JP2003172337A - 導通機能を有する軸受 - Google Patents

導通機能を有する軸受

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JP2003172337A
JP2003172337A JP2001372529A JP2001372529A JP2003172337A JP 2003172337 A JP2003172337 A JP 2003172337A JP 2001372529 A JP2001372529 A JP 2001372529A JP 2001372529 A JP2001372529 A JP 2001372529A JP 2003172337 A JP2003172337 A JP 2003172337A
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conductive fluid
bearing
tubular
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JP2001372529A
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English (en)
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Harushige Osawa
晴繁 大澤
Satoru Sodeoka
覚 袖岡
Takeo Hayashi
丈雄 林
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性流体を介して回転部材と固定部材との
間を導通させる軸受において、導電性流体の拡散、飛散
の発生を抑制する軸受を提供する。 【解決手段】 管状部分101の内側には、管状部分
(基礎)101aの内径よりも小さく、導通ピン102
の直径よりも大きな内径よりなる細管部分101bが設
けられている。この場合、回転側部材で発生した静電気
は、ハブ7、管状部分101、導電性流体103、導通
ピン102、シャフト2、ブラケット1を経由するアー
ス経路を通って除電される。また、細管部分101bの
作用により、導通ピン102と導電性流体103の接触
が保たれる位置で強く導電性流体103が保持されるた
め、導通ピン102と導電性流体103の接触は、安定
確実に確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導通機能を有する
軸受構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置の駆動に供されるス
ピンドルモータ等では、高回転が要求されるため、モー
タを構成する回転側部材と空気との摩擦などの影響によ
り静電気が発生する。モータの内部で発生し蓄積された
静電気は、電荷量が大きくなると、やがて放電し、当該
モータやそのモータを備えるハードディスク装置等が静
電気放電によって損傷を受ける。特に、モータを構成す
る回転側部材と固定側部材が非接触で組み合わされてな
る空気動圧軸受を備えたスピンドルモータでは、回転側
部材と固定側部材が接触しないため、静電気を除電する
ためのアース経路を設けることができず、そのため静電
気の蓄積及び放電による機器損傷の発生が、より顕著で
ある。
【0003】そこで、静電気を除電するためのアース経
路を設けた軸受構造として、例えば特開2001−14
6915号公報には、回転側部材又は固定側部材のいず
れか一方に取り付けた円筒状の導通ピンと、その導通ピ
ンと回転自在にはめ合わされた中空状の相手部材との間
の微小すき間に導電性流体を表面張力で保持し、その導
電性流体を介して静電気を逃がす構造が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構
成では、導電性流体と、導通ピン表面又はその導通ピン
と回転自在にはめ合わされた中空状の相手部材表面との
間の濡れ性によって、表面張力で保持された導電性流体
が、その導電性流体中で相対的に回転する導通ピン表面
又は中空状の相手部材表面を濡らしながら拡散し、さら
に遠心力等によって飛散するという問題があった。
【0005】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
回転側部材と固定側部材との間を導電性流体を介して電
気的に接続する導通機能を有する軸受であって、導電性
流体が軸受外部に拡散または飛散しない軸受を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、回転側部材と固定側部材とを有する軸受であって、
前記回転側部材又は前記固定側部材のいずれか一方の部
材に円柱状部分を設け、他方の部材に管状部分を設け、
前記円柱状部分と前記管状部分は回転中心軸上又はその
近傍に設けられ、前記管状部分は前記円柱状部分の直径
よりも大きな内径を有し、前記円柱状部分は前記管状部
分の内側に非接触で回転自在に挿入され、前記円柱状部
分は前記管状部分内に保持された導電性流体に接触し、
前記円柱状部分の外周面及び前記管状部分の内周面の少
なくとも1つに前記導電性流体の保持位置を規定するテ
ーパ面あるいはこれに近似する曲面を設けたことを特徴
とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
軸受において、前記管状部分の内側に前記管状部分の内
径よりも小さく、前記円柱状部分の直径よりも大きな内
径よりなる細管部分を設け、この部分の内面をテーパ面
あるいはこれに近似する曲面により前記管状部分の内面
に連続的に繋ぎ、前記細管部分に前記導電性流体を保持
することを特徴としている。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載の軸受において、前記円柱状部分が挿入された前記
管状部分の開口部付近の所定位置に、前記円柱状部分と
前記管状部分との間の隙間が前記導電性流体の保持部分
における隙間より小さくなる拡散防止部分を前記円柱状
部分と前記管状部分との一方もしくは両方に設けたこと
を特徴としている。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の軸受において、前記管状部分及び前記
導電性流体は磁性材料によって構成され、前記管状部分
内で導電性流体は磁気的に保持されることを特徴として
いる。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の軸受において、前記管状部分には前記
管状部分の内部空間が閉じられている位置と前記導電性
流体が保持された位置との間の空間と、管状部分外部の
空間とを繋ぐ貫通穴が設けられたことを特徴としてい
る。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載の軸受において、前記管状部分及び前記
円柱状部分の少なくとも一つに撥油剤が塗布されたこと
を特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本発明の
一実施形態に係る軸受を磁気ディスク駆動用スピンドル
モータの空気動圧軸受に適用した例の縦断面図である。
図1に示すように、動圧軸受スピンドルモータは、固定
側部材であるブラケット1、シャフト2、ラジアル軸受
部材3、スラスト板4及び5、回転側部材であるハブ
7、ラジアルスリーブ6、ハブ7を回転駆動する磁気駆
動手段としてのロータマグネット8及びステータ9等を
具備する。ラジアル軸受部材3とラジアルスリーブ6と
の間に空気が介在することによりラジアル動圧軸受HB
1を構成し、スラスト板4及び5とラジアルスリーブ6
との間に空気が介在することによりスラスト動圧軸受H
B2を構成する。
【0013】ブラケット1は、動圧軸受モータのベース
を構成する円環状の部材であり、中央部分には貫通孔1
1が形成されている。ブラケット1は、そのフランジ部
裏面がハードディスクのハウジング(図示せず)に固着
されており、接地されている。シャフト2は、例えばス
テンレス鋼等の金属製の円柱状部材であり、上端がブラ
ケット1から突出した状態でブラケット1の貫通孔11
に内嵌支持されている。シャフト2の上側外周面には円
筒状のラジアル軸受部材3が固着されており、ラジアル
軸受部材3の上下両端面には、円盤状の2枚のスラスト
板4及び5が取り付けられている。スラスト板4と5の
間であって、かつラジアル軸受部材3の外周面には、円
筒状のラジアルスリーブ6が回転可能に取付けられてい
る。
【0014】スラスト板4と5の対向面には、ラジアル
スリーブ6との間で動圧を発生するための「く」の字状で
深さが数μmのヘリングボーン溝41及び51が形成さ
れている。スラスト板4と5の対向面とラジアルスリー
ブ6の上下両端面との間には、スラスト動圧軸受HB2
が構成されている。ラジアル軸受部材3の外周面には、
ラジアル軸受部材3とラジアルスリーブ6との間で動圧
を発生するための「く」の字状で深さが数μmのへリング
ボーン溝31が形成されている。ラジアル軸受部材3の
外周面とラジアルスリーブ6の内周面との間には、ラジ
アル動圧軸受HB1が構成されている。ラジアルスリー
ブ6は、ラジアル動圧軸受HB1及びスラスト動圧軸受
HB2を介して、シャフト2、スラスト板4及び5に対
して相対回転可能に支持されている。
【0015】ハブ7は、有蓋円筒状であり、上円筒部7
1と上円筒部71より直径の大きな下円筒部72とを含
む。上円筒部71と下円筒部72とは、段差部73によ
り一体化されている。上円筒部71の内周面にはラジア
ルスリーブ6が取付けられている。上円筒部71の外周
面には、磁気ディスクDが上下方向に複数枚、例えば3
枚取付けられている。下円筒部72の内周面には、N極
とS極とが交互に配設された環状のロータマグネット8
がブラケット1に固定されたステータ9に対向して取付
けられている。
【0016】以上のように構成された動圧軸受スピンド
ルモータの動作について説明する。ステータ9のコイル
に励磁電流が通電されると、ロータマグネット8とステ
ータ9との間で磁力が発生し、この磁力によりハブ7が
回転する。ハブ7と共にラジアルスリーブ6が回転する
と、ラジアル動圧軸受HB1に動圧が発生し、同時にス
ラスト動圧軸受HB2に動圧が発生し、回転側部材が固
定側部材に対し非接触で回転する。
【0017】回転側部材が回転すると、空気との摩擦に
より静電気が発生し、回転側部材及び回転側部材に取り
付けられた磁気ディスクDに帯電する。回転側部材が回
転を続けると静電気の帯電量が増大し、磁気ディスクD
と磁気ヘッドDHとの間で放電される。この放電により、
磁気ヘッドDHが損傷するおそれがある。
【0018】第1実施形態に係る軸受では、シャフト2
の上端に円筒状の凹部201が設けられ、凹部201の
中央部の回転中心軸上に円柱状の導通ピン102が設け
られている。また、ハブ7の中央部の回転中心軸上に
は、導通ピン102と回転自在に嵌め込まれるように管
状部分101が設けられている。導通ピン102と管状
部分101の相対向する空間には、導電性流体103が
表面張力によって保持されている。この場合、回転側部
材及び回転側部材に取り付けられた磁気ディスクDで発
生した静電気は、ハブ7、管状部分101、導電性流体
103、導通ピン102、シャフト2、ブラケット1を
経由するアース経路を通って除電される。
【0019】図2は、管状部分101、導通ピン10
2、導電性流体103等で構成された導通機構部100
の拡大図である。管状部分101の内側には、管状部分
(基礎)101aの内径よりも小さく、導通ピン102
の直径よりも大きな内径よりなる細管部分101bが設
けられ、管状部分(基礎)101aの内面と細管部分10
1bの内面とはテーパ面101b1で繋がっており、細
管部分101bの下側にもテーパ面101b2が設けら
れている。細管部分101bの内部に注入された導電性
流体103は、その界面が両テーパ面101b1、10
1b2に位置するよう設定される。このため、両テーパ
面101b1,101b2における導電性流体103の
表面張力により、導電性流体103は導通ピン102と
の接触が保たれる位置つまり細管部分101bの位置で
強く保持されるため、管状部分101と導通ピン102
の導通は、安定確実に確保される。なお、導通ピン10
2の先端は、導電性流体103に対する抜き差しを考慮
し、特に抜く場合に液を引きずってこないよう円錐状と
なっている。
【0020】図12は、従来の管状部分101に細管部
分101bが設けられていない場合を示した図である。
この場合、導電性流体103に作用する表面張力は、管
状部分101内のどの位置でも同じ力で作用するため、
図12に示すように導電性流体103が導通ピン102
と接触しない位置に移動してしまい、導通が確保出来な
くなる場合がある。
【0021】また、第1実施形態によれば、管状部分1
01内に閉じ込められた空気105が、温度変化等によ
り膨張又は、収縮した場合には、空気105が貫通穴1
04から流出、又は流入して管状部分101の外部と等
しい圧力に保たれるので、導電性流体103の保持位置
に影響を与えない。また、管状部分101の細管部分1
01bを磁石によって構成し、導電性流体103を磁性
流体によって構成することにより、導電性流体103は
磁気力によっても保持され、保持力をより強固なものと
することが出来る。この場合、導通ピン102を磁性体
で構成し、細管部分101bと導通ピン102との間を
通る磁気回路を構成すれば導電性流体103の保持力を
高めることが出来るため、例えば管状部分101を非磁
性体とし、細管部分101bの外周に磁石を配置した
り、細管部分101bに磁石を埋め込む等して磁気力に
より導電性流体103を保持することも出来る。
【0022】なお、上記説明では管状部分(基礎)10
1aと細管部分101bの接合部分をテーパーで繋ぐ構
造を示したが、細管部分101bに導電性流体103を
保持できればこれに限らず他の平面、曲面の組み合わせ
からなる接合方法であっても良い。また、図3に示すよ
うに、細管部分101bを、管状部分101の端に達す
る構造としても良い。この場合、細管部分101bの下
端開口部106は導通ピン102との間が微小な環状間
隙となるので、導電性流体103は表面張力により漏出
なく保持される。さらに、貫通穴104は、ハブ7又は
シャフト2を貫通する位置に設けられていても良い。
【0023】(第2実施形態)第2実施形態は、基本的
に第1実施形態と同様の構成を有し、導通機構部100
の構成が異なる。図4は、第2実施形態に係る導通機構
部100の構成例を示した図である。管状部分101の
図示しない上側部分には、その内面が上側に向かうに従
い拡径するテーパ面もしくはこれに近似する曲面が形成
され、導電性流体103の保持位置が規定されている。
【0024】管状部分101の開口部106付近に、管
状部分(基礎)101aの内径よりも小さく、導通ピン
102の直径よりも大きい内径を持った拡散防止部10
1cを備えている。導電性流体103は、拡散防止部1
01cから見て開口部106と反対方向となる位置に保
持され、導通ピン102と接触している。この場合、導
電性流体103は管状部分101内壁表面の濡れ等によ
って開口部106方向に拡散するが、導電性流体103
が開口部106に到達する前に拡散防止部101cが備
えられているため、開口部106に到達するまでの沿面
距離が長くなると共に、開口部106は拡散防止部10
1cにより微小隙間を残して閉鎖されるため、導電性流
体103が開口部106に到達することが防止される。
また、導電性流体103は開口部106まで到達しない
ので、管状部分101が回転することによって生じる遠
心力等の影響で、導電性流体103が管状部分101の
外部に飛散することもない。なお、図5に示すように拡
散防止部101cは、開口部106と一体となっていて
も良い。また、管状部分(基礎)101a内に注入され
た導電性流体103を磁性流体とし、管状部分(基礎)
101aの外周の導通ピン102先端に対応する位置に
周外の磁石を配置すれば、導通ピン102に接する位置
に導電性流体103をより確実に保持できる。
【0025】図13は、従来の管状部分101が拡散防
止部101cを備えていない場合を示した図である。こ
の場合、導電性流体103は管状部分101内壁表面の
濡れ等によって開口部106方向に拡散し、容易に開口
部106に到達する。管状部分101は回転しているた
め、開口部106に到達した導電性流体103には遠心
力が作用して管状部分101の外部に飛散する。
【0026】(第3実施形態)第3実施形態は、基本的
に第1実施形態と同様の構成を有し、導通機構部100
の構成が異なる。図6は、第3実施形態に係る導通機構
部100の構成例を示した図であり、第2実施形態と同
様、管状部分101に形成したテーパ面もしくはこれに
近似した曲面により導電性流体103が保持されてい
る。
【0027】導通ピン102は、管状部分101の内径
よりも直径が小さい大径部分102bと、大径部分10
2bよりも直径が小さく、かつ中心軸を大径部分102
bと同じくする小径部分102aを備えている。導電性
流体103は、第2実施形態の場合と同様に、管状部分
101内で小径部分102aと接触する位置に保持され
ている。小径部分102aと接触している導電性流体1
03は、小径部分102a表面との濡れ等によって、開
口部106方向に拡散するが、導電性流体103が開口
部106に達するより手前に大径部分102bが設けら
れているため、開口部106に到るまでの導通ピン10
2表面の沿面距離が大きくなると共に、管状部分101
は大径部分102bによって微小隙間を残して事実上閉
鎖される。したがって、導電性流体103が開口部10
6まで拡散することは困難となり、導電性流体103が
開口部106から外部に拡散又は飛散することの防止が
図れる。なお、図7に示すように大径部分102bを、
そのままシャフト2の上端まで延長する構成であっても
良い。
【0028】(第4実施形態)第4実施形態は、基本的
に第1実施形態と同様の構成を有し、導通機構部100
の構成が異なる。図8は、第4実施形態に係る導通機構
部100の構成例を示した図である。
【0029】導通ピン102は、管状部分101の内径
よりも直径が小さい小径部分102aと、管状部分10
1の内径よりも直径が大きく、かつ中心軸を小径部分1
02aと同じくする外部大径部分102cを備えてい
る。小径部分102aは、管状部分101内に保持され
ている導電性流体103と接触し、外部大径部分102
cは管状部分101の外部で接触しない位置に設けられ
ている。管状部分101内における導電性流体103
は、第2実施形態の場合と同様の構成により、小径部分
102aと接触する位置に保持される。小径部分102
aと接触している導電性流体103は、小径部分102
a表面との濡れ等によって拡散し、開口部106に達す
るが、更に拡散すると外部大径部分102cに達する。
外部大径部分102cは沿面距離を増加させ、また開口
部106を微小隙間を残して閉鎖するように設けられて
いるため、導電性流体103が外部大径部分102cを
越えて拡散することが防止される。なお、図9に示すよ
うに外部大径部分102cは、そのままシャフト2の上
端まで延長する構成であっても良い。また、第1〜4実
施形態を組み合わせた場合の実施形態例を図10に示
す。
【0030】(その他の変形例)なお、第1〜4実施形
態において、管状部分101または導通ピン102の少
なくとも一つに導電性流体103による濡れを阻害する
撥油剤を塗布することにより、管状部分101または導
通ピン102が導電性流体103によって濡れることが
減少する。したがって、濡れによる拡散もまた減少し、
導電性流体103の拡散及び飛散の防止効果をさらに高
めることが出来る。
【0031】また、上記実施形態において、管状部分1
01と導通ピン102との関係は、一方が回転側、他方
が固定側であれば良く、導通ピンを回転側、管状部分を
固定側とすることもできる。この場合、導通ピン表面に
接触している液を所定の保持位置に押し戻してやるドラ
イブ力を得るのが望ましく、例えば導電性流体に接触し
ない導通ピン表面にスパイラル状溝を設けておけば、導
通ピン表面を伝って液保持位置から移動しようとする液
を導通ピンの回転に伴って保持位置に戻してやることが
できる。
【0032】さらに、前記の実施の形態においては、管
状部分101の内周面にテーパ面あるいはこれに近似す
る曲面を設けることにより導電性流体103の保持位置
を規定する場合について述べたが、これに限らず、導通
ピン102の外周面及びこれに対向する管状部分101
の内周面に設けることもできる。例えば、図11は、導
通ピン102側が回転するとした場合においてこのよう
な構成を採用した第5実施形態を示したものであり、同
時に、回転に伴う導電性流体103の遠心力による保持
位置からの飛散を防止する機能を有している。
【0033】すなわち、回転側に設けられた導通ピン1
02の所定位置に一対のテーパ面を形成して略そろばん
玉状の環状凸部102dを設ける一方、固定側に設けら
れた管状部分101の所定位置に管状部分(基礎)10
1aより内径が小さい細管部分101bを設けると共
に、この細管部分101bにおける環状凸部102dに
対応する位置に一対の内向きのテーパ面を形成して環状
凹部101dを形成し、環状凸部102dの外周面と環
状凹部101dの内周面との間の環状間隙に導電性流体
103を充填保持するようにしている。環状凹部101
dのテーパは環状凸部102dのテーパより傾きが小さ
く設定されている。このような形態にあっては、環状凸
部102dの外周面と環状凹部101dの内周面との間
の環状間隙が軸方向両方に向かってテーパ状に拡開する
結果、この環状間隙に充填された導電性流体103はそ
の表面張力によって環状凸部102d及び環状凹部10
1dの軸線方向中央部に向かう力が作用しながら保持さ
れる。加えて、導通ピン102の回転時には、環状凸部
102dの表面に引きずられて移動する導電性流体10
3は、遠心力により環状凹部101dのテーパに従って
環状凸部102dの中央部(頂点部分)に移動する力を
受け、結果的に導電性流体103の保持位置からの飛散
が確実に防止されることになる。
【0034】また、第1〜5実施形態では、本発明に係
る軸受を磁気ディスク駆動用スピンドルモータの空気動
圧軸受に適用した例を示したが、発電機、風車、タービ
ン等、回転体を支持する軸受で有れば良く、モータの軸
受に限定されない。また、動圧軸受に適用したが、ベア
リング等で構成される他の種類の軸受であっても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、回転側部材と固定側部
材との間を導電性流体を介して電気的に接続する導通機
能を有する軸受であって、導電性流体が軸受外部に拡散
または飛散しない軸受が提供できる。
【0036】また、この発明によれば、前記回転側部材
は前記固定側部材との間で接触抵抗を生じることなく回
転可能である。また、前記回転側部材が回転させられる
ことにより空気との摩擦などで発生する静電気は、前記
回転側部材から管状部分、導電性流体、円柱状部分を介
して固定側部材に到るアース経路を通って除電される。
また、前記円柱状部分と管状部分が設けられる回転中心
軸上もしくはその近傍は、回転する前記回転側部材と前
記固定側部材との間の相対速度が最小となる位置である
ため、前記円柱状部分と導電性流体とが接触しているこ
とにより発生する粘性抵抗は最小になる。さらに、前記
円柱状部分及び管状部分の少なくとも1つに導電性流体
の保持位置を規定するテーパ面あるいはこれに近似する
曲面を設けたことにより、前記管状部分内に保持された
導電性流体が前記管状部分の外に拡散、及び飛散するこ
とが防止される。
【0037】また、この発明によれば、当該細管部分の
内径は当該管状部分の他の部分の内径よりも小さいため
に、導電性流体に対して表面張力が強く作用し、導電性
流体は当該細管部分の位置に強く保持される。従って、
導電性流体は管状部分内部で移動することが無く、前記
円柱状部分との間で確実に導通が確保されると同時に、
強く保持されるために導電性流体の拡散及び飛散が防止
される。
【0038】また、この発明によれば、前記管状部分内
に保持された導電性流体が、前記管状部分の内壁表面の
濡れ等によって管状部分開口部方向に拡散した場合であ
っても、前記拡散防止部分が設けられているため、導電
性流体が保持されている位置から開口部に到る管状部分
の内壁表面の沿面距離が大きくなる。さらに、管状部分
は前記拡散防止部分により微小隙間を残して閉鎖される
ため、導電性流体が管状部分の開口部から外部に拡散又
は飛散することの防止が図れる。
【0039】また、この発明によれば、前記導電性流体
は磁性材料によって構成される導電性磁性流体であっ
て、前記管状部分内で前記導電性磁性流体は磁気的な力
によって保持されるため、前記円柱状部分の表面の濡れ
等によって円柱状部分表面に沿って管状部分開口部方向
に拡散しようとする導電性磁性流体に対して、拡散しよ
うとする力を妨げる方向に磁気力が作用し、導電性磁性
流体が管状部分の開口部から外部に拡散又は飛散するこ
との防止が図れる。
【0040】また、この発明によれば、前記管状部分の
中空空間が閉じられている位置と前記導電性流体が保持
された位置との間の空間が、前記貫通穴によって管状部
分外部の空間と繋がれているため、貫通穴を経由して空
気が流出、流入することが可能となる。
【0041】この場合、前記管状部分の内部空間が閉じ
られている位置と前記導電性流体が保持された位置との
間に閉じ込められた空気が温度の変化により膨張、収縮
して圧力が変化した場合であっても、前記貫通穴から空
気が流出、流入することによって、前記空気の圧力が管
状部分外部と等しい圧力に保たれ、導電性流体が前記空
気の圧力の変化の影響を受けない。
【0042】また、この発明によれば、前記管状部分及
び前記円柱状部分の少なくとも一つに、前記導電性流体
による濡れを阻害する撥油剤が塗布されているため、撥
油剤が塗布された前記管状部分または円柱状部分が導電
性流体により濡れることが少なくなり、濡れによる拡散
が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る動圧軸受スピン
ドルモータの縦断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図8】 本発明の第4実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図9】 本発明の第4実施形態に係る導通機構部の縦
断面図である。
【図10】 本発明の第1〜4実施形態に係る導通機構
部の縦断面図である。
【図11】 本発明の第5実施形態に係る導通機構部の
縦断面図である。
【図12】 従来例による導通機構部の縦断面図であ
る。
【図13】 従来例による導通機構部の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ブラケット 11 ブラケットの貫通穴 2 シャフト 201 凹部 3 ラジアル軸受部材 31 へリングボーン溝 4 スラスト板 41 へリングボーン溝 5 スラスト板 51 へリングボーン溝 6 ラジアルスリーブ 7 ハブ 8 ロータマグネット 9 ステータ 71 上円筒部 72 下円筒部 73 段差部 100 導通機構部 101 管状部分 101a 管状部分(基礎) 101b 細管部分 101b1 上側テーパ面 101b2 下側テーパ面 101c 拡散防止部分 101d 環状凹部 102 導通ピン (円柱状部分) 102a 小径部分 102b 大径部分(拡散防止部分) 102c 外部大径部分 102d 環状凸部 103 導電性流体 104 貫通穴 105 空気 106 開口部 D 磁気ディスク DH 磁気ヘッド HB1 ラジアル動圧軸受 HB2 スラスト動圧軸受
フロントページの続き (72)発明者 林 丈雄 京都市右京区西京極堤外町10 日本電産株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 3J011 AA02 BA02 BA08 EA10 JA03 KA02 KA03 MA12 PA03 RA04 5H605 AA03 AA12 BB05 BB09 BB19 CC04 EB03 EB16 5H607 AA00 BB01 BB07 BB09 BB14 BB17 CC01 GG03 GG12 GG14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転側部材と固定側部材とを有する軸受
    であって、前記回転側部材又は前記固定側部材のいずれ
    か一方の部材に円柱状部分を設け、他方の部材に管状部
    分を設け、前記円柱状部分と前記管状部分は回転中心軸
    上又はその近傍に設けられ、前記管状部分は前記円柱状
    部分の直径よりも大きな内径を有し、前記円柱状部分は
    前記管状部分の内側に非接触で回転自在に挿入され、前
    記円柱状部分は前記管状部分内に保持された導電性流体
    に接触し、前記円柱状部分の外周面及び前記管状部分の
    内周面の少なくとも1つに前記導電性流体の保持位置を
    規定するテーパ面あるいはこれに近似する曲面を設けた
    ことを特徴とする軸受。
  2. 【請求項2】 前記管状部分の内側に前記管状部分の内
    径よりも小さく、前記円柱状部分の直径よりも大きな内
    径よりなる細管部分を設け、この部分の内面をテーパ面
    あるいはこれに近似する曲面により前記管状部分の内面
    に連続的に繋ぎ、前記細管部分に前記導電性流体を保持
    することを特徴とする請求項1記載の軸受。
  3. 【請求項3】 前記円柱状部分が挿入された前記管状部
    分の開口部付近の所定位置に、前記円柱状部分と前記管
    状部分との間の隙間が前記導電性流体の保持部分におけ
    る隙間より小さくなる拡散防止部分を前記円柱状部分と
    前記管状部分との一方もしくは両方に設けたことを特徴
    とする請求項1又は2記載の軸受。
  4. 【請求項4】 前記管状部分及び前記導電性流体は磁性
    材料によって構成され、前記管状部分内で導電性流体は
    磁気的に保持されることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の軸受。
  5. 【請求項5】 前記管状部分には前記管状部分の内部空
    間が閉じられている位置と前記導電性流体が保持された
    位置との間の空間と、管状部分外部の空間とを繋ぐ貫通
    穴が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の軸受。
  6. 【請求項6】 前記管状部分及び前記円柱状部分の少な
    くとも一つに撥油剤が塗布されたことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104037985A (zh) * 2014-06-04 2014-09-10 湖南海捷主轴科技有限公司 电机转子防静电放电装置及装配方法
CN113394921A (zh) * 2021-06-30 2021-09-14 南阳防爆(苏州)特种装备有限公司 一种感应电机及其生产工艺

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