JP2003172362A - 多点接触玉軸受及び自動車用プーリ - Google Patents

多点接触玉軸受及び自動車用プーリ

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モーメント荷重もしっかりと支持でき、高温
下で使用されても異常発熱及び潤滑剤劣化が生じない多
点接触玉軸受を提供する。 【解決手段】 4点接触又は3点接触の多点接触玉軸受
11において、内輪軌道のレスト角θiを外輪軌道のレ
スト角θoより小さくした。或いは、内輪12又は外輪
13の少なくとも一方に形成された、第一の接触点を提
供する第一溝のレスト角と第二の接触点を提供する第二
溝のレスト角とを異なる値とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルトによって駆
動されるカーエアコンコンプレッサ用電磁クラッチなど
の自動車補機やベルトCVTなどの自動車用プーリを支
持するのに好適な多点接触玉軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁クラッチなどの自動車補機用プーリ
を軸受で支持した場合、プーリに掛け回されるベルトの
幅方向中心位置と軸受の軸方向中心位置とがずれている
場合がある。この場合、ベルトの張力は、軸受にラジア
ル荷重を与えると同時に、上記ずれ(オフセット)量に
比例したモーメント荷重を与える。モーメント荷重は、
支持軸に対してプーリを傾けるように作用する。ここ
で、プーリが大きく傾くと、ベルトが偏磨耗し、ベルト
早期破損の原因となる。また、電磁クラッチの場合に
は、プーリの変位や傾きが大きくなると、クラッチOF
Fの状態に必要な、クラッチ部材間の一定の隙間が確保
されない。クラッチ部材間の隙間が大きくなると電磁ク
ラッチの動作不良が生じ、逆に隙間が小さくなると部材
の衝突や磨耗、異音発生などの不具合が生じる。したが
って、このような用途には、従来、剛性の高い複列アン
ギュラ玉軸受が用いられてきた。
【0003】しかし、昨今、自動車のコンパクト化、コ
ストダウン化に対応するため、プーリ支持用軸受を単列
化する傾向がある。複列アンギュラ玉軸受は、単列玉軸
受に比べて幅寸法が大きいため、昨今の自動車に要求さ
れる省スペース化には適さない。また、複列アンギュラ
玉軸受は、構造上も大きさからも、単列玉軸受に比べて
コスト高になる。
【0004】プーリ支持用単列軸受として、上記のよう
なプーリの変位や傾きを抑える必要から、モーメント剛
性の高い4点接触玉軸受や、3点接触玉軸受を使おうと
する動きがある(例えば、特開平11−336795号
公報、特開平11−210766号公報、特開2000
−120668号公報等)。
【0005】また、複列アンギュラ玉軸受を使用した際
に発生する異音抑制の観点から、4点接触玉軸受や3点
接触玉軸受を使おうとする動きもある(例えば、特開平
9−119510号公報、特開平9−126303号公
報、特開2000−170752号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記4点接触
玉軸受や3点接触玉軸受では、特開平11−21076
6号公報で指摘されているように、転動体である玉と2
点で接触する軌道輪上において、玉と軌道間のスピン運
動によるすべりが大きく、過大な発熱、焼付き、磨耗な
どの問題が生じやすい。プーリ支持用軸受は自動車のエ
ンジン近傍で使用されるため、使用条件によっては、軸
受周囲の温度がかなりの高温になる。周囲が高温で、更
に軸受内部の発熱が高いとき、軸受内部の温度、特に玉
と内輪軌道との接触楕円内で、局所的に温度が著しく高
くなることが想定できる。この局所的な高温にさらされ
ることで、軸受内部の潤滑グリースが劣化し、潤滑不良
から最終的には軸受がロックしてしまう不具合が考えら
れる。高温下で使用されるプーリ支持用多点接触玉軸受
では、転がり疲れ寿命に到達する前に、グリースの劣化
による潤滑不良によって軸受の運転性能が損なわれてし
まう可能性が高い。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、モーメント荷重もしっかりと支持で
き、高温下で使用されても異常発熱及び潤滑剤劣化が生
じない多点接触玉軸受及び自動車用プーリを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成により達成される。 (1) 4点接触又は3点接触の多点接触玉軸受におい
て、内輪軌道のレスト角を外輪軌道のレスト角より小さ
くしたことを特徴とする多点接触玉軸受。 (2) 前記内輪軌道のレスト角と前記外輪軌道のレス
ト角との差が2°以上である前記(1)に記載の多点接
触玉軸受。 (3) 4点接触又は3点接触の多点接触玉軸受におい
て、内輪又は外輪の少なくとも一方に形成された、第一
の接触点を提供する第一溝のレスト角と第二の接触点を
提供する第二溝のレスト角とを異なる値としたことを特
徴とする多点接触玉軸受。 (4) 前記第一溝のレスト角と前記第二溝のレスト角
との差が2°以上である前記(3)に記載の多点接触玉
軸受。 (5) 自動車用プーリを支持するのに用いられる前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の多点接触玉軸受。 (6) 軸受の向きを外部に表示するマークが設けられ
た前記(1)〜(5)のいずれかに記載の多点接触玉軸
受。 (7) 前記(1)〜(6)のいずれかに記載の多点接
触玉軸受を使用した自動車用プーリ。
【0009】上記構成によれば、すべりが大きくなる軌
道のレスト角を小さくすることにより、その軌道と玉と
の間にできる接触楕円内の局所的な発熱を抑えることが
できる。このため、潤滑剤の劣化が少なく、高温下での
使用に耐えることができる。また、第一の接触点を提供
する第一溝のレスト角と第二の接触点を提供する第二溝
のレスト角とを異なる値にすると、2個の溝の両方につ
いてレスト角を小さくしたとき(2個の溝を対称にした
とき)に比べて、プーリの変位や傾きを小さく抑えるこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づいて詳細に説明する。図1は自動車用プーリの構
成を示す要部の拡大断面図である。この自動車用プーリ
1は、カーエアコンコンプレッサ用電磁クラッチに関す
るものである。この電磁クラッチは、車両走行用エンジ
ンに発生する回転動力を冷凍サイクルのコンプレッサに
伝達したり遮断したりするものである。図1に示すよう
に、コンプレッサハウジング2の中心から回転自在に突
出した駆動軸3の先端部に回転円盤4が設けられ、回転
円盤4の外周側には可撓部材5を介してアーマチュア6
が取り付けられている。駆動軸3の周囲を囲むようにし
て、コンプレッサハウジング2と一体に円筒軸2aが突
出するように設けられ、その外周面に、多点接触玉軸受
の一例である4点接触玉軸受11の内輪12が固定され
ている。
【0011】4点接触玉軸受11の外輪13には、ロー
タ7が外嵌されている。ロータ7の外周面には、プーリ
7aが一体的に設けられている。プーリ7aの外周面
に、想像線で示すようにベルト8が掛け回される。ロー
タ7のコンプレッサハウジング2側とは反対側の側面に
は、アーマチュア6と接触して摩擦力により回転力を伝
達する摩擦面7bが形成されている。ロータ7のコンプ
レッサハウジング2側の側面には凹所7dが設けられて
いる。凹所7d内には、電磁コイル9が、ロータ7と接
触しないように収容されている。電磁コイル9は、コン
プレッサハウジング2に固定されている。
【0012】電磁コイル9の非励磁時には、摩擦面7b
とアーマチュア6との間に隙間Gがあいている。電磁コ
イル9に電流を流すと磁界が発生し、アーマチュア6が
可撓部材5の弾性に抗して電磁コイル9側に引き付けら
れ、摩擦面7bに押圧接触する。この結果、プーリ7a
の回転力がアーマチュア6、回転円盤4、駆動軸3を介
してコンプレッサを駆動するように伝達される。ベルト
8の幅方向中心位置αと、軸受11の軸方向中心位置β
とは、オフセット量δでずれており、軸受11にはモー
メント荷重が作用する。
【0013】上記4点接触玉軸受11は、図2に示すよ
うに、内輪12と外輪13との間に複数の玉14を転動
自在に配設したものである。内輪12の外径面には玉1
4との第一の接触点を提供する第一溝12aと、玉14
との第二の接触点を提供する第二溝12bとが設けら
れ、それらによって内輪軌道が形成されている。外輪1
3の内径面にも、玉14との第一の接触点を提供する第
一溝13aと、玉14との第二の接触点を提供する第二
溝13bとが設けられ、それらによって外輪軌道が形成
されている。外輪軌道の断面形状は、玉14とレスト角
θoで接触するゴシックアーチ形状にされ、軸受の軸方
向中心線βに対して対称な形状になっている。外輪13
の第一溝13aの曲率半径と第二溝13bの曲率半径と
は等しい(RO)。なお、図2の左方に付した符号Dp
はピッチ円径を表し、Daは玉14の直径(玉径)を表
している。
【0014】内輪軌道の断面形状は、玉14とレスト角
θiで接触するゴシックアーチ形状にされ、軸受の軸方
向中心線βに対して対称な形状になっている。内輪12
の第一溝12aの曲率半径と第二溝12bの曲率半径と
は等しい(Ri)。内輪12のレスト角θiは、外輪13
のレスト角θoより小さくされており、好ましくは2°
以上小さくされている。
【0015】玉14は保持器18によって転動自在に保
持されている。玉14を挟む軸方向両側に、シール部材
15,15が設けられている。シール部材15の外周部
は、外輪13の内径面に設けられた係止溝17に固定さ
れ、シール部材15の内周部(リップ部)は、内輪の外
径面に設けられたシール溝16の側面に接している。潤
滑方式としては、グリース潤滑を採用することができ
る。
【0016】以上のような4点接触玉軸受11を自動車
用プーリ1に用いることで、内輪12の第一及び第二溝
12a,12bと玉14との間にできる接触楕円内のす
べりが小さくなり、接触楕円内での局所的な発熱を抑え
ることができる。このため、潤滑剤劣化が少なく、高温
下での使用に長期間耐えることができる。
【0017】図3に、多点接触玉軸受の別の例として、
4点接触玉軸受の第2例を示す。この4点接触玉軸受2
1は、内輪軌道の断面形状が、軸受の軸方向中心線βに
対して非対称な形状になっている。内輪12の第一溝1
2aのレスト角θi1は、内輪12の第二溝12bレスト
角θi2より小さくされており、好ましくは2°以上小さ
くされている。軸方向中心線βに対してずれた軸方向位
置(図1のα)にラジアル荷重がかかる場合、第一溝1
2aがラジアル荷重の軸方向位置に近くなるように、玉
軸受21は組み込まれる。玉軸受21の外輪13やシー
ル部材15に、どちら側に第一溝12aがあるかを示す
識別マークを設けておくことができる。第二溝12bの
レスト角θi2は、外輪13の第一及び第二溝13a,1
3bのレスト角θoと同等であってもよいし、θoより小
さくてもよい。
【0018】図4に、多点接触玉軸受の別の例として、
3点接触玉軸受21’を示す。図4に示すように、内輪
12の外径面には第一溝12aと第二溝12bとが設け
られ、それらによって内輪軌道が形成されている。一
方、外輪13の内径面には、単一の接触点で玉14と接
する外輪軌道13dが形成されている。他の構成は、図
3に示した玉軸受21と同様とすることができる。
【0019】図5に示すような、内輪軌道及び外輪軌道
の双方を軸方向中心線βに対称なゴシックアーチ形状に
された従来品の4点接触玉軸受に、ラジアル荷重を負荷
したときの運転状態を、計算機を用いた解析でシミュレ
ートした。解析に用いた条件を表1に示す。ラジアル荷
重は、軸受中心(図1〜図4に示したβ)から軸方向に
4.35mmずれた(オフセットした)位置(図1の
α)に負荷されるものとした。
【0020】
【表1】
【0021】解析手法には「4点接触玉軸受の性能解
析」(谷口、荒牧、正田;(社)日本トライボロジー学
会、トライボロジー会議1996年春 東京 講演予稿
集)に記載の方法を採用した。本解析によって計算され
る軸受の摩擦トルクは、実験によるトルク測定結果に一
致することが報告されている。ここでは、計算によって
得られる最大PV値に注目する。PV値は、玉と内外輪
軌道面の接触点における発熱や摩耗の指標として、しば
しば用いられるパラメータである(例えば特開平11−
210766号公報など)。玉と軌道との接触点は、実
際には表面の弾性変形により、ヘルツの接触理論におい
て楕円形で表される領域をもつ面となる。PV値は、こ
の接触面内の面圧Pとすべり速度Vとの積である。解析
では、各玉と各軌道との接触面内において、PV値を計
算している。PV値に表面間のすべり摩擦係数μを乗じ
た値μPVは、単位面積・単位時間当たりのすべりによ
る摩擦損失(=発熱)である。
【0022】図5の、4個の溝のレスト角がすべて等し
い4点接触玉軸受51に、ラジアル荷重1000Nを負
荷した際の、玉54の各接触点における最大PV値を計
算機によって解析した結果を図6に示す。図6に示すよ
うに、外輪53にかかるラジアル荷重の位置に近い側の
内輪軌道(第一溝)上のPV値が、他の接触点に比べて
大きくなった。
【0023】軸受の耐久性を低下させる高温下のグリー
ス劣化については、玉一個分や、接触楕円一つ分といっ
た局所的な発熱、温度上昇が影響していると考えられ
る。したがって、PV値に代表されるすべり発熱をでき
るだけ小さく抑えることによって、高温下で使用される
プーリ用軸受の寿命延長を図ることができる。
【0024】PV値を抑えるためには、接触楕円内のす
べり速度Vを小さくすることが有効である。運転時に玉
と軌道が接触するときの角度(接触角)を小さくする
と、接触楕円内のスピン運動によるすべり速度Vを小さ
く抑えることができる。しかし、軸受運転時の接触角
は、運転条件(荷重、回転数)や軸受すきまなどの影響
によって変化する。また、機械に組み込まれて運転して
いる軸受の接触角を実際に測定することも難しい。した
がって、単純に接触角の大きさを議論することは実用的
ではない。そこで、本発明では、軸受運転時の接触角に
及ぼす影響が大きく、また、測定も容易なレスト角に着
目する。レスト角は、静止状態において、内輪又は外輪
それぞれにある2つの溝の双方に玉を接触させたときの
接触角として定義される。
【0025】まず、大きなPV値が問題となっている内
輪のレスト角を変えて計算を行った。結果を図7に示
す。ここでは、内輪の第一及び第二溝の両方を同じレス
ト角としている。外輪軌道のレスト角は、表1の条件と
同じである。図7から、内輪軌道のレスト角を小さくす
ると、接触点における最大PV値が減少することがわか
る。結果として、局所的な発熱が減少し、耐久時間延長
の効果が期待できる。
【0026】次に、図6でPV値が特に大きいとされた
内輪第一溝のレスト角のみを変化させて計算を行った。
結果を図8に示す。外輪軌道と、内輪第二溝のレスト角
は、表1の条件と同じである。内輪第一溝のみのレスト
角を小さくするとによっても、図7と同様、接触点にお
ける最大PV値が減少し、耐久時間延長の効果がある。
【0027】PV値の限界には諸説あるが、発明者らの
研究では、計算によるPV値が1.5〜2.0GPam
/sを超えると、軌道面の摩耗が問題になることがわか
っている(特開平11−210766号公報)。ラジア
ル荷重2000Nに対する計算結果から、図7における
内輪軌道のレスト角、または図8における内輪第一溝の
レスト角を18度以下にしたとき、すなわち、図7にお
ける外輪軌道のレスト角と内輪軌道のレスト角の差、ま
たは図8における内輪第一溝のレスト角と内輪第二溝の
レスト角の差を2度以上とすると、PV値が2.0GP
am/sを下まわり、摩耗などの問題が発生しにくくな
ることが期待できる。
【0028】図7、図8に示した二通りの方法でレスト
角を変化させた場合の、プーリ外径部(直径110m
m)の軸方向変位を図9に示す。内輪第一溝、第二溝の
レスト角をともに変化させて、対称断面の内輪としたと
きには、レスト角を小さくすると、プーリ外径部の変位
が大きくなることがわかる。一方、内輪第一溝のレスト
角のみを変化させた場合は、プーリ外径部の移動量はほ
とんど変化しない。ベルトがかかるプーリ外径部の変位
が大きくなることは、ベルトの偏摩耗や、電磁クラッチ
の場合は、クラッチの動作不良などの問題が生じる可能
性がある。プーリ軸受としての剛性を維持しながら、局
所的な接触楕円内のすべり発熱を抑え、軸受の耐久時間
延長を図るためには、4点接触玉軸受の2個の溝のう
ち、すべり発熱の大きい一方のレスト角を他方のそれに
比べて小さくする方法が有効である。
【0029】実際の軸受では、レスト角を過度に小さく
すると、運転中の接触角が極めて小さくなる。極端なケ
ースでは、接触楕円が第一溝と第二溝の境界を越えて、
反対側の溝にはみ出す可能性がある。こういった場合に
は、4点接触玉軸受として設計された剛性や摩擦トルク
といった軸受の運転性能が期待できない。また、第一溝
と第二溝の境界部(みぞ底)は、十分な形状精度や表面
粗さを得ることが難しいことから、軸受寿命が短くなる
などの問題がある。以上の観点から、本発明でとりあげ
たレスト角の大きさには、下限が決定されると考えられ
る。この観点からレスト角の下限を10度とすることが
好ましい。
【0030】また、プーリや自動車用補機などへの組み
付けを考慮すると、レスト角が第一溝、第二溝で異なる
軸受には、オフセット荷重の方向に対して正しい向きに
軸受を組み付けることができるように、方向を示す識別
マークを表示することが好ましい。
【0031】なお、単列4点接触玉軸受の外輪上の2個
の溝についても同様に、すべりの大きい側の溝のレスト
角を、他方のレスト角よりも小さくすることによって、
局所的な発熱を抑えて、グリース劣化を低減させる効果
がある。このとき、内外輪の対向する溝(玉14の中心
を挟んで対抗する溝;例えば内輪第一溝と外輪第二溝)
のレスト角を一致させる必要はない。
【0032】なお、図4に示した3点接触玉軸受におい
ても、玉と2点で接触する軌道輪上の2個の溝のレスト
角に上記同様の違いをもたせることは、スピンすべりを
低減し、発熱を抑制する効果がある。したがって、本発
明は3点接触玉軸受に適用しても有効である。なお、こ
こでは、カーエアコンコンプレッサ用電磁クラッチのよ
うな自動車補機用プーリについて説明したが、軸方向に
オフセットされた大きなラジアル荷重を支持し、かつ軸
方向の剛性が必要とされる、自動車に用いられるプーリ
やその支持軸受、たとえば、ベルト式CVTのプーリや
その支持軸受に本発明を適用しても同様の効果が期待で
きる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る多点
接触玉軸受によれば、軌道上の局所的な発熱を抑え、グ
リース劣化や摩耗による寿命低下を防ぐことができる。
また、この多点接触玉軸受を適用した自動車用プーリ
は、所定の剛性を維持しながら、多点接触玉軸受が局所
的な発熱の抑制、耐久時間延長等を可能にする構成であ
ることから、自動車用プーリ自体の信頼性向上はもとよ
り、自動車の信頼性向上をも図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である自動車用プーリの構成
を示す要部の拡大断面図である。
【図2】多点接触玉軸受の第1例を示す断面図である。
【図3】多点接触玉軸受の第2例を示す断面図である。
【図4】多点接触玉軸受の第3例を示す断面図である。
【図5】従来品における玉と軌道との接触点の位置を示
す模式的断面図である。
【図6】玉と軌道との接触点の位置と最大PV値との関
係を示す特性図である。
【図7】レスト角と最大PV値との関係を示す特性図で
ある。
【図8】レスト角と最大PV値との関係を示す特性図で
ある。
【図9】レスト角とプーリ外径部の軸方向移動量との関
係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 自動車用プーリ 7a プーリ 8 ベルト 11,21 4点接触玉軸受(多点接触玉
軸受) 12 内輪 12a 第一溝 12b 第二溝 14 玉

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4点接触又は3点接触の多点接触玉軸受
    において、内輪軌道のレスト角を外輪軌道のレスト角よ
    り小さくしたことを特徴とする多点接触玉軸受。
  2. 【請求項2】 前記内輪軌道のレスト角と前記外輪軌道
    のレスト角との差が2°以上である請求項1に記載の多
    点接触玉軸受。
  3. 【請求項3】 4点接触又は3点接触の多点接触玉軸受
    において、内輪又は外輪の少なくとも一方に形成され
    た、第一の接触点を提供する第一溝のレスト角と第二の
    接触点を提供する第二溝のレスト角とを異なる値とした
    ことを特徴とする多点接触玉軸受。
  4. 【請求項4】 前記第一溝のレスト角と前記第二溝のレ
    スト角との差が2°以上である請求項3に記載の多点接
    触玉軸受。
  5. 【請求項5】 自動車用プーリを支持するのに用いられ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の多点接触玉軸受。
  6. 【請求項6】 軸受の向きを外部に表示するマークが設
    けられた請求項1〜5のいずれかに記載の多点接触玉軸
    受。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の多点接
    触玉軸受を使用した自動車用プーリ。
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