差による応力が作用し難くなり、第一および第二の平板部5-1,5-2がクラック等によって破損してしまうのを防止できる。その結果、光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置の内部を気密に封止することができ、内部に収容する光半導体素子2を正常かつ安定に作動させることができる。
また、基体1の外周部の厚肉部11を有していることにより、基体1の中央部である入出力端子5が接合される貫通穴1aの周囲を従来のものよりも薄肉としても、基体1全体の強度を維持することができるとともに、基体1と入出力端子5との熱膨張差により入出力端子5に加わる応力も低減され、入出力端子5がクラック等によって破損することを防止できる。その結果、入出力端子5を薄型化させても、入出力端子5がクラック等によって破損することを防止できる。即ち、入出力端子5を薄型化させ、線路導体5aを伝送する高周波信号に誘電体損失が生ずるのを防止し、高周波信号をさらに効率よく伝送させることができる。
さらに、厚肉部11により基体1の外周部が補強され、基体1に歪が加わり難くなることによって、光半導体素子2の位置がずれるのを防止できるという作用効果を奏する。その結果、光半導体素子2と光ファイバ6との光軸ズレを防止して、光結合効率を良好に維持することができ、光半導体素子2の作動性を良好なものとし得る。
さらに、厚肉部11は基体1の上側主面から突出するようにして設けられ、基体1の上側主面の外周部、即ち厚肉部11に蓋体3を半田付けや溶接等によって接合させることから、厚肉部11を設けた分、パッケージの内部の容積を大きくとることができる。また、厚肉部11によってパッケージの内部の容積を大きくとることができることから、蓋体3の上端面3aと下端3cとの間に位置する筒状部の高さを短くすることが可能となり、蓋体3を小型化できる。
さらに、光半導体素子2が作動する際に発生する熱を金属板10を介して基体1に伝達する効果があり、また、基体1には厚肉部11が設けられていることから、基体1に伝達する熱は厚肉部11が厚い分だけ厚さ方向に分散され易くなり、従来の厚肉部11が設けられない構成に比べて、基体1から効率よく外部に放散させることができ、光半導体素子2の温度上昇を抑制し、光半導体素子2が誤作動等するのを防止できる。
好ましくは、厚肉部11は基体1と別体として形成されているのがよく、厚肉部11の形成を容易なものとすることができる。また、厚肉部11の材質を基体1の材質と変えてもよく、この場合、厚肉部11の材質を基体1よりも熱伝導率の低い材質とするのがよい。例えば、基体1がCu−W,Cu−Mo等の金属から成る場合、厚肉部11をFe−Ni−Co合金から形成する。厚肉部11の材質を基体1よりも熱伝導率の低い材質とすることにより、厚肉部11の上側主面に蓋体3を半田付けや溶接等によって接合する際に、厚肉部11から基体1へ熱を伝え難くして、入出力端子5の第一および第二の平板部5-1,5-2に基体1との熱膨張差または熱収縮差による応力がさらに作用し難くなり、第一および第二の平板部5-1,5-2がクラック等によって破損してしまうのを確実に防止できるようになる。そして、パッケージおよび光半導体装置の内部をより気密に封止することができ、内部に収容する光半導体素子2を正常かつ安定に作動させることができる。
また、基体1には、中央部に平面視形状が長方形状等の貫通穴1aが形成されている。そして、基体1の上側主面の貫通穴1a周囲に入出力端子5の下面に設けられたメタライズ層が、銀(Ag)ロウ等のロウ材によって接合されることにより、貫通穴1aを塞ぐようにして入出力端子5が気密に接合される。
本発明の入出力端子5は、図1に示すように、基体1側の一端部から他端部にかけて線路導体5aが形成され、基体1と垂直な方向に向けて基体1の上側主面の貫通穴1a周囲に入出力端子5の下面が接合される。また、第一および第二の平板部5-1,5-2の側面には接地導体5bが形成されていてもよい。この構成によって、接地導体5bの接地電位がより強化され、線路導体5aに高周波信号を伝送させても、反射損失等の伝送損失が発生するのを最小限に抑えることができるようになる。
なお、第一の平板部5-1の線路導体5a側の主面と対向する面に形成された接地導体5bは、金属板10を第一の平板部5-1にAgロウ等のロウ材によってロウ付けするための接合部ともなる。
第一および第二の平板部5-1,5-2は、酸化アルミニウム(Al2O3)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,ムライト(3Al2O3・2SiO2)質焼結体等の誘電体から成り、また、線路導体5aは、WやMo等のメタライズ層から成る。
このような第一および第二の平板部5-1,5-2は以下のようにして作製される。例えば、第一および第二の平板部5-1,5-2がAl2O3質焼結体から成る場合、先ずAl2O3、酸化珪素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して泥漿状と成す。これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成形技術により複数のセラミックグリーンシートを得る。次に、このセラミックグリーンシートに、WやMo等の高融点金属粉末に適当な有機バインダー、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、線路導体5aとなるメタライズ層を所定パターンに形成する。また、入出力端子5を銀(Ag)ロウ等を介して基体1にロウ付けするために、第一および第二の平板部5-1,5-2の基体1との接合部にも、線路導体5aと同様にしてメタライズ層を所定パターンに形成する。しかる後、セラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
また、第一および第二の平板部5-1,5-2は、その貫通穴1a側の一端面に基体1との接合のためのメタライズ層を形成せずに焼成し、焼成後に第一および第二の平板部5-1,5-2積層体の表面をスライス切断加工あるいは研磨加工した後、そのスライス切断面あるいは研磨面にWやMo等を主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、これを還元雰囲気中、約1300℃の温度で焼成することにより製作してもよい。これにより、第一および第二の平板部5-1,5-2積層体の表面を平坦にすることができ、基体1との接合をより良好にすることができる。
また、第一の平板部5-1の線路導体5a側の主面と対向する面には、Cu−W合金やCu−Mo合金等の金属から成る金属板10が接合されている。この金属板10は入出力端子5の他端側において入出力端子5よりも突出した突出部10aを有しており、突出部10aの第一の平板部5-1側の露出面には光半導体素子2が載置される載置部10bが設けられている。この構成により、光半導体素子2が作動する際に発生する熱を、金属板10から基体1と蓋体3を経由して効率よく外部に放散させることができ、光半導体素子2が蓄熱して温度が上昇するのを抑制し、光半導体素子2が誤作動等するのを防止し、光半導体素子2を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るパッケージとすることができる。
金属板10は、長方形状で、Cu−W合金やCu−Mo合金等の金属から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。
好ましくは、金属板10および基体1はCu−Mo合金から成るのがよく、この構成により、熱伝導性に優れるCu−Mo合金から成る金属板10および基体1を介して光半導体素子2から発生する熱をさらに効率よく外部に放散させることができる。その結果、光半導体素子2が蓄熱して温度が上昇するのを十分に抑制して、光半導体素子2が誤作動等するのを防止し、光半導体素子2を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得るパッケージとすることができる。
また、Cu−Mo合金はCu−W合金に比べて軟らかく、金型を用いた打ち抜き加工に適している。従って、金属板10および基体1がCu−Mo合金から成ることによって、金属板10および基体1を打ち抜き加工で効率よく大量生産することができ、量産性に適したものとすることができる。
このような入出力端子5が基体1と垂直な方向に向けられた状態で基体1の上側主面の貫通穴1a周囲に下面が接合されることにより、貫通穴1aに入出力端子5を挿通する場合に比べ、貫通穴1aおよび入出力端子5の寸法精度を緩和することができる。その結果、貫通穴1aおよび入出力端子5の金属板10,第一の平板部5-1および第二の平板部5-2それぞれの寸法およびこれらの組立て精度を高いものに仕上げるための工程が不要となり、基体1および入出力端子5を容易に作製することができ、本発明のパッケージを量産に適したものとすることができる。
また、基体1の下面から入出力端子5が突出することがなく、近時の小型化傾向に適するものとなる。
また、図2は、入出力端子5部分の実施の形態の他の例を示し、入出力端子5の金属板10は、第一の平板部5-1よりも高く、入出力端子5の他端側で第一の平板部5-1よりも突出している四角形状であり、第一の平板部5-1の他方の主面に積層されているとともに、基体1側の一端面(金属板10の下側の一端面)が第一の平板部5-1の基体1側の一端面および基体1の下側主面よりも下側に突出するように貫通穴1aに挿通されている。そして、金属板10の第一の平板部5-1側の、上端に光半導体素子2が取着される面と連続する同じ面が基体1の下側に突出されて、パッケージの外側に露出されている。
この構成により、貫通孔1aに挿通されて接合されるのは、切削加工等により高精度に加工するのが容易な金属板10のみであり、焼結させて形成される誘電体から成る第一の平板部5-1および第二の平板部5-2は、基体1の上側主面の貫通孔1a周囲に基体1側の一端面を接合できればよく、これらの寸法および組立て精度を緩和することができる。その結果、入出力端子5を高い寸法精度に仕上げるための工程が不要となり、入出力端子5を容易に作製することができ、本発明のパッケージを量産に適したものとすることができる。
また、この構成により、金属板10の光半導体素子2が取着される上端(他端側)と同一面で連続している下端(一端側)が、基体1の下側主面よりも下側に突出しているので、この突出している部位を基準に蓋体3や光ファイバ6が固定された固定部材7等を組み立てることにより、本発明のパッケージ内に実装された光半導体素子2との位置合わせを容易にすることができ、また、本発明のパッケージを外部電気回路基板(図示せず)に実装する際も、パッケージの内部に実装された光半導体素子2と外部電気回路基板との位置合わせを容易にすることができる。
この目的のために、例えば、金属板10の第一の平板部5-1側の面の上端の突出部10aに搭載される光半導体素子2の搭載部10bの位置決めは、または、この搭載部10bに光半導体素子2を取着する際の光半導体素子2の位置決めは、金属板10の下端の基体1の下側主面よりも下側に突出している部位の2つの角部、好ましくは、第一の平板部5-1側の面に接する2つの角部を基準に、またはこの部位や光半導体素子収納用パッケージの下方から確認できる部位の第一の平板部5-1側の面内に予め設けられている2つの位置マーカーを基準にして行なえばよい。これにより、光半導体素子収納用パッケージの外部となる2つの角部または2つの位置マーカーおよび金属板10の第一の平板部5-1側の面の位置から金属板10の上端に取着されている光半導体素子2の位置を特定することができる。従って、光半導体素子収納用パッケージの蓋体3や光ファイバ6が固定された固定部材7等の組立て、光半導体素子2と光ファイバ6とのアラインメント、パッケージを外部電気回路基板に実装するときの位置合わせを容易にすることができる。
また、上記構成により、基体1を介さない金属板10の基体1の下側に突出する部分から直接光半導体素子2が発生する熱を外部電気回路や外部電気回路に設けられた冷却装置等へ放散させることができるので、より効率よく光半導体素子2からの熱を放散させることが可能となる。
また、入出力端子5は、下面の貫通穴1aの内側の部位に、外部接続端子部材としてのリード端子15を線路導体5aや接地導体に電気的に接続するためのWやMo等の高融点金属を主成分とするメタライズ層から成る接続用パッド5cが設けられる。そして、この接続用パッド5cにFe−Ni−Co合金等の金属から成るリード端子15が接合され、このリード端子15が外部電気回路基板等の外部電気回路に電気的に接続されることにより、光半導体素子2と外部電気回路との間で電気信号の入出力が行なわれる。なお、リード端子15はFe−Ni−Co合金等のインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって棒状の所定形状に製作される。
リード端子15は、図1〜3に示すように、基体1の下面より下方に突出するような長さとされる。そして、例えば、リード端子15の先端を外部電気回路基板等を挿通させ、その根元を外部電気回路基板の電極に接続した後、余分な部分が切断される。なお、リード端子15の長さを基体1の厚さと同じ程度とし、基体1の下面より大きく下方に突出しないようにしてもよい。そして、外部電気回路基板の表面に設けられた電極に、表面実装と同じようにして半田付けしてもよい。
入出力端子5にリード端子15を接続する他の実施の形態の例として、図3に示すように、第二の平板部5-2の基体1側の一端部の線路導体5aと接する部位の周辺に線路導体5aの一端部を露出させる切り欠き5dを設け、この線路導体5aの一端部の露出された部位にFe−Ni−Co合金等の金属から成るリード端子15をロウ材等で電気的に接合してもよい。この場合、線路導体5の幅を変化させる接続用パッド5cや、これと接合するためにリード端子15の先端にフォーミング加工(つぶし加工)等を行なうことにより設けられたリード端子15の径よりも太い頭部を設ける必要がないので、この接続部で線路導体5に流れる高周波電気信号がインピーダンス不整合を起こして反射し、高周波電気信号の導通に支障を生じる虞が減る。
また、切り欠き5dの奥行き方向に接続されるリード端子15と線路導体5aとの接合面積を大きくできるので、リード端子15を線路導体5aに強固に接合することができる。同時に、リード端子15が線路導体5aと接続される部位に切り欠き5dが設けられるので、線路導体5aの切り欠き5d上方の平板部5-2で覆われた部位の高周波インピーダンスとリード端子15の基体1の下側の高周波インピーダンスとの中間になるように切り欠き5dの形状を決めることにより線路導体5aを伝送する高周波信号のインピーダンス不整合による反射が生ずるのを緩和できる。これによって、線路導体5a部分において高周波信号を極めて効率良く伝送させることができるようになる。
好ましくは、この第二の平板部5-2の切り欠き5dは、線路導体5の基体1側の一辺から線路導体5に沿って切り欠きの奥へ行くに従って線路導体5に向かって切り欠きの幅が漸次または段階的に狭くなるようにするのがよく、これにより、接続部におけるインピーダンス不整合をより生じにくくすることができる。また、さらに線路導体5の幅も漸次または段階的に狭くなるようにするのが好ましい。
また、リード端子15を線路導体5aと同軸状に取着することができ、リード端子15と線路導体5aとを一直線状に接続できることから、接続部に屈曲部がなくなってインピーダンスの急激な変化が生じにくくなり、非常に伝送特性に優れるものとなる。
また、図4および図5は本発明の光半導体素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す。図4および図5に示す実施形態は、図1および図2に示される光半導体素子収納用パッケージにおいて、リード端子15を取着する代わりに、外部接続端子部材としての金属ボール15aを用いている。
金属ボール15aは、光半導体装置の取り扱いの際に外部接続用のリード端子15のように曲がってしまうということがない。従って、金属ボール15aを介して高周波信号を効率良くかつ安定的に光半導体素子収納用パッケージに入出力させることができる。即ち、金属ボール15aによって外部電気回路基板と光半導体装置とを接続するので、リード端子15を用いる場合に比べ、外部電気回路との接続位置を安定させることができ、接続部の形状起因による高周波電気特性のばらつきを小さくすることができる。その結果、接続部を伝送する高周波信号の伝送特性を一定のものとすることができる。
また、入出力端子5の下面に設けられた金属ボール15aによって、光半導体素子収納用パッケージを外部電気回路に表面実装することが可能となる。その結果、光半導体素子収納用パッケージの外部電気回路への実装作業を容易なものとすることができる。リード端子15が折れるということもなくなり、光半導体素子収納用パッケージと外部電気回路との電気的接続の信頼性を向上させることができる。
また、金属ボール15aを用いることによって、光半導体素子収納用パッケージと外部電気回路との接続部の長さを短くして接続することが容易となり、高周波信号が伝送する伝送線路長さを最小限に抑えて、接続部において発生する伝送損失を最小限に抑えることができる。
また、光半導体素子2の高出力化により、光半導体素子2から発生する熱量が増大しても、光半導体素子2から発生する熱を金属ボール15aを介して外部電気回路基板に熱放散させやすくすることができる。これによって、光半導体素子2の温度上昇を防止して、光半導体素子2を正常かつ安定に作動させることができる。
さらに、金属ボール15aにより接続するので、実装サイズを小さくすることができ、近時の光半導体素子収納用パッケージの小型化傾向に適合するものとなる。
金属ボール15aは、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、ステンレス鋼(SUS)等から成り、基体1の厚みと同じまたは若干小さな直径を有する球状に形成された金属ボール15aがAgロウ等のロウ材または半田を介して入出力端子5の下面に導出された線路導体5aの電極パッドに接合される。金属ボールには必要に応じて金メッキ等が施される。
また、基体1の上側主面の外周部には、上端面3aの中央部に貫通孔3bが形成され下端3cが開かれた筒状である蓋体3が設けられる。蓋体3の下端3cは、鉛(Pb)−錫(Sn)半田等の半田による半田付けや溶接等によって基体1と気密に接合される。なお、下端3cは、基体1との接合面積を大きくして、基体1と蓋体3とで構成される容器内部の気密信頼性を向上させるために、図1に示すような鍔状であることが好ましい。
蓋体3は、断面形状(横断面形状)が円形状または長方形等の多角形状の筒状であり、Fe−Ni−Co合金等の金属から成り、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。なお、蓋体3は、筒状部と上端面3aが個々に製作され、それらをロウ付け、半田付け、溶接等によって接合したものであってもよい。
また、蓋体3には、貫通孔3bを塞ぐように貫通孔3bの上端面3a側開口の周囲に、透光性部材4がガラス接合や半田付け等により気密に接合される。透光性部材4は、ガラスやサファイア等から成る円板状,レンズ状,球状または半球状等のものであり、球状の場合全周にわたる帯状部で、円板状やレンズ状の場合一主面の外周部で、半球状の場合平面部の外周部で蓋体3に接合される。
本発明において、透光性部材4は貫通孔3bの上端面3a側開口の周囲に接合されるのが好ましく、この場合以下の点で有利である。即ち、蓋体3の外周の鍔状部に固定部材7を溶接する際の熱が蓋体3に局所的に加わり、蓋体3の透光性部材4との接合面に熱膨張による引っ張り応力が加わると、透光性部材4が蓋体3から剥がれ易くなるが、光半導体装置は内部を気密にするため外側から内側に気圧が加わり易く、気圧によって透光性部材4が蓋体3に押し付けられて剥がれにくくなる。
このようなパッケージは、金属板10に設けられた光半導体素子2の載置部10bに、光半導体素子2をSn−Pb半田等の低融点ロウ材で載置固定するとともに、線路導体5aと光半導体素子2の電極とをボンディングワイヤ等の電気的接続手段9で電気的に接続し、基体1の上側主面の外周部に蓋体3をシーム溶接等により接合することにより、光半導体装置となる。なお、第二の平板部5-2は、線路導体5aの端部を露出させて電気的接続手段9が良好に接続されるようにするため、第一の平板部5-1よりも低くなっているのがよい。
そして、光半導体装置の蓋体3の外周の鍔状部には、光ファイバ6が上端面に固定されたFe−Ni−Co合金等の金属から成る円筒状の固定部材7の下端面がレーザ溶接法等の溶接によって接合される。これにより、光ファイバ6が固定部材7を介して透光性部材4の上方に固定されることにより、光ファイバ6を介して内部に収容する光半導体素子2と外部との光信号の授受が可能となる。
本発明の光半導体装置は、光半導体素子2の電極が外部電気回路に電気的に接続され、例えば外部電気回路から供給される電気信号によって光半導体素子2にレーザ光等の光を励起させ、この光を透光性部材4、光ファイバ6の順に透過させ、光ファイバ6を介して外部に伝送することによって、高速光通信等に使用される光半導体装置として機能する。または、光ファイバ12を介して外部から伝えられ、透光性部材4を透過して電子部品2としての受光素子に伝達された光信号を、電気信号として配線基板5を介して外部電気回路に出力する。
なお、本発明は上記実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、光ファイバ6はセラミックスから成るフェルールを介して固定部材7に固定されていてもよい。
また、上記実施の形態の説明において上下左右という用語は、単に図面上の位置関係を説明するために用いたものであり、実際の使用時における位置関係を意味するものではない。
1:基体
1a:貫通穴
2:光半導体素子
3:蓋体
3a:上端面
3b:貫通孔
3c:下端
4:透光性部材
5:入出力端子
5-1:第一の平板部
5-2:第二の平板部
5a:線路導体
5d:切り欠き
10:金属板
11:厚肉部
15:リード端子
15a:金属ボール
1a:貫通穴
2:光半導体素子
3:蓋体
3a:上端面
3b:貫通孔
3c:下端
4:透光性部材
5:入出力端子
5-1:第一の平板部
5-2:第二の平板部
5a:線路導体
5d:切り欠き
10:金属板
11:厚肉部
15:リード端子
15a:金属ボール
Claims (5)
- 上下主面間を貫通する貫通穴が形成された平板状の金属製の基体と、上端面の中央部に貫通孔が形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、前記基体の上側主面の外周部に前記下端が接合される金属製の蓋体と、該蓋体の前記貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材と、前記貫通穴を覆って前記基体の上側主面に接合された入出力端子とを具備して成る光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記入出力端子は、前記上側主面に前記貫通穴をまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部と、該第一の平板部の一方の主面に前記基体側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体と、四角形状の誘電体から成り、前記基体側の一端面が前記第一の平板部と同一平面内に配されて前記第一の平板部の前記一方の主面に積層された第二の平板部と、前記第一の平板部よりも高い四角形状であり、前記基体側の一端面が前記第一の平板部と同一平面内に配されて前記第一の平板部の他方の主面に積層された金属板とを具備しているとともに、前記入出力端子の下面の前記貫通穴の内側の部位に前記線路導体に電気的に接続されたリード端子が取着されており、前記基体は、前記入出力端子の外方の前記基体の外周部に全周にわたって前記上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部を有していることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
- 上下主面間を貫通する貫通穴が形成された平板状の金属製の基体と、上端面の中央部に貫通孔が形成されているとともに下端が開かれた筒状とされており、前記基体の上側主面の外周部に前記下端が接合される金属製の蓋体と、該蓋体の前記貫通孔の開口の周囲に接合された透光性部材と、前記貫通穴を覆って前記基体の上側主面に接合された入出力端子とを具備して成る光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記入出力端子は、前記上側主面に前記貫通穴をまたぐように立設された誘電体から成る四角形状の第一の平板部と、該第一の平板部の一方の主面に前記基体側の一辺から対向する他辺にかけて形成された線路導体と、四角形状の誘電体から成り、前記基体側の一端面が前記第一の平板部と同一平面内に配されて前記第一の平板部の前記一方の主面に積層された第二の平板部と、前記第一の平板部よりも高い四角形状であり、前記第一の平板部の他方の主面に積層されているとともに、前記基体側の一端面が前記第一の平板部および前記基体の下側主面よりも下側に突出するように前記貫通穴に挿通されている金属板とを具備しているとともに、前記入出力端子の下面の前記貫通穴の内側の部位に前記線路導体に電気的に接続されたリード端子が取着されており、前記基体は、前記入出力端子の外方の前記基体の外周部に全周にわたって前記上側主面から突出するようにして設けられた厚肉部を有していることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
- 前記入出力端子は、前記第二の平板部の前記基体側の一端面の前記線路導体と接する部位に前記線路導体の一端部を露出させる切り欠きが設けられており、前記リード端子が前記線路導体の一端部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光半導体素子収納用パッケージ。
- 前記リード端子に代えて金属ボールを取着したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光半導体素子収納用パッケージと、前記金属板の前記第一の平板部側の面の上端の露出部に取着されるとともに前記線路導体に電気的に接続された光半導体素子と、前記透光性部材を前記光半導体素子の受光部または発光部に対向させて前記基体の上側主面の外周部に下端が接合された蓋体とを具備していることを特徴とする光半導体装置。
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2006
- 2006-10-26 JP JP2006291552A patent/JP2007150276A/ja active Pending
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