JP2003173769A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JP2003173769A
JP2003173769A JP2001371510A JP2001371510A JP2003173769A JP 2003173769 A JP2003173769 A JP 2003173769A JP 2001371510 A JP2001371510 A JP 2001371510A JP 2001371510 A JP2001371510 A JP 2001371510A JP 2003173769 A JP2003173769 A JP 2003173769A
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negative electrode
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secondary battery
porous polymer
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Satoru Saito
哲 斎藤
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水電解質二次電池の安全性の向上を図りつ
つ、その放電特性の向上を図る。 【解決手段】 正極活物質を含む正極合剤層15と、負
極活物質を含む負極合剤層19とを備え、正極合剤層1
5と負極合剤層19との間に有孔性高分子膜5を備える
非水電解質二次電池において、正極合剤層15及び負極
合剤層19の少なくともいずれか一つは、無機固体電解
質粉末を含む構成とする。また、正極合剤層15および
負極合剤層19の少なくともいずれか一つには、有孔性
高分子を含有させることができる。正極合剤層15と負
極合剤層19との間に位置する有孔性高分子膜5に無機
固体電解質を含ませることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池には、有機溶媒に電
解質塩を溶解させた非水電解液(以下、電解液という)
が用いられている。そのため、電池の内外でのショート
などによって電池内部の温度が上昇すれば電解液が噴出
し、場合によっては爆発・炎上の危険がある。そこで、
非水電解質二次電池の安全性を向上させるために、電解
液を一定の外形を有する固体に保持させて流動性を失わ
せた固体電解質を用いる非水電解質二次電池の開発が進
められている。
【0003】固体電解質の一つであるポリマーゲル電解
質は、高分子と電解液とが均一相を形成しており、電解
液を保持する高分子から応力によって電解液が分離する
ことが無いため安全性に優れる。しかし、ポリマーゲル
電解質では、その内部に含まれる電解液が活物質との間
を自由に移動できないから、そのイオン伝導度は不十分
なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高分子を用いた固体電
解質として、上述のポリマーゲル電解質のほかに、有孔
性高分子固体電解質がある。有孔性高分子固体電解質
は、高分子と空孔との双方が連続的に連なった有孔性高
分子の空孔に電解液を満たしてなるものである。この有
孔性高分子固体電解質は、一定の外形を備えて電解液を
保持しているから安全性に優れ、同時に有孔性高分子内
部の電解液は活物質との間で流動可能な状態であるか
ら、そのイオン伝導度はポリマーゲル電解質と比較して
優れている。しかし、その有孔性高分子固体電解質を用
いた非水電解質二次電池であっても、電解液のみを用い
た非水電解質二次電池と比較して高率放電特性が十分な
ものとは言えず、更なる改良が望まれていた。
【0005】本発明は上記のような事情に基づいて完成
されたものであって、高い安全性を有するとともに、高
率放電特性を改善した非水電解質二次電池を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用】上記の目的
を達成するための手段として、請求項1の発明は、負極
活物質を含む負極合剤層と、正極活物質を含む正極合剤
層と、これらの合剤層間に位置する電解質とを備える非
水電解質二次電池において、前記電解質は電解液を含ん
だ有孔性高分子膜からなると共に、前記負極合剤層およ
び前記正極合剤層の少なくともいずれか一方の合剤層は
無機固体電解質粉末を含有する構成としたところに特徴
を有する。
【0007】かかる構成により、正極合剤層および負極
合剤層(以下、単に「合剤層」ということがある)に含
まれる電解液のみではなく、正極合剤および負極合剤
(以下、単に「合剤」ということがある)に添加された
無機固体電解質においてもリチウムイオンが移動でき
る。従って、電解液を含んだ合剤層全体でのリチウムイ
オン伝導率が向上する。合剤層中のリチウムイオン伝導
性が高くなれば、イオン伝導率の低さに起因する抵抗に
よる損失を低減でき、電池容量を向上させることができ
る。特に高率放電時においてその効果が著しい。
【0008】また、無機固体電解質粉末の添加により、
合剤層中に含まれる電解液の割合を減じることができ
る。無機固体電解質粉末の粒子径が正極あるいは負極活
物質の粒子径より小さく、合剤層における活物質の間隙
に無機固体電解質の粒子が充填され、合剤層における電
解液の保持量が小さくなるためである。これにより非水
電解質二次電池中に含まれる電解液を減少させることが
でき、非水電解質二次電池の液漏れ、発煙、発火あるい
は爆発の危険性を減少させることができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1に記載の非水
電解質二次電池において、前記負極合剤層および前記正
極合剤層の少なくともいずれか一方は前記有孔性高分子
を含有するところに特徴を有する。
【0010】これにより、有孔性高分子が合剤層内で膨
潤して電解液を保持し、合剤層内部の電解液を固定す
る。充放電に伴うガスの発生や、充放電に伴う活物質の
膨張収縮によって、合剤層内の電解液が移動することが
無くなるから、その分布を均一にできる。すなわち、気
泡などによって利用されない活物質が生じないから、容
量特性が向上する。
【0011】また、合剤層内に有孔性高分子が充填さ
れ、電解液は有孔性高分子固体電解質内に保持されてい
るので、電池が液漏れや発煙、発火などの状態に陥る危
険性を減少できる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2のものにおいて、前記電解質を構成する前記有孔性高
分子膜は無機固体電解質粉末を含有するところに特徴を
有する。
【0013】かかる構成では、無機固体電解質を合剤層
に含有させるとともに、合剤層間に位置する有孔性高分
子膜に無機固体電解質を固定している。従って、合剤層
の合剤部分のみならず、有孔性固体電解質のイオン伝導
性も向上させることができるから、非水電解質二次電池
の放電特性を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態にか
かる非水電解質二次電池1の分解斜視図である。この非
水電解質二次電池1は、長円渦状の発電要素2を図示し
ない非水電解液とともに金属ラミネート樹脂フィルムケ
ース6に収納し、密封してなる構成となっている。
【0015】長円渦状の発電要素2はその中心にポリエ
チレン製の図示しない長方形状の巻芯を備え、この巻芯
を中心にして正極板3、有孔性高分子膜5、負極板4お
よび有孔性高分子膜5がこの順序で交互に重なり合うよ
うに巻回されている。正極板3の巻きはじめ端部には正
極リード端子7が溶接され、負極板4の巻きはじめ端部
には負極リード端子8が溶接されている。
【0016】発電要素2は正極板3および負極板4の発
電要素2外側にある端部において、巻き止め用テープ1
0によって巻き止めされている。発電要素2はその巻回
軸中心が金属ラミネート樹脂フィルムケース6の開口面
と概ね垂直方向となるように収納されている。そして、
金属ラミネート樹脂フィルムケース6の開口部が溶着さ
れて非水電解質二次電池1が密封されるとともに、正極
及び負極リード端子7、8が固定されている。
【0017】図2に示すように、正極板3は、例えばア
ルミニウム、ニッケル、又はステンレス製の正極集電体
13を備え、その両面にリチウムイオンを吸蔵・放出す
る正極活物質を構成要素とする正極合剤からなる正極合
剤層15が設けられている。また、負極板4は、例えば
銅、ニッケル、ステンレス製の負極集電体17を備え、
その両面に負極活物質を構成要素とする負極合剤からな
る負極合剤層19が設けられている。そして、有孔性高
分子膜5は正極板3と負極板4との間に挟まれ、正極合
剤層15と負極合剤層19との間に位置している。
【0018】この正極合剤または負極合剤には、無機固
体電解質粉末が含有されている。無機固体電解質は、リ
チウムイオン伝導性を示す粉末であり、そのイオン伝導
度が25℃において、1.0×10−4〜7.0×10
−4Scm−1のものを用いることができる。無機固体電
解質として、Li2O−SiO2、Li2O−B23、L
2O−Al23、Li2O−P25などを主成分とする
酸化物ガラスセラミックス、LiTi2(PO43や、
そのTi4+の一部をIn3+やAl3+などで置換した
NASICON型化合物、(La2/3−xLi3x)T
iO3などのペロブスカイト型化合物、Li3S−SiS
3,Li3S−GeS3等を主成分とする硫化物系ガラス
等が挙げられる。その平均粒径は0.1〜2.0μmの
ものを用いることができる。それらは、単独で用いるこ
とができ、また二種以上を混合して用いることもでき
る。なお、粒径は走査型電子顕微鏡を用いて撮影した粒
子の写真から、任意の100個の一次粒子における粒径
の平均値を「平均粒径」とした。
【0019】また、正極合剤層15における無機固体電
解質粉末の含有量は、正極合剤中の割合として5〜30
%の範囲が適当である。同様に、負極合剤層19におけ
る無機固体電解質粉末の含有量は、負極合剤中の割合と
して5〜30%の範囲が適当である。
【0020】ここで、正極板3は例えば以下のようにし
て製造される。正極活物質をLi2O−SiO2等の無機
固体電解質粉末とカーボンブラック等の導電剤とポリフ
ッ化ビニリデン等の結着剤と共に混合して、正極合剤と
する。そして、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリ
ドン等の溶媒に分散させてペーストとする。これを正極
集電体13の両面に塗布、乾燥後、ロールプレス等によ
り圧縮平滑化して正極板3が作製される。正極活物質は
特に限定されず、リチウムの吸蔵放出が可能な化合物を
用いることができる。例えば、リチウムコバルト複合酸
化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン
複合酸化物などを用いることができる。
【0021】負極板4は負極活物質に無機固体電解質粉
末と結着剤と共に混合して得た負極合剤を用いて、正極
板3と同様に作製される。負極活物質としては、特に限
定されず、例えば公知のコークス類、グラファイト類、
難黒鉛化性炭素類などの炭素質材料、あるいは金属リチ
ウム、リチウム合金などを使用することができる。特
に、安全性の高さから炭素質材料を用いるのが望まし
い。
【0022】本実施形態において、有孔性高分子膜5は
高分子膜に多数の孔を形成、すなわち多孔処理を行って
有孔性高分子とし、この孔の中に有機電解液を保持させ
たものである。この有孔性高分子膜5はセパレータとし
て用いることができる。
【0023】多孔処理を施す方法としては、微粒子を添
加した高分子フィルムを延伸する方法や溶媒抽出法等を
用いることができるが、溶媒抽出法による方法が好まし
い。
【0024】溶媒抽出法は、第1の溶媒に高分子を溶解
した高分子溶液から、高分子を溶解しないで、かつ、第
1の溶媒と相溶性のある第2の溶媒によって、第1の溶
媒を抽出し、もって固体の高分子を得る方法である。こ
の際、高分子と第1及び第2の溶媒とを適切に選べば、
高分子溶液から第1の溶媒を抽出する際に、高分子溶液
からの高分子の相分離を制御できるから、高分子と空孔
とをそれぞれ連続するように高分子を凝集させ、有孔性
高分子膜5を得ることができる。
【0025】得られた有孔性高分子膜5に電解液を加え
ることにより、有孔性高分子が電解液で膨潤し、孔部分
にも非水溶媒電解液を保持した、有孔性高分子固体電解
質となる。
【0026】また、有孔性高分子を合剤層に含有させる
こともできる。すなわち、合剤層を形成した正極板3も
しくは負極板4を高分子溶液に浸漬し、その後に正極板
3もしくは負極板4を第2の溶媒に浸漬する。これによ
り、高分子が溶解している第1の溶媒を抽出し、合剤層
に有孔性高分子を含有した正極板3あるいは負極板4を
得ることができる。
【0027】また、無機固体電解質を高分子溶液に添加
して有孔性高分子膜5を形成させることができる。ま
ず、有孔性高分子を調製するための高分子溶液に無機固
体電解質粉末を添加して均一に分散させておき、高分子
膜を形成する。その後、溶媒抽出処理を行って無機固体
電解質を含有する有孔性高分子膜を得る。
【0028】その溶媒抽出操作の際、高分子が無機固体
電解質粉末に接触し、均一に分散している無機粉末粒子
の間が空孔になるため、多孔性高分子固体電解質の孔分
布が均一となる。
【0029】なお、本発明に用いる有孔性高分子固体電
解質を構成する高分子化合物としては、例えば、ポリフ
ッ化ビニリデン(以下PVdFという)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
ビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニ
ルアセテート、ポリビニルピロリドン、もしくはこれら
の誘導体を、単独で、あるいは混合して用いることがで
きる。
【0030】また、上記高分子を構成する各種モノマー
を共重合させた高分子化合物、例えば、フッ化ビニリデ
ン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(以下P(V
dF/HFP)という)等を用いることもできる。な
お、用いる高分子化合物としては、充放電による活物質
の体積膨張収縮に追従した形状変化の可能な柔軟性を有
するものが好ましい。
【0031】また、溶媒抽出法において、高分子化合物
を溶解する第1の溶媒としては、高分子化合物の種類に
より、以下のものから選択できる。例えば、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネ
ート等の炭酸エステル、ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミド、N−メチル−2−ピロリドンや、これらの混合
物を用いることができる。
【0032】高分子溶液中の第1の溶媒を抽出する第2
の溶媒としては、第1の溶媒と相溶性があり、しかも高
分子化合物を溶解しない溶媒が選択される。例えば、
水、アルコール、アセトン、または、これらの混合溶媒
を用いることができる。
【0033】本発明の有孔性高分子に含浸させる非水電
解液の非水溶媒として、例えばエチレンカーボネートと
メチルエチルカーボネートとの混合溶媒あるいはエチレ
ンカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶媒を
用いることができる。前記混合溶媒に、プロピレンカー
ボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネー
ト、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、2−メチル−γ−ブチルラクトン、アセチル
−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラ
ン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エ
チル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
メチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、
メチルプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカー
ボネート、ジブチルカーボネート等を単独でまたは二種
以上用いてこれを混合して使用しても良い。
【0034】非水電解液の溶質としての電解質塩は、特
に限定されず例えばLiClO4、LiAsF6、LiP
6、LiBF4、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO
3、LiCF3CF2CF2SO3、LiN(CF3
22、LiN(C25SO22等を単独でまたは二種
以上を混合して使用することができる。電解質塩として
は中でもLiPF6を用いるのが好ましい。
【0035】
【実施例】1.試料電池の作製 比較例1及び実施例1〜7の非水電解質二次電池1を作
製した。それぞれ正極板3と負極板4とに無機固体電解
質または有孔性高分子を含有するか否か、及び、有孔性
高分子膜5に無機固体電解質を含有するか否かにおいて
異なっている。以下にその詳細を述べる。
【0036】<比較例1>図1に示す非水電解質二次電
池1を作製した。 1)正極板の作製 本実施形態では、正極板3の正極集電体13として、厚
さ20μmのアルミニウム箔を使用した。正極活物質と
してのLiCoO291wt%と、結着剤としてのPV
dF6wt%と導電剤としてのアセチレンブラック3w
t%とを混合し、N−メチル−2−ピロリドン(以下N
MPという)を加えてペースト状に調製した。このペー
ストを正極集電体13に均一に塗布し、90℃で乾燥さ
せることによって正極板3Aを作製した。ここでLiC
oO2の粒子径は3.5μmのものを用いた。正極板3
Aの厚さは180μm、幅は42mmとした。
【0037】2)負極板の作製 負極集電体17としては、厚さ14μmの銅箔を使用し
た。ホスト物質としてのグラファイト(黒鉛)92wt
%と結着剤としてのPVdF8wt%とを混合して、N
MPを加えてペースト状に調製した。このペーストを、
負極集電体17の両面に塗布して、100℃で乾燥さ
せ、これを負極板4Aとした。ここでグラファイトの粒
子径は15μmのものを用いた。負極板4Aの厚さを1
70μm、幅を45mmとした。
【0038】3)有孔性高分子膜の作製 有孔性高分子膜5を形成する高分子として、13wt%
のヘキサフルオロプロピレン(以下HFPという)を共
重合させたP(VdF/HFP)を用いた。その重量平
均分子量は約30万であった。このP(VdF/HF
P)が20wt%、NMPが80wt%である高分子溶
液を調製した。この高分子溶液をガラス板上にドクター
ブレード法を用いてキャストし、エタノールを75wt
%含んだイオン交換水(25℃)中に5分間浸漬した。
その後、100℃で30分間乾燥し、水とエタノールと
を除去することによって有孔性高分子膜5を作製した。
【0039】4)電解液の調製 非水電解液としては、エチレンカーボネートとジエチル
カーボネートとを容積比1:1で混合し、この溶液にL
iPF6を1mol/l溶解したものを用いた。
【0040】5)電池の作製 上記1)、2)で得られた正極板3Aと負極板4Aと有
孔性高分子膜5を用いて発電要素2を組み立てた。発電
要素の大きさは、46mm×35mm×4mmとした。
【0041】この発電要素2を金属ラミネート樹脂フィ
ルムケース6に収納した。その後、正極板3及び負極板
4と有孔性高分子膜5とを十分湿潤させ、余剰な電解液
が金属ラミネート樹脂フィルムケース6内に存在しない
量の電解液を真空注液した。真空注液した非水電解質二
次電池1を200mAで30分間予備充電した後、密封
溶着し、公称容量500mAhの非水電解質二次電池1
を作製した。
【0042】<実施例1>正極活物質としてのLiCo
281wt%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデ
ン6wt%と導電剤としてのアセチレンブラック3wt
%と、無機固体電解質としてのLi2O−SiO210w
t%とを混合し、NMPを加えてペースト状に調製し
た。このペーストを用いて、正極板3Aと同様に正極板
3Bを作製した。ここで、LiCoO2の粒径は比較例
1と同じであり、Li2O−SiO2の平均粒径は0.5
μmのものを用いた。この正極板3Bを用いて非水電解
質二次電池1を作製した。他の構成要素は比較例1と同
様とした。
【0043】<実施例2>ホスト物質としてのグラファ
イト(82wt%)と結着剤としてのPVdF8wt%
と無機固体電解質としてのLi2O−SiO210wt%
とを混合し、NMPを加えてペースト状に調製した。こ
のペーストを用いて負極板4Aと同様にして負極板4B
を作製した。ここでグラファイトの粒子径は比較例1と
同様であり、Li2O−SiO2は実施例1と同じものを
用いた。この負極板4Bを用いて非水電解質二次電池1
を作製した。他の構成要素は比較例1と同様とした。
【0044】<実施例3>実施例1で作製した正極板3
Bと実施例2で作製した負極板4Bとを用いた非水電解
質二次電池1を作製した。他の構成要素は比較例1と同
様とした。
【0045】<実施例4>6wt%のHFPを共重合さ
せたP(VdF/HFP)共重合体(重量平均分子量約
30万)をNMPに8wt%溶解させた高分子溶液を準
備し、この中に実施例1で作製した正極板3Bを浸漬し
た。高分子溶液を含浸させた正極板3Bをローラー間に
通過させることにより、表面上に余剰に付着した高分子
溶液を除去した。その後、高分子溶液を含浸させた正極
板3Bをイオン交換水(25℃)に浸漬してNMPの抽
出を行った。この正極板をイオン交換水中から取り出し
た後、130℃で乾燥を行い、その後プレスした。これ
を正極板3Cとした。この正極板3Cを用いて非水電解
質二次電池1を作製した。他の構成要素は実施例3と同
様とした。
【0046】<実施例5>実施例2の負極板4Bを用
い、実施例4の正極板3Cと同様の手順で、負極板4C
を作製した。ただし溶媒抽出後の乾燥温度は100℃と
した。この負極板4Cを用いて非水電解質二次電池1を
作製した。他の構成要素は実施例3と同様とした。
【0047】<実施例6>実施例4で作製した正極板3
Cと実施例5で作製した負極板4Cとを用いた非水電解
質二次電池1を作製した。他の構成要素は比較例1と同
様とした。
【0048】<実施例7>比較例1において、有孔性高
分子膜5を作製する際、P(VdF/HFP)を溶解し
た高分子溶液に、P(VdF/HFP)を100重量部
としたときに、20重量部となる平均粒径0.5μmの
Li2O−SiO2粉末を添加した。そのLi2O−Si
2粉末を高分子溶液中にマグネチックスターラーを用
いて均一に分散させた。その溶液を用いて、比較例1と
同様の方法で有孔性高分子膜5Aを得た。実施例4で作
製した正極板3Cと実施例5で作製した負極板4Cと有
孔性高分子膜5Aとを用いて、非水電解質二次電池1を
作製した。その他の構成要素は比較例1と同様とした。
【0049】比較例1および実施例1〜7で作製した非
水電解質二次電池1の電極の構成を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】2.測定 <放電特性試験>25℃の恒温槽中で非水電解質二次電
池1の充放電試験を行った。500mAの定電流で4.
2Vまで充電を行った後、4.2Vの定電圧で充電を行
った。充電時間は定電流での充電開始から3時間とし
た。放電は、500mAの定電流で2.7Vまで行っ
た。この充電と放電とを1サイクルとして、10サイク
ル目の放電容量を低率放電容量とした。次に、10サイ
クル目までと同様に、11サイクル目の充電を行った
後、2Aの定電流で2.7Vまで放電し、その容量を高
率放電容量とした。そして、低率放電容量に対する高率
放電容量の比を求め、これを高率/低率放電比とした。
【0052】<オーブン試験>非水電解質二次電池1を
25℃の恒温槽中において、500mAの定電流で4.
2Vまで充電を行った後、4.2V定電圧で充電を行っ
た。充電時間は定電流での充電開始から8時間とした。
充電終了後、非水電解質二次電池1を180℃のオーブ
ン中で5時間加熱し、電池の状態を観察した。
【0053】3.結果 比較例1および実施例1〜実施例7の放電特性およびオ
ーブン試験の結果を表2に示す。放電容量は10セルの
平均値であり、オーブン試験結果は、10セル中の発火
や発煙が観察された電池の個数を示した。
【0054】
【表2】
【0055】<放電特性試験>放電電流500mAにお
ける放電試験の結果である低率放電容量は、正極板3ま
たは負極板4の合剤中に無機固体電解質を含有する実施
例1〜7と合剤中に無機固体電解質を含まない比較例1
とにおいて、合剤中の活物質の割合が異なるにもかかわ
らずほぼ同様であった。
【0056】また、合剤に無機固体電解質を含有してい
ない比較例1と比較して、正極合剤層15および負極合
剤層19の少なくともいずれか一方に無機固体電解質を
含有している実施例1〜7の高率放電容量が高くなって
いた。
【0057】さらに、合剤層に有孔性高分子を含有して
いない比較例1及び実施例1から3に対して、合剤層に
有孔性高分子を含有している実施例4〜7の高率放電容
量が高くなっていた。
【0058】このように、合剤層に無機固体電解質を含
有させることにより、高率放電容量が向上し、さらに合
剤層に有孔性高分子を含有させることにより、さらにそ
の高率放電容量を向上させることができた。
【0059】<オーブン試験>オーブン試験において、
電池10個中において発火および発煙した電池数は、合
剤層に無機固体電解質を含まない比較例1では4個であ
った。それに対して、正極合剤層15および負極合剤層
19のいずれか一方に無機固体電解質を含有する実施例
1および実施例2ではそれぞれ1個、さらに正極合剤層
15と負極合剤層19との双方に無機固体電解質を含有
する実施例3〜7では、発火や発煙した電池はなかっ
た。
【0060】このように、合剤層中に無機固体電解質を
含有させることにより、発火や発煙を抑制でき、電池の
安全性を向上させることができた。
【0061】
【他の実施形態】本発明は上記記述及び図面によって説
明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次の
ような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さら
に、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更し
て実施することができる。
【0062】(1)上記実施例において、正極または負
極合剤層に無機固体電解質とともに有孔性高分子を含有
する場合については、合剤のみに無機固体電解質を含有
させた実施例を示したが、無機固体電解質の添加方法は
これに限定されない。
【0063】例えば、無機固体電解質を合剤ではなく、
高分子溶液に含有させて、正極合剤層15または負極合
剤層19に含有させることができる。すなわち、無機固
体電解質を分散させた高分子溶液に、無機固体電解質を
含まない正極板3または負極板4を含浸して多孔化処理
を行うことにより、無機固体電解質を正極合剤層15ま
たは負極合剤層19の合剤層に含有させることができ
る。また、合剤と有孔性高分子との双方に無機固体電解
質を含有させることもできる。
【0064】(2)本発明に使用する発電要素2の形状
としては、断面が長円形巻回型に限られるものではな
く、断面が円形巻回型や非円形巻回型、あるいは平板型
極板を有孔性高分子膜5で介して積層するスタック型
や、シート状極板を折りたたんでセパレータを介して積
層する型など、あらゆる形状の発電要素を使用すること
ができる。
【0065】(3)また、非水電解質二次電池1の外装
は金属ラミネートフィルムに限定されず、金属缶または
プラスチックケースであってもよい。非水電解質二次電
池の形状は特に制限されない。例えば円筒形、角型、長
円筒型、コイン型等であってもよい。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、安全性に優れるととも
に、優れた高率放電特性を備える非水電解質二次電池を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池の分解斜視図
【図2】発電要素の断面図
【符号の説明】
5…有孔性高分子膜 15…正極合剤層 19…負極合剤層
フロントページの続き Fターム(参考) 5H021 AA06 BB12 EE02 EE27 EE31 5H029 AJ02 AJ12 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ03 BJ14 DJ08 DJ09 DJ16 EJ05 EJ13 EJ14 5H050 AA02 AA15 BA17 CA08 CB08 DA11 DA13 EA12 EA24 EA28 FA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極活物質を含む負極合剤層と、正極活
    物質を含む正極合剤層と、これらの合剤層間に位置する
    電解質とを備える非水電解質二次電池において、 前記電解質は電解液を含んだ有孔性高分子膜からなると
    共に、前記負極合剤層および前記正極合剤層の少なくと
    もいずれか一方の合剤層は無機固体電解質粉末を含有す
    ることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 前記負極合剤層および前記正極合剤層の
    少なくともいずれか一方は前記有孔性高分子を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 前記電解質を構成する前記有孔性高分子
    膜は無機固体電解質粉末を含有することを特徴とする請
    求項1又は請求項2記載の非水電解質二次電池。
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